JP7734384B2 - アルミニウム合金材、その製造方法及び機械部品 - Google Patents

アルミニウム合金材、その製造方法及び機械部品

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Description

本発明は、アルミニウム合金材、その製造方法及びこのアルミニウム合金材からなる機械部品に関する。
アルミニウム合金は、比強度が高いという特性を活かし、機械部品などの素材として使用されている。機械部品の中でも、例えば、ターボチャージャに組み込まれるインペラなどの輸送機用圧縮機部品には、高温下での機械的特性に優れていることが求められる。
例えば非特許文献1には、Al-Mg-Zn三元系合金が高温における強度に優れていることが記載されている(非特許文献1)。
「第134回春季大会講演概要」、一般社団法人軽金属学会発行、平成30年4月26日、第317-318ページ
しかし、非特許文献1のAl-Mg-Zn三元系合金は、クリープ特性に未だ改善の余地がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、クリープ特性に優れたアルミニウム合金材、その製造方法及び機械部品を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、Mg(マグネシウム):1.0原子%以上10.0原子%以下、Zn(亜鉛):1.0原子%以上9.0原子%以下、Ni(ニッケル):0.25原子%以上3.0原子%以下及びCu(銅):0.25原子%以上3.0原子%以下を含有し、さらに、Ti(チタン):0.01原子%以上0.30原子%以下及びMn(マンガン):0.01原子%以上0.30原子%以下のうち1種または2種の元素を含有し、残部がAl(アルミニウム)及び不可避的不純物からなる化学成分と、
Al母相中に第二相粒子が分散した金属組織と、を有し、
前記第二相粒子が組成式Al 3 (Cu,Ni) 2 で表される析出物を含む、アルミニウム合金材にある。
本発明の他の態様は、Mg(マグネシウム):1.0原子%以上10.0原子%以下、Zn(亜鉛):1.0原子%以上9.0原子%以下、Ni(ニッケル):0.25原子%以上3.0原子%以下、Cu(銅):0.25原子%以上3.0原子%以下及びFe(鉄):0.07原子%以上0.30原子%以下を含有し、さらに、Ti(チタン):0.01原子%以上0.30原子%以下及びMn(マンガン):0.01原子%以上0.30原子%以下のうち1種または2種の元素を含有し、残部がAl(アルミニウム)及び不可避的不純物からなる化学成分と、
Al母相中に第二相粒子が分散した金属組織と、を有し、
前記第二相粒子が、組成式Al 3 (Cu,Ni) 2 で表される析出物と、長径0.05μm以下のT相析出物とを含む、アルミニウム合金材にある。
前記アルミニウム合金材には、Mg、Zn、Ni及びCuがそれぞれ前記特定の範囲の含有量で含まれている。また、前記アルミニウム合金材にはこれらの元素に加え、さらに、Ti、Mn及びFeのうち1種または2種以上の元素が前記特定の範囲の含有量で含まれている。前記アルミニウム合金材は、化学成分を前記特定の範囲とすることにより、クリープ特性を改善することができる。
以上のように、前記アルミニウム合金材は、優れたクリープ特性を有している。
図1は、実施例1における試験材E1の元素マップを模式的に示した説明図である。 図2は、実施例1における試験材E1の反射電子像である。 図3は、実施例1における試験材E2の元素マップを模式的に示した説明図である。 図4は、試験材E1~E4及び試験材C1~C2の低ひずみ領域におけるクリープ曲線を示す説明図である。 図5は、試験材E5~E7、試験材C1及び試験材C3の低ひずみ領域におけるクリープ曲線を示す説明図である。 図6は、試験材E8~E10の低ひずみ領域におけるクリープ曲線を示す説明図である。 図7は、試験材E11~E14の低ひずみ領域におけるクリープ曲線を示す説明図である。 図8は、クリープ試験後の試験材E1の反射電子像である。 図9は、図8における、Al母相中のTi原子が存在している部分を拡大した反射電子像である。 図10は、図8における、Al母相中のTi原子が存在していない部分を拡大した反射電子像である。 図11は、実施例2における試験材E15の元素マップである。 図12は、実施例2における試験材E16の元素マップである。
前記アルミニウム合金材の化学成分及びその限定理由について説明する。
・Mg:1.0原子%以上10.0原子%以下
