JPH04116809A - 変圧器鉄心 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的コ （産業上の利用分野） 本発明はインバータ電源用などに用いられる変圧器の鉄
心に関する。

（従来の技術） 近年変圧器などの誘導機器に用いられる鉄心に従来から
の３％方向性けい素鋼板にかわり、磁気歪が小さ（優れ
た磁気特性を有する６、５％けい素鋼板を用いることが
検討されている。

この６．５％けい素鋼板は磁気歪がほぼ零で鉄損も少な
くなることが古くから知られていたが、けい素の含有量
が増すにつれて脆くなり、その圧延技術は困難とされて
いた。

しかし最近になって脆性材料の圧延技術の向上やＣＤＶ
法の進歩により、この６．５％けい素鋼板が開発される
ようになってきた。

この６．５％けい素鋼板は磁気歪が０．３Ｘ１０−６程
度であるため、変圧器の騒音低減に有利な材料であるが
、高磁束密度領域のＢ−Ｈ特性が悪いために商用周波数
の機器では励磁電流が増大する欠点がある。また、高磁
束密度でのＢ−Ｈ特性を改善すると鉄損が増大する問題
がある。このため商用周波数の変圧器では、従来のけい
素を３％含有する方向性けい素鋼板より磁束密度を下げ
て設計する必要性があり、機器の小形、軽量化のネック
となっていた。

一方、最近のエレクトロニクス技術の進歩により、イン
バータ電源を用いた機器たとえばＵＰＳ電源、車両用変
圧器あるいは整流器用変圧器などの使用が大幅に増加し
ている。このインバータ電源用変圧器や整流器用変圧器
などは基本波成分は５０〜６０Ｈ２であるが、数１００
　Ｈｚ〜数１０ｋＨｚの高調波を含有するため機器の騒
音が問題となっている。

従来、このインバータ電源用変圧器や整流器用変圧器な
どは第５図に示したように方向性けい素鋼板１を巻回し
たカット形巻鉄心２をコイル３と組合せて構成されてい
た。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら方向性けい素鋼板を用いた巻鉄心形変圧器
では、方向性けい素鋼板の磁気歪が使用磁束密度領域で
約２Ｘ１０−’と大きく、インバータのスイッチング周
波数による高調波によって騒音が大きくなる問題があっ
た。特に最近ではＵＰＳ電源などは室内に設置する傾向
にあるため、騒音の低減が要望されていた。

本発明は前記の問題を解決するためになされたもので、
磁気特性を低下させることなく低騒音に構成できるイン
バータ電源用などに適した変圧器鉄心を提供することを
目的とする。

（課題を解決するための手段） 本発明の変圧器鉄心は、方向性けい素鋼板からなる積層
鉄心を中央部に配置し、その積層方向両側にたとえば、
６，５％けい素鋼板のような低磁歪材料からなる積層鉄
心を配置した組合せ鉄心で構成し、そしてこの場合、低
磁歪材料からなる積層鉄心の同時積み枚数を、方向性け
い素鋼板からなる積層鉄心の同時積み枚数より少なくし
て構成したことを特徴とする。

（作用） このような鉄心構成では、例えばインバータ電源用変圧
器では、５０Ｈｚや６０Ｈｚの基本波に数ｋＨｚの高調
波を含有した磁束波形であるから、基本波成分を方向性
けい素鋼板からなる積層鉄心で大部分を受けもたせ、高
調波成分を低磁歪材料からなる積層鉄心で受けもたせる
ことができる。

これは、低磁歪材料からなる積層鉄心の同時積み枚数が
、方向性けい素鋼板からなる積層鉄心の同時積み枚数よ
り少なくなっていることによって、方向性けい素鋼板の
積層ギャップ間の磁気抵抗が相対的に増大したことにな
るからである。

第２図および第３図に低磁歪材料として６．５％けい素
鋼板を用いた積層鉄心と方向性けい素鋼板を用いた積層
鉄心の鉄損および励磁容量の特性比較を示す。

この図より明らかなように周波数が５０Ｈｚでは鉄損・
励磁容量とも６．５％けい素鋼板鉄心の方が悪く、特に
励磁容量は磁束密度が１．ＯＴを越える領域より急激に
悪化している。しかし周波数の増大に伴って、その特性
差は小さくなり、４００Ｈｚでは、はぼ内鉄心が同じ特
性となり、さらに高周波になると６，５％けい素鋼板鉄
心の方が鉄損・励磁容量とも良い特性を示す。

