JP7828657B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、特に、UV硬化後の加熱及び/又は冷却の過程において、周囲の温度が変化しても被着体から剥離しにくい硬化物を与える、UV硬化型の硬化性樹脂組成物の提供をも目的とする。
(A)多官能(メタ)アクリレート化合物;
(B)下記(b1)及び/又は(b2)を含む調節剤
(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物
(b2)反応性不飽和二重結合を有しないエポキシ樹脂;
(C)多官能チオール化合物;及び
(D)光ラジカル開始剤
を含み、
[(A)多官能(メタ)アクリレート化合物についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数]/[(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数]が0.4~0.8であり、
[(B)調節剤についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数+(B)調節剤についてのエポキシ基の総数]/[(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数]が0.05~0.65である、硬化性樹脂組成物。
なお本明細書においては、合成樹脂の分野における慣例に倣い、硬化前の硬化性樹脂組成物を構成する成分に対して、通常は高分子(特に合成高分子)を指す用語「樹脂」を含む名称を、その成分が高分子ではないにも関わらず用いる場合がある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)多官能(メタ)アクリレート化合物を含む。本発明において用いる多官能(メタ)アクリレート化合物は、後述する多官能チオール化合物中のチオール基と反応する(メタ)アクリロイルオキシ基を、合計で2個以上含む化合物である。換言すれば、多官能(メタ)アクリレート化合物は、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物1分子が、合計2分子以上の(メタ)アクリル酸でエステル化された構造(エステル化されていないヒドロキシル基があってもよい)を有する化合物である。
多官能(メタ)アクリレート化合物は、上記の構造的要件を満たしている限り、(メタ)アクリロイルオキシ基の形態でない(メタ)アクリロイル基を含んでいてもよい。例えば、N,N’-メチレンビスアクリルアミドは多官能(メタ)アクリレート化合物に該当しない。(A)多官能(メタ)アクリレート化合物は、分子量が100~10,000のものを含むことが好ましく、200~5,000のものを含むことがより好ましく、200~3,000のものを含むことがさらに好ましく、200~800のものを含むことが特に好ましい。
-ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート;
-ビスフェノールFのジ(メタ)アクリレート;
-イソシアヌル骨格を有する多官能(メタ)アクリレート;
-ジメチロールトリシクロデカンのジ(メタ)アクリレート;
-トリメチロールプロパン又はそのオリゴマーの多官能(メタ)アクリレート;
-ジトリメチロールプロパンの多官能(メタ)アクリレート;
-ペンタエリスリトール又はそのオリゴマーの多官能(メタ)アクリレート;
-ジペンタエリスリトールの多官能(メタ)アクリレート;及び
-ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンのジ(メタ)アクリレート;
-ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート;
-ポリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート;
-鎖式又は環式のアルカンジオールのジ(メタ)アクリレート;
-ネオペンチルグリコールのジ(メタ)アクリレート;
-1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタン;
-1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル;
-グリセリンの多官能(メタ)アクリレート;等を挙げることができる。
これらの中でも、ジメチロールトリシクロデカンのジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンの(トリ/テトラ)(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンのジ(メタ)アクリレート、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2個有するポリウレタンが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本明細書において、「多官能(メタ)アクリレート」とは、(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上含む化合物のことを指す。例えば、「トリメチロールプロパン又はそのオリゴマーの多官能(メタ)アクリレート」とは、1分子のトリメチロールプロパン又はそのオリゴマーと2分子以上の(メタ)アクリル酸とのエステルを指す。
本発明において、(メタ)アクリレート基を複数個有するシランカップリング剤は、多官能(メタ)アクリレート化合物に含まれない。好ましくは、多官能(メタ)アクリレート化合物は、ケイ素原子を含まない。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(B)調節剤を含む。本発明において用いる(B)調節剤は、下記(b1)及び/又は(b2):
(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物
(b2)反応性不飽和二重結合を有しないエポキシ樹脂
を含む。
本発明において、(メタ)アクリレート基を1個有するシランカップリング剤は、単官能(メタ)アクリレート化合物に含まれない。好ましくは、単官能(メタ)アクリレート化合物は、ケイ素原子を含まない。
