JP2003203818A - 永久磁石の製造方法およびプレス装置 - Google Patents

永久磁石の製造方法およびプレス装置

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JP2003203818A
JP2003203818A JP2002302457A JP2002302457A JP2003203818A JP 2003203818 A JP2003203818 A JP 2003203818A JP 2002302457 A JP2002302457 A JP 2002302457A JP 2002302457 A JP2002302457 A JP 2002302457A JP 2003203818 A JP2003203818 A JP 2003203818A
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cavity
powder
permanent magnet
magnetic
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JP2002302457A
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English (en)
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Nobutsugu Mino
修嗣 三野
Noboru Nakamoto
登 中本
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Hitachi Metals Ltd
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Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 残留磁化による問題を回避し、低コストで異
方性ボンド磁石を製造する。また、給粉しにくい形状の
キャビティに対しても磁石粉末を確実に供給し、成形体
の単重密度を向上させる。 【解決手段】 プレス装置のキャビティ内に磁性粉末
(HDDR粉末)を供給し、成形する異方性ボンド磁石
の製造である。キャビティの外部に磁性粉末を配置した
後、キャビティを含む空間に振動磁界(例えば交流磁
界)を形成する。振動磁界の振動方向に平行な向きに磁
性粉末を配向させながら、磁性粉末をキャビティの内部
へ移動させる。この後、キャビディ内で磁性粉末を圧縮
し、成形体(異方性ボンド磁石)を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石の製造方
法およびプレス装置に関し、特に異方性ボンド磁石に適
した永久磁石の製造方法およびプレス装置に関してい
る。
【0002】
【従来の技術】高性能永久磁石として代表的なR−Fe
−B系希土類磁石(RはYを含む希土類元素、Feは
鉄、Bはホウ素)は、三元系正方晶化合物であるR2
14B相を主相として含む組織を有し、優れた磁石特性
を発揮する。
【0003】このようなR−Fe−B系希土類磁石は、
焼結磁石とボンド磁石とに大別される。焼結磁石は、R
−Fe−B系磁石合金の微粉末(平均粒径:数μm)を
プレス装置で圧縮成形した後、焼結することによって製
造される。これに対して、ボンド磁石は、通常、R−F
e−B系磁石合金の粉末(粒径:例えば100μm程
度)と結合樹脂との混合物(コンパウンド)をプレス装
置内で圧縮成形することによって製造される。
【0004】焼結磁石の場合、比較的粒径の小さい粉末
を用いるため、個々の粉末粒子が磁気的異方性を有して
いる。このため、プレス装置で粉末の圧縮成形を行うと
き、粉末に対して配向磁界を印加し、それによって、粉
末粒子が磁界の向きに配向した成形体を作製することが
できる。
【0005】一方、ボンド磁石の場合は、用いる粉末粒
子の粒径が単磁区臨界粒径を超えた大きさを持つため、
通常、磁気的異方性を示すことがなく、各粉末粒子を磁
界で配向させることはできなかった。従って、粉末粒子
が特定方向に配向した異方性ボンド磁石を作製するに
は、個々の粉末粒子が磁気的異方性を示す磁性粉末を作
製する技術を確立する必要がある。
【0006】異方性ボンド磁石用の希土類合金粉末を製
造するため、現在、HDDR(Hydrogenation-Dispropo
rtionation-Desorption-Recombination)処理法が行わ
れる。「HDDR」は、水素化(Hydrogenation)、不
均化(Disproportionation)、脱水素化(Desorptio
n)、および再結合(Recombination)を順次実行するプ
ロセスを意味している。このHDDR処理によれば、R
−Fe−B系合金のインゴットまたは粉末をH2ガス雰
囲気またはH2ガスと不活性ガスとの混合雰囲気中で温
度500℃〜1000℃に保持し、それによって、上記
インゴットまたは粉末に水素を吸蔵させた後、例えばH
2分圧13Pa以下の真空雰囲気またはH2分圧13Pa
以下の不活性雰囲気になるまで温度500℃〜1000
℃で脱水素処理し、次いで冷却することによって合金磁
石粉末を得る。
【0007】HDDR処理を施して製造されたR−Fe
