JPH0115433Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は合成樹脂フイルムからなる新規な折紙
に関する。

折紙細工は古来特に日本において発達し、近年
外国にもその優秀性が認められ世界的ブームを招
来しつつある。

折紙は千代紙とも呼ばれ、その素材はその呼び
各が示すように元来紙であり、和紙に麻の葉や鹿
子の花紋など種々の模様を色刷したものが最もポ
ピユラーであつた。最近着色したセロハンフイル
ムなども用いられているようである。

近年合成樹脂フイルムが特に包装用途に広く用
いられているが、折紙に用いられているのは見掛
けない。

合成樹脂フイルムが折紙に用いられていない理
由は、多分折紙細工に適さないとの先入観からで
あろうと思われる。実際に、例えば、ポリエチレ
ンやポリプロピレンのようなフイルムは、少しの
引張力でタテ、ヨコに伸びやすい欠点の他に、折
れ目が付きにくく、折紙細工がし難いと云う致命
的な欠点のため、折紙には全く適さないから、こ
のような先入観が生じても不思議はない。

本考案者らは、折紙細工に適し、しかも従来の
折紙にない一味違つた感じの合成樹脂フイルムか
らなる優れた折紙を見いだすべく鋭意研究を重ね
た結果、特定のポリスチレン系フイルム全面に金
属蒸着したものは、特に折紙細工がしやすく、豪
華な仕上がり品が得られることを見いだし、本考
案をなすに至つた。

即ち、本考案は二軸配向ポリスチレン系フイル
ムに金属蒸着してなる折紙に関するものである。

ポリスチレン系フイルムはその分子構造に起因
して剛性があり、軽く折るだけでは折り目が付き
にくいが指でしごくことにより、折り目がよく固
定され、その折り目の保持性は紙よりむしろ良い
が、金属蒸着されたフイルムは更に折りの細工が
しやすい。

ポリスチレン系フイルムの厚みは、10〜100μ
がよく、10μより薄いと強度が小さくなりすぎ、
100μより厚いとポリスチレン系フイルムが割れ
やすくなる。

ポリスチレン系フイルムは二軸延伸により二次
元方向に配向されたものがよい。その度合は縦横
共に熱収縮応力（ORS）で３〜20、好ましくは
７〜13の範囲である。無延伸のフイルムは折りや
すくはあつても折り目が白化しやすく、フイルム
も伸びやすく好ましくない。20をこえる配向度で
は折れ目が付きにくい。尤も延伸の必要性は金属
蒸着によりかなり減殺される。ORS（Orientation
Release Stress）はASTM D1504−70に準じて、
長さ170mm、幅40mm、160℃での収縮応力の最大値
を用いて計算したものである。

本考案の折紙は、通常正方形で適当な大きさに
切断して用いられること通常の折紙と同じである
が、円その他の形状を排除するわけでもない。

本考案の折紙は、着色模様印刷されたポリスチ
レンフイルムの裏側に金属蒸着したものが一般的
である。こうすると、フイルムの模様、色の種
類、濃淡、透明度の違い等によつて、艷はある
が、しつとりと落ち着いた、豪華な感じの折紙が
得られる。

蒸着金属は特に制限しないが、実用的にはアル
ミニウムがよい。

本考案の折紙は、光沢があり、極めて豪華な感
じのものであり、折りやすく細工がとてもしやす
い。又剛性で腰が強く、細工の仕上がりが良い。
また軽く、水に濡れにくく、耐水性が良く、形く
ずれがない。

第１図は本考案の折紙の一例の断面図を示す。
図において、１はポリスチレンフイルム、２は蒸
着金属層である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の折紙の一例の断面図を示す。 １……ポリスチレンフイルム、２……蒸着金属
層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 二軸配向ポリスチレン系フイルムに金属蒸着
   してなる折紙。 (2) 二軸配向ポリスチレン系フイルムが厚さ10〜
   100μのものである実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の折紙。 (3) 蒸着金属がアルミニウムである実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の折紙。 (4) 二軸配向ポリスチレン系フイルムが着色又は
   及び模様印刷されたものである実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の折紙。 (5) 金属蒸着が着色又は及び模様印刷された二軸
   配向ポリスチレンフイルムの裏面にされている
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の折紙。