JP7802259B2 - 水性インクジェットインキ用樹脂組成物 - Google Patents
水性インクジェットインキ用樹脂組成物Info
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Description
本発明の水性インクジェットインキ用樹脂組成物は、エマルジョン樹脂を含む。エマルジョン樹脂は基材上で超高分子量の樹脂を成膜させることで、擦過性を発現することができる。しかし、インクジェットヘッドノズルの目詰まりが生じやすく、目詰まりが回復しにくいといった問題とより高度な耐性である耐水擦過性、耐アルコール擦過性を両立させることが難しく印刷物に必要な耐性が得られず、外観不良を発生してしまう。
コアポリマー(A)と、コアポリマー(A)を被覆するシェルポリマー(B)とを含有するコアシェル構造を有するエマルション樹脂において、コアポリマー(A)のガラス転移温度が65℃以上であり、かつ、コアポリマー(A)のガラス転移温度がシェルポリマー(B)のガラス転移温度より高いことにより、印刷乾燥時にまずシェルポリマー(B)が溶融し、コアポリマー(A)の成膜助剤となることで高速生産低乾燥エネルギー下でもエマルション樹脂が成膜することで優れた耐水擦過性、耐アルコール擦過性を有する印刷物が得られたと考える。また、シェルポリマー(B)の酸価が200mgKOH/g以上にすることで、水への再分散性が向上し、さらに、コアポリマー(A)のガラス転移温度が65℃以上であることで水性インクジェットヘッドの使用温度付近ではコアポリマー(A)同士の融着を防止することで、インクジェットヘッドのノズル目詰まり回復性を向上させ良好な吐出安定性を得られたものと考える。さらに、コアポリマー(A)とシェルポリマー(B)の質量比が90/10~60/40であることで、印刷物の優れた耐性と良好な吐出安定性を両立させるという困難な課題を解決できたものと考える。
コアポリマー(A)を構成するポリマーは単独重合体であっても共重合体であってもよい。コアポリマー(A)のガラス転移温度は、良好な耐水擦過性、耐アルコール擦過性および水性インクジェットヘッドの使用温度付近ではコアポリマー(A)同士の融着を防止させ良好な吐出安定性の観点から65℃以上である必要がある。より好ましくは90℃以上であり、特に好ましくは100℃以上である。
コアポリマー(A)のガラス転移温度は、シェルポリマー(B)のガラス転移温度より5℃以上高いことが好ましく、10℃以上高いことがより好ましい。また、コアポリマー(A)とシェルポリマー(B)のガラス転移温度の差は50℃以下であることが好ましく、40℃以下であることがより好ましい。
Wn :各単量体の質量分率
Tgn:各単量体の単独重合体のガラス転移温度(単位:K)
Tg :共重合体のガラス転移温度(単位:K)
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル基含有ビニル単量体;
スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、ビニルナフタレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシジエチレングリコールメタクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールメタクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート等の芳香族ビニル単量体;
等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用できる。なお本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」から選ばれる少なくとも1種を表す。
芳香族ビニル単量体としてはスチレン及びα-メチルスチレンが好ましく、スチレン及びα-メチルスチレンから選ばれるビニル単量体単位の合計の含有量が15~50質量%であることが好ましい。なお本発明において、ビニル単量体単位とは、ビニル単量体に由来する構造単位を意味する。
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、アリルアルコール等のヒドロキシル基含有ビニル単量体;
アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシメチル(メタ)アクリレート、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルオキシエチルコハク酸、メタクリロイルオキシエチルコハク酸、アクリロイルオキシエチルフタル酸、メタクリロイルオキシエチルフタル酸、アクリロイルオキシイソ酪酸、メタクリロイルオキシイソ酪酸、2-スルホエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルオキシエチルホスホン酸、メタクリロイルオキシエチルホスホン酸、2-(ホスホノオキシ)エチル(メタ)アクリレート、ビニルスルホン酸、スチレンカルボン酸、スチレンスルホン酸、スチレンホスホン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸などのジカルボン酸ビニル単量体及びその無水物又は半エステル等のアニオン基含有ビニル単量体;
等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用できる。これらに中でもアミド基含有ビニル単量体を使用するとコアシェル型樹脂エマルジョンの保存安定性をより向上できる。
具体的には、例えば、アリル(メタ)アクリレート、1-メチルアリル(メタ)アクリレート、2-メチルアリル(メタ)アクリレート、1-ブテニル(メタ)アクリレート、2-ブテニル(メタ)アクリレート、3-ブテニル(メタ)アクリレート、1,3-メチル-3-ブテニル(メタ)アクリレート、2-クロルアリル(メタ)アクリレート、3-クロルアリル(メタ)アクリレート、o-アリルフェニル(メタ)アクリレート、2-(アリルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルラクチル(メタ)アクリレート、シトロネリル(メタ)アクリレート、ゲラニル(メタ)アクリレート、ロジニル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルイタコン酸、ビニル(メタ)アクリレート、クロトン酸ビニル、オレイン酸ビニル,リノレン酸ビニル、2-(2’-ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、ジビニルベンゼン、アジピン酸ジビニル、イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等の2個以上のビニル基を有するビニル単量体;
等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用できる。
本発明のコアシェル型樹脂エマルジョンに使用されるシェルポリマー(B)には、コアポリマー(A)に使用するモノマーを共重合させる高分子界面活性剤の役割がある。そのため適度な親水性を有するアニオン基を含むビニル単量体と、適度な疎水性を有する芳香族ビニル単量体を含むビニル単量体を使用することが好ましい。シェルポリマー(B)の酸価は、コアシェル型樹脂エマルジョンの良好な水への再分散性の観点から200mgKOH/g以上である必要がある。より好ましくは210mgKOH/g以上であり、特に好ましくは220mgKOH/g以上である。酸価を上記範囲にすることでインクジェットヘッドのノズル目詰まり回復性がより向上する。なお酸価とは、1gの試料中に含まれる酸性成分を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数(mgKOH/g)を意味する。樹脂の酸価は、前記樹脂を構成する各構成単位(単量体)から算出することができる。
具体的には、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐アルキル基含有ビニル単量体;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル基含有ビニル単量体;
(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-プロポキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N-ペントキシメチル-(メタ)アクリルアミド、N,N-ジ(メトキシメチル)アクリルアミド、N-エトキシメチル-N-メトキシメチルメタアクリルアミド、N,N-ジ(エトキシメチル)アクリルアミド、N-エトキシメチル-N-プロポキシメチルメタアクリルアミド、N,N-ジ(プロポキシメチル)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-N-(プロポキシメチル)メタアクリルアミド、N,N-ジ(ブトキシメチル)アクリルアミド、N-ブトキシメチル-N-(メトキシメチル)メタアクリルアミド、N,N-ジ(ペントキシメチル)アクリルアミド、N-メトキシメチル-N-(ペントキシメチル)メタアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-(1,1-ジメチル-3-オキソブチル)アクリルアミド等のアミド基含有ビニル単量体;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、アリルアルコール等のヒドロキシル基含有ビニル単量体;等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは1種類または2種以上を併用できる。
