JP7841971B2 - 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法 - Google Patents
発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法Info
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Description
[1]スチレン系樹脂粒子調製工程と、発泡剤含浸工程と、を含み、前記スチレン系樹脂粒子調製工程は、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体を含むスチレン系樹脂を含むスチレン系樹脂組成物を、押出機にて溶融混練する溶融混練工程と、前記溶融混練工程で得られる溶融混練物を、前記押出機の押出方向先端に設けられたダイの吐出孔から押出す押出工程と、前記押出工程で前記吐出孔から押出される溶融混練物を引張りかつ切断し、スチレン系樹脂粒子を得る工程と、を備え、前記発泡剤含浸工程は、前記スチレン系樹脂粒子に、水性懸濁液中で、炭化水素系発泡剤を含浸させる工程を備え、前記押出工程において、前記ダイを通過するときの前記溶融混練物の剪断応力が、30kPa~90kPaであり、前記スチレン系樹脂粒子における引張り方向の長さ(L1)の、断面の長さ(D1)に対する比(L1/D1)が1.30~2.90である、発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[2]前記スチレン系樹脂組成物は、グラファイトを含み、前記スチレン系樹脂100重量部に対して、前記グラファイトの含有量は1重量部~10重量部である、[1]に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[3]前記スチレン系樹脂組成物は、難燃剤を含み、前記スチレン系樹脂100重量部に対して、前記難燃剤の含有量は0.1重量部~5.0重量部である、[1]または[2]に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[4]前記難燃剤が、2,3-ジブロモ-2-アルキルプロピル基を有する含臭素有機化合物を含む、[3]に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[5]前記炭化水素系発泡剤が、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタンからなる群より選択される、いずれか1種を含む、[1]~[4]のいずれか1つに記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[6]前記発泡性スチレン系樹脂粒子における長軸の長さ(L2)の、短軸の長さ(D2)に対する比(L2/D2)が、1.00~1.20である、[1]~[5]のいずれか1つに記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[7]前記グラファイトの体積平均粒径が、1μm~5μmである、[2]に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[8]前記スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量Mwは、15万~30万である、[1]~[7]のいずれか1つに記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
本発明者らは、従来の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法では、得られる発泡性スチレン系樹脂粒子が扁平になり易い(球形になり難い)との知見を独自に得た。発泡性スチレン系樹脂粒子が扁平である場合、当該発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡してなるスチレン系発泡粒子も扁平となり得る。扁平であるスチレン系発泡粒子は、複雑形状の金型への充填が不良となり、得られるスチレン系発泡成形体の外観が不良となる。すなわち、扁平であるスチレン系発泡粒子から得られるスチレン系発泡成形体は、成形性が悪くなる。
