JPH01123029A - ステンレス鋼継目無し管の製造方法 - Google Patents

ステンレス鋼継目無し管の製造方法

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JPH01123029A JP28189487A JP28189487A JPH01123029A JP H01123029 A JPH01123029 A JP H01123029A JP 28189487 A JP28189487 A JP 28189487A JP 28189487 A JP28189487 A JP 28189487A JP H01123029 A JPH01123029 A JP H01123029A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、靭性と耐応力腐食割れ性に優れ、特にCO
lとthsが共存する苛酷な環境下で用いるのに適する
マルテンサイト系ステンレス鋼継目無し管の製造方法に
関する。
(従来の技術とその問題点) −4に、マルテンサイト系ステンレス鋼の継目無し管は
強度、靭性および耐食性が要求される油井管や輸送管な
どに広く用いられ、特に耐応力腐食割に優れていること
はよく知られている。
従来この種の継目無し管は、第1図に例示するとおり、
鋼片(ビレット)を穿孔可能な温度に加熱し、例えばピ
アサ−とマンドレルを用いて穿孔と圧延を行った後、オ
ーステナイト領域の温度に再加熱し、例えばストレッチ
レデューサ−で仕上げ圧延を行って製造される。仕上げ
圧延の後は空冷されて管はマルテンサイト組織になるが
、必要な強度と靭性を付与するために940〜1050
℃からの焼入れと600〜750℃での焼戻しの熱処理
が施され最終的には焼戻しマルテンサイト組織となる。
製管法としては、上に掲げたマンネスマンマンドレルミ
ル方式の外に、マンネスマンプラグミル方式、マンネス
マンアラセルミル方式等、様々の方法があるが、いずれ
の方式でもマルテンサイト系ステンレス鋼継目無し管の
製造には、製管後の焼入れ、焼戻し処理が必須とされて
いる。
上記の従来方法によって製造されたマルテンサイト系ス
テンレス鋼継目無し管は、高強度ではあるものの近年−
段と苛酷さを増しつつある使用環境では、靭性と耐応力
腐食割れ性が不十分な場合がある。即ち、COlを含む
環境は同時に11□Sを含むことが多く、従来法で製造
されたマルテンサイト系ステンレス鋼の継目無し管は硫
化物応力腐食割れ感受性が高いため、現状ではその使用
が制約されn、s 濃度の高い環境では通常のマルテン
サイト系ステンレス鋼よりもCrt、 Ni、 Mo等
の合金元素を大幅に高めたコストの高い高合金を用いな
ければならない。
本発明の目的は、高価な合金元素をいたずらに増加させ
ることなく、即ち、−船釣なマルテンサイト系ステンレ
ス鋼或いはその改良ステンレス鋼を用い、強度は勿論、
靭性、耐応力腐食割れ性に優れ、しかも異方性の少ない
マルテンサイト系ステンレス鋼継目無し管を製造する方
法を提供すること、にある。
(問題点を解決するための手段) 一般に、マルテンサイト組織を持つ鋼の靭性、耐応力腐
食割れ性を支配しているのは、マルテンサイトm織の下
部構造であるブロック、パケットの大きさであり、旧オ
ーステナイト粒径を小さくするとこのブロック、パケッ
トのサイズが小さくなって靭性、耐応力腐食割れ性をは
じめとする諸性質が向上する。しかしながら、マルテン
サイト系ステンレス鋼は析出炭化物の固溶温度が割合高
く、従来の方法では焼入れ温度を高くしなければならな
いためオーステナイト結晶粒の粗大化が避けられず、製
管後の焼入れ処理で旧オーステナイト粒径を小さくする
のに限界がある。
本発明者は、マルテンサイト系ステンレス鋼の加工熱処
理とその組織について詳細に検討を重ねた結果、一旦焼
入れされた鋼を適当な温度で温間加工すると、ブロック
、パケットの単位より著しく微細なフェライト組織が得
られることを知見した。
ところが、温間加工、即ちAc、変態点以下の低温フェ