-エチル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3-フェノキシベンジル(メタ)アクリレート等の、1価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル;
-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、アクリル酸イソノニル、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、1-ナフタレンメチル(メタ)アクリレート、1-エチルシクロヘキシル(メタ)クリレート、1-メチルシクロヘキシル(メタ)クリレート、1-エチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1-メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、2-(o-フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、イソボルニルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(2-メチル-2-エチル-1,3ージオキソランー4-イル)メチル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンタニル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-アダマンタニル(メタ)アクリレート、2-イソプロピルアダマンタン-2-イル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-1-アダマンチル(メタ)アクリレート、(アダマンタン-1-イルオキシ)メチル(メタ)アクリレート、2-イソプロピル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、1-メチル-1-エチル-1-アダマンチルメタノール(メタ)アクリレート、1,1-ジエチル-1-アダマンチルメタノール(メタ)アクリレート、2-シクロヘキシルプロパン-2-イル(メタ)アクリレート、1-イソプロピルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1-エチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロピラニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロ-2-フラニル(メタ)アクリレート、2-オキソテトラヒドロフラン-3-イル(メタ)アクリレート、(5-オキソテトラヒドロフラン-2-イル)メチル(メタ)アクリレート、(2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、1-エトキシエチル(メタ)アクリレート等の、多価アルコールのモノ(メタ)アクリレート
等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物は、分子量が100~1000のものを含むことが好ましく、120~500のものを含むことがより好ましく、140~400のものを含むことがさらに好ましく、160~300のものを含むことが特に好ましい。
エポキシ基を1個以上含み、反応性不飽和二重結合を有しないシランカップリング剤は、反応性不飽和二重結合を有しないエポキシ樹脂に含まれない。好ましくは、反応性不飽和二重結合を有しないエポキシ樹脂は、ケイ素原子を含まない。
-(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレンエーテルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,2-エポキシ-4-(2-メチルオキシラニル)-1-メチルシクロヘキサン、シクロヘキサン型ジグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエン型ジグリシジルエーテルのようなジエポキシ樹脂;
-トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルのようなトリエポキシ樹脂;
-ビニル(3,4-シクロヘキセン)ジオキシド、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-5,1-スピロ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-m-ジオキサンのような脂環式エポキシ樹脂;
-テトラグリシジルビス(アミノメチル)シクロヘキサンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂;
-1,3-ジグリシジル-5-メチル-5-エチルヒダントインのようなヒダントイン型エポキシ樹脂;及び
-1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンのようなシリコーン骨格を有するエポキシ樹脂
などが挙げられるが、これらに限定されない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
-ビスフェノールA型エポキシ樹脂;
-p-グリシジルオキシフェニルジメチルトリスビスフェノールAジグリシジルエーテルのような分岐状多官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂;
-ビスフェノールF型エポキシ樹脂;
-ノボラック型エポキシ樹脂;
-テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂;
-フルオレン型エポキシ樹脂;
-ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂;
-1,4-フェニルジメタノールジグリシジルエーテルのようなジエポキシ樹脂;
-3,3',5,5'-テトラメチル-4,4'-ジグリシジルオキシビフェニルのようなビフェニル型エポキシ樹脂;
-ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、トリグリシジル-p-アミノフェノール、テトラグリシジル-m-キシリレンジアミンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂;及び
-ナフタレン環含有エポキシ樹脂
などが挙げられるが、これらに限定されない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(b2)エポキシ樹脂のエポキシ当量は、90~500g/eqであることが好ましく、100~450g/eqであることがより好ましく、100~350g/eqであることがさらに好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、多官能チオール化合物を含む。本発明において用いる多官能チオール化合物は、前記多官能(メタ)アクリレート化合物及び単官能(メタ)アクリレート化合物中の(メタ)アクリロイルオキシ基(正確には、その中の二重結合)、並びに前記反応性不飽和二重結合を有しないエポキシ樹脂中のエポキシ基と反応するチオール基を2個以上含む化合物である。多官能チオール化合物は、3個以上のチオール基を有することが好ましい。多官能チオール化合物は、3官能チオール化合物及び/又は4官能チオール化合物を含むことがより好ましい。3官能及び4官能のチオール化合物とは、それぞれ、チオール基を3個及び4個有するチオール化合物のことである。多官能チオール化合物のチオール当量は、90~150g/eqであることが好ましく、90~140g/eqであることがより好ましく、90~130g/eqであることがさらに好ましい。
加水分解性の多官能チオール化合物の例としては、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)(SC有機化学株式会社製:TMMP)、トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート(SC有機化学株式会社製:TEMPIC)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)(SC有機化学株式会社製:PEMP)、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)(SC有機化学株式会社製:EGMP-4)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)(SC有機化学株式会社製:DPMP)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)(昭和電工株式会社製:カレンズMT(登録商標)PE1)、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチリルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン(昭和電工株式会社製:カレンズMT(登録商標)NR1)等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
・前記(A)多官能(メタ)アクリレート化合物に含まれる(メタ)アクリロイルオキシの総数(総量)、
・前記(B)調節剤に含まれる(メタ)アクリロイルオキシの総数(総量)、
・前記(B)調節剤に含まれるエポキシ基の総数(総量)、及び
・前記(C)多官能チオール化合物に含まれるチオール基の総数(総量)
が、所定の関係を満足することが必要である。具体的には、本発明の硬化性樹脂組成物においては、
[(A)多官能(メタ)アクリレート化合物についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数]/[(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数]が0.4~0.8であり、かつ
[(B)調節剤についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数+(B)調節剤についてのエポキシ基の総数]/[(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数]が0.05~0.65である。
(B)調節剤についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数も、(A)多官能(メタ)アクリレート化合物についてのそれと同様にして求めることができる。
本明細書においてポリ(アルキレングリコール)骨格とは、2つ以上のオキシアルキレン基からなるポリ(オキシアルキレン)鎖、例えば、エチレンオキシド(EO)変性により導入されうるポリ(オキシエチレン)鎖、プロピレンオキシド(PO)変性により導入されうるポリ(オキシプロピレン)鎖等を指す。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(メタ)アクリロイル当量が60~300g/eqであり、かつポリ(アルキレングリコール)骨格を有する(A)多官能(メタ)アクリレート化合物を含んでいてもよい。しかし、接着信頼性の観点から、[(メタ)アクリロイル当量が60~300g/eqであり、かつポリ(アルキレングリコール)骨格を有する(A)多官能(メタ)アクリレート化合物についての(メタ)アクリロイル基の総数]/[(A)多官能(メタ)アクリレート化合物全体についての(メタ)アクリロイル基の総数]は、好ましくは0.5以下であり、より好ましくは0.4以下であり、さらに好ましくは0.3以下であり、特に好ましくは0.2以下であり、最も好ましくは0.1以下である。本発明のある態様では、この比は0~0.5、好ましくは0~0.4、より好ましくは0~0.3、特に好ましくは0~0.2、最も好ましくは0~0.1である。
ある態様においては、[(A)多官能(メタ)アクリレート化合物についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数+(B)調節剤についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数+(B)調節剤についてのエポキシ基の総数]/[(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数]が、0.8~1.2、好ましくは、0.9~1.1、より好ましくは0.95~1.1である。
