本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
本実施の形態では、天井クレーン装置によって、フレコンバッグの搬送および段積みを自動で行うフレコンバッグ搬送システムについて説明する。フレコンバッグ搬送システムは、フレコンバッグを専用のラックに収容した状態で倉庫の保管エリアに移送する天井クレーン装置と、フレコンバッグごとに保管エリアでの保管番地および品目情報を管理する管理装置とを備える。
<天井クレーン装置について>
(概略構成)
はじめに、図1~図3を参照して、本実施の形態に係る天井クレーン装置1の概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る天井クレーン装置1を搭載した倉庫の平面図である。図2および図3は、天井クレーン装置1の要部を示す側面図である。図1では、出入り口Eから見た倉庫の奥行方向をx軸方向、出入り口Eから見た倉庫の横幅方向をy軸方向として示している。x軸方向およびy軸方向は水平面において互いに直交する。図2および図3に示すz軸方向は上下方向(鉛直方向)に相当する。
倉庫は、出入り口Eに面する搬入出ステーションAR1と、搬入出ステーションAR1の奥に位置する保管エリアAR2とを有している。また、出入り口Eの近傍に操作エリアAR3を有している。保管エリアAR2は倉庫の内部空間の大部分を占めている。
天井クレーン装置1は、x軸方向に延在する一対の走行レール11,11と、走行レール11,11に沿ってx軸方向に移動可能な一対の走行装置(以下「サドル」という)2,2と、一対のサドル2間に架け渡されてy軸方向に延在する一対の横行レール22,22と、横行レール22,22に跨ってy軸方向に沿って移動可能な横行装置(以下「トロリ」という)3と、トロリ3に搭載され、吊下部材43の巻き上げおよび巻き下げを行う巻取装置4と、吊下部材43の下端部に連結固定されたハンド部5とを備えている。また、サドル2、トロリ3、巻取装置4の制御を行う制御装置を備えている。制御装置は、倉庫内に設置されたPLC(Programmable Logic Controller)などにより実現される。
図2に示すように、トロリ3は、一対の横行レール22,22のそれぞれに嵌合する車輪34を有する台車本体35と、台車本体35をy軸方向に直線移動させる駆動機構30とを備えた自走式の移動装置である。横行レール22は、トロリ3の荷重を受けるガーダー23上に形成されており、ガーダー23の受ける荷重がサドル2により支持される。なお、後述の図10に示すように、サドル2も同様に、走行レール11に嵌合する車輪を有する台車本体21と、台車本体21をx軸方向に直線移動させる駆動機構20とを備えた自走式の移動装置である。
天井クレーン装置1は、サドル2のx軸方向位置およびトロリ3のy軸方向位置を調整することにより、ハンド部5の平面位置(xy座標)を調整し、トロリ3に搭載された巻取装置4による吊下部材43の巻き下げ長さを調整することにより、ハンド部5の高さ(z座標)を調整可能である。ハンド部5は、フレコンバッグ90を把持する作業高さと、上昇端である退避高さとの間を昇降する。退避高さに位置するハンド部5を図3において実線で示す。
図2および図3に示されるように、ハンド部5は、フレコンバッグ90が収容されたラック91を把持および開放可能に構成されている。フレコンバッグ90は通常、1メートルを超える高さを有し、その重量は1tを超えることがある。また、その形状は不安定である。フレコンバッグ90を、段積み可能な専用のラック91に収容することにより、天井クレーン装置1を用いた自動搬送および自動段積みを可能にしている。以下の説明において、フレコンバッグ90を収容したラック91を「フレコン収容ラック91」と称する。
フレコン収容ラック91は、一例として、格子状に組まれた底面部911と、底面部911の四隅に設けられた4本の角柱(縦棒)912と、隣り合う角柱912間を接続する上下2段の横桟913とを含む。フレコンバッグ90の挿入口となる正面側には横桟913は配置されず、横桟913は両側面および裏面にのみ配置されている。フレコン収容ラック91はまた、底面部911を下方から支える脚部914を含む。
