JP7842329B1 - 遠赤外線加熱装置及び遠赤外線加熱方法 - Google Patents
遠赤外線加熱装置及び遠赤外線加熱方法Info
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Abstract
【解決手段】遠赤外線加熱装置等において、筐体と、非ガラス系の中空管を含む棒状の遠赤外線ランプであって、中空管の内部に、熱源及びセラミック材料が充填してあり、かつ、中空管の表面にセラミック材料が積層してある遠赤外線ランプと、当該遠赤外線ランプによって、被塗布物を移送するためのコンベヤと、を備え、遠赤外線ランプの表面から、直線距離で5mm以内の箇所の温度をもとに、発熱量を制御する発熱量制御手段を有する。
【選択図】図1
Description
特に、遠赤外線ランプの表面近傍の温度を基準にして、遠赤外線を放射し、極めて短時間であっても、精度良く加熱処理して、被塗布物に損傷を与えることなく、塗膜を安定的に形成できる、遠赤外線加熱装置及び遠赤外線加熱方法に関する。
特に、ダイレクトブロー法によるPET成型品(通称:ダイレクトPET)が、多少機械的強度等が低いものの、極めて安価であって、かつ、各種形態に対応しやすいことから、各種用途に適用されているものの、赤外線等を用いて加熱処理した場合、熱変形しやすく、均一で、高品質な塗膜を安定的に形成しにくいという問題が見られた。
より具体的には、被塗布物を所定速度で移動させるコンベヤを有し、表面温度が300℃以下に成るように平板状遠赤外線ヒータを配置すると共に、空気流境界層を形成する傾斜ノズルを設け、噴射するエアーの衝突による2次流が遠赤外線の外乱とならないように排気ダクトを設けた乾燥装置である。
そして、かかる乾燥装置の中間部位には、蒸発潜熱に失われた熱量を塗工液内部に補給するために反射板を組み合わせた棒状遠赤外線ヒータを配置すると共に、エアーを噴射するノズルを配置し、更に、乾燥装置の出口側には熱風のみを噴射するノズルを配置することを特徴としている。
より具体的には、大型基板を一方向に沿って設けられた複数の停止位置に、間歇的に移動させる移動工程と、複数の停止位置の各々において、温度上昇がし難い領域程、高い放射照度の遠赤外線を照射することにより、大型基板を均一に加熱する加熱工程と、を含んでいる。
そして、複数の停止位置の各々において、加熱と同時に遠赤外線ヒータの裏面側から該遠赤外線ヒータを通して大型基板の中央に向かって空気を供給する送風工程を設けることを特徴としている。
従って、例えば、耐熱性に乏しく、機械的強度が低いダイレクトPET容器に用いた場合、熱損傷が生じてしまい、均一かつ安定的な塗膜形成ができないという問題があった。
従って、大型基板の遠赤外線加熱のみを意図しており、ダイレクトPET容器を含む、その以外の各種立体的であって、複雑形状の被塗布物は、熱変形等することから、事実上適用できないという問題があった。
すなわち、本発明は、遠赤外線ランプを用いて、ダイレクトPET容器を含む各種被塗布物を加熱処理し、それに熱損傷を与えることなく、所定塗膜を安定的に形成できる、遠赤外線加熱装置及び遠赤外線加熱方法を提供することを目的とする。
そして、遠赤外線ランプの表面から、直線距離で5mm以内の箇所の温度をもとに、遠赤外線ランプの発熱量を制御する発熱量制御手段を有することを特徴とする遠赤外線加熱装置が提供され、上記問題点を解決することができる。
なお、遠赤外線には、通常、波長が0.78~1.5μm未満の近赤外線と、波長が1.5~3.0μm未満の中赤外線と、波長が3.0μm~1000μmの遠赤外線とが含まれており、これらの波長の遠赤外線を利用することができる。
但し、本発明の場合、特に、波長が0.78~10μmの近赤外線及び中赤外線を相当量含む遠赤外線であって、かつ、最大波長が3~4μmの遠赤外線を利用することがより好ましいと言える。
このように構成することにより、遠赤外線ランプの表面からの直線距離の箇所を迅速かつ精度良く決定することができ、ひいては、かかる箇所の温度を迅速かつ精度良く測定することができる。
又、直線距離が、周囲温度等の影響で変化したとしても、調整部材によって、かかる直線距離を所定範囲内の値に、迅速に調整することができる。
このように構成することにより、コンベヤ上の被塗布物を効率的に加熱処理して、均一かつ安定的な塗膜を形成することができる。
このように構成することにより、コンベヤ上の被塗布物を更に効率的に加熱処理して、均一かつ安定的な塗膜を、迅速に形成することができる。
このように構成することにより、所定の遠赤外線(例えば、波長0.5~10μm)を利用して、コンベヤ上の被塗布物を効率的に加熱処理して、均一かつ安定的な塗膜を形成することができる。
このように構成することにより、塗料から飛散する蒸発物等の、遠赤外線に対する影響を効率的に抑制することができる。
(1)遠赤外線ランプの表面から、直線距離で5mm以内の箇所の温度を熱電対で測定する工程
(2)測定温度をもとに、遠赤外線ランプの発熱量を制御する工程
すなわち、かかる遠赤外線加熱方法によれば、遠赤外線ランプの表面から、所定範囲内の距離における箇所の温度(T1)をもとに、遠赤外線ランプの発熱量(W)を制御することによって、被塗布物の温度(T2)を、極めて精度良く制御し、極めて短時間かつ安定的に、被塗布物に塗膜を形成することができる。
このように実施することにより、遠赤外線ランプの表面からの直線距離の箇所を迅速かつ精度良く決定することができ、ひいては、かかる箇所の温度(T1)を迅速かつ精度良く測定することができる。
又、直線距離が、周囲温度等の影響で変化したとしても、調整部材によって、かかる直線距離を所定範囲内の値に、迅速に調整することができる。