Mgは、Znと共存することによりAl母相中に第二相粒子を形成し、前記アルミニウム合金材の強度を向上させる作用を有している。前記アルミニウム合金材中のMgの含有量は、1.0原子%以上10.0原子%以下である。Mgの含有量を前記特定の範囲とすることにより、Al母相中に第二相粒子を形成することができる。そして、Al母相中に第二相粒子を形成することにより、前記アルミニウム合金材の高温における強度の低下を抑制するとともに、クリープ特性を改善しやすくすることができる。
Mgの含有量は、1.5原子%以上9.5原子%以下であることが好ましく、2.0原子%以上9.0原子%以下であることがより好ましく、3.5原子%以上9.0原子%以下であることがさらに好ましく、4.0原子%以上8.0原子%以下であることが特に好ましい。この場合には、前記アルミニウム合金材のクリープ特性をより改善しやすくすることができる。
Znの含有量に対するMgの含有量の比Mg/Znの値は、0.8以上2.0以下であることが好ましく、1.0以上1.5以下であることがより好ましい。この場合には、ひずみ速度-時間曲線における二次クリープ領域のひずみ速度をより小さくし、二次クリープ特性をより改善させる効果が期待できる。
・Zn:1.0原子%以上9.0原子%以下
Znは、Mgと共存することによりAl母相中に第二相粒子を形成し、前記アルミニウム合金材の強度を向上させる作用を有している。前記アルミニウム合金材中のZnの含有量は、1.0原子%以上9.0原子%以下である。Znの含有量を前記特定の範囲とすることにより、Al母相中に第二相粒子を形成し、高温における前記アルミニウム合金材の強度の低下を抑制するとともに、クリープ特性を改善しやすくすることができる。
Znの含有量は、1.5原子%以上8.5原子%以下であることが好ましく、2.0原子%以上8.0原子%以下であることがより好ましい。この場合には、クリープ特性をより改善しやすくすることができる。
・Ni:0.25原子%以上3.0原子%以下、Cu:0.25原子%以上3.0原子%以下
前記アルミニウム合金材中のNiの含有量及びCuの含有量は、それぞれ前記特定の範囲内である。前記アルミニウム合金材は、NiとCuとの両方が添加されていることにより、これらの元素のいずれか一方または両方が添加されていない場合に比べてクリープ特性をより向上させることができる。
クリープ特性をより向上させる観点からは、前記アルミニウム合金材中のCuの含有量は、0.30原子%以上であることが好ましく、0.50原子%以上であることがより好ましく、0.80原子%以上であることがさらに好ましく、1.2原子%以上であることが特に好ましい。同様の観点から、前記アルミニウム合金材中のNiの含有量は、0.30原子%以上であることが好ましく、0.50原子%以上であることがより好ましく、0.80原子%以上であることがさらに好ましく、1.2原子%以上であることが特に好ましい。
また、前記アルミニウム合金材の密度をより小さくする観点からは、前記アルミニウム合金材中のCuの含有量は、2.5原子%以下であることが好ましく、2.2原子%以下であることがより好ましく、1.5原子%以下であることがさらに好ましく、1.3原子%以下であることが特に好ましい。同様の観点から、前記アルミニウム合金材中のNiの含有量は、2.5原子%以下であることが好ましく、2.2原子%以下であることがより好ましく、1.5原子%以下であることがさらに好ましく、1.3原子%以下であることが特に好ましい。
また、クリープ特性をより向上させつつ前記アルミニウム合金材の密度をより小さくする観点からは、前記アルミニウム合金材中のCuの含有量が0.50原子%以上1.5原子%以下であり、かつ、Niの含有量が0.50原子%以上1.5原子%以下であることが最も好ましい。
・Ti:0.01原子%以上0.30原子%、Mn:0.01原子%以上0.30原子%以下、Fe:0.07原子%以上0.30原子%以下
前記アルミニウム合金材中には、Mg、Zn、Cu及びNiに加えて、Ti:0.01原子%以上0.30原子%以下、Mn:0.01原子%以上0.30原子%以下及びFe:0.07原子%以上0.30原子%以下のうち1種または2種以上の元素が含まれている。前記アルミニウム合金材中におけるTiの含有量を前記特定の範囲とすることにより、Ti原子を主にAlの結晶粒内に分布させることができる。また、前記アルミニウム合金材中におけるMnの含有量及びFeの含有量を前記特定の範囲にすることにより、Mn原子及びFe原子をAlの結晶粒内や結晶粒界に分布させることができる。
そして、前記アルミニウム合金材中に前述した態様で分布したTi原子、Mn原子及びFe原子によれば、前記アルミニウム合金材に熱や応力が印加された場合においても、前記アルミニウム合金材中の第二相粒子の粗大化を抑制することができる。以上の結果、アルミニウム合金材におけるクリープの進展をより遅延させ、クリープ特性をより向上させることができる。