本発明の一実施形態に係る発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は、スチレン系樹脂粒子調製工程と、発泡剤含浸工程と、を含み、前記スチレン系樹脂粒子調製工程は、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体を含むスチレン系樹脂を含むスチレン系樹脂組成物を、押出機にて溶融混練する溶融混練工程と、前記溶融混練工程で得られる溶融混練物を、前記押出機の押出方向先端に設けられたダイの吐出孔から押出す押出工程と、前記押出工程で前記吐出孔から押出される溶融混練物を引張りかつ切断し、スチレン系樹脂粒子を得る工程と、を備え、前記発泡剤含浸工程は、前記スチレン系樹脂粒子に、水性懸濁液中で、炭化水素系発泡剤を含浸させる工程を備え、前記押出工程において、前記ダイを通過するときの前記溶融混練物の剪断応力が、30kPa~90kPaであり、前記スチレン系樹脂粒子における引張り方向の長さ(L1)の、断面の長さ(D1)に対する比(L1/D1)が1.30~2.90である。
L1/D1=スチレン系樹脂粒子における引張り方向の長さ(L1)/スチレン系樹脂粒子における断面の長さ(D1)。
ここで、スチレン系樹脂粒子における引張り方向とは、ダイから押出された溶融混練物を引張る方向を指す。スチレン系樹脂粒子における引張り方向の長さ(L1)とは、スチレン系樹脂粒子における引張り方向の長さのうち、最も長い長さを意図する。また、スチレン系樹脂粒子における断面とは、引張り方向に対して垂直な断面を指す。スチレン系樹脂粒子における断面の長さ(D1)とは、スチレン系樹脂粒子における断面の長さのうち、最も短い長さを意図する。
スチレン系樹脂粒子調製工程は、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体を含むスチレン樹脂を含むスチレン系樹脂組成物を粒子形状に成形(加工)する工程ともいえる。
スチレン系樹脂組成物は、スチレン系樹脂を含む。スチレン系樹脂は、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体を含む。本明細書において、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体とは、少なくとも、スチレン系単量体に由来するスチレン系単位と、(メタ)アクリル酸系単量体に由来する(メタ)アクリル酸系単位とを有する共重合体を意図する。換言すれば、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体とは、少なくとも、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体とを含む単量体混合物を重合してなる共重合体である。
得られる発泡成形体に難燃性を付与するため、本製造方法では、難燃剤を使用することが好ましい。換言すれば、本発泡性樹脂粒子は、難燃剤を含有することが好ましい。
得られる発泡成形体に断熱性を付与するため、本製造方法では、炭素系輻射伝熱抑制剤を使用することが好ましく、グラファイト(黒鉛)を使用することがより好ましい。換言すれば、本発泡性樹脂粒子は、炭素系輻射伝熱抑制剤を含有することが好ましく、グラファイト(黒鉛)を含有することがより好ましい。
本製造方法では、必要に応じてグラファイトおよび難燃剤以外の添加剤(その他の添加剤)を使用してもよい。換言すれば、スチレン系樹脂組成物は、必要に応じてその他の添加剤を含んでいてもよい。その他の添加剤としては、特に限定されないが、例えば、(a)ヒンダードアミン化合物、リン系化合物、エポキシ化合物等の熱安定剤、(b)ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、流動パラフィンなどの加工助剤、(c)ヒンダードアミン類、リン系安定剤、エポキシ化合物の他、フェノール系抗酸化剤、窒素系安定剤、イオウ系安定剤、ベンゾトリアゾール類などの耐光性安定剤、(d)帯電防止剤、(e)顔料などの着色剤、(f)シリカ、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの無機化合物、(g)メタクリル酸メチル系共重合体、ポリエチレンワックスなどの、オレフィン系ワックス、(h)タルク、(i)メチレンビスステアリルアマイド、エチレンビスステアリルアマイド、ヘキサメチレンビスパルミチン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイドなどの脂肪酸ビスアマイド、(j)エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂などの造核剤、(k)シクロヘキサン、塩化エチル等の、大気圧下における沸点が200℃以下である溶剤などの発泡助剤、等が挙げられる。これらその他の添加剤は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。また、2種類以上のその他の添加剤を混合して使用する場合、目的に応じて、混合比率を適宜調整してもよい。
溶融混練工程では、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体を含むスチレン系樹脂を含むスチレン系樹脂組成物を、押出機にて溶融混練することにより、スチレン系樹脂組成物の溶融混練物を得る。
