JPH0112997Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば自動車製造ラインにおいて、
自動車ボデイを支持搬送するのに使用される吊下
げ搬送装置に関するものである。

さらに本考案を詳述すれば、トロリ案内用レー
ルに案内用ホイールを介して案内されるトロリ装
置と、前記トロリ案内用レールの上方に配設した
トロリ駆動装置用レールに案内されるトロリ駆動
装置とを有し、前記トロリ装置は前端にフロント
トロリを有し、このフロントトロリに、前記トロ
リ駆動装置からの駆動突起に対してその昇降によ
り係脱自在な受動ドツグと、この受動ドツグの後
方において前後揺動自在に配設された暴走防止用
のホールドドツグとを設けてなる吊下げ搬送装置
に関するものである。

先ず、吊下げ搬送装置の従来の一例を第１図、
第２図に基づいて説明する。１は吊下げ搬送装置
で、トロリ案内用レール２と、その上方に架設さ
れたトロリ駆動装置用レール３と、前記トロリ案
内用レール２に案内されるトロリ装置４と、この
トロリ装置４に取付けた被搬送物支持装置５と、
前記トロリ駆動装置用レール３に案内されるトロ
リ駆動装置（チエンコンベヤなど）６とから構成
される。前記トロリ装置４は、フロントトロリ７
と、前後一対のフリートロリ８，９と、リヤトロ
リ１０と、フロントトロリ７とフリートロリ８と
の間、ならびにフリートロリ９とリヤトロリ１０
との間を連結する連結杆１１，１２と、両フリー
トロリ８，９から連設したトラニオン用ピン１
３，１４間を連結する連結フレーム１５とからな
る。前記被搬送物支持装置５は、前記トラニオン
用ピン１３，１４の下端に取付けたＣネツク１
６，１７と、これらＣネツク１６，１７の下端間
に取付けたトロリ移動方向に延びる腕杆１８と、
この腕杆１８の前後端に形成される内側方向への
湾曲部１９，２０上に設けた上向きの支持部２
１，２２とからなる。２３は被搬送物を示す。前
記各トロリ７，８，９，１０は、案内用ホイール
２４，２５，２６，２７と横振れ防止用ホイール
２８，２９，３０，３１を夫々有する。そして前
記フロントトロリ７は、前記トロリ駆動装置６か
らの駆動突起３２に対して係脱自在な受動ドツグ
３３を昇降自在に有すると共に、その中間をして
横軸３４を介して上下揺動可能に取付けた動作レ
バー３５を前方に延設している。そして動作レバ
ー３５の後端と受動ドツグ３３の下端とをピン３
６を介して連結している。したがつて動作レバー
３５と受動ドツグ３３とは、動作レバー３５が上
動するときに受動ドツグ３３が下降するように連
動される。その際に受動ドツグ３３の昇降は、案
内用ホイール軸に取付けた筒体３７と、フロント
トロリ７に設けたガイド体３８とにより案内され
る。通常において受動ドツグ３３は、動作レバー
３５の先端側のウエイト付勢によつて上昇してお
り、また上昇限は、動作レバー３５の基端側がス
トツパ３９に接当することにより規制される。前
記フロントトロリ７は、前記動作レバー３５の下
方に位置する接当部材４０を有し、また上端後方
には、前記受動ドツグ３３の後方に位置するホー
ルドドツグ４１を有する。このホールドドツグ４
１はピン４２を介して前後揺動自在に構成してあ
り、通常においては、その上端が駆動突起３２の
移動経路内に突入すべくウエイト付勢され、ま
た、かかる状態はホールドドツグ４１の下端がフ
ロントトロリ７側のストツパ４３に後方から接当
することにより維持される。他方のリヤトロリ１
０は、前記動作レバー３５を上動させるカムテー
ル４４を後方に延設しており、またこのカムテー
ル４４の下部には前記接当部材４０が接当可能な
被接当部４５が形成されている。

