以下、図面を用いて各実施形態に係る端子、電気接続装置及び電気接続箱について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る第1設置例を採用した電気接続箱1を示す斜視図である。電気接続箱1は、例えば、自動車等の車両に設置され、接続対象部品としての電子部品を収容する。電気接続箱1は、電気接続装置3と、第1防水ボックス5とを備える。電気接続装置3は、接続対象部品を取り付け及び取り外し可能に保持し、接続対象部品と外部から配策されている電線等とを接続する。本実施形態における接続対象部品は、第1安全器としてのヒューズ90と、第2安全器としてのヒュージブルリンク(以下、「FL」と表記する。)91との二種の安全器である。
以下、電気接続装置3の設置姿勢やヒューズ90及びFL91の挿抜方向を説明するための基準として、次のように空間座標を規定する。Z方向は、鉛直方向に沿った方向である。X方向とY方向とは、Z方向に対して垂直な平面内で互いに垂直となる方向である。
第1防水ボックス5は、自動車等の車両のエンジンルーム内に設置される、電気接続装置3を収容する収容ボックスである。第1防水ボックス5は、ボックス本体5aと、蓋部5bとを含む。ボックス本体5aに対して開口部5cを塞ぐように蓋部5bが被せられることで、第1防水ボックス5内の防水機能が維持される。開口部5cは、XY平面に平行な開口面を有する。ボックス本体5aの収納領域は、開口部5cの広さが比較的狭く、Z方向に沿った深さが比較的深くなるように設定されている。このような第1防水ボックス5に電気接続装置3が設置される場合には、開口部5cの狭さや深さを効率的に利用するために、電気接続装置3の設置姿勢は、ボックス本体5a内でいわゆる縦置きとなる鉛直姿勢であることが望ましい。ここでは、図1に示すように電気接続装置3が縦置きとなる配置例を「第1配置例」と表記する。
図2は、第1設置例においてヒューズ90及びFL91が取り付けられていない状態の電気接続装置3を示す斜視図である。一方、図3は、第1設置例においてヒューズ90及びFL91が取り付けられている状態の電気接続装置3を示す斜視図である。
ヒューズ90は、平板状の一対の端子部として、同方向に突出する第1端子部90aと第2端子部90bとを有する。以下、第1端子部90a及び第2端子部90bの寸法として、それぞれ、端子幅W90及び端子厚さT90を規定する。一方、FL91は、互いに平行なスリット状の第1端子嵌合部91aと第2端子嵌合部91bとを有する。
電気接続装置3は、一例として、同一方向から四つのヒューズ90を取り付けることができる。電気接続装置3は、各々のヒューズ90を、第1方向に沿って取り付けることもできるし、第1方向とは垂直な第2方向に沿って取り付けることもできる。また、電気接続装置3は、一例として、同一方向から四つのFL91を取り付けることができる。電気接続装置3は、各々のFL91を、第1方向に沿って取り付けることもできるし、第1方向とは垂直な第2方向に沿って取り付けることもできる。
ここで、第1設置例では、XYZで示される空間座標と、電気接続装置3の形状を基準とした第1方向及び第2方向、並びに、第1方向及び第2方向に基づいて規定される第3方向とは、次のような関係がある。
第1方向は、Z方向に対応している。この場合、ヒューズ90及びFL91を取り付ける方向は、Z方向の図中矢印が示す方向とは反対に、上から下に向かう方向となる。ヒューズ90及びFL91を取り外す方向は、Z方向の図中矢印が示す方向である、下から上に向かう方向となる。つまり、電気接続装置3が第1設置例で配置される場合、ヒューズ90及びFL91の取り付け方向及び取り外し方向は、図2及び図3に示すように、第1方向に沿うことになる。
第2方向は、X方向に対応している。電気接続装置3が第1設置例で配置される場合、ヒューズ90及びFL91は、第2方向では取り付け及び取り外しはされない。
第3方向は、第1方向と第2方向とに垂直な方向、すなわち、Y方向に対応している。この場合、以下で詳説するが、ヒューズ90又はFL91を取り付ける複数の取付部の配列方向は、第3方向に沿うことになる。
図4は、第1設置例において電気接続装置3の全体構成から電気接続箱本体40を取り除いた状態を示す斜視図である。電気接続装置3は、バスバー構造体10と、複数の端子20と、複数の板状端子30と、電気接続箱本体40とを備える。
バスバー構造体10は、複数の電子部品を電気的に連通させる導電性部材である。本実施形態では、バスバー構造体10は、四つのヒューズ90及び四つのFL91のすべての安全器を電気的に連通させる。
図5は、バスバー構造体10の斜視図である。バスバー構造体10は、ヒューズ90又はFL91を取り付ける複数の取付部の配列に合わせて、全体として帯状に延伸する。バスバー構造体10は、バスバー本体11と、複数の第1バスバー端子12と、複数の第2バスバー端子13とを有する。
バスバー本体11は、第3方向を長手方向とし、第1方向と第3方向とに平行な主平面を有する平板部である。バスバー本体11は、長手方向の一方の端部に、ボルト穴11aを有する。ボルト穴11aには、図4に示すように、ボルト50とナット51とを用いて入力端子52が締結される。入力端子52は、外部から配策されている入力電線82の端末に接続されている。電気接続装置3の使用時には、バスバー構造体10は、入力電線82を通じて入力された電力を、バスバー本体11を介してすべての第1バスバー端子12及び第2バスバー端子13に分配する。
第1バスバー端子12は、ヒューズ90が有する一対の平板状の端子部のうちのいずれか一つを接続する。本実施形態では、図4に示すように、第1バスバー端子12は、第2端子部90bを接続する。また、電気接続装置3が四つのヒューズ90を取り付け可能であることに対応して、第1バスバー端子12は四つある。なお、電気接続装置3では、以下で詳説するが、ヒューズ90が有する他方の第1端子部90aは、端子20に含まれる接続部に接続される。したがって、ヒューズ90を接続対象とする二種の端子のうち、第1端子部90aを接続する方の端子20を「第1端子」と定義し、もう一方の第2端子部90bを接続する方の第1バスバー端子12を「第2端子」と定義することができる。
各々の第1バスバー端子12は、第1方向を長手方向とし、全体として、第1方向と第2方向とに平行な主平面を有する板体である。4つの第1バスバー端子12は、バスバー本体11に対して、ボルト穴11aが設けられている方とは長手方向で反対側の部位に、互いに隣り合うように設けられている。
図6は、第1バスバー端子12の斜視図である。第1バスバー端子12は、基部12aと、互いに基部12aに支持される二つの腕部12bとを有する。基部12aは、バスバー本体11の主平面に対して垂直に折れ曲がるように連接される。なお、基部12aは、バスバー本体11とは予め一体であってもよいし、バスバー本体11とは別に製作され、以後、溶接等によりバスバー本体11に接合されてもよい。各々の腕部12bは、基部12aと連続し、第1方向に沿って延伸し、かつ、互いに第2方向で対向する。
また、第1バスバー端子12は、各々が第2端子部90bを接続可能な第1接続部と第2接続部との二種の接続部を有する。第1接続部は、第2端子部90bを第1方向に沿って挿入させて接続可能である。また、第1接続部は、第2端子部90bを接続しているとき、第2方向に沿って第2端子部90bの厚み部分を挟持する。一方、第2接続部は、第2端子部90bを第2方向に沿って挿入させて接続可能である。また、第2接続部は、第2端子部90bを接続しているとき、第1方向に沿って第2端子部90bの厚み部分を挟持する。
図7は、第3方向視で表された第1バスバー端子12の正面図である。第1バスバー端子12における第1接続部は、各々の腕部12bに一つずつ設けられ、基部12aを基準として第2端子部90bを挟み込む先端部12cの組である。図7では、先端部12cの組に接続されたときの第2端子部90bの位置が二点鎖線で示されている。各々の先端部12cは、第2端子部90bの挿入を容易とするために、少なくとも互いに対向する端面が曲面となる凸部を含む。2つの腕部12b同士の間隔は、第2方向に沿った距離L1で表される。2つの先端部12cの組において最も接近する領域には、第2方向に沿った間隙G1が形成される。各々の先端部12cの間に第2端子部90bが挿入されていないときの間隙G1の寸法は、距離L2で表される。
ここで、距離L1は、第2端子部90bの端子厚さT90よりも長い。そのため、第2端子部90bは、各々の腕部12bで挟まれた領域内に進入することができる。また、距離L2は、端子厚さT90よりも短く、かつ、距離L1よりも短い。そのため、第2端子部90bが第1方向に沿って間隙G1を通過しながら各々の腕部12bの間に挿入されると、各々の先端部12cが第2端子部90bと接触し、間隙G1は、距離L2から端子厚さT90分の距離へと広がる。結果として、各々の腕部12bが互いに離れる方向に変形し、第2端子部90bは、先端部12cから腕部12bの変形に伴って生じた変位力を受けて、各々の先端部12cに挟まれた状態で保持される。このような構造及び作用を踏まえて、距離L2は、第2端子部90bとの間の先端部12cの接触抵抗を考慮して決定される。
図8は、第2方向視で表された第1バスバー端子12の側面図である。第1バスバー端子12における第2接続部は、第2方向で対称となる形状で各々の腕部12bに一つずつ設けられた二つの凹部12fである。図8では、二つの凹部12fに接続されたときの第2端子部90bの位置が二点鎖線で示されている。各々の凹部12fは、第1方向に沿って腕部12bを第1段部12dと第2段部12eとに離間させ、第1段部12dと第2段部12eとで第2端子部90bを挟み込ませる。
凹部12fは、底部12gと、第1側部12hと、第2側部12iとを有する。底部12gは、第1段部12d及び第2段部12eと平行な壁部である。第1側部12hは、第1段部12dの第2段部12eに対向する側の端辺と、底部12gの第1段部12dの側の端辺とを連続させる壁部である。第2側部12iは、第2段部12eの第1段部12dに対向する側の端辺と、底部12gの第2段部12eの側の端辺とを連続させる壁部である。第1段部12dと第2段部12eとが最も接近する領域には、第1方向に沿った間隙G2が形成される。各々の凹部12fに第2端子部90bが挿入されていないときの間隙G2の寸法は、距離L3で表される。凹部12fの開口面から底部12gの底面までの距離は、第3方向に沿った距離L4で表される。凹部12f内の領域において、底部12gの底面近傍に設定される最大幅は、第1方向に沿った距離L5で表される。第1側部12hと第2側部12iとの間隔は、予め、間隙G2から底部12gに向かうにつれて広くなるように設定される。つまり、第1側部12hと第2側部12iとの間隔は、間隙G2から底部12gに向かうにつれて、距離L3から距離L5まで徐々に長くなる。
