JP3282247B2 - 軸受及び燐酸マンガン塩被膜処理方法 - Google Patents

軸受及び燐酸マンガン塩被膜処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は産業機械全般に適用される軸受、
特に、鉄鋼製造ライン用、車両用等の大型軸受として好
適な軸受及びその軸受に適用される燐酸マンガン塩被膜
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、燐酸マンガン塩被膜処理液は、
2価のマンガンイオン、鉄イオン、ニッケルイオンと、
3価の燐酸イオンとからなる燐酸マンガン塩化合物の水
溶液により構成されている。そして、この燐酸マンガン
塩化合物は、金属表面の防錆効果、または鋼板等と塗料
との密着度向上効果や、金属摺動面に対する初期なじみ
促進効果等があることが従来より知られている。
【0003】従って、燐酸マンガン塩被膜処理を施すこ
とにより、各種建設機械、または印刷機械等に防錆効果
を持たせたり、或は圧延鋼板等の塗装下地として鋼板等
と塗料との密着性を改善したり、軸受の内、外輪の軌道
面と転動体の表面との初期なじみを促進させることが従
来から行なわれている。
【0004】特に鉄鋼製造ライン用、車両用等の大型軸
受に関しては、起動時のかじりを防止するために、低コ
ストで簡易な被膜処理方法である燐酸マンガン塩被膜処
理は不可欠である。
【0005】このような被膜処理における被膜形成過程
は、燐酸マンガン塩水溶液の第1次解離により遊離燐酸
が生じ、母材の金属表面の鉄が溶解し、その金属表面で
水素イオン濃度が減少し、前記燐酸マンガン塩水溶液の
解離平衡が前記金属表面で移行しながら不溶性の燐酸マ
ンガン塩の結晶が表面に析出する。この燐酸マンガン塩
はマンガンと鉄とにより構成され、その結晶粒径、被膜
厚さ及び被膜粗さは、化合物の成分に左右される。即
ち、被膜処理液の組成の如何によっては、金属表面に析
出した燐酸マンガン塩の結晶粒径が大きく、内、外輪の
軌道面及び転動体の表面の粗さが増大し、実際の接触面
積の減少と、それに伴う表面粗さの増大とによって、油
膜の形成能力が不足して早期に表面被膜の剥離現象が発
生する。
【0006】一般に、油膜形成の条件は、パラメータと
して表面粗さと油の粘性に支配される。
【0007】従来のこの種の被膜処理においては、遊離
燐酸(H3PO4)の濃度(以下、遊離酸度FAと呼ぶ)
と、第1燐酸マンガンの濃度と遊離燐酸の濃度との和
(以下、全酸度TAと呼ぶ)とにより、上述した被膜特
性が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の被
膜処理を施した従来の軸受(例えば、特開昭58−11
3627号)においては、その初期なじみ終了後は表面
被膜の脱膜により母材の金属表面が露出してくるため、
転動体の表面と、内、外輪の軌道面との転がり接触部
は、油膜を介して潤滑しなければならない。
【0009】しかしながら、従来の軸受にあっては、母
材の金属表面の鉄の溶解速度が高く、該金属表面の粗さ
が増大するため、初期なじみが終了し、表面被膜の脱膜
後における内、外輪の軌道面と転動体の表面との間での
油膜形成能力が不足するという問題点があった。
【0010】特に大型ころ軸受等において、負荷のかた
よりによって、ころの滑りが発生する場合は、油膜形成
能力不足が軸受の寿命に多大な悪影響を及ぼす。これを
防止するため母材の金属表面の鉄の溶解速度よりも燐酸
マンガン塩の結晶生成速度を高くすると、生成された膜
が厚くなり、軸受としての寸法公差に悪影響を与えると
いう問題点があった。
【0011】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その第1の目的は、寸法公差に悪影響を与えること
なく、内、外輪の軌道面と転動体の表面との間での油膜
形成能力を向上させた軸受を提供することである。
た、本発明の第2の目的は、上述した軸受を得るための
燐酸マンガン塩被膜処理方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した第1の目的を達
成するために本発明の請求項1記載の軸受は、内、外輪
の軌道若しくは転動体の少なくとも1つの表面を、燐酸
マンガン塩化合物の水溶液からなる被膜処理液で被膜処
理して前記1つの表面に燐酸マンガン塩被膜を形成して
なる軸受において、前記燐酸マンガン塩被膜の厚さを2
〜10μmに設定すると共に、前記被膜処理後の前記表
面の粗さと前記被膜処理前の前記表面の粗さとの比を2
以下に設定し且つ前記被膜処理後の前記表面の粗さをR
aで0.4μm以下に設定したことを特徴とする。ま