かかる作用効果をより確実に得る観点からは、前記アルミニウム合金材は、Mg:1.0原子%以上10.0原子%以下、Zn:1.0原子%以上9.0原子%以下、Ni:0.25原子%以上3.0原子%以下及びCu:0.25原子%以上3.0原子%以下を含有し、さらに、Ti:0.01原子%以上0.30原子%以下及びMn:0.01原子%以上0.30原子%以下のうち1種または2種以上の元素を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分を有していることが好ましい。
前記アルミニウム合金材のクリープ特性をより向上させる観点からは、前記アルミニウム合金材中のTiの含有量は、0.02原子%以上であることが好ましく、0.03原子%以上であることがより好ましく、0.04原子%以上であることがさらに好ましく、0.07原子%以上であることが特に好ましい。同様の観点からは、前記アルミニウム合金材中のMnの含有量は0.02原子%以上であることが好ましく、0.03原子%以上であることがより好ましく、0.04原子%以上であることがさらに好ましく、0.07原子%以上であることが特に好ましい。
一方、前記アルミニウム合金材中のTiの含有量、Mnの含有量またはFeの含有量が過度に多くなると、クリープ特性向上の効果が小さくなるおそれがある。クリープ特性向上の効果をより確実に奏する観点からは、前記アルミニウム合金材中のTiの含有量は、0.25原子%以下であることが好ましく、0.22原子%以下であることがより好ましく、0.17原子%以下であることがさらに好ましく、0.15原子%以下であることが特に好ましい。同様の観点からは、前記アルミニウム合金材中のMnの含有量及びFeの含有量は、それぞれ0.25原子%以下であることが好ましく、0.22原子%以下であることがより好ましく、0.17原子%以下であることがさらに好ましく、0.15原子%以下であることが特に好ましい。
より具体的には、前記アルミニウム合金材は、例えば、Mg:1.0原子%以上10.0原子%以下、Zn:1.0原子%以上9.0原子%以下、Ni:1.5原子%を超え3.0原子%以下及びCu:1.5原子%を超え3.0原子%以下を含有し、さらに、Ti:0.01原子%以上0.17原子%以下、Mn:0.01原子%以上0.17原子%以下及びFe:0.07原子%以上0.17原子%以下のうち1種または2種以上の元素を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分を有していてもよい。かかる化学成分を有するアルミニウム合金材は、優れたクリープ特性を有している。
クリープ特性をより高める観点からは、前記アルミニウム合金材は、Mg:1.0原子%以上10.0原子%以下、Zn:1.0原子%以上9.0原子%以下、Ni:1.5原子%を超え3.0原子%以下及びCu:1.5原子%を超え3.0原子%以下を含有し、さらに、Ti:0.01原子%以上0.17原子%以下及びMn:0.01原子%以上0.17原子%以下のうち1種または2種の元素を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分を有していることが好ましい。
同様の観点から、前記アルミニウム合金材の化学成分における、Cuの含有量が1.5原子%を超え3.0原子%以下であり、Niの含有量が1.5原子%を超え3.0原子%以下であり、Ti、Mn及びFeのうち少なくともTiを含むとともに、Tiの含有量が0.01原子%以上0.17原子%以下であることが好ましい。すなわち、前記アルミニウム合金材は、例えば、Mg:1.0原子%以上10.0原子%以下、Zn:1.0原子%以上9.0原子%以下、Ni:1.5原子%を超え3.0原子%以下及びCu:1.5原子%を超え3.0原子%以下を含有し、Ti:0.01原子%以上0.17原子%以下、Mn:0.01原子%以上0.17原子%以下及びFe:0.07原子%以上0.17原子%以下のうち少なくともTiを含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分を有していることが好ましい。
クリープ特性をさらに高める観点からは、前記アルミニウム合金材は、Mg:1.0原子%以上10.0原子%以下、Zn:1.0原子%以上9.0原子%以下、Ni:1.5原子%を超え3.0原子%以下、Cu:1.5原子%を超え3.0原子%以下及びTi:0.01原子%以上0.17原子%以下を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分を有していることがより好ましい。
