JPH0110208Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、記録装置（プリンタ）に係り、特に
コンピユータ、ワードプロセツサ、フアクシミリ
等のデイジタル式情報処理装置に於てハードコピ
ーを製作する出力用プリンタとして用いられる感
熱式の記録装置に係る。

上述の如きデイジタル式情報処理装置の出力用
プリンタとして用いられる記録装置として、感熱
式の記録装置があり、感熱発色式のものと熱転写
式のものとが従来より良く知られている。感熱式
記録装置は、何れの方式のものもインパクト方式
の記録装置とは異つて大きい印字音を生じること
がなく、静粛性に優れていると云う事務機器にと
つて大きい利点を備えている。しかし、発熱式の
ものは、熱発色する特殊紙を必要とし、普通紙の
使用が不可能であると云う欠点を有しており、熱
転写式のものは、多くの場合、その記録画像に経
年変化による変退色、はがれが生じ易く、耐久性
のあるハードコピーを製作することが難しく、ま
た従来のものは何れの方式のものも画像形成方式
からして解像度が高い記録画像を製作することが
難しい。

本考案は、感熱式記録装置の特徴である静粛性
を有し、しかも耐久性及び解像度が高い記録画像
を有するハードコピーを製作することができるコ
ンパクトな記録装置を提供することを目的として
いる。

かかる目的は、本考案によれば、走査駆動され
るよう設けられたキヤリヤと、前記キヤリヤに設
けられ感熱性孔版原紙を点状に溶融穿孔して前記
感熱性孔版原紙を穿孔画像を形成するサーマルヘ
ツドと、前記キヤリヤに設けられ前記感熱性孔版
原紙の一方の面に摺接してこれに印刷インキを供
給するインキ供給ローラを有している如き孔版式
記録装置によつて達成される。

かかる構成によれば、サーマルヘツドによつて
感熱性孔版原紙に感熱式にドツトマトリツクスの
穿孔画像が形成され、該感熱性孔版原紙を用いて
インキ供給ローラにより記録用紙に孔版印刷が行
われる。この記録装置に用いられる記録用紙は普
通紙であつて良く、また印刷インキが適宜に選定
されることにより種々の材質の記録用紙に対し高
品質の永久的な記録画像を付与することができ
る。この記録装置に用いられる印刷インキは一般
的な孔版印刷用インキであつて良く、該インキに
よる画像は、周知の如く、変退色、はがれを生じ
難く、永久的で安定している。

以下に添付の図を参照して本考案を実施例につ
いて詳細に説明する。

第１図は本考案による孔版式記録装置の一つの
実施例を示す概略斜視図、第２図は第１図に示さ
れた本考案による孔版式記録装置による概略正面
図である。図に於て、１はキヤリヤを示してお
り、該キヤリヤは二本のガイドバー２，３により
その軸線方向に、即ち図にて左右方向に往復動可
能に支持されている。

キヤリヤ１には駆動ベルト４が連結されてい
る。駆動ベルト４はガイドバー２，３の両端近傍
部に配設されたスプロケツト５，６間に掛渡され
て無端状をなし、スプロケツト５が電動機７によ
つて時計廻り方向及び反時計廻り方向に選択的に
駆動されることによりキヤリヤ１をガイドバー
２，３に沿つて往復駆動、即ち副走査方向に走査
駆動するようになつている。

キヤリヤ１にはサーマルヘツド８が取付けられ
ている。サーマルヘツド８は、図には示されてい
ないが、その下底面に点状先端部を有する複数個
の発熱素子をキヤリヤ１の走査方向に対し直交す
る方向（主走査方向）に一列に有し、前記発熱素
子の各々に図示されていない制御装置より電気信
号がコード９を経て選択的に供給されることによ
り各発熱素子が選択的に発熱するようになつてい
る。

