JPH01118624A - 耐炎化繊維の製造方法 - Google Patents

耐炎化繊維の製造方法

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JPH01118624A
JPH01118624A JP27038487A JP27038487A JPH01118624A JP H01118624 A JPH01118624 A JP H01118624A JP 27038487 A JP27038487 A JP 27038487A JP 27038487 A JP27038487 A JP 27038487A JP H01118624 A JPH01118624 A JP H01118624A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、炭素繊維製造工程における耐炎化処理に関し
、とくに熱媒粒子の流動層を用いた耐炎化処理方法に関
する。
[従来の技術] 通常、炭素繊維は、ポリアクリロニトリル(以下PAN
と略す)系繊維、再生セルローズ系繊維、フェノール系
繊維、ピッチ系繊維等の有機重合体から成る前駆体繊維
を先ず空気または他の酸化性ガス雰囲気中にて、200
〜300℃で耐炎化(ピッチ系繊維では一般に不融化と
称しており、更に高温の450℃程度までの処理を行っ
ている〉して耐炎化繊維と成し、次いでこれを窒素、ア
ルゴン等の不活性ガス雰囲気中にて800〜2000℃
で炭化して製造される。また、ざらに2000’C以上
の不活性ガス雰囲気中で黒鉛化を行ない、弾性率が一段
と高い黒鉛繊維を製造することも行なわれる。
上記耐炎化工程は酸化と環化を伴なう反応でおって、高
温で処理する程反応速度を上げて耐炎化に必要な処理時
間を短縮できる。しかしながら、反応発熱を伴うため、
処理温度を高温にし過ぎたり、前駆体繊維を高密度に多
数充填したりすると、反応熱が該繊維内に蓄熱して単糸
間の融着ヤ発火現象、糸切れを生じる。そのため、耐炎
化工程の生産効率を上げるためには、当該繊維の反応発
熱を効率良く除去しつつ可能な限り高温で処理できるプ
ロセスであることが肝要でおる。
このような目的に合致した耐炎化方法としては、従来前
駆体繊維に熱風を吹き付けたり、加熱固体表面に間欠的
に接触させたりして、前者においては処理時間20〜1
20分で、後者においては20分前1麦で耐炎化処理す
る方法が良く知られている。
ところが、上記公知の方法においては、耐炎化工程にお
ける前駆体繊維の加熱効率、反応熱の除去効率に限界が
あるため、処理時間を大幅に短縮することが困難でおる
という問題、および前駆体繊維が大物になると該繊維束
内部の効果的な加熱あるいは除熱が難しくなるため、前
駆体繊維の大物化、ひいては処理密度の向上が困難であ
るという問題がめる。また、上記熱風を吹き付ける方法
では、通常エネルギー節約の面から熱風を循環使用し、
使用済み熱風の一部のみを排気するようにしているが、
所望の加熱、除熱量を達成するには大きな熱風循環量が
必要となり、設備、循環系に設けられるヒータ容量、ざ
らには熱風使用量が相当大になるという問題もおる。
このような問題に対し、前駆体繊維の加熱、除熱効率を
向上して処理時間を短縮し、かつ使用熱風量を大幅に削
減できる方法として、熱媒粒子の流動層中で耐炎化処理
する方法がある。特公昭44−253758公報には、
ポリアクリロニトリルのフィラメントを第1段階に於い
て酸化性雰囲気中200乃至300℃の範囲の温度に加
熱し、次いで第2段階に於いて不活性雰囲気中1000
’C付近の温度でこれを炭化してフィラメント状炭素を
製造する方法に於いて、酸化性雰囲気中で加熱する該第
1段階が処理されるフィラメントに対し化学的に不活性
な固体熱伝導物の流体床(流動層)中で行われることを
特徴とする方法が提案されている。