また、前記アルミニウム合金材は、例えば、Mg:1.0原子%以上10.0原子%以下、Zn:1.0原子%以上9.0原子%以下、Ni:0.25原子%以上1.5原子%以下及びCu:0.25原子%以上1.5原子%以下を含有し、さらに、Ti:0.01原子%以上0.30原子%以下、Mn:0.01原子%以上0.30原子%以下及びFe:0.07原子%以上0.30原子%以下のうち1種または2種以上の元素を含有していてもよい。かかる化学成分を有するアルミニウム合金材は、優れたクリープ特性を有するとともに、密度を容易に低減することができる。
アルミニウム合金材の密度を低減しつつクリープ特性をより高める観点からは、前記アルミニウム合金材は、Mg:1.0原子%以上10.0原子%以下、Zn:1.0原子%以上9.0原子%以下、Ni:0.25原子%以上1.5原子%以下及びCu:0.25原子%以上1.5原子%以下を含有し、さらに、Ti:0.07原子%以上0.30原子%以下及びMn:0.07原子%以上0.30原子%以下のうち1種または2種の元素を含有していることが好ましい。
同様の観点から、前記アルミニウム合金材の化学成分における、Cuの含有量が0.25原子%以上1.5原子%以下であり、Niの含有量が0.25原子%以上1.5原子%以下であり、Ti、Mn及びFeのうち少なくともTiを含むとともにMn及びFeのうち1種または2種の元素を含むことが好ましい。すなわち、前記アルミニウム合金材は、Mg:1.0原子%以上10.0原子%以下、Zn:1.0原子%以上9.0原子%以下、Ni:0.25原子%以上1.5原子%以下、Cu:0.25原子%以上1.5原子%以下及びTi:0.01原子%以上0.30原子%以下を含有し、さらに、Mn:0.01原子%以上0.30原子%以下及びFe:0.07原子%以上0.30原子%以下のうち1種または2種の元素を含有していることが好ましい。
クリープ特性をさらに高める観点からは、前記アルミニウム合金材は、Mg:1.0原子%以上10.0原子%以下、Zn:1.0原子%以上9.0原子%以下、Ni:0.25原子%以上1.5原子%以下、Cu:0.25原子%以上1.5原子%以下、Ti:0.01原子%以上0.30原子%以下及びMn:0.01原子%以上0.30原子%以下を含有していることがさらに好ましい。この場合、Tiの含有量とMnの含有量との合計は0.15原子%以上0.35原子%以下であることが特に好ましい。
・金属組織
前記アルミニウム合金材は、Al母相中に第二相粒子が分散した金属組織を有している。Al母相中に形成される第二相粒子としては、例えば、組成式ZnMgで表される組成を有するη相析出物や、組成式Al(Cu、Ni)で表される組成を有する析出物、組成式AlMg11Zn11で表される組成を有するT相析出物等が挙げられる。Al母相中の第二相粒子は、前記アルミニウム合金材を強化し、前記アルミニウム合金材の強度をより向上させることができる。
前記アルミニウム合金材における第二相粒子には、長径0.05μm以下のT相析出物が含まれていることがより好ましい。T相析出物は、高温環境下における安定性が高い。そのため、Al母相中にT相析出物を微細かつ多量に析出させることにより、前記アルミニウム合金材の高温における強度をより向上させることができる。また、Al母相中に含まれるTi原子、Mn原子及びFe原子は、熱や応力によるT相析出物の粗大化を抑制する作用を有している。そのため、これらの原子を含むAl母相中にT相析出物が形成されている場合には、T相析出物がAl母相中に微細に分散した状態をより長期間に亘って維持することができる。その結果、アルミニウム合金材のクリープ特性をさらに向上させることができる。
前記アルミニウム合金材中にTiが含まれている場合、Ti原子は、Al母相全体に分布していることが好ましい。このような金属組織を有するアルミニウム合金材は、より高い硬さを有している。また、このように、Al母相中のTi原子の分布をより均一にすることにより、アルミニウム合金材全体でTi原子によるT相析出物の粗大化を抑制する効果を発揮させることができる。同様の観点から、Al母相中のTi原子の濃度の最大値が、前記アルミニウム合金材中のTi原子の平均濃度の150%以下であることがより好ましい。なお、前述したAl母相中のTi原子の分布状態及びAl母相中のTi原子の濃度は、前記アルミニウム合金材の元素マップに基づいて評価することができる。前記アルミニウム合金材の元素マップの取得には、例えば電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いればよい。
・クリープ特性
