JP7842792B2 - バルーンカテーテルおよびバルーンカテーテルの製造方法 - Google Patents

バルーンカテーテルおよびバルーンカテーテルの製造方法

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Description

本明細書に開示される技術は、バルーンカテーテルおよびバルーンカテーテルの製造方法に関する。
バルーンカテーテルは、血管等の体内管腔に挿入され、体内管腔における狭窄部を押し広げて拡張させたり、体内管腔を閉塞させて流体の流通(例えば血流)を規制したりするための長尺状医療機器である。
バルーンカテーテルは、内層管と、内層管の外周面を覆う外層と、外層の外周面を覆うバルーンとを備える(例えば、特許文献1参照)。内層管の内腔は、バルーンの内部空間に連通しており、拡張媒体ルーメンとして機能する。バルーンを拡張させる際には、拡張媒体ルーメンとしての内層管の内腔を介して、バルーンの内部空間に向けて拡張媒体(造影剤や生理食塩水等)が供給される。バルーンを縮小させる際には、拡張媒体ルーメンとしての内層管の内腔を介して、バルーンの内部空間から拡張媒体が排出される。
国際公開第2020/075278号
バルーンカテーテルでは、バルーンを縮小させるために拡張媒体ルーメンを介して拡張媒体を排出する際に、拡張媒体ルーメンに陰圧が発生する。従来のバルーンカテーテルの構成では、拡張媒体ルーメンに発生する陰圧によって内層管が外層から剥離してつぶれるおそれがあり、拡張媒体ルーメンを介した拡張媒体の円滑な排出の点で向上の余地がある。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示されるバルーンカテーテルは、内層管と、外層と、バルーンと、接着層とを備える。外層は、内層管の外周面を覆う部材である。バルーンは、外層の外周面を覆う部材である。バルーンの内部空間と内層管の内腔とは連通している。接着層は、内層管と外層との間に配置されている。
本バルーンカテーテルでは、内層管の内腔が、バルーンの内部空間と連通しており、拡張媒体ルーメンとして機能する。また、内層管は、接着層によって外層に接着されている。そのため、拡張媒体ルーメンを介した拡張媒体の排出に伴い拡張媒体ルーメンに陰圧が発生した際に、内層管が外層から剥離してつぶれることを抑制することができる。従って、本バルーンカテーテルによれば、内層管の剥離およびつぶれに起因して拡張媒体ルーメンの断面積が小さくなることを抑制することができ、拡張媒体ルーメンを介した拡張媒体の円滑な排出を実現することができる。
(2)上記バルーンカテーテルにおいて、前記接着層の硬度は、前記外層の少なくとも一部の硬度と、前記内層管の少なくとも一部の硬度と、のいずれよりも低い構成としてもよい。本構成によれば、接着層によって内層管を外層に良好に接着することができる。従って、本構成によれば、外層からの内層管の剥離を効果的に抑制することができ、拡張媒体ルーメンを介した拡張媒体のより円滑な排出を実現することができる。
(3)上記バルーンカテーテルにおいて、前記内層管の硬度は、前記外層の硬度よりも高い構成としてもよい。本構成によれば、拡張媒体ルーメンに陰圧が発生した際に、内層管がつぶれることを効果的に抑制することができる。従って、本構成によれば、内層管のつぶれを効果的に抑制することができ、拡張媒体ルーメンを介した拡張媒体のより円滑な排出を実現することができる。
(4)上記バルーンカテーテルにおいて、前記外層は、第1外層と、前記第1外層より基端側に配置された第2外層と、を含み、前記第1外層の硬度は、前記第2外層の硬度よりも低い構成としてもよい。本構成によれば、バルーンカテーテルにおける先端側の部分を比較的柔らかくして体内管腔への追従性を向上させつつ、バルーンカテーテルにおける基端側の部分を比較的硬くして押し込み性を向上させることができる。
(5)上記バルーンカテーテルにおいて、前記接着層の硬度は、前記第1外層の硬度と、前記第2外層の硬度と、前記内層管の硬度と、のいずれよりも低い構成としてもよい。本構成によれば、接着層によって内層管を第1外層と第2外層とのいずれに対しても良好に接着することができる。従って、本構成によれば、第1外層と第2外層とを含む外層からの内層管の剥離を効果的に抑制することができ、拡張媒体ルーメンを介した拡張媒体のより円滑な排出を実現することができる。