また、流動床の中でエツチング処理する少くとも1段階
を包含する耐炎化方法として特公昭47−18896@
公報が公知である。
また、上記公知の方法では、処理時間短縮効果がまだ不
十分であるため、処理時間をさらに大幅に短縮し、かつ
得られる炭素繊維の優れた物性を確保するために、まだ
出願未公開の段階であるが、先に本出願人により、前駆
体繊維を分散手段上の流動層中で加熱処理して耐炎化す
る方法において、重囲の80%以上が粒度10メツシユ
以下の固体粒子を熱媒とし、上面レベルから分散手段ま
での前記熱媒粒子の静置時深ざH[m]を下記の範囲と
して分散手段上に流動層を形成せしめ、前記流動層中で
前駆体繊維を200〜550’Cで加熱処理することを
特徴とする前駆体繊維の耐炎化方法が提案されている。
20Mf/(ρυCPA〉〈H〈500/ρυここで、 Mf:流動層中に存在する前駆体繊維重但[Ny]ρυ
:熱媒粒子の嵩密度[Kg/TrL3]CP:熱媒粒子
の比熱[K c a l /Ky℃]。
A :流動層の流動化面積[TrL!]でおる。
ところが、上述のような流動層による耐炎化処理には、
次のような技術的課題が残されている。
すなわち、前述の如く耐炎化工程では、発熱を伴なう処
理が行われるため、一般に、単糸間融着を防止するため
に耐炎化工程に送られる前駆体繊維には処理前に予め油
剤が付与される。この油剤は、上記単糸間融着防止とと
もに、前駆体繊維の糸束集合体としての集束性を向上す
る役目を果たし、ガイドローラへの巻付きや互にからみ
合うことを防止してハンドリング性向上にも寄与してい
為。
従来、この油剤には、主として非シリコン系油剤、たと
えば高級アルコール系油剤、高級脂肪酸系油剤が用いら
れている。
しかしながら、このような非シリコン系油剤を前駆体繊
維に付与し、それを前述の如き熱媒粒子の流動層で加熱
して高温で短時間の耐炎化処理を行おうとすると、次の
ような問題が生じる。
つまり、非シリコン系油剤の耐熱性、が不足するため、
高温の流動層中で単糸間融着を防ぎ切れないことがあり
、それによって、得られる炭素繊維の強度、弾性率が、
前述した従来の耐炎化方法によって得られる炭素繊維の
強度・弾性率より低レベルであった。
また、流動層を用いた処理は、除熱能力が高いので高温
短時間耐炎化処理が可能になるという大きな利点を有し
ているものの、上述の如く油剤に耐熱性がないため結局
処理温度を低下せざるを得ず、流動層処理の特徴を活か
す上で障害になっていた。
特公昭60−47382@公報には、耐熱性の高いシリ
コン系油剤が開示されているが、熱媒粒子の流動層によ
る耐炎化処理との関連の記載はない。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、熱媒粒子の流動層を使用する耐炎化処理にお
いて、単糸間融省を防止して炭素繊維の物性を向上する
とともに、短時間で高温処理可能な流動Mh口熟熱処理
特徴を一層活かすことを目的とする。
[問題点を解決するための手段] この目的に沿う本発明の耐炎化方法は、熱媒粒子を流動
化せしめた流動層中で前駆体繊維を加熱処理する耐炎化
方法において、前駆体繊維に予めシリコン系化合物を付
与し、該シリコン系化合物が付与された前駆体m帷を熱
媒粒子の流動層中で加熱処理して耐炎化する方法から成
る。
本発明において前駆体繊維とは、ポリアクツロニトリル
(PAN)系、再生セルローズ系、フェノール系、ピッ
チ系等に代表される有機手合体を紡糸して得られるフィ
ラメント、ストランド、トウ状の連続体もしくは不連続
体及びその紡績糸、織物や織物等をいい、特にその形態
を問わない。
また、本発明において炭素繊維とは黒鉛繊維を含む総称
である。
本発明における流動層とは、固体熱媒粒子を気体で流動
化した状態下で加熱処理する手段であって、前記熱媒粒