第1の実施形態は、筐体と、非ガラス系の中空管を含む棒状の遠赤外線ランプであって、かつ、非ガラス系の中空管の内部に、熱源及びセラミック材料が充填してあると共に、当該非ガラス系の中空管の表面に、同一又は異なるセラミック材料が積層してある遠赤外線ランプと、当該遠赤外線ランプによって、所定条件で加熱処理される被塗布物を移送するためのコンベヤと、を備えた遠赤外線加熱装置である。
そして、遠赤外線ランプの表面から、直線距離で5mm以内の箇所の温度(T1)をもとに、遠赤外線ランプの発熱量(W)を制御する発熱量制御手段を有することを特徴とする遠赤外線加熱装置である。
従って、筐体内の温度基準ではなく、基本的に、遠赤外線ランプの近傍温度を基準にして、図1に示すように、遠赤外線加熱装置10を用いた被塗布物50の加熱処理を、所定フローに沿って、行うことができる。
以下、本発明の遠赤外線加熱装置に関する第1の実施形態につき、適宜図面を参照しながら具体的に説明する。
(1)筐体
遠赤外線加熱装置における筐体に関し、特に制限されるものではないが、遠赤外線ランプ及び筐体内部の温度制御、排気制御、騒音制御等のための遮蔽部材である。
従って、筐体内の断熱等のために、筐体内の内壁に沿って、適宜、熱反射材、断熱材、温度センサー等を備えることが好ましい。
そして、かかる筐体の内部(側壁、床、天井等)に、所定の遠赤外線ランプ、被塗布物を移送するためのコンベヤ等を適宜収容したり、塗料から飛散する溶剤等の効率的な除去のために、パンチングメタル等の整流板を備えた気流吹出口等が設けられることが好ましい。
なお、遠赤外線加熱装置は、かかる筐体内の温度基準ではなく、基本的に、遠赤外線ランプの近傍温度を基準にしているものの、補助的に、筐体内の数か所の温度も参考にして、遠赤外線ランプによる加熱状態を制御することもできる。
遠赤外線加熱装置が適用される被塗布物の種類については、特に制限されることなく、所定塗膜を形成する用途である限り、幅広い種類の被塗布物が対象となる。
例えば、樹脂成型品であれば、PET樹脂成型品、ABS樹脂成型品、アクリル樹脂成型品、PC樹脂成型品、ポリスチレン樹脂成型品、ポリオレフィン樹脂成型品、エポキシ樹脂成型品、ゴム系樹脂成型品の少なくとも一つ以上が対象となる。
特に、機械的強度が乏しく、安価なダイレクトPET樹脂成型品であっても、熱損傷することなく、短時間で、均一な塗膜が形成できることから、好適な被塗布物の一種である。
又、所定塗膜を形成し、装飾性等が著しく向上することから、各種ガラス成型品、各種金属成型品、各種セラミック成型品、木工製品等の少なくとも一つ以上が対象となる。
遠赤外線加熱装置が適用される塗料の種類についても、特に制限されることなく、所定塗膜を形成できる材料である限り、幅広い塗料が対象となる。
例えば、ウレタンアクリル一液硬化型塗料、ウレタンアクリル二液硬化型塗料、アクリル系塗料、ウレタン系塗料、ポリエステル系塗料、エポキシ系塗料、フェノール系塗料、シリコーン系塗料、フッ素系塗料等の少なくとも一つ以上が挙げられる。
従って、各種ガラス成型品、各種金属成型品、各種セラミック成型品等の少なくとも一つ以上については、被塗布物を熱損傷の問題が少ないことから、用途に応じて、幅広い塗料等が対象となる。
一方、ダイレクトPET樹脂成型品は、加熱処理において、熱損傷しやすいという問題があることから、比較的低温で、かつ、より短時間で、均一な塗膜が形成できることから、ウレタンアクリル一液硬化型塗料、ウレタンアクリル二液硬化型塗料等が、好適な塗料である。
塗料には、各種用途や使い勝手性を考慮して、各種添加剤を配合することが好ましい。
すなわち、溶剤、粘度調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、チクソトロピー剤、カップリング剤、フィラー(金属フィラー、セラミックフィラー、樹脂フィラー等)等の少なくとも一つを所定量配合することが好ましい。
(1)直径(外径)
図2に例示する遠赤外線ランプの外径(D)は、用途、使い勝手性、更には、被塗布物の種類等を考慮して適宜変更することができるが、通常、8~20mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる直径(外径)であれば、取り扱いや、筐体への取り付け等が容易になって、かつ、所定温度に発熱して、所定の中遠赤線を効果的に放射することができるためである。
従って、遠赤外線ランプの外径を10~18mmの範囲内の値とすることがより好ましく、12~16mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
この理由は、かかる円筒管の外径であれば、後述する電熱線の挿入等が容易になるばかりか、遠赤外線ランプの外径の調整も容易になって、所定機械的強度や耐食性等を発揮できるためである。
従って、円筒管の直径を8~16mmの範囲内の値とすることがより好ましく、10~14mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
又、図2に例示する遠赤外線ランプ12の長さ(Lt)についても特に制限されるものではないが、通常、300~2500mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる長さであれば、取り扱いや、筐体への取り付け等が容易になって、かつ、所定温度に発熱して、中遠赤線を放射することができるためである。
従って、遠赤外線ランプの長さを400~1200mmの範囲内の値とすることがより好ましく、450~1000mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
