以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
第1実施形態について説明する。本実施形態に係る結束機10は、青果等を入れる袋の入り口部分を結束するための装置であって、例えばスーパーのバックヤード等において使用されるものである。図1乃至図3には、結束機10の外観が示されている。
図4には、結束機10を用いて結束が行われた後の袋BGが示されている。袋BGは、内部に青果等を収容した状態で、その入り口部分がステープル80によって結束されている。ステープル80は、例えば樹脂により形成された略棒状の部材である。ステープル80は、結束機10によって袋BGの入り口部分に巻き付けられ、当該入り口部分を結束する。尚、結束の対象である被結束物は、本実施形態のように袋BGでもよいが、それ以外の物であってもよい。以下に説明する結束機10の構成は、例えば、複数の部材を一つに束ねるための結束機等にも適用することができる。
図5には、結束前の当初の状態におけるステープル80の形状が示されている。同図に示されるように、ステープル80は、一対の脚部81を接続部82で繋いだ形状を有しており、全体が略U字型となっている。接続部82の反対側においては、それぞれの脚部81の間が開放されている。
結束機10による結束を連続して行い得るように、ステープル80は、図5における紙面奥行き方向に沿って複数個並んだ状態で、それぞれの間が接続部83を介して互いに連結されている。換言すれば、複数のステープル80が、接続部83を介して互いに連結され一本の紐状となるように、全体が一体に成形されている。連結され紐状となった複数のステープル80のことを、以下では「連結体800」とも称する。連結体800は、図6に示されるようなボビン700に巻き付けられた状態で、結束機10の連結体保持部170(図1を参照)によって保持される。
図1等を参照しながら、結束機10の構成について説明する。尚、図1においては、紙面左側から右側へと向かう方向をx方向としており、当該方向に沿ってx軸を設定してある。また、x方向に対し垂直な方向であって、紙面奥側から手前側に向かう方向をy方向としており、当該方向に沿ってy軸を設定してある。更に、x方向及びy方向のいずれに対しても垂直な方向であって、紙面下方から紙面上方に向かう方向をz方向としており、当該方向に沿ってz軸を設定してある。他の図においても、図1と対応するようにx軸、y軸、及びz軸の各軸を設定してある。以下においては、上記の「x方向」、「y方向」、及び「z方向」を適宜用いながら説明を行う。図1は、結束機10をy方向側から見て描いた図であり、図2は、結束機10を-y方向側から見て描いた図であり、図3は、結束機10をx方向側から見て描いた図である。
先ず、結束機10のうち外観に表れている部分の構成について説明する。結束機10は、本体フレーム100と、連結体保持部170と、モーターユニット20と、蓄電池ユニット60と、カッターユニット500と、を備えている。
本体フレーム100は、結束機10の本体部分であって、結束機10の各構成部材を保持している。本体フレーム100は、図1の紙面に平行な略平板状の部材等を、複数組み合わせることにより構成されている。本体フレーム100の上端には、結束機10の使用者によって把持される取手150が設けられている。
本体フレーム100には、その上端から下方側に向かって伸びるように案内溝110が形成されている。案内溝110の下端部にはスイッチ部材111が設けられている。結束機10の使用者は、袋BGのうち結束したい部分を案内溝110に通した状態で、袋BGを案内溝110に沿って下降させて行く。袋BGがスイッチ部材111に当たり、スイッチ部材111を回動させると、内部のドライバ30(図1においては不図示、図9を参照)等が後に説明するように動作して、袋BGの入り口部分をステープル80によって結束する。
連結体保持部170は、連結体800が巻き付けられたボビン700を保持する部分である。連結体保持部170は、y方向(つまり、結束機10の幅方向)に沿って伸びる棒状の軸として形成されており、図1における奥側の端部が本体フレーム100に接続されている。図6に示されるように、ボビン700の中央には貫通穴701が形成されている。図1に示されるように、ボビン700は、貫通穴701を連結体保持部170に通すことによって結束機10に対し取り付けられる。その結果、連結体800は、連結体保持部170の周りにおいて巻回された状態で保持される。尚、結束機10の使用時においては、図7に示されるように、ボビン700から引き出された連結体800がローラー161や案内レール162まで伸びているのであるが、図1乃至図3においてはその図示が省略されている。