(6)上記バルーンカテーテルにおいて、前記内層管の硬度は、前記第1外層の硬度と、前記第2外層の硬度と、のいずれよりも高い構成としてもよい。本構成によれば、拡張媒体ルーメンに陰圧が発生した際に、内層管がつぶれることをより効果的に抑制することができる。従って、本構成によれば、内層管のつぶれをより効果的に抑制することができ、拡張媒体ルーメンを介した拡張媒体のより円滑な排出を実現することができる。
(7)本明細書に開示されるバルーンカテーテルの製造方法は、内層管と、前記内層管の外周面を覆う外層と、前記外層の外周面を覆うバルーンであって、前記バルーンの内部と前記内層管の内腔とは連通している、バルーンと、を備えるバルーンカテーテルの製造方法であって、外周面に接着層の形成材料が配置された前記内層管を準備する工程と、前記内層管を前記外層の形成材料により覆うことによって前駆体を作製する工程と、前記前駆体を加熱することにより、前記外層の形成材料を溶融させることによって前記外層を形成すると共に、前記接着層の形成材料を溶融させることによって前記内層管と前記外層との間に前記接着層を形成する工程と、を備える。本バルーンカテーテルの製造方法によれば、内層管が接着層によって外層に接着されたバルーンカテーテルを容易に製造することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、バルーンカテーテルおよびその製造方法等の形態で実現することができる。
第1実施形態におけるバルーンカテーテル100の側面構成を示す説明図 第1実施形態におけるバルーンカテーテル100の横断面構成を示す説明図 第1実施形態におけるバルーンカテーテル100の縦断面構成を示す説明図 第1実施形態におけるバルーンカテーテル100を構成する各部材の硬度を示す説明図 本実施形態におけるバルーンカテーテル100の製造方法の一例を示す説明図 本実施形態におけるバルーンカテーテル100の製造方法の一例を示す説明図 本実施形態におけるバルーンカテーテル100の製造方法の一例を示す説明図 第2実施形態におけるバルーンカテーテル100aの側面構成を示す説明図 第2実施形態におけるバルーンカテーテル100aを構成する各部材の硬度を示す説明図 変形例におけるバルーンカテーテル100の縦断面構成を示す説明図
A.第1実施形態:
A-1.バルーンカテーテル100の構成:
図1から図3は、第1実施形態におけるバルーンカテーテル100の構成を示す説明図である。図1には、バルーンカテーテル100の側面の構成が示されており、図2には、図1のII-IIの位置におけるバルーンカテーテル100の横断面の構成が示されており、図3には、バルーンカテーテル100における先端部(図1のX1部)の縦断面の構成が示されている。各図では、バルーンカテーテル100の一部の図示が省略されていることがある。また、各図において、Z軸正方向側が、体内に挿入される先端側(遠位側)であり、Z軸負方向側が、医師等の手技者によって操作される基端側(近位側)である。以下では、バルーンカテーテル100およびその構成部材について、先端側の端を「先端」といい、先端およびその近傍を「先端部」といい、基端側の端を「基端」といい、基端およびその近傍を「基端部」という。図1では、バルーンカテーテル100が全体としてZ軸方向に平行な直線状となった状態を示しているが、バルーンカテーテル100は湾曲させることができる程度の柔軟性を有している。
バルーンカテーテル100は、血管等の体内管腔に挿入され、体内管腔における狭窄部を押し広げて拡張させたり、体内管腔を閉塞させて流体の流通(例えば血流)を規制したりするための長尺状医療機器である。バルーンカテーテル100の全長は、例えば1500mm~2000mm程度である。
本実施形態のバルーンカテーテル100は、デバイスをガイドするための後述するデバイスルーメンL2を有するバルーン付ガイディングカテーテルである。バルーンカテーテル100は、例えば、デバイスルーメンL2を介してデリバリされた血栓回収カテーテルを用いて脳の血管内の血栓を回収する手技中に、剥がれた血栓のかけらが血管内を流れていかないように、血流を止めるために使用される。
バルーンカテーテル100は、外層10と、第1内層管20と、接着層30と、第2内層管40と、先端チップ50と、バルーン60と、Yコネクタ80とを備える。
第1内層管20は、筒状(例えば円筒状)の部材である。第1内層管20の外径は、例えば0.08mm~0.8mm程度であり、第1内層管20の肉厚は、例えば10μm~80μm程度である。第1内層管20の内腔21は、バルーン60を拡張させるための拡張媒体(造影剤や生理食塩水)を流通させる拡張媒体ルーメンL1として機能する。第1内層管20は、特許請求の範囲における内層管の一例である。