脚部914は、角柱912の延長線上に合計4個設けられている。脚部914の底面には、上方に凹む凹部916(図6)が設けられている。上段側のフレコン収容ラック91の凹部916に、下段側のフレコン収容ラック91の角柱912の上端部が嵌合する。これにより、フレコン収容ラック91を安定的に重ねることができるので、図1に示す保管エリアAR2に、複数個(たとえば最大4個)のフレコン収容ラック91を段積み可能である。
フレコンバッグ90をフレコン収容ラック91に収容したとしても、フレコン収容ラック91は巨大かつ重量物である。本実施の形態に係る天井クレーン装置1の巻取装置4およびハンド部5は、入庫時および出庫時にフレコン収容ラック91を適切に把持し、把持したフレコン収容ラック91を安全な状態で搬送できるように構成されている。また、サドル2およびトロリ3の駆動機構20,30は、正確な位置で自装置を停止できるように構成されている。以下に、天井クレーン装置1の各部の構成について、詳細に説明する。
(巻取装置の構成)
図4および図5を参照して、巻取装置4の構成について説明する。図4は、トロリ3に搭載された巻取装置4の模式平面図である。図5は、吊下部材43の下端部とハンド部5との連結状態を模式的に示す斜視図である。ここでは、理解を容易にするために、トロリ3の移動方向(x軸方向)を前後方向、水平面上において当該方向に直交する回転軸32の延在方向(y軸方向)を左右方向ともいう。また、図4の紙面左側をトロリ3の前方という。
図4に示すように、巻取装置4は、前後方向に互いに離れて配置された回転軸42a,42bと、前方(紙面左側)の回転軸42aの両端部に連結固定されたリール45a,45bと、後方(紙面右側)の回転軸42bの両端部に連結固定されたリール46a,46bと、回転軸42a,42bを駆動する昇降駆動手段とを含む。前方のリール45a,45bのそれぞれに、2本の吊下部材43a,43bが巻き回されている。後方のリール46a,46bのそれぞれに、2本の吊下部材43c,43dが巻き回されている。
昇降駆動手段は、回転軸42a,42bを個別に駆動する2個のモータ(以下「昇降用モータ」という)41a,41bを含むことが望ましい。昇降用モータ41a,41bは、典型的にはサーボモータである。昇降駆動手段は、サーボモータの回転を減速する減速機構を含むことが望ましい。昇降用モータ41aは、移動用モータ31よりも前方に位置し、昇降用モータ41bは、移動用モータ31よりも後方に位置する。なお、巻取装置4の回転軸42a,42bは、移動用モータ31の回転軸32と平行である例に限定されず、回転軸32と直交していてもよい。
巻取装置4は、2個の昇降用モータ41a,41bを同時に駆動することによって前方および後方のリール45a,45b,46a,46bを同時に回転(正転・反転)し、4本(2対)の吊下部材43a,43b,43c,43dの巻き上げおよび巻き下げを行う。このように、前方のリール45a,45bを回転するための昇降用モータ41aと、後方のリール46a,46bを回転するための昇降用モータ41bとを個別に設けることにより、4本の吊下部材43a,43b,43c,43dの安定的な昇降が可能である。図4に示されるように、平面視において、合計4個のリール45a,45b,46a,46bは、x軸方向およびy軸方向の双方に整列配置されている。
本実施の形態において、吊下部材43a,43b,43c,43dは、一般的なワイヤーではなく、金属製の薄板であるベルト部材(金属製ベルト)により構成されている(図5参照)。ベルト部材は、典型的にはスチールベルトである。以下の説明において、吊下部材43(43a,43b,43c,43d)をスチールベルト43という。スチールベルト43は、一定の幅Wを有している。スチールベルト43の厚みは、幅Wの1/10以下である。
各リール45a,45b,46a,46bには、スチールベルト43が円筒状に巻き回されている。こそのため、吊下部材として一般的なワイヤーロープを用いる場合に生じ得る巻き乱れや巻き崩れを防止することができる。したがって、ハンド部5の位置高さ(z座標)のずれや傾きを防止することができる。また、ワイヤーロープを用いる場合に必要となる潤滑油が不要であるので、潤滑油の滴下によってフレコンバッグ90が汚れるといった不具合をなくすことができる。また、スチールベルト43を巻き取るためのプーリ径をコンパクトにすることもできる。
