JPH01158061A - 施設園芸用被覆材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、モヤの発生を減少させることのできる施設園
芸用被覆材に関するものである。

（従来の技術） 近年温室栽培により、各種の野菜や果樹類が年間を通じ
て安定して供給されるようになっている。施設園芸用被
覆材として、ポリ塩化ビニル系フィルムが広く普及し、
最も大量に使用されている。これはポリ塩化ビニル系樹
脂の保持する耐候性や透明性をはじめ、更に経済的な面
からみて、すぐれた特長を持つためである。温室本来の
目的は、栽培作物の生育に不可欠な温度の確保、すなわ
ち保温である。この保温性を向上させるためには、温室
の密閉度を向上させ、すき間換気によって逃げる熱ｉを
抑止する必要がある。

最近、特に省エネルギーの傾向の中で、ハウス内の作物
に悪影響’ｋＡぼさない範囲で、太陽エネルギーを有効
利用する為に、可能な限り温室の密閉度金玉げる管理技
術が行なわれるようになって来ている。この管理技術を
行なうことで、温室内の環境が従来以上に多湿化される
傾向にあり、同時に温室内に発生するモヤ（あるいｈ霧
とも呼ぶ〕が著しく増加するという問題が生じている。

モヤは、栽培作物の病虫害、或いは収穫物の品質と密接
な関係があるとされ、温室栽培において、できるだけ避
けなくてはならないとされているものである。

モヤは基本的には、温室内の水蒸気が結露することで発
生するもので、温室内外の気温差が急激に変化する朝方
及び夕方に多く発生する現象である。モヤは温室内外の
空気を換気することで消滅させることができる。しかし
、−船釣には温室の保温性を重視する為、換気を行なう
ことができない場合が多く、温室栽培において大きな問
題となっていた。

モヤの発生は本質的に温室内の水分に起因する現象であ
るから、温室内雰囲気に供給される水分量を少なくする
ことで、モヤの発生を減少させることができる。温室内
の土の表面をマルチ資材で被覆することが、モヤの発生
に対する一つの対策である。しかし、マルチ資材の被覆
は被覆作業が繁雑であるばかりか、資材費用も重む為、
温室栽培家にとって必ずしも有利な方法ではない。

モヤに対する別の対策、つ″！シ被覆資材の改良からモ
ヤの発生を減少させる方法として、有機シロキサン系界
面活性剤を被覆資材に添加する方法が提案されているが
、この物質を添加した塩化ビニル系樹脂フィルムはモヤ
防止効果を有する反面、高周波接着性が低下し易く、ま
た高温防滴性が低下するばかシでなく吸水白化し易い問
題点が認められる。

（発明が解決しようとする課題） 本発明者らは、温室内に発生するモヤの程度が温室に被
覆された農業用ポリ塩化ビニル系フィルムに添加された
「防滴剤」の穐類によって異なることに着目し、防滴剤
からモヤの発生を減少する方法について研究した。その
結果、非イオン系界面活性剤と比較的少量のフッ素系界
面活性剤を併用し、農業用ポリ塩化ビニル系フィルムに
添加する事によシ、優れた防滴性と顕著なモヤ減少効果
を保持し、同時にフッ素系界面活性剤は少量の添加でも
効果を発揮するので、高周波接着性、透明性、吸水白化
性、耐熱性、スリップ性等の性質を損わない施設園芸用
被覆材を得ることを見い出した。しかしながら、フッ素
界面活性剤の添加は塩化ビニル系樹脂の耐候性に悪影響
を与えるという欠点がある。

従って、本発明の課題は、耐候性を損うことなくモヤの
発生を防止することのできる施設園芸用被覆材を提供す
ることである。

（課題を解決するための手段） 前記、本発明の課題を解決するために、耐候性に悪影響
を与えないように、できるだけ少量でモヤ防止効果があ
り、かつ、モヤ防止効果の良いフッ素界面活性剤を研究
した結果、フタル酸エステル系可塑剤に不溶性のノニオ
ン系フッ素界面活性剤を使用することにより、少量での
モヤ防止効果とその持続性が良いことを見い出し、本発
明を完成した。

すなわち、本発明の施設園芸用被覆材は、塩化ビニル系
樹脂１００重量部当り、フタル酸エステル系可塑剤３０
〜６０部と、少なくともα５重量部の非イオン系界面活
性剤と、ＣＬ２重量部を超えα３重量部未満のフタル酸
エステル系可塑剤に不溶性のノニオン系フッ素界面活性
剤を含有してなるものである。

