JPH0112579B2 - - Google Patents
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- JPH0112579B2 JPH0112579B2 JP23935385A JP23935385A JPH0112579B2 JP H0112579 B2 JPH0112579 B2 JP H0112579B2 JP 23935385 A JP23935385 A JP 23935385A JP 23935385 A JP23935385 A JP 23935385A JP H0112579 B2 JPH0112579 B2 JP H0112579B2
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Landscapes
- Continuous Casting (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は、銅及び銅合金の鋳造方法に関するも
のであり、特には特殊な連続鋳造装置を使用し
て、長手方向に対して柱状晶鋳造組織が斜めに発
達した斜め凝固組織を有する、銅及び銅合金製板
材、棒材等の鋳造物を製造する方法に関する。本
発明により生成された鋳造物は、加工性が良いた
め、その後冷間圧延、押出、線引等の強加工によ
つて薄板、箔、線材等を製造するのに有用であ
る。特に、りん青銅、インジウム含有銅合金のよ
うな加工性の悪い銅合金であつても、最終形態に
容易に加工することが出来る。 従来技術 金属材料の強加工において、その鋳造組織や表
面及び内部欠陥が加工性に重大な影響を与えるこ
とは広く知られている。例えば、銅線材を例にと
ると、銅線材は現在ではCOR(Contirod)方式、
SCR(Southwire Continuous Rod)方式及び
DIP(Dip Forming Rod)方式により銅荒引線を
製造し、更にこれを伸線することにより製造され
ている。ここで、COR方式とは、ホボケン社
(ベルギー)で開発された大量生産用の連続鋳造
圧延方式であり、上下一対の無端広巾ベルト(ツ
インベルト)と左右一対のサイドダムと呼ばれる
銅合金製ブロツクを連結した部材が同一速度で運
動する鋳造部を有するヘズレー鋳造機を使用し、
クルツプ社圧延機との組合せで銅荒引線を製造す
るものである。SCR方式とは、サウスワイヤー
社(米国)が元々アルミニウムや亜鉛の連続鋳造
に利用されていたものを銅用に改良した大量生産
用連続鋳造圧延方式であり、外周に鋳型となるべ
き溝状部を有する車輪と無端ベルトから成る鋳造
機を使用し、モルガン社連続圧延機との組合せで
銅荒引線を製造するものである。DIP方式は、ゼ
ネラルエレクトリツク社(米国)が開発した中規
模生産用の連続鋳造圧延方式であり、表面を皮剥
ぎした芯材を連続的に溶融銅の入つたるつぼ中を
高速で通過させ、芯線表面に銅を凝固付着させて
芯材を太らせた後、これを直ちに熱間圧延して銅
荒引線を製造するものである。 COR及びSCR材はともに、その結晶成長メカ
ニズムが故に、内部欠陥(クラツク、ピンホー
ル、介在物)を避けることが出来ない。そのた
め、直接冷間で伸線加工を行うことは困難であ
る。DIP材は内部欠陥は少ないが、結晶粒界が塑
性加工方向に垂直故、伸線加工時に粒界割れを起
しやすい。また、これら方法では、熱間圧延を行
うため、酸化スケールが巻込まれ、介在物として
断線原因となることも多い。 薄板、箔等の冷間圧延品や押出加工品において
もまた然りである。加工方向に対して結晶粒界が
垂直になつていると、割れやクラツクが入りやす
く、また表面及び内部欠陥が破損の原因となる。 こうした状況において、現在、金属の連続鋳造
において一方向凝固鋳造に関心が向けられつつあ
る。従来からの普通凝固法では、樹枝状組織が同
方向に成長して得られる柱状晶が鋳型壁から中心
部に向け成長するため、柱状晶と鋳造物長手方向
とがほぼ90゜をなす。これに対し、一方向凝固鋳
造物は、鋳造物長手方向に柱状晶を成長させたも
のである。一方向鋳造物は、結晶が長手方向に整
列しているため、またその凝固過程により異物が
含まれないため、強加工材或いは難加工材に対す
る母材として最適である。 しかし、現在の製造技術においては、一方向凝
固鋳造物の製造は生産性がきわめて悪い。これ