ここで、距離L5は、第2端子部90bの端子厚さT90よりも長い。そのため、第2端子部90bは、第1側部12hと第2側部12iとで挟まれた領域内に進入することができる。また、距離L3は、端子厚さT90よりも短く、かつ、距離L5よりも短い。そのため、第2端子部90bが第2方向に沿って間隙G2を通過しながら第1段部12dと第2段部12eとの間に挿入されると、第1段部12dの端部及び第2段部12eの端部が第2端子部90bと接触する。つまり、間隙G2は、距離L3から端子厚さT90分の距離へと広がる。結果として、第1側部12hと第2側部12iとが互いに離れる方向に変形し、第2端子部90bは、第1段部12dと第2段部12eとの双方から第1側部12h及び第2側部12iの変形に伴って生じた変位力を受ける。そして、第2端子部90bは、第1段部12dと第2段部12eとに挟まれた状態で保持される。このような構造及び作用を踏まえて、距離L3は、第2端子部90bとの間の第1段部12d及び第2段部12eの接触抵抗を考慮して決定される。
なお、図8では、凹部12fに接続されたときの第2端子部90bが、底部12gの底面と接触していない状態で示されている。しかし、第2端子部90bは、例えば、接触面積を増加させたり、位置決めのしやすさを向上させたりするために、凹部12fに接続されたときに底部12gの底面と接触してもよい。また、各々の腕部12bに一つずつ設けられた二つの凹部12fは、第2方向でおおよそ対称となる形状であれば、互いに寸法差や形状差が生じていてもよい。
第2バスバー端子13は、FL91が有する一対のスリット状の端子嵌合部のうちのいずれか一つを接続する。本実施形態では、図4に示すように、第2バスバー端子13は、第2端子嵌合部91bを接続する。また、電気接続装置3が四つのFL91を取り付け可能であることに対応して、第2バスバー端子13は四つある。なお、電気接続装置3では、以下で詳説するが、FL91が有する他方の第1端子嵌合部91aは、板状端子30に接続される。
図5に示すように、各々の第2バスバー端子13は、第1方向を長手方向とし、全体として、第1方向と第2方向とに平行な主平面を有する板体である。4つの第2バスバー端子13は、バスバー本体11に対して、長手方向でボルト穴11aが設けられている方と第1バスバー端子12が設けられている方とで挟まれた部位に、各々の第1バスバー端子12と同列で互いに隣り合うように設けられている。
また、第2バスバー端子13は、本体板13aと、本体板13aの先端に設けられた第1挿入端部13bとを有する。本体板13aは、バスバー本体11の主平面に対して垂直に折れ曲がるように一部が連接される。なお、本体板13aは、バスバー本体11とは予め一体であってもよいし、バスバー本体11とは別に製作され、以後、溶接等によりバスバー本体11に接合されてもよい。第1挿入端部13bは、第2端子嵌合部91bへの挿入を容易とするために、先端側が本体板13a側よりも細い形状を有する。
端子20は、ヒューズ90が有する一対の平板状の端子部のうちのいずれか一つを接続する。本実施形態では、上記のとおり、バスバー構造体10に設けられている第1バスバー端子12がヒューズ90の第2端子部90bを接続するので、端子20は、図4に示すように、ヒューズ90の第1端子部90aを接続する。また、電気接続装置3が四つのヒューズ90を取り付け可能であることに対応して、端子20は四つある。
図9は、端子20の斜視図である。端子20は、第1電線80の端末に接続される金属製の棒状端子である。第1電線80は、例えば、車両内に配策され、接続先の電子機器に適合する安全器としてヒューズ90が選択されるワイヤーハーネスの一部である。端子20は、端子頭部21と、第1加締め部22と、第2加締め部23とを有する。端子20は、金属薄板に、プレス、切断、穴あけ又は折り曲げ等の加工が適宜施されることで形成されてもよい。
図10は、第2方向視で表された端子頭部21の正面図である。図11は、図9に示すXI-XI断面に対応し、第1方向と第3方向とに平行な平面に沿って切断した端子頭部21の断面図である。また、図12は、図9に示すXII-XII断面に対応し、第1方向と第2方向とに平行な平面に沿って切断した端子頭部21の断面図である。
端子頭部21は、第1方向を各々の長手方向とする四方の側壁で囲まれた筒状である。本実施形態では、端子頭部21は、第1側壁21a、第2側壁21b、第3側壁21c、第4側壁21d及び第5側壁21eの5つの側壁を含む。端子頭部21は、隣り合う側壁同士が90°の角度で折り曲げられて連続し、図11に示すように第1側壁21aと第5側壁21eとが折り重なることで、最終的に筒状に形成される。本実施形態では、第5側壁21eは、第1側壁21aよりも内側にある。また、端子頭部21の剛性を向上させるために、第4側壁21dの第5側壁21eと連続する側の端部にいくつかの切り欠き21nが形成され、第1側壁21aの端部から切り欠き21nの位置に合わせて突出した係合片21pが係合してもよい。端子頭部21の筒形構造によれば、第2側壁21bと第4側壁21dとが互いに第2方向で対向する。また、第3側壁21cと第5側壁21eとが互いに第3方向で対向する。
また、端子頭部21は、各々が第1端子部90aを接続可能な第1接続部と第2接続部との二種の接続部を有する。第1接続部は、第1端子部90aを第1方向に沿って挿入させて接続可能である。また、第1接続部は、第1端子部90aを接続しているとき、第2方向に沿って第1端子部90aの厚み部分を挟持する。一方、第2接続部は、第1端子部90aを第2方向に沿って挿入させて接続可能である。また、第2接続部は、第1端子部90aを接続しているとき、第1方向に沿って第1端子部90aの厚み部分を挟持する。
端子20における第1接続部は、互いに対向する第2側壁21bと第4側壁21dの各々の先端からそれぞれ端子頭部21の内部に延伸して第1端子部90aを挟み込む変位片21kの組である。図12では、変位片21kの組に接続されたときの第1端子部90aの位置が二点鎖線で示されている。各々の変位片21kの少なくとも一部は、第1端子部90aの挿入を容易としたり、適切な変位力を生じさせたりするために、互いに対向する方向に凸となる曲壁である。本実施形態では、各々の変位片21kの形状が全体として円弧となる場合を例示しているが、一部が円弧であってもよい。2つの変位片21kの組において最も接近する領域には、第2方向に沿った間隙G13が形成される。各々の変位片21kの間に第1端子部90aが挿入されていないときの間隙G13の寸法は、距離L16で表される。
ここで、第2方向で互いに対向する第2側壁21bと第4側壁21dとの間の空間幅は、各々の変位片21kの配置によれば、第1端子部90aの端子厚さT90よりも長い。また、第3方向で互いに対向する第3側壁21cと第5側壁21eとの間の空間幅の距離L14は、第1端子部90aの端子幅W90よりも長い。そのため、第1端子部90aは、四方の各側壁で挟まれた領域内に進入することができる。また、距離L16は、端子厚さT90よりも短い。そのため、第1端子部90aが第1方向に沿って間隙G13を通過しながら各々の変位片21kの間に挿入されると、各々の変位片21kが第1端子部90aと接触し、間隙G13は、距離L16から端子厚さT90分の距離へと広がる。結果として、各々の変位片21kが互いに離れる方向に変形し、第1端子部90aは、変位片21kの変形に伴って生じた変位力を受けて、各々の変位片21kに挟まれた状態で保持される。このような構造及び作用を踏まえて、距離L16は、第1端子部90aとの間の変位片21kの接触抵抗を考慮して決定される。
また、各々の変位片21kでは、第1方向で、第2側壁21b又は第4側壁21dと連続する側とは反対側の先端部21mを開放端としてもよい。この場合、第1端子部90aが挿入される前は、各々の先端部21mは、第2側壁21b又は第4側壁21dの内壁面とは接触しないものとする。一方、第1端子部90aの挿入が開始された後、各々の先端部21mは、変位片21kの変形に伴って、第2側壁21b又は第4側壁21dの内壁面に突き当たるものとする。このような構成によれば、第1端子部90aの挿入ストロークに対して、各々の先端部21mが第2側壁21b又は第4側壁21dの内壁面と接触したタイミングから、各々の変位片21kが変位力をより増加させる。したがって、各々の変位片21kがより接圧を確保させやすくなるので、接触抵抗を安定させることができる。
端子20における第2接続部は、変位片21kが連接されている二つの側壁の各々に互いに第2方向で対向するように設けられる二つの貫通孔部である。本実施形態では、第2側壁21bに設けられている方が第1貫通孔部21fであり、第4側壁21dに設けられている方が第2貫通孔部21gである。第1貫通孔部21fは、互いに第1方向で対向する二つの第1凸縁部21hで第1端子部90aを挟み込ませる。同様に、第2貫通孔部21gは、互いに第1方向で対向する二つの第2凸縁部21iで第1端子部90aを挟み込ませる。図11では、第1貫通孔部21f及び第2貫通孔部21gに接続されたときの第1端子部90aの位置が二点鎖線で示されている。
第1貫通孔部21fと第2貫通孔部21gとの形状は、第2方向で互いに対称であり、全体として、接続対象である第1端子部90aの断面形状に合わせて第3方向を長手方向とした矩形状である。第1貫通孔部21f及び第2貫通孔部21gの各々の開口幅は、第3方向に沿った距離L11で表され、開口高さは、第1方向に沿った距離L12で表される。第1貫通孔部21fでは、図10及び図12に示すように、開口縁の各々の長辺に、第1凸縁部21hがそれぞれ設けられる。同様に、第2貫通孔部21gでは、図11及び図12に示すように、開口縁の各々の長辺に、第2凸縁部21iがそれぞれ設けられる。第1凸縁部21h及び第2凸縁部21iは、第1端子部90aの挿入を容易としつつ適切な接触抵抗を得るために、第1端子部90aとは頂点部で点接触する円弧状の曲壁である。2つの第1凸縁部21hの組において最も接近する領域には、第1方向に沿った間隙G11が形成される。同様に、2つの第2凸縁部21iの組において最も接近する領域には、第1方向に沿った間隙G12が形成される。第1貫通孔部21f及び第2貫通孔部21gに第1端子部90aが挿入されていないときの間隙G11及び間隙G12の寸法は、それぞれ距離L13で表される。
