定義
本書で使用される場合、以下の単語及び語句は、概して、それらが使用される文脈において別段の記載がある場合を除き、下記の意味を有することが意図される。
本出願を通して、文脈で別段の指示がない限り、式(I)の化合物への言及は、式(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)などの本書で定義される式(I)の全てのサブグループを含み、本書で定義及び/または説明される全ての下部構造、亜属、選好、実施形態、実施例、及び特定の化合物を含む。式(I)の化合物及びそのサブグループ、例えば式(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)への言及は、それらのイオン形態、多形体、擬多形体、非晶形態、溶媒和物、共結晶、キレート、異性体、互変異性体、酸化物(例えば、N-酸化物、S-酸化物)、エステル、プロドラッグ、同位体及び/または保護形態が挙げられる。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物及びそのサブグループ、例えば、式(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)への言及は、それらの多形体、溶媒和物、共結晶、異性体、互変異性体、及び/または酸化物を含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物及びそのサブグループ、例えば、式(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)への言及は、それらの多形体、溶媒和物、及び/または共結晶を含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物及びそのサブグループ、例えば、式(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)への言及は、それらの異性体、互変異性体、及び/または酸化物を含む。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物及びそのサブグループ、例えば式(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)への言及は、それらの溶媒和物を含む。
「アルキル」は、示された数の炭素原子、例えば、1~20個の炭素原子、または1~8個の炭素原子、または1~6個の炭素原子を有する、直鎖及び分枝鎖の炭素鎖を包含する。例えば、C1-6アルキルは、1~6個の炭素原子の直鎖アルキル及び分枝鎖アルキルの両方を包含する。特定の数の炭素を有するアルキル残基が名づけられるとき、その数の炭素を有する全ての分枝鎖バージョン及び直鎖バージョンが包含されることが意図される。よって、例えば、「プロピル」にはn-プロピル及びイソプロピルが含まれ、「ブチル」にはn-ブチル、sec-ブチル、イソブチル及びt-ブチルが含まれる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、及び3-メチルペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
値の範囲が指定されている場合(例えば、C1-6アルキル)、その範囲内の各値、ならびにその間にある全ての範囲が含まれる。例えば、「C1-6アルキル」には、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1-6、C2-6、C3-6、C4-6、C5-6、C1-5、C2-5、C3-5、C4-5、C1-4、C2-4、C3-4、C1-3、C2-3、及びC1-2アルキルが含まれる。
「ハロゲン」または「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを指す。
「ハロアルキル」は、本書で定義されるアルキル部分を指し、アルキル部分中の水素原子のうちの1つ以上が、1つ以上の独立して選択されるハロ部分によって置き換えられる。ハロアルキル部分の例としては、限定されないが、-CH2F、-CHF2、-CF3、-CH2-CH2Cl、-CH2-CHCl2、-CH2-CCl3、及び-CHF-CH2Clが挙げられる。
「シクロヘキシル」は、
部分を指す。
別段の記載がある場合を除き、本書で開示及び/または記載される化合物は、全ての可能な鏡像異性体、ジアステレオマー、メソ異性体及び他の立体異性体形態を含み、任意選択により、それらのラセミ混合物、光学的に純粋な形態、及び中間混合物を含む。鏡像異性体、ジアステレオマー、メソ異性体、及び他の立体異性体形態は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製され得るか、または従来の技法を使用して分割され得る。別段の指定がない限り、本書で開示及び/または記載される化合物がオレフィン二重結合または他の幾何不斉中心を含有する場合、化合物は、E異性体及びZ異性体の両方が含まれることが意図される。本書に記載される化合物が互変異性化可能な部分を含有する場合、別段の指定がない限り、その化合物には、全ての可能な互変異性体が含まれることが意図される。
「保護基」は、有機合成においてそれと慣例的に関連付けられる意味を有し、すなわち、多官能性化合物中の1つ以上の反応部位を選択的にブロックして、別の保護されていない反応部位で化学反応を選択的に行うことができるようにし、また、選択的反応が完了した後にその基が容易に除去され得るようにする基である。様々な保護基が、例えば、T.H.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,Third Edition,John Wiley&Sons,New York(1999)に開示されている。例えば、「ヒドロキシ保護形態」は、ヒドロキシル保護基で保護された少なくとも1つのヒドロキシル基を含有する。同様に、アミン及び他の反応基も同様に保護することができる。
「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒であることが知られており、薬学的文献で一般的に使用されている、本書における化合物のいずれかの塩を指す。いくつかの実施形態では、化合物の薬学的に許容される塩は、本書に記載される化合物の生物学的有効性を保持し、生物学的またはその他の点で望ましくないものではない。薬学的に許容される塩の例は、Berge et al.,Pharmaceutical Salts,J.Pharmaceutical Sciences,January 1977,66(1),1-19に見出すことができる。薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸及び有機酸を用いて形成可能である。塩の由来となり得る無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、及びリン酸が挙げられる。塩の由来となり得る有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエチルスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ステアリン酸、及びサリチル酸が挙げられる。薬学的に許容される塩基付加塩は、無機塩基及び有機塩基を用いて形成可能である。塩の由来となり得る無機塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、及びアルミニウムが挙げられる。塩の由来となり得る有機塩基としては、例えば、一級、二級、及び三級アミン、天然に存在する置換アミンなどの置換アミン、環状アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂が挙げられる。有機塩基の例としては、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、及びエタノールアミンが挙げられる。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩基付加塩は、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩から選択される。
本書に記載される化合物が酸付加塩として得られる場合、酸塩の溶液を塩基性化することにより、遊離塩基を得ることができる。反対に、化合物が遊離塩基である場合、付加塩、特に薬学的に許容される付加塩は、塩基化合物から酸付加塩を調製するための従来の手順に従って、好適な有機溶媒に遊離塩基を溶解させ、溶液を酸で処理することにより生成することができる(例えば、Berge et al.,Pharmaceutical Salts,J.Pharmaceutical Sciences,January 1977,66(1),1-19を参照されたい)。当業者であれば、薬学的に許容される付加塩を調製するために使用され得る様々な合成方法を認識するであろう。
「溶媒和物」は、溶媒及び化合物の相互作用により形成される。好適な溶媒には、例えば、水及びアルコール(例えば、エタノール)が含まれる。溶媒和物には、一水和物、二水和物、及び半水和物のような、任意の比率の化合物と水と、を有する水和物が含まれる。
「置換」という用語は、指定された基または部分が1つ以上の置換基、例えば、アルキル置換基またはハロアルキル置換基を有することを意味する。「非置換」という用語は、指定された基が置換基を有しないことを意味する。「置換」という用語が構造系を説明するために使用される場合、置換は、その系において原子価が許容する任意の位置で起こることが意図される。基または部分が複数の置換基を有する場合、置換基は互いに同じであっても異なっていてもよいことが理解される。いくつかの実施形態では、置換された基または部分は、1~5個の置換基を有する。いくつかの実施形態では、置換された基または部分は、1個の置換基を有する。いくつかの実施形態では、置換された基または部分は、2個の置換基を有する。いくつかの実施形態では、置換された基または部分は、3個の置換基を有する。いくつかの実施形態では、置換された基または部分は、4個の置換基を有する。いくつかの実施形態では、置換された基または部分は、5個の置換基を有する。
「任意選択の」または「任意選択により」とは、その後に記載される事象または状況が起こる場合も起こらない場合もあることを意味し、また、その記載は当該事象または状況が起こる事例と起こらない事例を含むことを意味している。例えば、「任意選択により置換されたシクロヘキシル」は、本書で定義されるように、非置換シクロヘキシル及び置換シクロヘキシルの両方を包含する。当業者には理解されるように、1つ以上の置換基を含む任意の基に関して、そのような基が、立体的に非現実的な、合成的に実行不可能な、及び/または本質的に不安定な何らかの置換または置換パターンを導入することは意図されない。また、基または部分が任意選択により置換されている場合、本開示には、基または部分が置換されている実施形態と、基または部分が置換されていない実施形態との両方が含まれることも理解されよう。
本書で開示及び/または記載される化合物は、濃縮された同位体形態、例えば、2H、3H、11C、13C及び/または14Cの含有量が濃縮されたものであり得る。一実施形態では、化合物は、少なくとも1つの重水素原子を含有する。そのような重水素化形態は、例えば、米国特許第5,846,514号及び同第6,334,997号に記載の手段によって作製することができる。そのような重水素化化合物は、本書で開示及び/または記載される化合物の効力を改善し、作用持続時間を増加させ得る。重水素置換化合物は、Dean,D.,Recent Advances in the Synthesis and Applications of Radiolabeled Compounds for Drug Discovery and Development,Curr.Pharm.Des.,2000;6(10)、Kabalka,G.et al.,The Synthesis of Radiolabeled Compounds via Organometallic Intermediates,Tetrahedron,1989,45(21),6601-21、及びEvans,E.,Synthesis of radiolabeled compounds,J.Radioanal.Chem.,1981,64(1-2),9-32に記載されているものなど、様々な方法を使用して合成することができる。
「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」という用語には、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などが含まれる。薬学的活性物質のためのかかる媒体及び薬剤の使用は、当技術分野で周知である。いずれかの従来の媒体または薬剤が活性成分と適合しない場合を除いて、その薬学的組成物における使用が企図される。補助的な活性成分を薬学的組成物中に組み込むこともできる。
「患者」、「個体」、及び「対象」という用語は、哺乳動物、鳥、または魚などの動物を指す。いくつかの実施形態では、患者または対象は哺乳動物である。哺乳動物としては、例えば、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ウマ、ウシ、及びヒトが挙げられる。いくつかの実施形態では、患者または対象はヒトであり、例えば、処置、観察、または実験の目的であったか、または目的となるヒトである。本書に記載される化合物、組成物、及び方法は、ヒトの療法及び獣医学的用途の両方で有用であり得る。
本書で使用される場合、「治療」という用語は、心筋サルコメアを調節する能力を指す。本書で使用される場合、「調節」は、本書に記載される化学成分の存在に対する直接的または間接的な応答として、化学成分が存在しない場合の活性に対する活性の変化を指す。この変化は、活性の増加でも活性の減少でもよく、化学成分と標的の直接的な相互作用に起因する場合もあれば、化学成分と、次いで標的の活性に影響する1つ以上の他の因子の相互作用に起因する場合もある。例えば、化学成分の存在は、例えば、標的に直接結合することによって、(直接的または間接的に)別の因子に標的活性を増加または減少させることによって、または細胞もしくは生物に存在する標的の量を(直接的または間接的に)増加もしくは減少させることにより、標的活性を増加または減少させ得る。
「治療上有効な量」または「有効量」という用語は、本書で定義される治療を必要とする患者に投与されたとき、かかる治療に影響するのに十分である、本書で開示及び/または記載される化合物の量を指す。化合物の治療有効量は、心筋サルコメアの調節に応答する疾患を治療するのに十分な量であり得る。治療上有効な量は、例えば、治療される対象及び病態、対象の体重及び年齢、病態の重症度、特定の化合物、従うべき投薬レジメン、投与のタイミング、投与の様式に応じて変わり、これらは全て、当業者によって容易に決定され得る。治療上有効な量は、例えば、化学成分の血中濃度を評価することによって実験的に、またはバイオアベイラビリティを算出することによって理論的に確認することができる。
「治療」(及び「治療する」、「治療された」、「治療すること」などの関連用語)は、疾患もしくは障害を阻害すること、疾患もしくは障害の臨床症状の発症を遅延させるもしくは阻止すること、及び/または疾患もしくは障害を軽減すること(すなわち、臨床症状の軽減または回帰を引き起こすこと)のうちの1つ以上を含む。この用語は、状態または疾患の完全及び部分的な低減、ならびに疾患または障害の臨床症状の完全または部分的な低減の両方を包含する。よって、本書で記載及び/または開示される化合物は、既存の疾患もしくは障害の悪化を防止するか、疾患もしくは障害の管理を支援するか、または疾患もしくは障害を低減もしくは消失させ得る。
「ATPase」は、ATPを加水分解する酵素を指す。ATPaseには、ミオシンなどの分子モーターを含むタンパク質が含まれる。
本書で使用される場合、「選択的結合」または「選択的に結合する」は、他のタイプとは対照的に、1つのタイプの筋肉または筋線維中の標的タンパク質への優先的な結合を指す。例えば、化合物が、遅筋線維もしくはサルコメアのトロポニン複合体中のトロポニンC、または心筋サルコメアのトロポニン複合体中のトロポニンCと比較して、速骨格筋線維またはサルコメアのトロポニン複合体中のトロポニンCに優先的に結合する場合、化合物は速骨格筋トロポニンCに選択的に結合する。
「備える」として本書に記載される実施形態は、「からなる」及び「から本質的になる」実施形態を含むことが理解される。
化合物
化合物及びその塩(薬学的に許容される塩など)が、概要及び添付の特許請求の範囲を含め、本書で詳述される。また、本書に記載される化合物の、幾何異性体(シス/トランス)、E/Z異性体、鏡像異性体、ジアステレオマーを含む、ありとあらゆる立体異性体、ならびに本書に記載される化合物の、ラセミ混合物、塩、及び溶媒和物を含む、任意の比率におけるそれらの混合物を含む、本書に記載される化合物の全ての使用、ならびに、かかる化合物を作製する方法が提供される。本書に記載されるあらゆる化合物は、薬物とも呼ばれ得る。
一態様では、式(I)の化合物:
(式中、
R1は、ハロまたはC1-6ハロアルキルであり、
R2は、H、ハロ、またはC1-6アルキルであり、
R3は、
(i)シクロヘキシルであって、任意選択により、1つ以上の独立して選択されるC1-6アルキルもしくはC1-6ハロアルキル置換基によって置換される、上記シクロヘキシル、または
(ii)C1-6アルキル、であり、
R4は、
(i)-C(O)H、
(ii)-C(O)NH2、
であり、
ただし、
(1)R3が、C1-6アルキルである場合、R4は
であり、
(2)R3が、イソプロピルである場合、R1及びR2のハロ原子の総数は少なくとも2であり、
(3)R3が、1つ以上の独立して選択されるC1-6ハロアルキル置換基によって置換されたシクロヘキシルである場合、R4は、-C(O)H以外である)、
またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が提供される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、R4は、-C(O)Hである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、化合物は、式(I-A)のもの:
またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、R4は、-C(O)NH2である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、化合物は、式(I-B)のもの:
またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、R4は、
である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、化合物は、式(I-C)のもの:
またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、R4は、
である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、化合物は、式(I-D)のもの:
またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、例えば(I-A)、(I-B)、(I-C)、または(I-D)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、R3は、シクロヘキシルであり、シクロヘキシルは、任意選択により、1つ以上の独立して選択されるC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキル置換基によって置換される。いくつかの実施形態では、R3は、非置換シクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、R3は、シクロヘキシルであり、シクロヘキシルは1つ以上の独立して選択されるC1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキル置換基によって置換される。
いくつかの実施形態では、R3は、シクロヘキシルであり、シクロヘキシルは、任意選択により、1つ以上の独立して選択されるC1-6アルキル置換基によって置換される。いくつかの実施形態では、R3は、シクロヘキシルであり、シクロヘキシルは、任意選択により、1つ以上の独立して選択されるC1-3アルキル置換基によって置換される。いくつかの実施形態では、R3は、シクロヘキシルであり、シクロヘキシルは、任意選択により、1つ以上の独立して選択されるメチルまたはエチル置換基によって置換される。いくつかの実施形態では、R3は、シクロヘキシルであり、シクロヘキシルは、任意選択により、1つ以上のメチル置換基によって置換される。いくつかの実施形態では、R3は、シクロヘキシルであり、シクロヘキシルは、任意選択により、1つ以上のエチル置換基によって置換される。いくつかの実施形態では、R3は、シクロヘキシルであり、シクロヘキシルは、任意選択により、1つのメチル置換基によって置換される。いくつかの実施形態では、R3は、シクロヘキシルであり、シクロヘキシルは、任意選択により、1つのエチル置換基によって置換される。いくつかの実施形態では、R3は、
である。いくつかの実施形態では、R3は、
である。
いくつかの実施形態では、R3は、シクロヘキシルであり、シクロヘキシルは1つ以上の独立して選択されるC1-6ハロアルキル置換基によって置換される。いくつかの実施形態では、R3は、シクロヘキシルであり、シクロヘキシルは、1つ以上の独立して選択されるC1-3ハロアルキル置換基によって置換される。いくつかの実施形態では、R3は、
である。
いくつかの実施形態では、R3は、
である。
いくつかの実施形態では、式(I)または式(I-A)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、式中、R3は、
であり、Rxは、C1-6アルキルであり、化合物は、式(I-A1)のもの:
またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、Rxはメチルである。
いくつかの実施形態では、式(I)または式(I-B)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、式中、R3は、
であり、Rxは、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであり、化合物は、式(I-B1)のもの:
またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、式(I-B1)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、Rxは、C1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、Rxは、メチルである。
いくつかの実施形態では、式(I)または式(I-C)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、式中、R3は、
であり、Rxは、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであり、化合物は、式(I-C1)のもの:
またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、式(I-C1)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、Rxは、C1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、Rxは、メチルである。
いくつかの実施形態では、式(I)または式(I-D)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、式中、R3は、
であり、Rxは、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであり、化合物は、式(I-D1)のもの:
またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、式(I-D1)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、Rxは、C1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、Rxは、メチルである。
前述のいくつかの実施形態では、R3は、
であり、
部分は、(1r,4r)立体化学的構成で分子の残りの部分に結合している。いくつかの実施形態では、R3は、
である。いくつかの実施形態では、R3は、
である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、例えば、式(I-C)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、R3は、C1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、R3は、C1-5アルキルである。いくつかの実施形態では、R3は、C1-4アルキルである。いくつかの実施形態では、R3は、C1-3アルキルである。いくつかの実施形態では、R3は、C3-6アルキルである。いくつかの実施形態では、R3は、C3-5アルキルである。いくつかの実施形態において、R3は、
である。いくつかの実施形態では、R3は、
である。
前述のいくつかの実施形態では、R3は、C1-6アルキルであり、R3のC1-6アルキル部分は、S立体化学的構成で分子の残りに結合している。いくつかの実施形態では、R3は、
である。
いくつかの実施形態では、式(I)または式(I-C)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、R3はイソプロピルであり、化合物は、式(I-C2)のもの:
またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態では、式(I-C2)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、そのとき、R1及びR2のハロ原子の総数は少なくとも2である。いくつかの実施形態では、R1及びR2のハロ原子の総数は、2である。いくつかの実施形態では、R1及びR2のハロ原子の総数は、少なくとも3である。いくつかの実施形態では、R1及びR2のハロ原子の総数は、3である。いくつかの実施形態では、R1及びR2のハロ原子の総数は、少なくとも4である。いくつかの実施形態では、R1及びR2のハロ原子の総数は、4である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、例えば、式(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、R1は、ハロである。いくつかの実施形態では、R1は、フルオロまたはクロロである。いくつかの実施形態では、R1は、フルオロである。他の実施形態では、R1は、クロロである。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、例えば、式(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、R1は、C1-6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、R1は、C1-6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、R1は、C1-2ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、R1は、-CF3である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、例えば、式(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、R2は、Hである。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、例えば、式(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、R2は、ハロである。いくつかの実施形態では、R2は、フルオロまたはクロロである。いくつかの実施形態では、R2は、フルオロである。他の実施形態では、R2は、クロロである。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、例えば、式(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、R2は、C1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、R2は、C1-3アルキルである。いくつかの実施形態では、R2は、C1-3アルキルである。いくつかの実施形態では、R2は、C1-2アルキルである。いくつかの実施形態では、R2は、メチルである。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、例えば、式(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、R1は、ハロまたはC1-6ハロアルキルであり、R2は、Hである。いくつかの実施形態では、R1は、ハロまたはC1-6ハロアルキルであり、R2は、ハロである。いくつかの実施形態では、R1は、ハロまたはC1-6ハロアルキルであり、R2は、クロロまたはフルオロである。いくつかの実施形態では、R1は、ハロまたはC1-6ハロアルキルであり、R2は、C1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、R1は、ハロまたはC1-6ハロアルキルであり、R2は、メチルである。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、例えば、式(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、R1は、ハロであり、R2は、Hである。いくつかの実施形態では、R1は、フルオロまたはクロロであり、R2は、Hである。いくつかの実施形態では、R1は、フルオロであり、R2は、Hである。いくつかの実施形態では、R1は、クロロであり、R2は、Hである。いくつかの実施形態では、R1は、C1-6ハロアルキルであり、R2は、Hである。いくつかの実施形態では、R1は、-CF3であり、R2は、Hである。
いくつかの実施形態では、R1は、ハロであり、R2は、ハロである。いくつかの実施形態では、R1は、フルオロまたはクロロであり、R2は、ハロである。いくつかの実施形態では、R1は、フルオロまたはクロロであり、R2は、フルオロまたはクロロである。いくつかの実施形態では、R1は、フルオロであり、R2は、フルオロである。いくつかの実施形態では、R1は、クロロであり、R2は、クロロである。いくつかの実施形態では、R1は、フルオロであり、R2は、クロロである。いくつかの実施形態では、R1は、クロロであり、R2は、フルオロである。いくつかの実施形態では、R1は、C1-6ハロアルキルであり、R2は、ハロである。いくつかの実施形態では、R1は、-CF3であり、R2は、ハロである。
いくつかの実施形態では、R1は、ハロであり、R2は、C1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、R1は、フルオロまたはクロロであり、R2は、C1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、R1は、フルオロまたはクロロであり、R2は、メチルである。いくつかの実施形態では、R1は、フルオロであり、R2は、メチルである。いくつかの実施形態では、R1は、クロロであり、R2は、メチルである。いくつかの実施形態では、R1は、C1-6ハロアルキルであり、R2は、C1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、R1は、-CF3であり、R2は、C1-6アルキルである。
いくつかの実施形態では、本書では、表1に記載の化合物及びそれらの塩が提供される。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が本書において提供され、化合物は、
5-(4-クロロベンジル)-8-(4-エチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキサミド、
8-(4-エチルシクロヘキシル)-5-(4-フルオロベンジル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキサミド、
5-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)-8-(4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキサミド、
5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-(4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルバルデヒド、
5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-(4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキサミド、
5-(4-フルオロ-3-メチルベンジル)-8-(4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキサミド、
5-(3-クロロ-4-フルオロベンジル)-8-(4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキサミド、
5-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)-8-イソプロピル-2-(ピリダジン-3-イル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン、
5-(3-クロロ-4-フルオロベンジル)-8-イソプロピル-2-(ピリダジン-3-イル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン、
5-(4-クロロベンジル)-8-(4-メチルシクロヘキシル)-2-(ピリダジン-3-イル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン、
5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-(4-エチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキサミド、
5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-(4-メチルシクロヘキシル)-2-(ピリダジン-3-イル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン、
8-イソプロピル-2-(ピリダジン-3-イル)-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン、
8-(sec-ブチル)-5-(3,4-ジフルオロベンジル)-2-(ピリダジン-3-イル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン、
5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-(ペンタン-3-イル)-2-(ピリダジン-3-イル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン、
8-(sec-ブチル)-5-(4-フルオロ-3-メチルベンジル)-2-(ピリダジン-3-イル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン、
5-(4-フルオロベンジル)-8-(4-メチルシクロヘキシル)-2-(ピリダジン-3-イル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン、
5-(4-クロロベンジル)-8-(4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキサミド、
5-(4-フルオロベンジル)-8-(4-メチルシクロヘキシル)-2-(ピリダジン-4-イル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン、及び
8-(4-(ジフルオロメチル)シクロヘキシル)-5-(4-フルオロベンジル)-2-(ピリダジン-4-イル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン、
からなる群、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩、から選択される。
いくつかのバリエーションでは、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、またはそれらの任意のバリエーション、または表1の化合物などの本書に記載される化合物のいずれかは、重水素化されてもよい(すなわち、1つ以上の水素原子が1つ以上の重水素原子によって置き換えられている)。これらのバリエーションのいくつかでは、化合物は、単一の部位で重水素化される。他のバリエーションでは、化合物は、複数の部位で重水素化される。重水素化化合物は、対応する重水素化されていない化合物の調製と同様の様式で、重水素化された出発物質から調製することができる。当技術分野で知られている他の方法を使用して、水素原子を重水素原子で置き換えてもよい。
本書に示される任意の式、例えば、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)は、構造式によって示される構造、ならびにある特定のバリエーションまたは形態を有する化合物を表すことが意図される。特に、本書で示されるいずれかの式の化合物は、不斉中心を有する可能性があり、したがって、異なる鏡像異性体形態またはジアステレオマー形態で存在する可能性がある。一般式の化合物の全ての光学異性体及び立体異性体、ならびに任意の比率におけるそれらの混合物は、その式の範囲内にあるとみなされる。よって、本書で示されるいずれの式も、ラセミ体、1つ以上の鏡像異性体形態、1つ以上のジアステレオマー形態、1つ以上のアトロプ異性形態、及び任意の比率におけるそれらの混合物を表すことが意図される。表1の化合物が特定の立体化学的構成で示されている場合、本書では、化合物の任意の代替的な立体化学的構成、ならびに任意の比の化合物の立体異性体の混合物も提供される。例えば、表1の化合物が、「S」立体化学的配置にある立体中心を有する場合、その立体中心が「R」立体化学的配置にある当該化合物の鏡像異性体も本書において提供される。同様に、表1の化合物が、「R」配置にある立体中心を有する場合、「S」立体化学的配置にある当該化合物の鏡像異性体も本書において提供される。また、「S」と「R」の両方の立体化学的配置を有する化合物の混合物も提供される。更に、表1の化合物が2つ以上の立体中心を有する場合、化合物の任意の鏡像異性体またはジアステレオマーも提供される。例えば、表1の化合物が、それぞれ「R」及び「R」の立体化学的構成を有する第1の立体中心及び第2の立体中心を含有する場合、それぞれ「S」及び「S」の立体化学的構成、それぞれ「S」及び「R」の立体化学的構成、ならびにそれぞれ「R」及び「S」の立体化学的構成、を有する第1及び第2の立体中心を有する化合物の立体異性体、も提供される。表1の化合物が、それぞれ「S」及び「S」の立体化学的構成を有する第1の立体中心及び第2の立体中心を含有する場合、それぞれ「R」及び「R」の立体化学的構成、それぞれ「S」及び「R」の立体化学的構成、ならびにそれぞれ「R」及び「S」の立体化学的構成、を有する第1及び第2の立体中心を有する化合物の立体異性体、も提供される。表1の化合物が、それぞれ「S」及び「R」の立体化学的構成を有する第1の立体中心及び第2の立体中心を含有する場合、それぞれ「R」及び「S」の立体化学的構成、それぞれ「R」及び「R」の立体化学的構成、ならびにそれぞれ「S」及び「S」の立体化学的構成、を有する第1及び第2の立体中心を有する化合物の立体異性体、も提供される。同様に、表1の化合物が、それぞれ「R」及び「S」の立体化学的構成を有する第1の立体中心及び第2の立体中心を含有する場合、それぞれ「S」及び「R」の立体化学的構成、それぞれ「R」及び「R」の立体化学的構成、ならびにそれぞれ「S」及び「S」の立体化学的構成、を有する第1及び第2の立体中心を有する化合物の立体異性体、も提供される。更に、特定の構造は、幾何異性体(すなわち、シス及びトランス異性体)として、互変異性体として、またはアトロプ異性体として存在し得る。更に、本書に示される任意の式は、そのような形態が明示的に列挙されていなくても、そのような化合物の水和物、溶媒和物、及び非晶質及び多晶質の形態、ならびにそれらの混合物のうちのいずれか1つも指すことを意図している。いくつかの実施形態では、溶媒は水であり、溶媒和物は水和物である。
中間体及び最終化合物を含む、本書で詳述される化合物の代表的な例は、表及び本書のいずれかの箇所で示されている。一態様では、適用可能な場合、単離して個体または対象に投与することができる中間体化合物を含め、任意の化合物が、本書で詳述される方法において使用され得ることが理解される。
本書で示す化合物は、塩が示されていなくとも塩として存在してよく、当業者には十分理解されるように、本書において提供される組成物及び方法は、ここで示される化合物の全ての塩及び溶媒和物、ならびに化合物の非塩形態及び非溶媒和物形態を包含するものと理解される。いくつかの実施形態では、本書において提供される化合物の塩は、薬学的に許容される塩である。
1つのバリエーションにおいて、本書の化合物は、個体または対象への投与のために調製された合成化合物である。別のバリエーションにおいて、実質的に純粋な形態の化合物を含む組成物が提供される。別のバリエーションにおいて、本書で詳述される化合物と薬学的に許容される担体と、を含む薬学的組成物が提供される。別のバリエーションにおいて、化合物を投与する方法が提供される。精製された形態、薬学的組成物、及び化合物を投与する方法は、本書において詳述される任意の化合物またはその形態に好適である。
本書において提供されるR1、R2、R3、及びR4の任意のバリエーションまたは実施形態は、各組み合わせが同様に個別にかつ具体的に記載されているかのように、R1、R2、R3、及びR4の他の全てのバリエーションまたは実施形態と組み合わせることができる。
本書で使用される場合、いずれかの変数が化学式に複数回出現するとき、各出現におけるその定義は、あらゆる他の出現におけるその定義とは無関係である。
式(I)は、その全ての部分式を含む。例えば、式(I)は、式(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物を含む。
表1を含む、本書において提供される特定の化合物名は、ChemBioDraw Professional15.0.0.106によって提供される。当業者であれば、化合物は、様々な一般的に認識されている命名体系及び記号を使用して名づけられるか、または識別され得ることを理解するであろう。例として、化合物は、一般名、系統名、または非系統名で名づけられまたは識別され得る。化学技術分野で一般的に認識されている命名体系及び記号には、例えば、Chemical Abstract Service(CAS)、ChemBioDraw Ultra、及び国際純正応用化学連合(IUPAC)が含まれる。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、hERGプロファイル、毒性プロファイル、安全ウィンドウ、選択性、オフターゲットプロファイル、良好な薬物/薬物相互作用プロファイル、バイオアベイラビリティ、クリアランス及び半減期を含むPKパラメータ、作用機序、CYP阻害及び時間依存性阻害プロファイル、透過性及び/または流出、溶解性、代謝、非結合画分、適切なヒト用量、ならびに大規模な合成の容易さ、のうちの1つ以上に関連する利点を有してもよい。
組成物
本書で開示及び/または記載される化合物、ならびに1つ以上の更なる薬剤、医薬品、アジュバント、担体、賦形剤などを含む薬学的組成物のような、組成物も提供される。好適な薬剤及び医薬品には、本書に記載されるものが含まれる。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、薬学的に許容される賦形剤またはアジュバントと、本書に記載される少なくとも1つの化学成分と、を含む。薬学的に許容される賦形剤の例は、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、ゼラチン、スクロース、及び炭酸マグネシウムを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本書に記載の1つ以上の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を含有する薬学的組成物、などの組成物が提供される。
いくつかの実施形態では、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物を含む薬学的に許容される組成物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が提供される。いくつかの態様では、組成物は、本書に記載される化合物の調製に使用され得る合成中間体を含有し得る。本書に記載される組成物は、任意の他の好適な活性剤または不活性剤を含有し得る。
本書に記載される組成物のいずれも、無菌であり得るか、または無菌である成分を含有し得る。滅菌は、当技術分野で知られている方法によって達成することができる。本書に記載される組成物のいずれも、実質的に純粋な1つ以上の化合物またはコンジュゲートを含有し得る。
また、本書に記載される薬学的組成物と、本書に記載される疾患または状態を患っている患者を治療するために組成物を使用するための説明書とを備える、パッケージ化された薬学的組成物が提供される。
使用方法
本書における化合物及び薬学的組成物は、個体または対象における疾患または状態を治療または予防するために使用され得る。
予防的な方法で使用される場合、本書に開示及び/または記載される化合物は、疾患または障害が発症するのを防ぎ、または疾患もしくは障害が発症するリスクのある個体もしくは対象において、発症し得る疾患もしくは障害の程度を軽減し得る。
理論に拘束されることなく、本書に開示される化合物及び薬学的組成物は、ミオシンを阻害することによって作用すると考えられる。この阻害は、収縮の量を低減させるアクチンフィラメントと相互作用する独立したミオシン頭部の数を潜在的に減少させる。心筋の収縮を低減させることは、過剰収縮が問題である心疾患の治療にとって重要であり得る。いくつかの実施形態では、個体または対象において心疾患を治療または予防する方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩、を投与することを含む、上記方法を提供する。いくつかの実施形態では、心疾患の治療または予防を必要とする対象においてそれを治療または予防する方法であって、対象に、本書に記載の治療上有効な量の少なくとも1つの化学成分を投与することを含む、上記方法を提供する。いくつかの実施形態では、心疾患の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法であって、対象に、本書に記載の治療上有効な量の少なくとも1つの化学成分を投与することを含む、上記方法を提供する。いくつかの実施形態では、確立されたまたは診断された心疾患の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法であって、対象に、本書に記載の治療上有効な量の少なくとも1つの化学成分を投与することを含む、上記方法を提供する。いくつかの実施形態では、心疾患の予防を必要とする対象においてそれを予防する方法であって、対象に、本書に記載の治療上有効な量の少なくとも1つの化学成分を投与することを含む、上記方法を提供する。