このとき、La/Lbを4~20の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる割合とすることにより、遠赤外線ランプ全体で、発熱状態がより均一になり、ひいては、より精度良く所定の中遠赤線を放射することができるためである。
従って、La/Lbを6~18の範囲内の値とすることがより好ましく、8~16の範囲内の値とすることが更に好ましい。
このとき、Lc/Ldを8~30の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる割合とすることにより、所定の中遠赤線を、遠赤外線ランプの長さ方向に沿って、より均一に放射することができるためである。
従って、Lc/Ldを10~28の範囲内の値とすることがより好ましく、12~26の範囲内の値とすることが更に好ましい。
又、遠赤外線ランプは、両端部に電極が設けてあり、その間に、非ガラス系の中空管の内部に、熱源及びセラミック材料が充填してあり、かつ、当該非ガラス系の中空管の表面に、同一又は異なるセラミック材料が積層してある構造である。
具体的には、棒状の中空管(例えば、ステンレス製)の内部に、長手方向に沿って、セラミック材料ともに充填された電熱線が、電極を介して通電されると、発熱する構造であることが好ましい。セラミック材料の充填によりランプ配置を自由に出来る。
次いで、かかる発熱が、棒状の中空管を通して、同一又は異なるセラミック材料が積層されてなる外層に、速やかに伝熱されて、所定波長の遠赤外線を放射する構造であることが好ましい。
かかるニクロム線であれば、単位長さ当たり、50~60Vの印加で、20~80Wの発熱をすることができる。
従って、所定大きさの遠赤外線ランプとして、20~60Wの発熱量に対応し、所定波長の遠赤外線を効果的に放射することができる。
すなわち、金属酸化物セラミック材料の全体量を100重量%としたときに、結合剤の含有量を30重量%以下の値とすることが好ましい。
但し、かかる結合剤は、遠赤外線ランプを加熱焼成する際に、棒状の中空管の内部に、ほとんどが熱分解してしまい、ほぼ残留していないと類推される。
すなわち、棒状の中空管は、耐食性、伝熱性、機械的強度等に優れることから、ステンレス(SUS304、430等)から構成してあることが好ましい。
従って、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化マンガン、酸化クロム、酸化鉄等の少なくとも一つが好ましい。
そして、中空管の外部に均一に、所定波長を放射するセラミック層を積層できることから、金属酸化物セラミック材料の結合剤として、フェノール系樹脂、エステル系樹脂等を併用することが好ましい。
又、遠赤外線ランプは、当該遠赤外線ランプの表面近傍温度を基準として、所定波長の遠赤外線を放射することが好ましい。
すなわち、遠赤外線のうち、近赤外線(中赤外線を含む)の波長(0.78~3μm)を主にした放射線であって、遠赤外線の全体量(100%)に対して、それらの使用量を、通常、60~98%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、近赤外線(中赤外線を含む)の使用量が60%未満となると、塗布物を効果的かつ短時間に加熱乾燥することが困難となる場合があるためである。
一方、近赤外線(中赤外線を含む)の使用量が98%を超えると、使用可能な遠赤外線ランプを構成するセラミック材料の種類等が過度に制限される場合があるためである。
従って、遠赤外線を使用するものの、そのうち、近赤外線(中赤外線を含む)の使用量を、70~97%の範囲内の値とすることがより好ましく、80~96%の範囲内の値とすることが更に好ましい。(黒体比)
又、遠赤外線ランプの、通常、波長5μm未満の分光放射率を0.7~1.0の範囲内の値とし、波長5~10μmの分光放射率を0.7~0.9の値とし、波長10μm超の分光放射率を0.9超の値とすることが好ましい。(黒体比)
この理由は、このように構成することにより、所定の遠赤外線を利用して、コンベヤ上の被塗布物を効率的に加熱処理して、均一かつ安定的な塗膜を形成することができるためである。
そして、所定温度の黒体から放射される電磁波の波長と、電磁波の強度とは、図3(a)の特性曲線Aのようになることが知られている。
一方、一例として、本発明の遠赤外線ランプから放射される電磁波の波長と、電磁波の強度とを測定したところ、図3(a)の特性曲線Bのようになった。
このとき、分光放射率は、波長ごとの電磁波の出力の割合(B/A)として算出することができる。
更に、遠赤外線ランプの分光放射率に関し、波長5μm未満の分光放射率を0.78~0.93の範囲内の値とし、波長5~10μmの分光放射率を0.78~0.86の値とし、波長10μm超の分光放射率を0.99以上の値とすることがより好ましい。
なお、遠赤外線ランプの分光放射率を考慮すると、放射される遠赤外線は、図3(b)に示すように、波長依存性を示すことになる。
又、図4(b)に示すように、筐体10b中に配置した遠赤外線ランプ12の背面に、反射板12aを設けることも好ましい。
この理由は、かかる反射板によって、被塗布物における表面温度(T2)をより細かく制御し、効率的に加熱処理して、均一かつ安定的な塗膜を形成することができるためである。
かかる反射板を円柱状の遠赤外線ランプの背面に沿うように、全体的に湾曲させた状態で設けた場合、かかる反射板がない場合と比較して、被塗布物における表面温度(T2)を、例えば、180℃以上に、3倍以上の速度で、迅速かつ精度良く、制御することができる。
更に、かかる反射板を円柱状の遠赤外線ランプの背面に沿うように、湾曲させた状態とするともに、遠赤外線ランプの放熱方向に沿って、ガイド部を両側に設けることも好ましい。