ローラー161及び案内レール162は、いずれも、上記のようにボビン700から引き出された連結体800を、本体フレーム100の所定位置まで導くための部材である。図1及び図3に示されるように、ローラー161及び案内レール162は、本体フレーム100のy方向側となる位置に設けられている。
図8には、図3のうちローラー161や案内レール162及びその近傍部分の構成が拡大して示されると共に、これらによって案内される連結体800も併せて示されている。尚、図8においては、連結体800を視認しやすくするために、図3にある構造物のうち一部の図示が省略されている。
ローラー161は、略円柱形状の回転体であって、その回転中心軸をz方向に沿わせた状態で配置されている。連結体800は、ボビン700から引き出され概ねx方向側に引き出された後、ローラー161の側面に沿って概ね-y方向側へと向きを変えるように案内される。図8に示されるように、連結体800は、それぞれのステープル80の接続部82を内側に向け、脚部81の先端を外側に向けた状態で、ローラー161によって案内される。
図1に示されるように、案内レール162は、ローラー161よりも僅かにx方向側となる位置に配置されている。図8に示されるように、案内レール162は、ローラー161の近傍から-y方向側に向かって直線状に伸びている。案内レール162は、概ね平板状の部材であって、その法線方向をz方向に沿わせた状態で配置されている。
連結体800は、ステープル80が有する一対の脚部81の間に、案内レール162をx方向側から入り込ませた状態とされる。これにより、連結体800は、案内レール162に沿って-y方向側へとスライド可能な状態で保持される。連結体800のうち最も先端にあるステープル80は、本体フレーム100のうち、後述のドライバ30が通過する領域(つまり、ドライバ30の可動範囲内の領域)に配置されており、次の動作時において袋BGの結束に供される。案内レール162は、連結体保持部170から引き出された連結体800を、幅方向(y方向)に沿ってドライバ30の可動範囲内へと案内するもの、ということができる。
図8に示されるように、案内レール162の上方側には送り部材280が設けられており、案内レール162の下方側には逆止部材290が設けられている。
送り部材280は、その先端に送り爪282が形成された板状の部材である。送り部材280は、軸281を介してリンク部材270に取り付けられている。送り部材280は、軸281の周りにおいて回転可能となっており、不図示のばねによって図8における時計回り方向に付勢されている。
リンク部材270は、本体フレーム100に対し動作可能な状態で取り付けられた部材である。リンク部材270のうち送り部材280が取り付けられている部分は、不図示のばねにより-y方向側へと付勢されている。送り部材280は、送り爪282を連結体800の一部に入り込ませた状態で、上記のように-y方向側へと付勢されている。このため、連結体800も、送り爪282からの力によって-y方向側へと付勢されている。
結束機10による結束が行われると、連結体800のうち最も先端側にあったステープル80が存在しなくなるので、送り爪282からの力によって連結体800は-y方向側へと送り込まれる。その後、不図示の機構によってリンク部材270がy方向側へと移動する。送り爪282は、リンク部材270と共にy方向側へと移動しながら、連結体800から一度外れた後、前回よりも一段y方向側となる位置において、連結体800の一部に再び入り込んだ状態となる。
逆止部材290は、その先端に逆止爪292が形成された板状の部材である。逆止部材290は、軸291を介してベース部材102に取り付けられている。ベース部材102は、本体フレーム100に対し取り付けられた部材である。逆止部材290は、軸291の周りにおいて回転可能となっており、不図示のばねによって図8における反時計回り方向に付勢されている。逆止部材290は、逆止爪292を連結体800の一部に入り込ませた状態となっている。
結束機10による結束が行われると、先に述べたように送り爪282が動作して、連結体800が-y方向側へと送り込まれる。逆止部材290は、その際において連結体800が逆方向へと移動してしまうことを、逆止爪292によって防止するための部材である。
上記のように、結束のためにドライバ30が動作すると、これに続いてリンク部材270や送り爪282等が動作し、連結体800を本体フレーム100の内部へと送り込む。送り爪282は、ドライバ30と共に連携動作しながら、連結体800に含まれるそれぞれのステープル80を、ドライバ30の可動範囲内にある所定位置に向けて送りこむための部材、ということができる。
