JPH01106497A - 多層セラミック回路基板の製造方法 - Google Patents

多層セラミック回路基板の製造方法

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JPH01106497A
JPH01106497A JP26288487A JP26288487A JPH01106497A JP H01106497 A JPH01106497 A JP H01106497A JP 26288487 A JP26288487 A JP 26288487A JP 26288487 A JP26288487 A JP 26288487A JP H01106497 A JPH01106497 A JP H01106497A
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conductor
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JP26288487A
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Eiichi Hisada
久田 栄一
Kyoji Saeki
佐伯 恭二
Harunori Fukaya
深谷 晴紀
Hisatomi Taguchi
久富 田口
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Noritake Co Ltd
Original Assignee
Noritake Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、多層セラミック回路基板の製造方法に関し、
さらに詳しくは多層化した混成厚膜集積回路基板(以下
HIC基板という)において、WlMo等の高融点金属
を導体とし、アルミナを絶縁体とするセラミック多層基
板、上に従来からの混成厚膜集積回路用のペーストを用
いて導体、抵抗体および保護体を印刷形成し、酸化性雰
囲気中で焼成および焼付けして厚膜回路パターンを形成
する多層セラミック回路基板の製造方法に関する。′[
技術の背景コ HIC基板の実装密度は、回路の小型化、高機能化の為
にさらに向上させることが望まれている。
このようにHIC基板を高密度化させるには、導体配線
を細線化する方法が考えられるが、印刷技術の限界や、
導体配線の高抵抗化を避けるため、せいぜい数十μmか
ら画数+μm程度の細線化が限度であり、単層や2層程
度の通常のHIC基板の小型化には限度があった。この
ため、HIC基板の高密度化を実現するには、配線の細
線化ではなく多層化を行ない、基板内部に導体配線を押
し込めて配線面積を低下させる必要が生じた。また、H
IC基板の特徴の1つであるスクリーン印刷を形成出来
る抵抗体も高密度化には不可欠で、この特徴を残したま
まHIC基板を多層化することが望まれていた。
[従来技術およびその問題点コ 通常のクロスオーバー配線を有する単層の厚膜基板では
、シルクスクリーン印刷の解像度の限界等、製作工程上
の制限をうけるため実装密度の向上はもはや限界に達し
つつある。
このような事情に鑑み、厚膜基板において特に高い実装
密度を得る方法として多層セラミック基板が提案されて
いる。
多層セラミック基板には大別すると、厚膜印刷積層法と
グリーンシート法があり、さらにグリーンシート法には
積層法と印刷法がある。これらの中でアルミナ基板上に
導体回路印刷と結晶化ガラス等の絶縁層の印刷形成とを
繰り返す厚膜印刷積層法は実用化されてはいるが次のよ
うな問題点を含んでいる。
■ 絶縁層、導体層の各層を印刷毎に焼成し、これを繰
り返さなければならないため工程数が多く繁雑である。
■ 絶縁層中のガラス層のピンホール発生によって導体
間にショートが生じ歩留りが低くなる。
■ 多数回の焼成によって層間に歪が発生する等の層数
を制限する要素が多く、多くても数層程度しか積層でき
ない。
■ 厚膜印刷積層法に用いられている層間の絶縁材料は
、ピンホール発生以外にも絶縁劣化を起こし易い等信頼
性が低く、生産性や得られた基板の寿命についても満足