このように、反射板を湾曲させると共に、ガイド部を設けることによって、かかる反射板がない場合と比較して、被塗布物における表面温度(T2)を90℃以上に、迅速かつ精度良く、制御することができる。反射板は反射率からアルミニウム材料が好ましい。
(1)幅
図4(b)に示すように、被塗布物50を移送するコンベヤ14の幅(移動する長さ方向に対して、それに直交方向のコンベヤの幅)については、用途、使い勝手性、更には、被塗布物の種類等を考慮して適宜変更することができるが、水平方向に、繰り返し回転移動させることを前提として、通常、100~1000mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるコンベヤの幅であれば、取り扱い性や、動作性が容易になって、かつ、各種被塗布物に対応しやすくなるためである。
従って、かかるコンベヤの幅を200~800mmの範囲内の値とすることがより好ましく、300~600mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
又、コンベヤの長さについても、用途、使い勝手性、更には、被塗布物の種類や塗料の種類等を考慮して適宜変更することができるが、回転駆動させることを前提として、通常、100~2000cmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかるコンベヤの長さであれば、取り扱い性や、動作性が容易になって、かつ、各種被塗布物や塗料に対応しやすくなるためである。
従って、かかるコンベヤの長さを200~15000mmの範囲内の値とすることがより好ましく、300~10000mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
(1)定義
遠赤外線ランプの直線距離温度(遠赤外線ランプの表面温度(T1)と称する場合がある。)は、遠赤外線ランプの表面及びその近傍温度を意味し、より具体的には、遠赤外線ランプの表面から、5mm以下離れた距離で測定される温度を意味する。
すなわち、かかる赤外線ランプ基準の温度として、直線距離温度(T1)をもとに、サイリスタ制御(サイリスタ素子に基づく電流制御)を行い、出力制御素子(サイリスタ)が変圧器の出力側に配置されることになる。
又、複数の遠赤外線ランプがある場合、それぞれの直線距離温度(T1)の平均値を採用することも好ましい。
又、直線距離温度(T1)は、遠赤外線ランプの電流制御や、遠赤外線ランプの発熱量等を適宜変更し、通常、160~630℃の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる直線距離温度(T1)の温度範囲内の値であれば、被塗布物や塗料の種類等を考慮して、特別な遠赤外線ランプを用いることなく、典型的なコンベヤ上の被塗布物(樹脂成型品等)を効率的に加熱処理して、均一かつ安定的な塗膜を形成することができるためである。
従って、かかる直線距離温度(T1)を200~500℃の範囲内の値とすることがより好ましく、300~400℃の範囲内の値とすることが更に好ましい。
なお、かかる直線距離温度(T1)は、熱電対を用い、温度を実測し、その変化があるときは、サイリスタ制御することによって、極めて短時間かつ、精度良く、所望温度になるように制御することができる。
(1)定義
遠赤外線ランプと、コンベヤ上の被塗布物との間の、垂直方向及び水平方向の距離(最短距離)を調整する調整部材(所定機構)を設け、遠赤外線ランプの近傍又は直線距離で5mm以内の箇所の温度(T1)と、被塗布物の表面温度(T2)の温度を制御することが好ましい。
すなわち、図5に示すように、遠赤外線ランプの表面から、熱電対までの直線距離(L1)を5mm以内に制限し、遠赤外線ランプの表面温度(T1)を制御することで、ひいては、被塗布物の表面温度(T2)の温度制御することが好ましい。
従って、遠赤外線ランプの表面から、熱電対までの直線距離を4mm以内の値とすることがより好ましく、直線距離を3mm以下の値とすることが更に好ましい。
但し、遠赤外線ランプの表面から、熱電対までの直線距離を0mmとすることがより好ましいが、その値がばらつきやすいことから、遠赤外線ランプの表面から、熱電対までの直線距離を0.1mm以下の値とすることがより好ましく、遠赤外線ランプの表面から、熱電対までの直線距離を0.3mm以下の値とすることがより好ましく、0.1mm以下の値とすることが更に好ましい。
すなわち、遠赤外線ランプの表面から、被塗布物の位置を直線距離(L2)に制限し、その箇所での被塗布物の温度(T2)の温度制御することができる。
具体的には、遠赤外線ランプの表面から、被塗布物の位置までの直線距離(L2)を、後述する範囲内の値とすることが好ましい。
すなわち、遠赤外線ランプの表面温度(T1)が増加するにつれて、塗布物の温度(T2)の温度が緩やかに増加しており、相関関係があることが理解できる。
従って、遠赤外線ランプの表面温度(T1)に基づいて、塗布物の温度(T2)の温度を、精度よく制御できることが理解できる。
なお、図6(b)の場合、一例として、遠赤外線ランプの表面と熱電対との間の距離(L1)を2mmとし、遠赤外線ランプと被塗布物との間の距離を15cmとして、遠赤外ランプの表面温度(T1)と、被塗布物の温度(T2)を測定した。
具体的には、遠赤外線ランプの表面と、被塗布物の表面との距離を変えて、距離の変化前後における遠赤外線ランプの表面温度(T1-1、T1-2)と、被塗布物の表面温度(T2-1、T2-2)を測定し、距離(S)で除することが好ましい。
この理由は、((T1-1)-(T1-2))/((T2-1)-(T2-2))/Sで表される数値を算出することにより、遠赤外線ランプの表面温度の調整量に関する指標を求めることができるためである。