ライト域での加工は異方性を生じさせやすく、最終圧延
がストレッチレデューサ−またはサイザー等による縮径
加工の場合、特にこの傾向が強く、圧延方向の靭性に較
べて圧延直角方向の靭性が低めになることがある。そこ
で、前記の微細フェライト粒と分散炭化物からなる&l
l織によって得られる靭性と耐応力腐食割れ性向上の効
果を維持したまま、かかる異方性を少なくする方法を探
究した。その結果、この異方性はフェライトの温間加工
による集合組織に依存することが判明し、同時に、前記
のように温間加工された鋼をMCI変態点より僅かに高
い温度域に短時間加熱して冷却してマルテンサイト組織
として、更に焼戻しすれば上記異方性が解消されること
が判明した。
ここに、本発明の要旨は、マルテンサイト系ステンレス
鋼片を下記の工程で順次加工熱処理することを特徴とす
る靭性と耐応力腐食割れ性に優れたマルテンサイト系ス
テンレス鋼継目無し管の製造方法、にある。
■鋼片を1050〜1250℃に加熱し、穿孔と圧延を
行う工程、 ■少なくともsoo ’cまでを30℃/分以上の冷却
速度としてマルテンサイト変態開始温度以下の温度まで
冷却して80容量%以上がマルテンサイトで占められる
組織とする工程、 ■実質的にオーステナイトの生成がないAcl変態点〜
(Ac、変態点−200℃)の温度域に再加熱して断面
減少率で5%以上の仕上圧延を行った後、直ちに、また
は一旦冷却してからAcs変態点を超え、(AC1変態
点+100℃)以下の温度域に30分以下保持し、次い
で、少なくとも500℃までを30℃/分以上の冷却速
度としてマルテンサイト変態開始温度以下の温度まで冷
却して80容量%以上がマルテンサイトで占められる組
織とする工程。
■へC,変態点以下の温度で焼戻しを行う工程。
本発明は、先に掲げたマンネスマン製管法の各種の方式
をはじめ、鋼片を熱間で穿孔、圧延するあらゆる継目無
し管の製造方法に適用できる。
また、本発明の対象となるマルテンサイト系ステンレス
鋼とは、当業者間で周知のもの、および成る種の元素を
添加したり不純物を低下して改良したもの等、本発明の
製造方法で実質的に微細構造の焼戻しマルテンサイト組
織となる全てのステンレス鋼である。以下、本発明の対
象として望ましいマルテンサイト系ステンレス鋼の標準
的な組成を例示し、含有量の選定理由を説明する。なお
、元素の含有量についての%は、全て重量%である。
Cr: 8〜15% Crは、ステンレス鋼としての耐食性を維持するために
8%以上の含有量が必要である。しかし、15%を超え
ると高温においてフェライト領域が拡大し、その後の冷
却によるマルテンサイト変態が困難になる。
C:O,t%以下 Cは、マルテンサイト系ステンレス鋼の強度に関係する
元素であるが、含有量が0.4%を超えると粗大炭化物
が多くなり靭性を著しく損なう。
Si: 0.01〜1% Siは、脱酸剤および強化元素として添加される。
0.01%未満の含有量ではこれらの効果がない、−方
、含有量が1%を超えると粒界炭化物の生成を助長し、
靭性、耐食性を劣化させる。特に靭性と耐食性を向上さ
せるには、上限を0.2%に抑えるのがよい。
門n: 0.05〜2% Mnは、強度および靭性を向上させるが0.05%未満
ではその効果がなく、2%を超えると逆に靭性を劣化さ
せる。
S : 0.03%以下 Sは不純物元素であって、含有量は低いほど望ましい、
高すぎると硫化物の量が増加し、靭性と耐応力腐食割れ
性を害する。 0.03%が許容上限値であるが、特に
0.001%以下に抑えれば耐応力腐食割れ性の向上が
著しい。
p:o、i%以下 PもSと同様に不純物元素であり低いほど望ましい、高
すぎると靭性、耐食性が劣化する。0.1%が許容上限
値であるが、0.01%以下に抑えれば靭性、耐食性の
向上に効果があり、またこれらの性質の異方性も少なく
なる。
上記のPとSの両方を、それぞれ0.001%以下、0
.01%以下に抑えるのが最も望ましい。
So 1 、A l : 0.005〜0.1%A!は
溶鋼の脱酸のため添加される。Sol、Alとして0.