できるものではない。
一方、未焼成のいわゆるセラミックグリーンシートを積
層圧着し、同時焼成するグリーンシート積層法は上記問
題点の多くを解決するものの、表層に導体、抵抗回路等
の厚膜回路を印刷法(厚膜法)で形成し、焼き付けるこ
とについては未だ実用化に至っていない。この根本的な
原因は、焼成温度が1500〜1600℃と高いアルミ
ナを絶縁材料として用いているために、積層面上の導体
回路形成に際しては、通常、MOlMo−Mn、W等の
高融点金属を導体として用いなければならないことおよ
びこれら導体金属は焼付けに際して酸化され品いことに
ある。W導体とアルミナを還元性雰囲気中で焼成して得
られた多層基板上に、さらに厚膜法で導体回路および抵
抗体等を酸化性雰囲気中で焼き付けるには、通常500
〜950℃の温度を必要とする。この焼成工程において
、MOやWの酸化を防ぐ必要があり、Au等の貴金属を
メツキしたりNiメツキした後、溶融Agを付着させる
等の特別な処理が必要である。
しかし、完全に内部導体の酸化を防止しきれないか或い
は、電気的な接続に問題があった。また同じグリーンシ
ートを用いる方法でもタシグステン導体、アルミナ絶縁
ペーストを層数骨くり返して印刷、焼成する方法もある
が、使用する材料がグリーンシートを積層する方法と殆
ど同じであり、本質的に上記のグリーンシート積層法と
同じ問題を有している。
また、酸化性雰囲気中に耐えるAg系やAu系の導体を
WやMoの代りに用い、またアルミナの代りにこれらの
Ag系、Au系材料の融点以下で焼成できるセラミック
ス、ガラスセラミックスおよび結晶化ガラス等を基板用
絶縁材料として用いることが提案され、多層化基板とし
ての開発が行なわれているが、基板の機械的強度がアル
ミナに較べて低いことや、また形成された抵抗体の信頼
性が充分に確認されていないなどの問題点を含んでいる
。また、本質的に熱伝導率の高いものを得るのは困難で
あり、この値はアルミナに比べて数分の1〜1/lO程
度である。このため、熱伝導率の比較的高い94〜b る従来のHIC基板を用いた実装では問題にならなかっ
た発熱量の大きいパワートランジスタやLSIを搭載し
た場合には熱放散が不十分になることもあり、この様な
場合には適用不可能である。
上記した様に、HIC基板の多層化には種々の困難な問
題点があり、このような上記問題点を改良する幾つかの
提案がなされている。例えば特開昭58−52900や
特開昭59−171195によれば、アルミナを絶縁体
とし、MOやWを内部導体とする多層基板上に通常の酸
化性雰囲気焼成工程を含む厚膜回路を形成出来る。しか
し、抵抗体や保護用のガラス形成までを含む厚膜工程は
、複数回の酸化性雰囲気中焼成を含んでいる。即ち、A
g/Pd。
A g / P を等の導体を印刷後、約850℃で焼
成し、酸化ルテニウム系抵抗体を印刷後、約850℃で
焼成し、この後保護用ガラスペーストを印刷後、約50
0℃で焼成する。従ってW、Mo等の導体は最低でも8
50℃で2回、500℃で1回の繰り返しの酸化性雰囲
気中焼成に耐える必要がある。しかるに、上記特開昭5
8−52900や特開昭59−171195によれば、
この繰り返しの焼成において、Wと上部厚膜導体の境界
での電気的な接続が悪化し易く、この境界を含む配線の
抵抗値が大きく上昇したり、極端な場合には電気的な接
続が失なわれる等の工程上の問題が出やすかった。また
、場合によっては絶縁体であるアルミナ部分がWの酸化
のため黄変して電気接続は維持し得るも、製品として見
苦しくなったり、また、酸化したWの影響で上部に形成
したAg/Pd、Ag/Pt等の導体の半田濡れ性が悪
くなる等の欠点が出ることもあった。
さらに、内部導体として白金を用いれば、このようなW
、Mo等の内部導体の酸化という問題はなくなるが、P
tは高価であり、内部に高価なptを用いて配線を形成
することは、コストの上昇を招いて好ましくない。また
、Ptは体積固有抵抗が高く、これを使用することは内
部配線の抵抗値を増大させ、回路の性能を悪化させると
いう意味でも好ましいものではなかった。このため、H
IC基板の多層化においては工程的に安定性があり、か