本発明に使用し得る塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩化ビ
ニル、塩化ビニルと他の単量体、例エバエチレン、酢酸
ビニル、ビニルエーテル、マレイン酸エステル等との共
重合体を含む。ポリ塩化ビニルと他のポリマーのブレン
ドされたものも含むものである。必要に応じ塩化ビニル
系樹脂に対して、通常用いられている滑剤、安定剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、無機物質、帯電防止剤
等を含むことができる。

本発明に使用できるフタル酸エステル系可塑剤としては
、ジ２−エチルへキシルフタレート、モロ−オクチルフ
タレート、ジブチルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト、ブチルベンジルフタレート等の一般的なフタル酸エ
ステル化合物が使用できるが、性能や価格の面からジ２
−エチルへキシルフタレートが好ましい。また耐寒性向
上のための脂肪酸エステル系可塑剤や耐候性向上のため
のリン酸エステル系可塑剤等の他種可塑剤を併用しても
何ら差支えない。フタル酸エステル系可塑剤の添加量は
塩化ビニル系樹脂１００重量部に対して５０〜６０重量
部が好ましく、５０重量部以下ではフィルムが硬くなり
すぎ、また６０重量部以上ではフィルムが軟らかくなυ
すぎ、いずれの場合も施設園芸用被覆材としては適当で
ない。

本発明に使用される非イオン系界面活性剤としては、（
Ｎポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンエーテル等のエーテル型のもの、
（Ｂ）ポリオキシエチレンアルキルエステル、多価アル
コールと脂肪酸の部分エステル化物等のエステル型のも
の、（Ｃ）ポリオキシエチレンアルキルアミン等のアミ
ンエーテル型のもの、（Ｄ）ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンノルビトール
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンマンニタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンプロピレングリコールモノ脂肪
酸エステル等のエーテルエステル型のもの、などがあげ
られる。これら非イオン系界面活性剤の選択は、基本的
には任意に行うことができるが、好ましくは、防滴性を
保持する以外に、成型性、耐熱性、透明性等の性能を具
備し、農業用被覆材としての性能を十分に満足すること
が望ましい。以上の性能を得るだめの好適な非イオン系
界面活性剤を例示すると、 （１１ソルビタン、ソルビトール、マンニタン、マンニ
トール、グリセリン、ジグリセリン等の多価アルコール
と、炭素数１２〜２２の脂肪酸の部分エステル （２）　　エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイ
ドの付加モル数が１〜２０、多価アルコールがソルビタ
ン、ソルビトール、マンニタン、グリセリン、ジグリセ
リンで、脂肪酸の炭素数が１２〜２２であるポリオキシ
アルキレン多価アルコール脂肪酸エステルｆ３１　　（
１）、（２）の混合物 が挙げられる。

これらの非イオン系界面活性剤は塩化ビニル系樹脂１０
０重量部に対し、少なくとも０．５重量部、好ましくは
１．０〜５．０重量部の範囲で添加する。添加量が１５
重量部未満では十分な防滴効果が得られず、また、５−
０重量部以上ではブリードが多く、吸水白化し易く、透
明性が低下し好ましくない。

フッ素界面活性剤としては、フタル酸エステル系可塑剤
に不溶性のノニオン系フッ素界面活性剤を使用する。こ
のノニオン系フッ素界面活性剤としては、例えばゾニー
ルＦＳＮ（デュポン社製）、ＭＮ−００１（ダイキン社
製）、サーフロンＳ−５８１（旭ガラス社製）等がある
。ノニオン系フッ素界面活性剤がフタル酸エステル系可
塑剤に不溶かどうかは、フタル酸系エステル系可塑剤１
００重量部とノニオン系フッ素界面活性剤１０重量部と
を混合、攪拌してみれば容易に判断できる。

フタル酸エステル系可塑剤に不溶性のノニオン系フッ素
界面活性剤の添加量は塩化ビニル系樹脂１００重量部当
り１２重量部を超え０．５重量部未満添加することが必
要である。（ｌＳ重量部以上添加した場合、塩化ビニル
系樹脂の耐候性が低下するので好ましくない。フタル酸
エステル系可塑剤に不溶性のノニオン系フッ素界面活性
剤は、可溶性のものに比べ、少量でモヤ防止効果を示し
、しかもモヤ防止持続性も良い。可塑剤に可溶性であれ
ばノニオン系フッ素界面活性剤がフィルム表面に出に〈
〈なシ、倉を多ぐしないと効果が出ないものと考える。