そして、より精度良く、遠赤外線ランプの表面温度(T1)を決定して、被塗布物の表面温度(T2)をより正確に制御することができるためである。
又、図4(a)に示すように、遠赤外線ランプ12の長さ方向の所定箇所に、脱離可能に配置できるように、湾曲部22cと、その両側に伸びた翼部22fと、耐熱布であるセラミック布22dと、熱電対22aと、当該熱電対22aの保持具22bを備えた固定具22と、を含んで構成されていることが好ましい。
そして、固定具22は、遠赤外線ランプ12を湾曲部22cとの間で押さえる支持板22gと、支持板22gを所定高さで維持するスペーサ22hとを含んで構成されていることがより好ましい。
更に、例えば、かかる固定具を貫通し、遠赤外線ランプ12の表面及び熱電対22aと、被塗布物50との間の距離を調整する調整ネジ部材22eを設け、かかる調整ネジ部材22eの締め付け具合で矢印の方向に沿って移動させ、ひいては、遠赤外線ランプ12の表面と、被塗布物50との間の距離を調整することが好ましい。
このような構成であれば、セラミック布の厚さや、調整ネジ部材の押圧力の調整によって、極めて簡易かつ精度良く、遠赤外線ランプの表面及び熱電対と、被塗布物50との間の距離を調整し、ひいては、遠赤外線ランプの表面温度(T1)等を所望範囲に制御することができる。
又、図4(b)に示すように、遠赤外線加熱装置10の筐体10bの一部に、調整部材として、重力方向に沿って、垂直方向及び水平方向のスライド機構32a、32b、32cを設けることが好ましい。そして、かかるスライド機構の位置を調整し、遠赤外線ランプ12の表面及び熱電対(図示せず)と、被塗布物50との間の距離を、独立的に可変することが好ましい。
このような構成であれば、スライド機構32a、32b、32cの位置調整によって、極めて簡易かつ精度良く、垂直方向及び水平方向の遠赤外線ランプ12の表面と、被塗布物50との間の距離を容易かつ迅速に調整することができる。
従って、遠赤外線ランプ12が、筐体10bの天井方向や、側壁方向に沿って設けてある場合にも、垂直方向及び水平方向の遠赤外線ランプ12の表面と、被塗布物50との間の距離を容易かつ迅速に調整し、ひいては、遠赤外線ランプ12の表面温度(T1)及び被塗布物50の温度(T2)等を所望範囲内の値に、制御することができる。
なお、図4(b)には、被塗布物50が、スピンドル機構付きのコンベヤ14に搭載されている状態を示しているが、かかるスピンドル機構の高さ等についても、別な調整機構を設けて調整することによって、遠赤外線ランプ12の表面と、被塗布物50との間の距離を独立的に可変することも好ましい。
(1)範囲
遠赤外線ランプと、コンベヤ上の被塗布物との間の、垂直方向の最短距離(L)は、遠赤外線ランプの容量や、コンベヤ上の被塗布物の大きさ、更には、塗膜の厚さや種類等を考慮して決めることができる。
従って、通常、垂直方向の最短距離(L2)を150~350mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる垂直方向の最短距離(L2)であれば、過度に構成が異なる遠赤外線ランプを用いることなく、典型的なコンベヤ上の被塗布物(樹脂成型品等)を効率的に加熱処理して、均一かつ安定的な塗膜を形成することができるためである。
従って、垂直方向の最短距離(L2)を160~230mmの範囲内の値とすることがより好ましく、180~220mmの範囲内の値とすることが更に好ましい。
なお、被塗布物が立体形状の場合には、垂直方向の最短距離(L2)として、遠赤外線ランプから、被塗布物における最も近い面又は点までの距離を意味するものとする。
又、かかる遠赤外線ランプと、コンベヤ上の被塗布物との間の、垂直方向の最短距離(L2)は、垂直方向における遠赤外線ランプの位置、更には、コンベヤ上の被塗布物と位置を適宜変更することによって、所定範囲に調整することが好ましい。
この理由は、遠赤外線が放射することから、過度に近いと、加熱領域が小さくなってしまい、被塗布物の大きさ等によっては、不均一な加熱処理になりやすいためである。
従って、遠赤外線ランプの位置の変更手段、更には、コンベヤやその上の被塗布物の位置を、遠赤外線ランプに向かって、適宜変更する手段を設けることが好ましい。
より具体的には、遠赤外線ランプの位置の変更手段、更には、コンベヤやその上の被塗布物の位置を、垂直方向に移動させるステージ機構や押圧部材、更にそれを検知する顕微鏡や位置センサー等を設けることが好ましい。
遠赤外線ランプを、筐体の内側天井部、更には、壁部に、1本又は複数本、平行配置してあることが好ましい。成型品については上部、側面部、下部に配置が好ましい。
例えば、図4に示す遠赤外線ランプの場合は、筐体の内側天井部に1本、両側の壁部に、それぞれ3本、垂直配置してある構成である。
この理由は、このように構成することにより、コンベヤ上の被塗布物を更に効率的に加熱処理して、均一かつ安定的な塗膜を、迅速に形成することができるためである。
より具体的には、筐体の大きさ(容量)、遠赤外線ランプの発熱量、被塗布物の大きさ製造効率等を考慮して定めることが好ましいが、通常、2~10本とすることが好ましく、3~5本とすることがより好ましい。
本発明を構成するにあたり、遠赤外線ランプ及び被塗布物の間の空間に、コンベヤに沿って、一方向から、所定温度(例えば、23~60℃)の空気流を吹き付ける気流吹付部を有することが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、塗料から飛散する蒸発物等を所定方向に散逸させることができ、ひいては、被塗布物に塗工された塗料に対する遠赤外線の吸収性が低下するのを有効に抑制できるためである。