図1に戻って説明を続ける。モーターユニット20は、その内部に電動モーター50等を収容するものである。電動モーター50は、結束機10を動作させるための駆動源として設けられた回転電機である。電動モーター50は、蓄電池ユニット60から電力の供給を受けて動作し、後述のドライバ30を駆動する。モーターユニット20の内部には、電動モーター50の他、結束機10の動作を制御するための制御基板52も収容されている。
モーターユニット20は、本体フレーム100のうち、y方向側であり且つ下方側の部分に設けられている。モーターユニット20のうちy方向側の側面には、スイッチ25が設けられている。使用者によってスイッチ25が操作されると、上記の制御基板が起動し、結束機10はスタンバイ状態となる。
蓄電池ユニット60は、結束機10の動作に必要な電力を蓄えておくための蓄電池(例えばリチウムイオンバッテリー)に、当該蓄電池の充放電を制御するための制御基板62(図3を参照)等を組み合わせてユニット化したものである。蓄電池ユニット60は、外部の充電器によって予め充電された後、結束機10が備える電池取り付け部600に装着される。電池取り付け部600を介して蓄電池ユニット60から供給される電力は、電動モーター50に供給されるほか、結束機10の動作を制御するための制御基板52にも供給される。図3に示されるように、蓄電池ユニット60の外表面には、表示部61が設けられている。表示部61は、蓄電池の残量等の情報を、LEDの点灯状態により表示するものである。
電池取り付け部600は、本実施形態ではモーターユニット20の一部として結束機10に設けられている。具体的には、モーターユニット20のうちx方向側であり且つ-y方向側の部分が、電池取り付け部600として構成されている。図3に示されるように、電池取り付け部600と本体フレーム100との間には、蓄電池ユニット60を配置するための空間が形成されている。使用者は、蓄電池ユニット60を、電池取り付け部600に対して-y方向側から対向させながら、-x方向側へとスライドさせて行くことで、蓄電池ユニット60を電池取り付け部600に取り付けることができる。蓄電池ユニット60は、その内部の制御基板62がy方向(幅方向)に対し垂直となっている状態で、電池取り付け部600によって保持される。
カッターユニット500は、袋BGの結束が完了した後に、袋BGのうちステープル80から先の余剰部分を切断するためのものである。カッターユニット500には、直線状の溝501が形成されており、溝501の内面に沿って刃510が設けられている。
袋BGの結束が完了すると、使用者は、案内溝110に沿って袋BGを引き上げた後、そのまま袋BGを溝501の内側へと移動させ、刃510によって袋BGの余剰部分を切断することができる。尚、袋BGの結束が完了した後、不図示の機構によって袋BGの切断まで自動的に行われるような構成であってもよい。
結束機10の内部構成について、図9を主に参照しながら説明する。同図に示されるように、結束機10は、減速ギヤ210、220と、カムギヤ230と、クランク240と、結合リンク250と、ドライバ30と、クリンチャ400と、を備えている。これらはいずれも、本体フレーム100の内側に配置されており、本体フレーム100によって保持されている。
減速ギヤ210、220は、互いに噛み合った一対の歯車であって、電動モーター50の駆動軸51の回転を、減速しながら後述のカムギヤ230へと伝達するものである。駆動軸51は、その長手方向を幅方向(y方向)に沿わせた状態で設けられており、その一部が本体フレーム100の内側に入り込んでいる。尚、駆動軸51のうち本体フレーム100の内側に入り込んでいる部分には、減速ギヤ210に噛み合うギヤが設けられているのであるが、図9においては当該ギヤの図示が省略されている。
カムギヤ230は、減速ギヤ220から力を受けることにより回転し、クランク240を動作させるための部材である。カムギヤ230の外周側近傍となる位置には、軸231を介して、クランク240が回転可能な状態で取り付けられている。カムギヤ230が回転すると、クランク240はその角度を適宜変化させながら、x軸に沿って往復する。図9に示されるのは、クランク240が最も-x方向側にあるときの状態であり、図10に示されるのは、クランク240が最もx方向側にあるときの状態である。結束が行われる前の待機状態においては、図9の状態となっている。