対象における心疾患の治療のための薬剤の製造における、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の使用も、本書において提供される。いくつかの態様では、療法によりヒトまたは動物の身体を処置する方法において使用するための、本書に記載される化合物または組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本書では、療法によりヒトまたは動物の身体を処置する方法において使用するための、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、もしくは(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、本書では、心疾患の治療または予防に使用するための、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、もしくは(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、本書では、心疾患の治療に使用するための、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、もしくは(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、本書では、確立された、または診断された心疾患の治療に使用するための、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、もしくは(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、本書では、心疾患の予防に使用するための、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、もしくは(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、本書では、HCMに関連する疾患または状態の治療に使用するための、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、本書では、続発性左心室壁肥厚に関連する疾患または状態の治療に使用するための、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、本書では、心疾患に関連する症状の改善に使用するための、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、もしくは(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を提供する。他の実施形態では、本書では、心疾患に関連する症状のリスクの低減に使用するための、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が提供される。他の実施形態では、本書では、小左心室内腔、内腔閉塞、高心拍出量性左心室収縮、左心室からの血流の閉塞、心臓肥大、少ない心臓一回排出量、左心室の弛緩障害、高左心室充填圧、心筋虚血、または心線維症に関連する疾患または状態の治療に使用するための、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が提供される。ある特定の実施形態では、本書では、小左心室内腔及び内腔閉塞、高心拍出量性左心室収縮、心筋虚血、または心線維症に関連する疾患または状態の治療に使用するための、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩が提供される。いくつかの実施形態では、本書では、筋ジストロフィーの治療に使用するための、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、もしくは(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、本書では、糖原病の治療に使用するための、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、もしくは(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を提供する。他の実施形態では、本書では、心筋サルコメアの阻害などの心筋サルコメアの調節に使用するための、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を提供する。更に他の実施形態では、本書では、心筋ミオシンの増強に使用するための、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、もしくは(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を提供する。
いくつかの実施形態では、対象は、哺乳動物である。いくつかの実施形態では、対象は、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ウマ、ウシ、またはヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、確立した、または診断された心疾患を有する。いくつかの実施形態では、対象は、確立した、または診断された肥大性心筋症(HCM)を有する。いくつかの実施形態では、対象は、心疾患を発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、対象は、心疾患のリスクを増加させる変異を有する。いくつかの実施形態では、対象は、肥大性心筋症(HCM)のリスクを増加させる変異を有する。いくつかの実施形態では、変異は、サルコメア変異である。いくつかの実施形態では、変異は、ミオシン重鎖β(MHC-β)、心筋トロポニンT(cTnT)、トロポミオシンアルファ-1鎖(TPM1)、ミオシン結合タンパク質C心筋型(MYBPC3)、心筋トロポニンI(cTnI)、ミオシン必須軽鎖(ELC)、タイチン(TTN)、ミオシン調節軽鎖2心室/心筋アイソフォーム(MLC-2)、心筋アルファアクチン、筋肉LIMタンパク質(MLP)、またはタンパク質キナーゼAMP活性化非触媒サブユニットガンマ2(PRKAG2)の変異である。いくつかの実施形態では、変異は、MHC-βの変異である。いくつかの実施形態では、対象は、確認された遺伝的病因なしに、確立された、または診断された肥大性心筋症を有する。
いくつかの実施形態では、対象は、進行性の症状のリスクが高い。いくつかの実施形態では、対象は、心房細動、心室頻拍性不整脈、脳卒中、及び/または突然死のリスクが高い。いくつかの実施形態では、対象は、運動能力が低減している。いくつかの実施形態では、低減した運動能力は、年齢が適合した対照集団と比較した低減である。いくつかの実施形態では、対象は、心疾患を治療するための外科的介入または経皮的焼灼療法を受ける資格がある。
いくつかの実施形態では、心疾患は、肥大性心筋症(HCM)である。いくつかの実施形態では、心疾患は、閉塞性HCMである。いくつかの実施形態では、心疾患は、非閉塞性HCMである。いくつかの実施形態では、HCMは、サルコメア変異に関連している。いくつかの実施形態では、HCMは、非サルコメア変異に関連している。いくつかの実施形態では、心疾患は、サルコメア変異及び/または非サルコメア変異によって引き起こされる閉塞性または非閉塞性HCMである。いくつかの実施形態では、サルコメア変異は、ミオシン重鎖β(MHC-β)、心筋トロポニンT(cTnT)、トロポミオシンアルファ-1鎖(TPM1)、ミオシン結合タンパク質C心筋型(MYBPC3)、心筋トロポニンI(cTnI)、ミオシン必須軽鎖(ELC)、タイチン(TTN)、ミオシン調節軽鎖2心室/心筋アイソフォーム(MLC-2)、心筋アルファアクチン、または筋肉LIMタンパク質(MLP)の変異である。いくつかの実施形態では、サルコメア変異は、MHC-βの変異である。いくつかの実施形態では、非サルコメア変異は、タンパク質キナーゼAMP活性化非触媒サブユニットガンマ2(PRKAG2)の変異である。
いくつかの実施形態では、本書では、HCMに関連する疾患または状態を治療する方法が提供され、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を、投与することを含む。いくつかの実施形態では、疾患または状態は、ファブリー病、ダノン病、ミトコンドリア心筋症、またはヌーナン症候群である。
HCMに関連する疾患または状態の治療のための薬剤の製造における、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の使用も、本書において提供される。
いくつかの実施形態では、心疾患は、駆出率が保たれた心不全(HFpEF)である。いくつかの実施形態では、心疾患は、拡張機能不全である。いくつかの実施形態では、心疾患は、心筋症である。いくつかの実施形態では、心疾患は、原発性または続発性拘束型心筋症である。いくつかの実施形態では、心疾患は、冠動脈疾患によって引き起こされる状態または症状である。いくつかの実施形態では、心疾患は、心筋梗塞または狭心症である。いくつかの実施形態では、心疾患は、左心室流出路閉塞である。いくつかの実施形態では、心疾患は、高血圧性心疾患である。いくつかの実施形態では、心疾患は、先天性心疾患である。いくつかの実施形態では、心疾患は、心虚血及び/または冠状動脈性心疾患である。いくつかの実施形態では、心疾患は、糖尿病性心疾患である。他の実施形態では、心疾患は、うっ血性心不全である。いくつかの実施形態では、心疾患は、右心不全である。他の実施形態では、心疾患は、心腎症候群である。いくつかの実施形態では、心疾患は、浸潤性心筋症である。いくつかの実施形態では、心疾患は、心臓老化もしくは加齢による拡張機能不全であるか、またはそれに関連する状態である。いくつかの実施形態では、心疾患は、左心室肥大及び/または求心性左心室リモデリングであるか、またはそれらに関連する状態である。
いくつかの実施形態では、個体または対象において続発性左心室壁肥厚に関連する疾患または状態を治療する方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を投与することを含む、上記方法を提供する。いくつかの実施形態では、この疾患は、高血圧、弁膜性心疾患(大動脈狭窄、僧帽弁逆流)、代謝症候群(糖尿病、肥満)、末期腎疾患、強皮症、睡眠時無呼吸症、アミロイドーシス、ファブリー病、フリードライヒ運動失調症、ダノン病、ヌーナン症候群、またはポンペ病である。
また、続発性左心室壁肥厚に関連する疾患または状態の治療のための薬剤の製造における、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の使用も本書において提供される。
いくつかの実施形態では、対象において心疾患に関連する症状を緩和する方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を、投与することを含む、上記方法を提供し、症状は、心臓弾性能の低下または低減、拡張期左心室の弛緩の不良または低減、異常な左心房圧(例えば、異常に高い左心房圧)、発作性または永久的な心房細動、左心房及び肺の毛細血管楔圧力の増加、左心室拡張期圧の増加、卒倒、拡張期中の心室の弛緩、心室線維腫、左心室肥大、左心室質量、左心室壁厚の増加、左心室の中間腔閉塞、僧帽弁の収縮期前方運動の増加、左心室流出路閉塞、胸痛、労作性呼吸困難、前卒倒、運動能力の異常、及び疲労から選択される1つ以上である。
いくつかの実施形態では、対象において心疾患に関連する症状のリスクを低減する方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、もしくは(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を投与することを含む、上記方法を提供し、症状は、心臓突然死、心臓弾性能の低下または低減、拡張期左心室の弛緩の不良または低減、異常な左心房圧(例えば、異常に高い左心房圧)、発作性または永久的な心房細動、左心房及び肺の毛細血管楔圧力の増加、左心室拡張期圧の増加、卒倒、拡張期中の心室弛緩、心室線維症、左心室肥大、左心室質量、左心室壁厚の増加、左心室の中間腔閉塞、僧帽弁の収縮期前方運動の増加、左心室流出路閉塞、胸痛、労作性呼吸困難、前卒倒、運動能力の異常、及び疲労から選択される1つ以上である。
いくつかの実施形態では、個体または対象において、小左心室内腔、内腔閉塞、高心拍出量性左心室収縮、左心室からの血流出の閉塞、心肥大、少ない心臓一回排出量、左心室の弛緩障害、高左心室充填圧、心筋虚血、または心線維症に関連する疾患または状態を治療する方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、もしくは(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を、投与することを含む、上記方法を提供する。
いくつかの実施形態では、個体または対象において、小左心室内腔及び内腔閉塞、高心拍出量性左心室収縮、心筋虚血、または心線維症に関連する疾患または状態を治療する方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を投与することを含む、上記方法を提供する。
また、小左心室内腔及び内腔閉塞、高心拍出量性左心室収縮、心筋虚血、または心線維症に関連する疾患または状態の治療のための薬剤の製造における、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の使用も、本書において提供される。
いくつかの実施形態では、個体または対象において筋ジストロフィー(例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィー)を治療する方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を投与することを含む、上記方法を提供する。また、筋ジストロフィー(例えば、デュシェンヌ型筋ジストロフィー)の治療のための薬剤の製造における、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の使用も、本書において提供される。
いくつかの実施形態では、個体または対象において糖原病を治療する方法であって、それを必要とする個体または対象に、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を投与することを含む、上記方法を提供する。また、糖原病の治療のための薬剤の製造における、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩の使用も、本書において提供される。
また、個体または対象において心筋サルコメアを調節するための方法であって、それを必要とする個体または対象に、本書に記載の治療上有効な量の少なくとも1つの化学成分を投与することを含む、上記方法も提供する。いくつかの実施形態では、心筋サルコメアを阻害する方法であって、心筋サルコメアを、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩などの本書に記載の少なくとも1つの化学成分と接触させることを含む、上記方法を提供する。本書に追加的に提供されるのは、個体または対象の心筋サルコメアを阻害するための薬剤の製造における、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩などの本書に記載の少なくとも1つの化学成分の使用である。
また、個体または対象において心筋ミオシンを増強するための方法であって、それを必要とする個体または対象に、治療有効量の本書に記載の少なくとも1つの化学成分、例えば、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を、投与することを含む、上記方法を提供する。本書に追加的に提供されるのは、個体または対象において心筋ミオシンを増強するための薬剤の製造における、例えば、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩などの、本書に記載の少なくとも1つの化学成分の使用である。
いくつかの実施形態では、本書において提供される方法は、治療の有効性を監視することを更に含む。指標の例としては、以下のうちの1つ以上の改善が挙げられるが、これらに限定されない。ニューヨーク心臓協会(NYHA)機能分類、運動能力、心臓弾性能、拡張期左心室の弛緩、左心房圧、発作性または永久的な心房細動、左心房及び肺の毛細血管楔圧力、左心室拡張期圧、卒倒、拡張期中の心室弛緩、心室線維症、左心室肥大、左心室質量、左心室壁厚、左心室の中間腔閉塞、僧帽弁の収縮期前方運動、左心室流出路閉塞、胸痛、労作性呼吸困難、前卒倒、運動能力異常、及び疲労。これらの指標は、自己報告、ホルター心電図を含むECG、心エコー検査、心臓MRI、CT、生検、心肺運動検査(CPET)、及びアクティグラフィーを含む当該技術分野で既知の技法によって監視することができる。
いくつかの実施形態では、本化合物は、心筋細胞の収縮性を低減させる。いくつかの実施形態では、化合物は、心筋細胞の収縮性を40%を超えて、例えば、45%、50%、60%、70%、80%、または90%を超えて低減させる。いくつかの実施形態では、化合物は、心筋細胞の収縮性を40%~90%、例えば、40%~80%、40%~70%、50%~90%、50%~80%、または50%~70%低減させた。いくつかの実施形態では、本化合物は、心筋細胞におけるカルシウム移行を有意に変化させない。いくつかの実施形態では、本化合物は、心筋細胞におけるATPase活性を低下させる。収縮性、ATPase活性、及びカルシウム移行を測定する方法は、例えば、カルシウム標識、電気生理学的記録、及び顕微鏡イメージングによって、当該技術分野において既知である。いくつかの実施形態では、化合物は、シトクロムP450(CYP)タンパク質を有意に阻害または誘導しない。
いくつかの実施形態では、本書では、排出半減期(t1/2、ln(2)/kとして計算され、排出速度定数kは、濃度-時間プロファイルの最後の3つのデータポイントの時間に対する濃度の対数の線形回帰の傾きの絶対値として計算される)が、ヒトにおいて30時間以下である、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、もしくは(I-D1)の化合物、または表1の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を提供する。いくつかの実施形態では、ヒトで10時間≦t1/2≦30時間である。いくつかの実施形態では、t1/2は、約10時間~約30時間、約10時間~約25時間、約15時間~約30時間、または約15時間~約25時間である。いくつかの実施形態では、t1/2は、約12、15、18、21、24、27、または30時間である。いくつかの実施形態では、本書において提供される化合物の排出半減期は、その化合物が1日1回の投与に適しているようなものである。
いくつかの実施形態では、対象は、治療前に通常よりも厚い左心室壁を有する。いくつかの実施形態では、対象は、治療前に18mm、20mm、22mm、25mm、または30mmを超えるなど、15mmを超える左心室壁厚を有する。いくつかの実施形態では、左心室壁厚は、治療後に5%を超えて、例えば、8%、10%、12%、15%、20%、または30%を超えて低減される。左心室壁厚は、心エコー、CTスキャン、または心臓MRIなどの当該技術分野で既知の方法によって測定することができる。
いくつかの実施形態では、対象は、治療前に異常な心線維症を有する。いくつかの実施形態では、異常な心線維症は、治療後に5%を超えて、例えば、8%、10%、12%、15%、20%、または30%を超えて低減される。心線維症は、生検または心臓MRIなどの当該技術分野で既知の方法によって測定することができる。
いくつかの実施形態では、対象は、治療前に運動能力が低減している。いくつかの実施形態では、対象の運動能力は、治療後に5%を超えて、例えば、8%、10%、12%、15%、20%または30%を超えて増加する。いくつかの実施形態では、運動能力は、心肺運動試験(CPET)によって測定される。CPETは、酸素消費量の変化(VO2 max)を測定する。CPET及びVO2 maxを測定する方法は、当該技術分野で周知である(Malhotra et al.,JACC:Heart Failure,2016,4(8):607-616;Guazzi et al.,J Amer College Cardiol,2017,70 (13):1618-1636、Rowin et al.,JACC:Cariovasc Imaging,2017,10(11):1374-1386)。いくつかの実施形態では、VO2 maxは、治療後に、1.2mL/kg/m2、1.4mL/kg/m2、1.5mL/kg/m2、1.7mL/kg/m2、2mL/kg/m2、2.2mL/kg/m2、2.5mL/kg/m2、3mL/kg/m2、3.2mL/kg/m2、または3.5mL/kg/m2を超えるなど、1mL/kg/m2を超えて改善される。
いくつかの実施形態では、対象は、治療前に、II、III、またはIVのニューヨーク心臓協会(NYHA)機能分類を有する。いくつかの実施形態では、対象は、治療前にIIIまたはIVのニューヨーク心臓協会(NYHA)機能分類を有する。いくつかの実施形態では、対象は、治療前にIVのニューヨーク心臓協会(NYHA)機能分類を有する。いくつかの実施形態では、対象は、治療後に同じNYHA機能クラスに留まるか、またはNYHA機能クラスが低下している。
いくつかの実施形態では、VO2 maxは、1.2mL/kg/m2、1.4mL/kg/m2、1.5mL/kg/m2、1.7mL/kg/m2、または2mL/kg/m2を超えるなど、1mL/kg/m2を超えて改善され、対象は、治療後にNYHA機能クラスが低下している。いくつかの実施形態では、VO2 maxは、2.5mL/kg/m2、3mL/kg/m2、3.2mL/kg/m2、または3.5mL/kg/m2を超えて改善され、対象は、治療後に同じNYHA機能クラスに留まるか、またはNYHA機能クラスが低下している。
いくつかの実施形態では、対象の毎日の機能及び/または活動レベルは、治療後に改善される。改善された毎日の機能及び/または活動レベルは、例えば、FitBitまたはFitBitのようなモニターなどのジャーナリングまたはアクティグラフィーによって測定され得る。
いくつかの実施形態では、対象は、治療後に、息切れの減少、胸痛の減少、心房細動及び心室不整脈などの不整脈負荷の減少、心不全の発生率の減少、ならびに心室流出閉塞の減少のうちの1つ以上を有する。
投薬量
本書で開示及び/または記載される化合物及び組成物は、治療上有効な投薬量、例えば、病状の治療を行うのに十分な投薬量で投与される。本書に記載される化学成分のヒトの投薬量レベルは、まだ最適化されていないが、概して、約0.01~100mg/kg体重の一日用量範囲であり、いくつかの実施形態では、約0.05~10.0mg/kg体重であり、いくつかの実施形態では、約0.10~1.4mg/kg体重の範囲である。よって、70kgのヒトに投与する場合、投薬量範囲は、いくつかの実施形態では、1日当たり約0.7~7000mgであり、いくつかの実施形態では、1日当たり約3.5~700.0mgであり、いくつかの実施形態では、1日当たり約7~100.0mgである。投与される化学成分の量は、例えば、治療される対象及び病状、病気の重篤度、投与の様式及びスケジュール、ならびに処方医師の判断に依存する。例えば、経口投与の例示的な投薬量範囲は、1日当たり約5mg~約500mgであり、例示的な静脈内投与の投薬量は、1日当たり約5mg~約500mgであり、それぞれ化合物の薬物動態に依存する。