は低い反応温度で重合ができる。具体的には、例えば、スコルビン酸、エルソルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウムなどの還元性の無機化合物が挙げられる。前記還元剤は、ビニル単量体100質量部に対して、0.05~5質量部使用することが好ましい。
水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの水酸化物塩;等が挙げられる。これらの中でも、印刷後の乾燥での除去が容易なアンモニアが好ましい。
次に、本発明を構成する水性インクジェットインキについて説明する。前記水性インクジェットインキ(以下、単に「水性インキ」「インキ」ともいう)は、前記コアシェル型樹脂エマルジョン、顔料、顔料分散樹脂、水溶性有機溶剤、界面活性剤、及び水とを含んでいる。
本発明の水性インクジェットインキに使用される顔料としては、無機顔料、及び有機顔料のいずれも使用でき、特に限定されない。有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系などの顔料が挙げられる。無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、ベンガラ、アルミニウム、マイカ(雲母)などが挙げられる。酸化チタンは、少なくともシリカまたはアルミナで表面被覆された酸化チタンが好ましい。なお、カラーインデックスに収載のC.I.ピグメントとして記載されている顔料を随時使用することができる。
顔料を水性インキ中で安定的に分散保持する方法として、(1)顔料分散樹脂を顔料表面に吸着させ分散する方法、(2)水溶性及び/または水分散性の界面活性剤を顔料表面に吸着させ分散する方法、(3)顔料表面に親水性官能基を化学的・物理的に導入し、分散樹脂や界面活性剤なしでインキ中に分散する方法(自己分散顔料)、(4)水不溶性樹脂で顔料を被覆し、必要に応じて更に別の顔料分散樹脂や界面活性剤を用いてインキ中に分散させる方法などを挙げることができる。
水溶性有機溶剤としては、特に限定されるものでなく、既知のものを任意に用いることができるが、前記コアシェル型樹脂エマルジョンや、前記顔料分散樹脂、界面活性剤等の材料成分との相溶性・親和性の観点から、グリコールエーテル系溶剤及び/またはアルキルポリオール系溶剤を含有することが好ましい。アルキルポリオール系溶剤としては、1,2-エタンジオール(エチレングリコール)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどを挙げることができる。グリコールエーテル系溶剤としては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、などのグリコールジアルキルエーテル類などを挙げることができる。
本発明で用いられる水性インクジェットインキは、その表面張力を調整し、フィルム基材上の濡れ性を確保し、印刷画質を向上させる目的で、界面活性剤を使用することが好ましい。一方で、表面張力が低すぎると、インクジェットヘッドのノズル面が水性インキで濡れてしまい、吐出安定性を損なうことから、界面活性剤の種類と量の選択は重要である。最適な濡れ性の確保と、インクジェットヘッドからの安定吐出の実現という観点から、シロキサン系、アセチレン系、アクリル系、フッ素系、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系等の界面活性剤を使用することが好ましく、シロキサン系及び/またはアセチレン系界面活性剤を使用することが特に好ましい。界面活性剤の添加量としては、水性インクジェットインキ全量に対して、0.05質量%以上5.0質量%以下が好ましく、0.1質量%以上3.0質量%以下がより好ましい。0.05質量%以上とすることで界面活性剤の機能を十分に発揮することができ、また、5.0質量%以下とすることで、水性インキの保存安定性及び吐出安定性を好適なレベルに維持できる。
本発明の水性インクジェットインキにはその他、pH調整剤、消泡剤、増粘剤、防腐剤、ワックスなどを適宜に添加することができる。