前記アルミニウム合金材は、試験温度200℃、試験応力105MPaの条件でクリープ試験を行った場合に、クリープひずみが0.4%に到達するまでに要する時間が440時間以上となるクリープ特性を有していることが好ましく、600時間以上となるクリープ特性を有していることがより好ましい。このようなクリープ特性を有するアルミニウム合金材は、高温環境下において使用される機械部品に好適である。
・用途
前記アルミニウム合金材は、前述したように、高温環境下においても強度が低下しにくい特性を有している。また、前記アルミニウム合金材は、高温環境下においても優れたクリープ特性を有している。前記アルミニウム合金材は、これらの特性を活かし、170℃以上の高温環境下において使用される機械部品に好適に使用することができる。
このような機械部品としては、例えば、自動車等の輸送機に組み込まれる輸送機用圧縮機部品等が挙げられる。前記アルミニウム合金材は、輸送機用圧縮機部品の中でも特にターボチャージャに組み込まれるインペラとして好適である。
・製造方法
前記アルミニウム合金材は、例えば、鋳造、溶体化処理、焼入れ及び時効処理を順次実施することにより作製される。また、前記の態様の製造方法においては、必要に応じて、鋳造後の鋳塊に、均質化処理及び展伸加工を行ってもよい。
鋳造においては、例えば、連続鋳造や半連続鋳造等の方法により、前記特定の化学成分を有する鋳塊を作製すればよい。最終的に得られるアルミニウム合金材の金属組織において、結晶粒をより微細化する観点、及び、Ti原子の分布をより均一にする観点からは、鋳造時における溶湯の凝固速度を高めることが好ましい。また、鋳造時における溶湯の凝固速度を高めることにより、アルミニウム合金材の硬さをより向上させる効果を期待することができる。これは、鋳造時に溶湯を急速に凝固させると、結晶粒内に蓄積される歪みが大きくなること等が原因と考えられる。
鋳造後の鋳塊を加熱して均質化処理を行う場合、加熱温度は、例えば、420℃以上500℃以下の範囲から適宜設定することができる。また、均質化処理における保持時間は、例えば、10時間以上48時間以下の範囲から適宜設定することができる。均質化処理における加熱温度が低すぎる場合または保持時間が短すぎる場合には、鋳塊の均質化が不十分となり、偏析等の問題が生じるおそれがある。また、この場合には、後に塑性加工を行う際に、変形抵抗の増大を招くおそれもある。
均質化処理における加熱温度が高すぎる場合または保持時間が長すぎる場合には、鋳塊の加熱に要するエネルギーが増大し、製造コストの増大を招くおそれがある。また、この場合には、後に塑性加工を行う際に、割れが生じやすくなるおそれもある。これらの問題をより確実に回避する観点からは、均質化処理における加熱温度を440℃以上490℃以下の範囲内とすることが好ましい。同様の観点から、均質化処理における保持時間を20時間以上30時間以下の範囲内とすることが好ましい。
鋳塊に展伸加工を施す場合、展伸加工としては、熱間圧延、冷間圧延、熱間押出、冷間押出、熱間鍛造及び冷間鍛造から選択される1種の加工を実施してもよいし、これらのうち2種以上の加工を組み合わせて実施してもよい。また、展伸加工の途中において、焼鈍等の熱処理を必要に応じて行うこともできる。
溶体化処理においては、鋳塊又は展伸材を加熱してMg等の溶質元素をAl母相中に固溶させる。そして、溶体化処理が完了した直後に焼入れを行うことにより、鋳塊又は展伸材を過飽和固溶体とすることができる。
溶体化処理における加熱温度は、例えば、420℃以上500℃以下の範囲から適宜設定することができる。また、溶体化処理における保持時間は、20時間以上48時間以下の範囲から適宜設定することができる。溶体化処理における加熱温度及び保持時間を前記特定の範囲とすることにより、溶質元素を鋳塊又は展伸材中に十分に固溶させ、後に行う時効処理によって第二相粒子を微細に析出させることができる。
溶体化処理における加熱温度が低すぎる場合または保持時間が短すぎる場合には、溶質元素が十分に固溶せず、時効処理後の第二相粒子の量が少なくなるおそれがある。その結果、前記アルミニウム合金材のクリープ特性の悪化を招くおそれがある。溶体化処理における加熱温度が高すぎる場合または保持時間が長すぎる場合には、鋳塊又は展伸材の加熱に要するエネルギーが増大し、製造コストの増大を招くおそれがある。
鋳塊又は展伸材の焼入れ方法は特に限定されることはなく、例えば、水焼入れなどの方法を採用することができる。
その後、溶体化処理及び焼入れによって過飽和固溶体となった鋳塊又は展伸材を加熱して時効処理を行う。時効処理における加熱温度は、例えば、170℃以上300℃以下の範囲から適宜設定することができる。また、時効処理における保持時間は、1時間以上100時間以下の範囲から適宜設定することができる。時効処理における加熱温度及び保持時間を前記特定の範囲とすることにより、Al母相中に第二相粒子を微細に析出させることができる。
