JPH0114540Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は車両用のステアリング装置に関し、特
にステアリングシヤフトをその軸方向へ伸縮可能
に構成してステアリングホイールの位置を軸方向
へ調整可能としたテレスコピツク型ステアリング
装置に関する。

〔従来技術〕

この種テレスコピツク型ステアリング装置の一
形式として、車体の一部に取付けたコラムチユー
ブに回転可能に支持したロアシヤフトとこのロア
シヤフトの上端部に軸方向へ伸縮可能に嵌挿され
てその上端部にステアリングホイールを組付けた
アツパシヤフトからなるステアリングシヤフト
と、これら両シヤフト間に配置され同両シヤフト
を解除可能に結合させるロツク機構と、前記アツ
パシヤフトの上端部にて前記ロツク機構の一部に
組付けられて前記ステアリングホイールに設けた
長穴状の開口部から下方へ突出し前記開口部内で
回動操作可能な操作レバーを備え、この操作レバ
ーの回動操作により前記ロアシヤフトとアツパシ
ヤフトとの結合を解除して同アツパシヤフトを伸
縮可能とした形式のものがある。かかるステアリ
ング装置においては、操作レバーのインストルメ
ントパネルの視認性に対する影響を防止するた
め、アツパシヤフトの上端部にてロツク機構の一
部に組付けられた操作レバーはステアリングホイ
ールの内部から長穴状の開口部を通して下方へ突
出されている。

ところで、かかるステアリング装置において、
ステアリングホイールおよび操作レバーをアツパ
シヤフトおよびその上端部にてロツク機構の一部
に組付けるに当つては、操作レバーをステアリン
グホイールに予じめ組込んでおくと組付工数が削
減できて有利である。しかしながら、従来のステ
アリング装置においては、操作レバーをステアリ
ングホイールに設けた開口部を通してその内部に
組込んでも、操作レバーはその組付け以前に上記
開口部から脱落してしまい、かかる手段により組
付工数を削減することは困難であつた。

〔考案の目的〕

本考案はこのような実状に着目してなされたも
ので、その主たる目的はこの種テレスコピツク型
ステアリング装置において、操作レバーをステア
リングホイールの一部に支持し得るようにして、
組付工数の削減を図ることにある。

〔考案の構成〕

本考案は、かかる目的を達成すべくこの種テレ
スコピツク型ステアリング装置において、前記操
作レバーには前記開口部周縁に係合して同操作レ
バーをその非組付け時、前記開口部周縁に支持さ
せる支持機構を設けたことにその構成上の特徴が
ある。

〔考案の作用・効果〕

これにより、本考案においては、操作レバーを
ステアリングホイールに予じめ組込んだ場合、操
作レバーは前記支持機構の作用によりステアリン
グホイール側に支持されてステアリングホイール
の開口部からの脱落が防止される。従つて、本考
案によれば、操作レバーをステアリングホイール
に予じめ組込んだ状態でこれら両者をロツク機構
の一部またはアツパシヤフトの上端部に組付ける
ことができ、これにより組付工数の削減を図るこ
とができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
するに、第１図には本考案に係るテレスコピツク
型ステアリング装置が示されている。このテレス
コピツク型ステアリング装置（以下単にステアリ
ング装置という）においては、ステアリングシヤ
フト１０がロアシヤフト１１とアツパシヤフト１
２とにより構成されており、アツパシヤフト１２
の上端部にステアリングホイール２０が組付けら
れ、かつ両シヤフト１１，１２間にロツク機構３
０が配設されている。

ロアシヤフト１１は、中実のメインシヤフト１
ａとその上端外周部に固着した筒部１１ｂとから
なり、図示しない車体の一部に取付けたコラムチ
ユーブ４１内に挿通した状態で、その筒部１１ｂ
にてコラムチユーブ４１に回転可能に軸支されて
いる。アツパシヤフト１２は、その下端部におい
てロアシヤフト１１の筒部１１ｂ内に軸方向へ摺
動可能かつ回転不能に嵌挿されていて、ロアシヤ
フト１１に対して軸方向へ伸縮可能になつてい
る。