キヤリヤ１にはその走査方向で見てサーマルヘ
ツド８の一方の側にインキ供給ローラ装置１０が
取付けられている。インキ供給ローラ装置１０
は、支持軸１１によつてキヤリヤ１より支持され
たローラ支持体１２と、ローラ支持体１２により
サーマルヘツド８の発熱素子の配列方向に平行な
軸線周りに回転可能に取付けられた三本のインキ
含浸ローラ１３，１４，１５とを有しており、キ
ヤリヤ１に取付けられた切換ダイヤル１６が操作
されることによりローラ支持体１２が回転し、前
記三本のインキ含浸ローラのうちの一本が選択的
に使用されるようになつている。三本のインキ含
浸ローラ１３〜１５は各々スポンジの如く印刷イ
ンキを含浸保持する材料より構成され、この三本
のインキ含浸ローラは各々異つた色の孔版印刷用
インキ或いは適用用紙が異つた種類が違う孔版印
刷用インキを各々含浸していれば良い。孔版印刷
用インキは、インキ含浸ローラに含浸されている
時には乾燥凝固しないが、用紙に付着すれば浸透
乾燥等により速乾性を示す種類のものであること
が好ましく、これには例えば不乾性エマルジヨン
インキがある。

サーマルヘツド８の下方にはその移動方向に沿
つて延在するプラテン部材１７が設けられてい
る。プラテン部材１７の一端近傍には帯状の感熱
性孔版原紙Ｓをロール状に巻装貯容した原紙貯容
リール１８が設けられている。またプラテン部材
１７の他端近傍には感熱性孔版原紙Ｓを巻取る原
紙巻取りリール１９が設けられており、該原紙巻
取りリール１９は電動機２０によつて選択的に図
にて反時計廻り方向に回転駆動されるようになつ
ている。

感熱性孔版原紙Ｓは、原紙貯容リール１８より
繰り出され、案内ローラ２１及び２２に案内され
てキヤリヤ１とプラテン部材１７との間をキヤリ
ヤ１の走査方向に沿つて延在している。感熱性孔
版原紙Ｓは、ポリエチレン・テレフタレート、ポ
リプロピレン等よりなる厚さ数ミクロン程度の延
伸された熱可塑性（熱溶解性）フイルムであつて
良い。

感熱性孔版原紙Ｓとキヤリヤ１との間には記録
用紙Ｐが設けられている。記録用紙Ｐは図示され
ていない紙送り装置によりキヤリヤ１の走査方向
に対し直交する方向に、即ち主走査方向に一行分
ずつ間歇送りされるようになつている。

尚、感熱性孔版原紙Ｓは、第２図に示されてい
る如く、サーマルヘツド８とインキ含浸ローラ１
３〜１５により記録用紙Ｓに押付けられ、サーマ
ルヘツド及びインキ含浸ローラに対応しない部分
は記録用紙Ｓより少し浮上つている。

次に上述した構成よりなる孔版式記録装置の作
用について説明する。

記録（印字）開始時には、キヤリヤ１はガイド
バー２，３の図にて左端のホームポジシヨンに戻
され、またプラテン部材１７上には新しい感熱性
孔版原紙Ｓがセツトされており、この状態にて図
示されていない制御装置よりコード９を経てサー
マルヘツド８の複数個の発熱素子の各々に電気信
号が与えられられると同時に電動機７が作動し、
キヤリヤ１が前記ホームポジシヨンより図にて左
方へ走査移動を開始する。これによりサーマルヘ
ツド８は副走査方向に走査しつつその複数個の発
熱素子により感熱性孔版原紙Ｓを点状に溶融穿孔
し、感熱性孔版原紙Ｓにドツトマトリツクス式の
穿孔画像を形成する。またキヤリヤ１の走査移動
に伴つてインキ供給ローラ装置１０もサーマルヘ
ツド８の像を追うように副走査方向に移動し、三
本のインキ含浸ローラ１３〜１５のうち選択され
た一本のローラが感熱性孔版原紙Ｓ上を所定の圧
力をもつて転動する。このインキ含浸ローラの転
動により該ローラが含浸している孔版印刷用イン
キが感熱性孔版原紙Ｓに形成された穿孔画像の穿
孔部を経て記録用紙Ｐ上に付着する。孔版印刷用
インキによつて記録用紙Ｐ上に印刷画像が形成さ
れる。