押出工程では、溶融混練工程で得られる溶融混練物を、ダイの吐出孔から押出す。ダイは、押出機において、押出方向の先端に設けられている。
本工程では、吐出孔から押出される溶融混練物を引張りかつ切断する。これにより、スチレン系樹脂粒子を得ることができる。本明細書において、「吐出孔から押出された溶融混練物」を、「ストランド」と称する場合がある。換言すれば、本工程では、ストランドを引張りかつ切断する。「引張り」は「引取り」と称される場合も有る。
本製造方法は、スチレン系樹脂粒子調整工程の後に、発泡剤含浸工程を含む。当該発泡剤含浸工程は、前記スチレン系樹脂粒子調製工程で得られる前記スチレン系樹脂粒子に、水性懸濁液中で、炭化水素系発泡剤を含浸させることにより、発泡性スチレン系樹脂粒子を得る工程である。
本製造方法では、発泡剤として、炭化水素系発泡剤を使用する。炭化水素系発泡剤としては、特に限定されないが、例えば、(a)プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、(b)シクロブタン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素、および(c)メチルクロライド、ジクロルジフルオロメタン、ジクロルテトラフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素、等が挙げられる。これら発泡剤は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。また、2種類以上の発泡剤を混合して使用する場合、目的に応じて、混合比率を適宜調整してもよい。揮発性および発泡力の観点から、炭化水素系発泡剤は、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタンからなる群より選択されるいずれか1種を含むことが好ましい。また、得られる発泡性樹脂粒子の発泡において気泡(セル)が安定しやすいことから、炭化水素系発泡剤は、ペンタン類(ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタンおよびシクロペンタンなど)からなる群より選択されるいずれか1種を含むことが好ましい。
発泡剤含浸工程では、分散剤を使用することが好ましい。分散剤を使用することにより、樹脂粒子同士の互着(ブロッキングと称する場合がある。)を抑制でき、安定的に発泡粒子を製造できる。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の難水溶性無機塩が挙げられる。これら分散剤は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。また、2種類以上の難燃剤を混合して使用する場合、目的に応じて、混合比率を適宜調整してもよい。
本発明の一実施形態に係る発泡性スチレン系樹脂粒子は、長軸の長さ(L2)の、短軸の長さ(D2)に対する比(L2/D2)が、1.00~1.20であることが好ましく、1.00~1.15であることがより好ましく、1.00~1.10であることがさらに好ましい。L2/D2が前記範囲であると、球状の発泡粒子を得ることができるため、発泡成形体作製時の発泡粒子の金型への充填性が向上する。その結果、複雑な形状の金型の場合でも細部まで発泡粒子が充填された発泡成形体が得られやすいという利点を有する。なお、発泡性スチレン系樹脂粒子の長軸の長さ(L2)とは、発泡性スチレン系樹脂粒子の任意の2点間の最大の長さ意図する。また、発泡性スチレン系樹脂粒子の短軸の長さ(D2)とは、長軸に対して垂直方向のうち、最短の長さを意図する。
本発泡性樹脂粒子の表面には、外添剤として公知慣用のものを塗布することが使用できる。換言すれば、本発泡性樹脂粒子は、その表面に、外添剤を含んでいてもよい。外添剤としては、特に限定されないが、例えば、(a)ラウリン酸トリグリセライド、ステアリン酸トリグリセライド、リノール酸トリグリセライド等の脂肪酸トリグリセライド、(b)ラウリン酸ジグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、リノール酸ジグリセライド等の脂肪酸ジグリセライド、(c)ラウリン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、リノール酸モノグリセライド等の脂肪酸モノグリセライド、(d)ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、(e)ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンのようなシリコーンオイル、(f)カスターワックス、(g)ひまし油、オリーブ油のような植物油等が挙げられる。これら外添剤は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。また、2種類以上の外添剤を混合して使用する場合、目的に応じて、混合比率を適宜調整してもよい。