た、上述した第1の目的を達成するために本発明の請求
記載の軸受は、請求項1記載の軸受において、前記
燐酸マンガン塩被膜中の燐酸マンガン塩結晶の粒径が
1.5μmを超え15μm以下であることを特徴とす
る。また、上述した第2の目的を達成するために本発明
の請求項記載の燐酸マンガン塩被膜処理方法は、内、
外輪の軌道若しくは転動体の少なくとも1つの表面を、
燐酸マンガン塩化合物の水溶液からなる被膜処理液で被
膜処理して前記1つの表面に燐酸マンガン塩被膜を生成
する燐酸マンガン塩被膜処理方法において、前記燐酸マ
ンガン塩化合物の水溶液のMn(マンガン)イオン濃度
が3000ppmを超え10,000ppm以下、前記
燐酸マンガン塩化合物の水溶液の遊離酸濃度(FA)が
0.3〜0.5mol/l、全酸度(TA)が4〜7m
ol/l、酸比(AR)が8〜13であることを特徴と
する。
【0013】
【0014】
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。
【0016】図1は本発明の一実施例に係る軸受におけ
る内輪の要部拡大断面図であり、同図中、1は金属より
なる内輪で、その軌道面1aには燐酸マンガン塩化合物
の水溶液からなる被膜処理液で被膜処理することにより
燐酸マンガン塩被膜2が施されている。
【0017】ここで、本発明の軸受において従来と異な
る新規な点は、前記被膜処理液の成分を調整することに
より、前記被膜処理後の前記内輪1の軌道面1aの粗さ
Aと、前記被膜処理前の前記内輪1の軌道面1aの粗さ
Bとの比を2以下、即ちA/B≦2に設定したことであ
る。
【0018】本発明における燐酸マンガン塩被膜特性
は、その被膜処理液の組成を構成する全酸度TA、遊離
酸度FA、これらの比(以下、酸比ARと称す。AR=
TA/FA)及びマンガン(Mn)イオン濃度により決
まる。また、燐酸マンガン塩被膜は、被膜される母材金
属表面の粗さ(下地表面粗さ)、析出する燐酸マンガン
塩結晶の粒径及び膜厚を左右する。更に燐酸マンガン塩
被膜には摺動性があり、摩擦を一時的に減少させる効果
がある。
【0019】次に本発明の具体的実施例1,2及び比較
例1〜5として、前記ARとMnイオン濃度が軸受母材
の金属表面におよぼす影響と、被膜形成された表面が流
体(油)潤滑の構成要因として焼き付き寿命に関係する
ことを説明する。
【0020】まず下記表1に示す内容の試験片を用意す
る。
【0021】
【表1】 上記表1の内容の試験片をアセトンにより30℃で10
分間超音波洗浄後、70℃で2分間アルカリ脱脂処理を
行ない、更にイオン交換水で洗浄した後、表面調整剤と
して日本パーカーライジング社製プレパレンVMA,V
MB(商品名)を各30g使用して40℃で40秒間前
処理を行なった。
【0022】次いで、この試験片を本発明の実施例1,
2及び従来例である比較例1〜4の被膜処理液(化成処
理液)により、95℃で10分間被膜処理を施した。
【0023】上述のようにして被膜処理した実施例1,
2、比較例1〜4の試験片及び被膜処理を行なわない比
較例5の試験片について、油潤滑による転がり滑りトル
クの経時変化を、「2円筒試験機」により調べた。
【0024】図2は「2円筒試験機」の構成図である。
同図において、モータ3により動力伝達機構4を介して
第1の軸5と一体回転する第1の試験片aの外周面と、
第1の軸5と変速ギヤ機構6を介して10%増速されて
一体回転する第2の軸7と一体回転する第2の試験片b
の外周面との摺接面間に0.3m/秒の転がり滑りを与
えて、レバー比1:10の荷重負荷装置で70kgfの荷
重Fをかけ、両試験片a,bにギヤオイルを10cc塗布
した状態で試験を行ない、起動トルクと油膜の形成状態
を周波数変換器8により調べ、その起動トルクをレコー
ダ9で検出記録した。
【0025】実施例1,2、比較例1〜4の被膜処理液
の組成、実施例1,2、比較例1〜5の被膜特性及び
「2円筒試験機」による試験結果(起動トルク及び焼き
付き時間)を下記表2に示す。
【0026】
【表2】 表2に示す如く本発明の実施例1における被膜処理液の
組成は、TAが40、FAが4.0、ARが10、Mn
イオン濃度が2489ppmであり、本発明の実施例2
における被膜処理液の組成は、TAが45、FAが5.
0、ARが9、Mnイオン濃度が10000ppmであ
る。
【0027】また比較例1における被膜処理液の組成
は、TAが40、FAが8.0、ARが5、Mnイオン
濃度が2505ppmであり、比較例2における被膜処
理液の組成は、TAが45、FAが3.2、ARが1
4、Mnイオン濃度が2600ppmであり、比較例3
における被膜処理液の組成は、TAが40、FAが4.
