JP2014141621A - 紫外線硬化性組成物 - Google Patents

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Naoki Egusa
直樹 江草
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Abstract

【課題】光重合開始剤や光重合開始剤分解物等の滲み出し(ブリード)や揮発による臭気がないため食品包装材料用途に好適に使用され得り、かつ酸素による反応阻害を受けず、硬化収縮が小さいなどの利点がある、顔料を含有した紫外線硬化性組成物、および、その硬化物を提供する。
【解決手段】エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)と、多官能チオール化合物(B)と、顔料(C)とを含有することを特徴とする紫外線硬化性組成物であって、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)と多官能チオール化合物(B)とを合わせた含有量が組成物全体に対して50〜99重量%であり、かつ、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)中のエチレン性不飽和二重結合基の数と多官能チオール化合物(B)中のメルカプト基の数との比率が90:10〜50:50である紫外線硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は紫外線硬化性組成物に関し、さらに詳細には、光重合後の硬化塗膜中に残留する光開始剤や光重合開始剤分解物等の揮発、溶出等の滲み出しや臭気等が問題となる用途において、上記課題を完全に排除することができる紫外線硬化性組成物に関する。
光硬化性組成物、特に紫外線硬化性組成物は印刷インキをはじめ、インクジェットインキ、塗料、オーバーコート材、印刷版用感光性樹脂、接着剤、粘着剤、カラーフィルター用レジスト、プリント基板用レジスト、半導体用フォトレジスト、ホログラム材料、成型樹脂、注型樹脂、光造形用樹脂、封止剤、各種デバイス等の分野で盛んに研究が行われている。
紫外線硬化性組成物は、光重合開始剤、ラジカル重合性を有するモノマー、顔料等の着色剤、添加剤等からなるものが知られている。光重合開始剤については、ノニオン型やイオン型、および金属錯体などが広く知られており、フォトポリマー懇話会編、「感光材料リストブック」、55〜72頁、1996年(ぶんしん出版)、「最新UV硬化実用便覧」、1〜50頁、2005年(技術情報協会)などにまとめられている。
汎用な光重合開始剤として、o-ベンゾイル安息香酸メチル等のベンゾフェノン系、ダロキュア1173、ダロキュア2959、イルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア369(イルガキュアとダロキュアはチバスペシャリティーケミカルズ社の商標)等のアセトフェノン系、イルガキュア651等のベンゾイン系、Lucirin TPO(BASF社)、イルガキュア819などのアシルホスフィンオキサイド系、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、ミヒラーズケトン、EAB(保土谷化学社製)などのベンゾフェノン系が挙げられる。
これらの光重合開始剤を含む紫外線硬化性組成物は高い硬化性を示すことが知られているが、光重合後の硬化塗膜中に残留する光重合開始剤や光重合開始剤分解物等の滲み出し(ブリード)や揮発による臭気を防ぐことは困難であり、食品包装用材料としての使用は不適当であった。
さらに、これら紫外線硬化性組成物を、顔料等の着色剤を含有したインキとして用いる場合には、着色剤による紫外線の吸収や透過阻害が起こるため、光重合開始剤を多量に配合する必要があり、光重合後の硬化塗膜中に残留する光重合開始剤や光重合開始剤分解物等の滲み出し(ブリード)や揮発による臭気の問題は更に顕著となっている。
これらの問題を解決する手段としてオリゴマーやポリマー型の高分子量型光重合開始剤が考案され、特許文献1〜5および非特許文献1、2には、高分子鎖の側鎖や末端、ないし樹状重合体末端等にラジカルが発生する官能基を導入した光重合開始剤が開示されている。また、実際にLamberti社からはESACURE KIPシリーズ等の光重合開始剤が上市されている。
確かに、低分子量の光重合開始剤と比べると、高分子量型光重合開始剤を使用することにより光重合開始剤や光重合開始剤分解物のブリードは低減するが、これらの高分子量型光重合開始剤は、低分子量の光重合開始剤と比べ硬化性が低いという問題がある。
さらに、高分子量型光重合開始剤は、合成した際の低分子量の未反応成分や、副生成物を取り込んでしまうため、インキ硬化後にそれらがブリードや揮発するという問題がある。
一方、ラジカル重合性を有するモノマーとしてはアクリル基やメタクリル基を有する化合物が多く用いられる。しかしながら、薄膜で塗工すると硬化時に酸素による重合阻害が起こるため、硬化が不十分となり所望の性能が得られ難い。また硬化収縮も大きいため反りやクラックが発生しやすく厚膜硬化に適さない問題点がある。
これに対し、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物とチオール基を有する化合物との反応は、重合開始剤の有無に関わらず紫外線照射により進行すること、酸素による反応阻害を受けないこと、硬化収縮が小さいなどの利点がある。この反応を利用した硬化方法や硬化物に関しては、一分子中にエチレン性不飽和二重結合を複数有する化合物とチオール基を複数有する化合物とからなる樹脂組成物(特許文献6〜8)などが提案されている。しかしながら、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物とチオール基を有する化合物との反応においては、顔料等の着色材を含有した樹脂組成物についての記載は全くない。
また、エポキシ化合物とエチレン性不飽和二重結合を有する多官能化合物と多官能チオール基を有する化合物からなる活性光線硬化型インク(特許文献9)が提案されている。しかしながら、これらはカチオン硬化系である組成物の一部を、エチレン性不飽和二重結合を有する多官能化合物と多官能チオール基を有する化合物に置き換えたものであり、エチレン性不飽和二重結合を有する多官能化合物と多官能チオール基を有する化合物の含有量は組成物全体に対して50重量%未満である。このため、光酸発生剤の使用は必須となっており、光重合後の硬化塗膜中に残留する光酸発生剤や光酸発生剤分解物等の滲み出し(ブリード)や揮発による臭気を防ぐことは困難である。
国際公開第03/033452パンフレット 国際公開第03/033492パンフレット 国際公開第97/17378パンフレット 国際公開第97/49664パンフレット 特開2006−28514号公報 特開昭49−54491号公報 特開昭50−27836号公報 特開昭53−134096号公報 特開2005−60463号公報