ここで、第1貫通孔部21f及び第2貫通孔部21gの各々の開口縁に関して、距離L11は、第1端子部90aの端子幅W90よりも長く、距離L12は、第1端子部90aの端子厚さT90よりも長い。また、第1貫通孔部21fと第2貫通孔部21gとは、第2方向で互いに対向する。そのため、第1端子部90aは、第2方向に沿って外部から第1貫通孔部21fを貫通し、引き続き第2貫通孔部21gを貫通することができる。また、距離L13は、端子厚さT90よりも短い。そのため、第1端子部90aが第2方向に沿って間隙G11を通過しながら各々の第1凸縁部21hの間に挿入されると、各々の第1凸縁部21hが第1端子部90aと接触し、間隙G11は、距離L13から端子厚さT90分の距離へと広がる。結果として、各々の第1凸縁部21hが互いに離れる方向に変形し、第1端子部90aは、第1凸縁部21hの変形に伴って生じた変位力を受けて、各々の第1凸縁部21hに挟まれた状態で保持される。同様に、第1端子部90aが引き続き間隙G12を通過しながら各々の第2凸縁部21iの間に挿入されると、各々の第2凸縁部21iが第1端子部90aと接触し、間隙G12は、距離L13から端子厚さT90分の距離へと広がる。結果として、各々の第2凸縁部21iが互いに離れる方向に変形し、第1端子部90aは、第2凸縁部21iの変形に伴って生じた変位力を受けて、各々の第2凸縁部21iに挟まれた状態で保持される。つまり、第1端子部90aは、第1凸縁部21h同士、及び、第2凸縁部21i同士の二か所で支持されることになるため、より安定して保持される。このような構造及び作用を踏まえて、距離L12若しくは距離L13、又は、第1凸縁部21h又は第2凸縁部21iの曲形状等は、第1端子部90aとの間の第1凸縁部21h又は第2凸縁部21iの接触抵抗を考慮して決定される。
また、第3方向で互いに対向する第3側壁21cと第5側壁21eとには、一つずつ、互いに向かい合い、第1貫通孔部21f及び第2貫通孔部21gを貫通している第1端子部90aを第3方向で挟み込ませる二つの凸壁部21jを有してもよい。この場合、図11に示すように、二つの凸壁部21j同士の間の距離L15は、距離L14よりも短く、かつ、第1端子部90aの端子幅W90よりも短い。ここで、凸壁部21jが存在せず、二つの第1凸縁部21h同士、又は、二つの第2凸縁部21i同士では、所望の接触抵抗を確保することが難しい場合が生じたと仮定する。このような場合、端子頭部21が更に二つの凸壁部21jを有することで、二つの凸壁部21j同士も第1端子部90aを挟み込むことができるので、不足分の接触抵抗を補うことができる。同様に、二つの凸壁部21j同士は、図12に示すように間隙G13を通過しながら第1接続部としての各々の変位片21kの間に挿入された第1端子部90aを挟み込むこともできるので、各々の変位片21kに関する不足分の接触抵抗も補うことができる。
第1加締め部22は、端子頭部21の一端と第1方向で連続し、第1電線80の導体部80aを加締めて接続する。第2加締め部23は、第1加締め部22における端子頭部21と連続する側とは反対側の一端と第1方向で連続し、第1電線80の外装部である絶縁体部を加締めて接続する。つまり、端子20の全体としては、端子頭部21、第1加締め部22及び第2加締め部23は、第1方向に沿っておおよそ直線状に並ぶ。
板状端子30は、FL91が有する一対のスリット状の端子嵌合部のうちのいずれか一つを接続する。本実施形態では、上記のとおり、バスバー構造体10に設けられている第2バスバー端子13がFL91の第2端子嵌合部91bを接続するので、板状端子30は、図4に示すように、FL91の第1端子嵌合部91aを接続する。また、電気接続装置3が四つのFL91を取り付け可能であることに対応して、板状端子30は四つある。
図13は、板状端子30の斜視図である。板状端子30は、第2電線81の端末に接続される金属製の端子である。第2電線81は、例えば、車両内に配策され、接続先の電子機器に適合する安全器としてFL91が選択されるワイヤーハーネスの一部である。板状端子30は、端子頭部31と、第1加締め部32と、第2加締め部33とを有する。板状端子30は、金属薄板に、プレス、切断、穴あけ又は折り曲げ等の加工が適宜施されることで形成されてもよい。
端子頭部31は、第1方向を長手方向とし、全体として、第1方向と第2方向とに平行な主平面を有する板体である。端子頭部31は、本体板31aと、本体板31aの先端に設けられた第2挿入端部31bとを有する。第2挿入端部31bは、第1端子嵌合部91aへの挿入を容易とするために、先端側が本体板31a側よりも細い形状を有する。
第1加締め部32は、端子頭部31の一端と第1方向で連続し、第2電線81の導体部81aを加締めて接続する。第2加締め部33は、第1加締め部32における端子頭部31と連続する側とは反対側の一端と第1方向で連続し、第2電線81の外装部である絶縁体部を加締めて接続する。つまり、板状端子30の全体としては、端子頭部31、第1加締め部32及び第2加締め部33は、第1方向に沿っておおよそ直線状に並ぶ。
電気接続箱本体40は、バスバー構造体10、端子20及び板状端子30のすべてを収容する。なお、「電気接続箱本体」との用語については、以下で詳説する機能に基づいて、「ホルダー」と呼称することもできる。電気接続箱本体40は、樹脂等の絶縁性材料により形成されてもよい。また、電気接続箱本体40は、スライド金型を用いた加工により製造されてもよい。
図14は、電気接続箱本体40の斜視図である。図15は、図14の視認方向とは反対の方向から見た電気接続箱本体40の斜視図である。電気接続箱本体40は、全体として第3方向を長手方向とする平形であり、それぞれ第3方向に沿って連続する、第1構造部41と、第2構造部42と、第3構造部43とを有する。なお、第1構造部41、第2構造部42及び第3構造部43は、当初より一体として製造されてもよいし、互いに独立して構成されたものを組み合わせることで製造されてもよい。
第1構造部41は、電気接続箱本体40のうち、ヒューズ90の取り付けに対応する構造部である。第1構造部41は、複数の第1取付部41aと、複数の第2取付部41bと、複数の端子収容部41kと、複数のバスバー端子収容部41mとを有する。
第1取付部41aは、ヒューズ90を第1方向に沿って取り付け可能とする。本実施形態では、第1取付部41aは四つある。また、各々の第1取付部41aは、それぞれ、第1方向、具体的にはZ方向の下方から上方に向かう方向に開口され、かつ、第3方向に沿って配列されている。各々の第1取付部41aは、外周側に設けられる第1側壁部41eと、隣り合う第1取付部41a同士を仕切る第1仕切壁41fとの組み合わせにより領域分けされている。第1側壁部41eの一部には、作業者がヒューズ90を挿抜する際にヒューズ90をつまみやすくするために、各々の第1取付部41aに対応した第1切り欠き部41gが形成されてもよい。
第2取付部41bは、ヒューズ90を第2方向に沿って取り付け可能とする。本実施形態では、第2取付部41bは四つある。また、各々の第2取付部41bは、それぞれ、第2方向、具体的にはX方向の一方の側に向かう方向に開口され、かつ、第3方向に沿って配列されている。また、四つの第2取付部41bと四つの第1取付部41aとは、第3方向での同位置で互いに直交する方向に開口する関係にある。各々の第2取付部41bは、外周側に設けられる第2側壁部41hと、隣り合う第2取付部41b同士を仕切る第2仕切壁41iとの組み合わせにより領域分けされている。第2側壁部41hの一部には、作業者がヒューズ90を挿抜する際にヒューズ90をつまみやすくするために、各々の第2取付部41bに対応した切り欠き部41jが形成されてもよい。
第1取付部41a及び第2取付部41bは、上記のように、それぞれ第3方向に沿って複数配列されることで、複数のヒューズ90やFL91の取り付けが可能となることから、例えば、利便性や拡張性を向上させるのに有利となり得る。
端子収容部41kは、端子20を収容する。端子収容部41kは、第3方向の同位置で対応する一つの第1取付部41aと一つの第2取付部41bとの組み合わせに対して、一つ配置される。端子収容部41kが端子20を収容している状態では、端子20に含まれる第1接続部、すなわち変位片21kの組は、電気接続箱本体40に予め形成されている不図示の第1端子貫通孔を介して第1取付部41aに対向する。一方、端子収容部41kが端子20を収容している状態では、同一の端子20に含まれる第2接続部、すなわち第1貫通孔部21fは、電気接続箱本体40に予め形成されている第2端子貫通孔41dを介して第2取付部41bに対向する。
バスバー端子収容部41mは、バスバー構造体10に含まれる第1バスバー端子12を収容する。ここで、電気接続箱本体40は、バスバー構造体10に含まれるバスバー本体11を、第3方向に沿って第1構造部41、第2構造部42及び第3構造部43に跨って配置されるように収容するバスバー収容部40aを有する。また、電気接続箱本体40は、バスバー収容部40aと、各々のバスバー端子収容部41mとを連通させる連通部41nを有する。このような電気接続箱本体40の内部構造により、バスバー本体11がバスバー収容部40aに収容されるとき、第1バスバー端子12は、連通部41nを介してバスバー本体11と連続しつつ、バスバー端子収容部41mに収容される。
また、バスバー端子収容部41mは、第3方向の同位置で対応する一つの第1取付部41aと一つの第2取付部41bとの組み合わせに対して、一つ配置される。つまり、電気接続箱本体40は、一組の第1取付部41a及び第2取付部41bに対しては、一つの端子20と、一つの第1バスバー端子12とを並べて配置可能である。バスバー端子収容部41mが第1バスバー端子12を収容している状態では、第1バスバー端子12に含まれる第1接続部、すなわち先端部12cの組は、電気接続箱本体40に予め形成されている不図示の第1端子貫通孔を介して第1取付部41aに対向する。一方、バスバー端子収容部41mが第1バスバー端子12を収容している状態では、同一の第1バスバー端子12に含まれる第2接続部、すなわち凹部12fは、電気接続箱本体40に予め形成されている第2端子貫通孔41dを介して第2取付部41bに対向する。
ここで、第2取付部41bは、第2端子貫通孔41dが形成されている底部41cを含む。底部41cは、第2取付部41bにヒューズ90を取り付けるときに、最終的にヒューズ90の本体が突き当たることで取付完了位置とする、いわゆるストッパーとしての役割を有してもよい。同様に、第1取付部41aにおいても、第1端子貫通孔が形成されている底部を、ヒューズ90を取り付けるときのストッパーとしてもよい。
第2構造部42は、電気接続箱本体40のうち、FL91の取り付けに対応する構造部である。第2構造部42は、複数の第3取付部42aと、複数の第4取付部42bと、複数の端子収容部42gと、複数のバスバー端子収容部42hとを有する。
第3取付部42aは、FL91を第1方向に沿って取り付け可能とする。本実施形態では、第3取付部42aは四つある。また、各々の第3取付部42aは、それぞれ、第1方向、具体的にはZ方向の下方から上方に向かう方向に開口され、かつ、第3方向に沿って配列されている。つまり、各々の第3取付部42aは、第1構造部41に設けられている各々の第1取付部41aとは同列となる。各々の第3取付部42aは、一つの開口部として領域分けされている。