子が酸化性気体で流動化された状態と所定の温度好まし
くは200℃以上、より好ましくは240℃以上に加熱
された状態がこの流動層内で共存された状態をいう。
本発明において酸化性気体とは、空気の地金硫黄気体等
、前記前駆体繊維に対して加熱時広義の酸化反応を生ず
る気体を含む。
本発明に係る熱媒粒子とは、気体で流動化された状態で
用いる固体粒子をいい、耐炎化に必要な加熱温度に耐え
1qる耐熱性、即ち350℃以上好ましくは400 ’
C以上の耐熱性を有する、例えば、主成分として炭素、
アルミナ、炭化ケイ素、ジルコニア、シリカ等が単独お
るいは共存して構成されるセラミックやガラス等の無機
物粒子を用いることができる。
更に、当該熱媒粒子の内、炭素を主成分とする粒子(炭
素粒子)でおることが好ましい。
前記炭素粒子としては、カーボンブラック、サーマルブ
ラック、炭素中空球、活性炭粉末、球状活性炭、グラッ
シーカーボン粉末、メソフエ、−ズピッチビーズ、人造
黒鉛粉末、顆粒黒鉛、天然黒鉛粉末等に代表され、その
組成上50%以上、好ましくは90%以上の炭素成分か
ら成る炭素粒子であり、灰分中に炭化工程で炭素と反応
する金属成分、例えばFe、Ca、Mg、Mrl、 C
LJ、 Zn、 Cr、Ni等が少ない程好ましい。炭
素を主成分とする熱媒粒子の場合、その熱媒粒子が繊維
に付着してたとえ炭化工程に持ち込まれたとしても、粒
子中に含まれる金属成分は該粒子の炭素と反応するだけ
であるから、本質的に炭素繊維の物性を低下させること
がない。また、該粒子が耐炎化時に当該繊維の単糸間中
へ侵入することによって単糸間融着を防止できるので、
粒径の細かい方の限定は特にない。
また、粒径としては、JIS Z B2O2、黒鉛粉末
についてはJIS H8511−1980による測定方
法で、重量の80%以上が粒度10メツシユ(タイラー
式)以下、好ましくは28メツシユ以下の小径の粒子が
良い。粒径がこれ以上大き過ぎると、流動化に必要な気
体流量を多量に要し、該粒子が前駆体繊維へ衝突する際
の運動エネルギーが大きくなるため毛羽等の物理的損傷
を生じ易い。逆に粒径が小さいと、流動化に必要な気体
流量も減少するし、該繊維への損傷も低減できる。
当該熱媒粒子の形状としては、特に限定しないがシャー
プエツジの無い球形状に近い粒子の方が、前駆体繊維へ
の物理的損傷が少ないため好ましい。
なお、粒径が、ある程度大きい方が該繊維への付着量が
少なく、除去もし易いので、除去を要する場合の粒径の
下限値は400メツシユが好ましく、200メツシユが
より好ましい。
本発明における上記のような耐炎化処理方法は、流動化
された固体熱媒粒子が前駆体繊維に間欠的に接触伝熱し
つつかつ該繊維外周の温度境界層を剥離するため、該繊
維への加熱および除熱の効率が前述した従来の方法に比
べて著しく高く、そのため耐炎化処理温度を従来法より
高く、例えばPAN系前駆体繊維ではおよそ200〜4
00℃、好ましくは240〜350℃、ピッチ系では2
50〜550℃、好ましくは270〜500℃での処理
が可能になる。
その結果、例えば、PAN系前駆体繊維の処理を二段階
の温度で行った場合は、単糸が0.73デニールのもの
を12000本では2.5分、24000本では4分、
48000本では9分程度の処理時間で耐炎化できる。
本発明における耐炎化処理方式としては、バッチ処理で
あっても連続処理であっても良い。バッチ処理の場合は
伽等に巻き付けたり、ネットに入れたりして処理できる
。連続処理の場合は、例えばローラ間で連続的に走行さ
せつつ流動層を通過ざぜて処理できる。その際前駆体繊
維を並行して多糸条で処理することも、また流動層を分
割したり複数化して温度を変えて多段処理することも可
能であるが、前記特公昭47−18896号公報に記載
されている如く、前駆体繊維を流動層中のローラの上を
曲りくねった通路をなして通過せしめる方法は、該ロー