つ秀れた特性を持ち高密度化の容易な製造方法が必要と
されていた。
本発明の目的は、従来のHICと同程度以上の特性を持
つ導体、抵抗体および保護体を表層に形成し、かつ高密
度の配線を多層化の手段を用いて内部に形成した、セラ
ミック製多層回路基板の製造方法を提供することにある
[問題点を解決するための手段および作用]本発明者等
は上記目的を達成するため、種々検討した結果、本発明
を完成するに至った。
すなわち、本発明の多層セラミック回路基板の製造方法
は、アルミナセラミックスを絶縁体とし、高融点金属を
内部導体として構成した多層配線基板上に厚膜導体、抵
抗体および保護体が酸化性雰囲気中で焼成、焼付けされ
るセラミック厚膜回路基板の製造方法において、前記高
融点金属層上にニッケルメッキを施し、その上にニッケ
ル、パラジウムおよび銀の金属混合粉体と有機バインダ
ー、有機溶剤を混練して得たペーストを印刷し、これを
熱処理してニッケルメッキと接続した後、さらにこの上
に銀または銀合金粉末と有機バインダーおよび有機溶剤
から得たペーストを印刷後溶融し、この溶融接合された
銀または銀合金上に厚膜導体、抵抗体および保護体を順
次、印刷と酸化性雰囲気焼成を繰り返し形成することを
特徴とするものである。
以下、本発明の多層セラミック回路基板の製造方法を図
面に基づいて詳しく説明する。
第1図は、本発明の一実施例に係る多層セラミック回路
基板の断面図を示す。
第2図(a)〜(d)は、本発明の一実施例に使用する
印刷パターン図を示したものであり、同図(a)はWま
たはMo等の導体印刷パターン図、同図(b)は絶縁層
印刷パターン図、同図(c)は酸化防止層印刷パターン
図、同図(d)は厚膜導体層印刷パターン図をそれぞれ
示す。
第3図は、本発明に使用するNi−Pd−Ag系合金組
成の三角図を示す。
第1図から第2図(a)〜(d)において、1はアルミ
ナグリーンシート、2は高融点金属層、3はアルミナペ
ースト印刷層、4は開口部、5は一酸化防止層で、5a
はNi層、5bはNi−Pd−Ag層、5CはAgまた
はAg合金層、6は厚膜導体、7は抵抗体、8は保護体
、20は導体印刷パターン図、30は絶縁層印刷パター
ン図、50は酸化防止層印刷パターン図、BOは厚膜導
体層印刷パターン図をそれぞれ示す。
本発明においては、まず通常のアルミナグリーンシート
1上に第2図(a)の導体印刷パターンにより高融点金
属層2を導体として印刷し、これを層数分熱圧着等によ
って積層するか、または必要な層数骨、高融点金属層2
及び第2図(b)の絶縁層印刷パターンによりアルミナ
ペースト印刷層3をくり返し印刷し、多層化したものを
還元性雰囲気中で焼成し、内部で互いに接続された多層
の導体を持つ多層の基板を得る。
その後この多層基板の絶縁体の開口部4から、内部の導
体の酸化を防ぐ処理をし、さらに酸化性雰囲気で焼成可
能な厚膜ペーストを用いて、内部導体と電気的接続がと
れる様にして、多層基板の表層に、Ag/PdSAg/
Pt系等の厚膜導体6、酸化ルテニウム系の抵抗体7、
保護体8等を形成する手法を用いる。
本発明によれば、還元焼成して得られたアルミナ多層基
板の開口部4より露出した高融点金属層2上に、先ずN
i層5aを化学メツキにて形成する。化学メツキ液には
、60℃〜70℃でメツキでき、かつ形成後のNiメツ
キ層5aにホウ素(B)が約1%程度含まれる(メツキ
厚み5μm〜20μm)N i / B系のものを用い
ると良い。ここで電気メツキを行なわず化学Niメツキ
によるのは、電気メツキを行なう場合、対象とする内部
導体に通電し、メツキされる間これを負電位に保つため
に高融点金属層から引出しパターンを形成し、これをメ
ツキ用電源に接続する必要があるため、パターン設計の
自由度が低下し、パターン設計が困難になり、高密度化
を防げるため、もしくはこの引出し線の浮遊容量のため
に高周波回路には使用しずらいためである。
次に、このNi層5aのメツキを行なった後第2図(c
)の酸化防止層印刷パターンにより、Ni−Pd−Ag
3成分系の金属混合粉体ペーストの印刷、焼成を行ない
NL−Pd−Ag層5bを形成する。Niとしては0.