CRIVELLO,J.V.他、「Photoinitiators for Free Radical Cationic and Anionic Photopolymerization」、Surface Coatings Technology,1998,III巻、208−224頁 CORRALES,T.他、「Free radical macrophotoinitiators:an overview on recent advances」、Jounal of Photochemistry and Photobiology A:Chemistry,2003,159巻、No.2,103〜114頁
本発明の目的は、光重合開始剤や光重合開始剤分解物等の滲み出し(ブリード)や揮発による臭気がないため食品包装材料用途に好適に使用され得り、かつ酸素による反応阻害を受けず、硬化収縮が小さいなどの利点がある、顔料を含有した紫外線硬化性組成物を提供すること、および、その硬化物を提供することである。
本発明者は、以上の諸問題点を考慮し解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)と、多官能チオール化合物(B)と、顔料(C)とを含有することを特徴とする紫外線硬化性組成物であって、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)と多官能チオール化合物(B)とを合わせた含有量が組成物全体に対して50〜99重量%であり、かつ、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)中のエチレン性不飽和二重結合基の数と多官能チオール化合物(B)中のメルカプト基の数との比率が90:10〜50:50である紫外線硬化性組成物に関する。
更に本発明は、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)が、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能アリル化合物、および、多官能ビニル化合物のいずれかであることを特徴とする、上記紫外線硬化性組成物に関する。
更に本発明は、さらに、安定化剤(D)を含むことを特徴とする上記紫外線硬化性組成物に関する。
更に本発明は、上記紫外線硬化性組成物に紫外線を照射することにより得られる硬化物に関する。
更に本発明は、基板上に膜厚10μmの硬化物を形成し、さらに前記硬化物の上に基板と同じ大きさの塗布していないPET試験片を置き、温度60℃、圧力15g/cm2で1日放置し、塗布していないPET試験片に移行した化合物量が、前記硬化物の総量の10ppm未満であることを特徴とする上記硬化物に関する。
本発明の紫外線硬化性組成物は、光重合開始剤や光重合開始剤分解物等の滲み出し(ブリード)や揮発による臭気がなく、酸素による反応阻害を受けず硬化収縮が小さいことから、印刷インキをはじめ、インクジェットインキ、塗料、オーバーコート材、印刷版用感光性樹脂、接着剤、粘着剤、カラーフィルター用レジスト、プリント基板用レジスト、半導体用フォトレジスト、ホログラム材料、成型樹脂、注型樹脂、光造形用樹脂、封止剤、各種デバイス等の多方面の用途において有用である。特に食品包装材料用途に好適に使用され得る。
以下、詳細にわたって本発明の実施形態を説明する。
本発明に用いるエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)は紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーないしポリマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
このようなエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸およびそれらの塩、エステル、酸アミドや酸無水物があげられ、さらには、ウレタンアクリレート、アクリロニトリル、スチレン誘導体、種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ポリウレタンなどがあげられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に、本発明におけるエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)の具体例を挙げる。
単官能アルキルアクリレート類の例:
メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート。
単官能含ヒドロキシアクリレート類の例:
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート。
単官能含ハロゲンアクリレート類の例:
2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加アクリレート。
単官能含エーテル基アクリレート類の例:
2−メチルオキシエチルアクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルアクリレート、ブチルオキシエチルアクリレート、メチルオキシトリエチレングリコールアクリレート、メチルオキシポリエチレングリコール#400アクリレート、メチルオキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルオキシトリプロピレングリコールアクリレート、メチルオキシポリプロピレングリコールアクリレート、エチルオキシジエチレングリコールアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、クレジルポリエチレングリコールアクリレート、p−ノニルフェノキシエチルアクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、グリシジルアクリレート。
単官能含カルボキシルアクリレート類の例:
β−カルボキシエチルアクリレート、こはく酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート。
その他の単官能アクリレート類の例:
N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、モルホリノエチルアクリレート、トリメチルシロキシエチルアクリレート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート。
単官能アルキルメタクリレート類の例:
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート。
単官能含ヒドロキシメタクリレート類の例:
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート。