結合リンク250は、クランク240とドライバ30との間を繋ぐ部材である。結合リンク250の一端は、クランク240のうち軸231とは反対側の端部に対し、軸251を介して回転可能な状態で取り付けられている。結合リンク250の他端は、ドライバ30のうち-x方向側の端部に対し、軸261を介して回転可能な状態で取り付けられている。クランク240からの力は、結合リンク250を介してドライバ30へと伝達される。
ドライバ30は、ステープル80を、案内溝110に通された袋BG(被結束物)に向けて押し出すための部材である。本体フレーム100の内側には、z方向に沿って互いに対向する一対のガイド部材120、130が設けられており、両者の間にドライバ30の一部が挟み込まれている。ガイド部材120、130により、ドライバ30は、x軸に沿った方向にのみ移動可能な状態で保持されている。つまり、ドライバ30の移動方向はx軸に沿った方向となっている。ガイド部材120、130が設けられている位置は、図9の状態において、ドライバ30のうちx方向側の先端部分を上下に挟み込む位置であって、先に述べた案内レール162に対応する位置となっている。
電動モーター50の駆動力によってクランク240が動作すると、ドライバ30は、図9の位置から図10の位置まで移動する。このとき、ドライバ30のうちx方向側の端部は、連結体800のうち最も先端(つまり、最も-y方向側)にあるステープル80に当たり、当該ステープル80をx方向側へと押し出す。当該ステープル80は、接続部83が切断されることによって他のステープル80から分離された後、ドライバ30の先端と共にx方向側へと移動する。
クリンチャ400は、上記のように押し出されたステープル80をドライバ30と共に挟み込むことで、ステープル80を変形させるための部材である。図9に示されるように、クリンチャ400が設けられている位置は、ドライバ30の先端に対してx方向側から対向する位置であり、且つ、案内溝110よりも更にx方向側となる位置である。クリンチャ400のうち-x方向側の面、すなわち、ドライバ30の先端と対向するクリンチ面には、ステープル80の脚部81の変形を案内するための不図示の溝が形成されている。
ステープル80は、脚部81の先端をクリンチャ400側に向けた状態で、ドライバ30によってx方向に押し出される。ドライバ30が、その可動範囲のうち最もx方向側の位置まで到達したときには、脚部81の先端はクリンチャ400のクリンチ面に当たり、クリンチ面の溝に案内されながら所定形状となるよう変形する。このとき、脚部81の間には袋BGの入り口部分が挟み込まれた状態となっている。従って、袋BGの入り口部分は、変形したステープル80によって結束され、図4に示される状態となる。
本体フレーム100の内側には、上記のようなドライバ30やクリンチャ400等に加えて、収束部材300と、リンク部材260と、が更に設けられている。
収束部材300は、袋BG(被結束物)のうち案内溝110に通されている部分を、ステープル80の脚部81の間に挟み込まれ得る程度の大きさとなるよう、結束前(つまり、ステープル80が変形する前)において予め収束させておくための部材である。収束部材300は、x-z平面に平行な略平板状となっている。収束部材300のうちその長手方向に沿った一端側には、袋BGに当接し押圧する部分である押圧部320が設けられている。収束部材300のうちその長手方向に沿った他端側の部分には回転穴301(図13を参照)が形成されており、回転穴301に軸311が通されている。軸311は、y方向に沿って伸びる円柱形状の軸であり、そのy方向側の端部が本体フレーム100に取り付けられている。収束部材300は、軸311の周りにおいて回転可能な状態で支持されている。軸311は、本実施形態における「回転軸」に該当する。
略平板状である収束部材300には、これをy方向に貫く長穴312が形成されている。長穴312は、軸311側から押圧部320側に向かって伸びるように形成された細長い穴である。長穴312には、後述のリンク部材260に設けられた軸262が挿通されている。後に説明するように、軸262は、x方向に沿って移動しながら収束部材300に力を加え、収束部材300を駆動するものである。軸262は、本実施形態における「駆動部材」に該当する。
収束部材300は、軸262から受ける力によって、軸311の周りにおいて回転する。尚、結束動作が行われる前の待機時(図9)においては、収束部材300は、ばね351からの力によって、可動範囲のうち最も時計周り方向側となる位置において待機している。当該状態においては、収束部材300の全体は案内溝110と重なっておらず、押圧部320が案内溝110の上方側に配置された状態となっている。