は、一方向凝固鋳造のためには、溶融金属保持炉
から加熱された鋳型を通して鋳造物を非常にゆつ
くりとした速度で抜出すことが必須であり、生産
速度がきわめて遅くなるためである。 従つて、一方向凝固鋳造物と匹敵しうる加工性
を有しそして一方向凝固よりもつと高い生産速度
において銅及び銅合金を鋳造する方法の開発が待
望されている。 発明の概要 そこで、本発明者等は、一方向凝固と普通凝固
との中間状態の斜め凝固という概念を想到し、斜
め凝固鋳造物の加工性及び生産性について検討を
重ねた。 本発明者等は、溶湯を保持する炉から一端を溶
湯により加熱されそして他端を冷却構造体に接触
することにより冷却された鋳型を通して鋳造物を
引抜く型式の連続鋳造装置において鋳造条件を適
切に設定することにより斜め凝固鋳造物が再現性
よくしかも比較的高い生産速度の下で鋳造できそ
してこうして鋳造された板或いは棒の形態の鋳造
物は非常に加工性が良く、〓後の強加工に適して
いるとの知見を得た。 斜め凝固鋳造物は、長手方向即ち引抜方向に対
して斜めに柱状晶組織が発達している。そのた
め、一方向凝固程ではないが、クラツク、異物等
の内部欠陥を充分に排除した鋳造組織が実現され
しかも長手方向に垂直な粒界部分がないため粒界
割れも起さない。斜め凝固鋳造物は、柱状晶が加
工方向に対して斜めに揃つているため、一方向凝
固に遜色のない充分の加工性を具備する。焼鈍、
熱間圧延工程を経過せず高温にさらされることを
排除しうるので、酸化スケールに起因する欠陥の
発生を防止する。斜め凝固は一方向凝固に較べて
高い鋳造速度を可能とするので、生産性の面から
問題を呈さない。このように、斜め凝固鋳造物は
生産性と加工性との両方の観点から、優れた母材
たりうるのである。 斯くして、本発明は、銅或いは銅合金溶湯浴を
保持する炉から、一端が溶湯浴中に突出しそして
他端が冷却構造体に接触する鋳型を通して鋳造物
を引抜く連続鋳造方法であつて、鋳造条件を (イ) 引抜条件:引抜線速度=100〜200mm/分 (ロ) 冷却条件:l1=40〜60mm l2d 但し l1=鋳型内の溶湯と凝固部との接触面から冷却
構造体までの距離 l2=鋳型の出口側厚さまたは直径 d=鋳造物厚さまたは直径 と設定することにより、柱状晶が引抜方向に対し
て斜めに発達した斜め凝固鋳造組織を有する銅及
び銅合金の鋳造方法を提供する。好ましくは、引
抜はパルス引抜によつて行われ、その場合には
tS/tD3(tS=停止時間、秒、tD=引抜時間、秒)
及び引抜長さ=6〜10mm/回の条件を採用するこ
とにより斜め凝固が得られる。 発明の具体的説明 本発明の対象とする金属は、純銅及びりん青
銅、Cu−Sn、Cu−In、Cu−0.3%Fe−0.1%P−
0.1%In等の銅合金である。りん青銅、In含有銅
合金のような加工性の悪い銅合金であつても、本
発明は加工性の良い鋳造物を生成することを可能
ならしめる。 本発明は、板や棒の形態の鋳造物を製造しうる
が、以下ロツドを例にとつて説明する。 第1図は斜め凝固ロツドの鋳造組織を説明する
ロツド長手方向断面図である。柱状晶組織形成角
α(αとは表皮部(チル層)及び中央部を除いた
柱状晶の平均的成長方向を表す。即ち当該部位の
結晶粒界の長手方向との角度を表す。)が25〜65
度、好ましくは30〜60度のものをここでは斜め凝
固ロツドと定義する。一方向凝固においてはαは
0〜10度の範囲にある。他方普通凝固においては
αは約80〜90゜の範囲にある。 第2図は、斜め凝固ロツドを製造する装置の一
例を示す。溶融金属保持炉2内には溶融金属浴M
が保持されている。鋳型4の入口端は溶融金属浴
中に突出してそれにより加熱された状態にあり、
他方鋳型の他端は冷却構造体6に接した状態にあ
る。凝固したロツドRはピンチロール8により抜
出される。鋳型の材料としては熱良導体の耐火物
を用いることが好ましく、例えば窒化珪素、炭化
珪素、黒鉛等が用いられる。ロツドは水平に引抜
くものとして図示したが、垂直下方に引抜いても
よい。ロツドの引抜は好ましくはパルス引抜によ
つて行われる。 この装置を使用して製造される鋳造物の鋳造組
織は、鋳造条件即ち (i) 引抜条件 (ii) 冷却条件 を管理することにより、一方向凝固、斜め凝固及
び普通凝固の各組織を自在に創出することが出来
る。 引抜条件は代表的には引抜線速度により指定さ