これは６．５％けい素鋼板の固有抵抗が方向性けい素鋼
板より大きいことから、高周波になるとうず電流損が減
少し、透磁率も大きくなるためである。

なお内鉄心の組合せ特性では、はぼ各鉄心特性の平均的
な特性を示している。

一方、騒音特性は第４図に示すように、６．５％けい素
鋼板鉄心の方が方向性けい素鋼板鉄心より全周波数領域
で低減しており、かつ周波数の増大に伴なって内鉄心の
騒音値はより大きな差となっている。従って本発明のよ
うに、基本波成分を方向性けい素鋼板からなる積層鉄心
で大部分を受けもたせ、高調波成分を低磁歪材料からな
る積層鉄心で受けもたせることにより、高調波の磁束成
分が低磁歪材料の積層鉄心に流れ易くなって騒音を低減
することができる。

（実施例） 本発明の一実施例を第１図（ａ）および（ｂ）を用いて
説明する。図において、方向性けい素鋼板１１ａを積層
してなる積層鉄心１１を中央部に配置し、その積層方向
両側に、低磁歪材料である６゜５％けい素鋼板１２ａを
積層してなる積層鉄心１２を積層鉄心１１とほぼ同一断
面積となるように配置して組合せ鉄心１０を構成する。

ここで、積層鉄心１１および１２は、それぞれ方向性け
い素鋼板１１ａおよび６．５％けい素鋼板１２ａを、両
脚部および上下継鉄部が構成される一層の同時積み枚数
を１ないし数枚として順次積層していくが、積層鉄心１
２における６、５％けい素鋼板１２ａの１層当りの同時
積み枚数は、積層鉄心１１における方向性けい素鋼板１
１ａの１層当りの同時積み枚数よりも少なくして積層す
る。本実施例では６．５％けい素鋼板１２ａの１層当り
の同時積み枚数を２枚とし、方向性けい素鋼板１１ａの
１層当りの同時積み枚数を４枚とした。

なお、積層鉄心１１を構成する方向性けい素鋼板１１ａ
は、一般には両端を４５″に切断した台形状のものを用
いるが、後述するように積層鉄心１１の透磁率を低減さ
せるため、両端を９０°に切断した短冊状のものを用い
ることも可能である。

６．５％けい素鋼板１２ａは無方向性であるので、両端
を９０″に切断した台形状のものでも４５″切断の場合
と同様の特性が得られる。

コイルは図示していないが、上記のように構成した鉄心
の脚部に各々巻回挿入される。

このように構成した変圧器鉄心では、方向性けい素鋼板
１１ａによる積層鉄心１１と６．５％けい素鋼板１２ａ
による積層鉄心１２からなる組合せ鉄心１０として構成
しているため、それぞれの積層鉄心１１．１２の磁束分
布は各々の材料における透磁率の周波数特性に対応して
変化する。

例えば動作磁束が０．６テスラにおける磁束分布の比率
は、表１に示すように方向性けい素鋼板１１ｇの１層当
りの同時積み枚数が４枚の場合（組合せ鉄心（２））で
は、同時積み枚数が２枚の場合（組合せ鉄心（１））に
比較して６．５％けい素鋼板１２ａの積層鉄心１２の磁
束密度が高くなっている。これは１層当りの同時積み枚
数が多いと積層ギャップ間の磁気抵抗が増大するため、
磁束は低磁歪材料の６．５％けい素鋼板１２ａに流れ易
くなるからである。これは９０″切断の方向性けい素鋼
板１１ａを用いると、−層効果がある。

表１　組合せ鉄心の磁束分布比率 （動作磁束０．６Ｔ） 表２より方向性けい素鋼板１１ａの１層当りの同時積み
枚数２枚の組合せ鉄心（１）に比べ、同時積み枚数が４
枚の組合せ鉄心（２）の方の騒音が１〜３ｄＢ低減して
いることがわかる。