ただし、本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)多官能(メタ)アクリレート化合物についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数、(B)調節剤についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数、(B)調節剤についてのエポキシ基の総数及び(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数が上記の条件を満足する量比で、(A)多官能(メタ)アクリレート化合物、(B)調節剤及び(C)多官能チオール化合物を含有する。
本発明のある態様において、(B)調節剤は実質的に(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物からなる(実質的に(b2)エポキシ樹脂を含まない)。この場合、[(B)調節剤についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数+(B)調節剤についてのエポキシ基の総数]/[(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数]は、好ましくは0.2~0.5であり、より好ましくは0.25~0.45である。この比率が0.2未満であると、硬化物の架橋密度を低下させる(B)調節剤の効果が小さくなるため、硬化物が剥離しやすくなる。一方、この比率が0.5超であると、UV硬化性が悪化するおそれがある。
本発明の別の態様において、(B)調節剤は実質的に(b2)エポキシ樹脂からなる(実質的に(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物を含まない)。この場合、[(B)調節剤についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数+(B)調節剤についてのエポキシ基の総数]/[(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数]は、好ましくは0.2~0.5であり、より好ましくは0.25~0.45である。この比率が0.2未満であると、硬化物に柔軟性を付与する(B)調節剤の効果が小さくなるため、硬化物が剥離しやすくなる。一方、この比率が0.5超であると、UV硬化性が悪化するおそれがある。
本発明のさらなる態様において、(B)調節剤は(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物と(b2)エポキシ樹脂の両者を含む。この場合、[(B)調節剤についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数]:[(B)調節剤についてのエポキシ基の総数]は、好ましくは1:0.01~1:20であり、より好ましくは1:0.05~1:15であり、さらに好ましくは1:0.1~1:10であり、特に好ましくは1:0.1~1:5であり、最も好ましくは1:0.1~1:1である。[(B)調節剤についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数]に対して[(B)調節剤についてのエポキシ基の総数]が少なすぎると、UV硬化処理に続く熱硬化処理後の接着性が不十分になりやすい。一方、[(B)調節剤についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数]に対して[(B)調節剤についてのエポキシ基の総数]が多すぎると、UV硬化処理後の接着性が不十分になりやすい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(D)光ラジカル開始剤を含む。(D)光ラジカル開始剤を含むことにより、硬化性樹脂組成物を短時間のUV照射で硬化させることが可能となる。本発明において使用可能な(D)光ラジカル開始剤は、特に限定されず、公知のものを使用することが可能である。(D)光ラジカル開始剤の例としては、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-(4-ドデシルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn-ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチルジフェニルサルファイド、3,3'-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフインオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、カンファーキノン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。(D)光ラジカル開始剤の量は、硬化性樹脂組成物の0.01~10質量%であることが好ましく、0.05~5質量%であることがより好ましく、0.1~3質量%であることがさらに好ましい。
-紫外線(UV)照射によるUV硬化処理、及び場合により
-加熱による熱硬化処理
に付すことにより硬化物を得ることができる。
(1)(メタ)アクリロイルオキシ基中の二重結合への、チオール基のラジカル反応による付加
(2)(メタ)アクリロイルオキシ基中の二重結合のラジカル重合(ホモ重合)
が進行する。エポキシ基の反応は、UV照射下では起こらない。
(3)(メタ)アクリロイルオキシ基中の二重結合への、チオール基の熱的付加
(4)エポキシ基への、チオール基の開環求核付加
が進行する。(メタ)アクリロイルオキシ基中の二重結合のラジカル重合(ホモ重合)は、加熱下では起こらない。
-多官能(メタ)アクリレート化合物と多官能チオール化合物の間の反応(1)、及び
-多官能(メタ)アクリレート化合物の間の反応(2)
が起こる。
さらに、このUV硬化処理で得られた生成物を熱硬化処理に付すと、