−B系合金粉末は、大きな保磁力を示し、磁気的な異方
性を有している。このような性質を有する理由は、金属
組織が実質的に0.1〜1μmの非常に微細な結晶の集
合体となるためである。より詳細には、HDDR処理に
よって得られる極微細結晶の粒径が正方晶R2Fe14
系化合物の単磁区臨界粒径に近いために高い保磁力を発
揮する。この正方晶R 2Fe14B系化合物の非常に微細
な結晶の集合体を「再結晶集合組織」とよぶ。HDDR
処理を施すことによって、再結晶集合組織を持つR−F
e−B系合金粉末を製造する方法は、例えば、特許文献
1および特許文献2などに開示されている。
【0008】
【特許文献1】特公平6−82575号公報
【特許文献2】特公平7−68561号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】HDDR処理によって
作製された磁性粉末(以下、「HDDR粉末」と称す
る)を用いて異方性ボンド磁石を製造しようとすると、
以下のような問題が発生している。
【0010】HDDR粉末と結合樹脂との混合物(コン
パウンド)を配向用磁界中でプレスして作製した成形体
は、配向磁界によって強く磁化される。成形体に磁化が
残留していると、成形体の表面に磁粉が吸着され、ある
いは、成形体どうしが吸引衝突によって破損するなどし
て、その後の取り扱いに大きな支障をきたすので、成形
体の磁化は、成形体をプレス装置から取り出す前に充分
に除去しておく必要がある。このため、磁化された成形
体をプレス装置から取り出す前に、配向磁界の向きと逆
向きの磁界(減磁界)や交番減衰磁界などの脱磁用磁界
を成形体に印加する「脱磁処理」を行う必要がある。し
かし、このような脱磁処理には、通常、数十秒もの時間
がかかるため、プレス工程のサイクルタイムが脱磁処理
を行わない場合(等方的ボンド磁石のサイクルタイム)
に比べて2倍以上にも長くなってしまう。このようにサ
イクルタイムが長くなると、量産性が低下し、磁石の製
造コストが増大してしまう。
【0011】なお、焼結磁石の場合は、成形体の脱磁が
不充分であっても、もともと成形体に残留する磁化が小
さく、また、焼結工程で磁石粉末がキュリー点以上の高
温にさらされるため、着磁工程の前には完全な脱磁が行
われることになる。これに対し、異方性ボンド磁石の場
合は、成形体をプレス装置から取り出すときに磁化が残
留していると、この残留磁化が着磁工程まで残ってしま
うことになる。着磁工程のとき、ボンド磁石に磁化が残
留していると、磁石のヒステリシス特性のため、着磁が
極めて困難になる。
【0012】本発明は、かかる諸点に鑑みてなされたも
のであり、その主な目的は、残留磁化による問題を回避
し、低コストで着磁性に優れた永久磁石(特に異方性ボ
ンド磁石)を製造することができる方法およびプレス装
置を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、給粉しにくい形状の
キャビティに対しても磁石粉末を確実に供給し、成形体
の単重密度を向上させることができる異方性ボンド磁石
の製造法とプレス装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による異方性ボン
ド磁石の製造方法は、プレス装置のキャビティ内に磁性
粉末を供給し、成形する異方性ボンド磁石の製造であっ
て、前記キャビティを含む空間に振動磁界を形成する工
程と、前記磁性粉末を前記振動磁界の向きに平行な方向
に配向させながら、前記磁性粉末を前記キャビティの内
部へ移動させる工程と、前記キャビディ内で前記磁性粉
末を圧縮し、成形体を作製する工程とを包含する。
【0015】好ましい実施形態において、前記振動磁界
は、前記キャビティ内で前記磁性粉末を圧縮するときに
も印加される。
【0016】好ましい実施形態においては、前記プレス
装置による成形直後における前記成形体の表面磁束密度
が0.005テスラ以下となるように前記キャビティ内
における前記振動磁界の最大値が調節されている。
【0017】好ましい実施形態において、前記キャビテ
ィ内における前記振動磁界の最大値は、120kA/m
以下に調節されている。
【0018】さらに好ましい実施形態においては、前記
振動磁界の最大値は100kA/m以下、最も好ましい
実施形態においては80kA/m以下に調節されてい
る。
【0019】好ましい実施形態においては、前記キャビ
ティ内で前記磁性粉末を圧縮した後、前記成形体に対し
て脱磁処理を行うことなく、前記キャビティから前記成
形体を取り出す。
【0020】前記振動磁界は交流磁界であっても、複数
のパルス磁界を含むものであってもよい。
【0021】ある好ましい実施形態において、前記振動
磁界の向きは、前記キャビティ内部において、プレス方
向に対して垂直である。
【0022】ある好ましい実施形態において、前記振動
磁界は、前記キャビティ内部において、ほぼ水平方向に
向いている。
【0023】好ましい実施形態において、前記キャビィ
ティの開口部の水平方向サイズは、最も小さい部分で5
mm以下であり、前記キャビィティの深さは、最も大き
い部分で10mm以上である。
【0024】好ましい実施形態において、前記磁性粉末
の少なくとも一部はHDDR粉末である。
【0025】好ましい実施形態において、前記プレス装