時効処理における加熱温度が低すぎる場合または保持時間が短すぎる場合には、第二相粒子の量が少なくなるおそれがある。その結果、前記アルミニウム合金材のクリープ特性の悪化を招くおそれがある。時効処理における加熱温度が高すぎる場合または保持時間が長すぎる場合には、過時効となり、前記アルミニウム合金材のクリープ特性の悪化を招くおそれがある。これらの問題をより確実に回避する観点からは、時効処理における加熱温度を170℃以上250℃以下の範囲内とすることが好ましい。同様の観点から、時効処理における保持時間を1時間以上10時間以下の範囲内とすることが好ましい。
(実施例1)
前記アルミニウム合金材及びその製造方法の実施例を以下に説明する。本例では、常法により表1に示す化学成分を有する鋳塊を作製した。なお、表1の化学成分欄における「-」は、当該元素が含まれていないことを示す記号であり、「Bal.」は、残部を示す記号である。
得られた鋳塊を480℃の温度に24時間保持して溶体化処理を行い、次いで水焼入れを行った。そして、水焼入れ後の鋳塊を200℃の温度に10時間保持して時効処理を行った。以上により、表1に示すアルミニウム合金材(試験材E1~E14、試験材C1~C3)を得た。
試験材E1及び試験材E2における元素の分布状況を評価するため、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)により、これらの試験材の元素マップを取得した。一例として、図1に試験材E1の元素マップを模式的に示す。
図1において、試験材E1のAl母相1中には、Al原子に加えて、Al母相1に固溶したMg原子、Zn原子及びCu原子等が含まれていた。さらに、試験材E1におけるAl母相1には、Ti原子が含まれている部分1aと、Ti原子が含まれていない部分1bとが存在していた。また、Al母相1の結晶粒界には、1~5μm程度の長径を有する第二相粒子2が形成されており、第二相粒子2には、T相析出物2aやAl(Ni,Cu)の組成を有する金属間化合物2bなどが含まれていた。
また、図2に、図1のAl母相1におけるTi原子が含まれている部分1aをさらに拡大した反射電子像を示す。図2における灰色で示された部分はAl母相であり、Al母相中に分散している白い点は、微細に析出したT相析出物である。また、これらのT相析出物の長径は0.05μm以下である。図2によれば、試験材E1においては、Al母相1におけるTi原子が含まれている部分1aの内部にも、T相析出物が微細かつ多量に析出していることが確認された。なお、図には示さないが、Al母相1におけるTi原子が含まれていない部分1bにおいても、図2と同様に、Al母相1の内部に長径0.05μm以下のT相析出物が多量に析出していた。
また、図には示さないが、Ti原子が含まれている試験材E3~E14においても、試験材E1と同様に、Al母相1の内部に長径0.05μm以下のT相析出物が多量に析出していた。
また、図3に試験材E2の元素マップを模式的に示す。図3において、試験材E2のAl母相1中には、Al原子に加えて、Al母相1中に固溶したMg原子、Zn原子及びCu原子等が含まれていた。さらに、試験材E2におけるAl母相1中には、Mn原子が含まれていた。また、Al母相1の結晶粒界には、T相析出物2aやAl(Ni,Cu)の組成を有する金属間化合物2bなどの第二相粒子2が形成されていた。試験材E2中のMn原子は、Al母相1に加え、金属間化合物2bの周辺にも分布していた。これらの結果によれば、試験材E2中のMn原子は、主にAl母相1の結晶粒中及び結晶粒界に存在していることが理解できる。
また、図には示さないが、Mn原子が含まれている試験材E2においても、試験材E1と同様に、Al母相1の内部に長径0.05μm以下のT相析出物が多量に析出していた。
次に、試験材E1~E14及び試験材C1~C3のクリープ特性の評価を行った。まず、得られた試験材から、ダンベル形状の試験片を採取した。この試験片を用い、JIS Z2271:2010に準じた方法によりクリープ試験を行った。クリープ試験にはシングルクリープ試験機を使用し、試験温度は200℃、試験応力は105MPaとした。また、試験片の長さは掴み部を含めて57mmとし、平行部の直径はφ4mm、掴み部の直径はφ8mmとした。
各試験材のクリープ特性を図4~図7に示す。なお、図4~図7の横軸は試験開始時点からの経過時間(単位:時間)であり、縦軸は試験材のクリープひずみ(単位:%)である。また、表1に、クリープひずみが0.4%に到達するまでに要した所要時間を示す。なお、試験材E4については、クリープひずみが0.4%に到達する前に試験を終了したため、表1の「クリープひずみ0.4%までの所要時間」欄には試験終了までの経過時間に記号「>」を付した値を示した。