ラと該繊維の間に熱媒粒子を噛み込むため該繊維に物理
的損傷を与え易い。そのため、少くとも流動層中では、
前駆体繊維をローラやガイドで屈曲させることなく所定
の張力下で直進させて処理するのが好ましい。
また、流動化する熱媒層の上面レベルから、該熱媒層の
床面を構成しかつ流動化のための気体を熱媒層中に均一
に吹き込むための分散板までの深さは、深くなる程流動
化せしめるための気体流けが増加するとともに、粒子の
運動エネルギーが大ぎくなり前駆体繊維に損傷を与え易
くなる傾向にあるため、前記繊維を埋没できる深さであ
れば浅い方が好ましい。
次に、本発明の耐炎化方法と該方法によって得られた繊
維を次いで炭化する実施例について、図面を参照して以
下に説明する。
第1図において、前駆体繊維101は、パッケージ30
から繰り出される。該繊維101を耐炎化処理を行うた
めの流動層加熱耐炎化炉1を通して、所定の張力下にお
いて耐炎化処理し耐炎化繊維102と成し、次いで必要
なら該繊維に付着残留した熱媒を除去する除去手段20
を通過せしめて所定の耐炎化繊維103とした俊、パッ
ケージ31として巻き取るように構成した。もちろん、
得られる耐炎化繊維102の用途によっては、熱媒除去
手段20を必ずしも必要としない場合もあり得るが、次
いでこれを炭化して炭素繊維と成す場合には、第1図に
示す如く耐炎化後もしくは炭化工程で炭化前に、除去手
段20で該熱媒を除去することが高物性の炭素繊維を得
る上で好ましい。
この熱媒について、炭素粒子単独で耐炎化し、引続いて
炭化処理し炭素繊維を製造する場合には、該粒子中に含
まれる、炭素と反応可能な金属成分は炭化時に炭素粒子
自身と反応するので、炭化前に必ずしも除去する必要が
なく最も好ましい。しかし、他の無機粒子や伯の無機粒
子と炭素を併用し熱媒粒子として耐炎化し、引続いて炭
化処理し炭化繊維を製造する場合には、当該無機粒子中
に含まれて、炭化工程で炭素と反応する金属成分(Fe
、Ca、Mg、Mn、CuSZn、Cr、Ni)の総重
量がその組成上1%以下であって、かつ、当該無機粒子
の耐炎化繊維に付着残留した無機粒子重量を、耐炎化繊
維を含む重量に対して1%以下とするのが好ましい。上
記金属成分は、試料を空気巾約600℃で4時間加熱灰
化複塩酸に溶解して、日立社製170−30型原子吸光
光度計を用い原子吸光光度法により検出、定量する。
また、付着残留熱媒中量は、熱媒の付着した耐炎化繊維
を試料として上記方法で検出、定量される金属成分重量
から、該繊維を得るための前駆体繊維のみを試料として
上記方法で検出、定量される金属成分重量を差し引いて
求められた付着残留熱媒中の金属成分型ωと、その熱媒
中の金属成分割合とから求める。
上記のような除去を行うことによって、前記金属成分を
1100pp以下、好ましくは10ppm以下となる付
着残留量である条件下で炭化することができるので、高
物性の炭素繊維を得る上で好ましい。
即ち、炭素以外の無機粒子や炭素粒子とこれらを併用す
る場合には、後続の炭化工程へかけてローラやガイド等
の接触時に、繊維に付着熱媒体による物理的な損傷(キ
ズ、毛羽)を生じさせたり、該粒子中の金属成分が容易
に炭化途中の炭素繊維と反応し、得られる炭素繊維の物
性に悪影響を及ぼさないだけの量に抑えることが望まし
い。
耐炎化炉1は、本実施例においては仕切板12によって
前駆体繊維101の通過方向に分割されており、夫々ヒ
ータ6.7を有する二つの加熱域3.4を構成する。酸
化性気体は、例えば圧空を供給孔9.9−から各加熱域
へ個別に導入され、焼結金網や焼結金属、多孔板からな
る分散板8.8′で分散されて熱媒粒子5を流動化せし
めた侵排気孔10から導出される。当該繊維が本耐炎化
炉の流動層へ導入出される導入・導出孔は開放のままだ
と熱媒や加熱空気が流出するので、加圧シール室11.
