JPH01105843A - 電波吸収用壁材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は電波吸収用壁材に係り、特に建物の外壁等に容
易に施工することができ、しかも電波を吸収して電波障
害の問題を解決する電波吸収用壁材に関する。

［従来の技術］ 土地の有効利用、建物の機能向上に伴い、都心部はもと
より地方都市においても建物が高層化し、高層建物によ
るテレビ（ＶＨＦ）電波ゴースト等の電波受信障害が大
きな社会問題として取り上げられている。

電波受信障害の原因の１つとして建物の壁面における電
波の反射が挙げられることから、従来より壁面における
電波反射の問題を改善するために電波吸収体を利用した
壁面材料の研究がなされている。

電波吸収体は、入射した電波を吸収し減衰させる物体、
あるいは入射した電波を殆ど反射させない物体をいい、
電磁エネルギーに対して損失を与える物質からできてい
る。電波吸収体にはカーボン、導電性繊維、フェライト
などがあるが、これらのうち、テレビ電波周波数帯域に
最も効果のある材料はフェライトである。

フェライトは酸化鉄に酸化ニッケル、酸化亜鉛などの金
属酸化物を混ぜて１２００℃前後で焼成したものとして
提供されており、粒子径６０μｍ以上のフェライト粒子
を含むフェライト板は、８０〜３５０ＭＨｚの周波数帯
で９９％以上の電波吸収特性を育する。

従来、このようなフェライト板等の電波吸収材を用いて
電波吸収壁を構成するには、第２図に示す如く、金属板
１１及びコンクリート１２を施工した面にフェライト板
等の電波吸収材１３を敷き並べて固定している。なお、
金属板１１は、電波吸収材１３を透過してきた電波を反
射し、再度該電波吸収材１３に入射させて吸収させるた
めに設けられている。また、第３図に示す如く、この電
波吸収材１３の上に更に表面仕上材１４を施工すること
も行なわれている。（フェライトは黒色で自由な色を付
すことができないため、第３図ではその上へ別の仕上げ
材を３ｆｉ工して美観の向上を図っている。） さらに、化粧板の背面に複数の脚片を突設し、この脚片
の間にフェライト系成形体を嵌着させるようにしたもの
も提案されている（特願昭６０−２８４３７２号）。

［発明が解決しようとする問題点］ 第２．３図の従来例においては、フェライト板とコンク
リートとの付着力が弱く、また温度変化により、膨張率
の相違からフェライト板がコンクリート面より剥離する
慣れがある。このため、フェライト板の施工にはアンカ
ーを取り付ける必要があり、施工作業が煩雑である。

しかも、前述の如く、フェライト板は黒色で、美観の面
からは別途表面仕上げ材を施工する必要があり、この点
からも非常に施工作業数が多くなり、施工コスト面にお
いても不利である。

特願昭６０−２８４３７２号によれば、フェライト成形
体の表側が化粧板で被われるから美感が良く、また脚片
がコンクリート層中に深く埋没するようにコンクリート
の打設を行なうことにより化粧板の取り付は強度をある
程度高めることができる。しかしながら、この化粧板の
背面にはフェライト成形体が介在されることになり、化
粧板とコンクリートとの直接的な接触面積が少ない。そ
のため、化粧板と打設されたコンクリートとの付着強度
もいま一つ不足したものとなるおそれがあった。また、
施工に際してもフェライト成形体を脚片間に嵌合させる
手間がかかっていた。

［問題点を解決するための手段］ 本発明の電波吸収用壁材は、表面層、電波吸収材層及び
裏面層が順次積層されてなる電波吸収用壁材である。こ
の電波吸収材層は該壁材の少なくとも１対の向かい合う
側端面に露″出するように設けられている。また、この
壁材の裏面は例えばアリ足を設けたり粗面加工を施した
りすることにより非平坦面とされている。

［作用］ 本発明の電波吸収用壁材は、表面層、電波吸収材層及び
裏面層が順次積層されており、それ自体に電波吸収材が
内蔵されている上に、表面層及び裏面層を有するため、
コンクリート等の躯体表面に取り付けるだけで容易に電
波吸収壁を施工することができ、電波吸収壁の施工作業
が大幅に軽減される。

また、この壁材の裏面は、例えば打設されたコンクリー
トやモルタル等に全面的に接することになり、しかも該
裏面は非平坦面となっているから、コンクリートやモル
タル等との付着強度も高い。従フて、本発明の電波吸収
用壁材は、これを壁面に極めて強固に取り付けるよう施
工することが可能である。

本発明の電波吸収用壁材では、電波吸収材層は壁材の少
なくとも１対の向かい合う側端面に露出するように設け
られているので、この露出面を互いに接触ないし導通さ
せるように複数枚の壁材を施工することにより、有効な
電波吸収壁を容易に形成することができる。