各リール45a,45b,46a,46bは、スチールベルト43を巻き付ける巻き付け部47と、その両端に位置する環状フランジ部48とを有している。スチールベルト43の幅Wは、各リール45a,45b,46a,46bの巻き付け幅と略等しい。これにより、スチールベルト43の巻き付け状態をより良好に維持することができる。したがって、ハンド部5を真っすぐ水平に保った状態で昇降させることができる。
図2に示すように、ハンド部5を降下させる際、すなわちスチールベルト43を巻き下げる際に、前方のリール45a,45bおよび後方のリール46a,46bが、側方から見て(x軸方向に見て)互いに向き合う方向に回転する。図2の例では、前方のスチールベルト43a,43bを通す挿通孔350が、リール45a,45bの回転軸42aよりも後方側(中央部側)に設けられ、後方のスチールベルト43c,43dを通す挿通孔350が、リール46a,46bの回転軸42bよりも前方側(中央部側)に設けられている。
4本のスチールベルト43の下端部は、図5に示すように、連結部材6を介してハンド部5の上端部に固定されている。連結部材6は、4個のリール45a,45b,46a,46bの配置位置に対応する複数箇所(4箇所)に設けられている。具体的には、各リールからのスチールベルト43の引き出し位置(挿通孔350の位置)の真下に、連結部材6が設けられている。これにより、トロリ3から下方に降ろされたスチールベルト43の各々が、真っすぐな状態(鉛直状態)に維持される。つまり、4本のスチールベルト43a,43b,44a,44bは、x軸方向およびy軸方向の双方において、平行状態を保って昇降可能である。
(ハンド部の構成)
図2および図5を参照して、ハンド部5の構成について説明する。ハンド部5は、フレコン収容ラック91の全体を上方から抱え込む本体部50と、本体部50の下端部に設けられ、フレコン収容ラック91の底面部911を下方から支持する複数対のクランプピン53とを有している。
本体部50は、正面側(たとえばx軸方向一方側)から見て逆U字状(コ字状)に形成されており、平面視矩形状に組まれた上端フレーム51と、上端フレーム51の両側部から垂下する一対の側部フレーム52とにより構成されている。クランプピン53は、側部フレーム52の下端部52aから内向きに突出する突出位置と、下端部53aから突出しない隠蔽位置との間を水平方向(たとえばy軸方向)に進退する。
クランプピン53は、フリー状態(フレコン収容ラック91を把持していない状態)において隠蔽位置に位置し、フレコン収容ラック91を把持する際に突出位置とされる。図6に示されるように、複数対のクランプピン53は、フレコン収容ラック91の底面部911の下面に接触する。これにより、フレコン収容ラック91を下方から支持することができる。クランプピン53は、たとえば2対設けられている。
ハンド部5がフレコン収容ラック91を安定的に保持するために、本体部50の一対の側部フレーム52が、フレコン収容ラック91の両側面部(たとえば横桟913)に接触または近接することが望ましい。また、本体部50の上端フレーム51が、フレコン収容ラック91の上端部(たとえば角柱912または上段側の横桟913)に接触または近接することが望ましい。なお、本体部50は、フレコン収容ラック91の角柱912または横桟913に、側方または上方から嵌合する嵌合部を有していてもよい(図示せず)。これにより、ハンド部5が把持したフレコン収容ラック91を上昇または下降させる際においても、フレコン収容ラック91がハンド部5から脱落するリスクを少なくすることができる。
図5に示すように、ハンド部5は、把持対象のフレコン収容ラック91に対する水平方向の位置ずれを吸収するセンタリング機構54を有している。センタリング機構54は、一対の側部フレーム52の両方に設けられており、フレコン収容ラック91の角柱912を受け入れる内向きの溝540を有している。溝540は、溝幅が一定の上部溝と、下方ほど溝幅が広くなる下部溝とを有している。これにより、平面視におけるフレコン収容ラック91の位置とハンド部5の位置とがx軸方向(またはy軸方向)に僅かにずれていたとしても、スチールベルト43の巻き下げによるハンド部5の降下途中で、位置ずれを是正することができる。つまり、ハンド部5は、フレコン収容ラック91をセンタリングして正確に掴むことができる。