005%以上の含有量になるように添加する必要がある
が、0.1%を超える含有量になると酸化物系介在物が
増加し、靭性、耐食性を劣化させる。
以上の成分の外、残部がFeおよび不可避不純物からな
るものが標準的な組成である。これに加えて下記の第1
群および第2群の一方または両方から1種以上の元素を
選んで含有させてもよい。
第1群の元素 2.0%以下のNo、 5%以下のNi、 0.5%以
下のNb、 0.5 %以下のv、o、s%以下のTi
%0.5%以下0)Zr、0.01%以下のB、および
0.15%以下のN。
第2群の元素 0.001〜0.05%のCa、 0.001〜0.0
5%のLa、および0.001〜0.05%のCe。
これらの元素の作用効果は次のとおりである。
Mo: 耐食性の向上に効果がある。しかし、含有量が2%を超
えると冷却時のマルテンサイト変態が困難になる。
Ni: 耐食性を向上させるとともに、C含有量を抑える効果と
の組み合わせで強度、靭性を大きく向上させる効果があ
る。しかし、5%を超えて含有させでも効果の増大はな
(なりコスト増加を招くだけである。
Nb、 V、 Ti、 Zr : これらの元素は強度や靭性の向上に効果があると同時に
、耐食性に有効な基質中のCrの減少を阻止する効果が
ある。しかし、それぞれ0.5%を超える含有量ではか
えって靭性を劣化させる。
B: 強度の向上に効果があるとともに組織の微細化を促し、
靭性および耐食性をも改善する効果がある。しかし、含
有量が0.01%を超えると逆に靭性、耐食性に悪影響
がでてくる。
N: Nは強度を向上させる安価な元素であるが、含有量が0
.15%を超えると著しい靭性の低下をもたらす。
Ca、 La%Co : これらの元素は鋼中の硫化物の形状を改善し、耐応力腐
食割れ性を向上させる。それぞれ0.001%未満の含
有量ではその効果が得られず、0.05%を超えると靭
性、耐食性を劣化させる。
次に、第2図および第3図に例示する本発明方法の工程
図にそって、加工熱処理の工程を説明する。
(a)鋼片加熱温度 この加熱は鋼片の中心部まで均一に加熱して、ミクロ偏
析などを除去した状態で次工程の穿孔、圧延を行うため
に充分な温度と時間が必要である。
加熱温度が1050℃よりも低いと次工程での変形抵抗
が大きくなり好ましくない。一方、1250’Cよりも
高い温度で加熱するとスケールの発生が著しくなり歩留
り低下と表面肌荒れを招くだけでなく、δ−フェライト
が生成し易くなって製管性能が低下する。
加熱の時間は、鋼片のサイズによって決定されるが、上
記のように中心部まで均一に加熱されるのに必要かつ充
分な時間とする。
(b)穿孔と圧延 ピアサ−による穿孔とマンドレルミルまたはプラグミル
による圧延は通常の方法で行われる。ピアサ−は、傾斜
圧延方式でもプレスピアシング方式でもよい。
この工程では、圧延終了温度が低くなりすぎないように
注意する必要がある。圧延が低温の未再結晶域で行われ
ると粒界に残留する歪が多くなり、冷却途上での粗大粒
界炭化物の析出が促進される。
粒界炭化物は製品継目無し管の性質、特に靭性に悪影響
を及ぼす。かかる理由で、圧延は900℃以上、好まし
くは940℃以上の温度域で終了させるのが望ましい。
(c)冷却条件 圧延終了後の冷却条件は極めて重要である。この冷却は
、マルテンサイト変態を起こさせて80容量%以上、靭
性と耐応力腐食割れ性の向上のためには望ましくは95
容量%以上がマルテンサイトで占められる均一な組織(
残りはフェライトおよび/または残留オーステナイト)
になるように選定する。即ち、冷却終了温度はMs点以
下、80容量%以上、望ましくは95容量%以上のマル
テンサイトに変態する温度とする。しかしながら、炭化
物の析出しやすい500℃まではできるだけ早く冷却す
る必要がある。即ち、少なくとも500℃までを30”
C/分以上の冷却速度とする。 30″C/分より遅い
冷却速度では靭性低下の原因となる粗大粒界炭化物が析
出するようになる。冷却が大きいほど靭性は向上するか
ら例えば水冷などの急冷を行う。
(d)再加熱と仕上げ圧延 上記の急冷処理によって実質的にマルテンサイト組織と
なった管をAc、変態点以下の温度に再加熱して仕上げ
圧延を行う、圧延は、例えばストレンチレデエーサーで
行うが、サイザー、リーラ−等による加工でもよい。
この再加熱と圧延によってマルテンサイトの焼戻しと結
晶粒の微細化、炭化物の微細均一分散化が行われ、後の
Ac、変態点を超える温度での加熱でも本質的に影響を
受けない優れた靭性と耐応力腐食割れ性を有する継目無
し管が得られるのである。
再加熱温度がAC1変態点を超えるとオーステナイトが
生成し、所望の靭性、耐応力腐食割れ性がえられない、