置は、貫通孔を有するダイと、前記貫通孔の内部におい
て前記ダイに対して相対的に往復動作する下パンチとを
備えており、前記磁性粉末を前記キャビティの内部へ移
動させる工程は、前記下パンチによって前記貫通孔が塞
がれた状態の前記ダイの上において、前記磁性粉末を含
むフィーダボックスを前記貫通孔の上方に配置する工程
と、前記ダイに対して前記下パンチを相対的に下方に移
動させ、前記フィーダボックスの下方に前記キャビティ
を形成する工程とを含む。
【0026】本発明によるプレス装置は、貫通孔を有す
るダイと、前記貫通孔の内部において前記ダイに対して
相対的に往復動作し得る上パンチおよび下パンチと、前
記ダイの貫通孔の内部に形成されたキャビティに磁性粉
末を供給する給粉装置とを備えたプレス装置であって、
更に、前記磁性粉末を前記キャビティの内部へ移動させ
るときに前記磁性粉末に対して振動磁界を印加する振動
磁界印加装置を備えている。
【0027】好ましい実施形態において、前記振動磁界
印加装置は、前記キャビティの内部に供給した前記磁性
粉末を前記上パンチおよび下パンチによって圧縮すると
きに前記磁性粉末に対して振動磁界を印加することがで
きる。
【0028】本発明による永久磁石は、圧縮成形によっ
て製造された永久磁石であって、プレス装置内の磁性粉
末を振動磁界中で配向、圧縮し、脱磁処理を行うことな
く前記プレス装置から取り出された時の残磁レベルが表
面磁束密度で0.005テスラ以下であることを特徴と
する。
【0029】本発明による異方性ボンド磁石は、磁石粉
末が樹脂によって結合した異方性ボンド磁石であって、
着磁のために0〜800kA/mの磁界を印加した場
合、前記磁界の強度増加(△H)に対する磁束量の増加
(△B)の比率(△B/△H)が0.025%/(kA
/m)以上を示すことを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明者は、プレス装置のキャビ
ティ内に磁性粉末を供給するとき、磁性粉末に対して交
流磁界などの振動磁界を印加すれば、その磁界強度が従
来の配向用静磁界の強度に比べて1桁以上小さくとも、
充分に高い配向度を持った異方性ボンド磁石が得られる
ことを見出して、本発明を想到するにいたった。
【0031】本発明によれば、配向のために必要な磁界
強度(ピーク磁界)が極めて低い値で済むため、圧縮成
形直後における成形体の残留磁化を充分に低減すること
ができ、付加的な脱磁処理を行う必要がなくなる。
【0032】なお、磁性粉末をキャビティに移動(落
下)させる際、移動しつつある磁性粉末に配向磁界を印
加することにより、効果的に磁性粉末を配向させる技術
は、特開平2001−93712号公報や特開平200
1−226701号公報に記載されている。本発明で
は、これらの公報に開示されている磁界に比べて格段に
小さな振動磁界を用いて異方性ボンド磁石の成形を行う
ことにより、成形体に残留する磁化に起因する表面磁束
密度の値を0.005テスラ以下に低減し、脱磁工程を
不要なものとする点に大きな特徴を有している。本発明
によれば、従来のように大型の配向用磁界発生装置が不
要となり、また、プレス工程のサイクルタイムを大幅に
短縮することができる。
【0033】以下、図面を参照しながら、本発明による
異方性ボンド磁石の製造方法の好ましい実施形態を説明
する。
【0034】図1(a)〜(f)は、本発明による磁石
製造方法における主要工程(配向磁界中給粉→圧縮成
形)を示している。図1に示すプレス装置10は、貫通
孔1を有するダイ2と、貫通孔1の内部においてダイ2
に対して相対的に往復動作し得る上パンチ3および下パ
ンチ4と、ダイ2の貫通孔1の内部に形成されたキャビ
ティに磁性粉末(コンパウンド)5を供給する給粉装置
(フィーダボックス)6とを備えている。また、プレス
装置10は、磁性粉末5をキャビティの内部へ移動させ
るとき、磁性粉末5に対して弱い振動磁界H(ピーク磁
界が例えば120kA/m以下、好ましくは100kA
/m以下、最も好ましくは80kA/m以下の交流磁
界)を印加する振動磁界印加装置(不図示)を備えてい
る。
【0035】以下、図1の装置を用いて、異方性ボンド
磁石を製造する方法を説明する。
【0036】まず、前述したHDDR粉末とバインダ
(結合樹脂)との混合物(コンパウンド)5を用意し、
このコンパウンド5をフィーダボックス6内に充填する
(図1(a))。この後、図1(b)に示すように、フ
ィーダボックス6をプレス装置10のダイ2の上に移動
させる。より具体的には、ダイ2においてキャビティが
形成される部分の真上にフィーダボックス6を配置させ
る。このとき、本実施形態では、ダイ2の上面と下パン
チ4の上面とを等しいレベルに位置させているため、キ
ャビティ空間は形成されていない。
【0037】次に、図1(c)および(d)に示すよう
に、磁界の向きが交番する振動磁界(交流磁界)Hを印
加しながら下パンチ4をダイ2に対して下降させる。こ
の下パンチ4の下降に伴って、フィーダボックス6の下
方にキャビティが形成され、キャビティが大きくなって
ゆく。フィーダボックス6のコンパウンド5は、下パン
チ4の下降に従って大きくなるキャビティの内部へ吸い
込まれるようにして充填される。
【0038】このようにしてキャビティへの粉末充填が
行われるとき、コンパウンド5を構成する粉末粒子は、