ハンド部5の上端フレーム51には、上方に突出するロックピン(凸部)55が設けられている。ロックピン55は、上端フレーム51に複数個(たとえば4個)設けられている。ロックピン55については、図7を参照して説明する。図7(A)に示されるように、トロリ3の台車本体35には、ロックピン55の配置位置に対応して、ピン受けホルダ36が設けられている。ピン受けホルダ36は、上下方向に延在する貫通孔、または、上方に凹んだ凹部を有する。
ロックピン55およびピン受けホルダ36は、スチールベルト43の巻き上げによって上昇端まで上昇したハンド部5をトロリ3に固定するための固定手段を構成する。図7(B)に示すように、ハンド部5が上昇端まで上昇すると、ピン受けホルダ36にロックピン55が嵌まり込む。これにより、ハンド部5はトロリ3と一体化された状態(ロック状態)となる。後に詳述するように、ハンド部5がトロリ3に固定された状態でのみトロリ3の水平移動を可能とし、ハンド部5がトロリ3に固定されていない状態(ハンド部5がスチールベルト43に吊下げられた状態)においては、トロリ3の水平移動は不可とされる。
図7の例では、ロックピン55の外周面550は先細りのテーパ面となっている。また、ピン受けホルダ36の貫通孔または凹部の内周面360は、下方側が拡径したテーパ面となっている。これにより、ロックピン55の外周面550がピン受けホルダ36の内周面360にぴったりと接触する位置までロックピン55をピン受けホルダ36に押し込むことができるので、トロリ3に対してハンド部5を確りと固定することができる。
なお、固定手段の構成は、図7に示すような構成に限定されず、上昇端においてハンド部5がトロリ3の所定位置に固定されればよい。たとえば、ハンド部5側に凹部を設け、トロリ3側の嵌合部をロックピンなどの凸部としてもよい。
(連結部材の構成)
図8を参照して、スチールベルト43の下端部とハンド部5とを連結する連結部材6の構成について説明する。
連結部材6は、たとえば、スチールベルト43の下端部に固定されたベルト側部材61と、ハンド部5に固定されたハンド側部材62と、両部材61,62の間に設けられた振動吸収手段63とを含む。ベルト側部材61は、たとえば、スチールベルト43の下端部に上端が接続された棒部材61aと、棒部材61aの下端に設けられた環状のフランジ部61bとを有している。ハンド側部材62は、たとえば、ハンド部5の上端フレーム51から側方に突出し、棒部材61aの長手方向中央部が通された環状部材により構成されている。
振動吸収手段63は、上下方向に伸縮可能なスプリングにより構成され、ハンド側部材62としての環状部材とフランジ部61bとの間に設けられている。これにより、スチールベルト43の巻き上げ完了時(ハンド部5が上昇端に達した際)に、ハンド部5に加わる振動(衝撃)を吸収することができる。その結果、ハンド部5に把持されたフレコン収容ラック91が衝撃により位置ずれしたり、フレコン収容ラック91が落下したりすることを防止できる。あるいは、フレコン収容ラック91からのフレコンバッグ90の脱落を防止することができる。
(トロリの駆動機構)
図4および図9を参照して、トロリ3の駆動機構30について説明する。図9は、トロリ3の駆動機構30を模式的に示す図である。図4に模式的に示すように、各横行レール22上に、前後方向(y軸方向)に延びるチェーン24が配されている。チェーン24は、引張状態で両端が固定されている。
駆動機構30は、台車本体35に搭載された移動用モータ31と、台車本体35の左右両側に設けられた動力伝達手段33,33とを含む。動力伝達手段33は、移動用モータ31により回転(正転・反転)される回転軸32と同軸に結合された駆動スプロケット33aと、2つの従動スプロケット33bとを含み、これらのスプロケット33a,33bがチェーン24に噛み合う構成である。このように、駆動機構30は、チェーン24に噛み合うスプロケット33a,33bと、一つのスプロケット33aを駆動する移動用モータ31とを含む。
トロリ3は、チェーン24を引張しながら前後方向(y軸方向)に自走する。これにより、車輪34を直接、移動用モータ31で回転させる駆動方法よりも、滑りが発生し難くなるので、停止時の位置ずれを防止することができる。つまり、トロリ3が動力伝達手段33を備えることにより、トロリ3をy軸方向において正確な位置に停止させることができる。
(サドルの駆動機構)