また、再加熱温度がAc1変態点〜(Ac1変態点−2
00′Cよりも低いと仕上げ圧延での変形抵抗が大きく
なり過ぎる。
仕上げ圧延での加工率も重要である。ここでの圧延、即
ち、温間加工によって微視的なフェライトの再結晶と析
出炭化物の微細分散化が進み上記の優れた諸性質が得ら
れるのであるが、そのためには断面減少率で5%以上の
加工が必要である。
なお、断面減少率K(%)は、次の(イ)式で定義され
る。
K−(1−(r、l −r+”)/(R,x −R+”
)) xloo・ ・ ・ ・ (イ) ここで、Pl、6は仕上げ圧延前の内半径と外半径r1
、r2は仕上げ圧延後の内半径と外半径である。
仕上げ圧延後は、第3図に示すようにそのまま直ちに次
の(e)の工程に移ることができる。しかし、第2図の
ように一旦室温または適当な温度まで冷却してもよい、
冷却する場合には、後にまたAc、変態点を超える温度
に加熱されるのであるから焼戻し脆性を考慮する必要は
なく、従って特に急冷するには及ばない。
(e)  Acs変態点を趙える温度での加熱と冷却の
条件 ^c1変態点以下の温度で焼戻しマルテンサイトを加工
することによって、微細フェライトと微細分散炭化物か
らなる耐応力腐食割れ性に著しく優れた組織が得られる
。しかし、このままの![1Illでは前記のように特
に靭性に異方性が現れることがある。用途によっては、
一方向、例えばL方向の特性が優れていれば足りること
があるが、逆に多少り方向の特性を落としても、L、C
両方向の特性が平準化されている方がよい場合がある0
本発明では、前の工程で温間加工で仕上げ圧延された管
を、Ac3変態点を超え、(^C3変態点+100℃)
以下の温度域、即ち、AC3変態点の直上付近に30分
以下の加熱することによってこの平準化を行う。
この加熱によって、m繊は一旦オーステナイトに変態し
、異方性の原因となる温間加工を受けたフェライトの集
合組織が改善される。勿論、Acs変態点を超える加熱
であるから前工程で加工を受けたフェライトは消失する
が、温度が比較的低いことと、加熱時間が短いことから
、オーステナイト結晶粒の粗大化は起こらず、前の工程
で微細析出した炭化物の再固溶も少ないから、これを急
冷したときに得られるマルテンサイトは微細組織で靭性
、耐応力腐食割れ性とも優れたものとなる。
へC1変態点+100℃を超える温度、或いは30分を
超える時間の加熱では、未固溶炭化物が完全に固溶し結
晶粒が粗大化して靭性が甚だしく低下する。
上記(e)の加熱は、従来の製造方法における焼入れ工
程に慎ているが、その焼入れ温度は粗大に析出した炭化
物の完全固溶を図るためへ〇、変態点よりかなり高温域
(通常MCI変態点+  ℃以上)で行われる0本発明
方法では、穿孔、圧延から仕上げ圧延までの工程で析出
した炭化物が極めて微細であるから、加熱温度は低くて
よく、加熱エネルギーが少ないという利点もある。
Acs変態点を超え、(AC3変態点+100℃)まで
の温度域での加熱の後の冷却は、先の(c)と同じ理由
で、同じ条件とする。80容量%以上、望ましくは95
容量%以上がマルテンサイトで占められる均一な11織
になるように、l’ls点以下点部下まで、しかも少な
くとも500℃までを30℃/分以上の冷却速度とする
Cf>lk終焼戻し この焼戻しは前段階の加熱、冷却でオーステナイトから
変態したマルテンサイトの靭性と耐応力腐食割れ性を向
上させるために行う、この焼戻し温度がAc1変態点〜
(Ac1変態点を超えると再びオーステナイトが生成し
、冷却時にフレッシュマルテンサイトが生じるのでAc
1変態点〜(Ac1変態点以下に抑える。焼戻し後の冷
却は性能に大きな影響を与えないが、焼戻し脆性を考慮
して、冷却速度を大きくする方が望ましい。
このようにして製造されたマルテンサイト系ステンレス
鋼継目無し管は、マクロ的には焼戻しマルテンサイト組
織であり、ミクロ的には旧オーステナイト結晶粒が極め
て微細でかつ析出炭化物が微細分散した組織を有し、靭
性、耐応力腐食割れ性、特に耐硫化物応力腐食割れ性に
優れたものとなり、しかも、圧延方向による異方性は極
く小さい。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する。
(実施例) 第1表に示す組成の鋼から通常の溶解、鋳造法で100
 amφX300 l1m1tの鋼片を製造した。これ
らの鋼片を用いて、第2表に示す条件でマルテンサイト
系ステンレス鋼継目無し管を製造した。
これらの鋼管について0.2%耐力と引張り強さとを測
定し、また靭性を評価する目的で5+u+XIQn’s
 X 55a+a+の2au+ Vノツチ試験片を用い