第4取付部42bは、FL91を第2方向に沿って取り付け可能とする。本実施形態では、第4取付部42bは四つある。また、各々の第4取付部42bは、それぞれ、第2方向、具体的にはX方向の一方の側に向かう方向に開口され、かつ、第3方向に沿って配列されている。つまり、各々の第4取付部42bは、第1構造部41に設けられている各々の第2取付部41bとは同列となる。また、四つの第4取付部42bと四つの第3取付部42aとは、第3方向での同位置で互いに直交する方向に開口する関係にある。各々の第4取付部42bは、一つの開口部として領域分けされている。
第3取付部42aは、第1取付部41aと第3方向に沿って並び、かつ、第4取付部42bは、第2取付部41bと第3方向に沿って並ぶことで、ヒューズ90の交換のみならず、FL91の交換に関しても交換が容易となる。また、電気接続装置3全体の構成や形状のコンパクト化の点でも有利となり得る。
また、第3取付部42aと第4取付部42bとは、第2構造部42の内部で互いに直交する方向で連通する。この場合、第3取付部42aの底部42cは、第4取付部42bの一つの内壁部でもある。同様に、第4取付部42bの底部42dは、第3取付部42aの一つの内壁部でもある。
端子収容部42gは、板状端子30を収容する。端子収容部42gは、第3方向の同位置で対応する一つの第3取付部42aと一つの第4取付部42bとの組み合わせに対して、一つ配置される。端子収容部42gが板状端子30を収容している状態では、板状端子30に含まれる端子頭部31の本体板31aの少なくとも一部は、底部42cに予め形成されている第3端子貫通孔42eを貫通し、第3取付部42aの内部に露出する。ここで、第3取付部42aの内部は、上記のとおり、第4取付部42bの内部と連通しているため、本体板31aは、第4取付部42bの内部にも露出することになる。
バスバー端子収容部42hは、バスバー構造体10に含まれる第2バスバー端子13を収容する。ここで、電気接続箱本体40は、上記のとおり、バスバー収容部40aを有する。また、電気接続箱本体40は、バスバー収容部40aと、各々のバスバー端子収容部42hとを連通させる連通部42iを有する。このような電気接続箱本体40の内部構造により、バスバー本体11がバスバー収容部40aに収容されるとき、第2バスバー端子13は、連通部42iを介してバスバー本体11と連続しつつ、バスバー端子収容部42hに収容される。
また、バスバー端子収容部42hは、第3方向の同位置で対応する一つの第3取付部42aと一つの第4取付部42bとの組み合わせに対して、一つ配置される。つまり、電気接続箱本体40は、一組の第3取付部42a及び第4取付部42bに対しては、一つの板状端子30と、一つの第2バスバー端子13とを並べて配置可能である。そして、バスバー端子収容部42hが第2バスバー端子13を収容している状態では、第2バスバー端子13に含まれる本体板13aの少なくとも一部は、底部42cに予め形成されている第4端子貫通孔42fを貫通し、第3取付部42aの内部に露出する。なお、本体板13aが第4取付部42bの内部にも露出する点については、板状端子30と同様である。
ここで、底部42cは、第3取付部42aにFL91を取り付けるときに、最終的にFL91の本体が突き当たることで取付完了位置とする、いわゆるストッパーとしての役割を有してもよい。同様に、底部42dは、第4取付部42bにFL91を取り付けるときのストッパーとしての役割を有してもよい。
第3構造部43は、電気接続箱本体40のうち、バスバー構造体10に締結されている入力端子52の少なくとも一部と、バスバー構造体10への入力端子52の締結に用いられるボルト50及びナット51を収容する構造部である。第3構造部43は、バスバー保持部43aと、ナット収容部43bとを有する。
バスバー保持部43aは、バスバー収容部40aと連通し、入力端子52が締結されるバスバー本体11の一部を外部に露出させつつ、ナット51とでバスバー本体11を挟み込むことでバスバー本体11を保持する。ナット収容部43bは、バスバー保持部43aと連通し、ナット51の一部を収容する。
ここまで、電気接続装置3が第1防水ボックス5の内部に縦置きにされる第1設置例に合わせて、電気接続箱1の構成について説明した。第1設置例の場合、第2方向に開口する第2取付部41bや第4取付部42bは、図1に示すようにボックス本体5aの内面又は他の収容機器等に近接しながら対向することが想定される。このような状況下では、作業者が第2取付部41bや第4取付部42bに対してヒューズ90又はFL91を取り付けることは困難である。しかし、電気接続装置3では、第1方向に開口する第1取付部41aや第3取付部42aが、ボックス本体5aの開口部5cから広範な空間に露出する。そのため、作業者は、図2に示す状態から図3に示す状態に移行するように、第1取付部41aや第3取付部42aに対してヒューズ90又はFL91を容易に取り付けることができる。
そして、第1設置例では、ヒューズ90及びFL91は、電気接続箱本体40の内部で、図4に示すように各端子に接続される。具体的には、ヒューズ90の第1端子部90aは、端子20の第1接続部である変位片21kの組に接続される。ヒューズ90の第2端子部90bは、第1バスバー端子12の第1接続部である先端部12cの組に接続される。FL91の第1端子嵌合部91aは、板状端子30の本体板13aに第1方向に沿って接続される。FL91の第2端子嵌合部91bは、第2バスバー端子13の本体板13aに第1方向に沿って接続される。
これに対して、電気接続装置3は、設置部位である収容ボックスの構造や形状の制約によって第1設置例のような縦置きが不可能となる場合でも、設置姿勢を変化させることで以下のように適用可能である。
図16は、第1実施形態に係る第2設置例を採用した電気接続箱2を示す斜視図である。電気接続箱2は、自動車等の車両に設置され、接続対象部品としての電子部品を収容する点については、第1配置例を採用した電気接続箱1と同様である。電気接続箱2は、電気接続装置3を備える点については電気接続箱1と同様であるが、第1防水ボックス5に代えて、第2防水ボックス6を備える。
第2防水ボックス6は、自動車等の車両内のバッテリー110上に設置される、電気接続装置3を収容する収容ボックスである。第2防水ボックス6は、ボックス本体6aと、蓋部6bと、簡易蓋6cとを含む。ボックス本体6aに対して開口部6dを塞ぐように蓋部6bが被せられることで、第2防水ボックス6内の防水機能が維持される。開口部6dは、XY平面に平行な開口面を有する。ボックス本体6aの収納領域は、第1防水ボックス5と比較してもわかるとおり、開口部6dの広さが比較的広く、Z方向に沿った深さが比較的浅くなるように設定されている。このような第2防水ボックス6に電気接続装置3が設置される場合には、開口部6dの広さや浅さを効率的に利用するために、電気接続装置3の設置姿勢は、ボックス本体6a内でいわゆる横置きとなる水平姿勢であることが望ましい。ここでは、図16に示すように電気接続装置3が横置きとなる配置例を「第2配置例」と表記する。
ここで、図1に示す第1設置例では、電気接続装置3の設置姿勢は垂直となるが、このとき、特に、第1方向を長手方向とする各々の端子20は、Z方向すなわち鉛直方向に沿った姿勢で配置されることになる。これに対して、第2設置例のように電気接続装置3の設置姿勢が水平となる場合には、各々の端子20は、Z方向すなわち鉛直方向に対して垂直となる姿勢、すなわち、XY平面に沿った姿勢で配置されることになる。
なお、蓋部6bには、ボックス本体6aに収納されている電気接続装置3の第2取付部41b及び第4取付部42bの開口に対向する位置に、ヒューズ90又はFL91を作業者が交換する際に利用される交換口6eが設けられていてもよい。簡易蓋6cは、交換口6eに対して取り付け及び取り外しが可能である。作業者は、蓋部6bから簡易蓋6cを取り外すことで、交換口6eを通じてヒューズ90又はFL91を交換することができるので、このとき、ボックス本体6aから蓋部6b全体を取り外す必要はない。
図17は、第2設置例においてヒューズ90及びFL91が取り付けられていない状態の電気接続装置3を示す斜視図である。一方、図18は、第2設置例においてヒューズ90及びFL91が取り付けられている状態の電気接続装置3を示す斜視図である。
ここで、第2設置例では、XYZで示される空間座標と、電気接続装置3の形状を基準とした第1方向、第2方向及び第3方向とは、次のような関係がある。
第1方向は、X方向に対応している。電気接続装置3が第2設置例で配置される場合、ヒューズ90及びFL91は、第1方向では取り付け及び取り外しはされない。
第2方向は、Z方向に対応している。この場合、ヒューズ90及びFL91を取り付ける方向は、Z方向の図中矢印が示す方向とは反対に、空間上、上から下に向かう方向となる。ヒューズ90及びFL91を取り外す方向は、Z方向の図中矢印が示す方向であり、空間上、下から上に向かう方向となる。つまり、電気接続装置3が第2設置例で配置される場合、ヒューズ90及びFL91の取り付け方向及び取り外し方向は、図17及び図18に示すように、第2方向に沿うことになる。
第3方向は、第1設置例の場合と同様に、Y方向に対応している。
第2設置例の場合、第1方向に開口する第1取付部41aや第3取付部42aは、図16に示すようにボックス本体6aの内面に近接しながら対向することが想定される。このような状況下では、図1に示す第1設置例の場合とは異なり、作業者が第1取付部41aや第3取付部42aに対してヒューズ90又はFL91を取り付けることは困難である。しかし、電気接続装置3では、第2方向に開口する第2取付部41bや第4取付部42bが、ボックス本体6aの開口部6dから広範な空間に露出する。そのため、作業者は、図17に示す状態から図18に示す状態に移行するように、第2取付部41bや第4取付部42bに対してヒューズ90又はFL91を容易に取り付けることができる。
図19は、第2設置例において電気接続装置3の全体構成から電気接続箱本体40を取り除いた状態を示す斜視図である。第2設置例での電気接続装置3では、ヒューズ90及びFL91は、電気接続箱本体40の内部で、図19に示すように各端子に接続される。具体的には、ヒューズ90の第1端子部90aは、端子20の第2接続部である第1貫通孔部21f及び第2貫通孔部21gに接続される。ヒューズ90の第2端子部90bは、第1バスバー端子12の第2接続部である二つの凹部12fに接続される。FL91の第1端子嵌合部91aは、板状端子30の本体板13aに第2方向に沿って接続される。FL91の第2端子嵌合部91bは、第2バスバー端子13の本体板13aに第2方向に沿って接続される。
次に、端子20又は第1バスバー端子12等の端子、これらの端子を備えた電気接続装置3、及び、電気接続装置3を備えた電気接続箱1又は電気接続箱2の作用及び効果について説明する。