サドル2の駆動機構20もトロリ3の駆動機構30と同様の動力伝達手段を有している。具体的には、図10に模式的に示すように、駆動機構20は、台車本体21に搭載された移動用モータ24と、台車本体21の側方(一方側)に設けられた動力伝達手段25とを含む。動力伝達手段25は、移動用モータ24により回転(正転・反転)される回転軸24aと同軸に結合された駆動スプロケット25aと、2つの従動スプロケット25bとを含み、これらのスプロケット25a,25bが走行レール11上に配されたチェーン12に噛み合う構成である。
これにより、サドル2もまた、チェーン12を引張しながら左右方向(x軸方向)に自走するので、サドル2をx軸方向において正確な位置に停止させることができる。
サドル2およびトロリ3が上述の駆動機構20,30を備えるため、トロリ3を所望の平面位置(xy座標)に停止させることができる。その結果、トロリ3と一体移動するハンド部5を、所望の平面位置(xy座標)に移送することができる。
(位置検出手段)
トロリ3の停止位置の精度を向上させるため、サドル2およびトロリ3は、自身の位置を検出するための位置検出手段を搭載していることが望ましい。図11は、トロリ3に搭載された位置検出手段37の構成例を示す模式図である。
図11に示すように、位置検出手段37は、横行レール22の長手方向(y軸方向)に沿って貼り付けられたコードテープ26に対面して設けられたカメラを含む。位置検出手段37は、コードテープ26に表されたコード情報(たとえばQRコード(登録商標))をカメラで読込み、自身の位置を検出する。検出した位置情報は制御装置に送られ、制御装置による移動用モータ31のフィードバック制御に利用される。サドル2にも同様の位置検出手段が設けられている。これにより、簡易かつ高精度にトロリ3を所望の位置に停止させることができる。
(天井クレーン装置の動作概要)
次に、フレコンバッグ90の入庫時および出庫時のそれぞれにおける天井クレーン装置1の動作概要について説明する。
フレコンバッグ90の入庫時、天井クレーン装置1の制御装置は、搬入出ステーションAR1に置かれたフレコン収容ラック91をピックアップし、保管エリアAR2の指定された保管場所に搬送する制御を行う。保管番地は、3次元の位置を示す情報であり、たとえば、x軸方向の番号と、y軸方向の番号と、z軸方向の番号(段番号)とにより表わされる。「番号」は、数字に限定されず、文字や記号を含んでいてもよい。
天井クレーン装置1の制御装置は、はじめに、サドル2およびトロリ3の移動制御を行い、搬入出ステーションAR1上にトロリ3(ハンド部5)を移動する。制御装置は、サドル2およびトロリ3を同時に(並行して)作動し、トロリ3を斜めに移動させることが望ましい。
ピックアップ対象のフレコン収容ラック91の真上にトロリ3を停止させた状態で、スチールベルト43をゆっくりと巻き下げて、ハンド部5をピックアップ対象のフレコン収容ラック91の位置高さまで下降させる。ハンド部5には、下降時にフレコン収容ラック91を確認するための検知手段が設けられていることが望ましい(図示せず)。制御装置は、複数対のクランプピン53を突出させてハンド部5でフレコン収容ラック91を掴むと、スチールベルト43をゆっくりと巻き上げて、ハンド部5を上昇端まで上昇させ、トロリ3に固定する。
ハンド部5をロック状態とした後、制御装置は、指定の保管番地に対応する平面位置(xy座標)にハンド部5(トロリ3)が到着するように、再びサドル2およびトロリ3の移動制御を行う。フレコン収容ラック91は巨大かつ重量物であるため、サドル2およびトロリ3の移動速度は低速とされる。
トロリ3を正確な平面位置(xy座標)で停止した後、スチールベルト43をゆっくりと巻き下げる。具体的には、ハンド部5を指定の保管番地に対応する位置高さ(z座標)まで降下させる。ハンド部5が正確な位置高さで停止した後、クランプピン53を隠蔽位置に後退し、フレコン収容ラック91を開放する。これにより、保管エリアAR2の所望の保管番地にフレコン収容ラック91を置くことができる。フレコン収容ラック91は、保管エリアAR2の床面上に配置されるか、あるいは、載置済のフレコン収容ラック91の上に段積みされる。
フレコンバッグ90の出庫時、天井クレーン装置1の制御装置は、保管エリアAR2の指定された保管場所に置かれたフレコン収容ラック91をピックアップし、搬入出ステーションAR1に搬送する制御を行う。出庫の際、天井クレーン装置1は、入庫時とは逆の動作を行う。
