JPH0110689Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動販売機の釣銭払出し、両替機の
硬貨払出し、ゲーム機のコイン払出し等に用いら
れ、硬貨収容ホツパーから硬貨を１枚宛投出する
ための硬貨送り回転デイスクを具える、特に、小
型の硬貨投出装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、多数の硬貨を収容するホツパー内から硬
貨を１個宛投出する硬貨投出装置として、例え
ば、本願人による特公昭55−48634号公報に記載
されているように、複数個の硬貨受け孔が円周方
向に互いに離間した位置で貫通して設けられ、底
面に硬貨受け孔間位置で硬貨送り腕が設けられた
硬貨送り円板を具えるものが知られており、さら
に、実公昭58−19646号公報には、硬貨投出効率
を向上させるよう改良した硬貨送り円板を具える
ものが記載されている。

また、本願人は、特願昭60−122626号により、
硬貨送り円板が回転する円筒形ケース内から硬貨
を硬貨送り円板と同期回転するスクレーパーによ
つて取出すことによつて、従来構造のものでは不
可能であつた硬貨送り円板の回転数の増大を可能
とし、これによつて硬貨投出速度を高くして硬貨
投出効率を向上させるよう改良した硬貨投出装置
を提案している。

さらに、かかる提案に基づいて、本願人は実願
昭60−148992号の明細書および図面に記載されて
いるように、硬貨送り円板に設ける硬貨受け孔の
数を従来の例えば、４個または５個から３個のよ
うに減じても、硬貨送り円板の回転数を上げるこ
とによつて高い硬貨投出効率が得られることか
ら、例えば隣接するパチンコ遊戯台間の幅の狭い
空間内に設置し得る小幅の硬貨投出装置を開発し
ている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上述したような硬貨投出装置に
おいて従来用いられている硬貨送り回転デイスク
は、硬貨送り円板と称しているように、いずれも
円板形状で、その上面が中心部の硬貨案内および
撹拌用突起が設けられている部分を除いては平坦
表面を有し、この結果として、円筒形ケース内で
高速回転する円板状硬貨送り回転デイスクの平坦
な周縁部分上に硬貨が傾斜またはほぼ直立状態で
順次に円周方向に重なり合つて円筒形ケース内側
壁にもたれかかり、この内側壁に沿つて回転デイ
スクと一緒に回動し続けるという現象が生じ、こ
の結果、これらの硬貨が硬貨送り回転デイスク５
の硬貨受け孔内に入らないという問題や上述した
ように硬貨送り回転デイスクの上面上に円周方向
に積み重なつた状態で硬貨が回転し続けることに
よつて円筒形ケースに連結されているホツパー下
端開口から上方に立上つた幅狭のホツパー部分内
に硬貨のブリツジ現象が生じ易く、この結果ホツ
パー内に多数の硬貨が存在するにもかかわらず硬
貨が投出されないという問題がある。

本考案は上述した問題を解決し、硬貨送り回転
デイスクが高速回転される場合においても硬貨が
硬貨受け孔内に容易に入り得るようにするととも
に、上述したブリツジ現象の発生を防止して高い
硬貨投出効率を有する硬貨投出装置を提供しよう
とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案によれば、第１図に示すように、多数の
硬貨を収容するホツパー１の下端開口が連結され
た円筒形ケース２内で傾斜基板３上に硬貨送り回
転デイスク５が回転可能に設けられ、この回転デ
イスク５に複数個の硬貨受け孔１１が円周方向に
互いに離間した位置で貫通して設けられ、硬貨送
り回転デイスク５が駆動装置９に回転されるよう
連結された硬貨投出装置において、硬貨送り回転
デイスク５の上面を凹面６で形成し、回転デイス
ク５の回転軸線に対してほぼ垂直な面内で回転デ
イスク５の外周面５ａから内方に延びる溝孔３０
を回転デイスク５に設け、円筒形ケース２の周壁
から回転デイスク５の溝孔３０を経て硬貨受け孔
１１内に弾性的に突出する干渉片３１を設けたこ
とを特徴とする。

（作用） 本考案によれば、硬貨送り回転デイスク５の上
面を半球形状凹面６としたことによつて、傾斜基
板３上でのデイスク５の回転に際して、その円周
方向に離間して設けられ硬貨受け孔１１の１個
が、第１図から明らかなように、ホツパー１およ
び円筒形ケース２内の最低位置で開口することと
なり、この最低位置で開口する受け孔１１内に周
りから硬貨が滑り込んで入ることによつて受け孔
１１内への硬貨の入りが良くなり、ホツパー内で
の硬貨の流動現象が改善され、上述した硬貨の重
なり現象がなくなり、その結果としてホツパー内
での硬貨のブリツジ現象の発生がなくなり、硬貨
投出効率が著しく向上される。