単官能含ハロゲンメタクリレート類の例:
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、1H−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、2,6−ジブロモ−4−ブチルフェニルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチルメタクリレート、2,4,6−トリブロモフェノール3EO付加メタクリレート。
単官能含エーテル基メタクリレート類の例:
2−メチルオキシエチルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ブチルオキシエチルメタクリレート、メチルオキシトリエチレングリコールメタクリレート、メチルオキシポリエチレングリコール#400メタクリレート、メチルオキシジプロピレングリコールメタクリレート、メチルオキシトリプロピレングリコールメタクリレート、メチルオキシポリプロピレングリコールメタクリレート、エチルオキシジエチレングリコールメタクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、クレジルポリエチレングリコールメタクリレート、p−ノニルフェノキシエチルメタクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、グリシジルメタクリレート。
単官能含カルボキシルメタクリレート類の例:
β−カルボキシエチルメタクリレート、こはく酸モノメタクリロイルオキシエチルエステル、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−メタクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート。
その他の単官能メタクリレート類の例:
ジメチルアミノメチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、トリメチルシロキシエチルメタクリレート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性−2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート。
アリレート類の例:
アリルグリシジルエーテル。
酸アミド類の例:
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン。
スチレン類の例:
スチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、p−メチルスチレン、p−メチルオキシスチレン、p−t−ブチルオキシスチレン、p−t−ブチルオキシカルボニルスチレン、p−t−ブチルオキシカルボニルオキシスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン。
他のビニル化合物の例:
酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンなど。
二官能アクリレート類の例:
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200ジアクリレート、ポリエチレングリコール#300ジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジアクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル)エーテル、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノベンゾエート、ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、PO変性ビスフェノールAジアクリレート、水素化ビスフェノールAジアクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールFジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、PO変性ビスフェノールFジアクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン。
三官能アクリレート類の例:
グリセリンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリアクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレートトリプロピオネート。
四官能以上のアクリレート類の例:
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルテトラアクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)ホスフェート。
二官能メタクリレート類の例:
1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#300ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#400ジメタクリレート、ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、テトラプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#400ジメタクリレート、ポリプロピレングリコール#700ジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールビス(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)エーテル、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールジメタクリレートモノベンゾエート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性ビスフェノールAジメタクリレート、水素化ビスフェノールAジメタクリレート、EO変性水素化ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性水素化ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、EO変性ビスフェノールFジメタクリレート、PO変性ビスフェノールFジメタクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジメタクリレート、トリシクロデカンジメチロールジメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン。