表1に示すように、試験材E1~E14は、前記特定の化学成分を有するアルミニウム合金から構成されている。そのため、これらの試験材は、Ni、Cu、Ti、Mn及びFeのうち1種以上の元素が含まれていない試験材C1~C3に比べ、クリープひずみが0.4%に到達するまでの所要時間が長くなっている。より具体的には、試験材E1~E14のクリープひずみが0.4%に到達するまでの所要時間は、いずれも440時間以上であった。
従って、これらの結果によれば、Mg、Zn、Ni及びCuを含むとともに、Ti、Mn及びFeのうち1種以上の元素を前記特定の範囲の含有量で含有するアルミニウム合金材は、優れたクリープ特性を有していることが理解できる。
図8に、クリープ試験後の金属組織の一例として、試験材E1の断面の反射電子像を示す。図8に示すように、クリープ試験後の試験材E1には、長径数μm程度の第二相粒子2が存在していることが確認された。また、断面に現れたAl母相1におけるTi原子が含まれている部分1aは、Ti原子が含まれていない部分1bに比べて明度が低くなっていた。
そこで、Al母相1におけるTi原子が含まれている部分1aをさらに拡大して観察したところ、図9に示すように、Al母相1におけるTi原子が含まれている部分1aにおいては、図2に示すクリープ試験前の状態と同様に、長径0.05μm以下のT相析出物が多数存在していることが確認された。一方、Al母相1におけるTi原子が含まれていない部分1bをさらに拡大して観察したところ、図10に示すように、Al母相1におけるTi原子が含まれていない部分1bにおいては、図2に示すクリープ試験前の状態に比べてT相析出物が粗大化していることが確認された。
これらの結果から、Al母相1中のTi原子は、アルミニウム合金材に熱や応力が加わった場合においても、Al母相1中のT相析出物の粗大化を抑制する作用を有していることが理解できる。そして、試験材E1~E14においては、クリープ試験中におけるT相析出物の粗大化が抑制されたことにより、クリープ特性が向上したと推定される。
(実施例2)
本例においては、鋳造時の冷却速度を変更してアルミニウム合金材を作製し、得られたアルミニウム合金材の金属組織及びビッカース硬さの評価を行った。本例において作製したアルミニウム合金材(試験材E15~E16)の作製方法は以下の通りである。
<試験材E15>
まず、表1に示す試験材E1と同一の組成を有するアルミニウム合金材の溶湯を準備した。この溶湯を内径10mmの円柱状キャビティを有する鋳型に注ぎ込み、鋳型内で溶湯を凝固させた。以上により、直径約10mmの円柱形状を有する試験材E16を得た。
<試験材E16>
厚み0.6mmの薄板を鋳造可能なキャビティを有する鋳型を用いた以外は、試験材E15と同様の方法により鋳造を行った。以上により、厚み約0.6mmの薄板形状を有する試験材E16を得た。なお、鋳型内に注入された溶湯の体積の差から、試験材E16の鋳造時の凝固速度は試験材E15よりも格段に速いと推定される。
以上により得られた試験材E15及び試験材E16の金属組織及びビッカース硬さを以下の方法で評価した。
・金属組織の評価
試験材E15及び試験材E16を任意の断面で切断した。SEM-EDXを用いて切断面を観察し、元素マップを取得した。図11及び図12に、各試験材の元素マップの一例を示す。
図11に示すように、SEM-EDXを用いて得られた試験材E15の元素マップにおいては、Al母相1の周囲はAl-Mg-Zn-Cu系金属間化合物やAl-Ni系金属間化合物等の金属間化合物相3によって囲まれていた。また、試験材E15のAl母相1のうち、比較的粒径が大きいAl母相には、Ti原子が含まれている部分1aと、Ti原子がほとんど含まれていない部分1bとが存在していた。一方、比較的粒径が小さいAl母相はTi原子がほとんど含まれていない部分1bから構成されていた。図11における、Al母相1中のTi原子が含まれている部分1aのTi原子の濃度の最大値は、試験材E11のTiの平均濃度(つまり、0.1at%)の150%以上と推測される。
図12に示すように、試験材E16の元素マップにおいても、Al母相1の周囲は金属間化合物相3によって囲まれていた。図11と図12との比較から、試験材E16のAl母相1の粒径は試験材E15に比べて全体的に小さくなる傾向があることが理解できる。また、試験材E16のAl母相1にはTi原子が均一に分布しており、Ti原子が含まれている部分1aから構成されていた。図12においては、Ti原子がAl母相1中の全体に分布している。従って、図12における、Al母相1中のTi原子が含まれている部分1aのTi原子の濃度の最大値は、試験材E16のTiの平均濃度の150%未満であると推測される。