しかも、表面層、電波吸収材層及び裏面層の三層構造と
されているため、表面層と裏面層とを乾燥、焼成中にお
ける収縮率及び焼成素地の熱膨張率が近似したものとす
ることにより、壁材の反りの問題を解消することができ
る。

［実施例］ 以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する
。

第１１４（ａ）〜（Ｃ）は本発明の一実施例に係る電波
吸収用壁材の施工態様を示す図であって、各々、第１図
（ａ）は壁の厚み方向の断面図、第１図（ｂ）は第１図
（ａ）のＢ−Ｂ線に沿う断面図、第１図（Ｃ）は同Ｃ−
Ｃ線に沿う断面図である。

図示の如く、本発明の電波吸収用壁材１は、表面層２、
電波吸収材層３及び裏面層４が順次積層されてなるもの
であって、電波吸収材層３は壁材１の少なくとも１対の
向かい合う側端面１ａ。

１ｂに露出するように設けられている。また、この壁材
１の裏面は、例えば凹部７を設けること等により非平坦
面とされている。符号５は壁面のコンクリートであり、
６はコンクリート５を補強する金網、８は目地を示す。

このような本発明の電波吸収用壁材１は、第１図（ａ）
〜（Ｃ）に示す如く、電波吸収材層３が露出している端
面同志が接するように、複数枚の壁材１を連続してコン
クリート５や竿ルタル等により壁面に施工する。そして
、ＶＨＦ電波の波長分（通常３．５ｍ）以上の長さとな
るように電波吸収材層３を連続させ、第１図（ｂ）、（
ｃ）において、Ｊ２　Ｉ＋　ｆＬ　２　＋・・・・・・
＋　ｊ！　ｎが３．５ｍ以上となるように壁材１を連続
施工することによ一す、有効な電波吸収壁を形成するこ
とができる。壁面に達した電波はこの連続する電波吸収
材層にて効果的に吸収される。この場合、電波吸収材層
３はこれを鉛直方向に連続させることにより垂直偏波を
吸収させることができる。

本発明の電波吸収用壁材１は、電波吸収材層３の面積に
より電波吸収能が大きく左右する。有効な電波吸収能を
得るためには、壁材１の端面１ａ、１ｂの幅Ｗ＋に対す
る電波吸収材層３の幅Ｗ２は、 とするのが好事しく、特に目地８の幅を考慮して、 Ｗ　２　／　Ｗ　＋　　≧　０．７ であることが好ましい。また、電波吸収材層３の厚さに
ついては特に制限はないが、一般には、全厚さｄｌが１
５〜２５ｍｍの壁材であれば電波吸収材層３の厚さｄ２
は８〜１０ｍｍ程度であることが好ましい。この場合、
表面層２及び裏面層４の厚さは共に５．０〜８．０ｍｍ
程度とするのが好ましい。

本発明において、電波吸収材層３の電波吸収材としては
、Ｎｉ−Ｚｎフェライト等のフェライト粉体等を用いる
のが好ましい。

一方、表面層２及び裏面層４は、同一素材のものであっ
ても異素材のものであっても良いが、壁材１の反りを確
実に防止するために、表面層２に用いる材料と裏面層４
に用いる材料とは乾燥、焼成中における収縮率及び焼成
素地の熱膨張率が近似していることが好ましい。また、
表面層２に用いる材料の収縮率Ａ及び裏面層４に用いる
材料の収縮率Ｃは、各々、電波吸収材層３の収縮率Ｂに
対して ０．９Ｃ＜Ａ＜１．ＩＣ ０，８Ｂ＜Ａ、Ｃ＜１．２Ｂ であることが好ましく、特に Ａ＝Ｃ＝Ｂ であることが好ましい。このように、表面層２、電波吸
収材層３及び裏面層４の三層間の収縮率を合わせるため
に、電波吸収材層３の材料、例えばフェライト粉体は予
め必要な温度で仮焼しておくことが好ましい。

なお、第１図（ａ）〜（Ｃ）に示す電波吸収用壁材１は
、本発明の一実施例であって、本発明は何ら図示のもの
に限定されるものではない。

例えば、第１図（ａ）〜（Ｃ）においては、電波吸収材
層３は、壁材１の１対の側端面においてのみ露出するよ
うに設けられているが、本発明において、電波吸収材層
３は壁材１の全側面に露出するように設けても良い。

また、壁材１の裏面には、コンクリート５等の施工面と
の接合強度向上のための凹部７が形成されているが、凹
部７の代わりにアリ足のような凸部を設けても良く、か
かる凹部と凸部を両方設けても良い。また、適宜の粗面
化処理を施すことにより壁材１の裏面を非平坦とするよ
うにしても良い。