ステアリングホイール２０は、第１図および第
２図に示すようにホイール部２１、スポーク部２
２、ボス部２３およびホイールパツド部２４とか
らなり、ボス部２３にはその略中央部に金属製の
第２ボス部２５がまたその内周面に金属製のベー
スプレート２６が一体化されている。かかるステ
アリングホイール２０においては、その第２ボス
部２５がアツパシヤフト１２の上端部にスプライ
ン嵌合されて、ワツシヤ２７ａを介してボルト２
７ｂによりアツパシヤフト１２に組付けられてい
る。なお、このアツパシヤフト１２の中間部外周
にはコンビネーシヨンスイツチ４２、コラムカバ
ー４３が相対回転可能に組付けられており、この
コラムカバー４３はコラムチユーブ４１に組付け
た第２のコラムカバー４４内に軸方向へ移動可能
に嵌合されている。

ロツク機構３０は、アツパシヤフト１２にこれ
と同心的に設けた内孔１２ａ内に嵌挿した操作ロ
ツド３１と、内孔１２ａの下端から外周に向けて
開口する半月状凹所１２ｂ内に収容した扇形キー
３２と、操作ロツド３１の上端に組付けた操作レ
バー３３とを主要構成部材としている。操作ロツ
ド３１は、アツパシヤフト１２の内孔１２ａ内に
摺動可能に嵌挿されていて、この上端ねじ部３１
ａにてアツパシヤフト１２の上端ねじ部に進退可
能に螺着されている。また、アツパシヤフト１２
の半月状凹所１２ｂはロアシヤフト１１の筒部１
１ｂの内周に軸方向へ設けたキー溝１１ｃの一部
に対向して開口しており、半月状凹所１２ｂ内に
収容した扇形キー３２が操作ロツド３１の進退に
よりキー溝１１ｃの底部に係脱するようになつて
いる。操作レバー３３は、その一端を操作ロツド
３１の上端部にセレーシヨン嵌合してナツト３４
により固定されており、こを状態で操作レバー３
３はベースプレート２６に設けた左右方向に延び
る長穴状開口部２６ａ（円弧状開口部）およびホ
イールパツド部２４に設けた左右方向に延びる長
穴状開口部２４ａを通つて、ステアリングホイー
ル２０内から外部下方へ突出している。

これにより、かかるロツク機構３０においては
操作レバー３３がベースプレート２６の開口部２
６ａに沿つて左右方向へ回動操作可能であり、こ
れをステアリングホイール２０に向つて時計方向
へ回動させると操作ロツド３１が螺進して扇形キ
ー３２をロアシヤフト１１のキー溝１１ｃの底部
に圧接させる。その結果、ロアシヤフト１１のキ
ー溝１１ｃの底部と扇形キー３２との摩擦係合力
により両シヤフト１１，１２が結合し、アツパシ
ヤフト１２の伸縮移動が規制される。また、この
状態で操作レバー３１を反時計方向へ回動させる
と、操作ロツド３１が螺退して扇形キー３２をロ
アシヤフト１１のキー溝１１ｃの底部からわずか
に離間させる。この結果、両シヤフト１１，１２
の結合が解除され、アツパシヤフト１２は伸縮可
能となる。従つて、ステアリングホイール２０を
押下げたり引上げたりすれば、アツパシヤフト１
２が伸縮してステアリングホイール２０を所望の
位置に調整することができる。ステアリングホイ
ール２０の位置調整後操作レバー３３を時計方向
へ回動させれば、操作ロツド３１が螺進して扇形
キー３２をロアシヤフト１１のキー溝１１ｃの底
部に圧接させ、両シヤフト１１，１２を再び結合
させる。