本発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡してなるスチレン系発泡粒子もまた、本発明の一実施形態である。換言すれば、本発明の一実施形態に係るスチレン系発泡粒子は、本発明の一実施形態に係る発泡性スチレン系樹脂粒子(例えば、前記〔2.発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法〕の項に記載の製造方法により得られる発泡性スチレン系樹脂粒子)を発泡してなる。本明細書において、「本発明の一実施形態に係るスチレン系発泡粒子」を「本発泡粒子」と称する場合がある。
本発泡粒子を成形してなるスチレン系発泡成形体もまた、本発明の一実施形態である。換言すれば、本発明の一実施形態に係るスチレン系発泡成形体は、本発明の一実施形態に係る発泡粒子(例えば、前記〔2.発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法〕の項に記載の製造方法により得られる発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡してなるスチレン系発泡粒子)を成形してなる。本明細書において、「本発明の一実施形態に係るスチレン系発泡成形体」を「本発泡成形体」と称する場合がある。
実施例および比較例で使用した物質を以下に示す。
(A1)MA100:スチレン/メタクリル酸共重合体[PSジャパン(株)製]
スチレン単位/メタクリル酸単位のモル比率は96/4、重量平均分子量Mw27万
ガラス転移点110℃
(A2)MR100:スチレン/メタクリル酸共重合体[PSジャパン(株)製]
スチレン単位/メタクリル酸単位のモル比率は96/4、重量平均分子量Mw22万
ガラス転移点110℃
(A3)G9001:スチレン/メタクリル酸共重合体[PSジャパン(株)製]
スチレン単位/メタクリル酸単位のモル比率は92/8、重量平均分子量Mw19万
ガラス転移点120℃
(A4)680:スチレン単独重合体[PSジャパン(株)製]
重量平均分子量Mw25万、ガラス転移温度100℃
(グラファイト)
(B1)SGP-40B[(株)丸豊鋳材製作所製、鱗片状、粒径5μm]
(B2)MT-2[(株)丸豊鋳材製作所製、鱗片状:粒径2μm]
(難燃剤)
(C)SR-130:2,2-ビス[4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル]プロパン[第一工業製薬(株)製、臭素含有量=66重量%]
(発泡剤)
(D1)ペンタン:ノルマルペンタンおよびイソペンタンの混合物であり、混合比率はノルマルペンタン/イソペンタン=8/2(和光純薬(株)製)
(D2)ブタン:ノルマルブタンおよびイソブタンの混合物であり、混合比率はノルマルブタン/イソブタン=7/3(岩谷瓦斯(株)製)。
実施例および比較例において実施した評価方法に関して、以下に説明する。
スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体またはスチレン樹脂の樹脂粒子を、オープン型アルミニウム製パンに密封した。示差走査熱量計(日立ハイテクサイエンス社製、DSC7000X)を使用して、窒素ガスを40ml/分でフローさせた状態で、40℃から150℃まで10℃/分の速度で樹脂粒子を加温した。測定結果として得られる吸熱曲線の変曲点(吸熱微分曲線の極小値)を、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体またはスチレン樹脂のガラス転移点とした。
ダイの吐出孔通過時の溶融混練物の剪断応力は、キャピラリーレオメーター(東洋精機製:キャピログラフ)を用いて測定した。具体的には、以下の通りであった。キャピラリー(φ1.0mm×L長5mm)を用い、バレルおよびピストンの温度は各実施例および比較例におけるシリンダ温度(押出温度)に設定し、キャピラリーの温度は各実施例および比較例におけるダイ先端の樹脂温度に設定した。その後、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体を、空気が混入しないようにバレル内に充填し、2分後に、ピストンを下降させ、溶融樹脂をキャピラリーから押出した。下降速度は、0.5mm/min~5mm/minと変更し、各下降速度における、剪断速度(/sec)、粘度(Pa・s)を測定し、剪断速度(sec-1)(a)の値と粘度(Pa・s)(b)の値との関係式を算出した。別途、ダイの吐出孔1個あたりの径(cm)と、ダイの吐出孔1個あたりの吐出量(cm3/sec)とから、ダイの吐出孔通過時の溶融混練物の剪断速度(sec-1)を算出した。続いて、キャピラリーレオメーターで得られた前記関係式を用い、ダイの吐出孔通過時の溶融混練物の粘度を算出した。次に、剪断速度と粘度との積(a×b)により、ダイの吐出孔通過時の溶融混練物の剪断応力を算出した。当該剪断応力は、ダイの吐出孔1個当たりにかかる剪断応力に相当する。