-多官能(メタ)アクリレート化合物と多官能チオール化合物の間の反応(3)
が起こる。
このような場合、周囲温度の変化に伴う被着体の膨張及び/又は収縮により、UV硬化後の硬化物が被着体から剥離しやすい。これは、得られる硬化物の柔軟性が、高すぎる架橋密度のために乏しいことに起因していると考えられる。
-(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物と多官能チオール化合物の間の反応(1)、
-多官能(メタ)アクリレート化合物と(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物の間の反応(2)、及び
-(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物の間の反応(2)
が起こる。
さらに、系内あるいは被着体表面に熱硬化促進剤(特に、塩基性成分)が存在する場合、このUV硬化処理で得られた生成物を熱硬化処理に付すと、上記の反応に加えて、
-(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物と多官能チオール化合物の間の反応(3)、及び
-(b2)エポキシ樹脂と多官能チオール化合物の間の反応(4)
が起こる。
また、(b2)エポキシ樹脂が単官能エポキシ樹脂である場合には、この反応(4)により多官能チオール化合物に含まれるチオール基がキャッピングされ、新たな架橋の形成が抑制される。この結果、反応(4)により硬化物の架橋密度が上昇することはない。一方、(b2)エポキシ樹脂が多官能エポキシ樹脂である場合には、理論的にはこの反応(4)により新たな架橋が形成されうる。しかし実際には、UV硬化処理により重合体が形成され、系内での(b2)エポキシ樹脂の運動が制限されるため、新たな架橋は形成されにくい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、所望であれば、さらに(E)熱硬化促進剤を含んでいてもよい。熱硬化促進剤を含むことにより、本発明の硬化性樹脂組成物を低温条件下でも短時間で硬化させることができる。本発明において用いる熱硬化促進剤は、エポキシ樹脂の硬化触媒であれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。本発明のある態様では、熱硬化促進剤は塩基性物質である。熱硬化促進剤は、潜在性硬化触媒であることが好ましい。潜在性硬化触媒とは、室温では不活性の状態で、加熱することにより活性化されて、硬化触媒として機能する化合物であり、例えば、常温で固体のイミダゾール化合物;アミン化合物とエポキシ化合物の反応生成物(アミン-エポキシアダクト系)等の固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化触媒;アミン化合物とイソシアネート化合物または尿素化合物の反応生成物(尿素アダクト系)等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、所望であれば、充填剤、特にシリカフィラー及び/又はタルクフィラーを含んでいてもよい。充填剤は、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させることにより得られる硬化物の耐サーマルサイクル性を向上させるために添加することができる。充填剤の添加により耐サーマルサイクル性が向上するのは、硬化物の線膨張係数が減少する、即ちサーマルサイクルによる硬化物の膨張・収縮が抑制されるためである。また、硬化時の収縮も抑制される。
また本発明において、充填剤は、表面処理されていてもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、所望であれば、安定剤を含んでいてもよい。安定剤は、本発明の硬化性樹脂組成物に、その貯蔵安定性を向上させ、ポットライフを長くするために添加することができる。一液型接着剤の安定剤として公知の種々の安定剤を使用することができるが、貯蔵安定性を向上させる効果の高さから、液状ホウ酸エステル化合物、アルミキレート及び有機酸からなる群から選択される少なくとも1つが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、所望であれば、カップリング剤を含んでいてもよい。カップリング剤、特にシランカップリング剤の添加は、接着強度向上の観点から好ましい。シランカップリング剤は、無機材料と化学結合しうる官能基と、有機材料と化学結合しうる官能基を含む、2種以上の異なる官能基をその分子中に有する有機ケイ素化合物である。一般に、無機材料と化学結合しうる官能基は加水分解性シリル基であり、アルコキシ基、特にメトキシ基及び/又はエトキシ基を含むシリル基が、この官能基として用いられている。有機材料と化学結合しうる官能基としては、ビニル基、エポキシ基、(メタ)アクリル基、スチリル基、非置換又は置換アミノ基、メルカプト基、ウレイド基、イソシアネート基等が用いられている。カップリング剤としては、前記の官能基を有する各種シランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤の具体例としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、シランカップリング剤(上記充填剤の表面処理に用いられるものを含む)は、(メタ)アクリロイル基や、エポキシ基等の反応性官能基を有している場合がある。しかし、本発明において、シランカップリング剤は、成分(A)~(D)に含まれない。
本発明の硬化性樹脂組成物は、所望であれば、揺変剤を含んでいてもよい。本発明において用いる揺変剤は特に限定されず、公知のものを使用することができる。本発明に用いられる揺変剤の例としては、シリカ等が挙げられるが、これらに限定されない。シリカは、天然シリカ(珪石、石英など)であってもよく、合成シリカであってもよい。合成シリカは、乾式法及び湿式法を含む任意の方法で合成されうる。