れる。一方向凝固では、引抜はきわめて遅い速度
で実施されねばならない。本発明では、引抜速度
は、一方向凝固と普通凝固との間の中間条件が採
用され、100〜200mm/分である。引抜はパルス引
抜により行うことが好ましい。この場合平均引抜
線速度を上記引抜線速度として採用する。パルス
引抜とは、所定時間の引抜と停止を繰返すことに
より引抜を行うものであり、引抜停止時間(tS)
と、引抜時間(tD)と、一回当りの引抜長とによ
つて規定される。斜め凝固組織を実現しうる条件
は次の通りである: (i) tS/tD3(秒/秒) (ii) 引抜長さ=6〜10mm/回 冷却条件は、鋳型の構造により指定しうる。第
3図に示すように、鋳型内の界面から冷却構造体
までの距離をl1そして鋳型の冷却構造体と接する
部分の厚さをl2とすると、l1=40〜60mmそしてl2
d(d=鋳造物の厚さまたは直径)なる条件が
斜め凝固をもたらす。 より好ましくは、溶湯温度条件を管理すること
である。この温度は、対象とする溶湯の融点に依
存して決定される。 以上の条件を表1にまとめて示す。表1には、
一方向凝固と普通凝固との条件をも参考までに併
記した。
のであり、特には特殊な連続鋳造装置を使用し
て、長手方向に対して柱状晶鋳造組織が斜めに発
達した斜め凝固組織を有する、銅及び銅合金製板
材、棒材等の鋳造物を製造する方法に関する。本
発明により生成された鋳造物は、加工性が良いた
め、その後冷間圧延、押出、線引等の強加工によ
つて薄板、箔、線材等を製造するのに有用であ
る。特に、りん青銅、インジウム含有銅合金のよ
うな加工性の悪い銅合金であつても、最終形態に
容易に加工することが出来る。 従来技術 金属材料の強加工において、その鋳造組織や表
面及び内部欠陥が加工性に重大な影響を与えるこ
とは広く知られている。例えば、銅線材を例にと
ると、銅線材は現在ではCOR(Contirod)方式、
SCR(Southwire Continuous Rod)方式及び
DIP(Dip Forming Rod)方式により銅荒引線を
製造し、更にこれを伸線することにより製造され
ている。ここで、COR方式とは、ホボケン社
(ベルギー)で開発された大量生産用の連続鋳造
圧延方式であり、上下一対の無端広巾ベルト(ツ
インベルト)と左右一対のサイドダムと呼ばれる
銅合金製ブロツクを連結した部材が同一速度で運
動する鋳造部を有するヘズレー鋳造機を使用し、
クルツプ社圧延機との組合せで銅荒引線を製造す
るものである。SCR方式とは、サウスワイヤー
社(米国)が元々アルミニウムや亜鉛の連続鋳造
に利用されていたものを銅用に改良した大量生産
用連続鋳造圧延方式であり、外周に鋳型となるべ
き溝状部を有する車輪と無端ベルトから成る鋳造
機を使用し、モルガン社連続圧延機との組合せで
銅荒引線を製造するものである。DIP方式は、ゼ
ネラルエレクトリツク社(米国)が開発した中規
模生産用の連続鋳造圧延方式であり、表面を皮剥
ぎした芯材を連続的に溶融銅の入つたるつぼ中を
高速で通過させ、芯線表面に銅を凝固付着させて
芯材を太らせた後、これを直ちに熱間圧延して銅
荒引線を製造するものである。 COR及びSCR材はともに、その結晶成長メカ
ニズムが故に、内部欠陥(クラツク、ピンホー
ル、介在物)を避けることが出来ない。そのた
め、直接冷間で伸線加工を行うことは困難であ
る。DIP材は内部欠陥は少ないが、結晶粒界が塑
性加工方向に垂直故、伸線加工時に粒界割れを起
しやすい。また、これら方法では、熱間圧延を行
うため、酸化スケールが巻込まれ、介在物として
断線原因となることも多い。 薄板、箔等の冷間圧延品や押出加工品において
もまた然りである。加工方向に対して結晶粒界が
垂直になつていると、割れやクラツクが入りやす
く、また表面及び内部欠陥が破損の原因となる。 こうした状況において、現在、金属の連続鋳造
において一方向凝固鋳造に関心が向けられつつあ
る。従来からの普通凝固法では、樹枝状組織が同
方向に成長して得られる柱状晶が鋳型壁から中心
部に向け成長するため、柱状晶と鋳造物長手方向
とがほぼ90゜をなす。これに対し、一方向凝固鋳
造物は、鋳造物長手方向に柱状晶を成長させたも
のである。一方向鋳造物は、結晶が長手方向に整
列しているため、またその凝固過程により異物が
含まれないため、強加工材或いは難加工材に対す