1〜1μm、Pdとしては0.2〜IgmSAgとして
は0.2〜2μmの粒径範囲のNi−Pd−Agの金属
混合粉体と有機バインダー、溶剤等より構成された金属
ペーストを、スクリーン印刷法にて乾燥後の厚さが10
μm〜30μm程度になる様に印刷し、これを空気中で
300〜4QO℃で10〜20分間で予め脱バインダー
処理した後、950℃〜1100℃の温度で水素、窒素
の体積比が3:1から1:10程度の還元性雰囲気中で
3分〜15分間熱処理を行ない、Ni−Pd−Ag層5
bはNiメツキ層5aとこの後形成される溶融Agまた
はAg合金層5Cの電気的接続をより確実にし、さらに
Niメツキ層5aの酸化°を防ぐために形成する。
ニッケル、パラジウムおよび銀の金属混合粉体としては
Niは42〜83重量%、Pdは7〜43重量%、Ag
は10〜43重量%の範囲が好ましく、重量組成比とし
ては第3図に示される3成分の3角図で示した場合に各
頂点(A〜E)の含有ff1(Ni:Pd:Ag)がそ
れぞれ、 A−83:  7:10 B−45: 43712 C−42: 24: 34 D−49:  8:43 E−ao:  7:33 で結ばれた多角形の範囲に包含される金属混合粉体が好
ましい。
Ni5PdおよびAgの比率が第3図の多角形内にない
と、2回以上の850℃焼成において、WまたはMoが
酸化されアルミナと反応して黄変が激しくなり、抵抗値
が上昇するかまたは黄変せずとも接続抵抗が高くなり過
ぎ、回路基板としての使用に耐えないかのいずれかとな
るからである。
例えば、Agの含有量が少ないと、初期的にも接続の抵
抗値が高くなり過ぎて酸化黄変しやすい。
また、Agの含有量が多過ぎると接続抵抗の変化率が高
くなり過ぎ、焼成回数に対して早く抵抗値が上昇する。
また、パラジウムが少ないと接続抵抗が高くなり、また
多過ぎると酸化による黄変が早くなり、また抵抗値も速
く上昇する。Niが少ないと抵抗値が高く、また黄変し
易くなる。また、Niが多過ぎると、接続の抵抗値が高
くなり易い。
金属混合粉体ペーストに用いられる有機バインダーとし
ては、エチルセルロース、アクリル系樹脂等が好ましく
、・有機溶剤としては、ブチルカルピトールアセテート
やα−ターピネオール等が好ましい。
さらにこのNL−Pd−Ag層5bの上にAgまたはA
g合金層5Cとして、第2図(c)の酸化防止層印刷パ
ターンにより、粒径0.2〜2μmのAgまたはAg合
金粉末とビヒクルより構成されたAgまたはAg合金ペ
ーストを乾燥後の厚さが、15μm〜50μm程度にな
る様にスクリーン印刷した後、空気中で300〜400
℃で10〜20分間予め脱バインダー処理した後、水素
と窒素の体積比が3:lから1:10程度の還元性雰囲
気中で、AgまたはAg合金の融点以上でかつ1100
℃以下の温度でAgまたはAg合金を3〜15分間溶融
し、Ni−Pd−Ag層5bと接合させる。ここで用い
られる有機バインダーとしては、エチルセルロース、ア
クリル系樹脂等が好ましく、有機溶剤としては、ブチル
カルピトールアセテートやα−ターピネオール等が好ま
しい。このAgまたはAg合金層5Cは、Niメツキ層
5aへの酸素の侵入を防止する能力をさらに補助し、か
つ後の厚膜導体6との電気接続を確実にするために設け
られる。
次に、このようにして形成された酸化防止層5(5a〜
5c)の上に通常の方法に従い、厚膜導体6、抵抗体7
および保護体8の各層を形成する。
厚膜導体層6には、第2図(d)の厚膜導体層印刷パタ
ーンにより、導体材料としてAg−P t。
Ag−Pd等が用いられ、800〜900℃で焼成され
る。
また、抵抗体層7としては、複合型ルテニウム化合物、
酸化ルテニウム系等が用いられ、750〜900℃で焼
成される。
保護体層8としては、低融点のガラスペースト等が好ま
しく用いられ、450〜800℃で焼成される。
このような製造方法により、多層セラミック回路基板が
製造される。
以下、本発明によりW、Mo等の高融点金属の酸化が防
止される機構を説明する。
高融点金属の酸化を防止するには、酸素の侵入を防止す
れば良いことは明らかである。Niメツキの緻密な膜は
この目的を良く果たすが、高温で表面が酸化され易い。
また、この酸化膜は電気を通し難く、導体の接続には不