さらに、干渉片３１は正常な状態では複数の硬
貨が積み重なつた硬貨受け孔内に突出しているに
もかかわらず、これらの硬貨の回転デイスクによ
る送り作用を阻害せず、しかも、硬貨受け孔内に
異常な直立状態で入り込んでいる硬貨を倒して正
常な状態にするのに十分な力を作用し得る。

（実施例） 図面は本考案の実施例を示し、１は多数の硬貨
を収容するホツパーで、このホツパー１の下端は
円筒形ケース２の上端に嵌着され、円筒形ケース
は傾斜基板３上に固定され、傾斜基板３は支持台
４上に固着されている。

円筒形ケース２内には、硬貨送り回転デイスク
５が傾斜基板３上に回転自在に設けられ、回転デ
イスク５はその上面が部分球形凹面６で形成さ
れ、その中心孔７によつて回転軸８に連結され、
この回転軸８は所定の硬貨投出枚数分だけ駆動モ
ータ９により伝動装置１０を介して駆動されるよ
う構成されている。

硬貨送り回転デイスク５には、投出すべき硬貨
が入り得る寸法の複数個の硬貨受け孔１１が円周
方向に互に離間した位置で垂直に貫通して設けら
れ、各隣接する硬貨受け孔１１，１１間で硬貨送
り回転デイスク５の下面に硬貨１個を送り得る厚
さの硬貨送り腕１２が硬貨受け孔１１，１１のほ
ぼ中心を結ぶ円まで半径方向に延長して設けら
れ、これにより硬貨受け孔１１内に入つた硬貨が
硬貨送り回転デイスク５の回転にともなつて硬貨
送り腕１２によつて円筒形ケース２内を基板３上
に押し進められるよう構成されている。

円筒形ケース２の一側における周壁下部には出
口孔１３が開口され、硬貨送り回転デイスク５に
よる硬貨送り方向において出口孔１３より下流側
で基板３上に出口案内部材１４が突設され、硬貨
送り腕１２によつて基板３上に押し進められた硬
貨が出口案内部材１４に押しつけられることによ
つて硬貨の進行方向が出口孔１３に向けそらされ
るよう構成されている。

第３図に示すように、硬貨送り回転デイスク５
にはその回転軸線に対してほぼ垂直な面内で回転
デイスク５の外周面５ａから内方に延びる溝孔３
０が設けられ、円筒形ケース２の周壁２ａの孔２
ｂを経て回転デイスク５の溝孔３０を貫通し、硬
貨受け孔１１内に突出し得る薄い金属板による干
渉片３１が第４図に示すように円筒形ケース２の
外側で基板３上の直立枢支軸３２に回動自在に取
付けられ、この直立枢支軸３２上に取付けられた
つるまきばね３３の一端３３ａを干渉片３１に掛
合させ、他端３３ｂを円筒形ケース２の一部３４
に掛合させて干渉片３１を硬貨送り回転デイスク
５の回転方向とは反対方向に弾性的に付勢して円
筒形ケース２内に突出させるよう構成している。
３５は干渉片３１に突設したストツパーで円筒形
ケース２の周壁外面に掛合して干渉片３１の突出
位置を規制している。

基板３上には、円筒形ケース２の出口孔１３側
で、硬貨送り回転デイスク５と並んでスクレーパ
ー１５が設けられ、このスクレーパーには硬貨送
り回転デイスク５の硬貨受け孔１１と同数の送り
羽根１６が半径方向に放射状に延長して設けら
れ、送り羽根１６の先端部１６ａが出口孔１３の
延長の開口１３ａを経て円筒ケース２内に入り、
硬貨送り回転デイスク５の各隣接硬貨受け孔１
１，１１間の下側に突出するようスクレーパー１
５が配置されている。

さらに、スクレーパー１５の回転軸１７は駆動
モータ９により減速装置１０を介して硬貨送り回
転デイスク回転軸８と同期回転され、スクレーパ
ー１５は円筒形ケース２内に入つたスクレーパー
送り羽根１６が硬貨送り回転デイスク５の各硬貨
送り腕１２と協働して硬貨を出口案内部材１４に
向けて押し進めるような硬貨送り腕１２との相対
的位置で回転軸１７に取付けられている。

基板３上には、スクレーパー１５の送り羽根１
６によつて送り出される硬貨の通路に沿つて投出
硬貨計数用近接スイツチ１８の作動レバー腕１９
上のローラ２０が設けられ、硬貨が硬貨投出シユ
ート２１を経て投出される手前でローラ２０と接
触して作動レバー１９を枢支ピン２２の回りにス
プリング２３のばね力に抗して回動して近接スイ
ツチ１８を作動することにより投出硬貨の計数を
確実に行なうよう構成されている。

また、ウレタンゴム製の硬貨撹拌棒２５を硬貨
送り回転デイスク５の中心孔７に回転軸８と同軸
的に取付けてホツパー１内に突出させ、また、硬
貨撹拌棒２５と同じ硬貨撹拌棒２６がスクレーパ
ー１５の回転軸１７と同軸的に取付けられ、ホツ
パー１内に突出されており、この硬貨撹拌棒２６
の外周にはコイルスプリング２７を取付けて外周
螺旋突条２８が設けられている。