具体的には、天井クレーン装置1の制御装置は、指定の保管番地に対応する平面位置(xy座標)に空状態のハンド部5(トロリ3)が到着するように、サドル2およびトロリ3の移動制御を行う。空状態のハンド部5では、クランプピン53が隠蔽位置に位置する。空状態のハンド部5を移送する際にも、ハンド部5はトロリ3に固定される。
トロリ3を正確な平面位置(xy座標)で停止した後、スチールベルト43をゆっくりと巻き下げる。具体的には、ハンド部5を指定の保管番地に対応する位置高さ(z座標)まで降下させる。ハンド部5が正確な位置高さで停止した後、複数対のクランプピン53を内向きに突出し、フレコン収容ラック91を掴む。ハンド部5がフレコン収容ラック91を把持すると、スチールベルト43をゆっくりと巻き上げて、ハンド部5を上昇端まで上昇させ、トロリ3に固定する。
なお、ピックアップ対象のフレコン収容ラック91の上に他のフレコン収容ラック91が積まれている場合、上のフレコン収容ラック91を保管エリアAR2近傍の退避エリアに移動してから、対象のフレコン収容ラック91の把持動作を行う。
ハンド部5をロック状態とした後、制御装置は、再びサドル2およびトロリ3の移動制御を行って、保管エリアAR2から搬入出ステーションAR1にトロリ3(ハンド部5)を低速で移動する。トロリ3が搬入出ステーションAR1に到着すると、スチールベルト43をゆっくりと巻き下げてフレコン収容ラック91を開放する。搬入出ステーションAR1においても、フレコン収容ラック91を載置済のフレコン収容ラック91の上に段積みしてもよい。
このように、天井クレーン装置1の制御装置は、スチールベルト43の巻き上げによりハンド部5が上昇端で固定された状態で(のみ)、サドル2およびトロリ3の移動制御を行う。つまり、ハンド部5がスチールベルト43によって吊り下げられた状態(ロックピン55により固定されていない状態)では、サドル2およびトロリ3の移動を行わない。これにより、サドル2やトロリ3の移動時に、ハンド部5が揺動することを防止することができる。また、保管エリアAR2に高く積み上げられたフレコン収容ラック91にハンド部5が衝突することを防止できる。したがって、安全にフレコンバッグ90を搬送することができる。
<管理装置について>
図11は、本実施の形態に係るフレコンバッグ搬送システムが備える管理装置の機能構成を模式的に示すブロック図である。図11に示されるように、本実施の形態において、フレコンバッグ搬送システムは、管理装置100と、演算装置200と、天井クレーン装置1の制御装置(以下「クレーン制御装置」という)300とを備えている。管理装置100および演算装置200は、プロセッサおよび記憶部を有する情報処理装置である。管理装置100の記憶部には、入庫用プログラム、出庫用プログラム、在庫マスタ情報、および、天井クレーン装置1の動作用の制御データが記憶される。演算装置200の記憶部には、天井クレーン装置1の動作用の機械座標を計算するための計算プログラムが記憶される。
図11に示すように、管理装置100とクレーン制御装置300との間に演算装置200が介在し、これらの装置100,200,300が独立したサブシステムとなっているため、トラブル発生時の切り分けを早くすることができる。
管理装置100は、操作パネル9を介してフレコンバッグ90の入庫予定が入力された場合に、入庫プログラムを実行する。入庫予定情報には、フレコンバッグ90の品目情報と入庫数とが含まれる。品目情報は、少なくとも、製造メーカーや品名を特定するための内容物特定情報を含み、製造年月日やロットナンバー(生産単位)を特定するための製造情報を含み得る。管理装置100は、入庫プログラムで定められた「保管番地最適アルゴリズム」に従って、フレコンバッグ90の保管番地(3次元空間での保管場所)を決定する。保管番地最適アルゴリズムは、最適出庫を考慮して定められた番地決定アルゴリズムである(たとえば、過去の出庫作業の経験値や、保管物の特性に基づいて算出されたもの)。
たとえば、品目が同一である複数のフレコンバッグ90を入庫する場合、管理装置100は、保管番地最適アルゴリズムに従って、これらを同一箇所にまとめて保管するように保管番地を割り当てる。望ましくは、同一塔の保管番地(段番号のみが異なる番地)を割り当てる。異なる品目のフレコンバッグ90を同一塔(同一の平面位置)に保管しないようにすることで、出庫の際に、フレコン収容ラック91の積み替えなどの余分な動作を不要とすることができる。