三官能メタクリレート類の例:
グリセリンPO変性トリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリメタクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ε−カプロラクトン変性トリメタクリレート、1,3,5−トリメタクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレートトリプロピオネート。
四官能以上のメタクリレート類の例:
ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレートモノプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、オリゴエステルテトラメタクリレート、トリス(メタクリロイルオキシ)ホスフェート。
多官能アリル化合物の例:
トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルアジペート、ジアリルフタレート、テトラアリルピロメリテート、グリセリンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル、ソルビトールジアリルエーテル。
多官能ビニル化合物の例:
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、グリセリンジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシルシクロヘキサンジビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサンジビニルエーテル、ハイドロキノンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ハイドロキノンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性レゾルシンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールSジビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、ジペンタエリスリトールポリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンポリビニルエーテル。
本発明に用いるエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)は、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能アリル化合物、多官能ビニル化合物のいずれかであることが好ましく、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
多官能(メタ)アクリレート化合物は特に限定されないが、入手しやすい点から(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル類が好ましい。1分子中に含まれる(メタ)アクリル基の数は2〜10個であることが好ましく、3〜6個であることがより好ましい。
多官能アリル化合物は特に限定されないが、1分子中に含まれるアリル基の数は2〜6個であることが好ましく、3〜4個であることがより好ましい。
多官能ビニル化合物は特に限定されないが、1分子中に含まれるビニル基の数は2〜6個であることが好ましく、3〜4個であることがより好ましい。
次に本発明の多官能チオール化合物(B)について詳述する。
本発明の多官能チオール化合物(B)は、下記一般式(1)で表される基を2個以上含有する化合物である。
一般式(1)
Figure 2014141621
式中、R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基、あるいは水素原子である。
1およびR2における炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、その例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられ、中でもメチル基またはエチル基が好ましい。
mは0または1〜2の整数であり、nは0または1である。
本発明の多官能チオール化合物(B)は、一般式(1)で表されるメルカプト基含有カルボン酸とアルコール類をエステル化することにより合成できる化合物が含まれる。この際、エステル化反応後の化合物を多官能チオール化合物とするために、アルコール類として多官能アルコールを用いる。
また、上記多官能チオール化合物の製造方法は、特に限定されるものではないが、上述した一般式(1)で表されるメルカプト基含有カルボン酸とアルコール類とを常法に従って反応させてエステルを形成させることにより、得ることができる。エステル反応の条件については特に制限はなく、従来公知の反応条件の中から適宜選択することができる。
一般式(1)で表されるメルカプト基含有カルボン酸の具体例としては、チオグリコール酸、チオプロピオン酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト−3−フェニルプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、2−メルカプトイソ酪酸、3−メルカプトイソ酪酸、2−メルカプト−3−メチル酪酸、3−メルカプト−3−メチル酪酸、3−メルカプト吉草酸、3−メルカプト−4−メチル吉草酸等が挙げられる。
多官能アルコールの具体的な例としては、アルキレングリコール(但し、炭素数2〜10のアルキレン基が好ましく、その炭素鎖は枝分かれしていてもよい。例としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。)、ジエチレングリコール、グリセリン、ジグリセロール、ポリグリセリン、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、ノルボルナンジメタノール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ポリカーボネートジオール、両末端ヒドロキシポリシリコーン、芳香環を含有したポリオールなどが挙げられる。
中でも、好ましい多官能アルコールとしては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、ペンタエリスリトール、ポリカーボネートジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられ、芳香環を含有したポリオールとしては、ビスフェノールA−ジヒドロキシエチルエーテル、4、4'−(9−フルオレニリデン)ジフェノール、4、4'−(9−フルオレニリデン)ビス(2−フェノキシエタノール)などが挙げられる。