第1内層管20は、可撓性を有する材料により形成されている。第1内層管20の形成材料としては、例えば樹脂を用いることができ、より具体的には、例えば、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、PEEK等を用いることができる。
第1内層管20(特許請求の範囲における内層管の一例)の横断面の形状は、適宜に設定することができる。第1内層管20の横断面の形状の例としては、円形、楕円形、多角形が挙げられる。多角形の例としては、正方形、長方形が挙げられる。第1内層管20の横断面の形状が、例えば、楕円形あるいは長方形である場合には、楕円形あるいは長方形の第1内層管20の径方向に沿うサイズを、径方向に直交する方向に沿うサイズよりも小さくすることができる。このようなサイズの設定により、第1内層管20の横断面における拡張媒体ルーメンL1の面積が同一である場合に(拡張媒体の流量を低下させることなく)、第1内層管20の径方向に沿う第1内層管20のサイズを小さくすることができるため、バルーンカテーテル100を細径化することができる。
第2内層管40は、筒状(例えば円筒状)の部材である。第2内層管40の内径は、例えば1.5mm~3.0mm程度であり、第2内層管40の肉厚は、例えば5μm~30μm程度である。第2内層管40の内腔41は、ガイドワイヤや各種デバイス(例えば、吸引カテーテルや血栓回収カテーテル)を挿通させるためのデバイスルーメンL2として機能する。
第2内層管40は、可撓性を有する材料により形成されている。第2内層管40の形成材料としては、例えば樹脂を用いることができ、より具体的には、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、FEP(パーフルオロエチレンプロペン)、ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)、ポリエチレン、ポリプロピレン等を用いることができる。なお、例えば金属素線がメッシュ状に編み込まれた構成の補強体が、第2内層管40の外周面を覆うように配置されてもよい。
外層10は、第1内層管20の外周面および第2内層管40の外周面を覆う筒状の部材である。なお、本明細書において、A部材がB部材の外周面を覆うとは、A部材がB部材の外周面の少なくとも一部に対して外側に配置されていることを意味し、A部材とB部材の外周面との間に他の部材が介在する態様を排除しない。本実施形態では、外層10は、第1内層管20の略全長に亘って第1内層管20の外周面の略全体を覆っていると共に、第2内層管40の略全長に亘って第2内層管40の外周面の略全体を覆っている。外層10の外径は、例えば、2.0mm~3.5mm程度である。
外層10は、可撓性を有する材料により形成されている。外層10の形成材料としては、例えば樹脂を用いることができ、より具体的には、例えば、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー等を用いることができる。
本実施形態では、外層10は、第1外層11と、第1外層11より基端側に配置された第2外層12とから構成されている。第2外層12は、第1外層11の基端部に、第1外層11と略同軸になるように接続されている。第1外層11の硬度は、第2外層12の硬度よりも低くなっている。
接着層30は、第1内層管20と外層10との間に配置され、両者を接着する層である。すなわち、第1内層管20は、接着層30によって外層10に接着されている。接着層30の形成材料としては、例えば樹脂を用いることができ、より具体的には、例えばウレタン樹脂等を用いることができる。なお、第2内層管40は、例えば溶着によって直接的に外層10に接合されている。
先端チップ50は、筒状(例えば円筒状)の部材である。先端チップ50は、外層10の先端側に配置され、外層10の先端に例えば溶着により接合されている。先端チップ50の外径は、外層10の外径と略同一である。先端チップ50の内腔51は、第2内層管40の内腔41に連通しており、第2内層管40の内腔41と共にデバイスルーメンL2として機能する。先端チップ50の形成材料としては、例えば樹脂を用いることができ、より具体的には、例えばウレタン樹脂等を用いることができる。
バルーン60は、内部空間61が形成された中空状の部材であり、拡張媒体の供給および排出に伴い拡張および収縮が可能である。バルーン60は、外層10の先端部の外周面および先端チップ50の外周面を覆っている。バルーン60の先端部は、先端チップ50の外周面に例えば溶着によって接合されており、バルーン60の基端部は、外層10の先端部の外周面に例えば溶着によって接合されている。
