JPH075901B2 - 潤滑処理鉄系部品及びその製造法 - Google Patents
潤滑処理鉄系部品及びその製造法Info
- Publication number
- JPH075901B2 JPH075901B2 JP64000413A JP41389A JPH075901B2 JP H075901 B2 JPH075901 B2 JP H075901B2 JP 64000413 A JP64000413 A JP 64000413A JP 41389 A JP41389 A JP 41389A JP H075901 B2 JPH075901 B2 JP H075901B2
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- Japan
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- iron
- copper
- sulfide
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- lubrication
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は回転、摺動等を行う機械あるいはエンジン等の
鉄系部品であって、特に潤滑処理された鉄系部品ならび
にその循滑処理方法に関する。
鉄系部品であって、特に潤滑処理された鉄系部品ならび
にその循滑処理方法に関する。
回転、摺動等を行う機械又はエンジン等の鉄系部品につ
いては従来、液状循滑油剤を塗布するか、固体潤滑被膜
を焼付け形成させることによって潤滑効果を得ている
が、摩耗条件、相手材によっては、最適効果を得ること
が困難な場合があり、常に新しい改善された鉄系の循滑
処理部品が求められていた。
いては従来、液状循滑油剤を塗布するか、固体潤滑被膜
を焼付け形成させることによって潤滑効果を得ている
が、摩耗条件、相手材によっては、最適効果を得ること
が困難な場合があり、常に新しい改善された鉄系の循滑
処理部品が求められていた。
即ち、従来は、極圧添加剤等を添加した循滑オイルやグ
リースをスタート時に給油したり、適時定量添加等によ
り相手材との摩耗、かじり、焼付き等を防止している
が、高速、高回転、高荷重化してくると、焼付きが促進
され、問題を生じてくる。
リースをスタート時に給油したり、適時定量添加等によ
り相手材との摩耗、かじり、焼付き等を防止している
が、高速、高回転、高荷重化してくると、焼付きが促進
され、問題を生じてくる。
又、グリース、オイル等の液状循滑油剤の代りに、モリ
ブデン硫化物、窒化硼素、4ふっ化エチレン樹脂等の微
粒子を有機、無機バインダーによって皮膜を形成させ、
熱処理して、固体潤滑被膜を生成することも行なわれて
いるが、この場合も、高荷重等により、循滑膜が剥離す
る場合があり、これら局部的な露出部から、かじり焼付
きが生ずることがあり、十分とは云えない状況であっ
た。
ブデン硫化物、窒化硼素、4ふっ化エチレン樹脂等の微
粒子を有機、無機バインダーによって皮膜を形成させ、
熱処理して、固体潤滑被膜を生成することも行なわれて
いるが、この場合も、高荷重等により、循滑膜が剥離す
る場合があり、これら局部的な露出部から、かじり焼付
きが生ずることがあり、十分とは云えない状況であっ
た。
本発明の目的は、従来の液状潤滑剤や固体潤滑被膜にお
ける前記問題点を解決し、グリースや油剤を特別につけ
加えなくても、多種類の摩耗相手材に対し、大きな潤滑
効果を示し、摩耗量を減少し、焼付き、かじり等を低減
させる循滑鉄系部品およびその潤滑処理方法を提供する
ことである。
ける前記問題点を解決し、グリースや油剤を特別につけ
加えなくても、多種類の摩耗相手材に対し、大きな潤滑
効果を示し、摩耗量を減少し、焼付き、かじり等を低減
させる循滑鉄系部品およびその潤滑処理方法を提供する
ことである。
本発明者等は前記課題の解決のために永年研究を行って
来た。その結果、鉄系部品表面に薄い銅皮膜を生成さ
せ、これを硫化モリブデンアンモニウム水溶液に浸漬す
ると、表面に硫化銅と硫化モリブデンが生成し、摩耗試
験の結果、従来のグリース塗布やモリブデン硫化物固形
皮膜の時よりも顕著にかじり発生時間の延長を達成でき
ることがわかり本発明に到達した。
来た。その結果、鉄系部品表面に薄い銅皮膜を生成さ
せ、これを硫化モリブデンアンモニウム水溶液に浸漬す
ると、表面に硫化銅と硫化モリブデンが生成し、摩耗試
験の結果、従来のグリース塗布やモリブデン硫化物固形
皮膜の時よりも顕著にかじり発生時間の延長を達成でき
ることがわかり本発明に到達した。
すなわち本発明は回転、摺動等を行う、機械あるいはエ
ンジン等の鉄系部品であって、その少なくとも必要面に
直接的に又は間接的に銅めっき層を構成し、その上にモ
リブデン硫化物と銅硫化物の混在層及び/又は2層を設
けてなる潤滑処理鉄系部品である。
ンジン等の鉄系部品であって、その少なくとも必要面に
直接的に又は間接的に銅めっき層を構成し、その上にモ
リブデン硫化物と銅硫化物の混在層及び/又は2層を設
けてなる潤滑処理鉄系部品である。
その製造法としては、回転、摺動等を行う、機械あるい
はエンジン等の鉄系部品に対して、その少なくとも必要
面に直接的又は間接的に銅めっきを施し、該部品を硫化
モリブデンアンモニウムの水溶液中に浸漬して、該部品
の表面にモリブデン硫化物と銅硫化物の混在層及び/又
は2層を生成させることを特徴とする潤滑処理鉄系部品
の製造法である。
はエンジン等の鉄系部品に対して、その少なくとも必要