本発明の水性インクジェットインキは、インクジェット印刷方式によって、基材上に印刷される。その際、1パス印刷方式(ラインプリント方式とも言う)により印刷されることが好適である。1パス印刷方式は、インクジェットヘッドを複数回走査するマルチパス方式に比べて走査回数が少なく、印刷速度を上げることができることから、印刷速度が要求される産業用途に好適である。また、600dpi以上の高い記録解像度において印刷画質の高い印刷物が得られることからも、好適である。なお「記録解像度」はdpi(DotsPerInch)の単位で表されるものであり、1インチあたりに印刷される水性インクジェットインキ液滴の数を表す。また本明細書中における「記録解像度」は、基材の搬送方向における記録解像度、及び前記基材面内で搬送方向に対し垂直方向(以下、記録幅方向とする)における記録解像度の両方を指すものとする。
本発明のインキを印刷する基材は、特に限定されるものではなく、既知のものを任意に使用できる。中でも、パッケージ用途では、非浸透性基材または難浸透性基材が好適であり、特に非浸透性基材に対して好適に使用できる。なお本明細書では、記録媒体の浸透性は、動的走査吸液計によって測定される吸水量によって判断するものとする。具体的には、下記方法によって測定される、接触時間100msecにおける純水の吸水量が、1g/m2未満である記録媒体を「非浸透性基材」とし、1~10g/m2である記録媒体を「難浸透性基材」とする。
・測定方法:螺旋走査(Spiral Method)
・測定開始半径:20mm
・測定終了半径:60mm
・接触時間:10~1,000msec
・サンプリング点数:19(接触時間の平方根に対してほぼ等間隔になるよう測定)
・走査間隔:7mm
・回転テーブルの速度切替角度:86.3度
・ヘッドボックス条件:幅5mm、スリット幅1mm
樹脂固形分1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数であり、乾燥させた樹脂について、JISK2501に記載の方法に従い、水酸化カリウム
・エタノール溶液で電位差滴定により算出した。
重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算値であり、樹脂をテトラヒドロフランに溶解させ、0.1%の溶液に調製し、東ソー製HLC-8320-GPC(カラム;TSKgel-SuperMultiporeHZ-M分子量測定範囲約2000~約2000000)により重量平均分子量を測定した。
マイクロトラック・ベル社製 ナノトラックUPA150を用いて、動的光散乱法による粒子分布測定法で測定し、D50の値を平均粒子径とした。
攪拌器、温度計、2つの滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イソプロピルアルコール60.7部を仕込み、攪拌しながら、窒素還流下で温度80℃まで昇温した。次に、2つの滴下ロートを準備し、一方に、スチレン50.0部、メタクリル酸メチル15.5部、ブチルアクリレート6.9部、アクリル酸27.6部を仕込み3時間かけて滴下した。他方にはジメチル2,2’-アゾビスイソブチレート10.0部をイソプロピルアルコール6.0部に溶解させて仕込み、4時間かけて滴下した。滴下完了後、還流温度で10時間反応を継続した後反応を終了した。更に、室温まで冷却した後、濃度25%のアンモニア水を添加して完全に中和したのち、水を150部添加し、水性化した。その後、100℃に加熱し、イソプロピルアルコールを水と共沸させてイソプロピルアルコールを留去し、固形分濃度が30%になるように調整した。これより、固形分濃度30%の水溶性高分子化合物であるシェルポリマー(B)1を得た。シェルポリマー(B)1のTgは85℃、重量平均分子量は9000、酸価は215mgKOH/gであった。
表1に示す原料および配合比に変更した以外は、シェルポリマー(B)1と同様に反応することでシェルポリマー(B)2~5を得た。
攪拌器、温度計、2つの滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、シェルポリマー(B)1 111.1部、イオン交換水55.5部を仕込み、窒素還流下で温度80℃まで昇温した。次に、2つの滴下ロートを準備し、一方に、スチレン25.0部、メタクリル酸メチル73.0部、ダイアセトンアクリルアミド2.0を仕込み2時間かけて滴下した。他方には、濃度20%の過硫酸アンモニウム水溶液1.0部を仕込み2時間かけて滴下した。滴下完了後、80℃で2時間反応を継続した後反応を終了した。次いでイオン交換水で溶液の不揮発分を40%に調整することでシェルポリマー(B)1で被覆されたコアポリマー(A)1を持つコアシェル型樹脂エマルジョン1を得た。コアポリマー(A)1とシェルポリマー(B)1の質量比は75/25、コアポリマー(A)1のTgは103℃、コアシェル型樹脂エマルジョン1の重量平均分子量は530000、50%体積平均粒子径は62nmであった。