各フレコンバッグ90の保管番地は、在庫マスタ記憶部および制御データ記憶部に記憶される。在庫マスタ記憶部は、フレコンバッグ90の識別番号に対応付けて、保管番地、入庫日、および品目情報を記憶する。在庫マスタ記憶部は、品目ごとの品質(たとえば不良品か否か)を特定するための品質管理情報をさらに記憶する。
管理装置100は、操作パネル9を介してフレコンバッグ90の出庫予定が入力された場合に、出庫プログラムを実行する。出荷予定情報には、フレコンバッグ90の品目と出庫数が含まれる。また、出庫予定日が含まれてもよい。管理装置100は、出庫プログラムで定められた「出庫最適化アルゴリズム」に従って、出庫するフレコンバッグ90を決定するとともに、同日に出庫予定のフレコンバッグ90の出庫順序を決定する。出庫最適化アルゴリズムは、先入れ先出し、誤出荷(品目)の防止、および、フレコンバッグ90の品質管理情報に基づく誤出荷の防止を実現するためのアルゴリズムである。出庫対象のフレコンバッグ90の識別番号および出庫順序が、制御データ記憶部に記憶される。
管理装置100は、制御データ記憶部に記憶された情報に基づいて、稼働日における天井クレーン装置1の動作方法を自動判別する。入庫用の制御データのみが記憶されている場合、「入庫単独動作」と判別し、出庫用の制御データのみが記憶されている場合、「出庫単独動作」と判別する。入庫用の制御データおよび出庫用の制御データの両方が記憶されている場合、「入出庫同時動作」と判別する。
「入出庫同時動作」は、入庫動作(搬入出ステーションAR1でピックアップしたフレコンバッグ90を保管エリアAR2に搬送(搬入)する動作)の帰りに、出庫対象のフレコンバッグ90を保管エリアAR2でピックアップして搬入出ステーションAR1に戻るように、天井クレーン装置1を動かすことを意味する。このような入出庫同時動作を可能とすることで、搬送速度の遅さを補うことができる。
管理装置100は、判別した動作方法を、制御データ記憶部に記憶された制御データとともに、演算装置200に送信する。
演算装置200は、受信した情報に基づいて、天井クレーン装置1を動作させるための機械座標を計算する。演算装置200は、計算した機械座標をクレーン制御装置300に与える。クレーン制御装置300は、上述の移動用モータ31や昇降用モータ41a,41bを作動するサーボアンプを含む。クレーン制御装置300が、受け取った機械座標に基づいて移動用モータ31および昇降用モータ41a,41bを駆動する。
入庫動作において天井クレーン装置1は、保管番地最適アルゴリズムに従って決定された最適な保管番地にフレコンバッグ90を搬送する。保管番地は、上述のように最適出庫を考慮して決定されるため、出庫動作の際に、段積みされたフレコンバッグ90の積み替えを(極力)不要とすることができる。
また、演算装置200は、計算した機械座標をもとに、天井クレーン装置1の運転時間を計算する。これにより、天井クレーン装置1の運転時間が正確に分かるため、作業者は自動運転中に別の業務を行うことができる。
管理装置100は、演算装置200から機械座標および運転時間の計算結果を受信し、フレコンバッグ90に詰められた内容物(保管品)の移動履歴を在庫履歴として記憶することが望ましい。保管品を預けているユーザが在庫履歴を確認可能とすることで、保管品の信頼性を向上させることができる。
以上説明したように、本実施の形態では、管理装置100において(少なくとも)各フレコンバッグ90の保管番地と品目情報とが管理されるので、フレコンバッグ90の誤出荷を防止することができる。また、管理装置100は、フレコンバッグ90の入庫時に、出庫順の経験値に基づく保管番地最適アルゴリズムで保管番地を決定するので、出庫時に効率良くフレコンバッグ90を搬送することができる。
なお、保管番地最適アルゴリズムは、フレコンバッグ90の内容物の種類(たとえば、米などの農業用品、樹脂ペレットなどの工業用品、砂などの土木建材用品、など)に応じて定められ得る。また、より効率の良い搬入・搬出を実現するために、フレコンバッグ90の出庫履歴をAIに学習させて、保管番地最適アルゴリズムを更新することが望ましい。
本実施の形態では、天井クレーン装置1による搬送対象の保管品がフレコンバッグである例を示したが、フレコンバッグ以外の物(重量物)を搬送・段積みするケースであっても上述の技術を適用可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。