JPH01148541A - 電磁波シールド制振鋼板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、電磁波シールド制振鋼板に関し、特に、二枚
の金属板の一方又は両方を電磁波シールド効果を有する
金属材で構成することにより、電気機器及び電子機器等
に好適な金属ハウジング材を得るための新規な改良に関
する。

［従来の技術］ 近年、コンピュータなどの電子機器から発生する電磁波
の妨害に関する規制が強化されつつあり、この電磁波シ
ールドの規制対象周波数は、例えば、ＦＣＣ（米国連邦
通信委員会）では、１０ＫＨｚ〜Ｉ　ＧＨｚとしている
。

この規制の背景には、電子機器のハウジングのプラスチ
ック化があり、軽量、低コスト、生産性及びデザインの
点で、このプラスチックは、ハウジング材の主流であり
、特に、その高い絶縁性は電子機器としては最適である
反面、電磁波に対しては何らのシールド効果を有してい
ないことによリ、規制強化が必要となったものである。

又、従来、用いられていた電磁波シールド材料としては
、プラスチックのハウシング成形材料に導電性フィラー
を混入させたもの、プラスチックの表面に導電性塗料を
コーティングしたもの、金属箔を貼付したもの、金属溶
射による皮膜を施したものが、現在、一般に用いられて
おり、これらのシールド用の金属種としては、Ｆｅの他
に、Ｚｎ。

旧、　Ｃｕ及びへ１等のうち、いずれかが用いられてい
る。

又、全て金属材で形成された金属ハウジングは、形状が
直線と平面から構成される装置形の機器（例えば、大型
コンピュータ）やプレス成型で生　・産可能な小型の機
器等に主として使用されている。

さらに、最近、前述の電子機器のモータの振動防止用の
マウント材料や音響機器の音質効果の向上のため、ハウ
ジング材料等として制振鋼板を採用し始めており、この
制振鋼板には種々の構成があるが、代表的なものとして
、二枚の鋼板の間に合成樹脂層を有する複合型制振鋼板
が採用されている。

［発明が解決しようとする問題点］ 従来の電磁波シールド板は、以上のように構成されてい
たなめ、次のような問題点を有していた。

（１）、　　まず、プラスチックのハウジング成形材料
に金属材等を形成させた従来構成の場合、電磁波シール
ド効果は有しているが、制振効果は有しておらず、制振
性からは極めて不都合なものであった。

（２）、又、金属材で全て形成された金属ハウジングの
場合、電磁波シールド効果については、何らの問題点も
有していないが、制振性については、例えば、その内面
にゴムシートを後加工することも提案されているが、コ
ストアップとなり、小型機器の場合には、完全な制振処
理を施すことが困難であった。

り３）、　　さらに、前述の従来構成における金属ハウ
ジング材料としては、冷延鋼板が多く使用されており、
この冷延鋼板は古くから使用されている材料であるが、
特に、電磁波シールド効果をねらって使用したものでは
なく、又、この冷延鋼板の有するシールド周波数領域は
、規制の対象周波数領域において高周波数領域のシール
ド効果が十分でなく、この高周波数領域に対するシール
ド効果を向上させるため、鋼板の一部に導電性塗料を塗
布する対策を一部に講じているが、今だ、根本的な解決
策にはなっていない。

従って、前述の従来構成においては、いずれも、電磁波
シールド性と制振性の対策は、各々個別に且つ後加工に
よって実施されているのが現状であり、根本的な対策を
施した鋼板の実現には到っていない。

本発明は、以上のような問題点を解決するためになされ
たもので、特に、二枚の金属板の一方又は両方を電磁波
シールド効果を有する金属材で構成することにより、電
気機器及び電子機器等の電磁波シールド及び制振効果に
優れた電磁波シールド制振鋼板を提供することを目的と
する。

［問題点を解決するための手段］ 本発明による電磁波シールド制振鋼板は、二枚の金属板
の中間に合成樹脂層を有するものにおいて、前記各金属
板の一方もしくは両方を、電磁波シールド効果を有する
金属材にて形成した構成である。

［作用］ 本発明による電磁波シールド制振鋼板においては、二枚
の金属板のうち、一方もしくは両方が電磁波シールド効
果を有する、例えば、銅めっき鋼板、アルミめっき鋼板
、銅板及びアルミ板等のうちの何れかの金属材にて構成
されているため、低周波数から高周波数に到る広い周波
数領域において電磁波シールド効果を有することができ
ると共に、各金属板の間に介装された合成樹脂層によっ
て、効果的な制振作用を得ることができる。

従って、ＦＣＣの規制対象周波数領域の電磁波シールド
効果を得ることができ、産業用及び民生用のコンピュー
タ関連機器の誤動作の防止、保護及び振動の防止に寄与
することができるものである。

［実施例］ 辺上、図面と共に本発明による電磁波シールド制振鋼板
の好適な実施例について詳細に説明する。

第１図は、本発明による電磁波シールド制振鋼板を示ず
断面図であり、図において符号１て示されるものは、外
皮鋼板をなす金属板であり、この金属板１には、芯材と
しての合成樹脂層２を介して、外皮鋼板である金属板３
が一体状に構成されている。

前記金属板１及び３の何れか又は両方は、電磁波シール
ド効果の優れた、銅めっき鋼板、アルミめっき鋼板、銅
板及びアルミ板等のうち何れかの金属にて構成されてい
ると共に、前記合成樹脂層２はポリブタジェン系樹脂に
よって構成されている。