表2に示す原料および配合比に変更した以外はコアシェル型樹脂エマルジョン1と同様に反応することでコアシェル型樹脂エマルジョン2~21を得た。
・St:スチレン
・MMA:メタクリル酸メチル
・BA:ブチルアクリレート
・AA:アクリル酸
・IB-X:イソボルニルメタクリレート
・DAAM:ダイアセトンアクリルアミド
・DVB:ジビニルベンゼン
<顔料分散樹脂の合成例>
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ブタノール95部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱し、重合性単量体としてスチレン35部、アクリル酸35部、ベへニルアクリレート30部、及び重合開始剤であるV-601(富士フイルム和光純薬社製)6部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、更に110℃で3時間反応させた後、V-601を0.6部添加し、更に110℃で1時間反応を続けて、顔料分散樹脂の溶液を得た。更に、室温まで冷却した後、ジメチルアミノエタノールを添加して完全に中和したのち、水を100部添加し、水性化した。その後、100℃以上に加熱し、ブタノールを水と共沸させてブタノールを留去し、固形分濃度が30%になるように調整した。これより、顔料分散樹脂の固形分濃度30%の水性化溶液を得た。顔料分散樹脂の重量平均分子量は28,000、酸価は、273mgKOH/gであった。
トーヨーカラー社製Lionol Blue 7358G(C.I.PIgment Blue 15:4)を20部、顔料分散樹脂の水性化溶液(固形分濃度30%)を15部、水65部を混合し、ディスパーで予備分散した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて本分散を行い、顔料分散液C(シアン)を得た。また、上記C.I.PIgment Blue 15:3を、以下に示す顔料にそれぞれ置き換えた以外は顔料分散液Cと同様にして、顔料分散液M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)を得た。
・Magenta:DIC社製FASTGEN SUPER MAGENTA RGT
(C.I.PIgment Red 122)
・Yellow:トーヨーカラー社製LIONOL YELLOW TT-1405G
(C.I.PIgment Yellow 14)
・Black:オリオンエンジニアドカーボンズ社製Printex85
(C.I.PIgment Black 7)
石原産業社製CR-90-2(酸化チタン)を40部、顔料分散樹脂の水性化溶液(固形分濃度30%)を30部、水30部を混合し、顔料分散液Cと同様の方法にて分散を行い、顔料分散液Wを得た。
下記インクジェットインキC記載の材料をディスパーで攪拌を行いながら混合容器へ順次投入し、十分に均一になるまで攪拌した。その後、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過を行うことでインキCを得た。また顔料分散液Cの代わりに、顔料分散液M、Y、Kをそれぞれ使用することにより、インキM、インキY、インキKを得た。また、下記インクジェットインキW記載の材料からインキWを得た。合わせて5色からなる各インクジェットインキ1を得た。
インクジェットインキC
顔料分散液C 25.0部
コアシェル型樹脂エマルジョン1(固形分濃度40%) 30.0部
1,2-プロパンジオール 20.0部
サーフィノール 465 1.0部
BYK-349 1.0部
プロキセルGXL 0.05部
イオン交換水 22.95部
インクジェットインキW
顔料分散液W 40.0部
コアシェル型樹脂エマルジョン1(固形分濃度40%) 30.0部
1,2-プロパンジオール 20.0部
サーフィノール 465 1.0部
BYK-349 1.0部
プロキセルGXL 0.05部
イオン交換水 7.95部
・BYK-349:ビッグケミー・ジャパン社製シロキサン系界面活性剤
・サーフィノール465:エアープロダクツ社製アセチレンジオール系界面活性剤
表3記載の材料を使用する以外はインクジェットインキ1と同様の方法により、インクジェットインキ2~21を得た。
得られたインクジェットインキを用いて、印刷物の作製を次のように行った。
上記で製造した各インクジェットインキ及び評価用印刷物について、以下に示す評価1~6を行った。
インクジェットインキについて、70℃、6週間の条件下で、粘度の経時変化によりインキ保存安定性の評価を行った。粘度はレオメーター(TAインスツルメンツ社製AR-2000)を使用して測定した。評価基準は以下の通りとし、◎、〇評価を実使用可能領域とした。結果は表3に記載した。