面に直接的又は間接的に銅めっきを施し、該部品を硫化
モリブデンアンモニウムの水溶液中に浸漬して、該部品
の表面にモリブデン硫化物と銅硫化物の混在層及び/又
は2層を生成させることを特徴とする潤滑処理鉄系部品
の製造法である。
ここで鉄系部品とは、鉄あるいは鉄鋼系部品を意味す
る。
る。
又、少なくとも必要面とは、全表面に行ってもよく、又
摺動する必要面のみに行ってもよいことを意味する。
摺動する必要面のみに行ってもよいことを意味する。
又鉄系部品の直接的に又は間接的にうすい銅皮膜を形成
させるとは、直接的にとは鉄系部品に直接銅めっきある
いは無電解めっきを数μm厚さに生成させることであ
り、間接的にとは、まず電気めっきあるいは無電解めっ
きにより数μm以内のニッケルめっきを形成させた後、
同様に電気めっき又は無電解めっきにて銅めッきを数μ
m形成させることを意味する。
させるとは、直接的にとは鉄系部品に直接銅めっきある
いは無電解めっきを数μm厚さに生成させることであ
り、間接的にとは、まず電気めっきあるいは無電解めっ
きにより数μm以内のニッケルめっきを形成させた後、
同様に電気めっき又は無電解めっきにて銅めッきを数μ
m形成させることを意味する。
この銅めっきした部品を(NH4)2MoS4から成る硫化モリ
ブデンアンモニウム水溶液中に浸漬することにより、Cu
SとMoSxが銅めっき表面に生成される。モリブデン硫化
物と銅硫化物の混在層及び/又は2層とは、このCuSとM
oSxが2層を形成したり、あるいはCuSの部分とMoSxの部
分とが混在していたり、CuSの皮膜の上に部分的にMoSx
層が点在していたり、その存在が2層形成と混在形成と
その混り合った形体と種々あり得ることを表わす。
ブデンアンモニウム水溶液中に浸漬することにより、Cu
SとMoSxが銅めっき表面に生成される。モリブデン硫化
物と銅硫化物の混在層及び/又は2層とは、このCuSとM
oSxが2層を形成したり、あるいはCuSの部分とMoSxの部
分とが混在していたり、CuSの皮膜の上に部分的にMoSx
層が点在していたり、その存在が2層形成と混在形成と
その混り合った形体と種々あり得ることを表わす。
この潤滑処理した鉄鋼系部品に対し、鉄鋼系の各種表面
処理した相手材と摩耗試験した結果、銅めっき面に形成
されたモリブデン硫化物等が、これら相手材に摩擦的に
転移し、非常に極く薄い硫化物層が形成され、相互効果
として、かじり等を大きく低減させていることが判明し
た。
処理した相手材と摩耗試験した結果、銅めっき面に形成
されたモリブデン硫化物等が、これら相手材に摩擦的に
転移し、非常に極く薄い硫化物層が形成され、相互効果
として、かじり等を大きく低減させていることが判明し
た。
第1図に回転軸の表面部の構成要素を拡大して示す。鉄
鋼系地金1の表面にニッケルめっき層2があり、その表
面に銅めっき層3が形成されている。この銅めっき層の
上に、この図では硫化銅皮膜4が形成され、その表面に
モリブデン硫化物5が点在している態様を示した。
鋼系地金1の表面にニッケルめっき層2があり、その表
面に銅めっき層3が形成されている。この銅めっき層の
上に、この図では硫化銅皮膜4が形成され、その表面に
モリブデン硫化物5が点在している態様を示した。
以下に本発明を実施例と比較例とによって、より具体的
に説明するが、本発明は、この実施例によって限定され
るものではない。
に説明するが、本発明は、この実施例によって限定され
るものではない。
大越式摩耗試験機を使用し、摩耗輪としてはS55C調質
鋼、SCM21浸炭焼入鋼を使用して、比摩耗量を評価し
た。
鋼、SCM21浸炭焼入鋼を使用して、比摩耗量を評価し
た。
摩耗試片としてS33C調質鋼(比較例1)、S33C調質
鋼の表面に2硫化モリブデンを極圧添加剤として加えた
グリースを十分に添加したもの(比較例2)、S33C調
質鋼の表面に4ふっ化エチレン樹脂を約10μm厚さ焼付
けコートしたもの(比較例3)、及び本発明のS33C調
質鋼の表面に無電解ニッケルめっきを2μmかけ、その
上に無電解銅めっきを3μmかけてから、0.5重量%の
(NH4)2MoS4の水溶液を40±5℃に加温した中に5分間
浸漬したもの(実施例1)とと同条件で30分間浸漬
したもの(実施例2)を採用して試験した。
鋼の表面に2硫化モリブデンを極圧添加剤として加えた
グリースを十分に添加したもの(比較例2)、S33C調
質鋼の表面に4ふっ化エチレン樹脂を約10μm厚さ焼付
けコートしたもの(比較例3)、及び本発明のS33C調
質鋼の表面に無電解ニッケルめっきを2μmかけ、その
上に無電解銅めっきを3μmかけてから、0.5重量%の
(NH4)2MoS4の水溶液を40±5℃に加温した中に5分間
浸漬したもの(実施例1)とと同条件で30分間浸漬
したもの(実施例2)を採用して試験した。
荷重は6.6kg,摩擦距離200m、摩擦速度2m/秒で摩耗試験
を行った。その比摩耗量(mm2/kg)を第1表に示す。
を行った。その比摩耗量(mm2/kg)を第1表に示す。
〔発明の効果〕 実施例、比較例で明らかなように、鉄系部品の表面に、
薄い無電解又は電気銅めっきの如き原子間結合をする密
着性の良い薄い層を介して、銅の硫化物、あるいはモリ
ブデン硫化物が生成、吸着するため、グリースや油剤を
特別につけ加えなくても、多種類の摩耗相手材に対し
て、大きな潤滑効果を示し、摩耗量の減少、やきつき、
かじり等の低減に大きな効果を示すものである。
薄い無電解又は電気銅めっきの如き原子間結合をする密
着性の良い薄い層を介して、銅の硫化物、あるいはモリ
ブデン硫化物が生成、吸着するため、グリースや油剤を