上述の構成になる装置においては、ホツパー１
内から円筒形ケース２内に入つた硬貨は、さらに
この円筒形ケース２内に回転する硬貨送り回転デ
イスク５の硬貨受け孔１１に入り、回転デイスク
下面に突出する硬貨送り腕１２によつて円筒形ケ
ース２内を矢ａの方向に基板３上に押し進められ
る。

また、硬貨受け孔１１内に入つた硬貨が基板３
に対してほぼ直立する状態が生じても出口孔１３
の手前で溝孔３０を経て硬貨受け孔１１内に弾性
的に突出する干渉片３１によつて直立硬貨が基板
３上に倒され、正常な状態で出口孔３１に向け送
られる。

硬貨送り回転デイスク５の回転にしたがつて、
硬貨送り腕１２が回動する間に、硬貨送り回転デ
イスク５と同期回転するスクレーパー１５の送り
羽根１６も円筒形ケース外の位置から円筒形ケー
スの周壁下端部の開口１３ａを経て硬貨送り回転
デイスク５の順次の硬貨受け孔１１間で回転デイ
スクの下面と基板３との間に入り込む。

このスクレーパー１５の送り羽根１６は、円筒
形ケース２内で常に硬貨受け孔１１間の回転デイ
スク下側に位置し、したがつて、硬貨受け孔１１
内に位置する硬貨と干渉することなく、スクレー
パー１５は円滑に同期回転することができる。

次に、硬貨送り回転デイスク５がさらに回転す
る際、硬貨送り腕１２によつて基板上を押し進め
られている硬貨の後端面にスクレーパー１５の送
り羽根１６が掛合し、これにより硬貨は硬貨送り
腕１２と送り羽根１６とによつて基板３上に押し
進められる。

このようにして基板３上に押し進められている
硬貨は出口孔１３の下流側に位置する出口案内部
材１４に当ることにより、矢ｂで示すようにその
進行方向を出口孔１３に向けてそらされる。

このようにして、硬貨は硬貨送り腕１２から離
れ、スクレーパー１５の送り羽根１６によつて基
板３上に出口１３に向けて押し進められ、以後は
スクレーパー１５の送り羽根によつて押し進めら
れ、硬貨はスイツチローラ２０を押し、硬貨投出
シユート２１を経て投出される。

上述したように円筒形ケース２内に回転する硬
貨送り回転デイスク５の硬貨送り腕１２によつて
円筒形ケース内を基板上に押し進められている硬
貨の送りを、円筒形ケースの周壁に開口する出口
孔の上流側でスクレーパー１５の送り羽根１６に
よつて確実にバトンタツチし、この送り羽根１６
によつて硬貨を円筒形ケース２外に確実かつ迅速
に取出すことができる。

（考案の効果） 本考案によれば、硬貨送り回転デイスクを高速
回転させることによつて生じる問題を解消し得た
ことによつて、硬貨投出装置の小型化により硬貨
送り回転デイスクの硬貨受け孔の数が、例えば３
個のように少数になつても、硬貨送り回転デイス
クの硬貨受け孔の数が４〜５個の硬貨投出装置と
同等の高い硬貨投出効率を確実に得ることができ
るという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による硬貨送り回転デイスクを
具える硬貨投出装置の縦断面図、第２図は第１図
の−線上で矢の方向に見た平面図、第３図は
第１図に示す硬貨送り回転デイスクの部分の拡大
縦断面図、第４図は干渉片の詳細構造を示す平面
図である。 １……ホツパー、２……円筒形ケース、３……
基板、４……支持台、５……硬貨送り回転デイス
ク、６……部分球形凹面、７……中心孔、８……
回転軸、９……駆動モータ、１０……減速機、１
１……硬貨受け孔、１２……硬貨送り、１３……
出口孔、１４……案内部材、３０……溝孔、３１
……干渉片、３２……枢支軸、３３……ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の硬貨を収容するホツパー１の下端開口に
   連結された円筒形ケース２内で傾斜基板３上に硬
   貨送り回転デイスク５が回転可能に設けられ、こ
   の回転デイスク５に複数個の硬貨受け孔１１が円
   周方向に互いに離間した位置で貫通して設けら
   れ、硬貨送り回転デイスク５が駆動装置９に回転
   されるよう連結された硬貨投出装置において、硬
   貨送り回転デイスク５の上面が半球形凹面６で形
   成され、回転デイスク５の回転軸線に対してほぼ
   垂直な面内で回転デイスク５の外周面５ａから内
   方に延びる溝孔３０が回転デイスク５に設けら
   れ、円筒形ケース２の周壁から回転デイスク５の
   溝孔３０によつて上下方向に動かされないよう保
   持されて硬貨受け孔１１内に弾性的に突出する薄
   い金属板による干渉片３１が設けられていること
   を特徴とする硬貨投出装置。