キヤリヤ１がガイドバー２，３の右端にまで移
動すると、一行分の印字が完了する。

一行分の印字が完了すると、電動機２０が駆動
され、一行分の穿孔画像を形成された使用済の感
熱性孔版原紙Ｓが巻取りリール１９に巻取られ、
これに伴いプラテン部材１７上には再び穿孔画像
を形成されていない新しい感熱性孔版原紙Ｓがセ
ツトされる。尚、この時には、第２図に仮想線で
示されている如く、サーマルヘツド８とインキ含
浸ローラ１３は共に記録用紙Ｐより離れた位置に
あり、感熱性孔版原紙Ｓが記録用紙Ｐより浮上つ
て離間しているので、感熱性孔版原紙Ｓが上述の
如く移動しても、これによつて記録用紙Ｐの印刷
画像が擦られることがなく、この時にその印刷画
像がまだ完全に定着していなくてもその印刷画像
が破壊されることがない。

次に記録用紙Ｐが図示されていない紙送り装置
により主走査方向に一行分送られ、これと同時に
或いは紙送り終了後にキヤリヤ１が前記ホームポ
ジシヨンに戻され、以降上述の如き作動が繰返さ
れることにより記録用紙Ｐに複数行に亙る印刷画
像が形成される。

尚、孔版印刷のためのインキ供給ローラは、イ
ンキ含浸型のものに限定されるものではなく、イ
ンキ供給手段によつて孔版印刷用インキを供給さ
れるものであつても良い。またインキ供給ローラ
の切換は手動ではなく、制御装置よりの信号によ
り自動的に行われても良い。

上述の如く、本考案による孔版式記録装置は、
孔版印刷によつて記録用紙に孔版印刷用インキに
よる画像を形成し、その孔版印刷のための孔版原
紙を感熱式に製版するから、騒音を生じることな
く、解像度が高い鮮明な印刷画像による経年変化
がない記録を普通紙に行うことができ、また感熱
製版を行うサーマルヘツドと孔版印刷のために印
刷インキを供給するインキ供給ローラとが一つの
走査キヤリヤにその走査方向に沿つて設けられて
いるから、キヤリヤの一回の走査移動によつて製
版と印刷とを迅速に行うことができ、また構造が
簡単であるという利点を備えている。

以上に於ては、本考案を特定の実施例について
詳細に説明したが、本考案は、これに限定される
ものではなく、本考案の範囲内にて種々の実施例
が可能であることは当業者にとつて明らかであろ
う。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による孔版式記録装置の一つの
実施例を示す斜視図、第２図は第１図に示された
本考案による孔版式記録装置の概略正面図であ
る。 １……キヤリヤ、２，３……ガイドバー、４…
…駆動ベルト、５，６……スプロケツト、７……
電動機、８……サーマルヘツド、９……コード、
１０……インキ供給ローラ装置、１１……支持
軸、１２……ローラ支持体、１３〜１５……イン
キ含浸ローラ、１６……切換ダイヤル、１７……
プラテン部材、１８……原紙貯容リール、１９…
…原紙巻取りリール、２０……電動機、２１，２
２……案内ローラ、Ｓ……感熱性孔版原紙、Ｐ…
…印刷用紙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走査駆動されるよう設けられたキヤリヤと、前
   記キヤリヤに設けられ感熱性孔版原紙を点状に溶
   融穿孔して前記感熱性孔版原紙に穿孔画像を形成
   するサーマルヘツドと、前記キヤリヤに設けられ
   前記感熱性孔版原紙の一方の面に摺接してこれに
   印刷インキを供給するインキ供給ローラとを有し
   ている孔版式記録装置。