JPH0115290Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はトラクタにおけるユニバーサルジヨ
イント上方のカバー取付け構造に関するものであ
る。

従来、トラクタにおいて出力軸から作業機械へ
連動連結されているユニバーサルジヨイントの上
方開口部の開閉蓋は鉄板製のもので構成されてい
たが、枢バネによりピンに枢支された着脱自在の
垂直部材に鉄板蓋体を水平に張設した構造のもの
であつてコストが高くつき、また取付け構造が複
雑となり周辺部材との関連から適切な構造のもの
とはいえなかつた。

本考案では高速回転するユニバーサルジヨイン
トの上方開口部に小型で短かめの鉄板製蓋体のカ
バーと中型で長めのゴム製の保護カバーとで上下
二重に構成して開口部を塞ぎ、左右より簡便に開
閉し得るように構成してなるカバー取付構造を提
供せんとするものである。

本考案の実施例を図面に基づき詳説すれば、第
１図は本考案を付設のトラクタの側面図を示す。
Ａはトラクタであり、Ｂは作業機械を示す。Ｅは
エンジン部であり、その前方にはフアン１が配設
され、ラジエター２およびマスク３が配設されて
いる。また、エンジン部Ｅの上方および後方に
は、エアクリーナー４およびラジエター用冷却水
のサブタンク５と燃料タンク６が配設されてお
り、７はボンネツトであり、８はマフラーを示
す。また、エンジン部Ｅの下方には機体フレーム
９が配設されている。１０はハンドルであり、１
１は座席を示し、同座席１１とハンドル１０との
間には運転部空間Ｓが設けられ、底部にはステツ
プ１２が架設されている。トラクタＡの前後には
前輪１３と後輪１４とが配設され前輪１３には伝
動軸１５が連動連結されている。後輪１４はフエ
ンダー１６により覆われている。１７はバツテリ
ーである。座席１１の底面部は座席支持構造体１
８により支承されており、同座席支持構造体１８
は上部カバー１９に取付けられており、同上部カ
バー１９の下部にはミツシヨンケース２０及びフ
アイナルケース２１が連設されている。２３はリ
フトアームを示し、トラクタＡと作業機械Ｂとを
連結している。２４は調整ハンドルであり、２５
は押バネ、２６は尾輪、２７は耕耘爪であり、２
８はロータリ部を示す。２９は伝動部である。

第２図は本考案のカバー取付構造を示す要領斜
視図である。３０は作業機械Ｂのロータリ部２８
の前端に立設状に突設した左右一対のケースサポ
ートであり、３１はトラクタＡ後部のミツシヨン
ケース２０の後端に立設状に突設したロータリー
ヒツチであつて、上記ケースサポート３０の前端
をロータリーヒツチ３１の後端に傾動自在に枢支
しており、ケースサポート３０とロータリーヒツ
チの内側で、ケースサポート３０の傾動中心にト
ラクタＡから作業機械Ｂへ動力を伝達する為のユ
ニバーサルジヨイントを着脱自在に配設してい
る。

２２はゴム製の保護カバーであり、ケースサポ
ート３０の幅員よりも広幅の略方形状に形成さ
れ、同保護カバー２２の基端をロータリヒツチ３
１の基端の左右両端部に設けた留め具３３，３３
を介し連設して、同保護カバー２２にて後記の保
護カバー３６の上面をほぼ完全に覆い、かつ、ゴ
ム製の保護カバー２２の先端すなわち後端を開閉
自在として、前端を開閉自在とした保護カバー３
６とゴム製の保護カバー２２とを重複して互いに
向き合つた状態で開閉可能に構成している。３４
は係合ボタンを示し、ゴム製の保護カバー２２を
開口する場合に同保護カバー２２を上側へ湾曲せ
しめて開孔部３５を係合するための突起である。
３６は鉄板製蓋体の保護カバーであり枢支杆３７
により枢支されている。保護カバー２２はゴム製
であり、その形状は上縁部の左右両端に切欠部を
有しビス３２，３２がゴム製の保護カバー２２に
当接しないように設けられているものである。長
方形形状のうち長辺部をケースサポートにそつて
張設し短辺の下縁中央部近傍に開孔部３５を設け
てなるものである。

第３図は本考案の保護カバー（鉄板製）を示す
斜視図である。保護カバー３６は下向きコの字状
の断面を有し水平部３６−、垂直部３６−お
よび耳部３６−より構成されており、左右両側
の垂直部３６−、３６−の下縁部には挿通孔
４０，４０が穿設されケースサポート３０上部に
架設した枢支杆３７が挿通されている。左右両側
の垂直部３６−は左右のケースサポート３０の
内側に嵌設され、かつ、耳部３６−がロータリ
ーヒツチ３１の上面に当接することにより保護カ
バー３６が係止されるべく構成されているもので
ある。３８は蝶ナツトであり、３９は押バネを示
す。第４図は本考案の平面図である。