また揺変剤は、表面処理剤(例えば、ポリジメチルシロキサン)で表面処理されていてもよい。本発明においては、揺変剤の少なくとも一部が表面処理されていることが好ましい。揺変剤の一次粒子の平均粒径は5~50nmであることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物には、所望であれば、本発明の趣旨を損なわない範囲で、その他の添加剤、例えばカーボンブラック、チタンブラック、イオントラップ剤、レベリング剤、酸化防止剤、消泡剤、粘度調整剤、難燃剤、着色剤、溶剤等を添加することができる。各添加剤の種類、添加量は常法通りである。
-紫外線(UV)照射によるUV硬化処理、及び場合により
-加熱による熱硬化処理
に付すことによって、硬化物に変換することができる。
また、本発明においては、本発明の硬化性樹脂組成物又は接着剤を硬化させることにより得られる硬化物も提供される。本発明においてはさらに、本発明の硬化物を含む半導体装置も提供される。本発明においてはさらに、本発明の半導体装置を含むセンサモジュールも提供される。
表1に示す配合に従って、3本ロールミルを用いて所定の量の各成分を混合することにより、硬化性樹脂組成物を調製した。表1において、各成分の量は質量部(単位:g)で表されている。
実施例及び比較例において、多官能(メタ)アクリレート化合物として用いた化合物は、以下の通りである。
(A-1):ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(商品名:ライトアクリレートDCP-A、共栄社化学株式会社製、(メタ)アクリレート当量:152)
(A-2):2-(2-アクリロイルオキシ-1,1-ジメチルエチル)-5-アクリロイルオキシメチル-5-エチル-1,3-ジオキサン(商標名:KAYARAD R-604、日本化薬株式会社製、(メタ)アクリレート当量:163)
(A-3):ポリエーテル系ウレタンアクリレート(商標名:UN-6200、根上工業株式会社製、(メタ)アクリレート当量:3250)
(A-4):ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(商品名:EBECRYL 140、ダイセル・オルネクス株式会社製、(メタ)アクリレート当量:117)
(A-5):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(商品名:KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製、(メタ)アクリレート当量:87)
(A-6):トリプロピレングリコールジアクリレート(商品名:NKエステルAPG-200、新中村化学工業株式会社製、(メタ)アクリレート当量:150)
(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物
実施例及び比較例において、単官能(メタ)アクリレート化合物として用いた化合物は、以下の通りである。
(B-1):イソボルニルアクリレート(商品名:ライトアクリレートIBXA、共栄社化学株式会社製、(メタ)アクリレート当量:208)
(B-2):フェノキシエチルアクリレート(商品名:ライトアクリレートPO-A、共栄社化学株式会社製、(メタ)アクリレート当量:192)
(B-3):4-tert-ブチルシクロヘキシルアクリレート(商品名:TBCHA、KJケミカルズ株式会社製、(メタ)アクリレート当量:210)
(B-4):ジシクロペンタニルアクリレート(商品名:FA513AS、昭和電工マテリアルズ株式会社製、(メタ)アクリレート当量:206)
(B-5):3-フェノキシベンジルアクリレート(商品名:ライトアクリレートPOB-A、共栄社化学株式会社製、(メタ)アクリレート当量:254)
(B-6):2-(o -フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート(商品名:HRD-01、日触テクノファインケミカル株式会社製、(メタ)アクリレート当量:268)
(B-7):アクリル酸イソノニル(商品名:AIN、株式会社日本触媒製、(メタ)アクリレート当量:198)
(B-8):(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレート(商品名:MEDOL-10、大阪有機化学工業株式会社製、(メタ)アクリレート当量:200)
実施例及び比較例において、反応性不飽和二重結合を有しないエポキシ樹脂として用いた化合物は、以下の通りである。
(B-9):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:JER834、株式会社三菱ケミカルホールディングス製、エポキシ当量:250)
(B-10):トリ(エポキシペンチル)イソシアヌレート(商品名:TEPIC-VL、日産化学株式会社製、エポキシ当量:135)
(B-11):ジグリシジル(ジメチロールシクロヘキサン)(商品名:CDMDG、昭和電工株式会社製、エポキシ当量:136)
実施例及び比較例において、反応性不飽和二重結合を有するエポキシ樹脂として用いた化合物は、以下の通りである。
(B’-1):エポキシ化1,2-ポリブタジエン(商品名:BF1000、株式会社ADEKA製、エポキシ当量:168)
実施例及び比較例において、多官能チオール化合物として用いた化合物は、以下の通りである。
(C-1):ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)(商品名:PEMP、SC有機化学株式会社製、チオール当量:122)
(C-2):ペンタエリスリトールトリプロパンチオール(商品名:PEPT、SC有機化学株式会社製、チオール当量:124)
(C-3):1,3,4,6-テトラキス(2-メルカプトプロピル)グリコールウリル(商品名:C3 TS-G、四国化成工業株式会社製、チオール当量:114)
実施例及び比較例において、光ラジカル開始剤として用いた化合物は、以下の通りである。
(D-1):1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:OMNIRAD 184、IGM Resins B.V.製)
(D-2):2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(商品名:OMNIRAD TPO、IGM Resins B.V.製)
実施例及び比較例において、熱硬化促進剤として用いた化合物は、以下の通りである。
(E-1):アミンアダクト系潜在性硬化触媒1(商品名:フジキュアーFXR1121、株式会社T&K TOKA製)