◎:インクジェットインキの粘度変化が±3%未満である
○:インクジェットインキの粘度変化が±3%以上、±5%未満である
△:インクジェットインキの粘度変化が±5%以上、±10%未満である
×:インクジェットインキの粘度変化が±10%以上である
インクジェットヘッドKJ4B-1200(京セラ社製、解像度1200dpi、最大駆動周波数64kH)にインクジェットインキを充填し、目詰まりしているノズルがなく、通常印刷できることを確認した。その後、キャップを外したまま1週間室温にて静置した。放置後、再び全ノズルよりインクジェットインキを吐出し、初期と同等の印刷が可能となるまでに必要とされたクリーニングの回数を計測した。評価基準は以下の通りとし、◎、〇評価を実使用可能領域とした。結果は表3に記載した。
◎:クリーニング0回で全ノズルが復帰した
○:クリーニング1~3回以内で全ノズルが復帰した
△:クリーニング4~9回以内で全ノズルが復帰した
×:10回のクリーニングでも復帰しなかった
得られた印刷物について、学振型摩擦堅牢度試験機を使用し、塗工面/含水カナキン3号にて500g/cm2、20回擦り、塗工層の剥がれた面積の割合から耐水擦過性の評価を行った。評価基準は以下の通りとし、◎、〇評価を実使用可能領域とした。結果は表3に記載した。
◎:塗工皮膜の剥がれがない
〇:塗工皮膜の剥がれが10%未満である
△:塗工皮膜の剥がれが10%以上50%未満である
×:塗工皮膜の剥がれが50%以上である
得られた印刷物について、学振型摩擦堅牢度試験機を使用し、塗工面/含水・エタノール混合溶剤(重量比:50/50)カナキン3号にて200g/cm2、10回擦り、塗工層の剥がれた面積の割合から耐水擦過性の評価を行った。評価基準は以下の通りとし、◎、〇評価を実使用可能領域とした。結果は表3に記載した。
◎:塗工皮膜の剥がれがない
〇:塗工皮膜の剥がれが10%未満である
△:塗工皮膜の剥がれが10%以上50%未満である
×:塗工皮膜の剥がれが50%以上である
得られた印刷物について、学振型摩擦堅牢度試験機を使用し、塗工面/カナキン3号にて500g/cm2、100回擦り、塗工層の剥がれた面積の割合から耐擦過性の評価を行った。評価基準は以下の通りとし、◎、〇評価を実使用可能領域とした。結果は表3に記載した。
◎:塗工皮膜の剥がれがない
〇:塗工皮膜の剥がれが10%未満である
△:塗工皮膜の剥がれが10%以上50%未満である
×:塗工皮膜の剥がれが50%以上である
得られた塗工物について、光沢計(BYK Gardner社製 Micro-TRI-gloss)にて60°光沢を測定した。評価基準は以下の通りとし、◎、〇評価を実使用可能領域とした。結果は表3に記載した。
◎:光沢80以上である
○:光沢65以上、80未満である
△:光沢50以上、65未満である
×:光沢50未満である
Claims (7)
- コアポリマー(A)と、コアポリマー(A)を被覆するシェルポリマー(B)とを含有するコアシェル構造を有する水性インクジェットインキ用樹脂組成物であって、コアポリマー(A)のガラス転移温度が65℃以上であり、かつ、コアポリマー(A)のガラス転移温度がシェルポリマー(B)のガラス転移温度より5~40℃高く、シェルポリマー(B)の酸価が200mgKOH/g以上であり、コアポリマー(A)とシェルポリマー(B)との質量比が90/10~60/40であることを特徴とする水性インクジェットインキ用樹脂組成物。
- コアポリマー(A)は、スチレン及びα-メチルスチレンから選ばれるビニル単量体単位の含有量が15~50質量%であることを特徴とする請求項1に記載の水性インクジェットインキ用樹脂組成物。
- コアポリマー(A)は、親水性ビニル単量体単位の含有量が1~5質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の水性インクジェットインキ用樹脂組成物。
- コアポリマー(A)は、多官能ビニル単量体単位の含有量が0~2質量%であることを特徴とする請求項1または2記載の水性インクジェットインキ用樹脂組成物。
- コアポリマー(A)のガラス転移温度が90℃以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の水性インクジェットインキ用樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の水性インクジェットインキ用樹脂組成物を含む水性インクジェットインキ。
- 請求項6に記載の水性インクジェットインキを用いた印刷物。
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