一日用量は、1日に投与される総量である。一日用量は、毎日、隔日、毎週、2週間ごと、毎月、または様々な間隔で投与され得るが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、一日用量は、1日から対象の生涯に及ぶ期間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、一日用量は、1日1回投与される。いくつかの実施形態では、一日用量は、2回、3回、または4回の分割用量など、複数の分割用量で投与される。いくつかの実施形態では、一日用量は、2回の分割用量で投与される。
本書に開示及び/または記載される化合物及び組成物の投与は、経口、舌下、皮下、非経口、静脈内、鼻腔内、局所、経皮、腹腔内、筋肉内、肺内、膣内、直腸内、または眼内投与を含むが、これらに限定されない、治療剤のための任意の受け入れられた投与様式を介して行うことができる。いくつかの実施形態では、化合物または組成物は、経口投与または静脈内投与される。いくつかの実施形態では、本書で開示及び/または記載される化合物または組成物は、経口投与される。
薬学的に許容される組成物には、錠剤、カプセル剤、散剤、液剤、懸濁剤、坐剤、及びエアロゾルの形態などの固体、半固体、液体及びエアロゾルの剤形が含まれる。本書で開示及び/または記載される化合物は、長期投与、及び/または所定の速度でのパルス投与のために、徐放または制御放出用の剤形(例えば、制御放出/徐放用の丸剤、デポー注射、浸透圧ポンプ、または経皮(電気輸送を含む)パッチ形態)で投与することもできる。いくつかの実施形態では、組成物は、正確な用量の単回投与に好適な単位剤形で提供される。
本書で開示及び/または記載される化合物は、単独で投与してもよく、1つ以上の従来の薬学的担体または賦形剤(例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、グルコース、ゼラチン、スクロース、炭酸マグネシウム)と組み合わせて投与してもよい。所望であれば、薬学的組成物は、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、pH緩衝剤など(例えば、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、シクロデキストリン誘導体、モノラウリン酸ソルビタン、酢酸トリエタノールアミン、オレイン酸トリエタノールアミン)のような無毒の補助物質を少量含んでもよい。概して、薬学的組成物は、意図される投与様式に応じて、約0.005重量%~95重量%、または約0.5重量%~50重量%の、本書で開示及び/または記載される化合物を含む。かかる剤形を調製する実際の方法は、当業者に既知であるか、または明らかであろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pennsylvaniaを参照されたい。
いくつかの実施形態では、組成物は、丸剤または錠剤の形態を取り、したがって、組成物は、本書で開示及び/または記載される化合物とともに、希釈剤(例えば、ラクトース、スクロース、リン酸二カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)、及び/または結合剤(例えば、デンプン、アラビアガム、ポリビニルピロリジン、ゼラチン、セルロース、セルロース誘導体)のうちの1つ以上を含有し得る。他の固体剤形には、ゼラチンカプセルに封入された散剤、marume、溶液または懸濁液(例えば、炭酸プロピレン、植物油、またはトリグリセリド中)が含まれる。
液体の薬学的に投与可能な組成物は、例えば、本書で開示及び/または記載される化合物と任意選択による薬学的添加剤とを担体(例えば、水、食塩水、水性デキストロース、グリセロール、グリコール、エタノールなど)に溶解、分散、または懸濁させることなどにより、溶液または懸濁液を形成することで調製され得る。注射可能剤は、従来の形態で、液体の溶液もしくは懸濁液として、エマルションとして、または注射前に液体に溶解もしくは懸濁させるのに好適な固体形態で調製することができる。かかる非経口組成物に含まれる化合物の割合は、例えば、化合物の物理的性質、化合物の活性、及び対象の必要性に依存する。しかし、溶液中で0.01%~10%の活性成分の割合が使用可能であり、組成物が固体であり後に別の濃度に希釈される場合には、より高くてもよい。いくつかの実施形態では、組成物は、本書で開示及び/または記載される化合物を溶液中に約0.2~2%含む。
本書で開示及び/または記載される化合物の薬学的組成物は、ネブライザー用のエアロゾルもしくは溶液として、または吹送用の超微粒粉末として、単独で、またはラクトースなどの不活性担体と組み合わせて、気道に投与してもよい。かかる場合、薬学的組成物の粒子は、50ミクロン未満、またはいくつかの実施形態では、10ミクロン未満の直径を有し得る。
更に、薬学的組成物は、本書で開示及び/または記載される化合物、ならびに1以上の更なる薬剤、医薬品、アジュバントなどを含み得る。好適な薬剤及び医薬品には、本書に記載されるものが含まれる。
キット
また、本書において提供される化合物または薬学的組成物のうちのいずれかを含有する製品及びキットも提供される。製品は、ラベルの付いた容器を備え得る。好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、及び試験管が挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成され得る。容器は、本書で提供される薬学的組成物を保持し得る。容器のラベルは、薬学的組成物が、本書に記載される状態を防止、処置、または抑制するために使用されることを示してもよく、インビボまたはインビトロのいずれかの使用に関する指示を示してもよい。
一態様では、本書では、本書に記載の化合物または組成物及び使用のための指示書を含有するキットが提供される。キットは、心疾患の治療を必要とする個体または対象に使用するための説明書を含み得る。キットは、バイアル、シリンジ、またはIVバッグなど、化合物または組成物の投与に使用され得る任意の材料または機器を更に含んでもよい。キットは、滅菌パッケージを含んでもよい。
組み合わせ
本書で記載及び/または開示される化合物及び組成物は、単独で投与してもよく、前述の障害、疾患、または状態の治療に有用な他の療法及び/または治療剤と組み合わせて投与してもよい。
本書に記載及び/または開示される化合物及び組成物は、HCMまたはHFpEFなどの心疾患を治療するための1つ以上の他の治療剤と組み合わせてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の治療剤は、心臓の神経ホルモン刺激を下方調節することによって心不全の進行を遅らせ、心臓リモデリングを防止しようとする治療剤(例えば、ACE阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)、β遮断薬、アルドステロン受容体拮抗剤、または神経エンドペプチダーゼ阻害剤)を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の治療剤は、心収縮性を刺激することによって心機能を改善する治療剤(例えば、βアドレナリン作動剤ドブタミンまたはホスホジエステラーゼ阻害剤ミルリノンなどの陽性変力薬剤)を含む。他の実施形態では、1つ以上の治療剤は、心前負荷を低減する治療剤(例えば、フロセミドなどの利尿剤)、または後負荷を低減する治療剤(カルシウムチャネルブロッカー、ホスホジエステラーゼ阻害剤、エンドセリン受容体拮抗剤、レニン阻害剤、または平滑筋ミオシン調節剤を含むが、これらに限定されない任意のクラスの血管拡張剤)を含む。
本書に記載及び/または開示される化合物及び組成物は、HCMまたはHFpEFを治療するための1つ以上の他の治療剤と組み合わせてもよい。いくつかの実施形態では、化合物及び/組成物を、β遮断薬、ベラパミル、及び/またはジソピラミドと組み合わせてもよい。
一般的な合成方法
式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)の化合物を、以下のそれらの一般的な調製のための例示的な合成スキーム及びそれに続く具体的な実施例を参照して説明する。当業者は、本書における様々な化合物を得るために、最終的に所望される置換基が必要に応じて保護の有無にかかわらず反応スキームを通じて保持されて所望の生成物をもたらすように、出発物質を好適に選択することができることを認識するであろう。あるいは、最終的に所望される置換基の代わりに、反応スキームを通して保持され、所望の置換基で適宜置き換えられ得る適切な基を採用することが必要であるか、または望ましい場合がある。更に、当業者には、保護基を使用して、ある特定の官能基(アミノ、カルボキシ、または側鎖基)を反応条件から保護できること、また、かかる基が適切な場合に標準条件下で除去されることが認識されよう。特に指定のない限り、変数は、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)に関して上記で定義されるとおりである。
化合物の特定の鏡像異性体を得ることが所望される場合、これは、鏡像異性体を分離または分割するための任意の好適な従来の手順を使用して、対応する鏡像異性体の混合物から達成することができる。よって、例えば、ジアステレオマー誘導体は、鏡像異性体の混合物、例えばラセミ体と、適切なキラル化合物との反応によって生成され得る。次いで、ジアステレオマーを、任意の簡便な手段、例えば結晶化によって分離し、所望の鏡像異性体を回収することができる。別の分割プロセスでは、キラル高速液体クロマトグラフィーを使用して、ラセミ体を分離することができる。代替的には、所望の場合、特定のエナンチオマーは、記載される工程のうちの1つにおいて適切なキラル中間体を使用することによって得られ得る。
クロマトグラフィー、再結晶化及び他の従来の分離手順はまた、化合物の特定の異性体を得ること、さもなければ反応の生成物を精製することが望ましい中間体または最終生成物で使用され得る。
本書に記載される化合物を調製する一般的な方法は、以下の例示的な方法に示される。本書において提供されるスキームにおける可変基は、式(I)、(I-A)、(I-A1)、(I-B)、(I-B1)、(I-C)、(I-C1)、(I-C2)、(I-D)、または(I-D1)、またはそれらの任意のバリエーションについて定義される。本書に記載される他の化合物は、同様の方法によって調製され得る。
いくつかの実施形態では、本書において提供される化合物は、スキーム1に従って合成され得る。
スキーム1において、R1及びR2は、式(I)の化合物、またはそのバリエーションもしくは実施形態、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩に対して本書の他の場所で定義されたとおりであり、Rxは、C1-6アルキルまたはC1-6ハロアルキルであり、Ryは、Hまたは-NH2である。
いくつかの実施形態では、本書において提供される化合物は、スキーム2に従って合成され得る。
スキーム2において、R1及びR2は、式(I)の化合物、またはそのバリエーションもしくは実施形態、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩に対して本書の他の場所で定義されたとおりであり、Ryは、Hまたは-NH2である。
いくつかの実施形態では、本書において提供される化合物は、スキーム3に従って合成され得る。
スキーム3において、R1及びR2は、式(I)の化合物、またはそのバリエーションもしくは実施形態、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩に対して本書の他の場所で定義されたとおりである。
特定の非限定的な例を以下の実施例セクションで提供する。
以下の実施例は、本書で提供される組成物、使用、及び方法を例示するために提供されるが、これらを限定するものではない。化合物は、上述の一般的な方法を使用して調製される。
以下の略語は、実施例を通して使用され得る。TEA(トリメチルアミン)、DCM(ジクロロメタン)、(Boc)2O(ジ-tert-ブチルデカーボネート)、EA(酢酸エチル)、PE(石油エーテル)、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、DIEA(N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン)、HATU(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルホスフェート)、HOAt(1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール)、HOBt(ヒドロキシベンゾトリアゾール)、EDCI(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)、MeOH(メタノール)、EtOH(エタノール)、IPA(iPrOH、プロパン-2-オール)、NMP(1-メチルピロリジン-2-オン)、STAB(トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)、ACN(アセトニトリル)、TFA(トリフルオロ酢酸)、DPPA(ジフェニルホスホリルアジド)、DBU(1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン)、THF(テトラヒドロフラン)、PPh3(トリフェニルホスファン(triphenylphosphane))、SM(出発物質)、Hex(ヘキサン)、NCS(N-クロロスクシンイミド)、r.t.(室温)、DCE(ジクロロエタン)、FA(ギ酸)、CHCl3(クロロホルム)、BnBr(臭化ベンジル)、HCl(塩酸)、equiv(当量)、RT(保持時間)、SFC(超臨界流体クロマトグラフィー)、及びDSC(ビス(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)カーボネート)。
以下のパラメータを使用してXRPD回折図を収集した:
XRPD装置:Rigaku MiniFlex600 6GベンチトップX線回折システム、X線発生器:600Wの電力(40kV/15mA)を供給、密閉型X線管:ノーマルフォーカス付きToshiba A-21-Cuチューブ、X線放射:CuKα、ソフトウェア:Smartlab Studio II x64 ver.4.5.352.0(データ収集及び分析)、入射ソーラスリット:2.5°、発散スリット:1.25°、長さ制限スリット:10、試料ステージ:ASC-8PM_MF、フィルター:Cu_beta_X1.5、受光ソーラスリット:2.5°、散乱スリット:8.0mm、受入スリット:0.3mm、検出器:高速D/tex Utra2 MF RAC、電力:40kV/15mA、走査速度:2°θ/分、ステップ:0.01°θ、スキャン範囲:3°~30°θまたは3°~40°θ、試料ホルダー:0.2mmインデント付きゼロバックグラウンドSi試料ホルダー。
実施例1
5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルバルデヒドの合成
(化合物4)
ステップ1:1-(tert-ブチル)3-エチル3-((3,4-ジフルオロベンジル)アミノ)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレートの合成:
0℃のDCE(40.0mL)中の1-tert-ブチル3-エチル3-アミノアゼチジン-1,3-ジカルボン酸(4.0g、16.4mmol、1.0当量)及び3,4-ジフルオロベンズアルデヒド(2.4g、19.6mmol、1.2当量)の溶液に、STAB(7.0g、32.8mmol、2.0当量)及びAcOH(2.0g、32.8mmol、2.0当量)を添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、水酸化アンモニウムでpHを8に調整し、水(50.0mL)を添加し、DCM(50.0mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で2回洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、6.0gの1-tert-ブチル3-エチル3-(3,4-ジフルオロベンジル)アミノ)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレートを黄色の油状物として得た。LRMS(ES)m/z 315(M+H-56).
ステップ2:1-(tert-ブチル)3-エチル3-(2-ブロモーN-(3,4-ジフルオロベンジル)アセトアミド)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレートの合成:
0℃のDCM(60.0mL)中の1-tert-ブチル3-エチル3-[[(3,4-ジフルオロフェニル)メチル]アミノ]アゼチジン-1,3-ジカルボキシレート(6.0g、16.2mmol、1.0当量)の溶液に、水(30mL)中のK2CO3(3.4g、24.3mmol、1.50当量)の溶液を添加し、次いで10分間にわたってブロモアセチルブロミド(3.9g、19.4mmol、1.2当量)を滴加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、DCM(50.0mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、ブライン(100mL)で2回洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、8.0gの1-(tert-ブチル)3-エチル3-(2-ブロモーN-(3,4-ジフルオロベンジル)アセトアミド)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレートを黄色の油状物として得た。LRMS(ES)m/z 435(M+H-56).
ステップ3:tert-ブチル5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートの合成:
ACN(80mL)中の1-(tert-ブチル)3-エチル3-(2-ブロモーN-(3,4-ジフルオロベンジル)アセトアミド)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレート(8.0g、16.3mmol、1.0当量)の溶液に、TEA(4.9g、48.4mmol、3.0当量)及びトランス-(1r,4r)-4-メチルシクロヘキサン-1-アミン(2.8g、24.7mmol、1.5当量)を添加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、徐々に80℃に温め、80℃で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、PE及びEA(7/1、80mL)の混合物でトリチュレートして、7g(約80%純度)のtert-ブチル5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートをオフホワイト固体として得た。LRMS(ES)m/z 422(M+H-56).
ステップ4:5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオンの合成:
DCM(70.0mL)中のtert-ブチル5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレート(7.0g、14.7mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、TFA(18.0mL)を添加した。得られた混合物を室温で3時間撹拌し、水(100.0mL)で希釈し、NaOH水溶液(2N)でpHを13~14に調整し、DCM(100mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、ブライン(100.0mL)で2回洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、4.5g(約80%の純度)の5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオンを黄色の半固体として得た。LRMS(ES)m/z 378(M+H).
ステップ5:5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルバルデヒド(化合物4)の合成:
ギ酸エチル(15.0mL)中のtert-ブチル5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレート(1.5g、4.0mmol、1.0当量)の溶液を、80℃で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮し、C18カラムクロマトグラフィーにより精製し、水(0.05%NH4HCO3)/CH3CN(3:2)の混合物で溶出し、1.3g(81%)の5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルバルデヒドを非晶質白色固体として得た。この非晶質白色固体の実験X線粉末回折(XRPD)パターンを図1に示す。LRMS(ES)m/z 406(M+H); 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.96 (s, 1H), 7.47 - 7.29 (m,2H), 7.10 (ddd, J = 9.4, 4.4, 2.0 Hz, 1H), 4.82 (s, 2H), 4.50 (d, J = 9.6 Hz, 1H),4.15-4.28 (m, J = 3H), 4.01 (s, 2H), 3.96 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 1.80 - 1.69 (m,2H), 1.65 - 1.48 (m, 4H), 1.35 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 1.13 - 0.93 (m, 2H), 0.88 (d,J = 6.5 Hz, 3H).
実施例2
5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキサミドの合成
(化合物5)
ステップ1:5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキサミド(化合物5)の合成:
0℃のTHF(15.0mL)中のtert-ブチル5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレート(1.5g、4.0mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、TEA(1.2g、11.9mmol、3.0当量)及びイソシアナトトリメチルシラン(685mg、6.0mmol、1.5当量)を5分間かけて滴加した。得られた混合物を、室温で一晩撹拌し、減圧下で濃縮し、最初にPE及びEAの混合物(5/1;20mL)で、次いでヘキサン(20mL)でトリチュレートして、1.4g(84%)の5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキサミドをオフホワイト固体として得た。LRMS(ES)m/z 421(M+H); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.55 - 7.30 (m, 2H), 7.09 (dd,J = 8.0, 4.3 Hz, 1H), 6.00 (s, 2H), 4.82 (s, 2H), 4.20 (t, J = 9.1 Hz, 3H), 3.99(s, 2H), 3.84 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 1.74 (d, J = 12.9 Hz, 2H), 1.58 (dtt, J = 20.6,12.1, 6.1 Hz, 4H), 1.42 - 1.29 (m, 1H), 1.04 (qd, J = 12.2, 4.5 Hz, 2H), 0.88 (d,J = 6.5 Hz, 3H).