特別につけ加えなくても、多種類の摩耗相手材に対し
て、大きな潤滑効果を示し、摩耗量の減少、やきつき、
かじり等の低減に大きな効果を示すものである。
第1図は回転軸にニッケルめっき層、銅めっき層を形成
し、その表面に硫化銅皮膜とモリブデン硫化物が点在し
ている様を拡大断面図で示した図である。
し、その表面に硫化銅皮膜とモリブデン硫化物が点在し
ている様を拡大断面図で示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 103:06) C10N 10:02 10:12 40:02 40:25 50:08 70:00 80:00 (56)参考文献 特開 昭57−7283(JP,A) 特開 昭48−70656(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】回転、摺動等を行う、機械あるいはエンジ
ン等の鉄系部品であって、その少なくとも必要面に直接
的に又は間接的に銅めっき層を構成し、その上にモリブ
デン硫化物と銅硫化物の混在層及び/又は2層を設けて
なる潤滑処理鉄系部品。 - 【請求項2】回転、摺動等を行う、機械あるいはエンジ
ン等の鉄系部品に対して、その少なくとも必要面に直接
的又は間接的に銅めっきを施し、該部品を硫化モリブデ
ンアンモニウムの水溶液中に浸漬して、該部品の表面に
モリブデン硫化物と銅硫化物の混在層及び/又は2層を
生成させることを特徴とする潤滑処理鉄系部品の製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP64000413A JPH075901B2 (ja) | 1989-01-06 | 1989-01-06 | 潤滑処理鉄系部品及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP64000413A JPH075901B2 (ja) | 1989-01-06 | 1989-01-06 | 潤滑処理鉄系部品及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02180993A JPH02180993A (ja) | 1990-07-13 |
JPH075901B2 true JPH075901B2 (ja) | 1995-01-25 |
Family
ID=11473111
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP64000413A Expired - Lifetime JPH075901B2 (ja) | 1989-01-06 | 1989-01-06 | 潤滑処理鉄系部品及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH075901B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AT399162B (de) * | 1993-07-14 | 1995-03-27 | Chemson Polymer Additive | Festschmierstoffzusatz für harzgebundene reibbelagmischungen |
CN1303259C (zh) * | 2004-08-31 | 2007-03-07 | 东南大学 | 二硫化钼及镍磷复合沉积液及其电沉积方法 |
KR20150118115A (ko) * | 2012-12-28 | 2015-10-21 | 패트릭 케이. 브래디 | 골프백을 구비한 골프 클럽 시스템 |
EP4010453B1 (en) | 2019-09-18 | 2023-10-25 | GKN Driveline International GmbH | A grease composition comprising zinc sulfide with molybdenum disulfide and/or tungsten disulfide for constant velocity joints |
EP4010454B1 (en) * | 2019-09-18 | 2023-10-25 | GKN Driveline International GmbH | A grease composition comprising copper sulfide for constant velocity joints |
KR20220090554A (ko) | 2019-10-30 | 2022-06-29 | 게케엔 드리펠린 인터나쇼날 게엠베하 | 이황화몰리브덴 및/또는 이황화텅스텐과 함께 황화아연 및 황화구리를 포함하는 등속 조인트용 그리스 조성물 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5138306B2 (ja) * | 1971-12-27 | 1976-10-21 | ||
JPS5841104B2 (ja) * | 1980-06-17 | 1983-09-09 | 株式会社フジクラ | 多孔質物品の表面処理法 |
-
1989
- 1989-01-06 JP JP64000413A patent/JPH075901B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02180993A (ja) | 1990-07-13 |
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