ノニオン系フッ素界面活性剤は、ポリ塩化ビニルの耐候
性を低下させるので、ノニオン系フッ素界面活性剤の添
加ｔは出来るだけ少い方が好ましく、この点からもフタ
ル酸エステル系可塑剤に不溶性のノニオン系フッ素界面
活性剤が好ましい。

本発明のポリ塩化ビニル系フィルムは、カレンダー加工
や押出法等により新宅の形状に製造することができる。

必要に応じ他の合成樹脂フィルムやシートにラミネート
して使用しても良い。

（実施例） 次に本発明の実施例を掲げるが、本発明はこれら実施例
に限定されるものではない。

実施例１〜４、比較例１〜８ 塩化ビニル樹脂（重合度０００　）　１００重量部に対
シ、ジオクチルフタレート４５重量部、トリクレジルホ
スフェート３重量部、エポキシ化４１を脂１．５重量部
、Ｂａ−Ｚｎ系金属石けん１重量部、Ｂａ−Ｚｎ系液状
安定剤１重量部、メチレンビスアミドα１重量部を配合
したものを基本配合とする。

基本配合に対して表に示した量（塩化ビニル樹脂１００
重量部に対する重量部）の界面活性剤を混合し、ＩＩＬ
１Ｗ／Ｗｔ厚のフィルムに成形し、これらフィルムのモ
ヤ発生の比較試験を行った。

その結果を表に示す。

尚、試験、測定は次の方法によシ実施した。

〔モヤ発生の比較試験〕

間口１．２　ｍ、高さ１．Ｑｍ１奥行１１ＬＯｍの半円
柱状の温室に実施例、比較例によって得られたフィルム
を各別に展張した。

朝方及び夕方、温室内にモヤの発生が見られるとき、各
温室に発生するモヤの程度を肉眼で評価した。

判定は展張後１週間経過した後、１日朝、夕の２回観察
を行い、６ケ月間モヤの発生を観察した。モヤの発生の
最も少ないフィルムについてＡとし、モヤの発生が多く
なるのに応じてＢ１Ｃ％Ｄとした。

〔耐候性〕

農業用ハウスの４５°の斜面部にフィルムをはシ、１年
間耐候性を観察した。

Ｏは変化なし　Δは若干黄変を示す。

表からも明らかなように、フッ素界面活性剤として、塩
化ビニル系樹脂１００重量部当シ、α２重量部を超えα
３重量部未満のフタル酸エステル系可塑剤に不溶性のノ
ニオン系界面活性剤を使用した実施例１〜４は、フタル
酸エステル系可塑剤に可溶性のフッ素界面活性剤を使用
した比較例６〜８に比較して、少量のフッ素界面活性剤
の使用でモヤ防止効果が顕著で、しかもモヤ防止効果の
持続性が良いとともに耐候性にも優れており、またフタ
ル酸エステル系可塑剤に不活性のノニオン系界面活性剤
を使用しなかった比較例１〜３に比較して、モヤ防止効
果が格段に優れており、更にα３重量部のフタル酸エス
テル系可塑剤に不溶性のノニオン系界面活性剤を使用し
た比較例４〜５に比較して、耐候性が優れていることが
わかる。

（発明の効果） 本発明の施設園芸用破覆材は、塩化ビニル系樹脂１００
重量に対し、α５重量部以上の非イオン系界面活性剤と
、α２重量部を超え（１３重量部未満の７タル酸エステ
ル系可塑剤に不溶性のノニオン系フッ素界面活性剤とを
併用して添加しているので、モヤの発生が著しく減少で
き、モヤ防止効果の持続性も良く、しかも耐候性の低下
が極めて少なく、長期間にわたって使用できるという効
果を奏する。

（ほか２名）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　塩化ビニル系樹脂１００重量部当り、フタル酸系可塑
   剤３０〜６０重量部と、少なくとも０．５重量部の非イ
   オン系防滴剤と、０．２重量部を超え０．３重量部未満
   のフタル酸エステル系可塑剤に不溶性のノニオン系フッ
   素界面活性剤を含有することを特徴とする施設園芸用被
   覆材。