バルーン60の形成材料としては、例えば、樹脂やゴムを用いることができ、より具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等のポリオレフィン、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等を用いることができる。
図3に示すように、バルーン60の内部空間61と第1内層管20の内腔21(拡張媒体ルーメンL1)とは、互いに連通している。すなわち、バルーンカテーテル100には、第1内層管20の先端部における内周面から外層10の外周面に至るまで径方向に延びる連通流路(連通孔)C1が形成されており、該連通流路C1を介してバルーン60の内部空間61と第1内層管20の内腔21とが連通している。
Yコネクタ80は、バルーンカテーテル100の基端部を構成している。Yコネクタ80には、拡張媒体ルーメンL1に連通する拡張媒体ポート81と、デバイスルーメンL2に連通するデバイスポート82とが形成されている。バルーン60を拡張させる際には、拡張媒体ポート81から拡張媒体ルーメンL1および連通流路C1を介して、バルーン60の内部空間61に拡張媒体が供給される。バルーン60を縮小させる際には、バルーン60の内部空間61に存在する拡張媒体が、連通流路C1および拡張媒体ルーメンL1を介して拡張媒体ポート81から排出される。また、デバイスルーメンL2へのデバイスの挿入およびデバイスルーメンL2からのデバイスの抜き取りは、デバイスポート82を介して実行される。なお、本実施形態のバルーンカテーテル100は、いわゆるオーバーザワイヤ(OTW)型のバルーンカテーテルである。
A-2.各部材の硬さの関係:
図4は、第1実施形態におけるバルーンカテーテル100を構成する各部材の硬度を示す説明図である。図4に示すように、本実施形態のバルーンカテーテル100では、接着層30のショア硬度(A)は80であり、第1外層11のショア硬度(D)は30であり、第2外層12のショア硬度(D)は80であり、第1内層管20のショア硬度(D)は2000である。すなわち、本実施形態のバルーンカテーテル100では、上記4つの部材について、接着層30、第1外層11、第2外層12、第1内層管20の順に硬度が高くなっている。このような硬度の関係は、例えば、接着層30をウレタン樹脂により形成し、第1外層11をウレタン樹脂とナイロン樹脂との混合材料により形成し、第2外層12をナイロン樹脂により形成し、第1内層管20をPEEKにより形成することにより、実現することができる。
本実施形態のバルーンカテーテル100では、各部材の硬度の関係が上述の通りであるため、以下の(1)から(5)までの関係が成り立っている。
(1)接着層30の硬度は、外層10の少なくとも一部の硬度と、第1内層管20の少なくとも一部の硬度と、のいずれよりも低い。
(2)第1内層管20の硬度は、外層10の硬度よりも高い。
(3)第1外層11の硬度は、第2外層12の硬度よりも低い。
(4)接着層30の硬度は、第1外層11の硬度と、第2外層12の硬度と、第1内層管20の硬度と、のいずれよりも低い。
(5)第1内層管20の硬度は、第1外層11の硬度と第2外層12の硬度と、のいずれよりも高い。
なお、上述した各部材(接着層30、第1外層11、第2外層12、第1内層管20)の硬度の高低関係は、各部材を形成する材料の融点の高低関係としても表現することができる。すなわち、本実施形態のバルーンカテーテル100では、上記4つの部材について、接着層30、第1外層11、第2外層12、第1内層管20の順に、形成材料の融点が高くなっている。例えば、接着層30の形成材料の融点は81℃であり、第1外層11の形成材料の融点は170℃であり、第2外層12の形成材料の融点は178℃であり、第1内層管20の形成材料の融点は334℃である。
本実施形態では、第1内層管20と外層10(第1外層11および第2外層12)との間で融点が大きく異なるため、第1内層管20と外層10とを溶着することができない。そのため、第1内層管20と外層10とが接着層30により接着されている。また、第2内層管40は、外層10と溶着可能な材料により形成されており、外層10と溶着されている。
A-3.バルーンカテーテル100の製造方法:
図5から図7は、本実施形態におけるバルーンカテーテル100の製造方法の一例を示す説明図である。バルーンカテーテル100の製造の際には、まず、図5のA欄に示すように、第1内層管20を準備し、図5のB欄に示すように、第1内層管20の外周面に接着層30の形成材料30Xを配置する。第1内層管20の外周面への接着層30の形成材料30Xの配置は、例えば押し出しコーティングにより実現することができる。なお、共押し出しによって第1内層管20の作製と同時に接着層30の形成材料30Xの配置を実行してもよい。