リンク部材260は、ドライバ30の動作に連動して収束部材300を動作させるための部材である。リンク部材260は、x軸に沿った方向にのみ平行移動し得る状態で保持されている。図11には、リンク部材260と、これに接続されたドライバ30や結合リンク250等が斜視図として描かれている。リンク部材260は、収束部材300と同様に、x-z平面に平行な略平板状となっている。駆動部材である軸262は、y方向に沿って伸びる円柱形状の軸であって、リンク部材260から-y方向側に突出するように設けられている。
図9に示されるように、リンク部材260のうちその長手方向に沿った一端側の部分は、収束部材300の一部に対しy方向側から重なっている。当該部分には、上記の軸262が設けられており、この軸262が長穴312に挿通されている。
リンク部材260のうちその長手方向に沿った他端側の部分には、円形の穴が形成されており、当該穴には軸261が挿通されている。軸261は、先に述べたように、結合リンク250とドライバ30のとの間を回転可能な状態で繋いでいる軸である。
以上のような構成において、ドライバ30がx方向側に移動すると、ドライバ30と共にリンク部材260もx方向側に移動する。リンク部材260の軸262は、収束部材300の長穴312に挿通された状態のままx方向側に移動する。収束部材300は、長穴312の縁がリンク部材260から受ける力によって、ばね351の力に抗しながら、図9における反時計回り方向に回転する。これにより、収束部材300の押圧部320は、案内溝110に沿って下方側へと移動して行き、図10の状態となる。
結束機10が袋BGを結束する際における一連の動作について、改めて説明する。使用者が、袋BG分を案内溝110に通して下降させ、スイッチ部材111を回動させると、電動モーター50が駆動される。電動モーター50の駆動力により、カムギヤ230やクランク240が動作することで、ドライバ30がx方向側に移動する。ドライバ30は、図9に示される待機状態の位置から、図10に示される結束完了状態の位置まで移動する。
これと並行して、ドライバ30と共にリンク部材260がx方向側へと移動することで、収束部材300が図9の反時計回り方向に回転する。収束部材300の押圧部320は、案内溝110に沿って下方側へと移動し、その先端が袋BGに当接する。袋BGのうち案内溝110に通されている部分は、押圧部320から押圧されることによって変形し、ステープル80が到達するよりも前の時点において予め収束した状態となる。
ドライバ30は、上記のようにx方向側へと移動しながら、連結体800の先端にあったステープル80をx方向側へと押し出す。当該ステープル80は、脚部81の先端をクリンチャ400に向けた状態で、x方向側にある袋BGに向かって移動する。
ステープル80が袋BGの位置に到達する時点においては、袋BGは、上記のように押圧部320から押圧されることによって収束しており、脚部81の間に挟まれ得る程度の大きさとなっている。このため、ステープル80は、脚部81の間に袋BGを入り込ませながらクリンチャ400の位置に到達する。その後、ステープル80は、ドライバ30とクリンチャ400との間で挟み込まれることによって変形し、袋BGを結束した状態となる。
結束が完了した後も、電動モーター50は引き続き動作を継続する。ドライバ30は、図10の位置から-x方向側へと移動する。それに伴い、収束部材300は時計回り方向に回転する。最終的には、図9に示される待機状態の位置まで各部材が戻り、この時点で電動モーター50が動作を停止する。結束のために電動モーター50が動作し始めてから停止するまでの期間においては、カムギヤ230は360度回転することとなる。
収束部材300及びその周囲の具体的な構成について説明する。図12には、ガイド部材120の構成が斜視図として示されている。ガイド部材120は、先に述べたようにドライバ30の動作を案内するための部材であって、本体フレーム100に取り付けられている。ガイド部材120は、ドライバ30よりもz方向側であり、且つ、収束部材300よりも-z方向側となる位置に設けられている。
ガイド部材120には、z方向側に向けて突出する突出部121が形成されている。図10に示されるように、袋BGの収束が完了したときにおいては、突出部121は、収束部材300に対し下方側から当接する。これにより、収束部材300は、それ以上反時計回り方向に回転し得ない状態となる。このような突出部121を有するガイド部材120は、袋BGの収束完了状態における収束部材300の位置、を規制するものであり、本実施形態における「規制部材」に該当する。
図13に示されるように、収束部材300には可動部材330が取り付けられている。可動部材330は、x-z平面に平行な略平板状の部材である。可動部材330は、軸331の周りに回転可能な状態で、収束部材300に取り付けられている。軸331のうち-y方向側の端部は、収束部材300に接続されている。