次に、前述の金属板１及び３に用いられる各金属材の電
磁波シールド効果について考察する。

一般に、電磁波の遮蔽率（Ｌ）は、理論的には、吸収損
失（Ａ）、反射損失（Ｒ）及び多重反射補正項（Ｂ）の
和と考えられる。

すなわち、Ｌ＝Ａ＋Ｒ十Ｂ　　　・・・（１）式ここで
、多重反射補正項（Ｂ）は吸収損失（Ａ）が１０ｄＢ以
上であれば、省略して考えることができ、次の式で与え
られる。

Ｌ（ｄＢ）　＝　１３１．５ｔ、／Ｔ’：フ＋１０８．
２＋１０７！ｏｇｌｏ（σ　／ｆμ　）　　　　　・　
　・　　・　（２）　　式ｔ：媒質の厚さ　（ｉｕ） μ：比透磁率（非磁性材料ではμｍ１）σ：比導電率（
銅の場合、σ−１） ｆ：周波数（ＭＪＩｚ） 前述の各式から、吸収と反射とに対する周波数ｆの影響
が著しく異なることが明らかである。

さらに、吸収損失（Ａ）による第１項は厚さｔに比例し
、反射損失（Ｒ）による第３項は厚さに無関係であるこ
とも明らかである。

従って、銅の場合は、両者の損失は共に大であり、アル
ミニウムの場合は、低周波数領域においては、殆ど電磁
波シールド効果は表われないが、高周波数領域において
は、第１項の減衰項が増加し、電磁波シールド効果が有
効となっている。

又、比較的低周波数領域で、この電磁波シールド効果を
得るには、前記式の第１項の効果を利用してμの大きい
磁性材料を使用すると良い。

従って、前述したＦＣＣの規制対象の周波数領域をカバ
ーする金属材料の選択基準として、−船釣に次の二項が
挙げられる。

（１）、　　１００ＭＨｚ以下の低周波数領域では、透
磁率の高い材料が有効で、且つ、吸収損失に対してはシ
ールド材（金属板）の厚さが寄与する。

（２）、　　１００ＭＨｚ以上の高周波数領域では、表
面電導の効果により、板厚よりもむしろ最外表面が均一
で且つ電導度の高い材料が有効である。

前述したように、金属板１及び３を構成する電磁波シー
ルド材料としては、そのシールド周波数に応じた選択を
行うことが好ましく、低周波数領域から高周波数領域ま
で、例えば、鉄、アルミニウム、銅、アルミめっき鋼板
及び銅めっき鋼板を選択的に用いることにより、有効な
電磁波シールド効果を得ることができる。

次に、本発明による電磁波シールド制振鋼板と、第１表
の比較材の冷延鋼板を含めた５種類の金属板を用い、第
２表に示す組合せの複合型の電磁波シールド制振鋼板を
作製した。

前述の中で、比較例は、サンプル番号４であり、各金属
板１及び３からなる試験片の制振性及び電磁波シールド
性を調査した。尚、制振性は電磁加振法による損失係数
で、電磁波シールド性は、米軍規格ＭＩ　Ｌ−３ＴＤ−
２８５によるシールド効果で評価した。

次に、前述の測定結果を、第３表にまとめて示すと共に
、これらの結果について、第２図及び第３図に損失係数
を、第４図及び第５図に電磁波シールド効果を示してい
る。

前述の第３表、第２図乃至第５図の開示から明らかなよ
うに、損失係数は各金属板１及び３の種類による大きい
差はなく、制振性は殆んど変わらない。

これに対して、電磁波シールド効果は、比較例の冷延鋼
板と比較し、１０ＭＨｚ以上の領域で、アルミめっき鋼
板、アルミ板、銅めっき鋼板及び銅板を用いた場合にお
いて、顕著な電磁波シールド効果が認められ、特に、高
周波数領域では、銅めっき鋼板及び銅板のシールド効果
が大きい。

すなわち、二枚の金属板１及び３が、冷延鋼板よりも、
その何れか一方又は両方に銅板、銅めっき鋼板、アルミ
板及びアルミめっき鋼板を用いた場合、電磁波シールド
効果が特に高周波数領域において有効であることが確認
された。

［発明の効果］ 本発明による電磁波シールド制振鋼板は、以上のような
構成と作用とを備えているため、次のような効果を得る
ことができる。

すなわち、二枚の金属板の間に合成樹脂層を有すると共
に、各金属板の一方又は両方を電磁波シールド効果を有
する金属材で構成しているため、制振性に加えて高周波
数領域の遮蔽効果を有することができる。

又、この遮蔽効果は、ＦＣＣの規制対象周波数領域を満
足するものであり、産業用及び民生用のコンピュータ関
連機器の誤動作の防止、保護及び振動の防止に大きく寄
与することができる。

又、放熱性、加工性及び溶接性等の金属ハウジングに必
要な成型性をも備えているため、あらゆる分野のハウジ
ング材料として適用することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明による電磁波シールド制振鋼板を示すため
のもので、第１図は断面図、第２図及び第３図は各金属
板の損失係数を示す特性図、第４図及び第５図は各金属
板の電磁波シールド効果を示す特性図である。 １は金属板、２は合成樹脂層、３は金属板である。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）．二枚の金属板の中間に合成樹脂層を有する複合
   型制振鋼板において、前記各金属板の一方もしくは両方
   を、電磁波シールド効果を有する金属材にて構成したこ
   とを特徴とする電磁波シールド制振鋼板。
2. （２）．前記金属材は、銅めっき鋼板であることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の電磁波シールド制振
   鋼板。
3. （３）．前記金属材は、アルミめっき鋼板であることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の電磁波シールド
   制振鋼板。
4. （４）．前記金属材は、銅板であることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の電磁波シールド制振鋼板。
5. （５）．前記金属材は、アルミ板であることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の電磁波シールド制振鋼板
   。