(E-2):アミンアダクト系潜在性硬化触媒2(商品名:アミキュアPN-23、味の素ファインテクノ株式会社製)
(f1)充填剤
実施例及び比較例において、充填剤として用いた化合物は、以下の通りである。
(F-1):合成球状シリカ(商品名:SE2200SEE、株式会社アドマテックス製)
(F-2):微粒子タルク(商品名:5000PJ、松村産業株式会社製)
(f2)揺変剤
実施例及び比較例において、揺変剤として用いた化合物は、以下の通りである。
(F-3):フュームドシリカ(商品名:CAB-O-SIL(登録商標)TS720、キャボットコーポレーション製)
(f3)安定剤
実施例及び比較例において、安定剤として用いた化合物は、以下の通りである。
(F-4):ホウ酸トリイソプロピル(東京化成工業株式会社製)
(F-5):N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)
表中の「当量数計算」の記号は、以下を表す。
(A+B)/(C):[(A)多官能(メタ)アクリレート化合物についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数+(B)調節剤についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数+(B)調節剤についてのエポキシ基の総数]/[(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数]
(A)/(C):[(A)多官能(メタ)アクリレート化合物についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数]/[(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数]
(B)/(C):[(B)調節剤についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数+(B)調節剤についてのエポキシ基の総数]/[(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数]
(b1)/(C):[(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数+(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物についてのエポキシ基の総数]/[(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数]
(b2)/(C):[(b2)反応性不飽和二重結合を有しないエポキシ樹脂についてのエポキシ基の総数]/[(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数]
2枚のガラス板に、シリコーン系離型剤を各々塗布した。これらのガラス板の一方の、離型剤が塗布された面に、直方体状の高さ0.3mmのポリイミド製スペーサー2つを乗せ、それらの間に硬化性樹脂組成物を塗布した。このガラス板に、他方のガラス板を、離型剤が塗布された面を下にして、硬化性樹脂組成物及びスペーサーが2枚のガラス板で挟まれるようにして乗せた。2枚のガラス板の間の硬化性樹脂組成物を、エクセリタス・テクノロジーズ社製UV LED照射装置AC475を用いて、積算光量2000mJ/cm2(ウシオ電機株式会社製UIT-250(受光機UVD-365を接続))にて測定)で、UV照射によるUV硬化処理に付した。次いで、この硬化性樹脂組成物を、送風乾燥機中にて、80℃で60分間の加熱による熱硬化処理に付した。
UV硬化処理完了時及びその後の熱硬化処理完了時に、硬化性樹脂組成物がその形状を維持したまま剥離しうる膜を形成していたか否かに基づいて、硬化性樹脂組成物のUV硬化性及び熱硬化性を各々評価した。表中の記号「〇」は、UV硬化処理完了時又はその後の熱硬化処理完了時に、硬化性樹脂組成物がその形状を維持したまま剥離しうる膜を形成していたことを示す。表中の記号「×」は、UV硬化処理完了時又はその後の熱硬化処理完了時に、硬化性樹脂組成物がその形状を維持したまま剥離しうる膜を形成していなかったことを示す。
2.6cm×2cm×1.5mmのガラス板上に、卓上型液剤塗布ロボットJR2400N(株式会社サンエイテック製)を用いて、シリンジ(内径200μmのニードルを有するノズルが装着されている)に入れた硬化性樹脂組成物8mgを、1.2cm×0.9cmの四角形(一方の長辺の中央に1mmの隙間を空けて)となるように塗布した。2cm×7cm×2mmのポリブチレンテレフタレート(PBT)板に、直方体状の高さ0.15mmのポリイミド製スペーサー2つを乗せた。上記PBT板に、硬化性樹脂組成物が塗布された上記ガラス板を、硬化性樹脂組成物が塗布された面を下にして、硬化性樹脂組成物が上記2つのスペーサーの間に位置するようにし、硬化性樹脂組成物及びスペーサーがガラス板とPBT板で挟まれるようにして乗せた。上記PBT板とガラス板の間の硬化性樹脂組成物を、エクセリタス・テクノロジーズ社製UV LED照射装置AC475を用いて、積算光量2000mJ/cm2(ウシオ電機株式会社製UIT-250(受光機UVD-365を接続)にて測定)で、UV照射によりUV硬化させた。次いで、上記スペーサーを除去し、UV硬化させた硬化性樹脂組成物を、送風乾燥機中80℃で60分間加熱した。得られた上記PBT板とガラス板の間の硬化物を、室温(20℃)に2時間放置した後、ガラス板及び/又はPBT板からの硬化物の剥離の程度を目視観察にて評価した。
上で作成した硬化物をガラス板側から観察すると、ガラス板及びPBT板の両方に接着している硬化物は透明な領域として感知され、ガラス板及び/又はPBT板から剥離している硬化物は白色の領域として感知される。硬化物の剥離の程度を、透明な領域と白色の領域の合計面積に対する、白色の領域の面積のおよその比率(%)に基づき評価した。1つの硬化性樹脂組成物について、同様の試験を4回行った。結果を表1に示す。