これらの多官能アルコールをエステル化してなるカルボン酸誘導体構造を含む多官能チオール化合物の具体例としては、下記一般式(2)〜(6)で表される多官能チオール化合物が好ましい。
一般式(2)
Figure 2014141621
式中、Lは一般式(1)で示される基を表わす。
一般式(3)
Figure 2014141621
式中、Lは一般式(1)で示される基を表わす。
一般式(4)
Figure 2014141621
式中、Lは一般式(1)で示される基を表わす。
一般式(5)
Figure 2014141621
式中、Lは一般式(1)で示される基を表わす。
一般式(6)
Figure 2014141621
式中、Lは一般式(1)で示される基を表わす。
中でも好ましくは、ブタンジオールビス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(2−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトイソブチレート)、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリス(2−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプト−3−メチルブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプト−3−メチルブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト−3−メチルブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプト−3−メチルブチレート)、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリス(3−メルカプト−3−メチルブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプト4−メチルペンチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプト4−メチルペンチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト4−メチルペンチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプト4−メチルペンチレート)、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートトリス(3−メルカプト4−メチルペンチレート)が挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)と多官能チオール化合物(B)とを合わせた含有量は、組成物全体に対して50〜99重量%で用いられ、好ましくは70〜99重量%で用いられ、さらに好ましくは85〜99重量%で用いられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)と多官能チオール化合物(B)とを合わせた含有量が50重量%未満の場合、硬化膜を得るためにはエポキシ化合物やオキセタン化合物などエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)以外の重合性化合物の添加が必要である。上記組成物を硬化させる際に、光重合開始剤や光酸発生剤の添加が必須であるため、光重合後の硬化塗膜中に残留する光重合開始剤や光酸発生剤の滲み出し(ブリード)や揮発による臭気が問題となり好ましくない。
エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)中のエチレン性不飽和二重結合基の数と多官能チオール化合物(B)中のメルカプト基の数との比率は90:10〜50:50の範囲で用いられる。
多官能チオール化合物(B)中のメルカプト基の数の比率が10未満の場合、硬化膜を得ることが難しく、光重合開始剤の添加により硬化膜を得ることが出来る。しかしながら、光重合後の硬化塗膜中に残留する光重合開始剤や光酸発生剤の滲み出し(ブリード)や揮発による臭気が問題となり好ましくない。さらには、薄膜塗工では硬化時に酸素による重合阻害が起こるため、硬化が不十分となり所望の性能が得られ難い。また硬化収縮も大きいため反りやクラックが発生しやすく厚膜硬化に適さない問題点がある。
一方、多官能チオール化合物(B)中のメルカプト基の数の比率が50より大きい場合、未反応の多官能チオールが存在するため十分な硬化性が得られないだけでなく、光重合後の硬化塗膜中に残留する未反応の多官能チオールが、滲み出し(ブリード)や揮発による臭気が問題となるため好ましくない。
次に本発明の顔料(C)について詳述する。
本発明の顔料(C)は、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色の顔料または有彩色の有機顔料が挙げられる。これらはただ一種のみ用いても、または色相および濃度の調整等を目的とする特性を向上するために任意の比率で二種以上混合した系でもかまわない。
具体的な有機顔料としては、トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザエロー、ベンジジンエロー、ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料、リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料、アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーンなどの建染染料からの誘導体、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系有機顔料、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系有機顔料、ペリレンレッド、ペリレンスカーレットなどのペリレン系有機顔料、イソインドリノンエロー、イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン系有機顔料、ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジなどのピランスロン系有機顔料、チオインジゴ系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、キノフタロンエローなどのキノフタロン系有機顔料、イソインドリンエローなどのイソインドリン系有機顔料、その他の顔料として、フラバンスロンエロー、アシルアミドエロー、ニッケルアゾエロー、銅アゾメチンエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等の公知公用の各種顔料が挙げられる。