11′を設け、気体を供給孔13.13′から夫々へ供
給し、該加圧シール室内雰囲気圧を炉内の雰囲気圧より
若干高目の圧力にして熱媒と加熱空気をシールする。勿
論その他のシール方法、例えば炉内方向へ気体流を生じ
るエジェクターでおっても良いし、場合によってはシー
ルせずに流出した熱媒を溜めて流動層内へ順次自動的に
もどしてやるシステムも可能である。
何れのシール方法においても重要なことは、該繊維の導
入出孔の炉内側の該繊維の通過孔を流動化された熱媒層
中に配設せしめるとともに、前記導入側のシール部にお
いては、不活性ガスを供給したりあるいは少くとも流動
層の加熱温度以下の酸化性ガスを供給することである。
このような方法によって、滞苗した熱媒粒子に該繊維が
擦過して損傷を受けたり、前記導入側のシール部におい
て、融着ヤ自己発熱による糸切れが発生したりするのを
防止できる。
また、耐炎化炉1はひとつの炉内を仕切板12で分割し
て二つの加熱域を構成する例で示したが、更に多段に分
割することもできるし、加熱流動層を有する炉を復数個
設けて温度を変えて順次耐炎化処理することもできる。
本発明の耐炎化方法によって得られた耐炎化繊維102
 iるいは103は、必要なら次いで第2図に示すよう
に炭化炉2を用いて連続的に炭化し炭素繊維104のパ
ッケージ32としたり、バッチ的に炭化して炭素繊維と
することも可能である。
炭化炉2の加熱方法は、不活性ガス、例えばN2 、A
r、He等の雰囲気で使用できて所定の炭化温度が1q
られるものであれば、抵抗加熱、誘導加熱等の方法が可
能で特に限定されない。
第1図および第2図に示した例では、耐炎化と炭化処理
を分離して行う例で示したが、耐炎化処理後耐炎化繊維
102もしくは103を続いて更に連続的に炭化処理し
て炭素繊維104を得ることもできる。
なお、第1図および第2図における37.38.39.
40はガイドロールを示し、33.34.35.36は
駆動ロールを示している。
上記のような工程において、前駆体繊N101には、耐
炎化炉1、つまり熱媒流動層5に送られる前にシリコン
系化合物が付与される。シリコン系化合物は、油剤の形
で付与され、繊維中に含浸されかつ表面に付着される。
ただし、シリコン系化合物は、たとえば特開昭52−1
48227号公報に示されるように、原料ポリマ中にシ
リコン系ポリマを含有させる方式で付与してもよい。油
剤の形で付与する場合には、母剤となる油剤との相溶性
が不可欠であり、水分散性を有するシリコン物質が用い
られ、具体的にはポリエーテル変成ポリシロキサン、ア
ルコール変成ポリシロキサン、あるいは若干の乳化剤と
乳化重合したジメチルポリシロキサン、アルキル変性成
ポリシロキサンおよびアミノ変性ポリシロキサン等が挙
げられる。
付与量としては上記物質を前駆体繊維重量の0.1〜5
%の割合で均一に付与するのが好ましい。
シリコン系化合物を、流動層における耐炎化処理前に前
駆体繊維に付与しておくことにより、高温で加熱処理し
た場合でも単糸間融着が防止され、高温処理によって耐
炎化処理時間が実際に大幅に短縮される。
実施例1 炭化水素の界面活性剤1.6重量%とアミン変性シリコ
ン油0.4 m11%とから成るシリコン系油剤を付与
した単糸0,73デニ一ル12000本のPAN系前駆
体I!紺を、第1図を用いて説明した如くひとつの流動
層加熱炉内を仕切板で夫々有効長が0.45mの二つの
加熱域に分割した流動層加熱炉で、アルミナ粉末(第1
表中のB)熱媒を圧空で流動化して、前記繊維を入口速
度0.19m/分で導入、出口速度0.18m/分で導
出し、その間温度270 /300 ’Cの二段階で5
分間緊張下に熱処理して耐炎化繊維と成した後、−旦パ
ッケージとして巻上げた。
この耐炎化繊維をノイゲンSS(第一工業製薬味%)0
.1%水溶液100cc中′に2〜3sにカットして入
れ、スター5で1分間分散させた後濾紙上に吸引濾過し
て単糸間の融着度を5段階法で目視評価してみたところ
、通常の熱風耐炎化による耐炎化繊維と殆んど同じ良好
なレベルであった。又、この耐炎化繊維を1m/分の速
度でN2ガス雰囲気にて温度1350’Cで炭化して炭
素繊維を得た。この炭素繊維のストランド物性を測定し
てみたところ、強[285Ky/mrA、弾性率21.
