JPH01114010A - 永久磁石粉体の充填方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、交流磁場の印加によって永久磁石粉体を短時
間で均一に金型内に充填する方法に関するものである。

［従来の技術］ 永久磁石粉体の成形には、良好な磁気特性を発現させる
ため、通常、金型内に永久磁石粉体を充填しプレス機で
圧縮する圧縮成形法が採用されている。

この成形において、金型内への粉体の充填は重力による
自然落下を利用して行われている。

つまり金型を構成するダイスの上面をスライドする無底
の粉体供給機構によって粉体を金型開口部から自然落下
させて充填し、粉体供給機構をスライドさせて余分な粉
体を取り除く摺切り方式で一定量の粉体を金型中に充填
する方法が一般的である。

金型開口部の面積がかなり大きいものについてはこのよ
うな方法によって充填可能であるものの、例えば第２図
に示すように、金型開口部１０の面積や幅が小さい場合
には、単に粉体供給機構１２を金型上面１４に沿って移
動させ粉体１６を自然落下させる方式では十分に充填で
きず、そのため上方から細い押し捧１８を上下動させて
粉体１６を押し込んで強制的に落下充填させる方法が採
られる。

［発明が解決しようとする問題点］ ところがこのような押し棒等による強制的な充填方法で
は、充填に要する時間が非常に長くかかるばかりでなく
プレス工程における粉体充填の自動化が困難で製造効率
が極めて悪い欠点があった。

また棒の先端で強制的に押し込まれるため充填された粉
体の形状が以前（充填前）の形状と異なる部分が局所的
に発生し、そのため均一定量充填が困難で成形時に重量
のばらつきや密度分布の不均一が生じる問題もあった。

本発明の目的は、上記のような従来技術の欠点を解消し
、例え金型開口面積が小さかったり開口部の幅が狭くて
も永久磁石粉体を極く短時間で均一に一定量金型内に充
填でき、それによって良好な特性の永久磁石を製造でき
る永久磁石粉体の充填方法を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記のような目的を達成することのできる本発明は、金
型に、その深さ方向に磁場勾配を持つ交流磁場を印加し
、その磁気的吸引力を利用して永久磁石粉体を金型内に
充填する永久磁石・粉体の充填方法である。。

本発明方法では、希土類系、フェライト系、　“アルニ
コ系、あるいはネオジウム−鉄−ボロン系等の任意の永
久磁石粉体を使用できるし、また任意の粒径あるいは状
態の粉体でも使用可能である。従って樹脂と混練し造粒
した粉体でもよいし永久磁石粉体のみの場合でもよい。

金型内に永久磁石粉体を充填する際の磁場は、落下方向
はど強くなるように場所によって変化する磁場であれば
特に制限はなく、磁場のかけ方も縦磁場や横磁場、ラジ
アル磁場など任意のかけ方でよい。

［作用］ 周知のように、ある一定の保磁力を持った永久磁石粉体
は磁場によって敏感に反応する。そしてこれらの永久磁
石粉体は当然のことながら強力な磁場方向へ吸引される
性質を持つ。金型近傍で強さが場所によって変化する磁
場が存在すると永久磁石粉体に移動力が与えられる。こ
れが金型の深さ方向に磁場勾配を持つ交流磁場であれば
、永久磁石粉体が金型内へ入るほど磁界が段々強（なり
粉体は順次充填されることになる。この充填は自然落下
等による力よりもはるかに大きな磁気的吸引力によって
行われるため、金型開口面積が小さかったり開口部の幅
が極端に狭い場合であっても掻く短時間でスムーズに行
われる。しかも従来の押し棒による強制充填とは異なり
永久磁石粉体が殆ど壊れずにほぼ均一に充填されること
になる。

［実施例１］ 平均粒径１０００μｍのサマリウム−コバルト（Ｓ　ｍ
＊　ＣＯｌ？）系合金をジェットミルにより平均粒径３
μｍに粉砕し、その粉体を原料粉体とした。

この原料粉体を１．５ｇ秤り取り、本発明方法に従って
２Ｘ１０Ｘ２０ｍｍの金型中へ充填した。ここで使用し
た金型並びに磁気回路の構造を第１図に示す。一対の磁
性ダイス２０ａ。

２０ｂの中央上部には上ロッド２２が、また下部には下
ロッド２４が位置し、それらによって金型が構成される
。両方の磁性ダイス２０”ａ。

２０ｂの外側にはそれぞれほぼコの字型の磁性ヨーク２
６ａ、２６ｂが設げられ、それらの他端は連続して磁路
を形成し、前記磁性ヨーク２５ａ、２６ｂにコイル２８
が巻装される構造である。

コイル２８に交流電流を流すことによって磁性ダイス２
０ａ、２０ｂ間に破線で示すような磁束線が生じ、金型
の深さ方向に磁場勾配を持つ交流磁場が金型内およびそ
の近傍に形成される。ここで成形空間３０の最深部の符
号Ａで示す部分で最も磁場が強（なる。この実施例では
前記符号へで示す部分で約１ｋＯｅとなるような周波数
６０Ｈｚの交流磁場を印加している。