交流磁界中で効果的に配向させられる。これは、キャビ
ティ内に移動する粉末粒子の充填密度が低下し、個々の
粉末粒子が比較的容易に回転できるようになるためと考
えられる。
【0039】本発明で採用する交流磁界の印加は、静磁
界の印加に比べ、給粉中における粉末粒子の配向に対し
て更に有効に寄与する。すなわち、静磁界を印加した場
合には、キャビティの内壁面間を粉末粒子が架橋状態に
連結し、キャビティを部分的に塞いでしまうため、均一
な粉末充填が達成できないが、交流磁界を印加した場合
は、磁界の向きが変化するときに磁界強度がゼロとなる
ため、上記粉末粒子の磁気的架橋状態が壊れ、粉末充填
が均一かつ速やかに進行することになる。
【0040】本実施形態で用いる交流磁界の周波数は、
10Hz以上であることが好ましく、30Hz以上であ
ることが更に好ましい。印加する交流磁界の周波数が高
くなるほど、磁気特性が良くなる傾向があるが、交流磁
界の周波数が高くなりすぎると、プレス装置のダイがう
ず電流によって発熱し、また、磁気特性も飽和するた
め、交流磁界の周波数は、60Hz以上120Hz以下
の範囲内に設定することが好ましい。
【0041】なお、交流磁界の印加に代えて、一定方向
の磁界を形成し、その磁界強度をパルス的に変化させて
も、キャビティを塞ぐ粉末の架橋を壊すことができる。
本発明にとって重要な点は、配向磁界の印加によってキ
ャビティ内に形成された粉末の架橋を壊すために、配向
磁界の強度を断続的にゼロまたは充分に小さいレベルに
低下させることにある。このため、交流的に磁界の向き
を反転させることは不可欠ではない。
【0042】なお、パルス的に振動する配向磁界(パル
ス磁界)を印加する場合、印加する磁界の最も低いレベ
ルはゼロにする必要はなく、粉末粒子の磁気的な架橋を
壊すことができる程度(例えば8kA/m以下)に小さ
くすれば良い。
【0043】このように、本発明では、ある所定のレベ
ルよりも大きな磁界強度(配向磁界の「ON」レベル)
と、そのレベルよりも小さく、磁気的架橋を壊すレベル
の磁界強度(配向磁界の「OFF」レベル。)との間で
振動する磁界を印加しながら、HDDR粉末のコンパウ
ンドをキャビティ内に供給する。このため、従来の方法
によっては給粉しにくい形状のキャビティに対しても、
スムーズかつ均一にコンパウンドを充填することがで
き、成形体の単重を増加させることが可能になる。
【0044】次に、図1(e)に示すように、フィーダ
ボックス6をキャビティの上方から退避位置へ移動させ
た後、図1(f)に示すように、上パンチ3を下降さ
せ、キャビティ内のコンパウンド5を圧縮成形し、成形
体7を作製する。
【0045】本発明によれば、弱い磁界でも充分に高い
配向度を達成できるため、従来に比べて配向磁界の大き
さ(最大値)を格段に低減することができる。このた
め、配向磁界中で圧縮成形した直後における成形体の磁
化(残留磁化)を従来よりも1桁以上低くすることが可
能である。その結果、給粉完了後に高磁界で配向を行う
従来技術で必要とされた動作、例えば、粉末の配向を容
易にするために一旦キャビティ内の粉末上部に僅かな空
間を形成する動作や、その状態で配向した後、引き続き
粉末を加圧・圧縮して成形体とする動作などが不要とな
るとともに、成形体7に対する脱磁処理が不要になる。
このため、本発明によれば、プレス工程のサイクルタイ
ムを、等方性磁石の場合のサイクルタイムと同程度(従
来の異方性ボンド磁石の場合のサイクルタイムの半分以
下)に短縮することが可能になる。
【0046】なお、上パンチ3と下パンチ4とによって
コンパウンド5を圧縮するときに、配向磁界を印加して
もよい。これは、圧縮成形時に配向の乱れが生じる場合
があるため、圧縮成形に際しても配向磁界を印加して、
配向を適切に維持するためである。圧縮成形時に印加す
るは磁界の強度は、給粉時の磁界強度と同レベルか、あ
るいは、給粉時の磁界強度よりも小さくしても良い。あ
くまでも配向の乱れを防止できれば良いからである。こ
のため、圧縮成形時に印加する配向磁界は、上述した振
動磁界である必要もない。従って、給粉時は振動磁界を
印加し、圧縮成形時には静磁界を印加するようにしても
よい。ただし、工程を単純化するためには、給粉時に印
加していた振動磁界を、そのまま継続的に圧縮成形時に
印加することが好ましい。なぜなら、継続的に振動磁界
を印加する場合は、プレス装置の各部の動作と磁界印加
のタイミングとを細かく調節する必要がないからであ
る。
【0047】本実施形態では、フィーダボックス6をキ
ャビティが形成される部分の真上に移動させてからキャ
ビティ空間を形成しているが、本発明は、このような給
粉形態に限定されない。例えば、図2(a)から(c)
に示すようようにして、予めキャビティが形成されてい
る部分の真上にフィーダボックス6を移動させ、フィー
ダボックス6の中からコンパウンド5をキャビティ内に
落とし込むようにしてもよい。この場合、キャビティ上
にフィーダボックス6を配置する前に、キャビティを含
む空間に対して配向磁界(振動磁界)の印加を開始す
る。こうすることにより、コンパウンド5がフィーダボ
ックス6からキャビティ内へ落下する途中において、小
さな振動磁界によって適確に配向させられる。
【0048】以上説明してきた本発明の実施形態では、