有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで例示すると、C.I.ピグメントエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86 93、109、110、117、120、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、C.I.ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントブラウン23、25、26等が挙げられる。
カーボンブラックの具体例としては、デグサ社製「Special Black350、250、100、550、5、4、4A、6」「PrintexU、V、140U、140V、95、90、85、80、75、55、45、40、P、60、L6、L、300、30、3、35、25、A、G」、キャボット社製「REGAL400R、660R、330R、250R」「MOGUL E、L」、三菱化学社製「MA7、8、11、77、100、100R、100S、220、230」「#2700、#2650、#2600、#200、#2350、#2300、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#900、#850、#750、#650、#52、#50、#47、#45、#45L、#44、#40、#33、#332、#30、#25、#20、#10、#5、CF9、#95、#260」等が挙げられる。
酸化チタンの具体例としては、石原産業社製「タイペークCR−50、50−2、57、80、90、93、95、953、97、60、60−2、63、67、58、58−2、85」「タイペークR−820,830、930、550、630、680、670、580、780、780−2、850、855」「タイペークA−100、220」「タイペークW−10」「タイペークPF−740、744」「TTO−55(A)、55(B)、55(C)、55(D)、55(S)、55(N)、51(A)、51(C)」「TTO−S−1、2」「TTO−M−1、2」、テイカ社製「チタニックスJR−301、403、405、600A、605、600E、603、805、806、701、800、808」「チタニックスJA−1、C、3、4、5」、デュポン社製「タイピュアR−900、902、960、706、931」等が挙げられる。
上記顔料の中で、キナクリドン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、ベンズイミダゾロン系有機顔料、イソインドリノン系有機顔料、縮合アゾ系有機顔料、キノフタロン系有機顔料、イソインドリン系有機顔料等は耐光性が優れているため好ましい。有機顔料は、レーザー散乱による測定値で平均粒径10〜150nmの微細顔料であることが好ましい。顔料の平均粒径が10nm未満の場合は、粒径が小さくなることによる耐光性の低下が生じ、150nmを越える場合は、分散の安定維持が困難になり、顔料の沈澱が生じやすくなる。
有機顔料の微細化は下記の方法で行うことができる。すなわち、有機顔料、有機顔料の3重量倍以上の水溶性の無機塩および水溶性の溶剤の少なくとも3つの成分からなる混合物を粘土状の混合物とし、ニーダー等で強く練りこんで微細化したのち水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌してスラリー状とする。次いで、スラリーの濾過と水洗を繰り返して、水溶性の無機塩および水溶性の溶剤を除去する。微細化工程において、樹脂、顔料分散剤等を添加してもよい。
水溶性の無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。これらの無機塩は、有機顔料の3重量倍以上、好ましくは20重量倍以下の範囲で用いる。無機塩の量が3重量倍よりも少ないと、所望の大きさの処理顔料が得られない。また、20重量倍よりも多いと、後の工程における洗浄処理が多大であり、有機顔料の実質的な処理量が少なくなる。
水溶性の溶剤は、有機顔料と破砕助剤として用いられる水溶性の無機塩との適度な粘土状態をつくり、充分な破砕を効率よく行うために用いられ、水に溶解する溶剤であれば特に限定されないが、混練時に温度が上昇して溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から沸点120〜250℃の高沸点の溶剤が好ましい。水溶性溶剤としては、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
本発明において顔料は、十分な濃度および十分な耐光性を得るため、紫外線硬化性組成物中に1〜50重量%の範囲で用いられる。
本発明では、顔料の分散性および紫外線硬化性組成物の保存安定性を向上させるために顔料分散剤を添加するのが好ましい。顔料分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート等を用いることができる。
分散剤の具体例としては、BYK Chemie社製「Anti−Terra−U(ポリアミノアマイド燐酸塩)」、「Anti−Terra−203/204(高分子量ポリカルボン酸塩)」、「Disperbyk−101(ポリアミノアマイド燐酸塩と酸エステル)、107(水酸基含有カルボン酸エステル)、110、111(酸基を含む共重合物)、130(ポリアマイド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「400」、「Bykumen」(高分子量不飽和酸エステル)、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸)」、「P104S、240S(高分子量不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン系)」、「Lactimon(長鎖アミンと不飽和酸ポリカルボン酸とシリコン)」が挙げられる。
また、Efka CHEMICALS社製「エフカ44、46、47、48、49、54、63、64、65、66、71、701、764、766」、「エフカポリマー100(変性ポリアクリレート)、150(脂肪族系変性ポリマー)、400、401、402、403、450、451、452、453(変性ポリアクリレート)、745(銅フタロシアニン系)」、共栄社化学社製「フローレン TG−710(ウレタンオリゴマー)、「フローノンSH−290、SP−1000」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合物)」、楠本化成社製「ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)」が挙げられる。