本実施形態に係る端子は、接続対象部品が有する平板状の端子部を接続する金属製である。端子は、端子部を第1方向に沿って挿入させて接続可能な第1接続部と、端子部を第1方向とは直交する第2方向に沿って挿入させて接続可能な第2接続部とを有する。第1接続部は、第2方向に沿って端子部の厚み部分を挟持する。第2接続部は、第1方向に沿って端子部の厚み部分を挟持する。
ここでの端子は、上記例示では、端子20又は第1バスバー端子12に相当する。例えば、ここでの接続対象部品がヒューズ90である場合、端子部は、第1端子部90a又は第2端子部90bのいずれかに相当する。そして、ヒューズ90は、その機能上、交換を要する場合があり得る部品である。
まず、本実施形態に係る端子は、互いに異なる方向から端子部を挿入させて接続可能な第1接続部と第2接続部との二つの接続部を有する。ここで、例えば、設置場所に起因する端子の配置姿勢によっては、端子部を第1方向から第1接続部に接続させることが難しく、つまり、第1方向ではヒューズ90を交換することが作業上困難である場合もあり得る。これに対して、本実施形態に係る端子によれば、端子部を第2方向から第2接続部に接続させることもできるので、作業性の点で有利となり得る。
また、本実施形態に係る端子では、第1接続部が第2方向に沿って端子部の厚み部分を挟持し、第2接続部が第1方向に沿って端子部の厚み部分を挟持する。ここで、このような構成を有する二つの端子を、各々の第1接続部同士及び各々の第2接続部同士がそれぞれ同方向に向くように、同一姿勢で並べて配置されたとする。この場合、ヒューズ90のように一対の平板状の端子部を有する接続対象部品を、双方の端子に対して、第1方向から向かわせても、第2方向から向かわせても、いずれも接続可能となる。例えば、ヒューズ90を第1方向から双方の端子に向かわせた場合、一方の端子の第1接続部には、第1端子部90aを接続し、他方の端子の第1接続部には、第2端子部90bを接続することができる。また、ヒューズ90を第2方向から双方の端子に向かわせた場合、一方の端子の第2接続部には、第1端子部90aを接続し、他方の端子の第2接続部には、第2端子部90bを接続することができる。
更に、本実施形態に係る端子は、互いに異なる方向に沿って端子部を接続させる二つの接続部を有するので、第1方向に沿って端子部を挿入させて接続可能とする端子と、第2方向に沿って端子部を挿入させて接続可能とする端子とが共用化されたとも言える。したがって、本実施形態に係る端子によれば、第1方向に沿う接続用の端子と、第2方向に沿う接続用の端子とを別々に製造して準備しておく必要がないため、在庫管理の容易性や、部品共用化による低コスト化に関しても有利となり得る。
以上のように、本実施形態によれば、設置場所に影響を受けることなく、ヒューズ90等の接続対象部品の交換を容易とする端子を提供することができる。
また、上記端子が端子20である場合、端子20は、第1方向を各々の長手方向とする四方の側壁で囲まれた筒状の端子頭部21を有してもよい。この場合、第1接続部は、互いに対向する二つの側壁の各々の先端からそれぞれ端子頭部21の内部に延伸して端子部を挟み込む変位片21kの組であってもよい。第2接続部は、変位片21kが連接されている二つの側壁の各々に互いに第2方向で対向するように設けられ、互いに第1方向で対向する二つの凸縁部で端子部を挟み込ませる二つの貫通孔部であってもよい。
ここで、第1接続部に関して、端子頭部21において変位片21kが設けられる二つの側壁は、上記例示では、第2側壁21b及び第4側壁21dに相当する。また、第2接続部に関して、二つの貫通孔部は、上記例示では、二つの第1凸縁部21hを有する第1貫通孔部21fと、二つの第2凸縁部21iを有する第2貫通孔部21gに相当する。
このような端子20によれば、上記説明した本実施形態に係る端子の一例として体現され得る。特に、端子20の構成又は形状によれば、四方の側壁で囲まれた筒状の端子頭部21に第1接続部と第2接続部との双方が設けられるため、例えば、金属薄板に各種加工を施すことで、容易に端子20を製造することができる。また、変位片21kの形状、変位片21kの位置を基準とした貫通孔部の形成位置、又は、貫通孔部に設けられる凸縁部の形状などを適宜調整した上で製造することができるので、接続対象部品の端子部の具体的形状に適した接圧などの条件を設定しやすい。
また、上記端子が第1バスバー端子12である場合、第1バスバー端子12は、第1方向に沿って延伸し、かつ、互いに第2方向で対向する二つの腕部12bと、二つの腕部12bを支持する基部12aとを有してもよい。二つの腕部12bは、第1方向と第2方向とに平行な主平面を有する板体であってもよい。第1接続部は、各々の腕部12bに一つずつ設けられ、基部12aを基準として端子部を挟み込む先端部12cの組であってもよい。第2接続部は、第2方向で対称となる形状に各々の腕部12bに一つずつ設けられ、第1方向に沿って腕部12bを第1段部12dと第2段部12eとに離間させ、第1段部12dと第2段部12eとで端子部を挟み込ませる二つの凹部12fであってもよい。
このような第1バスバー端子12によれば、上記説明した本実施形態に係る端子の一例として体現され得る。特に、第1バスバー端子12の構成又は形状によれば、板体を基材として容易に成形できるので、例えば、バスバー構造体10の一部として設けられる場合には、製造にかかる時間やコストを抑制する点で有利となり得る。
また、第1バスバー端子12は、凹部12fは、第1段部12d及び第2段部12eと平行な底部12gを有してもよい。凹部12fは、第1段部12dの第2段部12eに対向する側の端辺と、底部12gの第1段部12dの側の端辺とを連続させる第1側部12hを有してもよい。また、凹部12fは、第2段部12eの第1段部12dに対向する側の端辺と、底部12gの第2段部12eの側の端辺とを連続させる第2側部12iを有してもよい。ここで、第1側部12hと第2側部12iとの間隔は、第1段部12dと第2段部12eとの間隙G2から底部12gに向かうにつれて広くなってもよい。
凹部12fの構成又は形状によれば、第1段部12dと第2段部12eとで端子部が挟み込まれたとき、第1側部12hと第2側部12iとが互いに離れる方向に変形する。このような第1バスバー端子12によれば、第1段部12dと第2段部12eとは、第1側部12h及び第2側部12iの変形に伴って生じた変位力を端子部に与えることで、端子部を挟まれた状態で保持することができる。また、凹部12fを構成する各部の形状を適宜調整した上で製造することができるので、接続対象部品の端子部の具体的形状に適した接圧などの条件を設定しやすい。
また、端子20又は第1バスバー端子12では、接続対象部品は、第1安全器であってもよい。この場合、端子部は、同方向に突出する一対のうちの一つであってもよい。
このような端子20又は第1バスバー端子12によれば、接続対象部品として、例えばヒューズ90である第1安全器を適用し得るので、上記例示した電気接続装置3のような装置に対して採用することができる。
次に、本実施形態に係る電気接続装置3は、平板状の端子部を有する接続対象部品を取り付ける。電気接続装置3は、端子部を接続する複数の端子と、複数の端子を収容する電気接続箱本体40とを備える。ここでいう端子は、上記の端子20又は第1バスバー端子12である。電気接続箱本体40は、接続対象部品を第1方向に沿って取り付け可能な第1取付部41aと、接続対象部品を第2方向に沿って取り付け可能な第2取付部41bとを有する。端子に含まれる第1接続部は、第1取付部41aに取り付けられた接続対象部品の端子部を接続させる。端子に含まれる第2接続部は、第2取付部41bに取り付けられた接続対象部品の端子部を接続させる。
ここで、平板状の端子部を有する接続対象部品は、第1端子部90a及び第2端子部90bを有するヒューズ90であるものとする。その上で、第1設置例のように、電気接続装置3が縦置きで第1防水ボックス5内に設置される場合がある。この場合、作業者が第2方向に開口する第2取付部41bに対してヒューズ90を取り付けることが困難であることもあり得る。これに対して、電気接続装置3によれば、他方の取付部である第1方向に開口する第1取付部41aを広範な空間に露出させることができるので、作業者に対して、第1取付部41aにヒューズ90を容易に取り付けさせることができる。
反対に、第2設置例のように、電気接続装置3が横置きで第2防水ボックス6内に設置される場合がある。この場合、作業者が第1方向に開口する第1取付部41aに対してヒューズ90を取り付けることが困難であることもあり得る。これに対して、電気接続装置3によれば、他方の取付部である第2方向に開口する第2取付部41bを広範な空間に露出させることができるので、作業者に対して、第2取付部41bにヒューズ90を容易に取り付けさせることができる。
このように、電気接続装置3では、配置姿勢によっていずれかの方向からの一方の取付部へのヒューズ90の取り付けが困難であったとしても、他の方向からの他方の取付部へのヒューズ90の取り付けが可能である。つまり、電気接続装置3によれば、いずれかの方向からのヒューズ90の交換が困難であったとしても、他の方向からのヒューズ90の交換が可能となる。
また、電気接続装置3に採用される端子は、上記の端子20又は第1バスバー端子12である。つまり、第1取付部41aに取り付けられた接続対象部品の端子部が接続される第1接続部と、第2取付部41bに取り付けられた接続対象部品の端子部が接続する第2接続部とは、一つの端子20又は一つの第1バスバー端子12で共有されている。したがって、電気接続装置3によれば、例えば、部品点数を削減したり、全体の構成や形状をコンパクト化させたりする点で有利となり得る。
更に、電気接続装置3では、電気接続箱本体40は、予め、互いに異なる方向に沿って接続対象部品を取り付ける二つの取付部を有する。そのため、例えば、第1方向に沿って接続対象部品を取り付けるのに好適な第1取付部のみを有する電気接続箱本体と、第2方向に沿って接続対象部品を取り付けるのに好適な第2取付部のみを有する電気接続箱本体とを別々に製造して準備しておく必要がない。したがって、電気接続装置3によれば、在庫管理の容易性や、部品共用化による低コスト化に関しても有利となり得る。
以上のように、本実施形態によれば、設置場所に影響を受けることなく、ヒューズ90等の接続対象部品の交換を容易とする電気接続装置3を提供することができる。