印加する振動磁界の向きは水平方向であり、プレス方向
(1軸圧縮方向)に対して垂直である。このため、キャ
ビティに充填された粉末粒子は水平横方向に配向する。
粉末粒子は磁気的相互作用のため水平横方向に沿って鎖
状に連なる。充填粉末の上面に位置する粉末粒子も水平
方向に連なる結果、粉末はキャビティの外側にはみだす
ことなく、キャビティ内に完全に収まりやすい。
【0049】なお、プレス装置のキャビディ中心軸が鉛
直方向に対して傾斜していても良いし、配向磁界の向き
が水平方向に対して傾斜していてもよい。これらの配置
構成は、どのような形状のボンド磁石を作製するかに依
存して適切に設計され得る。
【0050】また、本発明によって図8に示すようなラ
ジアル配向したリング状異方性磁石11を得ることがで
きる。このようなラジアル配向したリング状異方性磁石
11は、例えば、図9の構成を有するブレス装置を用い
て作製される。
【0051】図9のプレス装置では、強磁性体材料から
形成されたダイ2の中央部に貫通孔が設けられており、
その貫通孔内の中心部に強磁性体材料から形成された円
柱状のコア8が配置されている。キャビティは、ダイ貫
通孔の内壁とコア8の外周面との間に形成され、キャビ
ティの底面は、非磁性体材料からなる下パンチ4の上面
によって規定される。
【0052】図9のプレス装置では、コア8の下部に振
動磁界印加用の励磁コイル9が配置されおり、励磁コイ
ル9に、例えば交流電流を印加することにより、所定強
度の振動磁界からなるラジアル配向磁界をキャビティ内
に形成することができる。この状態において、キャビテ
ィ内にコンパウンドを充填すれば、目的とする配向を達
成できる。
【0053】図9においては、コア8の周囲に励磁コイ
ル9を配置した構成が示されているが、本発明は、これ
に限定されず、コア8の上方に不図示の上部コアを配置
し、その上部コアの周囲にも励磁コイルを配置してもよ
い。
【0054】本発明者の実験によれば、上下にコアおよ
び励磁コイルを配置した構成の方が、一方にコアおよび
励磁コイルを配置した構成に比べて、成形体の磁気特性
を若干向上させられることがわかった。しかし、上コア
の周囲に励磁コイルを配置したプレス装置を用いる場合
は、上コアによる粉末粒子の吸引等によって作業性が低
下し、またプレス装置の構成が複雑になるなどの問題が
あるため、図9に示すように下コアの周囲のみに励磁コ
イルを配置する方が好ましい。
【0055】<実施例>以下、本発明の実施例を説明す
る。
【0056】まず、本実施例では、27.5重量%のN
d−1.07重量%のB−14.7重量%のCo−0.
2重量%のCu−0.3重量%のGa−0.15重量%
のZr−残部Feを含有するNd−Fe−B系希土類合
金のHDDR粉末を用意した。具体的には、まず、上記
組成を有する希土類合金原料をAr雰囲気中で1130
℃15時間の条件で熱処理した後、水素吸蔵による崩壊
・整粒を行った。その後、HDDR処理を行うことよ
り、磁気的異方性を有するHDDR粉末を作製した。粉
末の平均粒径(レーザ回折法によって測定した値)は、
120μm程度であった。
【0057】上記HDDR粉末に対して、ビルフェノー
ルA型エポキシ樹脂のバインダ(結合樹脂)を60度に
加熱しつつ二軸ニーダを用いて混ぜ合わせることによ
り、HDDRコンパウンドを作製した。バインダの重量
比率は、全体の2.5%程度とした。
【0058】このHDDRコンパウンドを図1に示すよ
うなプレス装置を用い、60Hzの交流磁界中で圧縮成
形した。プレス装置のダイキャビティの開口面(ダイ上
面)での形状(プレス方向に垂直なキャビティの断面形
状)は、図3(a)に示す弓形であり、キャビティのサ
イズは外周側半径R1が19.7mm、内周側半径R2
が16mm、深さが30.65mmであった。キャビテ
ィには、粉末高さ(充填深さ)が30.65mmになる
ように上記コンパウンドを充填した。このようなキャビ
ティで作製した成形体のサイズは、外周側半径19.7
mm×内周側半径16mm×高さ19mmであり、得ら
れた2つの成形体を図3(b)に示すように組み合わせ
ることにより、ほぼラジアル配向した薄肉リング状の異
方性ボンド磁石が得られる。
【0059】交流磁界を形成するためにプレス装置の磁
界発生用コイルに流した電流(交流電流)と、キャビテ
ィの中心部におけるピーク磁界との関係を図4に示す。
図4からわかるように、キャビティ内に形成される交流
磁界のピーク値は、磁界発生用コイルに投入する交流電
流の大きさが増加するに従って線形的に増加する。従っ
て、コイルに流す交流電流を調節することによって粉末
に印加する交流磁界のピーク値を制御することができ
る。なお、グラフ縦軸の磁界強度の単位はOe(エルス
テッド)であり、この数値を103/(4π)倍した値
がSI単位における磁界強度となる。103/(4π)
は約80であるので、例えば、200Oeは、SI単位
系で約16kA/mとなる。
【0060】キャビティ内に形成した交流磁界の向き
は、プレス方向(上パンチ/下パンチの動作方向)に対
して垂直であった。図4のグラフによれば、印加する交
流電流が0A(アンペア)のときでも、キャビティ内に
磁界が形成されているが、これは、実験に用いたダイを
構成している強磁性体部品が弱く磁化されていたためで
ある。このような残留磁化がダイ部品中に存在していた