さらに、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩)、EP」、「ホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子)、「エマルゲン920、930、931、935、950、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、「アセタミン24(ココナッツアミンアセテート)、86(ステアリルアミンアセテート)」、アビシア社製「ソルスパーズ5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000(脂肪酸アミン系)、24000GR、32000、33000、39000、41000、53000」、日光ケミカル社製「ニッコール T106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)、Hexagline 4−0(ヘキサグリセリルテトラオレート)」、味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821、822、824」等が挙げられる。
分散剤の添加量はとくに限定されるものではないが、好ましくは紫外線硬化性組成物中に0.1〜10重量%の範囲で用いられる。
本発明の紫外線硬化性組成物には、顔料の分散性およびインキの保存安定性をより向上させるために、有機顔料の酸性誘導体を顔料の分散時に配合することが好ましい。
次に本発明の安定化剤(D)について詳述する。
本発明の安定化剤(D)は、公知化合物、例えば特開平5−155987、特開2012−17448等に記載された化合物である。
安定化剤の量は、チオール化合物とエチレン性不飽和二重結合含有化合物の総質量に対して、1〜20000wtppmが好ましく、10〜10000wtppmがより好ましく、50〜5000wtppmがさらに好ましい。一級チオール化合物に比べて反応性の低い、二級または三級チオール化合物の場合には、1〜2000wtppmが好ましく、10〜1000wtppmがより好ましく、50〜500wtppmがさらに好ましい。また、一級チオール化合物の場合には、10〜20000wtppmが好ましく、100〜10000wtppmがより好ましく、500〜5000wtppmがさらに好ましい。安定化剤の量が1wtppmより少ないと安定化効果が十分でなく保存中にゲル化し、安定化剤の量が20000wtppmより多いと光硬化時の硬化性が悪化する傾向がある。
本発明の紫外線硬化性組成物には、更に性能改良のため、本来の特性を変えない範等でホスフィン、ホスホネート、ホスファイト等の酸素除去剤や還元剤、カブリ防止剤、退色防止剤、ハレーション防止剤、蛍光増白剤、界面活性剤、増量剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発砲剤、防カビ剤、帯電防止剤、磁性体やその他種々の特性を付与する添加剤などを添加しても良い。
添加剤の添加量はとくに限定されるものではないが、好ましくは紫外線硬化性組成物中に0.1〜10重量%の範囲で用いられる。

本発明で得られた紫外線硬化性組成物は、従来同様の手法を用いて、印刷や硬化をすることが出来る。すなわち、本発明の紫外線硬化性組成物を基材へ塗布し、紫外線照射により硬化物を得ることが出来る。
本発明で用いることのできる基材としては、非コート紙、コート紙、非吸収性支持体等が挙げられる。
具体的な非吸収性支持体としては、各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムが挙げられ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムを挙げることが出来る。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、金属類やガラス類も使用することが出来る。
本発明の紫外線硬化性組成物は紫外線によるエネルギーの付与により反応し、目的とする硬化物を得ることが可能である。尚、本明細書でいう紫外線の定義は久保亮五ら編「岩波理化学辞典第4版」(1987年、岩波)によった。
紫外線光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、アルゴンイオンレーザ、ヘリウムカドミウムレーザ、ヘリウムネオンレーザ、クリプトンイオンレーザ、各種半導体レーザ、YAGレーザ、発光ダイオード、CRT光源、プラズマ光源、ArFエキシマーレーザ、KrFエキシマーレーザ、F2レーザ等を挙げることができるが、これらに限定されない。
以下、実施例にて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例のみに、なんら限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、例中、部とは重量部を示す。
まず、顔料と顔料分散剤とからなるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック顔料分散体を作成した。このうちシアン顔料分散体の配合を表1に示す。この分散体は有機溶剤中に顔料および分散剤を投入し、ハイスピードミキサーで均一になるまで攪拌後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散して作製した。
表1
Figure 2014141621
実施例1(紫外線硬化組成物の製造)
先に調整したシアン顔料分散体10部、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)として、トリメチロールプロパントリアクリレート41部、多官能チオール(B)として、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)49部を混合して紫外線硬化性組成物1を得た。本組成物中のエチレン性不飽和二重結合基の数とメルカプト基の数との比率(官能基比率)は50:50である。
実施例2〜37(紫外線硬化組成物の製造)
実施例1において、シアン顔料分散体の配合量、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)の種類と配合量、多官能チオール(B)の種類と配合量、安定化剤(D)の種類と配合量を表2に示す通りに変えたこと以外は、実施例1と同様にして紫外線硬化性組成物2〜37を得た。
表2
Figure 2014141621
表2に記載の詳細は以下の通りである。
*1:組成物全体に対するエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)と多官能チオール化合物(B)とを合わせた含有量(重量%)
*2:(A)中のエチレン性不飽和二重結合基の数と(B)中のメルカプト基の数との比率
*3:組成物全体に対するシアン顔料分散体の含有量(重量%)
A−1:トリメチロールプロパントリアクリレート
A−2:トリアリルイソシアヌレート
A−3:1,4−ブタンジオールジビニルエーテル
A−4:ブチルアクリレート