このような交流磁場によって成形空間３０の上部に盛ら
れた永久磁石粉体３２が直方体状の成形空間３０内に磁
気的に吸引される。磁性ダイス２０ａ、２０ｂ上に残っ
た永久磁石粉体３２も交流磁場に反応して複雑な振動を
繰り返し非常に狭い間隙であるにも関わらず短時間で成
形空間３０内に完全に充填される。

次いでこのコイル２８に直流電流を流して、１１ｋＯｅ
の磁場を印加し３　ｔｏｎ／ｃｍ”の圧力で磁場中成形
を行い異方性磁石の成形体を得た。

配向方向は２ａ＋ｍ厚の方向である。

また比較のために従来方法で、即ち永久磁石粉体を自然
落下と押し棒による強制圧入を併用して金型内に充填し
、同様の手順で成形して異方性磁石の成形体を得た。

得られた永久磁石の成形密度並びに金型内への充填に要
する時間の測定結果を第１表に示す。

ここでＲは（！＆大価値−最小値を示し、σｎはｎ＝５
でのばらつきを示す。

この第１表から、本発明方法の方が密度は高くなり、ま
たばらつきも小さくなることが判る。

特に粉体充填時間については、本発明方法は従来方法に
比べて１／ｌＯ以下もの短時間で良好な充填が達成され
ることが判る。

（以下余白） 第１表 ［実施例２］ 平均粒径０．６〜１．２μｍの六角板状の形状異方性を
もつフェライト粉体（Ｓｒ０・５．５Ｆｅｌｏｎ）とエ
ポキシ樹脂を混合し、混合物を造粒して原料粉体を調整
した。

この原料粉体０．５ｇを本発明方法に従って外径８ｍｍ
φ、内径５．５ｓｍφ、高さ１６ｍｍの金型中に充填し
た。ここで使用した金型では、ラジアル方向に交流磁場
を印加し、リング状成形空間の最も深部の磁場強さは０
．６ｋＯｅで周波数は６０Ｈｚである。

充填後、３　ｔｏｎ／ｃ＋ｗ”の圧力で成形を行い、そ
の後、１２０℃で２時間のキユアリング処理をし、ボン
ド磁石を得た。

また比較のために従来方法で、即ち永久磁石粉体を自然
落下と押し棒による強制圧入を併用して金型内に充填し
、同様の手順で成形、キユアリング処理を行いボンド磁
石を得た。

得られたボンド磁石の密度並びに金型内への充填に要す
る時間の測定結果を第２表に示す。

この第２表から、本発明方法の方が密度が高くなり、ま
たばらつきも小さくなることが判る。

特に粉体充填時間については、本発明方法は従来方法の
１／２０以下もの短時間で良好な充填が達成されること
が判る。

第２表 以上本発明の好ましい一実施例について詳述したが本発
明はこのような構成のみに限定されるものではない。本
発明における上記のような優れた効果は主として粉体の
磁気的性質に起因するものであるから、永久磁石粉体で
あれば前記サマリウム−コバルト系やフェライト系磁石
の他、アルニコ系、ネオジウム−鉄−ボロン系等の何れ
であっても同様の結果が得られる。成形体の形状は薄肉
リング状や薄肉板状等の場合に特に有効であるが、それ
以外の任意の形状の場合にも適用できる。ボンド磁石の
製造にも焼結磁石の製造にも利用できる。また本発明は
永久磁石粉体の充填方法であるから成形時において配向
磁場を印加するか否かは任意であり、異方性磁石、等方
性磁石の如何に関わらず適用できる。また充填時におけ
る磁場のかけ方も縦磁場や横磁場、ラジアル磁場など任
意のかけ方を適用でき、永久磁石粉体の落下方向に対し
て平行でもよいし垂直でもよい。

［発明の効果］ 本発明は上記のように金型の深さ方向に磁場勾配を持つ
交流磁場を印加して永久磁石粉体を金型内に充填する方
法だから、金型開口面積が小さい場合や金型開口部が極
端に挟いような場合でも永久磁石粉体を迅速に金型内に
充填でき、しかも粉体充填の自動化に適しているため永
久磁石を非常に効率よく製造できる点で甚だ優れた効果
を有するものである。

しかも充填時も元の粉体の形状がそのまま保たれ、その
ため密度分布が均一で成形体重量も一定になるため、特
性の揃った永久磁石を量産できる。

更に本発明は従来使用されているどのような形態のプレ
ス機にも適用可能であるし、粉体の粒径や状態等に関わ
りなく永久磁石体を製造する様々な分野で適用可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明で用いる成形用金型並びに充填時の磁気
回路と磁束線を示す全体構造図、第２図Ａ、Ｂ、Ｃは従
来の粉体充填方法を示す説明図である。 ２０ａ、２０ｂ・・・ダイス、２２・・・上ロンド、２
４・・・下ロンド、２６ａ、２６ｂ・・・磁性ヨーク、
２８・・・コイル、３０・・・成形空間、３２・・・永
久磁石粉体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １．金型に、その深さ方向に磁場勾配をもつ交流磁場を
   印加し、永久磁石粉体を金型内に充填することを特徴と
   する永久磁石粉体の充填方法。