かかる従来構成において、通常、トロリ装置４
の走行は、第１図に示すように駆動突起３２が受
動ドツグ３３に係合することにより行なわれる。
このとき動作レバー３５はその前端側が下動して
いる。このような走行中にトロリ装置４側が暴走
しようとしたとき、駆動突起３２に対してホール
ドドツグ４１が接当することから、その暴走は防
止される。ところで下降経路においては、第２図
に示すようにトロリ装置４側は自重移動によつて
暴走状態になり、駆動突起３２に対してホールド
ドツグ４１が接当することになる。この場合にト
ロリ装置４側の移動は、駆動突起３２の前進に伴
つてホールドドツグ４１が追従する形態で行なわ
れることになり、したがつてトロリ装置４側の大
きな自重移動力が駆動突起３２に作用して、該駆
動突起３２やトロリ駆動装置６などの損傷、破損
を招くことになる。そこで従来では、下降経路に
沿つて別のトロリ駆動装置（チエンコンベヤ装
置）を配設し、トロリ装置４を該トロリ駆動装置
に係合させることにより走行制御、すなわち暴走
防止を行なつていた。これによると別のトロリ駆
動装置を配設することと、各トロリ装置４に係合
片（係合部）を設けなければならないことから設
備全体が高価となる。また別の従来例として、ト
ロリ駆動装置６の駆動系中にセルフロツクウオー
ム機構を設けることも考えられているが、これも
同様に全体が高価となる。

本考案の目的とするところは、下降経路におけ
るトロリ装置の自重移動力の減少を、安価にして
行なえる吊下げ搬送装置を提供する点にある。

上記目的を達成するために本考案における吊下
げ搬送装置は、ホールドドツグの揺動枢支位置よ
りも下方部に、フロントトロリの案内用ホイール
に対向するブレーキシユーを設けて構成してい
る。

かかる本考案構成によると次のような効果を期
待できる。すなわち下降経路において駆動突起に
対してホールドドツグが接当したとき、このホー
ルドドツグの揺動枢支位置周りでの揺動によつて
ブレーキシユーがフロントトロリの案内用ホイー
ルに接当し、該案内用ホイールの回転に対して制
動をかけることになつてトロリ装置側の自重移動
力を減少させることができる。その際に構造はホ
ールドドツグにブレーキシユーを設けるだけであ
ることから、簡単に且つ安価に提供することがで
きる。

以下に本考案の一実施例を第３図、第４図に基
づいて説明する。なお従来例（第１図、第２図）
と同一符号のものは同一またはほぼ同一構成物を
示す。前記ホールドドツグ４１の両側で、揺動枢
支位置であるピン４２よりも下方に、フロントト
ロリ７の案内用ホイール２４に対して下手から対
向するブレーキシユー４７が設けられ、さらにブ
レーキシユー４７の作用面側にはパツド４８が取
付けてある。

かかる実施例構成によると、下降経路において
駆動突起３２に対してホールドドツグ４１が接当
したとき、このホールドドツグ４１のピン４２の
周りでの揺動によつてブレーキシユー４７がパツ
ド４８を介して案内用ホイール２４に接当する。
これにより案内用ホイール２４の回転に対して制
動をかけることになつてトロリ装置４側の自重移
動力を減少し得る。なお水平経路や上昇経路にお
いては、駆動突起３２は受動突起３３に作用する
ことから、パツド４８は案内用ホイール２４にソ
フトタツチで圧接されず、したがつて所期の移動
に何んら支障はない。

前記ブレーキシユー４７はボルトアツプや溶接
により取付けてもよいし、ホールドドツグ４１と
一体成形してもよい。またパツド４８は省略して
もよい。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来例を示し、第１図は側面
図、第２図は要部の側面図、第３図、第４図は本
考案の一実施例を示し、第３図は要部の側面図、
第４図は同縦断背面図である。 １……吊下げ搬送装置、２……トロリ案内用レ
ール、３……トロリ駆動装置用レール、４……ト
ロリ装置、５……被搬送物支持装置、６……トロ
リ駆動装置、７……フロントトロリ、１０……リ
ヤトロリ、２３……被搬送物、３３……受動ドツ
グ、４１……ホールドドツグ、４２……ピン（揺
動枢支位置）、４７……ブレーキシユー、４８…
…パツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トロリ案内用レールに案内用ホイールを介して
   案内されるトロリ装置と、前記トロリ案内用レー
   ルの上方に配設したトロリ駆動装置用レールに案
   内されるトロリ駆動装置とを有し、前記トロリ装
   置は前端にフロントトロリを有し、このフロント
   トロリに、前記トロリ駆動装置からの駆動突起に
   対してその昇降により係脱自在な受動ドツグと、
   この受動ドツグの後方において前後揺動自在に配
   設された暴走防止用のホールドドツグとを設けて
   なる吊下げ搬送装置において、前記ホールドドツ
   グの揺動枢支位置よりも下方部に、フロントトロ
   リの案内用ホイールに対向するブレーキシユーを
   設けたことを特徴とする吊下げ搬送装置。