従って、より具体的に、かかる空気流の速度を、通常、0.1~10m/秒の範囲内の値とすることが好ましく、0.5~8m/秒の範囲内の値とすることがより好ましく、0.8~5m/秒の範囲内の値とすることが更に好ましい。
次いで、図1を参照して、遠赤外線加熱装置を用いた被塗布物の加熱処理を、所定フローに沿って、説明する。
すなわち、まずは、記号S1で示されるように、プラスチック容器等の被塗布物の前処理/除塵工程(洗浄固定や検査工程等も含む。)を任意的に実施することが好ましい。
すなわち、被塗布物の装飾性、表面特性等を向上させるべく、所定の模様、図形、記号等を、所定塗料等のスプレー塗布(静電塗装等も含む。)、浸漬塗布、粉体塗布、転写法、インクジェット塗布、印刷塗布等の少なくとも一つを実施することが好ましい。
なお、かかる塗装工程は、1回でもよいが、あるいは、2回以上、複数回実施することも好ましい。
すなわち、被塗布物に塗布された塗料中の溶剤、低分子量物等を、セッティング工程の実施によって、飛散処理することが好ましい。従って、例えば、23℃(室温)~80℃の気流を吹き付けて、次工程である乾燥工程における塗布物の外観不良や密着不良等を抑制することが好ましい。
又、かかるセッティング工程は、倉庫等に放置して実施することも好ましいが、本発明の遠赤外線加熱装置を転用し、遠赤外線ランプの表面温度を基準として、精度良く温度制御された気流等を吹き付けることも好ましい。
なお、かかるセッティング工程についても、塗装工程に対応させて、1回でもよいが、あるいは、2回以上、複数回実施することも好ましい。
すなわち、被塗布物に塗布された塗料中の溶剤、低分子量物等を、乾燥工程の実施によって、飛散処理することが好ましい。従って、遠赤外線加熱装置の表面ランプ温度を、例えば、160℃(室温)~650℃に調整し、塗布物を十分、硬化等させあて、外観不良や密着不良等を抑制することが好ましい。
又、かかる乾燥工程についても、塗装工程等に対応させて、1回でもよいが、あるいは、2回以上、複数回実施することも好ましい。
すなわち、加熱工程処理を経た被塗布物は、高温状態であるため、23℃(室温)~100に調整し、塗布物を十分、硬化等させて、外観不良や密着不良等を抑制することが好ましい。
なお、かかる冷却工程についても、塗装工程等に対応させて、1回でもよいが、あるいは、2回以上、複数回実施することも好ましい。
第2の実施形態は、筐体と、非ガラス系の中空管を含む棒状の遠赤外線ランプであって、非ガラス系の中空管の内部に、熱源及びセラミック材料が充填してあり、かつ、当該非ガラス系の中空管の表面に、同一又は異なるセラミック材料が積層してある遠赤外線ランプと、当該遠赤外線ランプによって、所定条件で加熱処理される被塗布物を移送するためのコンベヤと、を備えた遠赤外線加熱装置を用いた遠赤外線加熱方法であって、下記工程(1)及び(2)を含むことを特徴とする遠赤外線加熱方法である。
(1)遠赤外線ランプの表面から、直線距離で5mm以内の箇所の温度(T1)を測定する工程(第1の工程と称する場合がある。)
(2)温度(T1)をもとに、遠赤外線ランプの発熱量(W)を制御する工程(第1の工程と称する場合がある。)
第1実施形態において説明した遠赤外線加熱装置をそのまま使用、或いは、適宜変形して使用することができるため、ここでの再度の説明は省略する。
第1の工程は、遠赤外線ランプの表面から、所定距離(5mm以内)の温度(T1)を測定する工程である。
従って、温度計(熱電対)を用いて、遠赤外線ランプの表面から、所定距離(5mm以内)を、例えば、1mm間隔で変更して、温度(T1)を測定することが好ましい。
第2の工程は、測定温度(T1)をもとに、遠赤外線ランプの発熱量(W)を制御する工程である。
従って、遠赤外線ランプに印加する電流等の値を変えて、遠赤外線ランプの発熱量(W)を算出し、それを所定範囲内の値(例えば、20~60W)に制御することが好ましい。
第3の工程は、遠赤外線ランプの発熱量(W)をもとに、被塗布物の温度(T2)を制御する工程である。
従って、例えば、被塗布物がABS樹脂板であって、塗料が、アクリルウレタン2液塗料の場合であって、かつ、被塗布物の温度(T2)が250~300℃の範囲を予定する場合には、遠赤外線ランプの発熱量を60~80kWの範囲内の値とすることが好ましい。
又、例えば、被塗布物がアルミニウム板であって、塗料が粉体エポキシ塗料の場合であって、かつ、被塗布物の温度(T2)が550~600℃の範囲を予定する場合には、遠赤外線ランプの発熱量を80~100kWの範囲内の値とすることが好ましい。
更に、例えば、被塗布物がダイレクトPET成型品(底付き円柱状)であって、塗料がアクリルウレタン2液塗料の場合であって、かつ、被塗布物の温度(T2)が160~180℃を予定する場合には、遠赤外線ランプの発熱量を40~70kWの範囲内の値とすることが好ましい。
(1)塗料/被塗布物の検査
その他の工程として、塗膜を形成する被塗布物の検査、更には、塗膜を構成する塗料の粘度、成分分析、架橋度の検査を行うことが好ましい。
従って、かかる塗料/被塗布物の検査をもとに、遠赤外線ランプの表面から、直線距離で5mm以内の箇所の温度(T1)、被塗布物の温度(T2)、更には、遠赤外線ランプの発熱量(W)を決定し、制御することが好ましい。
塗膜等の外観検査、厚さ、タック性、及び、碁盤目試験等によって、塗膜の検査を行うことが好ましい。
従って、外観検査であれば、被塗布物に熱変形がほぼ観察されず、形成された塗膜の表面が概ね均一であるように、遠赤外線ランプの照射条件等を調整することが好ましい。
又、塗膜の厚さであれば、所定厚さの±5%以下の小さなばらつきとなるように、遠赤外線ランプの照射条件等を調整することが好ましい。
又、タック性であれば、全サンプルで、ベタベタ感がほとんどない状態となるように、遠赤外線ランプの照射条件等を調整することが好ましい。