剪断速度(sec-1)の具体的な算出式は、以下の通りであった。
剪断速度(sec-1)={4×ダイの吐出孔1個あたりの吐出量(cm3/sec)}/{円周率(π)×(ダイの吐出孔1個あたりの径(cm))3}
(スチレン系樹脂粒子の1粒当たりの粒重量の測定)
各実施例および比較例について、得られたスチレン系樹脂粒子から無作為に10粒選びだし、10粒のスチレン系樹脂粒子の重量Wp(mg)を測定した。1粒当たりの粒重量は、Wp/10(mg)より求めた。
各実施例および比較例について、得られたスチレン系樹脂粒子から無作為に5粒選びだした。各スチレン系樹脂粒子について、引張方向の長さ(L1)および断面方向の長さ(D1)をノギスで測定し、L1/D1の値を算出した。各実施例および比較例について、5つのL1/D1の値が得られた(N=5)。5つのL1/D1の値の相加平均値を、各実施例および比較例におけるL1/D1の値とした。
各実施例および比較例について、得られた発泡性スチレン系樹脂粒子から無作為に5粒選びだした。各発泡性スチレン系樹脂粒子について、長軸の長さ(L2)および短軸の長さ(D2)をノギスで測定し、L2/D2の値を算出した。各実施例および比較例について、5つのL2/D2の値が得られた(N=5)。5つのL2/D2の値の相加平均値を、各実施例および比較例におけるL2/D2の値とした。
1Lのメスシリンダーに、溢れるまで発泡粒子を投入し、メスシリンダーの口ですり切った。メスシリンダー内の発泡粒子の重量(g)を測定した。(発泡倍率(倍))=1000(cc)/発泡粒子の重量(g)で、求める。
各実施例および比較例について、得られたスチレン系発泡粒子から無作為に5粒選び出した。各スチレン系発泡粒子について、長軸の長さ(L3)および短軸の長さ(D3)をノギスで測定し、L3/D3の値を算出した。各実施例および比較例について、5つのL3/D3の値が得られた(N=5)。5つのL3/D3の値の相加平均値を、各実施例および比較例におけるL3/D3の値とした。
発泡成形体の外観を目視で判定し、以下のように評価した:
○:発泡成形体表面に収縮および溶融がなく、発泡成形体表面の発泡粒子間の間隙は0.1mm以内であり、すなわち表面は平滑である。
△:発泡成形体表面に収縮および溶融はないが、発泡成形体表面の発泡粒子間の間隙は0.1mmを超える。
×:発泡成形体表面に収縮および溶融があり、かつ発泡粒子の間隙が0.1mmを超える。
発泡成形体倍率50倍の発泡成形体を、60℃で24時間乾燥させた。その後、発泡成形体を、長さ150mm、幅150mm、厚さ20(t)mmで切り出した。切り出した発泡成形体の長さ方向および幅方向の寸法をそれぞれ3箇所で測定し、6箇所の平均寸法(A)を求めた。次いで、当該発泡成形体を95℃の乾燥機内で168時間静置した。その後、発泡成形体の長さ方向および幅方向の寸法をそれぞれ3箇所で測定し、6箇所の平均寸法(B)を求めた。以下の式により寸法変化率を算出し、算出した寸法変化率より評価した:
寸法変化率(%)=((A)―(B))/(A)×100。
◎(優れる):寸法変化率が1%未満
〇(良好):寸法変化率が1%以上2%未満
×(不良):寸法変化率が2%以上。
金型のフィーダー孔および離型ピン痕を避けながら、発泡成形体の中央部より、長さ300mm×幅300mm×厚さ25mmの試験片を切り出した。試験片は幅方向の両面ともスキン層(直接金型と接していた面)を有していた。切り出した試験片を60℃で48時間静置し、さらに23℃で24時間静置した。その後、熱伝導率測定装置(英弘精機(株)製HC-074)を使用して、JIS A1412-2:1999に準拠した熱流計法にて、平均温度23℃かつ温度差20℃で試験片の熱伝導率を測定した。
発泡成形体に対して、60℃で48時間静置した後、さらに23℃で24時間静置した。その後、発泡成形体について、JIS A9511(発泡プラスチック保温材)測定方法Aに準拠した評価を行い、消火時間が3秒以内を合格(○)とした。
(スチレン系樹脂粒子調整工程)
スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体(A1)100重量部、グラファイト(B1)4重量部、難燃剤(C)2重量部を計量し、ブレンダー(昭和化学機械社製)を使用して10分間ブレンドし、スチレン系樹脂組成物を得た。当該スチレン系樹脂組成物を、同方向2軸押出機(東芝機械(株)製TEM26)に供給し、シリンダ設定温度230℃(ダイ通過時の樹脂温度240℃)、スクリュ回転数200rpmで溶融混練し、溶融混練物を得た(溶融混練工程)。