図14には、図13から螺子333を取り外した状態が示されている。可動部材330には、概ねz方向に沿って伸びる長穴332が形成されており、螺子333はこの長穴332挿通されている。螺子333の周囲には円筒状のカラー334が設けられている。カラー334は、その中心軸をy方向に沿わせた状態で、螺子333と共に長穴332に挿通されている。螺子333は、カラー334の内側に挿通されており、収束部材300に対してカラー334を締結固定している。カラー334の中心軸に沿った寸法(つまり、y方向に沿った寸法)は、同方向に沿った可動部材330の厚さよりも大きい。このため、可動部材330は、収束部材300に対しては締結固定されておらず、軸331の周りにおいて回転し得る状態となっている。ただし、収束部材300に対し可動部材330が回転し得る範囲は、長穴332によって規制されている。
押圧部320は、収束部材300のうち他の部分よりも、y方向側に向けて突出するように設けられている。可動部材330のうちx方向側の端部近傍の部分と、押圧部320とは、図13のz方向に沿って互いに対向しており、両者の間には、弾性体であるばね340が挟み込まれている。ばね340は、可動部材330を、押圧部320から遠ざかる方向に付勢している。このため、可動部材330は、軸331の周りにおいて、図13の反時計回り方向に回転するよう付勢された状態となっている。
後に説明するように、可動部材330は、駆動部材である軸262からの力を直接受ける部分となっている。軸262から受ける力により、可動部材330が図13の時計回り方向に回転すると、ばね340が圧縮される。収束部材300の押圧部320には、ばね340からの力が加えられる。当該力により、収束部材300は、回転穴301に挿通された軸311の周りにおいて回転する。可動部材330は、ばね340を介して収束部材300に取り付けられた部材、ということができる。
ばね340は、本実施形態における「付勢部材」に該当する。ばね340の個数は、本実施形態のように2つであってもよいが、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。また、ばね以外の弾性体が、ばね340の代わりに用いられてもよい。
図13に示されるように、可動部材330は、長穴312のうち-z方向側の縁に概ね沿うように形成されている。図15のように-y方向側から見たときにおいて、可動部材330は、その一部が長穴312と重なっている。具体的には、長穴312の略中央よりもx方向側の部分においては、可動部材330は、長穴312に対し-z方向側から部分的に重なっている。長穴312の略中央よりも-x方向側の部分においては、可動部材330は、長穴312に対し重なっていない。図15の点MPは、長穴312の-z方向側の縁のうち、可動部材330が重なっている部分と重なっていない部分との境界位置を示している。
収束部材300等の具体的な動作について説明する。図15には、図9と同様の待機状態が示されている。待機状態における収束部材300は、ばね351からの力によって、可動範囲のうち最も時計周り方向側となる位置において待機している。リンク部材260は、ドライバ30と共に、可動範囲のうち最もx方向側となる位置にある。このとき、駆動部材である軸262は、長穴312のうち、-x方向側の端部近傍となる部分に挿通されている。長穴312の-z方向側の縁のうち、図15の待機状態において軸262が当接している部分が、図15においては「点SP」として示されている。待機状態においては、軸262は収束部材300に対して当接している一方で、可動部材330には当接していない。
図16には、軸262が図15の位置からx方向へと移動し始めた後の状態が示されている。このとき、軸262は移動し続けているのであるが、点MPの位置までは未だ到達していない。従って、収束部材300には、軸262からの力が直接加えられている。つまり、可動部材330やばね340を介することなく、長穴312の縁に軸262が直接当たることで、収束部材300に力が加えられている。軸262からの力により、収束部材300は、軸311の周りにおいて反時計回り方向に回転している。
図17には、軸262が図16の位置から更にx方向へと移動したときの状態が示されている。このとき、軸262は依然として移動し続けている。軸262は、長穴312のうち、点MPよりもx方向側となる位置において挿通されている。この状態において、軸262は長穴312の縁には当接しておらず、可動部材330に当接している。このため、収束部材300には、可動部材330やばね340を介して軸262からの力が加えられている。