次に、図5のC欄に示すように、第1内層管20と、別途準備した第2内層管40とを、外層10の形成材料10Xにより覆うことによって、前駆体100Xを作製する。なお、本実施形態では、外層10は、第1外層11と第2外層12とから構成されるため、外層10の形成材料10Xは、第1外層11の形成材料と第2外層12の形成材料とから構成される。
次に、前駆体100Xを加熱する。この加熱は、接着層30の形成材料30Xおよび外層10の形成材料10Xが溶融する温度で実行される。この加熱により、図5のD欄に示すように、外層10の形成材料10Xが溶融して外層10が形成されると共に、接着層30の形成材料30Xが溶融して、第1内層管20と外層10との間に両者を接着する接着層30が形成される。このとき、第2内層管40は外層10に溶着される。なお、この加熱は、前駆体100Xの全体に対して一度に実行してもよいし、前駆体100Xのうち、第1外層11の形成材料により構成される部分と、第2外層12の形成材料により構成される部分とに分けて、順次実行してもよい。例えば、前駆体100Xのうち、第1外層11の形成材料により構成される部分に対する加熱を実行し、その後に、第2外層12の形成材料により構成される部分に対する加熱を実行してもよい。
次に、図6のE欄に示すように、第1内層管20の先端部(図中の部分P1)を除去し、図6のF欄に示すように、例えばレーザ加工により、第1内層管20の先端部における内周面から外層10の外周面に至るまで径方向に延びる連通流路C1を形成する。
次に、図7のG欄に示すように、外層10の先端に、例えば溶着によって先端チップ50を接合し、図7のH欄に示すように、外層10および先端チップ50に、例えば溶着によってバルーン60を接合する。また、外層10の基端部にYコネクタ80を取り付ける。例えば以上のような製造方法により、上述した構成のバルーンカテーテル100が製造される。
A-4.第1実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態のバルーンカテーテル100は、第1内層管20と、外層10と、バルーン60と、接着層30とを備える。外層10は、第1内層管20の外周面を覆う部材である。バルーン60は、外層10の外周面を覆う部材である。バルーン60の内部空間61と第1内層管20の内腔21とは連通している。接着層30は、第1内層管20と外層10との間に配置されて両者を接着する。
このように、本実施形態のバルーンカテーテル100では、第1内層管20の内腔21が、バルーン60の内部空間61と連通しており、拡張媒体ルーメンL1として機能する。また、第1内層管20は、接着層30によって外層10に接着されている。そのため、拡張媒体ルーメンL1を介した拡張媒体の排出に伴い拡張媒体ルーメンL1に陰圧が発生した際に、第1内層管20が外層10から剥離してつぶれることを抑制することができる。従って、本実施形態のバルーンカテーテル100によれば、第1内層管20の剥離およびつぶれに起因して拡張媒体ルーメンL1の断面積が小さくなることを抑制することができ、拡張媒体ルーメンL1を介した拡張媒体の円滑な排出を実現することができる。
また、本実施形態のバルーンカテーテル100では、接着層30の硬度は、外層10の少なくとも一部の硬度と、第1内層管20の少なくとも一部の硬度と、のいずれよりも低い。そのため、接着層30によって第1内層管20を外層10に良好に接着することができる。従って、本実施形態のバルーンカテーテル100によれば、外層10からの第1内層管20の剥離を効果的に抑制することができ、拡張媒体ルーメンL1を介した拡張媒体のより円滑な排出を実現することができる。
また、本実施形態のバルーンカテーテル100では、第1内層管20の硬度は、外層10の硬度よりも高い。そのため、拡張媒体ルーメンL1に陰圧が発生した際に、第1内層管20がつぶれることを効果的に抑制することができる。従って、本実施形態のバルーンカテーテル100によれば、第1内層管20のつぶれを効果的に抑制することができ、拡張媒体ルーメンL1を介した拡張媒体のより円滑な排出を実現することができる。
また、本実施形態のバルーンカテーテル100では、外層10は、第1外層11と、第1外層11より基端側に配置された第2外層12と、を含み、第1外層11の硬度は、第2外層12の硬度よりも低い。本実施形態のバルーンカテーテル100によれば、バルーンカテーテル100における先端側の部分を比較的柔らかくして体内管腔への追従性を向上させつつ、バルーンカテーテル100における基端側の部分を比較的硬くして押し込み性を向上させることができる。