更に、密着性であれば、JIS K 5600-5-6:1999に準拠して、基準粘着テープを用いて碁盤目試験を行い、100個の1mm角の碁盤目中、剥離数が1~2個以内となるように、遠赤外線ランプの照射条件等を調整することが好ましい。
1.塗膜の作成
(1)塗料として、アクリルウレタン1液塗料(十条ケミカル株式会社製、MIG-Nインキ 2500)を準備した。
次いで、準備した塗料を、被塗布物としてのABS樹脂製の長方形プレート(長さ10cm、幅2.54cm、厚さ2mm)の片面に、バーコーターNo20を用いて、塗工した。
次いで、室温に、10分放置し、セッティング風乾させ、硬化用サンプル(n=5個)とした。
すなわち、遠赤外線乾燥装置(ドライングシステム株式会社製のDRFタイプの改良品)を準備した。
それに、背面側に標準反射板付きの遠赤外線ランプ(長さ50cm、直径12mm、筐体の天井側に、3本平行配置、標準反射板付き)を搭載した。
すなわち、遠赤外線ランプとして、非ガラス系の中空管を含む棒状であって、非ガラス系の中空管の内部に、電熱線及び焼成セラミック材料(酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、及び、結合剤を主成分とした材料の焼成物)が充填してあり、かつ、当該非ガラス系の中空管の表面に、別の焼成セラミック材料(酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、及び、結合剤を主成分とした材料の焼成物)が積層してある遠赤外線ランプ(最大放射波長:2.3~6μm、分光放射率:0.9)を用いた。
次いで、遠赤外線ランプの表面から、調節部材を用いて、硬化用サンプルまでの垂直距離が12mmとなるように、遠赤外線ランプの高さ位置を調整した。
次いで、セッティング処理として、送風手段で、遠赤外線ランプと、硬化用サンプルとの間に、温度60℃に加温した空気流を1m/秒の速さで、一方向に流し、還流させずに、外部にそのまま放出した。
最後に、筐体の出口から外部に出た位置で、コンベヤ上から硬化サンプルを取り出し、得られた塗膜の評価を行った。
(1)外観検査
硬化サンプル(n=5個)の外観を検査し、下記基準に沿って、評価した。
◎:被塗布物に熱変形が観察されず、形成された塗膜の表面が均一である。
〇:被塗布物に熱変形が観察されず、形成された塗膜の表面がほぼ均一である。
△:被塗布物が少々熱変形したり、形成された塗膜の表面が少々均一でない。
×:被塗布物が顕著に熱変形したり、形成された塗膜の表面が均一でない。
硬化サンプル(n=5個)における塗膜の厚さ(プレート厚さは2mmと想定)を、それぞれノギスで測定し、その平均値を算出し、下記基準に沿って、評価した。
◎:20±0.01mm
〇:20±0.2mm
△:20±1mm
×:20±5mm
硬化サンプル(n=5個)における塗膜につき指触検査を行い、下記基準に沿って、評価した。
◎:全サンプルで、ベタベタ感が全くない。
〇:全サンプルで、ベタベタ感がほとんどない。
△:サンプル1~2で、ベタベタ感がある。
×:サンプル3~5で、ベタベタ感がある。
硬化サンプルにおける塗膜につき、JIS K 5600-5-6:1999(ISO 2409:1992と同等)に準拠して、基準粘着テープを用いて碁盤目試験(1mm角の碁盤目100個)を行い、下記基準に沿って、密着性を評価した。
◎:剥離数0個/100個である。
〇:剥離数1~2個/100個である。
△:剥離数3~8個/100個である。
×:剥離数9個以上/100個である。
実施例2において、遠赤外線ランプの表面から、直線距離で1mmの箇所の温度(T1)を基準とし、遠赤外線ランプの表面から、硬化用サンプルまでの距離を15mmとしたほかは、実施例1と同様に、硬化サンプルを作成し、塗膜の評価を行った。
実施例3において、遠赤外線ランプの表面から、直線距離で2mmの箇所の温度(T1)を基準とし、遠赤外線ランプの表面から、硬化用サンプルまでの距離を18mmとしたほかは、実施例1と同様に、硬化サンプルを作成し、塗膜の評価を行った。
実施例4において、遠赤外線ランプの表面から、直線距離で0mmの箇所の温度(T1)を基準とし、遠赤外線ランプの表面から、硬化用サンプルまでの距離を18mmとしたほかは、実施例1と同様に、硬化サンプルを作成し、塗膜の評価を行った。
実施例5において、被塗布物をダイレクトPET容器に変えると共に、遠赤外線ランプの表面から、直線距離で0mmの箇所の温度(T1)を基準とし、遠赤外線ランプの表面から、硬化用サンプルまでの距離を20mmとし、遠赤外線ランプの発熱量を40kw、加熱時間を6分としたほかは、実施例1と同様に、硬化サンプルを作成し、塗膜の評価を行った。
比較例1において、遠赤外線ランプの中空管をガラス材料から構成すると共に、当該遠赤外線ランプの表面から、直線距離で5mmの箇所の温度(T1)を基準とし、遠赤外線ランプの表面から、硬化用サンプルまでの距離を18mmとしたほかは、実施例1と同様に、硬化サンプルを作成し、塗膜の評価を行った。
比較例2において、遠赤外線ランプの表面から、直線距離で6mmの箇所の温度(T1)を基準とし、遠赤外線ランプの表面から、硬化用サンプルまでの距離を20cmとしたほかは、実施例1と同様に、硬化サンプルを作成し、塗膜の評価を行った。
比較例3において、被塗布物をダイレクトPET容器に変えると共に、遠赤外線ランプの表面から、直線距離で0mmの箇所の温度(T1)を基準とし、遠赤外線ランプの表面から、硬化用サンプルまでの距離を20cmとし、遠赤外線ランプの発熱量を40kw、加熱時間を30分としたほかは、実施例1と同様に、硬化サンプルを作成し、塗膜の評価を行った。