5t/mmであった。
丈激■2 前記実施例において、前駆体繊維が、炭化水素の界面活
性剤1.6重量%とエチレングリコール付与シリコン油
0.4重量%とから成るシリコン系油剤を付与した単糸
1デニ一ル6000本のPAN系繊維であって、熱媒に
黒鉛粉末(第1表中のA)を用い、処理温度を275 
/295°Cとした伯は、実施例1と全く同じ条件で処
理し耐炎化繊維を1■た。
この耐炎化繊維の単糸間融容度を実施例1と全く同一方
法で評価してみた所、実施例1とほぼ同等か若干低レベ
ルで必った。又、この耐炎化繊維を実施例1と同一条件
で炭化して炭素繊維と成し、このストランド物性を測定
してみた所、強度234KFI/mrA、弾性率1B、
8t/mrAであった。
夫厖廻旦 処理温度270 /290℃、入口速度を0.095 
m7分、出口速度を0.09m、/分で10分間処理と
した他は、実施例2と全く同一条件で、実施例2で用い
た前駆体繊維を耐炎化処理して耐炎化繊維を得た。
前記実施例と同様の方法で単糸間融容度を評価した所、
熱風耐炎化による耐炎化繊維と殆んど同じ良好なレベル
であった。又、この耐炎化繊維を前記実施例と同一条件
で炭化して炭素繊維と成し、このストランド物性を測定
してみた所、強度336Ky/mt/r、弾性率20.
Ot/−であった。
比較例1 実施例1で用いた前駆体繊維において、油剤として炭化
水素と炭化水素の界面活性剤から成る非シリコン系油剤
8重間%を付与した他は、実施例1と全く同一の条件で
該繊維の耐炎化処理を行い耐炎化繊維を得た。この耐炎
化繊維の単糸間融容度を前記実施例と全く同一の方法で
評価してみた所、5段階の最も悪いランクであった。又
、この耐炎化繊維を前記実施例と同一条件で炭化して炭
素繊維と成し、このストランド物性を測定したみた所、
強度1BOKg/mrA、弾性率17.4t/mIAで
IF)ツた。
比較例2.3 実施例2.3で用いた前駆体繊維において、油剤として
比較例1と同一のものを同一条件付与した他は、実施例
2.3と全く同一の条件で耐炎化を行い夫々耐炎化繊維
を得た。この耐炎化繊維の単糸間融容度を前記実施例と
全く同一の方法で評価してみた所、5分処理の場合5段
階の最低ランク、10分処理の場合最低より2番目のラ
ンクであった。又、この耐炎化繊維を前記実施例と同一
条件で炭化して炭素繊維と成し、このストランド物性を
測定してみた所、5分処理の場合、強度160に9/m
tA、弾性率15.Ot/m4.10分処理では強度2
21KI/mrA、弾性率1B、3t/−であった。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の耐炎化方法によるときは
、前駆体繊維に耐熱性の高いシリコン系化合物を付与し
た俊熱媒流動層で耐炎化処理するようにしたので、高温
で単糸間融着を生じさせることなく加熱処理でき、得ら
れる炭素繊維の優れた物性を確保できるとともに、流動
層加熱の特徴を生かして高温加熱処理により短時間の耐
炎化処理が現実に可能になり、生産性を大幅に向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る前駆体繊維の耐炎化方法の一実施
例を示す概略模式図、 第2図は得られた耐炎化繊維を炭化する方法の一実施例
を示す概略模式図、 である。 1:耐炎化炉 2:炭化炉 3:第1段目の加熱域 4二第2段目の加熱域 5二熱媒粒子 6.7:ヒータ 8.8′二分散板 9.9′:給気孔 10:排気孔 11.11′:加圧シール室 12:仕切板 13.13′:給気孔 20:熱媒除去手段 30:前駆体繊維パッケージ 31:耐炎化繊維パッケージ 32:炭素繊維パッケージ 33.34.35.36:駆動ローラ 37.38.39.40ニガイドローラ50:不活性ガ
ス給気孔 51:不活性ガス排気孔 101:前駆体繊維 102.103 :耐炎化繊維 104:炭素$11t 「フ        0

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 熱媒粒子を流動化せしめた流動層中で前駆体繊維を加熱
    処理する耐炎化方法において、前駆体繊維に予めシリコ
    ン系化合物を付与し、該シリコン系化合物が付与された
    前駆体繊維を熱媒粒子の流動層中で加熱処理して耐炎化
    すること特徴とする耐炎化方法。
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