0、ARが10、Mnイオン濃度が1000ppmであ
り、比較例4における被膜処理液の組成は、TAが6
0、FAが10、ARが6、Mnイオン濃度が1200
0ppmである。
【0028】また実施例1及び2の特性は、被膜処理後
の試験片の表面粗さ(下地表面粗さ)がRaで0.3μ
m及び0.4μm、その粗さ変化量(被膜処理後の下地
表面粗さ/被膜処理前の下地表面粗さ)は1.5及び
2.0、燐酸マンガン塩結晶の粒径は8μm及び10μ
m、得られた被膜の厚さ(膜厚)は4.0μm及び7.
0μm、起動トルクは185kgf−cm及び200kgf−
cm、焼き付き時間は95分及び78分である。
【0029】また比較例1の場合は、TAとFAとの酸
比ARが実施例1及び2の場合のそれより小さく、この
組成の被膜処理液で被膜処理して得られた被膜は、試験
片の表面粗さを拡大し、析出される燐酸マンガン塩結晶
の粒径を増大させる。即ち、FAはPH=3の弱酸性下
で金属表面を侵食する。即ち、PH=8付近ではM 2+
+2H2PO4→Mn(H2PO4)が析出する。従って、
FAが8.0と過剰になることでARが5と小さくな
り、燐酸マンガン塩から解離する水素イオンが増えるた
め、鉄の溶解速度が高くなって侵食量が進み、試験片の
表面粗さが実施例1,2に比してRaで1.5、粗さ変
化量が7.5と増加する。これは、試験片の表面粗さが
増大しているため転がり滑りの潤滑機構に不可欠な油膜
の形成能力に乏しく、焼き付き時間が実施例1,2に比
べて47分と短くなった原因と推察できる。
【0030】また比較例1において、燐酸マンガン塩結
晶の粒径が実施例1,2のそれに比して20μmと大き
いのは、燐酸マンガン塩結晶の生成速度が遅いため、単
位時間に生成する燐酸マンガン塩結晶粒の数が少なくな
るためである。
【0031】また比較例2のようにARが14以上の組
成ではFAが3.2と少なくなり、金属表面の水素イオ
ン濃度が減少するため反応に乏しく、燐酸マンガン塩結
晶が生成されないため、化成処理被膜ができ難くなる。
従って、燐酸マンガン塩結晶が生成されないため被膜不
可となって被膜処理後の下地表面粗さは被膜処理前と略
同等の粗さになる。また上述した「2円筒試験機」によ
る焼き付き試験では、上述した如く燐酸マンガン塩結晶
が下地表面に存在しないため、起動トルクが実施例1,
2に比して280kgf−cmと大きく、下地表面の損傷に
よって早期に剥離が起こり、油膜による潤滑ができ難い
まま、起動後16分で焼き付きが発生すると推測され
る。
【0032】以上のことから、酸比ARとしては、実施
例1,2の場合の10及び9に限られるものではない
が、8〜13の範囲に設定することが望ましい。
【0033】また被膜処理液中のMnイオン濃度は、被
膜に影響するもう1つの要因である。即ち実施例1でM
nイオン濃度を2489ppmとしたが、それよりも低
濃度では比較例3に見られるように、下地表面粗さがR
aで2.0μm、粗さ変化量が10と増大してしまう。
これは燐酸マンガン塩結晶の生成速度にMnイオン濃度
が影響するため、このMnイオン濃度領域では鉄の溶解
速度と燐酸マンガン塩結晶の生成速度とが平衡状態にな
らず、安定した被膜が形成され難くなる。従って、焼き
付き試験においては被膜形成が不十分なため、起動トル
クが300kgf−cmと大きく、表面剥離の原因になり、
焼き付き時間が19分と短くなる。
【0034】またMnイオン濃度が高くなると燐酸マン
ガン塩水溶液として平衡を保つためTAが増える。この
TAの変化量に対しFAの変化量が約2倍と大きいた
め、相対的にFAが上昇しARが減少する。従って、比
較例4に見られるようにMnイオン濃度が12000p
pmになると実施例1,2に比し下地表面粗さがRaで
0.9と増加し、粗さ変化量も4.5と実施例1,2に
比し上まわる。このような比較例4の被膜条件下では焼
き付き時間は50分と他の比較例に比して長く、耐久性
は向上するが、実施例1,2の耐久性には及ばない。ま
た比較例4においては、膜厚15μmの被膜が形成さ
れ、軸受の寸法公差に悪影響を及ぼす。
【0035】以上のことからMnイオン濃度としては実
施例1,2の組成に限られるものではないが、2000
ppm〜10000ppmの範囲に設定することが望ま
しい。また膜厚は2〜10μmに設定することが望まし
い。その理由は、2μm未満の場合は単位面積当りの燐
酸マンガン塩結晶の存在率(被膜カバー率)が小さくな
り、被膜の耐久寿命が低下する。また10μm以上の場
合は、軸受としての寸法公差の悪影響を及ぼす。比較例
5は、試験片の表面に燐酸マンガン塩被膜処理を施して
いないため、起動トルクが280kgf−cmと大きく、表
面の微小剥離が早期に起こり、起動後15分で焼き付き
に至る。これは被膜による初期なじみがないため損傷が