すなわち、本発明の遠赤外線加熱装置及び遠赤外線加熱方法であれば、簡易構成や簡易工程であっても、極めて短時間に、均一な塗膜が形成された被塗布物を、安定的かつ効率的に得られるようになった。 よって、ダイレクトPET対しても、加熱処理時に、熱損傷を生じさせることなく、極めて短時間に、均一な塗膜を形成することができるようになった。
一方、従来の熱風乾燥機を用いると、同様に、ガラス容器にアクリルウレタン1液塗料に由来した同等の塗膜を形成する場合、熱風乾燥機の筐体の温度を180~200℃に保持して、20~30分加熱処理をしなければならないことが判明している。
一方、従来の熱風乾燥機を用いると、同様に、アクリルスチレン成型品、或いはダイレクトPET成型品にアクリルウレタン2液塗料に由来した同等の塗膜の場合、熱風乾燥機の筐体の温度を50~60℃に保持して、20~30分加熱処理をしなければならないことが判明している。
かかる図7に示されるように、従来の熱風乾燥機は、図1に示す、本発明の遠赤外線加熱装置を用いたフロー図と比較して、工程数等は変わりない。
しかしながら、従来の熱風乾燥機は、記号S´3で示されるセッティング工程及び記号S´4で示される乾燥工程(セッティング)を、基本的に炉内温度を基準にして、実施していた。
すなわち、図8中、記号T2´で示される温度プロフィールように、本発明の遠赤外線加熱装置の温度プロフィールT2-1(高温:平均600℃±15℃)、T2-2(中温:平均400℃±10℃)、T2-3(低温:平均200℃±5℃)と比較して、炉内温度の値(例えば、300~500℃)が大きく変動することが理解される。
例えば、被塗布物が、ポリプロピレン樹脂成型品であって、塗料が、水性UV塗料の場合、赤外線ランプの表面温度(T1)を580~600℃で、1~1.5分の加熱処理で、水性UV塗料の水分がほとんど飛散された塗膜(例えば、厚さ20μm)が得られるようになった。
一方、従来の熱風乾燥機を用いると、同様に、ポリプロピレン樹脂成型品に、水性UV塗料を適用し、その水分を飛散されるために、熱風乾燥機の筐体の温度を80℃に保持して、5~10分の加熱処理をしなければならないことが判明している。
10b:筐体
12:遠赤外線ランプ
12a:反射板
14:コンベヤ
22:固定具
22a:熱電対
22b:保持具
22c:湾曲部
22d:セラミック布
22e:調整ネジ部材
22f:翼部
22g:支持板
22h:スペーサ
32a、32b、32c:スライド機構
50:被塗布物
Claims (8)
- 筐体と、
非ガラス系の中空管を含む棒状の遠赤外線ランプであって、かつ、非ガラス系の中空管の内部に、熱源及びセラミック材料が充填してあると共に、当該非ガラス系の中空管の表面に、同一又は異なるセラミック材料が積層してある遠赤外線ランプと、
当該遠赤外線ランプによって、所定条件で加熱処理される被塗布物を移送するためのコンベヤと、
を備えた遠赤外線加熱装置であって、
前記遠赤外線ランプの表面から、直線距離で5mm以内の箇所の温度(T1)をもとに、前記遠赤外線ランプの発熱量(W)を制御し、被塗布物の表面温度(T2)を制御する発熱量制御手段を有し、
前記遠赤外線ランプと、前記コンベヤ上の前記被塗布物との間の、垂直方向の最短距離を調整する調整部材と、水平方向の最短距離を調整する調整部材と、をそれぞれ設けることを特徴とする遠赤外線加熱装置。 - 前記垂直方向の最短距離を調整する調整部材と、前記水平方向の最短距離を調整する調整部材が、それぞれスライド機構であることを特徴とする請求項1に記載の遠赤外線加熱装置。
- 前記遠赤外線ランプと、前記コンベヤ上の前記被塗布物との間の、垂直方向の最短距離を150~250mmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の遠赤外線加熱装置。
- 前記遠赤外線ランプを、前記筐体の内側天井部に、複数本、平行配置してあることを特徴とする請求項1に記載の遠赤外線加熱装置。
- 前記遠赤外線ランプの、波長5μm未満の分光放射率を0.7~1.0の範囲内の値とし、波長5~10μmの分光放射率を0.7~0.9の値とし、波長10μm超の分光放射率を0.9超の値とすることを特徴とする請求項1に記載の遠赤外線加熱装置。
- 前記遠赤外線ランプ及び被塗布物の間の空間に、前記コンベヤに沿って、一方向から、所定温度の気流を吹き付ける気流吹付部を有することを特徴とする請求項1に記載の遠赤外線加熱装置。
- 筐体と、
非ガラス系の中空管を含む棒状の遠赤外線ランプであって、非ガラス系の中空管の内部に、熱源及びセラミック材料が充填してあり、かつ、当該非ガラス系の中空管の表面に、同一又は異なるセラミック材料が積層してある、発熱量制御手段を有する遠赤外線ランプと、
当該遠赤外線ランプによって、所定条件で加熱処理される被塗布物を移送するためのコンベヤと、
前記遠赤外線ランプと、前記コンベヤ上の前記被塗布物との間の、垂直方向の最短距離を調整する調整部材と、水平方向の最短距離を調整する調整部材とをそれぞれ備えた遠赤外線加熱装置を用いた遠赤外線加熱方法であって、下記工程(1)及び(2)を含むことを特徴とする遠赤外線加熱方法。
(1)前記遠赤外線ランプの表面から、直線距離で5mm以内の箇所の温度(T1)を熱電対で測定する工程
(2)当該温度(T1)をもとに、前記発熱量制御手段が、被塗布物の表面温度(T2)を所定温度範囲内とするように、前記遠赤外線ランプの発熱量(W)を制御する工程 - 前記垂直方向の最短距離を調整する調整部材と、前記水平方向の最短距離を調整する調整部材が、それぞれスライド機構であることを特徴とする請求項7に記載の遠赤外線加熱方法。
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