また、本実施形態のバルーンカテーテル100では、接着層30の硬度は、第1外層11の硬度と、第2外層12の硬度と、第1内層管20の硬度と、のいずれよりも低い。そのため、接着層30によって第1内層管20を第1外層11と第2外層12とのいずれに対しても良好に接着することができる。従って、本実施形態のバルーンカテーテル100によれば、第1外層11と第2外層12とを含む外層10からの第1内層管20の剥離を効果的に抑制することができ、拡張媒体ルーメンL1を介した拡張媒体のより円滑な排出を実現することができる。
また、本実施形態のバルーンカテーテル100では、第1内層管20の硬度は、第1外層11の硬度と、第2外層12の硬度と、のいずれよりも高い。そのため、拡張媒体ルーメンL1に陰圧が発生した際に、第1内層管20がつぶれることをより効果的に抑制することができる。従って、本実施形態のバルーンカテーテル100によれば、第1内層管20のつぶれをより効果的に抑制することができ、拡張媒体ルーメンL1を介した拡張媒体のより円滑な排出を実現することができる。
また、本実施形態のバルーンカテーテル100の製造方法は、外周面に接着層30の形成材料30Xが配置された第1内層管20を準備する工程と、第1内層管20を外層10の形成材料10Xにより覆うことによって前駆体100Xを作製する工程と、前駆体100Xを加熱することにより、外層10の形成材料10Xを溶融させることによって外層10を形成すると共に、接着層30の形成材料30Xを溶融させることによって第1内層管20と外層10との間に接着層30を形成する工程と、を備える。本実施形態のバルーンカテーテル100の製造方法によれば、第1内層管20が接着層30によって外層10に接着されたバルーンカテーテル100を容易に製造することができる。
B.第2実施形態:
図8は、第2実施形態におけるバルーンカテーテル100aの側面構成を示す説明図である。以下では、第2実施形態のバルーンカテーテル100aの構成のうち、上述した第1実施形態のバルーンカテーテル100と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
第2実施形態のバルーンカテーテル100aでは、外層10aが、第1外層11および第2外層12に加えて、第1外層11より先端側に配置された第3外層13を有している。第3外層13は、第1外層11の先端部に、第1外層11と略同軸になるように接続されている。
図9は、第2実施形態におけるバルーンカテーテル100aを構成する各部材の硬度を示す説明図である。図9に示すように、第2実施形態のバルーンカテーテル100aでは、接着層30のショア硬度(A)は80であり、第3外層13のショア硬度(A)は80であり、第1外層11のショア硬度(D)は30であり、第2外層12のショア硬度(D)は80であり、第1内層管20のショア硬度(D)は2000である。すなわち、第2実施形態のバルーンカテーテル100aでは、上記5つの部材について、接着層30および第3外層13、第1外層11、第2外層12、第1内層管20の順に硬度が高くなっている。このような硬度の関係は、例えば、接着層30および第3外層13をウレタン樹脂により形成し、第1外層11をウレタン樹脂とナイロン樹脂との混合材料により形成し、第2外層12をナイロン樹脂により形成し、第1内層管20をPEEKにより形成することにより、実現することができる。
第2実施形態のバルーンカテーテル100aでは、各部材の硬度の関係が上述の通りであるため、以下の(1)から(3)までの関係が成り立っている。
(1)接着層30の硬度は、外層10aの少なくとも一部の硬度と、第1内層管20の少なくとも一部の硬度と、のいずれよりも低い。
(2)第1内層管20の硬度は、外層10aの硬度よりも高い。
(3)第1外層11の硬度は、第2外層12の硬度よりも低い。
(4)第3外層13の硬度は、第1外層11の硬度よりも低い。