場合、コイルの形成する交流磁界の振幅中心がゼロレベ
ルからシフトするが、特に問題はない。むしろ、上記の
ような残留磁化が存在していると、磁界発生用コイルに
投じる電力が少ない場合でも、配向に必要な交流ピーク
磁界を得ることができるため、好ましいといえる。
【0061】図5は、交流ピーク磁界と成形体の重量
(単重)との関係を示している。図5からわかるよう
に、交流ピーク磁界が強くなるほど、成形体の単重が低
下している。粉末充填がスムーズに進むほど、単重は大
きくなる。このため、交流ピーク磁界を大きくし過ぎる
と、粉末を充填しにくくなると考えられる。また、交流
磁界を印加する場合は、プレス装置を構成するダイなど
の発熱を招くため、必要以上に交流ピーク磁界を強くす
ると、生産性および磁石品質などの観点からダイなどの
冷却が必要となる。交流ピーク磁界の大きさは、目的と
する成形体の形状、寸法、磁性粉末の磁気特性、配向方
向(ラジアル配向又は直角配向等)などに応じて選定す
ることが望まれる。
【0062】交流ピーク磁界が強くなりすぎると、プレ
ス装置による成形直後における成形体の表面磁束密度
(残磁)も大きくなり、本願発明の本来の目的を達成で
きなくなるだけでなく、上記の粉末充填およびダイの発
熱などの問題も生じ得る。これらの観点から、交流ピー
ク磁界は、最大でも120kA/m(約1500O
e)、好ましくは100kA/m(約1260Oe)以
下、さらに好ましくは80kA/m(約1000Oe)
以下、あるいは50kA/m(約630Oe)以下の条
件から選定される。
【0063】本実施例で作製するボンド磁石の場合、後
述する図6から明らかなように、300Oe(約24k
A/m)近傍で目的とする磁気特性を得ることができる
ため、粉末充填を阻害するに至らない磁界強度で目的の
所定単重を有する磁石を得ることができる。具体的に
は、交流ピーク磁界が450Oe(=約36kA/m)
以下であれば、充分なレベルの成形体単重が達成される
ことになる。交流ピーク磁界の好ましい範囲は、24k
A/m以上36kA/m以下であり、更に好ましい範囲
は24kA/m以上32kA/m以下である。
【0064】なお、図5のグラフ中には、参考のため、
比較的弱い「静磁界」を印加しながら配向を行った比較
例1および比較例2の成形体単重を示している。比較例
1では給粉時および成形時における静磁界の強度が60
Oeであり、比較例2では静磁界の強度が150Oeで
ある。比較例1および2と実施例と比べると、同じ磁界
強度では静磁界よりも交流磁界を印加した場合の方が大
きな成形体単重が得られることがわかる。更に、実施例
の方が比較例に比べて、プレス工程ごとに単重ばらつき
も少なかった。これらのことは、静的な磁界を印加する
よりも、交流磁界を印加する方が給粉をスムーズに行え
ることを意味している。従って、本発明は、給粉が困難
なキャビティ(例えば、開口部の最小サイズに対する深
さの比率が例えば1以上のアスペクト比を示すキャビテ
ィ)を用いて異方性ボンド磁石を作製する場合に特に好
適である。
【0065】図6は、成形体の単位重量あたりの磁気特
性と交流ピーク磁界との関係を示している。図6におけ
るグラフの縦軸は、比較例3(10kOeの強い静磁界
を印加して配向させた成形体)のフラックス(磁束量)
に対する実施例のフラックスの比を示している。図6か
らわかるように、交流ピーク磁界が300Oe以上にな
ると、実施例のフラックスは、比較例3のフラックスと
同等のレベルに達し、ほぼ飽和している。
【0066】次に、交流ピーク磁界が420Oe(=約
33.6kA/m)の場合に得られた実施例について、
プレス直後における(脱磁処理を行わない場合の)成形
体の表面磁束密度(残磁)を測定したところ、その値は
10ガウス(=0.001テスラ)以下であった。成形
体に対する脱磁処理を省略するには、成形直後における
残磁を50ガウス(=0.005テスラ)以下に抑える
ことが好ましい。本実施例によれば、配向磁界の強度が
従来に比べて充分に小さいため、磁界配向を行った後の
成形体には50ガウスを下回る低い磁化が残るに過ぎ
ず、脱磁処理が不要となった。なお、このようにして得
られた異方性ボンド磁石の着磁性は良好であった。
【0067】従来の給粉後に強い静磁界(例えば10k
Oe程度の静磁界)を印加し、圧縮成形を行った場合
(比較例3)、成形体の残留磁化は2000ガウス
(0.2テスラ)にも達し、脱磁処理が不可欠であっ
た。
【0068】図7は、本発明の実施例と比較例につい
て、成形体の単位重量あたりのフラックス比と着磁磁界
強度との関係、すなわち着磁特性曲線を示すグラフであ
る。グラフ中、「●」は本発明の実施例に関するデータ
ポイントを示す、「×」は比較例のデータポイントを示
している。実施例は、磁界ピークが400Oeの交流磁
界を印加しながら、給粉・成形工程を行った試料であ
り、脱磁処理は施さなかった。一方、比較例は、配向磁
界として12kOeの静磁界を印加し、成形工程後に脱
時処理(交流磁界印加)を施した試料である。
【0069】図7の着磁特性曲線からわかるように、着
磁磁界強度が0〜10kOeの領域において、実施例で
は着磁磁界強度の増加(△H)に対する磁束量の増加
(△B)の比率(△B/△H)が比較例よりも大きい。
具体的には、着磁磁界強度が40kOeのときの磁束量
を100%とした場合、磁界強度が0〜10kOeの範