・ビッカース硬さの評価
JIS Z2244:2009に基づいて各試験材のビッカース硬さを測定した。具体的には、各試験材について、測定位置を変更しながら1kgfの測定荷重で5回の測定を行い、これらの測定に基づいてビッカース硬さの算術平均値及び標準偏差を算出した。表2にこれらの値を示す。
表2に示したように、鋳造時の凝固速度が比較的高い試験材E16は、試験材E15に比べて金属組織が微細化されており、Ti原子の分布のばらつきも小さくなった。また、試験材E16のビッカース硬さは試験材E15よりも高かった。これらの結果から、鋳造時の凝固速度を高くすることにより、アルミニウム合金材の硬さを向上可能であることが理解できる。
本発明に係るアルミニウム合金材の具体的な態様は、実施例に記載された態様に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜構成を変更することができる。

Claims (10)

  1. Mg:1.0原子%以上10.0原子%以下、Zn:1.0原子%以上9.0原子%以下、Ni:0.25原子%以上3.0原子%以下及びCu:0.25原子%以上3.0原子%以下を含有し、さらに、Ti:0.01原子%以上0.30原子%以下及びMn:0.01原子%以上0.30原子%以下のうち1種または2種の元素を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分と、
    Al母相中に第二相粒子が分散した金属組織と、を有し、
    前記第二相粒子が組成式Al3(Cu,Ni)2で表される析出物を含む、アルミニウム合金材。
  2. 前記第二相粒子には長径0.05μm以下のT相析出物が含まれている、請求項1に記載のアルミニウム合金材。
  3. Mg:1.0原子%以上10.0原子%以下、Zn:1.0原子%以上9.0原子%以下、Ni:0.25原子%以上3.0原子%以下、Cu:0.25原子%以上3.0原子%以下及びFe:0.07原子%以上0.30原子%以下を含有し、さらに、Ti:0.01原子%以上0.30原子%以下及びMn:0.01原子%以上0.30原子%以下のうち1種または2種の元素を含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる化学成分と、
    Al母相中に第二相粒子が分散した金属組織と、を有し、
    前記第二相粒子が、組成式Al3(Cu,Ni)2で表される析出物と、長径0.05μm以下のT相析出物とを含む、アルミニウム合金材。
  4. Mgの含有量が3.5原子%以上9.0原子%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金材。
  5. Znの含有量が2.0原子%以上8.0原子%以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金材。
  6. Znの含有量に対するMgの含有量の比Mg/Znの値が0.8以上2.0以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のアルミニウム合金材。
  7. 前記アルミニウム合金材の化学成分における、Cuの含有量が0.25原子%以上1.5原子%以下であり、Niの含有量が0.25原子%以上1.5原子%以下であり、Ti及びMnを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のアルミニウム合金材。
  8. 前記アルミニウム合金材の化学成分における、Cuの含有量が1.5原子%を超え3.0原子%以下であり、Niの含有量が1.5原子%を超え3.0原子%以下であり、Ti及びMnのうち少なくともTiを含むとともに、Tiの含有量が0.01原子%以上0.17原子%以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載のアルミニウム合金材。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載のアルミニウム合金材からなり、170℃以上の高温環境下において使用される機械部品。
  10. 請求項1~8のいずれか1項に記載のアルミニウム合金材の製造方法であって、
    前記化学成分を有する鋳塊を作製し、
    前記鋳塊を420~500℃の温度で20~48時間加熱して溶体化処理を行い、
    次いで、前記鋳塊を焼入れし、
    その後、前記鋳塊を170~300℃の温度で1~100時間加熱して時効処理を行う、アルミニウム合金材の製造方法。
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