以下の表の化合物を、化合物5と同様の方法で調製した。
実施例3
5-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)-8-イソプロピル-2-(ピリダジン-3-イル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオンの合成
(化合物8)
ステップ1:1-(tert-ブチル)3-エチル3-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)アミノ)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレートの合成:
0℃のDCE(20.0mL)中の1-tert-ブチル3-エチル3-アミノアゼチジン-1,3-ジカルボキシレート(2.0g、8.2mmol、1.0当量)及び4-クロロ-3-フルオロベンズアルデヒド(2.0g、12.3mmol、1.5当量)の溶液に、ACOH(984mg、16.4mmol、2.0当量)及びSTAB(3.5g、16.5mmol、2.0当量)を少しずつ添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、水酸化アンモニウムでpHを8に調整し、水(30.0mL)を添加し、DCM(30.0mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、ブライン(30.0mL)で2回洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、3.0gの1-tert-ブチル3-エチル3-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)アミノ)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレートを黄色の油状物として得た。LRMS(ES)m/z 331(M+H-56).
ステップ2:1-(tert-ブチル)3-エチル3-(2-ブロモーN-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)アセトアミド)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレートの合成:
0℃のDCM(30.0mL)中の1-tert-ブチル3-エチル3-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)アミノ)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレート(3.0g、7.8mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、水(15mL)中のK2CO3(1.7g、12.3mmol、1.50当量)の溶液を添加し、次いでブロモアセチルブロミド(1.9g、9.4mmol、1.2当量)を5分間にわたって滴加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、DCM(40.0mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、ブライン(40mL)で2回洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、C18カラムクロマトグラフィーによって精製し、水(0.5%炭酸アンモニウム)及びACN(1/4)で溶出し、3.9g(89%)の1-(tert-ブチル)3-エチル3-(2-ブロモーN-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)アセトアミド)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレートを黄色の油状物として得た。LRMS(ES)m/z 451(M+H-56).
ステップ3:tert-ブチル5-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)-8-イソプロピル-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートの合成:
ACN(20mL)中の1-(tert-ブチル)3-エチル3-(2-ブロモーN-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)アセトアミド)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレート(1.5g、3.0mmol、1.0当量)の溶液に、TEA(898mg、8.9mmol、3.0当量)及びイソプロピルアミン(262mg、4.4mmol、1.5当量)を添加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、徐々に80℃に温め、80℃で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却し、撹拌しながら水を添加した。沈殿した固体を濾過によって回収し、水(50.0mL)で洗浄して、1.1g(85%)のtert-ブチル5-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)-8-イソプロピル-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートをオフホワイト固体として得た。LRMS(ES)m/z 384(M+H-56).
ステップ4:5-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)-8-イソプロピル-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオンの合成:
DCM(12.0mL)中のtert-ブチル5-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)-8-イソプロピル-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレート(1.1g、2.4mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、TFA(3.0mL)を添加した。得られた混合物を、室温で3時間撹拌し、水(20.0mL)で希釈し、NaOH水溶液(2N)でpHを13~14に調整し、DCM(20mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、ブライン(20.0mL)で2回洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、950mgの5-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)-8-イソプロピル-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオンを黄色固体として得た。LRMS(ES)m/z 340(M+H).
ステップ5:5-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)-8-イソプロピル-2-(ピリダジン-3-イル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン(化合物8)の合成:
ジオキサン(10mL)中の5-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)-8-イソプロピル-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン(950mg、2.8mmol、1.0当量)及び3-ブロモピリダジン(662.2mg、4.2mmol、1.5当量)の撹拌溶液に、Cs2CO3(1.8g、5.5mmol、2.0当量)及びPd-PEPPSI-IPentCl2-メチルピリジン(o-ピコリン)(117.6mg、0.14mmol、0.05当量)を添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下、90℃で一晩撹拌した。混合物を室温に冷却し、濾過して固体を除去し、C18カラムクロマトグラフィーによって精製し、水(0.05%炭酸アンモニウム)/ACN(2:1)で溶出し、695mg(59%)の5-(4-クロロ-3-フルオロベンジル)-8-イソプロピル-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオンを黄色固体として得た。LRMS(ES)m/z 418(M+H); 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.59 (dd, J = 4.6, 1.3 Hz,1H), 7.53 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.43 - 7.34 (m, 2H), 7.14 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H),6.84 (dd, J = 9.0, 1.4 Hz, 1H), 4.95 (s, 2H), 4.60 (h, J = 6.8 Hz, 1H), 4.47 (d,J = 9.5 Hz, 2H), 4.18 (d, J = 9.5 Hz, 2H), 4.03 (s, 2H), 1.15 (d, J = 6.8 Hz, 6H).
以下の表の化合物を、化合物8と同様の方法で調製した。
実施例4
5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-2-(ピリダジン-3-イル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオンの合成
(化合物12)
ステップ1:tert-ブチル3-シアノ-3-((3,4-ジフルオロベンジル)アミノ)アゼチジン-1-カルボキシレートの合成:
THF(12.0mL)中のtert-ブチル3-オキソアゼチジン-1-カルボキシレート(3.1g、18.2mmol、1.3当量)の溶液に、水(6.0mL)中の酢酸(1.0g、16.8mmol、1.2当量)及び(3,4-ジフルオロフェニル)メタンアミン(2.0g、14.0mmol、1.0当量)を添加した。室温で5分間撹拌した後、混合物に、水(2.8mL)中のシアン化ナトリウム(5.7g、116.9mmol、1.0当量)の溶液を添加した。混合物を、油浴中、60℃で15時間加熱し、室温に冷却し、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液を添加することによって中和し、酢酸エチル(30.0mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた黄色固体に、ジエチルエーテル(30.0mL)を添加し、1分間超音波処理し、0℃に冷却し、濾過した。得られた白色沈殿物を、氷冷ジエチルエーテル(15.0mL)で洗浄し、一晩乾燥させ、3.4g(76%)のtert-ブチル3-シアノ-3-((3,4-ジフルオロベンジル)アミノ)アゼチジン-1-カルボキシレートを得た。LRMS(ES)m/z 297.1(M+H-27).
ステップ2:tert-ブチル3-(2-クロロ-N-(3,4-ジフルオロベンジル)アセトアミド)-3-シアノアゼチジン-1-カルボキシレートの合成:
0℃に冷却したDCM(125.0mL)中のtert-ブチル3-シアノ-3-((3,4-ジフルオロベンジル)アミノ)アゼチジン-1-カルボキシレート(3.1g、9.7mmol、1.0当量)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.0mL、29.0mmol、3.0当量)の溶液に、クロロアセチルクロリド(1.9mL、24.2mmol、2.5当量)を20分かけて滴加した。混合物を0℃で15分間撹拌し、室温に温め、2時間撹拌し、飽和重炭酸ナトリウムで希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0%~40%EtOAc/ヘキサン勾配)によって精製し、3.3g(86%)のtert-ブチル3-(2-クロロ-N-(3,4-ジフルオロベンジル)アセトアミド)-3-シアノアゼチジン-1-カルボキシレートを得た。LRMS(ES)m/z 400.1(M+H).
ステップ3:tert-ブチル3-シアノ-3-(N-(3,4-ジフルオロベンジル)-2-(((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)アミノ)アセトアミド)アゼチジン-1-カルボキシレートの合成:
アセトニトリル(15.0mL)中のtert-ブチル3-(2-クロロ-N-(3,4-ジフルオロベンジル)アセトアミド)-3-シアノアゼチジン-1-カルボキシレート(1.5g、3.8mmol、1.0当量)の溶液に、(1r、4r)-4-メチルシクロヘキサン-1-アミン(641.6mg、5.7mmol、1.5当量)及びDIPEA(2.0mL、11.3mmol、3.0当量)を添加した。溶液を75℃で2時間加熱し、濃縮し、溶出液としてヘキサン中の30~100%EtOAcの勾配を使用してシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、1.3g(70%)のtert-ブチル3-シアノ-3-(N-(3,4-ジフルオロベンジル)-2-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)アミノ)アセトアミド)アゼチジン-1-カルボキシレートを得た。LRMS(ES)m/z 477.3(M+H).
ステップ4:tert-ブチル5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートの合成:
エタノール(15.0mL)中のtert-ブチル3-シアノ-3-(N-(3,4-ジフルオロベンジル)-2-(((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)アミノ)アセトアミド)アゼチジン-1-カルボキシレート(1.3g、2.6mmol、1.0当量)の溶液に、酢酸(2.3mL、40.0mmol、15.0当量)を添加した。反応物を75℃で15時間加熱し、次いで90℃で3時間加熱し、室温まで冷却し、10分間超音波処理した。沈殿物を濾過により回収し、氷冷エタノールで洗浄し、乾燥させて、953.9mg(76%)のtert-ブチル5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートを得た。LRMS(ES)m/z 422.2(M+H-56).
ステップ5:5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン2,2,2-トリフルオロアセテートの合成:
DCM(2.0mL)中のtert-ブチル5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレート(953.9mg、2.0mmol、1.0当量)の溶液に、TFA(2.0mL)を室温で添加した。混合物を30分間撹拌し、濃縮し、高真空下で乾燥させて、981.0mg(99%)の5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン2,2,2-トリフルオロアセテートを得た。LRMS(ES)m/z 378.20(M+H).
ステップ6:5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-2-(ピリダジン-3-イル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン(化合物12)の合成:
IPA(4.0mL)中の5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン2,2,2-トリフルオロアセテート(302.8mg、0.62mmol、1.0当量)の溶液に、炭酸カリウム(171.5mg、1.2mmol、2.0当量)及び6-クロロピリダジン-3-カルボン酸メチル(159.5mg、0.92mmol、1.5当量)を添加した。反応バイアルをキャップし、120℃で30分間加熱し、室温まで冷却した。混合物に、LiOH溶液(1M、1.8mL、1.8mmol、3.0当量)を添加し、混合物を10分間撹拌し、水で希釈し、HCl(1.0M)でpH3に酸性化し、DCMで抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。得られた固体にジフェニルエーテル(4.0mL)を添加し、混合物を180℃で5分間加熱し、室温に冷却し、DCM中0~10%MeOHの勾配を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、75.1mg(27%)の5-(3,4-ジフルオロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-2-(ピリダジン-3-イル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオンを得た。LRMS(ES)m/z 456.2(M+H).1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.58 (dd, J = 4.5,1.3 Hz, 1H), 7.41 - 7.32 (m, 3H), 7.12 - 7.06 (m, 1H), 6.83 (dd, J = 9.0, 1.4 Hz,1H), 4.92 (s, 2H), 4.45 (d, J = 9.5 Hz, 2H), 4.20 - 7.11 (m, 1H), 4.18 (d, J = 9.5Hz, 2H), 4.04 (s, 2H), 1.73 (d, J = 13.1 Hz, 2H), 1.64 - 1.49 (m, 4H), 1.40 - 1.28(m, 1H), 1.01 (qd, J = 12.1, 4.6 Hz, 2H), 0.87 (d, J = 6.5 Hz, 3H).
以下の表の化合物を、化合物12と同様の方法で調製した。
実施例5
5-(4-クロロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキサミドの合成
(化合物18)
ステップ1:tert-ブチル3-((4-クロロベンジル)アミノ)-3-シアノアゼチジン-1-カルボキシレートの合成:
THF(60.0mL)中のtert-ブチル3-オキソアゼチジン-1-カルボキシレート(20.0g、116.9mmol、1.0当量)の溶液に、水(45.0mL)中の酢酸(8.0mL、140.2mmol、1.2当量)及び(4-クロロフェニル)メタンアミン(17.1mL、140.2mmol、1.2当量)を添加した。室温で5分間撹拌した後、混合物に、水(10.0mL)中のシアン化ナトリウム(5.7g、116.9mmol、1.0当量)の溶液を添加した。混合物を、油浴中、65℃で15時間加熱し、室温に冷却し、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液を添加することによって中和し、酢酸エチル(150.0mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた黄色固体に、ジエチルエーテル/ヘキサン(140.0mL、2:1)を添加し、溶液を5分間超音波処理し、0℃に冷却し、濾過した。得られた白色沈殿物を、氷冷ジエチルエーテル(50.0mL)で洗浄し、一晩乾燥させ、29.7g(92%)のtert-ブチル3-((4-クロロベンジル)アミノ)-3-シアノアゼチジン-1-カルボキシレートを得た。LRMS(ES)m/z 295.2(M+H-27).
ステップ2:tert-ブチル3-(2-クロロ-N-(4-クロロベンジル)アセトアミド)-3-シアノアゼチジン-1-カルボキシレートの合成:
0℃に冷却したDCM(150.0mL)中のtert-ブチル3-((4-クロロベンジル)アミノ)-3-シアノアゼチジン-1-カルボキシレート(14.0g、43.5mmol、1.0当量)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(22.8mL、130.1mmol、3.0当量)の溶液に、DCM(50.0mL)中の2-クロロアセチルクロリド(8.7mL、108.8mmol、2.5当量)を25分かけて滴加した。混合物を0℃で15分間撹拌し、室温に温め、20時間撹拌した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウムで希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(0%~40%EtOAc/ヘキサン勾配)によって精製し、14.1g(81%)のtert-ブチル3-(2-クロロ-N-(4-クロロベンジル)アセトアミド)-3-シアノアゼチジン-1-カルボキシレートを得た。LRMS(ES)m/z 398.1(M+H).
ステップ3:tert-ブチル3-(N-(4-クロロベンジル)-2-(((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)アミノ)アセトアミド)-3-シアノアゼチジン-1-カルボキシレートの合成:
アセトニトリル(90.0mL)中のtert-ブチルtert-ブチル3-(2-クロロ-N-(4-クロロベンジル)アセトアミド)-3-シアノアゼチジン-1-カルボキシレート(11.0g、27.6mmol、1当量)の溶液に、(1r、4r)-4-メチルシクロヘキサン-1-アミン(3.6g、30.4mmol、1.0当量)及びDIPEA(9.6mL、69.1mmol、2.5当量)を添加した。溶液を還流温度で3.5時間加熱し、更に(1r,4r)-4-メチルシクロヘキサン-1-アミン(362.1mg、3.0mmol、0.1当量)を添加した。混合物を1時間撹拌して加熱し、冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、12.6g(96%)のtert-ブチル3-(N-(4-クロロベンジル)-2-(((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)アミノ)アセトアミド)-3-シアノアゼチジン-1-カルボキシレートを得た。LRMS(ES)m/z 475.2(M+H).
ステップ4:tert-ブチル5-(4-クロロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートの合成:
エタノール(88.0mL)中のtert-ブチル3-(N-(4-クロロベンジル)-2-(((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)アミノ)アセトアミド)-3-シアノアゼチジン-1-カルボキシレート(12.6g、26.4mmol、1.0当量)の溶液に、0時間(15.1mL、264.7mmol、10.0当量)、14.5時間(7.6mL、132.4mmol、5.0当量)、及び20.5時間(7.6mL、132.4mmol、5.0当量)で酢酸を添加した。反応物を還流温度で合計21時間撹拌し、室温まで冷却し、10分間超音波処理した。固体を濾過し、氷冷エタノールで洗浄し、乾燥させた。濾液を濃縮し、エタノールに溶解し、超音波処理/濾過を更に3回(合計4回)繰り返して、9.8g(78%)のtert-ブチル5-(4-クロロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートを得た。LRMS(ES)m/z 420.1(M+H-56).
ステップ5:5-(4-クロロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩の合成:
DCM(55.0mL)中のtert-ブチル5-(4-クロロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレート(15.1g、31.8mmol、1.0当量)の溶液に、室温でTFA(55.0mL)を添加した。混合物を30分間撹拌し、濃縮し、高真空下で乾燥させて、15.6g(99%)の5-(4-クロロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン2,2,2-トリフルオロアセテートを得た。LRMS(ES)m/z 376.2(M+H).
ステップ6:5-(4-クロロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキサミド(化合物18)の合成:
アセトニトリル(102.0mL)中の5-(4-クロロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン2,2,2-トリフルオロアセテート(15.6g、31.8mmol、1.0当量)の溶液に、酢酸(175.0μL、3.1mmol、0.1当量)及びシアン酸ナトリウム(4.0g、61.2mmol、1.9当量)を添加した。混合物を55℃で80分間加熱し、室温に冷却し、水及び飽和重炭酸ナトリウムで希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、沈殿物を得、それをエーテル(100.0mL)中で超音波処理した。得られた沈殿物を濾過により回収し、氷冷エーテルで洗浄し、乾燥させて白色固体を得、これをエタノール(100.0mL)中で再び超音波処理した。沈殿物を再び濾過により回収し、氷冷エーテルで洗浄し、乾燥させて、8.7g(65%)の5-(4-クロロベンジル)-8-((1r,4r)-4-メチルシクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキサミドを白色固体として得た。LRMS(ES)m/z 419.2(M+H).1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.39 (d, J = 8.4Hz, 2H), 7.24 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.01 (s, 2H), 4.82 (s, 2H), 4.22 - 4.12 (m, 1H),4.19 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 3.99 (s, 2H), 3.83 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 1.77 - 1.69 (m,2H), 1.63 - 1.48 (m, 4H), 1.41 - 1.27 (m, 1H), 1.03 (qd, J = 12.3, 4.1 Hz, 2H),0.87 (d, J = 6.4 Hz, 3H).