表２　インバータ電源変圧器の騒音 （ｄＢ） Ａ：６，５％けい素鋼板の同時積み枚数Ｂ二方向性けい
素鋼板の同時積み枚数 このように、組合せ鉄心（２）において方向性けい素鋼
板１２ａの磁束密度が減少し、６．５％けい素鋼板１１
ａの磁束密度が増大することは、６゜５％けい素鋼板１
２ａの磁気歪（０，３Ｘ１０程度）が方向性けい素鋼板
１１ａの磁気歪（約１゜５Ｘ１０−’）に対して１１５
程度と非常に小さいため、大幅に騒音を低減できること
になる。

表２にはインバータ電源用変圧器の騒音特性を示す。

（注）１層当りの同時積み枚数 鉄心（１）　　−８，５％けい素鋼Ｉ　：２枚　　方向
性けい素鋼Ｉ　：　２枚（２）　　−１１ｉ、５％けい
素鋼板　：２枚　　方向性けい素鋼板　：　４枚上記実
施例では、６．５％けい素鋼板１２ａの積層鉄心１２を
方向性けい素鋼板１１ａの積層鉄心１１の両側に配置し
ているが、これは騒音発生の放射面の大きい鉄心積層方
向両側に磁気歪の小さい６．５％けい素鋼板１２ａの積
層鉄心１２を配置することにより、騒音低減効果をより
大きく得るためである。

このように、方向性けい素鋼板１１ａの積層鉄心１１と
６，５％けい素鋼板１２ａの積層鉄心１２の組合せ鉄心
１０とすることによって磁気特性の悪化を軽減し、騒音
の非常に小さいインバータ電源用変圧器を得ることがで
きる。

本実施例のインバータ電源用変圧器鉄心では、方向性け
い素鋼板１１ａの同時積み枚数を４枚、６．５％けい素
鋼板１２ａの同時積み枚数を２枚として組合せ鉄心１０
を構成した例について説明したが、これに限らず６．５
％けい素鋼板１２ａの同時積み枚数を、方向性けい素鋼
板１１ａの同時積み枚数よりも少なくすれば、上記実施
例と同様の効果を得ることができる。

［発明の効果コ 以上説明したように本発明による変圧器鉄心によれば、
低磁歪材料からなる積層鉄心の同時積み枚数を、方向性
けい素鋼板からなる積層鉄心の同時積み枚数より少なく
して構成したことにより、低磁歪材料の積層鉄心に磁束
成分が流れやすくなるため、騒音を低減できる効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ｅｒ）および（ｂ）は本発明の変圧器鉄心を示
す分解斜視図および組立斜視図、第２図は６．５％けい
素鋼板および方向性けい素鋼板を用いた積層鉄心の鉄損
特性比較を示す説明図、第３図は６．５％けい素鋼板お
よび方向性けい素鋼板を用いた積層鉄心の励磁容量比較
を示す説明図第４図は６．５％けい素鋼板および方向性
けい素鋼板を用いた積層鉄心の騒音比較を示す説明図。 第５図は従来のインバータ電源用変圧器を示す正面図で
ある。 １０・・・組合せ鉄心。 １１・・・方向性けい素鋼板を用いた積層鉄心。 １１ａ・・・方向性けい素鋼板。 １２・・・６．５％けい素鋼板を用いた積層鉄心１２ａ
・・・６，５％けい素鋼板。 代理人　弁理士　則　近　憲　佑 （久） ｄｐ＋ 第１Ｉｔ θ・７ θ、２θ、３　０．６；　　　／、０　　／４詠　朱碧
屓（Ｔ） 第４図 ０・７ ６．２　　θ、４θ、乙ｌθ 石覧東虞覆（ｒ） ２．０ 第ｊｒ！Ａ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 方向性けい素鋼板からなる積層鉄心を中央部に配置し、
   その積層方向両側に上記方向性けい素鋼板より低磁歪の
   材料からなる積層鉄心を配置して両積層鉄心を一体とし
   た組合せ鉄心を構成してなり、この組合せ鉄心における
   前記低磁歪材料からなる積層鉄心の同時積み枚数は、前
   記方向性けい素鋼板からなる積層鉄心の同時積み枚数よ
   り少なくして構成されていることを特徴とする変圧器鉄
   心。