また、電気接続装置3は、電気接続箱本体40に収容され、複数の第1取付部41a及び複数の第2取付部41bの配列に合わせて延伸するバスバー構造体10を備えてもよい。ここで、端子として第1端子と第2端子との二種が存在するものとしてもよい。バスバー構造体10は、第2端子としての第1バスバー端子12を有してもよい。電気接続箱本体40は、第1取付部41a及び第2取付部41bに対して、一つの第1端子と、一つの第1バスバー端子12とを並べて配置可能であってもよい。また、接続対象部品が、端子部として同方向に突出する第1端子部90aと第2端子部90bとを有する第1安全器としてのヒューズ90である場合を想定する。この場合、第1安全器が第1取付部41aに取り付けられるとき、第1端子に含まれる第1接続部は、第1端子部90aを接続し、第1バスバー端子12に含まれる第1接続部は、第2端子部90bを接続してもよい。一方、第1安全器が第2取付部41bに取り付けられるとき、第1端子に含まれる第2接続部は、第1端子部90aを接続し、第1バスバー端子12に含まれる第2接続部は、第2端子部90bを接続してもよい。更に、電気接続装置3では、第1端子は、端子20であってもよい。
このような電気接続装置3によれば、第1安全器としての個々のヒューズ90を一つずつ含む複数の電気回路を有しつつ、これらの電気回路をバスバー構造体10で電気的に連通させる構成を、少ない部品点数で簡易的に構築することができる。
また、電気接続装置3は、電気接続箱本体40に収容され、第1方向と第2方向とに平行な金属製の板状端子30を備えてもよい。バスバー構造体10は、第1方向と第2方向とに平行な平板状の第2バスバー端子13を有してもよい。電気接続箱本体40は、第2安全器としてのFL91を、第1方向に沿って取り付け可能な第3取付部42aと、第2安全器を第2方向に沿って取り付け可能な第4取付部42bとを有してもよい。第2安全器は、互いに平行なスリット状の第1端子嵌合部91a及び第2端子嵌合部91bを有してもよい。この場合、板状端子30及び第2バスバー端子13の各々の少なくとも一部は、第3取付部42a及び第4取付部42bの双方に露出してもよい。一方、第2安全器が第3取付部42a又は第4取付部42bのいずれに取り付けられるときも、板状端子30は、第1端子嵌合部91aに接続され、第2バスバー端子13は、第2端子嵌合部91bに接続されてもよい。
このような電気接続装置3によれば、ヒューズ90のような第1安全器に加えて、FL91のような第2安全器を取り付けることができる構成とし得る。また、電気接続装置3によれば、FL91を含む電気回路を電気的に連通させる構成を、ヒューズ90を含む電気回路を電気的に連通させるバスバー構造体10を用いて構築することができるので、結果として、部品点数の削減等に有利となり得る。
そして、本実施形態に係る電気接続箱は、平板状の端子部を有する接続対象部品を取り付ける電気接続装置と、電気接続装置を収容する収容ボックスとを備える。電気接続装置は、上記の電気接続装置3である。
ここで、電気接続箱は、上記例示のうち、第1配置例を採用する電気接続箱1であってもよいし、第2配置例を採用する電気接続箱2であってもよい。電気接続箱1が備える収容ボックスは、第1防水ボックス5である。電気接続箱2が備える収容ボックスは、第2防水ボックス6である。
本実施形態によれば、電気接続装置3を備えるので、ヒューズ90等の接続対象部品の交換を容易とする電気接続箱1等を提供することができる。
また、電気接続装置3には、互いに異なる方向に沿って接続対象部品を取り付けることができる二つの取付部を有する電気接続箱本体40が備えられている。そのため、収容ボックス内に、電気接続装置3が鉛直姿勢又は水平姿勢などのいずれの姿勢で配置されたとしても、収容ボックスの一つの開口部を通じて、いずれかの取付部が広範な空間に露出する可能性が高い。つまり、電気接続箱1等によれば、例えば、ヒューズ90等を複数の方向から交換可能とすることを想定して収容ボックスに複数の開口部を予め形成しておく必要がないので、収容ボックスの具体的形状の複雑化を抑止し、製造コストの低減等に有利となり得る。
更に、車載用の収容ボックスの形状は、一般に、車種によって多様である。これに対して、電気接続箱1等によれば、電気接続装置3を備えること自体でヒューズ90等の交換を容易とし得るため、適用し得る収容ボックスの形状に関する制限を減らし、結果として電気接続箱1等が採用される範囲を広げることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る電気接続箱では、収容ボックスとして第1防水ボックス5又は第2防水ボックス6を備え得る点については、第1実施形態に係る電気接続箱1等と同様である。これに対して、第2実施形態に係る電気接続箱は、第1実施形態に係る電気接続装置3を以下の点で改変した電気接続装置4を備える。具体的には、電気接続装置3は、接続対象部品がヒューズ90とFL91との二種の安全器である場合に適用され得るものである。これに対して、電気接続装置4では、安全器としての接続対象部品は、ヒューズ90のみである。また、電気接続装置4は、電気接続装置3が備えていたバスバー構造体10に代えて、各取付部への接続対象部品の一種として、いくつかの形態が想定されるバスバーを備える。
以下、電気接続装置4の構成要素及び接続対象部品に関して、第1実施形態に係る電気接続装置3に関するものと同一のものについては同一の符号を付し、説明を省略する。また、電気接続装置4の形状を基準とする第1方向、第2方向及び第3方向とXYZの空間座標との関係に関しても、第1実施形態の場合と同様である。更に、本実施形態における第1設置例及び第2設置例での電気接続装置4の設置姿勢に関しても、第1実施形態の場合と同様である。すなわち、電気接続装置4の第1設置例での配置姿勢は、図1に示す第1防水ボックス5に設置される場合のような、いわゆる縦置きとなる鉛直姿勢である。一方、電気接続装置4の第2設置例での配置姿勢は、図16に示す第2防水ボックス6に設置される場合のような、いわゆる横置きとなる水平姿勢である。
図20は、第1設置例において、第1実施例が適用された場合のヒューズ90及び第1バスバー70が取り付けられていない状態の電気接続装置4を示す斜視図である。一方、図21は、第1設置例において、第1実施例が適用された場合のヒューズ90及び第1バスバー70が取り付けられている状態の電気接続装置4を示す斜視図である。また、図22は、第1設置例において、第1実施例が適用された場合の電気接続装置4の全体構成から電気接続箱本体60を取り除いた状態を示す斜視図である。
電気接続装置4は、基本構成として、同一方向から四つのヒューズ90を取り付けることができる。電気接続装置4は、各々のヒューズ90を、第1方向に沿って取り付けることもできるし、第1方向とは垂直な第2方向に沿って取り付けることもできる。一方で、電気接続装置4では、FL91を取り付けることは想定されていない。
ここで、本実施形態における第1実施例とは、電気接続装置4において、上流側の第1電線80と下流側の第1電線80とを一つのヒューズ90を介して電気的に接続させる電気回路が計四つ設けられ、各々の電気回路をバスバーで連通させる実施例である。この場合、電気接続装置4は、八つの端子20と、第1バスバー70と、電気接続箱本体60と、を備える。なお、端子20は、第1実施形態において説明したものと同一である。各々の端子20は、長手方向が第1方向に沿うよう姿勢で、第3方向に沿って配列される。この場合、第1方向に沿って取り付けられるヒューズ90の一対の端子部のうち、第1端子部90aは、一つの端子20に含まれる第1接続部である変位片21kの組に接続される。一方、第2端子部90bは、隣り合う他の一つの端子20に含まれる第1接続部である変位片21kの組に接続される。
第1バスバー70は、電気接続装置4に適用し得るバスバーの一例であり、平板状の導電性部材である。第1バスバー70は、本体板70aと、端子部として、本体板70aから同方向に沿って突出する四つの突出片とを有する。突出片の一つは、一つのヒューズ90を含む一つの電気回路に電気的に接続されるように配置される。例えば、第1バスバー70は、各々のヒューズ90の第2端子部90bが接続される端子20の配置に合うように、第1突出片70b、第2突出片70c、第3突出片70d及び第4突出片70eを、第3方向に沿って等間隔に有してもよい。そして、第1バスバー70は、電気接続装置4に対して第2方向に沿って取り付けられる。この場合、第1突出片70bは、一つ目のヒューズ90の第2端子部90bが接続される端子20に含まれる第2接続部である第1貫通孔部21f及び第2貫通孔部21gに接続される。同様に、第2突出片70cは、二つ目のヒューズ90の第2端子部90bが接続される端子20に含まれる第1貫通孔部21f及び第2貫通孔部21gに接続される。第3突出片70dは、三つ目のヒューズ90の第2端子部90bが接続される端子20に含まれる第1貫通孔部21f及び第2貫通孔部21gに接続される。また、第4突出片70eは、四つ目のヒューズ90の第2端子部90bが接続される端子20に含まれる第1貫通孔部21f及び第2貫通孔部21gに接続される。
図23は、図12に対応した、ヒューズ90の第2端子部90bと第1バスバー70の第1突出片70bとの挿入後の位置関係を説明するための端子頭部21の断面図である。第1実施例に係る電気接続装置4では、第1接続部である変位片21kの組と、第2接続部である第1貫通孔部21f及び第2貫通孔部21gとに、ヒューズ90の第2端子部90b又は第1バスバー70の一つの突出片が同時に接続されるべき端子20が生じる。そこで、ヒューズ90の第2端子部90bの取付完了位置は、図23に示すように、第1バスバー70が取付完了位置にあるときの突出片(例えば第1突出片70b)よりも、間隙G21分、第1方向で離間する位置に設定される。ここで、第1接続部に対する第2端子部90bの接触代をより確保したい場合には、例えば、端子頭部21において、第1貫通孔部21f及び第2貫通孔部21gの位置を、第1方向に沿って第1接続部からより離れる位置に変更してもよい。なお、第1実施例では、第1バスバー70の各々の突出片が、ヒューズ90の第2端子部90bが接続される端子20に接続されるものとしているが、ヒューズ90の第1端子部90aが接続される端子20に接続される場合であっても同様である。
電気接続箱本体60は、第1実施形態における電気接続箱本体40に対応するものである。ただし、本実施形態では、FL91の取り付けが想定されておらず、かつ、バスバー構造体10も採用されない。そのため、電気接続箱本体60の外部形状は、基本的には、電気接続箱本体40から第1構造部41のみが抽出されたような形状となる。一方、電気接続箱本体60の内部形状は、電気接続箱本体40に含まれる端子収容部41kと同様の端子収容部が端子20の収容数分配置され、かつ、電気接続箱本体40に含まれていたバスバー収容部40aを設けない形状となる。その上で、電気接続箱本体60は、複数の第1取付部60aと、複数の第2取付部60bとを有する。