る母材として最適である。 しかし、現在の製造技術においては、一方向凝
固鋳造物の製造は生産性がきわめて悪い。これ
は、一方向凝固鋳造のためには、溶融金属保持炉
から加熱された鋳型を通して鋳造物を非常にゆつ
くりとした速度で抜出すことが必須であり、生産
速度がきわめて遅くなるためである。 従つて、一方向凝固鋳造物と匹敵しうる加工性
を有しそして一方向凝固よりもつと高い生産速度
において銅及び銅合金を鋳造する方法の開発が待
望されている。 発明の概要 そこで、本発明者等は、一方向凝固と普通凝固
との中間状態の斜め凝固という概念を想到し、斜
め凝固鋳造物の加工性及び生産性について検討を
重ねた。 本発明者等は、溶湯を保持する炉から一端を溶
湯により加熱されそして他端を冷却構造体に接触
することにより冷却された鋳型を通して鋳造物を
引抜く型式の連続鋳造装置において鋳造条件を適
切に設定することにより斜め凝固鋳造物が再現性
よくしかも比較的高い生産速度の下で鋳造できそ
してこうして鋳造された板或いは棒の形態の鋳造
物は非常に加工性が良く、〓後の強加工に適して
いるとの知見を得た。 斜め凝固鋳造物は、長手方向即ち引抜方向に対
して斜めに柱状晶組織が発達している。そのた
め、一方向凝固程ではないが、クラツク、異物等
の内部欠陥を充分に排除した鋳造組織が実現され
しかも長手方向に垂直な粒界部分がないため粒界
割れも起さない。斜め凝固鋳造物は、柱状晶が加
工方向に対して斜めに揃つているため、一方向凝
固に遜色のない充分の加工性を具備する。焼鈍、
熱間圧延工程を経過せず高温にさらされることを
排除しうるので、酸化スケールに起因する欠陥の
発生を防止する。斜め凝固は一方向凝固に較べて
高い鋳造速度を可能とするので、生産性の面から
問題を呈さない。このように、斜め凝固鋳造物は
生産性と加工性との両方の観点から、優れた母材
たりうるのである。 斯くして、本発明は、銅或いは銅合金溶湯浴を
保持する炉から、一端が溶湯浴中に突出しそして
他端が冷却構造体に接触する鋳型を通して鋳造物
を引抜く連続鋳造方法であつて、鋳造条件を (イ) 引抜条件:引抜線速度=100〜200mm/分 (ロ) 冷却条件:l1=40〜60mm l2d 但し l1=鋳型内の溶湯と凝固部との接触面から冷却
構造体までの距離 l2=鋳型の出口側厚さまたは直径 d=鋳造物厚さまたは直径 と設定することにより、柱状晶が引抜方向に対し
て斜めに発達した斜め凝固鋳造組織を有する銅及
び銅合金の鋳造方法を提供する。好ましくは、引
抜はパルス引抜によつて行われ、その場合には
tS/tD3(tS=停止時間、秒、tD=引抜時間、秒)
及び引抜長さ=6〜10mm/回の条件を採用するこ
とにより斜め凝固が得られる。 発明の具体的説明 本発明の対象とする金属は、純銅及びりん青
銅、Cu−Sn、Cu−In、Cu−0.3%Fe−0.1%P−
0.1%In等の銅合金である。りん青銅、In含有銅
合金のような加工性の悪い銅合金であつても、本
発明は加工性の良い鋳造物を生成することを可能
ならしめる。 本発明は、板や棒の形態の鋳造物を製造しうる
が、以下ロツドを例にとつて説明する。 第1図は斜め凝固ロツドの鋳造組織を説明する
ロツド長手方向断面図である。柱状晶組織形成角
α(αとは表皮部(チル層)及び中央部を除いた
柱状晶の平均的成長方向を表す。即ち当該部位の
結晶粒界の長手方向との角度を表す。)が25〜65
度、好ましくは30〜60度のものをここでは斜め凝
固ロツドと定義する。一方向凝固においてはαは
0〜10度の範囲にある。他方普通凝固においては
αは約80〜90゜の範囲にある。 第2図は、斜め凝固ロツドを製造する装置の一
例を示す。溶融金属保持炉2内には溶融金属浴M
が保持されている。鋳型4の入口端は溶融金属浴
中に突出してそれにより加熱された状態にあり、
他方鋳型の他端は冷却構造体6に接した状態にあ
る。凝固したロツドRはピンチロール8により抜
出される。鋳型の材料としては熱良導体の耐火物
を用いることが好ましく、例えば窒化珪素、炭化
珪素、黒鉛等が用いられる。ロツドは水平に引抜
くものとして図示したが、垂直下方に引抜いても
よい。ロツドの引抜は好ましくはパルス引抜によ
つて行われる。 この装置を使用して製造される鋳造物の鋳造組
織は、鋳造条件即ち (i) 引抜条件 (ii) 冷却条件 を管理することにより、一方向凝固、斜め凝固及