以下の表の化合物を、化合物18と同様の方法で調製した。
実施例6
5-(4-クロロベンジル)-8-(2,4-ジフルオロフェニル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルバルデヒドの合成
(比較物A)
ステップ1:1-(tert-ブチル)3-エチル3-((4-クロロベンジル)アミノ)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレートの合成
DCE(120.0mL)中の1-tert-ブチル3-エチル3-アミノアゼチジン-1,3-ジカルボキシレート(10.6g、43.3mmol、1.0当量)及び4-クロロベンズアルデヒド(6.1g、43.3mmol、1.0当量)の0℃での溶液に、AcOH(5.0mL)を添加した。室温に温め、室温で撹拌した後、混合物に、追加のAcOH(5.0mL)を4時間、8.5時間、及び9時間で2回添加した(合計20.0mL)。この混合物に、STAB(11.0g、52.0mmol、1.2当量)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、重炭酸ナトリウム水溶液で希釈し、DCMで3回抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。得られた油状物を、温めたヘキサン及びEA(混合物が均質な溶液になるまで滴加)に60℃で撹拌しながら溶解した。次いで混合物を0℃に冷却し、沈殿物を濾過によって回収し、冷ヘキサンで洗浄した。濾液を濃縮し、再度工程を繰り返した。混合した固体を真空下で乾燥させ、13.8g(86%)の1-(tert-ブチル)3-エチル3-((4-クロロベンジル)アミノ)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレートを白色固体として得た。LRMS(ES)m/z 313.1(M+H-56).
ステップ2:tert-ブチル3-((4-クロロベンジル)アミノ)-3-((2,4-ジフルオロフェニル)カルバモイル)アゼチジン-1-カルボキシレートの合成
N2下0℃でTHF(200.0mL)中の1-(tert-ブチル)3-エチル3-((4-クロロベンジル)アミノ)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレート(10.0g、27.1mmol、1.0当量)及び2,4-ジフルオロアニリン(3.0mL、29.8mmol、1.1当量)の撹拌溶液に、LHMDS溶液(54.2mL、THF中1M、54.2mmol、2.0当量)を20分間にわたって滴加した。混合物を、0℃で20分間撹拌し、水(50mL)でクエンチし、HCl水溶液(0.5N)を使用してpH5に酸性化し、EA(100mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、11.3gのtert-ブチル3-((4-クロロベンジル)アミノ)-3-((2,4-ジフルオロフェニル)カルバモイル)アゼチジン-1-カルボキシレートを得、これを精製することなく次のステップに使用した。LRMS(ES)m/z 396.1(M+H-56).
ステップ3:tert-ブチル3-(2-クロロ-N-(4-クロロベンジル)アセトアミド)-3-((2,4-ジフルオロフェニル)カルバモイル)アゼチジン-1-カルボキシレートの合成
0℃に冷却したTHF(20mL)中のtert-ブチル3-((4-クロロベンジル)アミノ)-3-((2,4-ジフルオロフェニル)カルバモイル)アゼチジン-1-カルボキシレート(11.3g、23.2mmol、1.0当量)の溶液に、TEA(4.8mL、34.7mmol、1.5当量)及び2-クロロアセチルクロリド(1.5mL、27.8mmol、1.2当量)を添加した。0℃で30分間撹拌するときに、追加のTEA(4.8mL、34.7mmol、1.5当量)及び2-クロロアセチルクロリド(1.8mL、23.2mmol、1.0当量)を混合物に添加し、混合物を0℃で30分間撹拌した。この混合物に、追加の2-クロロアセチルクロリド(0.6mL、6.9mmol、0.3当量)を添加した。混合物を徐々に室温に温め、45分間撹拌し、0℃に冷却し、重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチした。混合物をEAで3回抽出した。合わせた有機層を、Bringで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、13.2gのtert-ブチル3-(2-クロロ-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アセトアミド)-3-((2,4-ジフルオロフェニル)カルバモイル)アゼチジン-1-カルボキシレートを得、これを更に精製することなく次のステップに使用した。LRMS(ES)m/z 528.1(M+H).
ステップ4:tert-ブチル5-(4-クロロベンジル)-8-(2,4-ジフルオロフェニル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートの合成
N2下のDMF(40.0mL)中のtert-ブチル3-(2-クロロ-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アセトアミド)-3-((2,4-ジフルオロフェニル)カルバモイル)アゼチジン-1-カルボキシレート(13.2g、20.1mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、K2CO3(4.2g、30.1mmol、1.5当量)を添加した。得られた混合物を室温で3.5時間撹拌し、水で希釈し、EAで2回抽出した。合わせた有機層を、水で2回、ブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、11.7gのtert-ブチル5-(4-クロロベンジル)-8-(2,4-ジフルオロフェニル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートを得た。LRMS(ES)m/z 436.1(M+H-56).
ステップ5:5-(4-クロロベンジル)-8-(2,4-ジフルオロフェニル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン2,2,2-トリフルオロ酢酸塩の合成
DCM(50.0mL)中のtert-ブチル5-(4-クロロベンジル)-8-(2,4-ジフルオロフェニル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレート(14.7g、29.8mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、TFA(25.0mL)を添加した。得られた混合物を室温で3時間撹拌し、濃縮乾固し、15.1gの5-(4-クロロベンジル)-8-(2,4-ジフルオロフェニル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン2,2,2-トリフルオロアセテートを得、これを更に精製することなく次のステップに使用した。LRMS(ES)m/z 392.1(M+H).
ステップ6:5-(4-クロロベンジル)-8-(2,4-ジフルオロフェニル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルバルデヒドの合成
ACN(50mL)中の5-(4-クロロベンジル)-8-(2,4-ジフルオロフェニル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン2,2,2-トリフルオロアセテート(15.1g、29.9mmol、1当量)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(15.7mL、89.7mmol、3当量)の溶液に、ギ酸2,2,2-トリフルオロエチル(5.8mL、59.8mmol、2当量)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌し、水で希釈し、DCMで抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、0~100%EtOAc勾配、次いで0~10%MeOH、DCM勾配を使用し、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。固体をEtOH/MTBE1:1に懸濁し、80℃に加熱し、氷上で冷却し、濾過し、MTBEで洗浄し、乾燥して、8.3g(66%)の5-(4-クロロベンジル)-8-(2,4-ジフルオロフェニル)-6,9-ジオキソ-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルバルデヒドを得た。LRMS(ES)m/z 420.1(M+H).1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.98 (s, 1H), 7.65(td, J = 8.8, 6.0 Hz, 1H), 7.48 - 7.41 (m, 1H), 7.43 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.34 (d,J = 8.4 Hz, 2H), 7.22 (td, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 4.91 (s, 2H), 4.55 (d, J = 9.7Hz, 1H), 4.43 (d, J = 1.6 Hz, 2H), 4.37 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 4.28 (d, J = 10.8 Hz,1H), 4.08 (d, J = 10.8 Hz, 1H).
実施例7
8-(2,4-ジフルオロフェニル)-6,9-ジオキソ-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルバルデヒドの合成
(比較物B)
1-(tert-ブチル)3-エチル3-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレートの合成
0℃のDCE(60.0mL)中の1-tert-ブチル3-エチル3-アミノアゼチジン-1,3-ジカルボキシレート(15.0g、61.4mmol、1.0当量)及び4-(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(11.8g、67.5mmol、1.1当量)の溶液に、AcOH(7.4g、122.8mmol、2.0当量)及びSTAB(19.5g、92.1mmol、1.5当量)を少しずつ添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、水酸化アンモニウムでpHを8に調整し、水(100.0mL)を添加し、DCM(300.0mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブラインで2回洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、29.6gの1-(tert-ブチル)3-エチル3-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレートを得、これを精製せずに次のステップのために使用した。LRMS(ES)m/z 347.1(M+H-56)
tert-ブチル3-((2,4-ジフルオロフェニル)カルバモイル)-3-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)アゼチジン-1-カルボキシレートの合成
N2下0℃のTHF(200.0mL)中の1-(tert-ブチル)3-エチル3-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)アゼチジン-1,3-ジカルボキシレート(29.6g、44.1mmol、1.0当量)及び2,4-ジフルオロアニリン(4.9mL、48.5mmol、1.1当量)の撹拌溶液に、20分間にわたりLHMDS(88.3mL、THF中1M、88.3mmol、2.0当量)の溶液を滴加した。混合物を0℃で20分間撹拌し、水(50mL)でクエンチし、HCl水溶液(3N)を使用してpH5に酸性化し、EA(100mL)で2回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、36.2gのtert-ブチル3-((2,4-ジフルオロフェニル)カルバモイル)-3-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)アゼチジン-1-カルボキシレートを得、これを精製することなく次のステップに使用した。LRMS(ES)m/z 430.1(M+H-56).
tert-ブチル3-(2-クロロ-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アセトアミド)-3-((2,4-ジフルオロフェニル)カルバモイル)アゼチジン-1-カルボキシレートの合成
0℃に冷却したTHF(100mL)中のtert-ブチル3-((2,4-ジフルオロフェニル)カルバモイル)-3-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)アゼチジン-1-カルボキシレート(36.2g、40.6mmol、1.0当量)の溶液に、TEA(8.5mL、60.9mmol、1.5当量)及び2-クロロアセチルクロリド(3.9mL、48.7mmol、1.2当量)を添加した。0℃で30分間撹拌するときに、追加のTEA(8.5mL、60.9mmol、1.5当量)及び2-クロロアセチルクロリド(3.3mL、40.6mmol、1.0当量)を混合物に添加し、混合物を0℃で30分間撹拌した。この混合物に、追加の2-クロロアセチルクロリド(1.0mL、12.2mmol、0.3当量)を添加した。混合物を徐々に室温に温め、45分間撹拌し、0℃に冷却し、重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチした。混合物をEAで3回抽出した。合わせた有機層を、Bringで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、42.0gのtert-ブチル3-(2-クロロ-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アセトアミド)-3-((2,4-ジフルオロフェニル)カルバモイル)アゼチジン-1-カルボキシレートを得、これを更に精製することなく次のステップに使用した。LRMS(ES)m/z 562.1(M+H).
tert-ブチル8-(2,4-ジフルオロフェニル)-6,9-ジオキソ-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートの合成
N2下のDMF(80.0mL)中のtert-ブチル3-(2-クロロ-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アセトアミド)-3-((2,4-ジフルオロフェニル)カルバモイル)アゼチジン-1-カルボキシレート(42.0g、33.4mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、K2CO3(7.0g、50.1mmol、1.5当量)を添加した。得られた混合物を室温で3.5時間撹拌し、水で希釈し、EAで2回抽出した。合わせた有機層を、水で2回、ブラインで1回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、溶出液としてヘキサン中の0~60%EAの勾配を使用してシリカゲルによって精製し、12.0g(4ステップで37%)のtert-ブチル8-(2,4-ジフルオロフェニル)-6,9-ジオキソ-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートを得た。LRMS(ES)m/z 469.7(M+H-56).
8-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン2,2,2-トリフルオロアセテートの合成
DCM(12.0mL)中のtert-ブチル8-(2,4-ジフルオロフェニル)-6,9-ジオキソ-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレート(12.0g、22.8mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、TFA(40.0mL)を添加した。得られた混合物を室温で3時間撹拌し、濃縮乾固し、12.3gの8-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン2,2,2-トリフルオロアセテートを得、これを更に精製することなく次のステップに使用した。LRMS(ES)m/z 426.1(M+H).
8-(2,4-ジフルオロフェニル)-6,9-ジオキソ-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルバルデヒドの合成
THF(50.0mL)中の8-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン2,2,2-トリフルオロアセテート(trifluoroacete)(12.3g、22.8mmol、1.0当量)の撹拌溶液に、シアン酸ナトリウム(4.4g、68.4mmol、3.0当量)及び数滴の酢酸を添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、濃縮し、溶出液としてDCM中の0~10%のMeOHの勾配を使用してシリカカラムクロマトグラフィーによって精製して、8.8g(2ステップで73%)の8-(2,4-ジフルオロフェニル)-6,9-ジオキソ-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルバルデヒドを得た。LRMS(ES)m/z 469.1(M+H); 1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 7.70 (d, J = 8.1 Hz, 2H),7.61 - 7.53 (m, 3H), 7.20 (ddd, J = 10.4, 8.8, 2.8 Hz, 1H), 7.12 (dddd, J = 9.1,8.0, 2.8, 1.4 Hz, 1H), 5.15 (s, 2H), 4.53 - 4.49 (m, 4H), 4.20 (d, J = 9.5 Hz, 2H).
実施例8
8-((1r,4r)-4-(ジフルオロメチル)シクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルバルデヒドの合成
(比較物E)
ステップ1:tert-ブチル3-シアノ-3-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)アゼチジン-1-カルボキシレートの合成:
THF(90mL)中のtert-ブチル3-オキソアゼチジン-1-カルボキシレート(25g、146.0mmol、1.0当量)の溶液に、水(40.0mL)中の酢酸(10.5g、175.2mmol、1.2当量)及び(4-(トリフルオロメチル)フェニル)メタンアミン(31.7g、181.1mmol、1.2当量)を添加した。室温で5分間撹拌した後、混合物に、添加した水(10mL)中のシアン化ナトリウム(7.2g、146.0mmol、1.0当量)の溶液を添加した。混合物を、油浴中、60℃で18時間加熱し、室温に冷却し、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液を添加することによって中和し、酢酸エチル(150mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた黄色固体に、ジエチルエーテル/ヘキサン(200mL、1:2)を添加し、溶液を1分間超音波処理し、0℃に冷却し、濾過した。得られた白色沈殿物を、氷冷ジエチルエーテル(50mL)で洗浄し、一晩乾燥させて、tert-ブチル3-シアノ-3-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)アゼチジン-1-カルボキシレート(43.9g、収率85%)を得た。LRMS(ES)m/z 329.2(M+H-27).1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.71 (d, J =8.0 Hz, 2H), 7.60 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.16 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 3.92 (t, J = 7.2Hz, 1H), 3.84 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 3.81 (dd, J = 7.3 Hz, 2H), 1.39 (s, 9H).
ステップ2:tert-ブチル3-(2-クロロ-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アセトアミド)-3-シアノアゼチジン-1-カルボキシレートの合成:
0℃に冷却したDCM(0.2M)中のtert-ブチル3-シアノ-3-((4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アミノ)アゼチジン-1-カルボキシレート(3.0g、8.4mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(1.3g、12.7mmol、1.5当量)の溶液に、クロロアセチルクロリド(0.95g、8.4mmol、1.0当量)を添加した。混合物を0℃で15分間撹拌し、室温に温め、2時間撹拌した。混合物に、追加の2-クロロアセチルクロリド(0.95g、8.4mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(1.3g、12.7mmol、1.5当量)を添加した。反応物を2時間撹拌し、塩化アンモニウムの飽和水溶液でクエンチし、層を分離した。水層をDCMで1回抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%~70%EtOAc/ヘキサン、Rf=0.24(20%EtOAc/ヘキサン))により精製し、3.4g(92%)のtert-ブチル3-(2-クロロ-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アセトアミド)-3-シアノアゼチジン-1-カルボキシレートを得た。LRMS(ES)m/z 432.1(M+H).1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.77 (d, J = 8.1Hz, 2H), 7.60 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.95 (s, 2H), 4.52 (s, 2H), 4.15 (s, 4H), 1.35(s, 9H).
ステップ3:tert-ブチル3-シアノ-3-(2-((((1r,4r)-4-(ジフルオロメチル)シクロヘキシル)アミノ)-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アセトアミド)アゼチジン-1-カルボキシレートの合成:
アセトニトリル(15mL)中のtert-ブチル3-(2-クロロ-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アセトアミド)-3-シアノアゼチジン-1-カルボキシレート(0.8g、1.9mmol、1当量)の溶液に、(1r、4r)-4-(ジフルオロメチル)シクロヘキサン-1-アミン塩酸塩(0.51g、2.8mmol、1.5当量)及びDIPEA(1.2g、9.3mmol、5当量)を添加した。溶液を65℃で4時間加熱し、その時点でLCMSは、反応の完了を示した。反応物を酢酸エチル及び水(1:1、80mL)で希釈し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮し、ヘキサン中の酢酸エチル25%~100%の勾配を溶出液として使用したシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、0.65g(64%)のtert-ブチル3-シアノ-3-(2-((1r,4r)-4-(ジフルオロメチル)シクロヘキシル)アミノ)-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アセトアミド)アゼチジン-1-カルボキシレートを淡黄色の油状物として得た。Rf=0.55(酢酸エチル100%、シリカ)。LRMS(ES)m/z 545.0(M+H).
ステップ4:tert-ブチル8-((1r,4r)-4-(ジフルオロメチル)シクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートの合成:
エタノール(2mL)中のtert-ブチル3-シアノ-3-(2-(((1r,4r)-4-(ジフルオロメチル)シクロヘキシル)アミノ)-N-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)アセトアミド)アゼチジン-1-カルボキシレート(0.27g、0.50mmol、1.0当量)の溶液に、酢酸(0.18g、3.0mmol、6.0当量)を添加した。反応物を70℃で15時間加熱し、室温に冷却し、ヘキサン(1.0mL)で希釈した。沈殿物を濾過により回収し、エタノール-ヘキサン(1:2,2mL)で洗浄し、乾燥させて、186mg(69%)のtert-ブチル8-((1r,4r)-4-(ジフルオロメチル)シクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートを淡黄色固体として得た。LRMS(ES)m/z 490.2(M+H-56).1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.71 (d, J =8.1 Hz, 2H), 7.48 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 5.89 (td, J = 56.7, 3.8 Hz, 1H), 4.93 (s,2H), 4.29 - 4.15 (m, 3H), 4.02 (s, 2H), 3.93 (d, J = 9.5 Hz, 2H), 1.91 - 1.55 (m,7H), 1.35 (s, 9H), 1.38 - 1.20 (m, 2H).