第2実施形態のバルーンカテーテル100aは、上述した第1実施形態のバルーンカテーテル100と同様に、第1内層管20と、外層10aと、バルーン60と、接着層30とを備える。外層10aは、第1内層管20の外周面を覆う部材である。バルーン60は、外層10aの外周面を覆う部材である。バルーン60の内部空間61と第1内層管20の内腔21とは連通している。接着層30は、第1内層管20と外層10aとの間に配置されて両者を接着する。そのため、第2実施形態のバルーンカテーテル100aによれば、上述した第1実施形態のバルーンカテーテル100と同様に、拡張媒体ルーメンL1を介した拡張媒体の排出に伴い拡張媒体ルーメンL1に陰圧が発生した際に、第1内層管20が外層10aから剥離してつぶれることを抑制することができ、第1内層管20の剥離およびつぶれに起因して拡張媒体ルーメンL1の断面積が小さくなることを抑制することができ、拡張媒体ルーメンL1を介した拡張媒体の円滑な排出を実現することができる。
また、第2実施形態のバルーンカテーテル100aでは、外層10aは、第3外層13と、第3外層13より基端側に配置された第1外層11と、第1外層11より基端側に配置された第2外層12と、を含み、第3外層13の硬度は第1外層11の硬度よりも低く、第1外層11の硬度は第2外層12の硬度よりも低い。そのため、第2実施形態のバルーンカテーテル100aによれば、バルーンカテーテル100aにおける先端側の部分を比較的柔らかくして体内管腔への追従性を向上させつつ、バルーンカテーテル100aにおける基端側の部分を比較的硬くして押し込み性を向上させることができ、さらに、バルーンカテーテル100aの長さ方向に沿った剛性ギャップを低減することによって耐キンク性を向上させることができる。
C.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態におけるバルーンカテーテル100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、バルーン60の内部空間61と第1内層管20の内腔21(拡張媒体ルーメンL1)とが連通流路C1を介して連通しているが、図10に示す変形例のように、バルーン60の内部空間61と第1内層管20の内腔21とが直接連通していてもよい。図10に示す変形例では、第1内層管20の先端において、第1内層管20の内腔21がバルーン60の内部空間61と連通している。
上記実施形態では、外層10が、延伸方向に並び互いに硬度が異なる第1外層11と第2外層12(または、第1外層11と第2外層12と第3外層13)から構成されているが、外層10が、互いに硬度が異なる4つ以上の部分から構成されてもよいし、全長にわたって硬度が均一であってもよい。また、外層10の延伸方向の各部における外径や内径は、均一であってもよいし、変化していてもよい。
上記実施形態では、第1内層管20が、全長にわたって硬度が均一であるが、第1内層管20が、延伸方向に並び互いに硬度が異なる複数の部分から構成されてもよい。また、第1内層管20の延伸方向の各部における外径や内径は、均一であってもよいし、変化していてもよい。
上記実施形態における各部材の形成材料は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態において、外層10、第1内層管20、第2内層管40、先端チップ50等の部材を、樹脂ではなく他の材料(例えば、金属、炭素繊維、セラミックス等)により形成してもよい。
上記実施形態における各部材の硬度の値やその高低関係は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記第1実施形態では、第1外層11の硬度が、第2外層12の硬度よりも低いが、第1外層11の硬度が、第2外層12の硬度よりも高いとしてもよい。同様に、上記第2実施形態では、第3外層13の硬度が、第1外層11の硬度よりも低く、かつ、第1外層11の硬度が、第2外層12の硬度よりも低いが、第3外層13の硬度が、第1外層11の硬度よりも高いとしてもよいし、第1外層11の硬度が、第2外層12の硬度よりも高いとしてもよい。また、上記第1実施形態では、接着層30の硬度が、第1外層11の硬度と第2外層12の硬度とのいずれよりも低いが、接着層30の硬度が、第1外層11の硬度と第2外層12の硬度との一方より低く、かつ、他方と同じまたは他方より高いとしてもよい。同様に、上記第2実施形態では、接着層30の硬度が、第3外層13と同じであり、かつ、第1外層11の硬度と第2外層12の硬度とのいずれよりも低いが、接着層30の硬度が、第1外層11の硬度と第2外層12の硬度との一方より低く、かつ、他方と同じまたは他方より高いとしてもよいし、第3外層13の硬度より高いとしてもよい。
上記実施形態におけるバルーンカテーテル100の製造方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、第1内層管20の先端部の除去および連通流路C1の形成の後に、先端チップ50の接合が実行されているが、第1内層管20の先端部の除去および連通流路C1の形成の前に、先端チップ50の接合が実行されてもよい。
