JPH0511035B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、面サーマルヘツドを有したサーマル
プリンタの印字駆動機構に関する。

〔従来の技術〕

サーマルプリンタにおいては、発熱素子を有し
たサーマルヘツドによつてインクドナーリボンの
インクを部分的に加熱溶融して印字用紙に付着さ
せることにより画像を形成している。

その方法としては、縦に９、18あるいは24のド
ツトを有したサーマルヘツドを横方向にスペーシ
ングして印刷するシリアル型と、行一列にドツト
を有したラインサーマルヘツドにより用紙の行送
りによつて印刷するライン型がある。

そこで、従来のカラー印刷を行なうシリアル型
のサーマルプリンタのおいては、複数色によつて
構成するインクドナーリボンをサーマルヘツドの
スペーシング方向に複数回走行させると共に、そ
の度毎にサーマルヘツドが選択的にインクドナー
リボンを部分的に加熱溶融して多色による画像を
印字用紙上に形成している。

この為に、サーマルヘツドのスペーシング、イ
ンクドナーリボンの走行および印字用紙の走行の
ように、３者は相対的に複数回位置を移動する機
構となつている。

〔発明が解決しようとする問題〕

これは、３〜10μｍの薄いインクドナーリボン
とサーマルヘツドとの間の摺りによる摩擦を生じ
させ易く、それによつてインクドナーリボンにシ
ワや破れおよび伸び等の不安定な減少を発生させ
る。

また、カラー印刷の場合には、そのサーマルヘ
ツドのドツト密度、すなわち印刷の分解能で行な
われる複数色のカラーの転写合成の精度仕上がり
に直接関係するため、前記した複数回繰り返えさ
れるサーマルヘツドと印字用紙の相互の位置制御
が必要となり、その制御精度は極めて難しいもの
である。

その精度確保を概略的に述べると、サーマルヘ
ツド送りの精度出しの機構とその伝達部材の精度
や駆動モータの制御およびフイードバツク制御に
よる精度確保、並びに印字用紙送りにおける各種
フイードローラの径精度やスキユに対する修正機
構による精度確保によつて行なつている。

このことにより、従来はサーマルヘツドと印字
用紙の相互位置を決定するには前記した各機構の
精度や部品の精度並びに動きの精度等のように難
しい多くの精度を必要とする欠点を有すると共
に、装置が複雑化する欠点を有していた。

加えて、前記したインクドナーリボンとサーマ
ルヘツドの摺動から生じるインクトナーリボンの
シワや破損および伸び等の発生原因を有する欠点
もあつた。

〔問題点を解決するための手段〕

前記問題点を解決するために本発明は、発熱素
子を一画面にわたり縦、横に配列した面サーマル
ヘツドと、面サーマルヘツドに対向配置されたサ
ーマルヘツドの縦幅と同幅もしくは同幅以上の感
熱インクシートと、感熱インクシートを給送可能
に収納したリボンフレームと、感熱インクシート
を横方向に給送するインクシート給送機構と、感
熱インクシートのインクが転写される用紙と、用
紙を縦方向へ給送する用紙給送機構と、面サーマ
ルヘツドと同形、同大の押圧マツトと、用紙およ
び押圧マツトを互いに対向させて収納するペーパ
カートリツジと、押圧マツトを用紙および感熱イ
ンクシートを介して面サーマルヘツドに圧接する
マツト駆動機構とを設け、前記リボンフレームと
ペーパカートリツジを一体にし、感熱インクシー
トが面サーマルヘツドに対向するように配設した
ものである。

〔作用〕

本発明によれば、感熱インクシートを収納した
リボンフレームと用紙および押圧マツトを収納し
たペーパカートリツジを一体にし、これを面サー
マルヘツドに対向させて位置付ける。このとき感
熱インクシートが面サーマルヘツド側になるよう
に位置付ける。この状態でマツト駆動機構により
押圧マツトを押圧し、用紙を感熱インクシートを
介して面サーマルヘツドに圧接させる。これによ
り、面サーマルヘツド、感熱インクシートおよび
用紙が互いに密着するので、この状態で面サーマ
ルヘツドの発熱素子を選択的に発熱させて、１画
面の印字を行う。したがつて印字中においては、
用紙、感熱インクシートおよび面サーマルヘツド
とが互いに相対的に移動することがない。したが
つて、面サーマルヘツドと用紙との相対的位置決
めにおいて、複雑な精度出しを行う必要がなく、
また感熱インクシートも移動させないことから感
熱インクシートのシワや破損が発生しない。