B−1:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)
B−2:トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)
B−3:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)
B−4:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト−3−メチルブチレート)
D−1:4−メトキシ−1−ナフトール
D−2:ヨウ化カリウムとヨウ素の混合物
比較例1(紫外線硬化組成物の製造)
先に調整したシアン顔料分散体10部、セロキサイド2021P(ダイセル化学工業社製)70部、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)として、トリメチロールプロパントリアクリレート8部、多官能チオール(B)として、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)10部、その他成分(E)として、光酸発生剤IRGACURE250(BASF(株)製)2部を混合して紫外線硬化性組成物38を得た。
比較例2〜54(紫外線硬化組成物の製造)
比較例1において、セロキサイド2021Pの配合量、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)の種類と配合量、多官能チオール(B)の種類と配合量、その他成分(E)の配合量を表3に示す通りに変えたこと以外は、比較例1と同様にして紫外線硬化性組成物39〜91を得た。
表3
Figure 2014141621
Figure 2014141621
表3に記載の詳細は以下の通りである。
*1:組成物全体に対するエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)と多官能チオール化合物(B)とを合わせた含有量(重量%)
*2:(A)中のエチレン性不飽和二重結合基の数と(B)中のメルカプト基の数との比率
A−1:トリメチロールプロパントリアクリレート
A−2:トリアリルイソシアヌレート
A−3:1,4−ブタンジオールジビニルエーテル
A−4:ブチルアクリレート
B−1:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)
B−2:トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)
B−3:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)
B−4:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト−3−メチルブチレート)
(1)硬化性試験
調整した紫外線硬化性組成物をPET基板上に膜厚がそれぞれ1μm、10μmとなるよう塗布し、紫外線照射(高圧水銀灯120W/cm2 1灯)後、組成物表面を指触して粘着性のないコンベアスピードで判定した。紫外線照射装置のコンベアスピード(m/分)で数字が大きい程硬化性が良い。結果を表0に示す。評価は下記の3段階であり、評価が△以上であれば実用上問題ないレベルである。
○:30m/分以上
△:20m/分以上、30m/分未満
×:20m/分未満
(2)ブリード量試験
(1)硬化性試験と同条件で硬化した膜厚10μmの硬化物の上に塗布していないPET基板を置き、温度60℃、圧力15g/cm2で1日放置し、塗布していないPET基板に移行した化合物量を定量した。結果を表0に示す。評価は下記の3段階であり、評価が△以上であれば実用上問題ないレベルである。
○:1ppm未満
△:1ppm以上、10ppm未満
×:10ppm以上
(3)硬化収縮試験
(1)硬化性試験と同条件で硬化した膜厚10μmの硬化物の収縮率を測定した。結果を表0に示す。評価は下記の3段階であり、評価が△以上であれば実用上問題ないレベルである。
○:2%未満
△:2%以上、10%未満
×:10%以上
‐:未硬化のため測定不可
(4)保存安定性試験
紫外線硬化性組成物を40℃に加熱し、ゲル化するまでの日数を測定した。結果を表0に示す。評価は下記の3段階であり、評価が△以上であれば実用上問題ないレベルである。
○:30日以上
△:5日以上、30日未満
×:5日未満
表4
Figure 2014141621
Figure 2014141621
Figure 2014141621
以上の結果より、本発明の紫外線硬化性組成物は、光重合開始剤や光酸発生剤を使用せずとも十分な硬化性を示し、硬化物から移行する化合物量を大幅に抑えることができることが明らかとなった。これにより、食品包装材料用途に好適に使用され得る。
また、従来のアクリル系紫外線硬化性組成物で問題となっていた薄膜における酸素阻害による硬化不良や、硬化収縮の問題も大幅に改善できることが明らかとなった。

Claims (5)

  1. エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)と、多官能チオール化合物(B)と、顔料(C)とを含有することを特徴とする紫外線硬化性組成物であって、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)と多官能チオール化合物(B)とを合わせた含有量が組成物全体に対して50〜99重量%であり、かつ、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)中のエチレン性不飽和二重結合基の数と多官能チオール化合物(B)中のメルカプト基の数との比率が90:10〜50:50である紫外線硬化性組成物。
  2. エチレン性不飽和二重結合を有する化合物(A)が、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能アリル化合物、および、多官能ビニル化合物のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の紫外線硬化性組成物。
  3. さらに、安定化剤(D)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の紫外線硬化性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線硬化性組成物に紫外線を照射することにより得られる硬化物。
  5. 基板上に膜厚10μmの硬化物を形成し、さらに前記硬化物の上に基板と同じ大きさの塗布していないPET試験片を置き、温度60℃、圧力15g/cm2で1日放置し、塗布していないPET試験片に移行した化合物量が、前記硬化物の総量の10ppm未満であることを特徴とする請求項4に記載の硬化物。
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