向きである。このNiメツキ層の酸化は、高温の酸化性
雰囲気中で進行し、ついにW 9 M 。
に至り、WSMoが酸化され始める。Niの酸化を防ぐ
ためおよび導通を確実にするため、酸化され難いAgを
Niに溶着させるとNiの酸化はかなり防ぐことが出来
る。しかし、NiとAgとは合金化もしくは固溶し難く
、NiとAgとの境界はAg溶着後もかなりはっきりし
ている。また、Agは高温では多少酸素を通すため、高
温ではNiとAgの界面のNiが酸化され、くり返しの
焼成で、電気的接続が絶たれてしまう。試みに、W上に
直接Agと還元雰囲気で溶解して付着させると、WとA
gは完全に濡れて、W上にAgの緻密な膜が形成される
が、この構造では酸化性雰囲気中の焼成を1回通すのみ
で、Wは完全に酸化されてしまう。これにより、Ni膜
の有効性は明らかである。また、Agは表層のAgSA
g系の厚膜導体との接続を確実にするために有効である
そこで、この構造を改良し、Niの酸化膜等により、電
気的接続が断たれるのを防ぐ必要がある。
先ず、Niメツキ層が酸化され尽くして、酸化がWSM
oに到達することを防ぐには、Ni層を厚くすることが
考えられる。しかし、メツキによる手段のみでNi層を
厚くすることは、Niメツキ層とW層の間にストレスが
発生し、Ni層がW層より剥離するため難しい。一方、
Niメツキ上にNiペーストを用いてNi層を厚くする
ことも考えられる。現状では、Niペーストを用いて緻
密なニッケル層を形成することは困難であるが、焼結し
たNiペーストの個々のニッケル金属粒子が酸化される
ことによって酸素を捕えるので、酸化がNiメツキ層に
到達するのを遅らせることは可能であ−る。さらに、N
iメツキ層とAgとの境界のNiメツキ面が酸化され電
気的接続が絶たれるのを防ぐには、NiメツキとAgと
の境界を不明確にすることも有効であると考えられる。
この目的のためには、双方と固溶もしくは合金化し易い
金属を、NiとAgとの間にはさんで熱処理し、Niか
らNi−Pdの合金さらに、Ni−PdからPd−Ag
の合金と連続的に組成が変化する様にすることが有効で
ある。上述した様にNi層を厚くすること、およびNi
とAgとの境界を不明確にすることおよびNi金属粉体
を焼結させることによって、AgとNiの境界の面積を
増加させることも考慮して本発明は検討された。この結
果、Ni層と、Ag層の間にNi金属粉体とPd金属粉
体、およびAg金属粉体の混合体のペーストを用いるこ
とが有効であることがわかった。AgはNiおよびPd
の焼結温度や状態を制御し、さらに溶融Ag層を付着さ
せる時の濡れの改善に役立つ。Ni、PdおよびAgそ
れぞれの金属混合粉体を、前述した好ましい割合で含む
ペーストを調製し、これを用いてN1メツキ層と溶融A
g層の界面を接合することにより前述の理由から、Ni
メツキ面の酸化やWSMoの酸化が防止され、しかもW
またはMoからNiメツキ、N i / P d /A
gの層および溶融銀の層を通して、良好な電気的接続が
得られ、この接続は、厚膜ペーストの焼付けに必要な酸
化性雰囲気焼成をくり返した後も維持される。
ともあれ、この構造、材料、製法を用いることによりW
SMoを導体とし、アルミナを絶縁体とする多層構造体
の上に、市販されている厚膜用ペーストを用い、酸化性
雰囲気焼成された導体、抵抗体および絶縁体が形成され
、しかも高密度に多層化されたHIC基板を得ることが
出来る。
尚説明において、アルミナグリーンシート上にWSMo
等の導体ペーストを印刷し、この上にアルミナペースト
を用いて絶縁体を形成し、この導体印刷および絶縁体印
刷をくり返し、多層化して焼成する方式の多層体、およ
び複数枚のアルミナグリーンシートに穴をあけ、WSM
o等の導体を詰め、所望のパターンを印刷した後、この
穴を介して層間の導通がとれるように複数枚のグリーン
シートを積み重ね、熱圧着等により接着一体化を行なっ
た成形体を焼成して得られる多層体に本発明の工程を適
用したが、前2者の組み合わさった方法に適用しても同
様の効果が得′られるのは言うまでもない。
[実施例] 以下実施例および比較例により、本発明をさらに詳しく
説明する。
アルミナ(A J 203 ) 94wt%およびフラ