〔実施例〕

以下に、前記のように目的と概要を特徴した本
発明の２実施例を図面の基づいて説明する。

第１図は本発明の第１実施例を示す分解斜視
図、第２図はその組立てた状態の斜視図である。

図において、１は一頁に対応する発熱素子を有
した面サーマルヘツド、１ａはその熱印加面、１
ｂはそのコネクタ、２はコネクタ１ｂに接続した
制御部であり、該制御部２はメモリ、ドライバ、
マイコン等を内蔵しており面サーマルヘツド１の
熱印加面１ａを制御すると共に、装置全体の作動
も制御する。

３は用紙一頁分の巾を有し複数色帯域構成によ
るロール状の感熱インクシート、３ａ，３ｂはそ
の色帯を区別するマーク、４はマーク３ａ，３ｂ
を検出する検出器、５は感熱インクシート３およ
び検出器４を収納するリボンフレーム、６はリボ
ンフレーム５に収納され感熱インクシート３を走
行するモータであり、該モータ６は前記制御部２
と接続してその制御によつて回転駆動する。すな
わち、検出器４による感熱インクシート３のマー
ク３ａ，３ｂの検出が制御基準となる。このよう
にして、感熱インクシート３の部分はユニツト化
されている。

７は一頁毎に分離されたカツト紙、８はカツト
紙７を収納するペーパカートリツジ、９はペーパ
カートリツジ８の底部に設けた押圧マツト、１０
は押圧マツト９の裏部に当接し、押圧マツト９を
概略水平に上昇し押圧マツト９上の印字用紙７の
面全体を感熱インクシート３を挾持して面サーマ
ルヘツド１へ概水平に押圧するクランクレバー、
１１はこのクランクレバーを駆動ソレノイド１２
と連結するリンク、１３はペーパカートリツジ８
に収納したカツト紙７の端部上面に当接するペー
パフイードローラ、１４はクランクレバー１０を
ソレノイドの水平方向の動作を垂直方向に転換す
るためのピボツトシヤフト、１５はペーパフイー
ドローラ１３を回転するモータである。印字用紙
の収納部は、このようにユニツト化されている。
このように、本発明では面サーマルヘツド１と
それに対応するカツト紙７をペーパカートリツジ
８に収納して、両者は位置規定をして固定されて
いる。そして、前記各ユニツトは装置に対して容
易に取外しができるようになつている。

第１実施例は、前記のように構成されており、
次にその動作を説明する。

まず制御部２は、ソレノイド１２の解放により
押圧マツト９を押下げているので、カツト紙７は
感熱インクシート３に当接していない。従つて、
感熱インクシート３は面サーマルヘツド１とカツ
ト紙７の両方に対して自由に移動できる状態とな
つている。すなわち、非印字時である。

この状態から、制御部２がモータ６を回転し、
高熱インクシート３を走行させ、検出器４でマー
ク３ａからマーク３ｂを検出して黄色インクを選
定して、その走行を停止させる。

次に、制御部２はソレノイド１２を作動させ
る。これで、クランクレバー１０が押圧マツト９
に作用してそれを上方へ動かす。

上方へ移動した押圧マツト９はペーパカートリ
ツジ８に収納したカツト紙７を略水平に上方へ押
圧移動させて、カツト紙７の上面部を感熱インク
シートに当接させる。

この状態が完了すると、制御部２は前記したよ
うにカツト紙７と感熱インクシート３の当接面に
対し、面サーマルヘツド１の熱印加面１ａを黄色
印字データに従つて、その発熱素子を選択加熱
し、感熱インクシート３の黄色インクを溶融させ
てカツト紙７に転写する。

これで、一頁分の黄色インクの印字が終了す
る。

次に、前記のようにして感熱インクシート３の
走行を行なつて、今度は青色インクの色帯を選定
して面サーマルヘツド１に対向させた後、押圧マ
ツト９を作動しながら、青色印字データによつて
該当の発熱素子を選択発熱させる。これにより、
カツト紙７の全域には青色インクが転写される。