第1取付部60aは、電気接続装置3における第1取付部41aに対応し、ヒューズ90を第1方向に沿って取り付け可能とする。本実施形態では、第1取付部60aは四つある。また、各々の第1取付部60aは、それぞれ、第1方向、具体的にはZ方向の下方から上方に向かう方向に開口され、かつ、第3方向に沿って配列されている。各々の第1取付部60aは、外周側に設けられる第1側壁部60cと、隣り合う第1取付部60a同士を仕切る第1仕切壁60eとの組み合わせにより領域分けされている。なお、第1側壁部60cには、電気接続装置3における第1切り欠き部41gと同様の切り欠き部が形成されていてもよい。
ここで、電気接続装置4では、端子20の第1接続部へのヒューズ90の第2端子部90bの挿入量は、図23に示したように第2接続部には第1バスバー70の突出片が接続されていることに伴って、電気接続装置3の場合の挿入量よりも少ない。結果として、第1取付部60aにて取付完了位置にあるヒューズ90の本体頭部の高さ位置は、電気接続装置3の第1取付部41aにて取付完了位置にある場合よりも高くなる。そこで、第1取付部60aでは、図21に示すように、第1側壁部60cのうち第3方向での両端部に相当する二つの端壁部60dの高さを、第1方向に沿って、取付完了位置にあるヒューズ90の本体頭部の高さに合わせてもよい。同様に、二つの端壁部60dから第3方向に沿って一つの第1仕切壁60eを挟んだ二つ目の第1仕切壁60eの高さも、第1方向に沿って、取付完了位置にあるヒューズ90の本体頭部の高さに合わせてもよい。このような第1取付部60aの形状によれば、いずれの第1取付部60aにヒューズ90が取り付けられても、ヒューズ90の本体頭部の高さ位置を、第1方向に高く設定されている近接した壁部の高さ位置に容易に合わせることができる。これにより、例えば、特に第1方向について、取付完了位置へのヒューズ90の位置決めが容易となる。また、第1取付部60aに取り付けられているヒューズ90を保護する点でも有利となる。
また、すべての第1仕切壁60eは、第1バスバー70を複数の第1取付部60aに跨って取り付けさせるときに、第1バスバー70の一部を貫通させる第1スリット60fを有する。第1設置例では、第1バスバー70は、複数の第1取付部60aに跨って取り付けられることはない。一方、以下で説明する第2設置例では、第1バスバー70が複数の第1取付部60aに跨って取り付けられるべき場合がある。この場合、電気接続箱本体60は、各々の第1仕切壁60eに第1スリット60fを予め設けておくことで、いずれの第1仕切壁60eにも遮られることなく、第1バスバー70を取り付けさせることができる。また、第1スリット60fを含む第1仕切壁60eによれば、隣り合う第1取付部60a同士で連通する空間は、第1スリット60fのみである。したがって、第1仕切壁60eの大部分は残存し、隣り合う第1取付部60a間の絶縁機能を確保させることができる。
第2取付部60bは、電気接続装置3における第2取付部41bに対応し、ヒューズ90を第2方向に沿って取り付け可能とする。本実施形態では、第2取付部60bは四つある。また、各々の第2取付部60bは、それぞれ、第2方向、具体的にはX方向の一方の側に向かう方向に開口され、かつ、第3方向に沿って配列されている。また、四つの第2取付部60bと四つの第1取付部60aとは、第3方向での同位置で互いに直交する方向に開口する関係にある。各々の第2取付部60bは、外周側に設けられる第2側壁部60gと、隣り合う第2取付部60b同士を仕切る第2仕切壁60hとの組み合わせにより領域分けされている。第2側壁部60gには、電気接続装置3における第1切り欠き部41gと同様の切り欠き部が形成されていてもよい。
また、すべての第2仕切壁60hは、第1バスバー70を複数の第2取付部60bに跨って取り付けさせるときに、第1バスバー70の一部を貫通させる第2スリット60iを有する。電気接続箱本体60は、各々の第2仕切壁60hに第2スリット60iを予め設けておくことで、いずれの第2仕切壁60hにも遮られることなく、第1バスバー70を取り付けさせることができる。また、第2スリット60iを含む第2仕切壁60hにより、第2仕切壁60hの大部分が残存する結果、隣り合う第2取付部60b間の絶縁機能を確保させることができる点については、第1仕切壁60eと同様である。
ここまで、電気接続装置4が縦置きにされる第1設置例に合わせて、電気接続装置4の構成について説明した。電気接続装置4の第1設置例では、第1方向に開口する第1取付部60aが広範な空間に露出するので、作業者は、図20に示す状態から図21に示す状態に移行するように、第1取付部60aに対してヒューズ90を容易に取り付けることができる。一方、電気接続装置4の第1設置例では、配置部の内面又は他の収容機器等に近接しながら対向しやすい第2方向に開口する第2取付部60bに、第1バスバー70が取り付けられる。しかし、第1バスバー70のようなバスバーは、電気接続装置4に一旦設置された後は、基本的には交換を要しない。したがって、外部からのアクセス性に難のある第2取付部60bに第1バスバー70が取り付けられても構わない。このような第1実施例によれば、電気接続装置4を備える電気接続箱を、複数のヒューズ90に対応したヒューズボックスとしての利用に加えて、複数の第1電線80をヒューズ90の下流側で連通させるジョイントボックスとして利用することができる。
また、第1設置例における第1実施例として、電気接続装置4において、上流側の第1電線80と下流側の第1電線80とをヒューズ90を介して電気的に接続させる四つの電気回路を第1バスバー70で連通させる実施例について説明した。ここで、電気接続装置4におけるバスバーは、接続対象部品の一種である。そこで、電気接続装置4によれば、バスバーの形状や設置の有無、又は、端子20の設置数又は配置を適宜変更することで、様々な電気回路を内部に構成することができる。
図24は、第1設置例において、第2実施例が適用された場合の電気接続装置4の全体構成から電気接続箱本体60を取り除いた状態を示す斜視図である。第2実施例では、第1実施例と比較して、第1バスバー70のようなバスバーが存在しない。このような第2実施例によれば、電気接続装置4を備える電気接続箱を、四つの電気回路用のいわゆるヒューズボックスとして利用することができる。
図25は、第1設置例において、第3実施例が適用された場合の電気接続装置4の全体構成から電気接続箱本体60を取り除いた状態を示す斜視図である。第3実施例では、第1実施例と比較して、まず、一つの第1取付部60aに対応した部分のみが二つの端子20を配置して、上流側の第1電線80と下流側の第1電線80とをヒューズ90を介して電気的に接続させる一つの電気回路を構成する。なお、他の三つの第1取付部60aでは、各々一つずつの端子20のみを配置して、ヒューズ90を取り付けない。一方、第1バスバー70については、第1突出片70bが、ヒューズ90が接続されている電気回路の端子20に接続され、他の各々の突出片は、各々独立した端子20に一つずつ接続される。このような第3実施例によれば、電気接続装置4を備える電気接続箱を、複数の第1電線80をヒューズ90の下流側で連通させる、いわゆるジョイントボックスとして利用することができる。
図26は、第1設置例において、第4実施例が適用された場合の電気接続装置4の全体構成から電気接続箱本体60を取り除いた状態を示す斜視図である。第4実施例では、第1実施例と比較して、ヒューズ90を接続対象部品とせず、各々の第1取付部60aに対応して一つずつ配置された端子20には、第1バスバー70の各々の突出片が一つずつ接続される。このような第4実施例によれば、電気接続装置4を備える電気接続箱を、四つの第1電線80を連通させるジョイントボックスとして利用することができる。なお、ここでは、四つの突出片を有する第1バスバー70の形状に合わせて、四つの第1電線80を連通させるものとしている。これに対して、例えば、すべての第1取付部60aに二つの端子20を配置し、計八つの端子20に対応する八つの突出片を有するバスバーを準備すれば、最大八つの第1電線80を連通させることができる。
図27は、第1設置例において、第5実施例が適用された場合の電気接続装置4の全体構成から電気接続箱本体60を取り除いた状態を示す斜視図である。第5実施例では、第1実施例と比較して、まず、二つの第1取付部60aに対応した部分が二つの端子20を配置して、上流側の第1電線80と下流側の第1電線80とをヒューズ90を介して電気的に接続させる二つの電気回路を構成する。なお、他の二つの第1取付部60aでは、各々一つずつの端子20のみを配置して、ヒューズ90を取り付けない。一方、第5実施例では、四つの突出片を有する第1バスバー70に代えて、本体板71aから突出する第1突出片71c、第2突出片71d及び第3突出片71eの三つの突出片を有する第2バスバー71が採用される。この場合、第2バスバー71については、第1突出片71cが、ヒューズ90が接続されている一方の電気回路の端子20に接続され、他の各々の突出片は、各々独立した端子20に一つずつ接続される。もう一方のヒューズ90が接続されている他方の電気回路には、第2バスバー71は接続されない。このような第5実施例によれば、電気接続装置4を備える電気接続箱を、ヒューズボックスとしての利用に加えて、複数の第1電線80をヒューズ90の下流側で連通させるジョイントボックスとして利用することができる。
更に、電気接続装置4は、電気接続装置3と同様に、縦置きが不可能となる場合でも、以下のように横置きとして適用可能である。
図28は、第2設置例においてヒューズ90及び第1バスバー70が取り付けられていない状態の電気接続装置4を示す斜視図である。一方、図29は、第2設置例においてヒューズ90及び第1バスバー70が取り付けられている状態の電気接続装置4を示す斜視図である。なお、第2設置例における、XYZで示される空間座標と、電気接続装置4の形状を基準とした第1方向、第2方向及び第3方向との関係については、電気接続装置3に関する第2設置例の場合と同様である。
電気接続装置4の第2設置例では、第2方向に開口する第2取付部60bが広範な空間に露出するので、作業者は、図28に示す状態から図29に示す状態に移行するように、第2取付部60bに対してヒューズ90を容易に取り付けることができる。一方、電気接続装置4の第2設置例では、配置部の内面又は他の収容機器等に近接しながら対向しやすい第1方向に開口する第1取付部60aに、第1バスバー70が取り付けられる。しかし、第1設置例における第2取付部60bと同様に、第1バスバー70の交換は基本的には要しないため、第1取付部60aに第1バスバー70が取り付けられても構わない。
図30は、第2設置例において電気接続装置4の全体構成から電気接続箱本体60を取り除いた状態を示す斜視図である。電気接続装置の第2設置例では、ヒューズ90及び第1バスバー70は、電気接続箱本体60の内部で、図30に示すように各端子に接続される。具体的には、ヒューズ90の第1端子部90aは、一つの端子20の第2接続部である第1貫通孔部21f及び第2貫通孔部21gに接続される。ヒューズ90の第2端子部90bは、隣り合う他の一つの端子20の第2接続部である第1貫通孔部21f及び第2貫通孔部21gに接続される。第1バスバー70の各々の突出片は、ヒューズ90の第2端子部90bが接続されている端子20の第1接続部である変位片21kの組に接続される。