ステップ5:8-((1r,4r)-4-(ジフルオロメチル)シクロヘキシル)-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン2,2,2-トリフルオロアセテートの合成:
DCM(1.5mL)中のtert-ブチル8-((1r,4r)-4-(ジフルオロメチル)シクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレート(200mg、0.37mmol、1.0当量)の溶液に、室温でTFA(1.5mL)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、減圧下で濃縮し、高真空下で乾燥させて、190mg(94%)の8-((1r,4r)-4-(ジフルオロメチル)シクロヘキシル)-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン2,2,2-トリフルオロアセテートを得、更に精製することなく使用した。LRMS(ES)m/z 446.2(M+H).
ステップ6:8-((1r,4r)-4-(ジフルオロメチル)シクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルバルデヒドの合成(比較物E):
アセトニトリル(0.6mL)中の8-((1r,4r)-4-(ジフルオロメチル)シクロヘキシル)-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-6,9-ジオン2,2,2-トリフルオロアセテート(54.0mg、0.10mmol)の溶液に、DIPEA(37.0mg、0.29mmol、3.0当量)及びギ酸2,2,2-トリフルオロエチル(124.0mg、0.97mmol、10.0当量)を添加した。混合物を、マイクロ波反応器中で110℃で20分間加熱し、濃縮し、溶出液として、水中の10%~100%のACNの勾配(両方とも、0.1%のHCOOHとともに)を使用して、HPLCによって精製して、21.0mg(46%)の8-((1r,4r)-4-(ジフルオロメチル)シクロヘキシル)-6,9-ジオキソ-5-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)-2,5,8-トリアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルバルデヒドを泡として得た。LRMS(ES)m/z 473.9(M+H).1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.96 (s, 1H), 7.71(d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.47 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 5.89 (td, J = 56.4, 4.5 Hz, 1H),4.94 (s, 2H), 4.51 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.30 - 4.15 (m, 3H), 4.04 (s, 2H), 3.96(d, J = 10.7 Hz, 1H), 1.95 - 1.49 (m, 7H), 1.41 - 1.06 (m, 2H).
生物学的実施例B-1:筋原線維アッセイ
天然サルコメアの文脈における完全長心筋ミオシンのATPase活性に対する化合物の効果を評価するために、皮膚筋原線維アッセイを行った。ウシの心筋原線維は、TritonX-100などの界面活性剤の存在下でウシの心左心室組織をホモジナイズすることによって得た。そのような処置は、膜及び可溶性細胞質タンパク質の大部分を除去するが、心筋サルコメアアクトミオシン装置をそのまま残す。筋原線維調製物は、Ca
2+調節された様式でATPを加水分解する能力を保持する。化合物の存在下及び非存在下でのそのような筋原線維調製物のATPase活性を、最大割合の定義された割合(すなわち、25%、75%)まで活性化するCa
2+濃度でアッセイした。低分子薬剤を、ピルビン酸キナーゼ及び乳酸デヒドロゲナーゼ(PK/LDH)結合酵素系を使用して、ウシ心筋原線維の定常状態ATPase活性を阻害する能力について評価した。このアッセイは、340nmでの吸光度の変化が生じるNADHの酸化によって、ミオシン生成ADPをATPに再生する。小分子薬剤を試験する前に、ウシ心筋原線維のカルシウム応答性を評価し、筋原線維系の50%(pCa
50)または75%(pCa
75)のいずれかの活性化を達成するカルシウム濃度を、小分子薬剤の阻害活性を評価するための最終条件として選択した。全ての酵素活性を、pH6.8(PM12緩衝液)で、12mMのPIPES(ピペラジン-N、N’-ビス(2-エタンスルホン酸)、2mMの塩化マグネシウムを含有する緩衝液中で測定した。最終アッセイ条件は、1mg/mLのウシ心筋原繊維、4U/mLのピルビン酸キナーゼ、6U/mLの乳酸デヒドロゲナーゼ、50μMのATP、0.1mg/mLのBSA(ウシ血清アルブミン)、10ppmの消泡剤、1mMのDTT、0.5mMのNADH、1.5mMのPEP、0.6mMのEGTA、及び筋原線維ATPase活性の50%または75%の活性化を達成するのに十分な量のCaCl
2であった。試験した化合物の結果を表Aに示す。試験した化合物を、本書に記載の合成手順に従って調製した。
比較物C及び比較物Dの調製は、WO2020/047447A1に記載されている。
生物学的実施例B-2:薬物動態単回用量試験
マウス単回用量試験
雄のC57BL/6マウス(18~25g、6~8週齢)をZhejiang Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltdから得た。IV投与のための全ての動物は、食物及び水への自由なアクセスを有した。IV投薬を、尾静脈を通して行った。試験試料のためのIV用量溶液を、0.1mg/mLの濃度で、10%DMA/20%PG/70%HPβCD溶液(40%w/v HPβCD水溶液)中で調製した。経口投与懸濁液は、試験試料を水中の0.5%HPMC/0.1%Tween(登録商標)80中に0.2mg/mLの濃度で懸濁させることによって調製した。IV及びPO用量の濃度は、研究の最後に測定した。測定値が公称値の20%以内である場合、薬物動態(PK)パラメータは公称用量値を使用して計算した。15匹のマウスの群は、体積が5mL/kgであるIV用量を受けた。別の15匹のマウスの群は、1mg/kgで試験試料の経口強制投与を受けた。経口用量体積は5mL/kgであった。眼窩後採血を介して3匹のマウスの群からスパースな血液試料を収集し、K
2EDTAマイクロテナーチューブに入れ、遠心分離まで氷上で維持して血漿を得た。指定されたマウスの各群を、2つの時点で採血した。時間点は、投与前(POのみ)、投与後5(IVのみ)、15、30分、1、2、4、6、8、及び24時間であった。血液試料を遠心分離し、収集した血漿を分析するまで-80℃で保管した。LC/MS/MS法を使用して、血漿試料を被験試料濃度について分析した。簡潔に述べると、各血漿試料の50μLのアリコートを、内部標準(IS)を含有する100μLのアセトニトリルと混合した。混合物をボルテックスし、遠心分離した。得られた溶液の10μLを逆相C18カラムに注入し、得られたピークを、ターボイオンスプレーイオン化源を装備したLC/MS/MS上で検出した。定量限界(BLQ)を下回る試料濃度は、PK計算のためにゼロとして扱われた。複合PKパラメータを、1マウスあたり最大2つのサンプリングポイント及びサンプリングポイントあたり最大3匹のマウスから推定し、WinNonlinのスパースデータオプションを、濃度-時間データの非コンパートメント分析に使用した(Phoenix WinNonLin software,version64;Pharsight,Mountain View,CA)。排出速度定数(k)は、濃度-時間プロファイルの最後の3つのデータポイントの時間に対する濃度の対数の線形回帰の傾きの絶対値として計算した。見かけの排出半減期(t
1/2)の値はln(2)/kとして計算した。濃度-時間曲線(AUC)値の下の面積は、線形台形法を使用して推定した。AUC
t値は、投与時間から最後の測定可能な濃度まで計算した。AUC
∞値を、対応するAUC
tと、最後の検出可能な濃度をkで割った比の合計として計算した。血漿クリアランス(CL)は、用量/AUC
∞から計算した。平均滞在時間(MRT)は、モーメント分析によって推定した。定常状態(V
ss)での分布体積は、MRT
∞×CLから計算した。観察されたとおり、最大濃度(C
max)及びC
maxに達するまでの時間(t
max)を記録した。バイオアベイラビリティは、dAUC
∞、po/dAUC
∞、iv×100%を計算し、dAUCは、用量正規化AUC値であった。試験した化合物のデータを表Bに提供する。試験した化合物は、本書に記載の合成手順に従って調製した。
ラット単回用量試験
雄のSprague DawleyラットをZhejiang Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.から得た。IV群の動物は、水及び食物への自由なアクセスを有した。PO群の動物は、投薬前に一晩絶食させ、投薬後2時間に食物を与えた。IV用量溶液は、1mg/mLの濃度で10%DMA/50%PG/40%HPβCD溶液(40%w/v HPβCD水溶液)中で調製された。経口投与懸濁液は、試験試料を水中の0.5%HPMC/0.1%Tween(登録商標)80中に0.2mg/mLの濃度で懸濁させることによって調製した。IV及びPO用量の濃度は、研究の最後に測定した。測定値が公称値の20%以内である場合、薬物動態パラメータは公称用量値を使用して計算した。3匹のラットに、尾静脈を介したボーラス注射を介してIVを投与した。用量群あたり3匹のラットを経口経管栄養によって投与した。血液試料を、投与前、投与後5(IVのみ)、15、30分、及び1、2、4、6、及び24時間で頸静脈カニューレから採取した。血液量を同量の滅菌済0.9%生理食塩水と交換した。血液試料を遠心分離し、収集した血漿を、その後の分析のために-80℃で保管した。LC/MS/MS法を使用して、血漿試料を試験試料濃度について分析した。簡潔に述べると、各血漿試料の50μLのアリコートを、内部標準を含有する100μLのアセトニトリルと混合した。混合物をボルテックスし、遠心分離した。得られた溶液の10μLを逆相C18カラムに注入し、得られたピークを、ターボイオンスプレーイオン化源を装備したLC/MS/MS上で検出した。定量限界(BLQ)を下回る試料濃度を、薬物動態計算のためにゼロとして扱った。濃度-時間データの非コンパートメント解析を使用して、個々の動物から薬物動態パラメータを推定した(Phoenix WinNonLin software,version 64;Pharsight,Mountain View,CA)。排出速度定数(k)は、濃度-時間プロファイルの最後の3つのデータポイントの時間に対する濃度の対数(log)の線形回帰の傾きの絶対値として計算した。見かけの排出半減期(t
1/2)の値はln(2)/kとして計算した。濃度-時間曲線(AUC)値の下の面積は、線形台形法を使用して推定した。AUC
t値は、投与時間から最後の測定可能な濃度まで計算した。AUC
∞値を、対応するAUC
tと、最後に検出可能な濃度をkで割った比(AUC
t-
∞)の合計として計算した。血漿クリアランス(CL)は、用量/AUC
∞から計算した。平均滞在時間(MRT)は、モーメント分析によって推定した。定常状態(V
ss)での分布体積は、MRT
∞×CLから計算した。観察されたとおり、最大濃度(C
max)及びC
maxに達するまでの時間(t
max)を記録した。バイオアベイラビリティは
、個々のラットの用量正規化されたAUC
∞,po/平均dAUC
∞、iv×100%の比率から計算され、dAUCは用量正規化されたAUC値であった。試験した化合物のデータを表Cに提供する。試験した化合物を、本書に記載の合成手順に従って調製した。
イヌ単回用量試験
非ナイーブ雄ビーグル犬(8ヶ月~3歳、体重8~13kg)を本研究で使用した。IV投与のための全ての動物は、食物及び水への自由なアクセスを有し、POのための全ての動物は、投与前に一晩絶食され、投与の約6時間後に給餌された。PO群の動物について、ペンタガストリン(6.0μg/kg、i.m.)を、PO製剤を投与する20分前、及び最初のペンタガストリン投与1.5時間後に投与した。投与量は0.024mL/kgであり、DMSO/1N NaOH/PBS中の濃度は250μg/mLであった。各動物の経管栄養カテーテルを洗浄するために10mLの0.001N HClを使用した。IV用量溶液を、1.0mg/mLの濃度で10%DMA/50%PG/40%HPβCD溶液(40%w/v HPβCD水溶液)中で調製した。経口用量懸濁液は、化合物を蒸留水中の0.5%HPMC/0.1%Tween(登録商標)80中に0.2mg/mLの濃度で懸濁させることによって調製した。IV及びPO用量の濃度は、研究の最後に測定した。測定値が公称値の20%以内である場合、PKパラメータは公称用量値を使用して計算した。血液試料は、投与前、投与後5、15、30分、1、2、4、6、8、24及び48時間での投与静脈を除く末梢静脈の静脈穿刺によって採取した。血液試料を遠心分離し、得られた血漿を生体分析のために凍結した。分析前に、血漿試料を-80℃で保管した。LC/MS/MS法を使用して、血漿試料を化合物濃度について分析した。簡潔に述べると、各血漿試料の50μLのアリコートを、内部標準を含有する100μLのアセトニトリルと混合した。混合物をボルテックスし、遠心分離した。得られた溶液の10μLを逆相C18カラムに注入し、得られたピークを、ターボイオンスプレーイオン化源を装備したLC/MS/MS上で検出した。定量限界(BLQ)を下回る試料濃度は、PK計算のためにゼロとして扱われた。濃度-時間データの非コンパートメント分析を使用して、個々の動物からPKパラメータを推定した(Phoenix WinNonLin software,version 64;Pharsight,Mountain View,CA)。排出速度定数(k)は、濃度-時間プロファイルの最後の3つのデータポイントの時間に対する濃度の対数(log)の線形回帰の傾きの絶対値として計算した。見かけの排出半減期(t
1/2)の値はln(2)/kとして計算した。濃度-時間曲線(AUC)値の下の面積は、線形台形法を使用して推定した。AUC
t値は、投与時間から最後の測定可能な濃度まで計算した。AUC
∞値を、対応するAUC
tと、最後の検出可能な濃度をkで割った比の合計として計算した。血漿クリアランス(CL)は、用量/AUC
∞から計算した。無限大に外挿された平均滞留時間(MRT
∞)をモーメント分析によって推定した。V
ssは、MRT
∞×CLから計算した。観察されたとおり、最大濃度(C
max)及びC
maxに達するまでの時間(t
max)を記録した。これはクロスオーバー試験であったため、バイオアベイラビリティは、dAUC
∞、po/dAUC
∞、iv×100%を計算した。ここで、dAUCは、IV及びPO用量を与えられた同じ動物からの用量正規化AUC値であった。試験した化合物のデータを表Dに提供する。試験した化合物を、本書に記載の合成手順に従って調製した。
サル単回用量試験
本研究で使用された非ナイーブ雄カニクイザル(2~5歳、体重2~5kg)を、Topgene Biotechnologyから得た。IV投与のための全ての動物は、食物及び水への自由なアクセスを有し、POのための全ての動物は、投与前に一晩絶食され、投与の約6時間後に給餌された。IV用量溶液を、1.0mg/mLの濃度で10%DMA/50%PG/40%HPβCD溶液(40%w/v HPβCD水溶液)中で調製した。経口用量懸濁液は、化合物を蒸留水中の0.5%HPMC/0.1%Tween(登録商標)80中に0.2mg/mLの濃度で懸濁させることによって調製した。IV及びPO用量の濃度は、研究の最後に測定した。測定値が公称値の20%以内である場合、PKパラメータは公称用量値を使用して計算した。血液試料は、投与前、投与後5、15、30分、1、2、4、6、8、24及び48時間での投与静脈を除く末梢静脈の静脈穿刺によって採取した。血液試料を遠心分離し、得られた血漿を生体分析のために凍結した。分析前に、血漿試料を-80℃で保管した。LC/MS/MS法を使用して、血漿試料を化合物濃度について分析した。簡潔に述べると、各血漿試料の50μLのアリコートを、内部標準を含有する100μLのアセトニトリルと混合した。混合物をボルテックスし、遠心分離した。得られた溶液の10μLを逆相C18カラムに注入し、得られたピークを、ターボイオンスプレーイオン化源を装備したLC/MS/MS上で検出した。定量限界(BLQ)を下回る試料濃度は、PK計算のためにゼロとして扱われた。濃度-時間データの非コンパートメント分析を使用して、個々の動物からPKパラメータを推定した(Phoenix WinNonLin software,version 64;Pharsight,Mountain View,CA)。排出速度定数(k)は、濃度-時間プロファイルの最後の3つのデータポイントの時間に対する濃度の対数(log)の線形回帰の傾きの絶対値として計算した。見かけの排出半減期(t
1/2)の値はln(2)/kとして計算した。濃度-時間曲線(AUC)値の下の面積は、線形台形法を使用して推定した。AUC
t値は、投与時間から最後の測定可能な濃度まで計算した。AUC
∞値を、対応するAUC
tと、最後の検出可能な濃度をkで割った比の合計として計算した。血漿クリアランス(CL)は、用量/AUC
∞から計算した。無限大に外挿された平均滞留時間(MRT
∞)をモーメント分析によって推定した。V
ssは、MRT
∞×CLから計算した。観察されたとおり、最大濃度(C
max)及びC
maxに達するまでの時間(t
max)を記録した。これはクロスオーバー試験であったため、バイオアベイラビリティは、dAUC
∞、po/dAUC
∞、iv×100%を計算した。ここで、dAUCは、IV及びPO用量を与えられた同じ動物からの用量正規化AUC値であった。試験した化合物のデータを表Eに提供する。試験した化合物を、本書に記載の合成手順に従って調製した。
ヒトにおける単回投与CL及びV
ss値の予測値
ヒトクリアランス及び分布体積の予測のための非比例的スケーリングは、マウス、ラット、イヌ、及びカニクイザルの静脈内薬物動態パラメータの種間の単純な相対成長スケーリングに基づいた(Boxenbaum,J Pharmacokinet Biopharm10:201-27,1982)。ヒトCLの予測は、前臨床種の血漿静脈内クリアランスを外挿することによって行った。「指数の規則」(Mahmood&Balian、Life Sci59:579-85、1996)は、この予測で検討され、単純な相対成長指数が0.71と0.99の間にある場合、この種の最大寿命(MLP)に基づく補正係数を適用することができ、単純な相対成長の指数が1.0より大きい場合、脳重量(BrW)に基づく補正係数を適用することができ、または利用可能な場合にはタンパク質結合補正を適用することができることが提案されている。同様の方法で、単純な相対成長スケーリングを用いてヒト分布体積を予測した。この方法は、様々な薬物に対して成功裏に使用されている(Ward&Smith,Drug Metab Dispos32:612-19,2004;McGinnity et al.,Curr Drug Metab8:463-79,2007)。選択された化合物の予測データを表Fに提供する。
表Fのキー:SA=単純相対成長、ROE=指数規則、fu補正=血清に結合していない官能基の補正、MLP補正=最大寿命補正、BrW補正=脳重量補正
犬用カセットの投与