当該溶融混練物を、押出機の先端に取り付けたダイの吐出孔(孔径1.20mm)を通じて、吐出量20kg/時間で押出した(押出工程)。押出工程において、スチレン系樹脂組成物の押出機内滞留時間は7分であった。なお、前記ダイにおける吐出孔の数および吐出孔間の距離は、表1に示す通りであった。続いて、吐出孔から押出されたストランドを30℃の水槽に通し、ストランドを30℃まで冷却し、固化した(冷却工程)。次いで、ペレタイザーを用いて、ストランドを引張り速度19m/分で引張り、かつ回転刃の回転数98rpmで切断し、スチレン系樹脂粒子を得た。得られたスチレン系樹脂粒子は、1粒当たりの粒重量が0.9mg、L1/D1が2.0であった。
得られたスチレン系樹脂粒子100重量部、脱イオン水200重量部、分散剤としてリン酸三カルシウム1.0重量部、分散助剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.03重量部、および塩化ナトリウム3.0重量部を、容積6Lの撹拌装置付きオートクレーブ(耐圧硝子製)に投入し、オートクレーブを密閉した。次に、発泡剤として、ペンタン(D1)7.0重量部をオートクレーブ内に投入した。続いて、オートクレーブ内の温度を118℃まで昇温させた後、118℃で8時間保持した。その後、オートクレーブ内の温度を室温(25±2℃)まで冷却し、オートクレーブから発泡剤が含浸された発泡性樹脂粒子を取り出した。得られた発泡性樹脂粒子を、塩酸で酸洗し、次いで水洗した。次に、発泡性樹脂粒子を遠心分離機(松本機械製)で脱水した後、気流乾燥機(平岩鉄工所製)で乾燥させ、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。得られた発泡性スチレン系樹脂粒子は、L2/D2が1.11であった。
攪拌機を備えた加圧式予備発泡機(大開工業(株)製BHP-110)に、得られた発泡性スチレン系樹脂粒子100重量部、ステアリン酸亜鉛0.2重量部およびカスターワックス0.07重量部を投入した。続いて、加熱媒体として水蒸気を使用し、吹き込み蒸気圧を0.09MPaとして発泡機内の発泡性スチレン系樹脂粒子を加熱することによって発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡(一次発泡)させ、嵩倍率(見掛け倍率)が50倍の発泡粒子を得た。得られたスチレン系発泡粒子は、L3/D3が1.11であった。
して、長さ450mm×幅300mm×厚さ250mmサイズの平板形状金型を備える成形機((株)ダイセン製KR-57)を使用した。金型内に、上述の方法によって50倍に発泡させた発泡粒子を充填した。加熱媒体として蒸気(水蒸気)を使用して、型内発泡成形を行い、発泡成形体を製造した。成形条件は以下の通りである:吹き込み蒸気圧0.08MPa、クラッキング1mm、金型加熱2秒、一方加熱6秒間、逆一方加熱4秒間、両面加熱8秒間、補熱5秒間、水冷5秒間、空冷5秒間および真空放冷120秒間。得られた発泡成形体を10℃で保管したのち各種評価を行った。当該発泡成形体の密度は、0.20kg/m3であった。評価結果を表1に示す。
ダイの設定温度を250℃(樹脂温度260℃)に変更した以外は、実施例1と同じ操作により、スチレン系樹脂粒子、発泡性スチレン系樹脂粒子、スチレン系発泡粒子、および、スチレン系発泡成形体を作製し、実施例1と同じ評価を実施した。評価結果を表1に示す。
押出機のダイの吐出孔の径を0.09cmとし、かつ吐出量を12kg/時間に変更した以外は、実施例1と同じ操作により、スチレン系樹脂粒子、発泡性スチレン系樹脂粒子、スチレン系発泡粒子、および、スチレン系発泡成形体を作製し、実施例1と同じ評価を実施した。評価結果を表1に示す。
使用するスチレン系樹脂およびグラファイトの種類を表1の処方に変更した以外は、実施例1と同じ操作により、スチレン系樹脂粒子、発泡性スチレン系樹脂粒子、スチレン系発泡粒子、および、スチレン系発泡成形体を作製し、実施例1と同じ評価を実施した。評価結果を表1に示す。
使用するスチレン系樹脂の種類を表1の処方とし、ダイの設定温度を210℃(樹脂温度220℃)とし、かつ吐出量を30kg/時間に変更した以外は、実施例1と同じ操作により、スチレン系樹脂粒子、発泡性スチレン系樹脂粒子、スチレン系発泡粒子、および、スチレン系発泡成形体を作製し、実施例1と同じ評価を実施した。評価結果を表1に示す。
使用するスチレン系樹脂の種類を表1の処方とし、ダイの設定温度を250℃(樹脂温度260℃)とし、かつ吐出量を10kg/時間に変更した以外は、実施例1と同じ操作により、スチレン系樹脂粒子、発泡性スチレン系樹脂粒子、スチレン系発泡粒子、および、スチレン系発泡成形体を作製し、実施例1と同じ評価を実施した。評価結果を表1に示す。