表中の記号「◎」は、4回の試験で上記比率がいずれも実質的に0%であったことを示す。表中の記号「○」は、4回の試験で上記比率がいずれも0%超、50%以下であったことを示す。表中の記号「△」は、4回の試験のうち、2回又は3回で上記比率が0%超、50%以下であり、1回又は2回で上記比率が50%超であったことを示す。表中の記号「×」は、4回の試験のうち、0回又は1回で上記比率が0%超、50%以下であり、3回又は4回で上記比率が50%超であったことを示す。また、表中の記号「-」は、UV硬化が不十分であった(硬化性樹脂組成物がその形状を維持したまま剥離しうる膜を形成していなかった)ために評価を行わなかったことを示す。
表1より明らかなように、適切な量の(A)多官能(メタ)アクリレート化合物、(B)調節剤及び(C)多官能チオール化合物を含む、実施例1~36の硬化性樹脂組成物はいずれも、UV照射により短時間で硬化させることができる。また得られる硬化物は、その後加熱に続き冷却されても、被着体から剥離しにくい。なお、ポリ(アルキレングリコール)骨格を有する(A)多官能(メタ)アクリレート化合物を使用している実施例36の硬化性樹脂組成物の接着信頼性は、実施例1~35よりは劣るものの、比較例1~7よりは良好であった。
一方、(A)多官能(メタ)アクリレート化合物、(B)調節剤及び(C)多官能チオール化合物のいずれかの含有量が不適切な比較例1~7の硬化性樹脂組成物は、UV照射によって硬化させることができず、したがってUV硬化後の接着性を測定することができない(比較例3~5、7)か、又は、UV照射により硬化させることはできるが、得られる硬化物が、その後加熱に続き冷却されると被着体から剥離してしまう(比較例1、2、6)ことがわかる。
また、(B)調節剤の代わりに(B')反応性不飽和二重結合を有するエポキシ樹脂を含む比較例8の硬化性樹脂組成物は、UV照射により硬化させることはできるが、得られる硬化物が、その後加熱に続き冷却されると被着体から剥離してしまうことがわかる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。
Claims (11)
- 下記(A)~(D):
(A)多官能(メタ)アクリレート化合物;
(B)下記(b1)及び/又は(b2)を含む調節剤
(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物
(b2)反応性不飽和二重結合を有しないエポキシ樹脂;
(C)多官能チオール化合物;
(D)光ラジカル開始剤;及び
(E)熱硬化促進剤
を含み、
[(A)多官能(メタ)アクリレート化合物についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数]/[(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数]が0.4~0.8であり、
[(B)調節剤についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数+(B)調節剤についてのエポキシ基の総数]/[(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数]が0.05~0.65であり、
ここで、
(1)(B)調節剤が、(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物及び(b2)反応性不飽和二重結合を有しないエポキシ樹脂の両者を含み、[(B)調節剤についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数]:[(B)調節剤についてのエポキシ基の総数]が、1:0.01~1:20であるか、あるいは
(2)(B)調節剤が実質的に(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物からなる、
硬化性樹脂組成物。 - [(A)多官能(メタ)アクリレート化合物についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数]/[(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数]が0.5~0.7である、請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
- (B)調節剤が、(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物及び(b2)反応性不飽和二重結合を有しないエポキシ樹脂の両者を含み、[(B)調節剤についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数]:[(B)調節剤についてのエポキシ基の総数]が、1:0.01~1:20である、請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
- (C)多官能チオール化合物が3個以上のチオール基を有する、請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
- (C)多官能チオール化合物が3官能チオール化合物及び/又は4官能チオール化合物を含む、請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
- (A)多官能(メタ)アクリレート化合物が2官能(メタ)アクリレート化合物を含む、請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
- (B)調節剤が実質的に(b1)単官能(メタ)アクリレート化合物からなり、[(B)調節剤についての(メタ)アクリロイルオキシ基の総数+(B)調節剤についてのエポキシ基の総数]/[(C)多官能チオール化合物についてのチオール基の総数]が0.05~0.5である、請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1~7のいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物を含む接着剤。
- 請求項1~7のいずれか1項記載の硬化性樹脂組成物が硬化された硬化物。
- 請求項9記載の硬化物を含む半導体装置。
- 請求項9記載の硬化物を含むセンサモジュール。
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