囲における実施例の△B/△Hは2%/kOe以上であ
り、比較例よりも格段に磁化されやすかった。なお、1
0kOeは約800kA/mであり、2%/kOeは約
0.025%/(kA/m)である。従って、本発明に
よれば、0kA/m以上800kA/m以下の磁界によ
って0.025%/(kA/m)以上の△B/△Hが達
成される。
【0070】なお、上記実施例では、HDDRの粉末を
用いて異方性ボンド磁石を作製したが、本発明はこれに
限定されず、他のタイプの粉末であっても磁気的異方性
を発揮する粉末であれば用いることができる。また、H
DDR粉末と他の異方性粉末とを混合した粉末を用いて
ボンド磁石を作製しても良い。
【0071】更に、プレス装置のダイキャビティの形状
も上記実施例で用いた形状に限定されず、任意である。
ただし、本発明は給粉の困難な形状(例えば、開口部の
水平方向サイズが最も小さい部分で5mm以下、深さが
最も大きい部分で10mm以上となるような形状)のキ
ャビティに給粉する場合などに特に顕著な効果を発揮し
得る。
【0072】次に、図8に示すラジアル配向リング状異
方性磁石を、図9に示す構成のプレス装置を用いて作製
した。得られた磁石のサイズは、外径25mm、内径2
3mm、高さ4.8mmであった。磁性粉末は、前記と
同一組成、同一方法で作成されたHDDRコンパウンド
を使用した。
【0073】交流ピーク磁界を80kA/m(約100
0Oe)、40kA/m(約500Oe)、24kA/
m(約300Oe)とした場合の成形体の磁気特性(単
位重量あたりの磁束量)と、プレス直後における(脱磁
処理を行わない場合の)成形体の表面磁束密度(残磁)
を測定した。
【0074】その結果、交流ピーク磁界の大きさにによ
る磁気特性の差異は、約0.5%程度と小さかった。残
磁は、いずれの成形体についても、0.0007テスラ
(7ガウス)以下であったが、特に交流ピーク磁界が2
4kA/mの場合の残磁は0.0005テスラ(5ガウ
ス)以下となり、脱磁処理が不要となるばかりでなく、
着磁性も極めて良好であることを確認した。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、振動磁界を給粉時に印
加するため、磁性粉末をキャビティ内へスムーズに充填
しながら、磁性粉末を配向磁界の向きに配向させること
ができる。このため、印加する磁界の強度が小さくと
も、粉末充填時点において充分な程度の磁界配向を実現
できる。従って、本発明では、圧縮成形後に成形体に残
留する磁化を大幅に低減でき、その結果として脱磁処理
を省略することが可能となる。このため、本発明によれ
ば、残留磁化に起因する種々の問題を回避しつつ、プレ
ス工程のサイクルタイムを低減し、特性に優れた異方性
ボンド磁石を低コストで製造することができる。
【0076】更に本発明によれば、給粉時に印加する配
向磁界が振動磁界であるため、給粉しにくい形状のキャ
ビティに対しても磁性粉末を確実に供給することがで
き、成形体の単重ばらつきを低減することができる。こ
のため、複雑な形状を持つ小型の異方性ボンド磁石をも
歩留まり良く生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は、本発明の実施形態における
プレス装置の主要部の動作を示す工程断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、本発明の他の実施形態にお
けるプレス装置の主要部の動作を示す工程断面図であ
る。
【図3】(a)は、キャビティ開口部の形状を示す図で
あり、(b)は、一対の成形体によって形成された薄肉
リング状の異方性ボンド磁石を示す図である。
【図4】交流磁界を形成するために磁界発生用コイルに
流した電流(交流電流)と、キャビティ内のピーク磁界
との関係を示すグラフである。
【図5】交流ピーク磁界と成形体の重量(単重)との関
係を示すグラフである。
【図6】成形体の単位重量あたりの磁気特性と交流ピー
ク磁界との関係を示すグラフである。
【図7】成形体の単位重量あたりのフラックス比と着磁
磁界強度との関係を示すグラフである。
【図8】ラジアル配向リング状異方性磁石を示す斜視図
である。
【図9】ラジアル配向リング状異方性磁石を製造する際
に用いられるプレス装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 貫通孔 2 ダイ 3 上パンチ 4 下パンチ 5 磁性粉末(コンパウンド) 6 給粉装置(フィーダボックス) 7 成形体(着磁工程前の異方性ボンド磁石) 10 プレス装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K018 AA27 BA18 BB10 CA04 CA15 GA04 KA46 5E062 CE04 CF04

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレス装置のキャビティ内に磁性粉末を
    供給し、成形する永久磁石の製造であって、 前記キャビティを含む空間に振動磁界を形成する工程
    と、 前記磁性粉末を前記振動磁界の向きに平行な方向に配向
    させながら、前記磁性粉末を前記キャビティの内部へ移