しかして、本実施例のベースプレート２６に
は、その開口部２６ａの下端周縁部に沿つて円弧
状のリテーナ２８が固着されている。このリテー
ナ２８は逆Ｌ字形断面に形成されている。一方、
操作レバー３３の中間部には板ばね３５がビス止
めされている。この板ばね３５は、リテーナ２８
とともに操作レバー３３のステアリングホイール
２０に対する支持機構を構成するもので、リテー
ナ２８の上面２８ａに弾撥的に当接して操作ロツ
ド３１への組付け以前の操作レバー３３をステア
リングホイール２０に支持する。

従つて、本実施例においては、操作レバー３３
はその一端を操作ロツド３１の上端部に組付けら
れていなくてもリテーナ２８と板ばね３５の作用
によりリテーナ上面２８ａのどの位置においても
ステアリングホイール２０のボス部２３とベース
プレート２６に支持され、ベースプレート２６の
開口部２６ａおよびホイールパツド部２４の開口
部２４ａから下方へ脱落することはない。このた
め、本実施例においては、操作レバー３３をホイ
ールパツド部２４の嵌着前のステアリングホイー
ル２０におけるベースプレート２６の開口部２６
ａを通してステアリングホイール２０に組込んだ
状態で、ステアリングホイール２０の第２ボス部
２５をアツパシヤフト１２の上端部に組付けかつ
操作レバー３３の一端を操作ロツド３１の上端部
に組付けることができ、これにより組付工数の削
減を図ることができる。なお、ホイールパツド部
２４はステアリングホイール２０および操作レバ
ー３３を組付けた後ボス部２３に嵌着される。

また、本実施例においては、特に操作レバー３
３を前後方向へ屈曲形成してその他端部をホイー
ル部２１からできるだけ離れた下方にて外方へ突
出させているが、このような場合ステアリングホ
イール２０を組付けた状態においては操作レバー
３３をベースプレート２６の開口部２６ａを通し
てステアリングホイール２０内に挿入することは
相当面倒である。従つて、本考案はかかる形式の
ステアリング装置に対して特に有効である。

なお、本考案は、上記実施例の操作レバー３３
のごとく前後方向へ屈曲形成された操作レバーを
備えたステアリング装置に限らず、一直線上の操
作レバーを備えベースプレート２６の開口部２６
ａ、ホイールパツド部２４の開口部２４ａを一直
線上に貫通させるようにしたステアリング装置に
も実施し得る。この場合、ベースプレート２６の
開口部２６ａを省略するとともにホイールパツド
部２４の開口部２４ａに対応する開口部をボス部
２３に設けて、この開口部にリテーナを設けるよ
うにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るステアリング装置の一実
施例を示す部分縦断側面図、第２図はステアリン
グホイールと操作レバーの関係を示す正面図であ
る。 １０……ステアリングシヤフト、１１……ロア
シヤフト、１２……アツパシヤフト、２０……ス
テアリングホイール、２４……ホイールパツド
部、２４ａ……開口部、２６……ベースプレー
ト、２６ａ……開口部、２８……リテーナ、３０
……ロツク機構、３１……操作ロツド、３３……
操作レバー、３５……板ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の一部に取付けたコラムチユーブに回転可
   能に支持したロアシヤフトとこのロアシヤフトの
   上端部に軸方向へ伸縮可能に嵌挿されてその上端
   部にステアリングホイールを組付けたアツパシヤ
   フトからなるステアリングシヤフトと、これら両
   シヤフト間に配置され同両シヤフトを解除可能に
   結合させるロツク機構と、前記アツパシヤフトの
   上端部にて前記ロツク機構の一部に組付けられて
   前記ステアリングホイールに設けた長穴状の開口
   部から下方へ突出し前記開口部内で回動操作可能
   な操作レバーを備え、この操作レバーの回動操作
   により前記ロアシヤフトとアツパシヤフトとの結
   合を解除して同アツパシヤフトを伸縮可能とした
   テレスコピツク型ステアリング装置において、前
   記操作レバーには前記開口部周縁に係合して同操
   作レバーをその非組付け時、前記開口部周縁に支
   持させる支持機構を設けたことを特徴とするテレ
   スコピツク型ステアリング装置。