本研究では、Jiangsu Johnsen Bioresource CO.及び/またはBeijing Rixinkeji CO.,LTD 及び/またはBeijing Marshall Biotechnology CO.,LTDから調達された非ナイーブ雄ビーグル犬(8ヶ月~3歳、体重8~14kg)を使用した。IV投与のための全ての動物は、食物及び水への自由なアクセスを有した。IV用量溶液を、0.2mg/mLの濃度で10%DMA/50%PG/40%HPβCD溶液(40%w/v HPβCD水溶液)中で調製した。IV用量の濃度は、研究の最後に測定した。測定値が公称値の20%以内である場合、PKパラメータは公称用量値を使用して計算した。血液試料は、投与前、投与後5 15、30分、1、2、4、6、8、及び24時間での投与した静脈を除く末梢静脈の静脈穿刺によって採取した。血液試料を遠心分離し、得られた血漿を生体分析のために凍結した。分析前に、血漿試料を-80℃で保管した。LC/MS/MS法を使用して、血漿試料を化合物濃度について分析した。簡潔に述べると、各血漿試料の50μLのアリコートを、内部標準を含有する100μLのアセトニトリルと混合した。混合物をボルテックスし、遠心分離した。得られた溶液の10μLを逆相C18カラムに注入し、得られたピークを、ターボイオンスプレーイオン化源を装備したLC/MS/MS上で検出した。定量限界(BLQ)を下回る試料濃度は、PK計算のためにゼロとして扱われた。濃度-時間データの非コンパートメント分析を使用して、個々の動物からPKパラメータを推定した(Phoenix WinNonLin software,version 64;Pharsight,Mountain View,CA)。排出速度定数(k)は、濃度-時間プロファイルの最後の3つのデータポイントの時間に対する濃度の対数(log)の線形回帰の傾きの絶対値として計算した。見かけの排出半減期(t
1/2)の値はln(2)/kとして計算した。濃度-時間曲線(AUC)値の下の面積は、線形台形法を使用して推定した。AUC
t値は、投与時間から最後の測定可能な濃度まで計算した。AUC
∞値を、対応するAUC
tと、最後の検出可能な濃度をkで割った比の合計として計算した。血漿クリアランス(CL)は、用量/AUC
∞から計算した。無限大に外挿された平均滞留時間(MRT
∞)をモーメント分析によって推定した。V
ssは、MRT
∞×CLから計算した。観察されたとおり、最大濃度(C
max)及びC
maxに達するまでの時間(t
max)を記録した。これはクロスオーバー試験であったため、バイオアベイラビリティは、dAUC
∞、po/dAUC
∞、iv×100%を計算した。ここで、dAUCは、IV及びPO用量を与えられた同じ動物からの用量正規化AUC値であった。試験した化合物のデータを表Gに提供する。試験した化合物を、本書に記載の合成手順に従って調製した。
サルカセット投与
Topgene Biotechnologyから調達した非ナイーブ雄ビーグル犬(2~5歳、体重2~5kg)を本研究で使用した。IV投与のための全ての動物は、食物及び水への自由なアクセスを有した。IV用量溶液を、0.2mg/mLの濃度で10%DMA/50%PG/40%HPβCD溶液(40%w/v HPβCD水溶液)中で調製した。IV用量の濃度は、研究の最後に測定した。測定値が公称値の20%以内である場合、PKパラメータは公称用量値を使用して計算した。血液試料は、投与前、投与後5 15、30分、1、2、4、6、8、及び24時間での投与した静脈を除く末梢静脈の静脈穿刺によって採取した。血液試料を遠心分離し、得られた血漿を生体分析のために凍結した。分析前に、血漿試料を-80℃で保管した。LC/MS/MS法を使用して、血漿試料を化合物濃度について分析した。簡潔に述べると、各血漿試料の50μLのアリコートを、内部標準を含有する100μLのアセトニトリルと混合した。混合物をボルテックスし、遠心分離した。得られた溶液の10μLを逆相C18カラムに注入し、得られたピークを、ターボイオンスプレーイオン化源を装備したLC/MS/MS上で検出した。定量限界(BLQ)を下回る試料濃度は、PK計算のためにゼロとして扱われた。濃度-時間データの非コンパートメント分析を使用して、個々の動物からPKパラメータを推定した(Phoenix WinNonLin software,version 64;Pharsight,Mountain View,CA)。排出速度定数(k)は、濃度-時間プロファイルの最後の3つのデータポイントの時間に対する濃度の対数(log)の線形回帰の傾きの絶対値として計算した。見かけの排出半減期(t
1/2)の値はln(2)/kとして計算した。濃度-時間曲線(AUC)値の下の面積は、線形台形法を使用して推定した。AUC
t値は、投与時間から最後の測定可能な濃度まで計算した。AUC
∞値を、対応するAUC
tと、最後の検出可能な濃度をkで割った比の合計として計算した。血漿クリアランス(CL)は、用量/AUC
∞から計算した。無限大に外挿された平均滞留時間(MRT
∞)をモーメント分析によって推定した。V
ssは、MRT
∞×CLから計算した。観察されたとおり、最大濃度(C
max)及びC
maxに達するまでの時間(t
max)を記録した。これはクロスオーバー試験であったため、バイオアベイラビリティは、dAUC
∞、po/dAUC
∞、iv×100%を計算した。ここで、dAUCは、IV及びPO用量を与えられた同じ動物からの用量正規化AUC値であった。試験した化合物のデータを表Hに提供する。試験した化合物を、本書に記載の合成手順に従って調製した。
ヒトにおけるカセット投与CL及びV
ss値の予測値
カセットIV投与に由来するPKデータについて、ヒトクリアランス及び分布体積の予測は、単一種アロメトリーを使用して行った。この場合、値は、タンパク質結合補正を適用することによって、イヌ及びサルのPKの血漿静脈内クリアランスから予測された(Tang,Drug Metab Dispos 33:1294-96,2005;Patel,Journal of Pharmaceutical Research International,22(3): 1-7,2018)。選択された化合物の予測データを表J及び表Kに提供する。
生物学的実施例B-3:ラットの心臓収縮性における急性薬力学的作用の心エコー検査評価
イソフルラン(1-3%)麻酔下で、心エコー検査によるインビボ心機能の評価を雄のSprague Dawleyラットにおいて行った。左心室の2-DMモード画像は、化合物の投与前、投与中、及び投与後に、傍胸骨長軸視で取得した。インビボ短縮率は、以下の計算でMモード画像解析によって決定された:((拡張末期直径-収縮末期直径)/拡張末期直径×100)。3つの投与前ベースラインMモード画像を、化合物投与の前に1分間隔で撮影した。化合物は、0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(HPMC2910):0.1%のTween(登録商標)80懸濁液に配合され、経口経管栄養による単回投与(5mL/kg)として送達される。用量後1及び4時間に、Mモード心エコー測定のために、ラットを軽く麻酔した。心エコー検査測定と同時に、血液試料を採取して、対応する化合物血漿濃度を決定した。得られた血漿中濃度を使用して、IC
50及びIC
10値を推定した。IC
50及びIC
10値は、それぞれ、分画短縮が投与前ベースライン収縮性の50%及び10%である濃度である。
生物学的実施例B-4:インビトロでのCYP450酵素の時間依存性阻害の決定
ヒト肝ミクロソームを使用した主要ヒトシトクロムP450アイソザイムに対する試験化合物の時間依存性阻害ポテンシャルの評価も、標準方法を使用して実施した(Grimm et al,Drug Metab.Dispos.,Jul;37(7):1355-70.doi:10.1124/dmd.109.026716,2009)。プールされたヒトミクロソーム及び選択的CYPプローブ基質を、7つのヒト肝シトクロムP450アイソザイム(CYP1A2、2B6、2C9、2C19、2D6、及び3A4)の時間依存性阻害剤として、25及び50μMでの試験化合物のインビトロ評価に使用した。代謝産物の形成を定量化するためにLC-MS/MSを使用した。ヒト肝ミクロソーム中の各P450酵素の阻害は、時間0及び30分インキュベーション後の非阻害対照(=100%活性)と比較して、LC-MS/MSによって測定されるマーカー代謝産物形成の活性の減少の割合として測定した。次いで、任意の時間依存性阻害の発生を、30分間のインキュベーション後の活性と比較して、時間0での酵素活性の倍率変化として表した。
NA:利用不可、CYP3A4-T:テストステロンプローブ基質によって測定したCYP3A4活性、CYP3A4-M:ミダゾラムプローブ基質によって測定したCYP3A4活性
3A4について、ミダルゾラム及びテストステロンの両方をプローブとして使用した%活性の測定では、化合物13、化合物8、化合物7、及び化合物4は、酵素の活性が1.2倍を超えて変化しなかったため、時間依存性阻害の兆候を示さない。しかし、比較物Cは、25μM及び50μMの濃度で、両方のプローブについて1.5倍を超える倍率活性の変化を示した。化合物18、化合物5、及び化合物6はまた、試験した濃度のうちの1つまたはプローブ基質試験のうちの1つにおいて、1.2倍を超える倍率活性のいくらかの変化を示し、これらの化合物について時間依存性フォーマットで試験した場合、3A4活性にいくらかの変化がある可能性があることを示唆している。この形式で試験した場合、試験した全ての化合物は、1A2及び2B6の活性に変化を示さなかった。2C9について、化合物7は、25μM濃度での活性の1.3倍の変化、及び50μM濃度での活性の1.3倍の変化のみを示した。2C19について、化合物5は、50μMの濃度で活性の1.3倍の変化を示し、化合物4は、25μMの濃度で活性の1.4倍の変化を示したが、50μMの濃度では、化合物4の活性の変化は観察されなかった。2D6について、化合物13は、50μMの濃度で活性の1.4倍の変化を示し、化合物6及び化合物4は、25μMの濃度で活性の1.3倍の変化を示したが、50μMの濃度ではこれらの化合物の活性の変化は観察されなかった。2C8について、化合物18は、50μMの濃度で活性の1.3倍の変化を示し、化合物5は、50μMの濃度で活性の2.0倍の変化を示した。
本書に記載される化合物、使用、及び方法の前述の書かれた説明は、当業者が本書に記載される化合物、使用、及び方法を製造及び使用することを可能にするが、当業者は、本書の特定の実施形態、方法、及び実施例の変形、組み合わせ、及び等価物の存在を理解し、正当に評価するであろう。したがって、本書において提供される化合物、使用、及び方法は、上記の実施形態、方法、または実施例によって限定されるべきではなく、本書において提供される化合物、使用、及び方法の範囲及び趣旨内の全ての実施形態及び方法を包含する。
本書に開示される全ての参考文献は、参照により、それらの全体が組み込まれる。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
式(I)の化合物:
(式中、
R
1
は、ハロまたはC
1-6
ハロアルキルであり、
R
2
は、H、ハロ、またはC
1-6
アルキルであり、
R
3
は、
(i)シクロヘキシルであって、任意選択により、1つ以上の独立して選択されるC
1-6
アルキルもしくはC
1-6
ハロアルキル置換基によって置換される、前記シクロヘキシル、または
(ii)C
1-6
アルキル、であり、
R
4
は、
(i)-C(O)H、
(ii)-C(O)NH
2
、
であり、
ただし、
(1)R
3
が、C
1-6
アルキルである場合、R
4
は
であり、
(2)R
3
がイソプロピルである場合、R
1
及びR
2
のハロ原子の総数は少なくとも2であり、
(3)R
3
が、1つ以上の独立して選択されるC
1-6
ハロアルキル置換基によって置換されたシクロヘキシルである場合、R
4
は、-C(O)H以外である)、
またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目2)
R
4
が、-C(O)Hである、項目1に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目3)
R
4
が、-C(O)NH
2
である、項目1に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目4)
R
4
が、
である、項目1に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目5)
R
4
が、
である、項目1に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目6)
R
3
が、シクロヘキシルであり、前記シクロヘキシルが、任意選択により、1つ以上の独立して選択されるC
1-6
アルキルまたはC
1-6
ハロアルキル置換基によって置換される、項目1~5のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目7)
R
3
が、
である、項目1~6のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目8)
R
3
が、
である、項目1~7のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目9)
R
3
が、C
1-6
アルキルである、項目1または項目4に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目10)
R
3
が、
である、項目1、4、及び9のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目11)
R
3
が、
である、項目1、4、9、及び10のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目12)
R
1
が、ハロである、項目1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目13)
R
1
が、クロロまたはフルオロである、項目1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目14)
R
1
が、C
1-6
ハロアルキルである、項目1~11のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目15)
R
1
が、-CF
3
である、項目1~11及び14のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目16)
R
2
が、Hである、項目1~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目17)
R
2
が、ハロである、項目1~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目18)
R
2
が、クロロまたはフルオロである、項目1~15及び17のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目19)
R
2
が、C
1-6
アルキルである、項目1~15のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目20)
R
2
が、メチルである、項目1~15及び19のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目21)
表1の化合物からなる群から選択される化合物、またはその立体異性体もしくは互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩。
(項目22)
前記化合物が、化合物4:
である、項目1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目23)
前記化合物が、化合物13:
である、項目1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目24)
前記化合物が、化合物18:
である、項目1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
(項目25)
(i)項目1~24のいずれか1項に記載の化合物、またはその互変異性体、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩と、(ii)1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と、を含む、薬学的組成物。
(項目26)
心疾患の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法であって、前記対象に、項目1~24のいずれか1項に記載の化合物、もしくはその互変異性体、もしくは前述のいずれかの薬学的に許容される塩、または項目25に記載の薬学的組成物を投与することを含む、前記方法。
(項目27)
前記心疾患が、肥大性心筋症である、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記肥大性心筋症が、閉塞性もしくは非閉塞性であるか、または(i)サルコメア変異、(ii)非サルコメア変異、または(iii)サルコメア変異及び非サルコメア変異の両方によって引き起こされる、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記心疾患が、駆出率が保たれた心不全である、項目26に記載の方法。
(項目30)
前記心疾患が、拡張機能不全、原発性または続発性拘束型心筋症、心筋梗塞及び狭心症、左心室流出路閉塞、高血圧性心疾患、先天性心疾患、心虚血、冠状動脈性心疾患、糖尿病性心疾患、うっ血性心不全、右心不全、心腎症候群、及び浸潤性心筋症からなる群から選択される、項目26に記載の方法。
(項目31)
前記心疾患が、心臓老化、加齢による拡張機能不全、左心室肥大、及び求心性左心室リモデリングからなる群から選択される1つ以上の状態であるか、またはそれらに関連する、項目26に記載の方法。
(項目32)
肥大性心筋症に関連する疾患または状態の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法であって、前記対象に、項目1~24のいずれか1項に記載の化合物、もしくはその互変異性体、もしくは前述のいずれかの薬学的に許容される塩、または項目25に記載の薬学的組成物を投与することを含む、前記方法。
(項目33)
前記疾患または状態が、ファブリー病、ダノン病、ミトコンドリア心筋症、及びヌーナン症候群からなる群から選択される、項目32に記載の方法。
(項目34)
続発性左心室壁肥厚に関連する疾患または状態の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法であって、前記対象に、項目1~24のいずれか1項に記載の化合物、もしくはその互変異性体、もしくは前述のいずれかの薬学的に許容される塩、または項目25に記載の薬学的組成物を投与することを含む、前記方法。
(項目35)
前記疾患または状態が、高血圧、弁膜性心疾患、大動脈狭窄、僧帽弁逆流、代謝症候群、糖尿病、肥満、末期腎疾患、強皮症、睡眠時無呼吸症、アミロイドーシス、ファブリー病、フリードライヒ運動失調症、ダノン病、ヌーナン症候群、及びポンペ病からなる群から選択される、項目34に記載の方法。
(項目36)
小左心室内腔及び内腔閉塞、高心拍出量性左心室収縮、心筋虚血、または心線維症に関連する疾患または状態の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法であって、前記対象に、項目1~24のいずれか1項に記載の化合物、もしくはその互変異性体、もしくは前述のいずれかの薬学的に許容される塩、または項目25に記載の薬学的組成物を投与することを含む、前記方法。
(項目37)
筋ジストロフィー及び糖原病から選択される疾患または状態の治療を必要とする対象においてそれを治療する方法であって、前記対象に、項目1~24のいずれか1項に記載の化合物、もしくはその互変異性体、もしくは前述のいずれかの薬学的に許容される塩、または項目25に記載の薬学的組成物を投与することを含む、前記方法。
(項目38)
心筋サルコメアを阻害する方法であって、前記心筋サルコメアに、項目1~24のいずれか1項に記載の化合物、もしくはその互変異性体、もしくは前述のいずれかの薬学的に許容される塩、または項目25に記載の薬学的組成物を接触させることを含む、前記方法。