てり、C両方向のシャルピー衝撃試験を行ってシャルピ
ー破面遷移温度を測定した。
更に、耐応力腐食割れ性を評価する目的で、シェルタイ
ブ試験、即ち、水平3点曲げ試験片の中央点に異なった
荷重を付加した状態で、温度=20゛C1気圧:1気圧
のHasで飽和した0、5%酢酸水溶液中に500時間
浸漬して割れ発生を観察し、耐硫化物応力腐食割れ性の
指標となるSc値を求めた。
上記の各測定結果を第2表にまとめて示す。
まず、第2表の本発明法のNcL1〜32の試験結果と
従来法の階1〜21の試験結果を比較すると、0.2%
耐力と引張り強さにおいてはほぼ同等であるが、破面遷
移温度とSc値では本発明法のものがはるかに勝ってい
る0次に、破面遷移温度に着目すれば、L方向、C方向
ともその温度は低くしかも両者に殆ど差がない、即ち、
本発明によれば靭性が高くかつその異方性のない継目無
し管が得られるのである。なお、従来法による場合は、
靭性の異方性そのものは見られないが、そのレベルは極
めて低い、同じ傾向が、仕上げ圧延後の加熱温度の高す
ぎる比較法の隘1にも見られる。また、比較法の漱2と
3は製管時の条件が本発明の条件を満たしていないもの
で、靭性、耐応力腐食割れ性ともに本発明法によるもの
に及ばない。
(発明の効果) 本発明方法によって製造された継目無し管は、マルテン
サイト系ステンレス鋼の冶金学的な特性を生かし、加工
と冷却の条件を精密に調整して、その結晶粒および分散
炭化物が極めて微細化されている。しかも製管後の適切
な熱処理によって異方性も改善されているから、強度は
もとより、靭性、耐応力腐食割れ性、特に、耐硫化物応
力腐食割れ性、に優れ、かつ異方性も解消されている8
本発明は、マルテンサイト系ステンレス鋼継目無し管の
使用分野の拡大に寄与するところが極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、マルテンサイト系ステンレス鋼継目無し管を
製造する従来の工程を説明する図、第2図および第3図
は、同じ(本発明の詳細な説明する図、である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)マルテンサイト系ステンレス鋼片を下記の工程で
    順次加工熱処理することを特徴とする靭性と耐応力腐食
    割れ性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼継目無し
    管の製造方法。 [1]鋼片を1050〜1250℃に加熱し、穿孔と圧
    延を行う工程、 [2]少なくとも500℃までを30℃/分以上の冷却
    速度としてマルテンサイト変態開始温度以下の温度まで
    冷却して80容量%以上がマルテンサイトで占められる
    組織とする工程、 [3]実質的にオーステナイトの生成がないAc_1変
    態点〜(Ac_1変態点−200℃)の温度域に再加熱
    して断面減少率で5%以上の仕上圧延を行った後、直ち
    に、または一旦冷却してからAc_3変態点を超え、(
    Ac_1変態点+100℃)以下の温度域に30分以下
    保持し、次いで、少なくとも500℃までを30℃/分
    以上の冷却速度としてマルテンサイト変態開始温度以下
    の温度まで冷却して80容量%以上がマルテンサイトで
    占められる組織とする工程。 [4]Ac_1変態点以下の温度で焼戻しを行う工程。
  2. (2)マルテンサイト系ステンレス鋼が通常の化学組成
    を有するものである特許請求の範囲第1項記載の継目無
    し管の製造方法。
  3. (3)マルテンサイト系ステンレス鋼が下記第1群およ
    び/または第2群の元素の1種以上を含有するものであ
    る特許請求の範囲第1項記載の継目無し管の製造方法。 第1群 重量%で、2.0%以下のMo、5%以下のNi、0.
    5%以下のNb、0.5%以下のV、0.5%以下のT
    i、0.5%以下のZr、0.01%以下のB、および
    0.15%以下のN。 第2群 重量%で、0.001〜0.05%のCa、0.001
    〜0.05%のLa、および0.001〜0.05%の
    Ce。
  4. (4)マルテンサイト系ステンレス鋼が、不純物元素の
    PとSの一方または両方が下記の範囲に抑えられている
    ものである特許請求の範囲第1項から第3項までに記載
    のいずれかの継目無し管の製造方法。 P:0.01重量%以下 S:0.001重量%以下
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