上記実施形態では、バルーンカテーテル100が、いわゆるオーバーザワイヤ型のバルーンカテーテルであるが、本明細書に開示される技術は、いわゆるラピッドエクスチェンジ(RX)型のバルーンカテーテルにも同様に適用可能である。また、上記実施形態では、バルーンカテーテル100が、デバイスをガイドするためのデバイスルーメンL2を有するバルーン付ガイディングカテーテルであるが、本明細書に開示される技術は、ガイドワイヤ以外のデバイスをガイドするためのデバイスルーメンを有さず、ガイドワイヤが挿通されるガイドワイヤルーメンを有するバルーンカテーテルにも同様に適用可能である。
10:外層 11:第1外層 12:第2外層 13:第3外層 20:第1内層管 21:内腔 30:接着層 40:第2内層管 41:内腔 50:先端チップ 51:内腔 60:バルーン 61:内部空間 80:Yコネクタ 81:拡張媒体ポート 82:デバイスポート 100:バルーンカテーテル C1:連通流路 L1:拡張媒体ルーメン L2:デバイスルーメン

Claims (9)

  1. バルーンカテーテルであって、
    第1内層管と、
    第2内層管と、
    前記第1内層管の外周面および前記第2内層管の外周面を覆う外層と、
    前記外層の外周面を覆うバルーンであって、前記バルーンの内部空間と前記第1内層管の内腔とは連通している、バルーンと、
    前記第1内層管と前記外層との間に配置された接着層と、
    を備え、
    前記接着層の硬度は、前記外層の少なくとも一部の硬度と、前記第1内層管の少なくとも一部の硬度と、のいずれよりも低い、
    バルーンカテーテル。
  2. 請求項1に記載のバルーンカテーテルであって、
    前記第1内層管の硬度は、前記外層の硬度よりも高い、
    バルーンカテーテル。
  3. 請求項1または請求項2に記載のバルーンカテーテルであって、
    前記外層は、
    第1外層と、
    前記第1外層より基端側に配置された第2外層と、
    を含み、
    前記第1外層の硬度は、前記第2外層の硬度よりも低い、
    バルーンカテーテル。
  4. 請求項3に記載のバルーンカテーテルであって、
    前記接着層の硬度は、前記第1外層の硬度と、前記第2外層の硬度と、前記第1内層管の硬度と、のいずれよりも低い、
    バルーンカテーテル。
  5. 請求項3または請求項4に記載のバルーンカテーテルであって、
    前記第1内層管の硬度は、前記第1外層の硬度と、前記第2外層の硬度と、のいずれよりも高い、
    バルーンカテーテル。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
    前記第1内層管の外径は前記第2内層管の外径より小さい、
    バルーンカテーテル。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
    前記第2内層管は、前記外層と直接的に接合されている、
    バルーンカテーテル。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のバルーンカテーテルであって、
    前記第1内層管の先端開口は前記外層によって塞がれており、
    前記第1内層管の前記内腔は、径方向に延びる連通孔を介して、前記バルーンの前記内部空間と連通している、
    バルーンカテーテル。
  9. 第1内層管と、第2内層管と、前記第1内層管の外周面および前記第2内層管の外周面を覆う外層と、前記外層の外周面を覆うバルーンであって、前記バルーンの内部と前記第1内層管の内腔とは連通している、バルーンと、を備えるバルーンカテーテルの製造方法であって、
    外周面に接着層の形成材料が配置された前記第1内層管を準備する工程と、
    前記第1内層管を前記外層の形成材料により覆うことによって前駆体を作製する工程と、
    前記前駆体を加熱することにより、前記外層の形成材料を溶融させることによって前記外層を形成すると共に、前記接着層の形成材料を溶融させることによって前記第1内層管と前記外層との間に前記接着層を形成する工程と、
    を備え、
    前記接着層の硬度は、前記外層の少なくとも一部の硬度と、前記第1内層管の少なくとも一部の硬度と、のいずれよりも低い、
    バルーンカテーテルの製造方法。
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