本考案は上記のように構成されているものであ
り、本考案の保護カバーは鉄板製蓋体の保護カバ
ー３６とゴム製の保護カバー２２とが二重に重な
り合つて開口部を塞ぐように構成されているもの
であり、鉄板製蓋体の保護カバー３６が下側にゴ
ム製の保護カバー２２が上側になつているので、
まずゴム製の保護カバー２２を上方に湾曲せしめ
て開孔部３５を係合ボタン３４に係合せしめ、さ
らに保護カバー３６を枢支杆３７を枢支軸として
上方に回動することによりユニバーサルジヨイン
ト部の上方の開口部が解放され、ユニバーサルジ
ヨイント部の点検、修理、整備等が行えるもので
ある。また、高速回転するユニバーサルジヨイン
トの上方部を完全に保護しており駆動回転中に異
物が開口部を通してユニバーサルジヨイントに接
触する等のトラブルを起こす危険がない。また、
本考案の構成によると鉄板製蓋体の保護カバー３
６とゴム製の保護カバー２２とが互いに向き合つ
ており鉄板製の開口側の方はゴム製の保護カバー
２２の係合側の下敷きになつており、ゴム製の保
護カバー２２の開口側の下側は鉄板製蓋体の枢支
杆３７になつているため、開口部の保護がより確
実となつているものであり、かつ、押バネ３９の
働きにより保護カバー３６の係止が正確でありゴ
ム製の保護カバー２２の弾性により同保護カバー
２２および保護カバー３６の係止がさらに確実で
あり、しかも、構造および取扱いが極めて簡便な
ものとなつているものである。

本考案によると、枢支杆の一側に押しバネを嵌
装して、ケースサポートの内側面と保護カバーの
垂直部の外側面との間に介在させ、保護カバーを
ケースサポートの内側面に押圧させたことで、保
護カバーのガタつきがなくなり、走行時及び作業
機械の作動時の振動及び作業機械の昇降作動が原
因の異音発生を防止し、また、保護カバーを上方
に回動させたとき、上記押圧により保護カバーが
開放位置を保持し、しかも、保護カバーとゴム製
の保護カバーとが互いに向き合つた状態で開閉可
能であるから、保護カバーとゴム製の保護カバー
とを開放したとき、ユニバーサルジヨイントの上
方を広く開口することができ、ユニバーサルジヨ
イントの点検及び着脱操作が容易になり、また、
保護カバーの上面がゴム製の保護カバーで覆われ
ているので、ユニバーサルジヨイントの上方が二
重にカバーされることから、上記異音が吸音され
更に異音発生防止の効果を高め、また、防塵およ
び雑草等の異物の巻付き防止効果を高めるという
効果がある。しかも、構造および取扱いが簡便で
ありながら確実に開口部が保護されるので安全上
の不安がなく、従来の鉄板製だけによるものに比
べゴム製としたので材料コストが少なくてすみ、
耐蝕性にも優れた部品となつている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に付設したトラクタの側面
図。第２図は、本考案のカバー取付け構造を示す
要領図。第３図は、本考案の保護カバーを示す斜
視図。第４図は、本考案の平面図である。 ２２：ゴム製の保護カバー、３０：ケースサポ
ート、３１：ロータリヒツチ、３２：ビス、３
３：留め具、３４：係合ボタン、３５：開孔部、
３６：保護カバー、３７：枢支杆、３８：蝶ナツ
ト、３９：押バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラクタＡの後端に左右一対のロータリヒツチ
   ３１を突設すると共に、作業機械Ｂの前端に左右
   一対のケースサポート３０を突設して、ロータリ
   ヒツチ３１にケースサポート３０を上下傾動自在
   に連結すると共に、ロータリヒツチ３１とケース
   サポート３０との内側に、トラクタＡの後端から
   作業機械Ｂへの動力伝達を行うユニバーサルジヨ
   イントを着脱自在に配設し、左右ケースサポート
   ３０の左右内側に、左右側に垂直部３６−を垂
   設して断面下向きコ字状とした保護カバー３６を
   嵌入し、同保護カバー３６の垂直部３６−の後
   端を、ケースサポート３０上部に架設した枢支杆
   ３７に回動自在に枢支して前向きに開閉自在とし
   てユニバーサルジヨイント上方をカバーし、上記
   枢支杆３７の一側に押しバネ３９を嵌装してケー
   スサポート３０の内側面と保護カバー３６の垂直
   部３６−の外側面との間に介在させて、保護カ
   バー３６をケースサポート３０の内側面に押圧せ
   しめると共に、ロータリヒツチ３１の基端に略方
   形状のゴム製の保護カバー２２の基端を連設し、
   同ゴム製の保護カバー２２にて保護カバー３６の
   上面を覆うべく構成し、しかもその幅員をケース
   サポート３０の幅員よりも広幅とし、前記保護カ
   バー３６とゴム製の保護カバー２２とを重複して
   互いに向き合つた状態で開閉可能に構成してなる
   カバー取付構造。