起こり下地表面粗さが増大することによって、潤滑に必
要な油膜形成が極めて行なわれ難いためと推測できる。
【0036】実施例1,2は、燐酸マンガン塩結晶によ
り起動トルクが低下し、比較例1〜5に比べて1.5倍
以上もトルク上昇が起こるまでの時間が長い。これは本
発明の被膜処理液の組成を調整することによって、被膜
処理後の下地表面粗さと被膜処理前(侵食前)の下地表
面粗さ(平均値)との比を2以下に設定した結果、上述
した比較例1〜5の問題点がいずれも解決されたためと
推測される。
【0037】以上のことから、本発明における被膜処理
液としては、遊離酸度FAが0.3〜0.5mol/l、
全酸度TAが4〜7mol/l、そのときのARが8〜1
3で、Mnイオン濃度が2000〜10000ppmの
組成であることが望ましいが、金属表面(下地表面)の
粗さの変化量が2倍以内であれば、これに限られるもの
ではない。
【0038】なお、上記実施例においては、内輪の軌道
面に被膜処理を施す場合について述べたが、これに限ら
れるものではなく、外輪の軌道面や転動体の表面に被膜
処理を施してもよく、要は内、外輪の軌道若しくは転動
体の少なくとも1つの表面を燐酸マンガン塩化合物の水
溶液からなる被膜処理液で被膜処理する軸受であれば本
発明は適用し得るものである。
【0039】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明の軸受によれ
ば、内、外輪の軌道若しくは転動体の少なくとも1つの
表面を、燐酸マンガン塩化合物の水溶液からなる被膜処
理液で被膜処理するに際して、前記燐酸マンガン塩被膜
の厚さを2〜10μmに設定すると共に、前記被膜処理
後の前記表面の粗さと前記被膜処理前の前記表面の粗さ
との比を2以下に設定し且つ前記被膜処理後の前記表面
の粗さをRaで0.4μm以下に設定したから、寸法公
差に悪影響を与えることなく、初期なじみ終了後、前記
内、外輪の軌道面と転動体の表面との間に油膜が容易に
形成され、早期表面剥離が防止され、耐久性が向上する
という効果がある。また、本発明の燐酸マンガン塩被膜
処理方法によれば、上述した本発明の軸受を得ることが
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る軸受における内輪軌道
面の拡大断面図である。
【図2】同軸受における被膜の油潤滑による転がり滑り
トルクの経時変化を調べるための2円筒試験機の構成図
である。
【符号の説明】
1 内輪 1a 軌道面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−256920(JP,A) 特開 昭58−81220(JP,A) 特開 昭58−113627(JP,A) 特開 昭61−166980(JP,A) 特開 昭60−155010(JP,A) 特開 昭63−130781(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 33/30 - 33/66

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内、外輪の軌道若しくは転動体の少なく
    とも1つの表面を、燐酸マンガン塩化合物の水溶液から
    なる被膜処理液で被膜処理して前記1つの表面に燐酸マ
    ンガン塩被膜を形成してなる軸受において、前記燐酸マンガン塩被膜の厚さを2〜10μmに設定す
    ると共に、 前記被膜処理後の前記表面の粗さと前記被膜
    処理前の前記表面の粗さとの比を2以下に設定し且つ前
    記被膜処理後の前記表面の粗さをRaで0.4μm以下
    に設定したことを特徴とする軸受。
  2. 【請求項2】 前記燐酸マンガン塩被膜中の燐酸マンガ
    ン塩結晶の粒径が1.5μmを超え15μm以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の軸受。
  3. 【請求項3】 内、外輪の軌道若しくは転動体の少なく
    とも1つの表面を、燐酸マンガン塩化合物の水溶液から
    なる被膜処理液で被膜処理して前記1つの表面に燐酸マ
    ンガン塩被膜を生成する燐酸マンガン塩被膜処理方法に
    おいて、 前記燐酸マンガン塩化合物の水溶液のMn(マンガン)
    イオン濃度が3000ppmを超え10,000ppm
    以下、 前記燐酸マンガン塩化合物の水溶液の遊離酸濃
    度(FA)が0.3〜0.5mol/l、全酸度(T
    A)が4〜7mol/l、酸比(AR)が8〜13であ
    ことを特徴とする燐酸マンガン塩被膜処理方法。
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