本発明においては、表面層２と電波吸収材層３との境界
面や電波吸収材層３と裏面層４との境界面に凹凸を形成
することにより、これらの眉間における剥離等を確実に
防止できるようになる。

このような本発明の電波吸収用壁材１は、例えば第４図
（ａ）〜（ｎ）に示すような方法により容易に製造され
る。

第４図（ａ）〜（ｎ）は本発明の電波吸収用壁材の成形
工程の一例を説明する図であり、第４図（ａ）〜（ｇ）
は断面図、第４図（ｈ）〜（ｎ）は平面図を示すもので
ある。

まず、第４図（ａ）の上型２１、枠２２ａ及び下型２２
よりなる成形型、３ｆ！類の原料、即ち、裏面層４用の
粉体材料２３ａ、電波吸収材層３用の粉体材料２４ａ、
表面層２用の粉体材料２５ａを準備し、これを各々、同
（ｈ）の如く、粉体入れ２３．２４．２５に充填する。

　　□まず、粉体入れ２３を移動させて粉体２３ａを下
型２２内に充填する（同（ｉ）、（ｂ）、（ｊ））。次
いで下型２２の底面部を下げ（同（ｃ））、粉体入れ２
４を移動させて粉体２４ａを下型２２内に充填する（同
（ｋ）、（ｄ）、（１））。この時、粉体２４ａを型内
全面に充填するならば、壁材の全側端面に電波吸収材層
が露出したものが得られ、両わきを残して充填した場合
には、第１図（ａ）〜（Ｃ）に示すような１対の対向す
る側端面のみに電波吸収材層が露出しているものが得ら
れる。更に、再び下型２２の底面部を下げ（同（ｅ））
、粉体入れ２５を移動させて粉体２５ａを下型２２内に
投入する（同（ｍ）、（ｆ）、（ｎ））。最後に上型２
１を下降させて乾式プレスして成形する（同（ｇ））。

図示の方法において、粉体２３ａ、２４ａ、２５ａの投
入量、即ち得られる壁材の各層の厚さは、下型２２の底
面部の下げ具合により容易に調整することができる。

第４図（ａ）〜（ｎ）に示すような方法で乾式プレス成
形された成形体は、表面層、電波吸収材層、裏面層の各
層が一体に成形されたものであり、通常の方法に従って
、ローラーハースキルンやトンネルキルン、迅速焼成炉
等の焼成炉に入れて１１５０〜１２５０℃程度で焼成す
ることにより本発明の電波吸収用壁材とすることができ
る。

本発明の電波吸収用壁材は、建物の外壁等に施工するこ
とにより、到来した電波を吸収して電波反射障害を防止
するものであるが、本発明の電波吸収用壁材は、外壁の
みならず、内壁材、天井材、床材としても用いることが
でき、電波を効果的に吸収する。

［発明の効果］ 以上詳述した通り、本発明の電波吸収用壁材は、壁材そ
のものに電波吸収材を内蔵するものであり、しかもその
裏面が非平坦面とされているため、コンクリート等の施
工面に容易かつ強固に施工することが可能で、表面仕上
げ等の必要もない。このため施工作業は大幅に簡略化さ
れる。

また、電波吸収に有効な任意の長さめ電波吸収層を壁材
を連続施工することにより容易に形成することができ、
電波反射によるゴースト現象等の電波障害を確実に防止
することができる。

しかも、本発明の電波吸収用壁材は表面層、電波吸収材
層及び裏面層の三層構造であるため、これらの材料を選
択することにより、壁材の反りの問題を解消することが
できるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）〜（Ｃ）は本発明の一実施例に係る電波吸
収用壁材の施工態様を示す図であって、各々、第１図（
ａ）は側面図、第１図（ｂ）は第１図（ａ）のＢ−Ｂ線
に沿う断面図、第１図（Ｃ）は同Ｃ−Ｃ線に沿う断面図
である。第２図及び第３図は、各々、従来の電波吸収壁
を示す断面図、第４図（ａ）〜（ｎ）は本発明の電波吸
収用壁材の製造方法を説明する図であり、（ａ）〜（ｇ
）は断面図、（ｈ）〜（ｒｌ）は平面図である。 、１・・・電波吸収用壁材、　２・・・表面層、３・・
・電波吸収材層、　　４・・・裏面層。 第１図 （ｂ） 第４図 （ａ）　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｈ）（Ｃ
）　　　　　　　　　（ｊ） 第４図 （ｅ）（夕） （ｆ） ４図 （ｍ） （ｎ）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）表面層、電波吸収材層及び裏面層が順次積層され
   てなる電波吸収用壁材であって、電波吸収材層は該壁材
   の少なくとも１対の向かい合う側端面に露出するように
   設けられ、かつ該壁材の裏面は非平坦面とされているこ
   とを特徴とする電波吸収用壁材。