び普通凝固の各組織を自在に創出することが出来
る。 引抜条件は代表的には引抜線速度により指定さ
れる。一方向凝固では、引抜はきわめて遅い速度
で実施されねばならない。本発明では、引抜速度
は、一方向凝固と普通凝固との間の中間条件が採
用され、100〜200mm/分である。引抜はパルス引
抜により行うことが好ましい。この場合平均引抜
線速度を上記引抜線速度として採用する。パルス
引抜とは、所定時間の引抜と停止を繰返すことに
より引抜を行うものであり、引抜停止時間(tS)
と、引抜時間(tD)と、一回当りの引抜長とによ
つて規定される。斜め凝固組織を実現しうる条件
は次の通りである: (i) tS/tD3(秒/秒) (ii) 引抜長さ=6〜10mm/回 冷却条件は、鋳型の構造により指定しうる。第
3図に示すように、鋳型内の界面から冷却構造体
までの距離をl1そして鋳型の冷却構造体と接する
部分の厚さをl2とすると、l1=40〜60mmそしてl2
d(d=鋳造物の厚さまたは直径)なる条件が
斜め凝固をもたらす。 より好ましくは、溶湯温度条件を管理すること
である。この温度は、対象とする溶湯の融点に依
存して決定される。 以上の条件を表1にまとめて示す。表1には、
一方向凝固と普通凝固との条件をも参考までに併
記した。
【表】
板の場合は、ロツドを複数本並置したものとみ
なすことが出来、上記と同等の条件の下で斜め凝
固鋳造組織を得ることが出来る。 得られた鋳造物は、用途に応じて、薄板、箔、
押出加工品、細線、極細線等の最終形態に続いて
強加工される。 発明の効果 1 一方向凝固に較べて数倍の製造速度での鋳造
が可能である。 2 得られる斜め凝固鋳造組織は非常に加工性が
良い。 3 表面及び内部欠陥の少い材料が得られる。 4 〓後加工工程において熱間圧延、焼鈍等の負
担を減じ、酸化物スケールに起因する欠陥の導
入を防止する。 実施例 純銅及びCu−0.3%Fe−0.1%P−0.1%In銅合
金を第2図に示した装置を用いて一方向凝固(α
≒0゜)、斜め凝固(α≒45゜)及び普通凝固(α≒
80゜)させた鋳造条件値を表2に示す。鋳型はグ
ラフアイト製としそして引抜はパルス引抜により
行つた。冷却は水冷である。鋳造物は8mmφロツ
ドである。
なすことが出来、上記と同等の条件の下で斜め凝
固鋳造組織を得ることが出来る。 得られた鋳造物は、用途に応じて、薄板、箔、
押出加工品、細線、極細線等の最終形態に続いて
強加工される。 発明の効果 1 一方向凝固に較べて数倍の製造速度での鋳造
が可能である。 2 得られる斜め凝固鋳造組織は非常に加工性が
良い。 3 表面及び内部欠陥の少い材料が得られる。 4 〓後加工工程において熱間圧延、焼鈍等の負
担を減じ、酸化物スケールに起因する欠陥の導
入を防止する。 実施例 純銅及びCu−0.3%Fe−0.1%P−0.1%In銅合
金を第2図に示した装置を用いて一方向凝固(α
≒0゜)、斜め凝固(α≒45゜)及び普通凝固(α≒
80゜)させた鋳造条件値を表2に示す。鋳型はグ
ラフアイト製としそして引抜はパルス引抜により
行つた。冷却は水冷である。鋳造物は8mmφロツ
ドである。
【表】
参考例
実施例において得られた斜め凝固ロツドを伸線
加工した結果、非常に良好な伸線性能が得られ
た。 伸線は、伸線用ダイスを使い潤滑剤中で25%及
び35%の減面率で初期伸線加工を行い、5.7mmφ
線材を得た。この線材について、5.7mmφ〜1mm
φまで1ダイス毎の減面率を平均25%、1mmφ〜
0.1mmφまでの1ダイス毎の減面率を平均15%、
そして0.1mmφ〜0.05mmφまでの1ダイス毎の減
面率を平均10%で極細線加工を行つた。137/0
(伸線量(Kg)/断線回数)の優れた線引性能が
得られた。
加工した結果、非常に良好な伸線性能が得られ
た。 伸線は、伸線用ダイスを使い潤滑剤中で25%及
び35%の減面率で初期伸線加工を行い、5.7mmφ
線材を得た。この線材について、5.7mmφ〜1mm
φまで1ダイス毎の減面率を平均25%、1mmφ〜
0.1mmφまでの1ダイス毎の減面率を平均15%、
そして0.1mmφ〜0.05mmφまでの1ダイス毎の減
面率を平均10%で極細線加工を行つた。137/0
(伸線量(Kg)/断線回数)の優れた線引性能が
得られた。
第1図は斜め凝固鋳造組織の概念を図解する説