同様にして、赤色インクの印字が終了するとカ
ツト紙７に対する１頁分の全カラー印字は終了す
ることとなり、モータ１５によつてフイードロー
ラ１３を回転してカツト紙７を装置外へ排出す
る。

前記第１実施例では、カツト紙７を用いた場合
において説明したが、ロール紙においても同様に
利用することができるので、次にそれを第２実施
例として第３図を用い説明する。尚、前記第１実
施例と同一部品においては図面に同一符号で示す
こととして、その説明は省略する。

１６はロール紙、１７はペーパカートリツジ８
の端部に設けたロール紙１６を装着するロール
芯、１８はペーパナイフ、１９はその台、２０は
ペーパナイフ１８を動かすマグネツトである。

このように、ペーパカートリツジ８にロール紙
１６を装着して、該ロール紙１６を押圧マツト９
上を介してペーパナイフ１８と台１９との間から
装置外部へと配置することによつて、前記第１実
施例と同様にロール紙１６上に１頁分のカラー印
字を行なうことができる。

１頁分のカラー印字が終了すると、モータ１５
によつてペーパフイードローラ１３を回転して１
頁分のローラ紙１６を装置外へと排出すると共
に、マグネツト２０の吸引によつてペーパナイフ
１８を台１９へと押圧して介在するロール紙１６
を切断するのである。

なお押圧マツトの印字用紙当接面は軟質ウレタ
ン・ゴム、ソフラン等で、裏面は硬質の面版とな
つている。

〔発明の効果〕

以上、詳細に説明したように本発明では面サー
マルヘツドと、それに対応する幅で走行する感熱
インクシートの各色体を検出できるようにリボン
フレームに収納してインクリボン部をユニツト化
すると共に、印字用紙においても印字時には感熱
インクシートに当接し非印字時には感熱インクシ
ートから離反するようにペーパカートリツジに収
納してユニツト化したので、従来のようにサーマ
ルヘツドと印字用紙は印字中に移動する構成では
なく、固定配置した面サーマルヘツドに対応して
印字用紙もペーパカートリツジによつて固体配置
できるので印字中の両者の位置精度の確保を従来
に比べて容易に、かつ正確に行なうことができカ
ラー印字の色ずれや混色を防止する効果や印字用
紙の感熱インクシートへの押圧当接によつてイン
クの転写効率を良くする効果もあり、印字品質を
向上させることができる。

そして、感熱インクシートは面サーマルヘツド
と印字用紙から離して走行を行なうので、従来の
ようなシワや破損および伸等の支障もなく安定し
た良好な走行となる効果も有している。

更に印字用紙を面サーマルヘツド側に押圧する
押圧マツトは面板が垂直な動作のみするように規
制されているため、印字用紙が薄くなつても、シ
ワの発生を起こさず、面サーマルヘツドの発熱素
子に対する印字用紙の精度を確保することにおい
ても有効である。

更に、感熱インクシート部および印字用紙部の
収納部のユニツト化によつて装置全体を単純化す
る効果と共に、各ユニツトの装置からの取外しに
よつて感熱インクシートや印字用紙の交換を容易
にする効果も有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例を示す概略分解斜
視図、第２図は同組立状態の斜視図、第３図は第
２実施例を示す概略分解斜視図である。 １……面サーマルヘツド、３……ロール状感熱
インクシート、５……リボンフレーム、７……カ
ツト紙、８……ペーパカートリツジ、９……押圧
マツト、１０……クランクレバー、１１……リン
ク、１２……ソレノイド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 発熱素子を一画面にわたり縦、横に配列した
   面サーマルヘツドと、 面サーマルヘツドの縦幅と同幅もしくは同幅以
   上の感熱インクシートと、 感熱インクシートを給送可能に収納したリボン
   フレームと、 感熱インクシートを横方向に給送するインクシ
   ート給送機構と、 感熱インクシートのインクが転写される用紙
   と、 用紙を縦方向へ給送する用紙給送機構と、 面サーマルヘツドと同形、同大の押圧マツト
   と、 用紙および押圧マツトを互いに対向させて収納
   するペーパカートリツジと、 押圧マツトを用紙および感熱インクシートを介
   して面サーマルヘツドに圧接するマツト駆動機構
   とを設け、 前記リボンフレームとペーパカートリツジを一
   体にし、感熱インクシートが面サーマルヘツドに
   対向するよう配設したことを特徴とするサーマル
   プリンタ。