本実施形態では、軸262が点MPよりもx方向側へと移動した直後において、可動部材330は突出部121に当接しており、それ以上回転し得ない状態となっている。つまり、図17の時点では袋BGの収束が完了している。ただし、ドライバ30によって押し出されたステープル80(不図示)は、袋BGやクリンチャ400の位置までは到達しておらず、ドライバ30と共にx方向へと移動し続けている。
図18には、軸262が図17の位置から更にx方向へと移動し、その可動範囲の端部まで到達したときの状態、つまり、図10に示される結束完了状態が示されている。不図示のステープル80は、この時点でクリンチャ400に当たり変形し、これにより袋BGの結束が完了している。軸262は、長穴312のうち、x方向側の端部近傍となる部分に挿通されている。図17の状態と同様に、軸262は、長穴312の縁には当接しておらず、可動部材330に当接している。可動部材330のうち軸262が当接している部分が、図18においては「点GP」として示されている。
以上のように、駆動部材である軸262は、図15のように点SPに当接する位置(第1位置)から、図18のように点GPに当接する位置(第2位置)まで、x方向に移動しながら、収束部材300を駆動する。
長穴312のうち、点MPよりもx方向側の部分における幅寸法は、軸262の直径よりも大きくなっている。このため、軸262が図18の位置(第2位置)に到達した状態において、ばね340に抗するような外力を押圧部320に加えることで、収束部材300を軸311の周りに回転させることが可能となっている。つまり、図18の状態において、収束部材300は、軸262に対し相対的に動作し得る状態で保持されている。また、このときの収束部材300は、収束部材300と軸262との間に(可動部材330を介して)配置されたばね340によって、袋BGに向けて付勢された状態となっている。
ところで、上記のように収束部材300を動作させるためには、長穴312の幅寸法を、全体において軸262の直径と略同一とした上で、可動部材330を設けない構成とすることも考えられる。しかしながら、そのような構成においては、長期間に亘り結束機10が使用され、長穴312の縁や軸262が摩耗により変形すると、図18の状態における収束部材300の位置が変化してしまい、袋BGの収束が適切に行われなくなってしまう可能性が有る。
そこで、本実施形態に係る結束機10では、軸262と収束部材300との間に可動部材330及びばね340を介在させることで、上記の問題を解決している。図18の結束完了状態における収束部材300は、ばね340からの力によって反時計回り方向に付勢されており、且つ、ガイド部材120(規制部材)の突出部121によってその位置が規制されている。このため、長穴312や軸262の形状が摩耗により変化したとしても、結束完了状態における収束部材300の位置が変化してしまうことはない。
本実施形態においては、軸262が、点SPに当接する第1位置から、点GPに当接する第2位置よりも手前側の点MPに到達するまでの期間においては、軸262は、収束部材300に当接した状態で収束部材300を駆動する。当該期間は、収束部材300によって袋BGの収束が概ね完了するまでの期間であり、収束部材300を比較的強い力で大きく動かすことが求められる期間となっている。そこで、本実施形態では、上記期間における軸262が、可動部材330及びばね340を介することなく、収束部材300に直接当たって駆動するように構成されている。これにより、袋BGを強い力で確実に収束させることができる。
軸262が点MPに到達した以降は、袋BGを収束させるための大きな力は不要であり、収束部材300を最終の位置まで確実に移動させることが求められる。そこで、本実施形態では、軸262が点MPに到達した以降は、軸262が、可動部材330に当接した状態で収束部材300を駆動し、ガイド部材120(規制部材)の突出部121に可動部材330を当接させることとしている。これにより、収束部材300を最終の位置まで確実に移動させることができる。
尚、押圧部320の先端に異物の噛み込みが生じた場合には、ばね340の圧縮量が大きくなり、収束部材300は図18の位置に到達するよりも前に停止することとなる。これにより、軸262からの力によって収束部材300が破損してしまうこと等を防止する、という副次的な効果も得られる。