明図、第2図は本発明方法を実施するロツド鋳造
装置の一例を示す断面図、そして第3図は第2図
の一部の拡大図である。 2……炉、4……鋳型、6……冷却構造体、8
……ピンチロール、R……鋳造物、M……溶融金
属浴。
明図、第2図は本発明方法を実施するロツド鋳造
装置の一例を示す断面図、そして第3図は第2図
の一部の拡大図である。 2……炉、4……鋳型、6……冷却構造体、8
……ピンチロール、R……鋳造物、M……溶融金
属浴。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 銅或いは銅合金溶湯浴を保持する炉から、一
端が溶湯浴中に突出しそして他端が冷却構造体に
接触する鋳型を通して鋳造物を引抜く連続鋳造方
法であつて、鋳造条件を (イ) 引抜条件:引抜線速度=100〜200mm/分 (ロ) 冷却条件:l1=40〜60mml2d 但し l1=鋳型内の溶湯と凝固部との接触面から冷却
構造体までの距離 l2=鋳型の出口側厚さまたは直径 d=鋳造物厚さまたは直径 と設定することにより、柱状晶が引抜方向に対し
て斜めに発達した斜め凝固鋳造組織を有する銅及
び銅合金の鋳造方法。 2 引抜がパルス引抜により実施され、 tS/tD≧3(tS=停止時間(秒)、tD=引抜時間
(秒)) 及び 引抜長さ=6〜10mm/回 の条件の下に行われる特許請求の範囲第1項記載
の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23935385A JPS62101354A (ja) | 1985-10-28 | 1985-10-28 | 銅及び銅合金の鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23935385A JPS62101354A (ja) | 1985-10-28 | 1985-10-28 | 銅及び銅合金の鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62101354A JPS62101354A (ja) | 1987-05-11 |
JPH0112579B2 true JPH0112579B2 (ja) | 1989-03-01 |
Family
ID=17043486
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23935385A Granted JPS62101354A (ja) | 1985-10-28 | 1985-10-28 | 銅及び銅合金の鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62101354A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103502505A (zh) * | 2011-08-29 | 2014-01-08 | 吉坤日矿日石金属株式会社 | Cu-Ga合金溅射靶及其制造方法 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3000371B2 (ja) * | 1989-10-18 | 2000-01-17 | 同和鉱業株式会社 | 連続鋳造法 |
WO2014077110A1 (ja) * | 2012-11-13 | 2014-05-22 | Jx日鉱日石金属株式会社 | Cu-Ga合金スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
-
1985
- 1985-10-28 JP JP23935385A patent/JPS62101354A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103502505A (zh) * | 2011-08-29 | 2014-01-08 | 吉坤日矿日石金属株式会社 | Cu-Ga合金溅射靶及其制造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62101354A (ja) | 1987-05-11 |
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