ックス成分として、Mg0SCabSSin2の合計が
6 w t%、アルミナとフラックス合わせて100w
t%の無機組成と、ポリビニルブチラール、可塑剤とし
てジオクチルフタレート、分散剤としてソルビタントリ
オレエート等のバインダーとしての有機成分および有機
溶剤としてエタノール、トルエン混合溶剤から調製、混
練されたスラリーを、公知のドクターブレード工法でキ
ャリアフィルム上にキャスティングして厚さ約0 、8
 mmのグリーンシートを形成した。
また、粒径1〜5μmのW金属粉体とエチルセルロース
、ターピネオール等を主成分としたビヒクルからWペー
ストを調製した。
上記アルミナグリーンシートを金型で73X49mmに
打ち抜き、このグリーンシート上に第2図(a)に示さ
れるようなW導体パターンを公知のスクリーン印刷法で
乾燥後約20μmになるよう印刷した。
この時、焼成後の寸法が第2図(a)のような所定の寸
法になるようにパターンは約1,2倍に拡大され印刷さ
れた。このWペーストを乾燥後、アルミナグリーンシー
トと同じ無機組成および有機成分であるビヒクルから調
製した、アルミナペーストで第2図(b)のような絶縁
層のパターンを乾燥後の厚さが約40amになるように
2層印刷し、乾燥後水素、窒素の比率が3=1〜1:l
O程度の露点が30から60℃で湿潤させた混合ガスの
還元雰囲気中で、約1550℃で焼成し内層1層の導体
を含む基板を得た。
この基板を、市販のNiボロン化学メツキ液でNiメツ
キし、約IOμmのNiメツキ膜(Bを約lνt%含む
)をW上に形成した。
さらにこのNiメツキ膜の上に、第1表に示されるよう
にNi−Pd−Ag組成を変量し、粒径0.1〜0.5
μmのNi金属粉末、粒径0.3〜0.8μmのPd金
属粉末および粒径0.3〜1.0μmのAg金属粉末を
金属組成とし、エチルセルロースおよびターピネオール
をビヒクルとして調製、混練したN i / P d 
/ A gペーストを3?!2図(c)に示されるパタ
ーンを用いて乾燥後に約20μmの厚さになるように印
刷し、乾燥後、約350℃で20分間予め脱バインダー
処理を行なった後、水素および窒素の比率が3=1から
 1:10程度の乾燥した混合ガス雰囲気中で約100
0℃で5分間熱処理をした。
さらにこの層の上に粒径0.3〜1.0μmのAg金属
粉末とアクリル樹脂およびブチルカルピトールアセテー
ト等の有機溶剤より成るビヒクルとを調製、混練して得
たAgペーストを乾燥後、約30μmになるように印刷
し、乾燥倹約350℃で20分181Pめ脱バインダー
処理を行なった後、水素および窒素の比率が3:lから
 1:10程度の乾燥した混合ガス雰囲気中で約100
0℃で約5分間Agを溶融した。
このようにして得られた基板上に、内層のタングステン
導体を全て直列に接続するように、市販のPt#J1%
を含有するA g / P を系ペーストで、第2図(
d)に示されるようなパターンを印刷し、850℃酸化
性雰囲気中で焼成した。この時の厚膜焼成炉の昇温カー
ブは大概第4図のようであった。
この後、第2図(d)の端子AB間の電気抵抗を測定し
た。また2回、3回焼成後の電気抵抗を調べた。これら
の得られた結果を第1表に示した。
比較例1〜2 実施例1〜17でのN i / P d / A gの
層形成を行なわず、また、溶融Agの代わりにpt約1
wt%を含むAg/PtまたはPd約5vt%を含むA
 g/P dを約1000℃〜1050℃で溶融させた
他は実施例1と同様にして試料を作成して測定した。
これらの得られた結果を第1表に示した。
実施例18 実施例1で用いた方法で、W内層5層を含む、94wt
%アルミナ多層基板を作成し、実施例4を作成するのに
用いたものと同じ組成のNi−Pd−Agペーストを用
いて酸化防止処理をアルミナ絶縁体開口部から、露出し
たW内部導体上に行なった。その後、この基板両面に前
記開口部と接続を取る様に、A g / P を系厚膜
導体ペーストを印刷焼成後この基板片面に、酸化ルテニ
ウム系抵抗ペースト(照栄化学■製、R−900ONシ
リーズ)を用いて抵抗体を形成して約850℃で焼成し
、その後、保護用のガラスペーストで必要な部分を保護
するパターンを印刷してから約500℃で焼成し、厚膜