次に、電気接続装置4、及び、電気接続装置4を備えた電気接続箱の作用及び効果について説明する。
まず、電気接続装置4は、平板状の端子部を有する接続対象部品を取り付ける。電気接続装置4は、端子部を接続する複数の端子20と、複数の端子20を収容する電気接続箱本体60とを備える。電気接続箱本体40は、接続対象部品を第1方向に沿って取り付け可能な第1取付部60aと、接続対象部品を第2方向に沿って取り付け可能な第2取付部60bとを有する。端子20に含まれる第1接続部は、第1取付部60aに取り付けられた接続対象部品の端子部を接続させる。端子20に含まれる第2接続部は、第2取付部60bに取り付けられた接続対象部品の端子部を接続させる。
このような構成や形状によれば、第1実施形態に係る電気接続装置3の効果と同様に、設置場所に影響を受けることなく、ヒューズ90等の接続対象部品の交換を容易とする電気接続装置4を提供することができる。
また、電気接続装置4においても、電気接続箱本体60が、第1取付部60a及び第2取付部60bを、それぞれ第1方向と第2方向とに垂直な第3方向に沿って複数有してもよい点については、電気接続装置3の場合と同様である。つまり、電気接続装置4によれば、複数の接続対象部品の取り付けが可能となるので、利便性や拡張性を向上させることができる。
また、電気接続装置4では、端子は、上記の端子20であり、電気接続箱本体60は、端子20を二つ並べて第1取付部60a及び第2取付部60bに対して配置可能であってもよい。ここで、接続対象部品が、端子部として同方向に突出する第1端子部90aと第2端子部90bとを有する第1安全器としてのヒューズ90である場合を想定する。この場合、第1安全器が第1取付部60aに取り付けられるとき、一方の端子20に含まれる第1接続部は、第1端子部90aを接続し、他方の端子20に含まれる第1接続部は、第2端子部90bを接続してもよい。第1安全器が第2取付部60bに取り付けられるとき、一方の端子20に含まれる第2接続部は、第1端子部90aを接続し、他方の端子20に含まれる第2接続部は、第2端子部90bを接続してもよい。
このような電気接続装置4によれば、第1安全器としての個々のヒューズ90を一つずつ含む複数の電気回路を、少ない部品点数で簡易的に構築することができる。
また、電気接続装置4に含まれる端子20では、接続対象部品は、第1バスバー70等のバスバーであってもよい。この場合、端子部は、第1バスバー70の一部である第1突出片70b等のような突出片であってもよい。
一方、電気接続装置4は、接続対象部品の一種として、端子部として同方向に突出する第1突出片と第2突出片との少なくとも二つの突出片を有する平板状のバスバーを備えてもよい。バスバーが複数の第1取付部60aに跨って取り付けられるとき、一つの第1取付部60aに対応した第1接続部は、第1突出片を接続し、他の一つの第1取付部60aに対応した第1接続部は、第2突出片を接続してもよい。バスバーが複数の第2取付部60bに跨って取り付けられるとき、一つの第2取付部60bに対応した第2接続部は、第1突出片を接続し、他の一つの第2取付部60bに対応した第2接続部は、第2突出片を接続してもよい。
ここで、バスバーは、上記例示では、第1バスバー70又は第2バスバー71に相当する。例えば、バスバーが第1バスバー70である場合、突出片は、第1突出片70bや第2突出片70c等に相当する。
このような端子20又は電気接続装置4によれば、第1バスバー70や第2バスバー71のようなバスバーを用いることで、それぞれ端子20を含む複数の電気回路を電気的に容易に連通させることができる。また、電気接続装置4によれば、バスバーは、複数の第1取付部60a又は複数の第2取付部60bに跨って取り付けられるので、電気接続箱本体60の構成や形状を変更することなく、簡易的に、内部の電気回路の構成を変更することができる。
また、電気接続装置4では、電気接続箱本体60は、互いに隣り合う二つの第1取付部60aの間を仕切る第1仕切壁60eと、互いに隣り合う二つの第2取付部60bの間を仕切る第2仕切壁60hとを有してもよい。第1仕切壁60e及び第2仕切壁60hは、バスバーの一部を貫通させるスリットを有してもよい。
ここで、第1仕切壁60eに設けられるスリットは、上記例示では、第1スリット60fである。一方、第2仕切壁60hに設けられるスリットは、上記例示では、第2スリット60iである。
このような電気接続装置4によれば、上記例示において詳説したとおり、電気接続箱本体60は、いずれの第1仕切壁60eや第2仕切壁60hにも遮られることなく、第1バスバー70等を取り付けさせることができる。また、第1仕切壁60e及び第2仕切壁60hの大部分は残存するので、隣り合う第1取付部60a間又は第2取付部60b間の絶縁機能を確保させることができる。
また、電気接続装置4では、一つの接続対象部品は、第1バスバー70等のバスバーであってもよい。他の接続対象部品は、端子部として同方向に突出する第1端子部90aと第2端子部90bとを有するヒューズ90等の第1安全器であってもよい。第1安全器が第1取付部60aのいずれかに取り付けられるとき、バスバーは、複数の第2取付部60bのいずれかに跨って取り付けられてもよい。第1安全器が第2取付部60bのいずれかに取り付けられるとき、バスバーは、複数の第1取付部60aのいずれかに跨って取り付けられてもよい。
この場合、バスバーは、外部からのアクセス性に難のある側の取付部に取り付けられることになるが、電気接続装置4に一旦設置された後は、基本的には交換が要求されない。したがって、電気接続装置4によれば、バスバーを用いて電気回路が構築されたとしても、ヒューズ90の交換の容易性には影響がない。
そして、本実施形態に係る電気接続箱は、平板状の端子部を有する接続対象部品を取り付ける電気接続装置と、電気接続装置を収容する収容ボックスとを備える。電気接続装置は、上記の電気接続装置4である。
本実施形態によれば、電気接続装置4を備えるので、第1実施形態に係る電気接続箱1又は電気接続箱2と同様の効果を奏する電気接続箱を提供することができる。
(端子の他の実施形態)
第1実施形態では、複数の第1バスバー端子12を有するバスバー構造体10を備えた電気接続装置3を例示した。そして、電気接続装置3では、第1バスバー端子12は、接続対象部品としての一つのヒューズ90が有する一対の端子部のうち、一方の端子部である例えば第2端子部90bのみを接続するものであり、他方の端子部は、端子20に接続される。しかし、第1バスバー端子12のような形状を有する端子は、電気接続装置3で用いられるようなものに限られない。
図31は、第1方向に沿ってヒューズ90の一対の端子部を接続している、他の実施形態に係る端子セット14を示す斜視図である。一方、図32は、第2方向に沿ってヒューズ90の一対の端子部を接続している端子セット14を示す斜視図である。なお、端子セット14の構成要素及び接続対象部品に関して、第1実施形態に係る電気接続装置3に関するものと同一のものについては同一の符号を付し、説明を省略する。また、端子セット14の形状を基準とする第1方向、第2方向及び第3方向とXYZの空間座標との関係に関しても、第1実施形態の場合と同様である。
ヒューズ90は、上記のとおり、平板状の一対の端子部として、同方向に突出する第1端子部90aと第2端子部90bとを有する。端子セット14は、このようなヒューズ90を接続対象部品とし、第1端子部90aを接続対象とする端子15と、第2端子部90bを接続対象とする端子16とを含む。端子15及び端子16の形状は、それぞれ、電気接続装置3に含まれる第1バスバー端子12の形状と同様である。
端子15と端子16とは、互いの主平面同士が平行となる姿勢で、互いに第3方向で対向する。例えば、端子15は、一のバスバー構造体に設けられるバスバー端子であり、端子16は、他のバスバー構造体に設けられるバスバー端子であってもよい。又は、端子15及び端子16は、それぞれ、第1及び第2実施形態で採用した端子20に代わる端子として、互いに別の第1電線80に接続される端子であってもよい。また、端子15と端子16との組み合わせである端子セット14は、例えば、第1実施形態に係る電気接続装置3、又は、第2実施形態に係る電気接続装置4の一部の構成に代わるものとして採用されてもよい。
端子セット14は、図31に示すように、第1端子部90aを端子15の第1接続部である先端部12cの組に接続させ、第2端子部90bを端子16の第1接続部である先端部12cの組に接続させることで、第1方向に沿ってヒューズ90を接続し得る。一方、端子セット14は、図32に示すように、第1端子部90aを端子15の第2接続部である二つの凹部12fに接続させ、第2端子部90bを端子16の第2接続部である二つの凹部12fに接続させることで、第2方向に沿ってヒューズ90を接続し得る。
図33A~図33Cは、端子15に含まれる二つの凹部12fと、端子16に含まれる二つの凹部12fとの形状関係をそれぞれ例示する平面図である。例えば、図33Aの第1例に示すように、端子15の凹部12fの開口と端子16の凹部12fの開口とが第3方向で互いに対向するように、端子15と端子16とが併設されてもよい。又は、図33Bの第2例に示すように、端子15の凹部12fの開口と端子16の凹部12fの開口とが第3方向で互いに反対方向を向くように、端子15と端子16とが併設されてもよい。更には、図33Cの第3例に示すように、端子15の凹部12fの開口と端子16の凹部12fの開口とが第3方向で互いに同方向を向くように、端子15と端子16とが併設されてもよい。
なお、上記説明では、端子セット14がヒューズ90を接続対象部品とする場合について例示した。しかし、このような端子セット14では、接続対象部品は、第2実施形態において説明した第1バスバー70のようなジョイント用のバスバーであってもよい。このバスバーは、端子部として、本体板から同方向に沿って突出する二つの突出片を有する。そして、一方の突出片が端子15のいずれかの接続部に接続され、他方の突出片が端子16のいずれかの接続部に接続されてもよい。ここで、端子15が、一のバスバー構造体に設けられるバスバー端子であり、端子16が、他のバスバー構造体に設けられるバスバー端子であるものとする。この場合、端子セット14は、端子15と端子16とをバスバーを介して接続することで、端子15が設けられているバスバー構造体と、端子16が設けられているバスバー構造体とを電気的に連通させることができる。
以上、各実施形態を説明したが、実施形態はこれらに限定されるものではなく、実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。