本実施形態の軸262は、ドライバ30の動作に連動してx方向へと移動し、収束部材300を駆動する。結束機10は、ドライバ30からの力を軸262に伝達し上記動作を実現するための機構として、リンク部材260や軸261等を含むリンク機構(図11)を備えている。これにより、ドライバ30と軸262を、同一の駆動源である電動モーター50により駆動することができる。このような態様に換えて、ドライバ30及び軸262のそれぞれが、互いに別の駆動源により駆動されるような態様であってもよい。
ところで、収束部材300の位置を下方側から規制するガイド部材120については、その上面(つまりz方向側の面)全体が収束部材300に当たるような構成とすることも考えられる。しかしながら、そのような構成においては、ステープル80を押し出す際に生じた異物(例えば接続部82)が飛来し、ガイド部材120の上面と収束部材300との間に挟み込まれてしまう可能性が有る。その結果、結束完了状態における収束部材300の位置が変化してしまう可能性が有る。
そこで、本実施形態では図12に示されるように、ガイド部材120のうち狭小な突出部121のみを収束部材300に当接させることとした上で、突出部121よりも被結束物側(x方向側)の上面123を、水平面に対し傾斜した傾斜面としている。また、突出部121よりも-x方向側の上面124についても、同様に水平面に対し傾斜した傾斜面としている。このため、ガイド部材120の上面に異物が飛来した場合には、当該異物は、傾斜面である上面123、上面124に沿って下方側に移動し、ガイド部材120から落下する。これにより、異物の噛み込みが防止される。尚、上面123のみが傾斜面となっており、上面124は傾斜面とはなっていないような態様であってもよい。
第2実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
本実施形態では、結束機10の動作を制御するための制御基板52(図1を参照)の動作においてのみ第1実施形態と異なっている。制御基板52は、電動モーター50の動作等を制御するものであり、本実施形態における「制御部」に該当する。図19に示されるフローチャートは、制御基板52によって実行される処理の流れを示すものである。当該処理は、所定の制御周期が経過する毎に、制御基板52によって繰り返し実行される。
最初のステップS01では、電動モーター50の動作負荷が、所定の閾値を超えたか否かが判定される。本実施形態の制御基板52は、電動モーター50を流れる電流を常に監視しており、当該電流の値を上記の「動作負荷」として取得している。上記の「閾値」は、電動モーター50を正常に駆動させ続けることが可能な電流範囲の最大値、として予め設定されたものである。動作負荷が閾値以下であれば、特段の処理を行うことなく、図19に示される一連の処理を終了する。動作負荷が閾値を超えている場合には、ステップS02に移行する。ステップS02では、電動モーター50を停止させる処理が行われる。
このように、制御基板52は、電動モーター50の動作負荷が所定の閾値を超えると、電動モーター50を停止させる。これにより、異物の噛み込み等が生じている状態で、長時間に亘り電動モーター50を動作させ続けてしまうような事態を防止することができる。
第3実施形態について説明する。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と共通する点については適宜説明を省略する。
図20に示されるように、本実施形態のガイド部材120には、突出部121の部分に磁石122が埋め込まれている。また、図示は省略するが、本実施形態の収束部材300には、可動部材330及びばね340のいずれも設けられていない。尚、収束部材300に形成された長穴312の形状は、第1実施形態と同じである。
収束部材300は、磁性体である金属により形成されている。このため、軸262からの力によって収束部材300が回転し、収束部材300の下端が突出部121に近づくと、収束部材300は磁石122の磁力によって下方側へと引き寄せられる。最終的には、収束部材300は突出部121に当接した状態となる。
このように、本実施形態では、磁石122が、第1実施形態のばね340と同様の「付勢部材」として機能する。このような態様でも、第1実施形態で説明したものと同様の効果を奏する。また、本実施形態では、袋BGの収束が完了した状態において、軸262が長穴312の縁に押し付けられないので、異物の噛み込み時等における各部材の負担をより低減できる、という効果も奏する。尚、付勢部材である磁石122は、本実施形態のようにガイド部材120によって保持されていてもよいが、他の部材によって保持されていてもよい。いずれの場合であっても、磁石122は、収束部材300の近傍に設けられていればよい。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。