導体、抵抗体を持つ両面の多層(表層含め7層)の基板
を作成した。この基板上に形成された抵抗体は、通常の
アルミナ96%の内層導体のない基板上に形成されたも
のと同じであった。第5図にこの基板の構造を模式的に
示した。
以上の実施例1〜17から明らかなように、850℃で
繰り返し焼成した場合、一定の範囲のNi−Pd−Ag
ペースト組成で良好な耐酸化性を示している。これらの
組成では、850℃での導体および抵抗体の繰り返し焼
成に対して充分酸化に耐えることを示している。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によればアルミナグリーン
シートやアルミナペーストおよびWやMo等の導体ペー
ストを用いて形成、焼成したメタライズ多層基板の表層
に、従来からアルミナ基板上に形成されている通常の混
成祿膜集積回路と同じ材料および手法を用いて導体、抵
抗体および保護体を含んだ厚膜回路が形成出来る。この
ため従来からのHIC基板では実現し得なかった小型化
、高密度化が導体配線の多層化および内層化により実現
され、またその特性も抵抗体の信頼性を含め、従来のH
IC用基板に劣らない。また、多量に使用する原料はア
ルミナやW%Mo等の比較的安価なものであり、層数の
増加によるコストの上昇を抑えることが可能であり、小
型化されたHIC基板を安価に供給することができ、工
業的に利用価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係る多層セラミック回路
基板の断面図、 第2図(a)は、導体層印刷パターン図、第2図(b)
は、絶縁層印刷パターン図、第2図(c)は、酸化防止
層印刷パターン図、第2図(d)は、厚膜導体層印刷パ
ターン図、第3図は、Ni−Pd−Ag合金組成の三角
図、第4図は、実施例1に係る厚膜焼成炉の昇温カーブ
を示す図、 第5図は、実施例18に係る多層セラミック回路基板の
断面図を示す。 1・・・アルミナグリーンシート、 2・・・高融点金
属層、 3・・・アルミナペースト印刷層、4・・・開
口部、 5・・・酸化防止層、 5a・・・Niメツキ
層、 5b・・・NL−Pd−Ag層、5C・・・Ag
またはAg合金層、 6・・・厚膜導体、7・・・抵抗
体、 8・・・保護体、 20・・・導体印刷パターン
図、 30・・・絶縁層印刷パターン図、50・・・酸
化防止層印刷パターン図、 60・・・厚膜導体層印刷
パターン図。 特許出願人 株式会社 ノリタケ カンパニーリミテド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.アルミナセラミックスを絶縁体とし、高融点金属を
    内部導体として構成した多層配線基板上に厚膜導体、抵
    抗体および保護体が酸化性雰囲気中で焼成、焼付けされ
    るセラミック厚膜回路基板の製造方法において、前記高
    融点金属層上にニッケルメッキを施し、その上にニッケ
    ル、パラジウムおよび銀の金属混合粉体と有機バインダ
    ー、有機溶剤を混練して得たペーストを印刷し、これを
    熱処理してニッケルメッキと接続した後、さらにこの上
    に銀または銀合金粉末と有機バインダーおよび有機溶剤
    から得たペーストを印刷後溶融し、この溶融接合された
    銀または銀合金上に厚膜導体、抵抗体および保護体を順
    次、印刷と酸化性雰囲気焼成を繰り返し形成することを
    特徴とする前記製造方法。
  2. 2.前記ニッケル、パラジウムおよび銀の金属混合粉体
    がNiは42〜83重量%、Pdは7〜43重量%、A
    gは10〜43重量%の範囲内で、しかもその重量組成
    比を各成分の3角図で示した場合に、各頂点(A〜E)
    の含有量(Ni:Pd:Ag)がそれぞれ、 A=83:7:10 B=45:43:12 C=42:24:34 D=49:8:43 E=60:7:33 であり、この各頂点によって結ばれた多角形の範囲に該
    金属混合粉体が包含される特許請求の範囲第1項記載の
    多層セラミック回路基板の製造方法。
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