    動させる工程と、 前記キャビディ内で前記磁性粉末を圧縮し、成形体を作
    製する工程と、を包含する永久磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記振動磁界は、前記キャビティ内で前
    記磁性粉末を圧縮するときにも印加される請求項1に記
    載の永久磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記プレス装置による成形直後における
    前記成形体の表面磁束密度が0.005テスラ以下とな
    るように前記キャビティ内における前記振動磁界の最大
    値が調節されている請求項1または2に記載の永久磁石
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記キャビティ内における前記振動磁界
    の最大値は、120kA/m以下に調節されている請求
    項3に記載の永久磁石の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記キャビティ内における前記振動磁界
    の最大値は、100kA/m以下に調節されている請求
    項3に記載の永久磁石の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記キャビティ内における前記振動磁界
    の最大値は、80kA/m以下に調節されている請求項
    3に記載の永久磁石の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記キャビティ内で前記磁性粉末を圧縮
    した後、前記成形体に対して脱磁処理を行うことなく、
    前記キャビティから前記成形体を取り出す請求項3に記
    載の永久磁石の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記振動磁界は交流磁界である請求項1
    から7のいずれかに記載の永久磁石の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記振動磁界は複数のパルス磁界を含む
    請求項1から7のいずれかに記載の永久磁石の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記キャビィティの開口部の水平方向
    サイズは、最も小さい部分で5mm以下であり、 前記キャビィティの深さは、最も大きい部分で10mm
    以上である請求項1から9のいずれかに記載の永久磁石
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記磁性粉末の少なくとも一部はHD
    DR粉末である請求項1から10のいずれかに記載の永
    久磁石の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記プレス装置は、貫通孔を有するダ
    イと、前記貫通孔の内部において前記ダイに対して相対
    的に往復動作する下パンチとを備えており、 前記磁性粉末を前記キャビティの内部へ移動させる工程
    は、 前記下パンチによって前記貫通孔が塞がれた状態の前記
    ダイの上において、前記磁性粉末を含むフィーダボック
    スを前記貫通孔の上方に配置する工程と、 前記ダイに対して前記下パンチを相対的に下方に移動さ
    せ、前記フィーダボックスの下方に前記キャビティを形
    成する工程と、 を含む、請求項1から11のいずれかに記載の永久磁石
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 貫通孔を有するダイと、 前記貫通孔の内部において前記ダイに対して相対的に往
    復動作し得る上パンチおよび下パンチと、 前記ダイの貫通孔の内部に形成されたキャビティに磁性
    粉末を供給する給粉装置と、 を備えたプレス装置であって、更に、 前記磁性粉末を前記キャビティの内部へ移動させるとき
    に前記磁性粉末に対して振動磁界を印加する振動磁界印
    加装置を備えているプレス装置。
  14. 【請求項14】 前記振動磁界印加装置は、前記キャビ
    ティの内部に供給した前記磁性粉末を前記上パンチおよ
    び下パンチによって圧縮するときに前記磁性粉末に対し
    て振動磁界を印加することができる、請求項13に記載
    のプレス装置。
  15. 【請求項15】 圧縮成形によって製造された永久磁石
    であって、 プレス装置内の磁性粉末を振動磁界中で配向、圧縮し、
    脱磁処理を行うことなく前記プレス装置から取り出され
    た時の残磁レベルが表面磁束密度で0.005テスラ以
    下であることを特徴とする永久磁石。
  16. 【請求項16】 磁石粉末が樹脂によって結合した異方
    性ボンド磁石であって、着磁のために0〜800kA/
    mの磁界を印加した場合、前記磁界の強度増加(△H)
    に対する磁束量の増加(△B)の比率(△B/△H)が
    0.025%/(kA/m)以上を示すことを特徴とす
    る異方性ボンド磁石。
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