使用するスチレン系樹脂の種類を表1の処方とし、ペレタイザーによるストランドの引張り速度を10m/分に変更した以外は、実施例1と同じ操作により、スチレン系樹脂粒子、発泡性スチレン系樹脂粒子、スチレン系発泡粒子、および、スチレン系発泡成形体を作製し、実施例1と同じ評価を実施した。評価結果を表1に示す。
使用するスチレン系樹脂の種類を表1の処方とし、ペレタイザーによるストランド引張り速度を30m/分に変更した以外は、実施例1と同じ操作により、スチレン系樹脂粒子、発泡性スチレン系樹脂粒子、スチレン系発泡粒子、および、スチレン系発泡成形体を作製し、実施例1と同じ評価を実施した。評価結果を表1に示す。
使用するスチレン系樹脂の種類を表1の処方とし、ダイの設定温度を210℃に変更した以外は、実施例1と同じ操作により、スチレン系樹脂粒子、発泡性スチレン系樹脂粒子、および、スチレン系発泡粒子を作製した。型内成形では、吹込み蒸気圧0.08MPaに変更した以外は、実施例1と同じ操作により、スチレン系発泡成形体を作製した。実施例1と同じ評価を実施した。評価結果を表1に示す。
表1より、以下のことがわかる:
(1)実施例1~7から、樹脂組成物がスチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体を含み、ダイ通過時の溶融混練物の剪断応力が30kPa~90kPaの範囲内であり、L1/D1が1.30~2.90の範囲内である製造方法によって得られた発泡性スチレン系樹脂粒子であれば、95℃での寸法安定性に優れ、高い成形性を有する発泡成形体が得られることがわかる。
Claims (8)
- スチレン系樹脂粒子調製工程と、発泡剤含浸工程と、を含み、
前記スチレン系樹脂粒子調製工程は、
スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体を含むスチレン系樹脂を含むスチレン系樹脂組成物を、押出機にて溶融混練する溶融混練工程と、
前記溶融混練工程で得られる溶融混練物を、前記押出機の押出方向先端に設けられたダイの吐出孔から押出す押出工程と、
前記押出工程で前記吐出孔から押出される溶融混練物を引張りかつ切断し、スチレン系樹脂粒子を得る工程と、を備え、
前記発泡剤含浸工程は、
前記スチレン系樹脂粒子に、水性懸濁液中で、炭化水素系発泡剤を含浸させる工程を備え、
前記押出工程において、
前記ダイを通過するときの前記溶融混練物の剪断応力が、30kPa~90kPaであり、
前記スチレン系樹脂粒子における引張り方向の長さ(L1)の、断面の長さ(D1)に対する比(L1/D1)が1.30~2.90である、発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。 - 前記スチレン系樹脂組成物は、グラファイトを含み、
前記スチレン系樹脂100重量部に対して、前記グラファイトの含有量は1重量部~10重量部である、請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。 - 前記スチレン系樹脂組成物は、難燃剤を含み、
前記スチレン系樹脂100重量部に対して、前記難燃剤の含有量は0.1重量部~5.0重量部である、請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。 - 前記難燃剤が、2,3-ジブロモ-2-アルキルプロピル基を有する含臭素有機化合物を含む、請求項3に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 前記炭化水素系発泡剤が、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタンからなる群より選択される、いずれか1種を含む、請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 前記発泡性スチレン系樹脂粒子における長軸の長さ(L2)の、短軸の長さ(D2)に対する比(L2/D2)が、1.00~1.20である、請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 前記グラファイトの体積平均粒径が、1μm~5μmである、請求項2に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
- 前記スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量Mwは、15万~30万である、請求項1~7のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
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