JP7654516B2 - ジフルオロリン酸塩の製造方法 - Google Patents
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Description
これまで、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属のジフルオロリン酸塩の製法としては、以下のものなどが知られている。
第2のアルカリ金属がナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムから選ばれる少なくとも1種である、[1]に記載の製造方法。
本発明の方法ではジフルオロリン酸リチウムやナトリウムやアルカリ金属のフッ化物等の安価な原料を用いる上、副生物はアルカリ金属のフッ化物であり濾過等の作業で除去が容易であり、精製作業が容易である。
MPO2F2 + AF→ APO2F2 + MF (i)
(Mは第1のアルカリ金属であり、Aは第2のアルカリ金属であり、AはMに比してイオン半径が大きい。)
第2のアルカリ金属Aはナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ただし、第1のアルカリ金属Mがナトリウムの場合、第2のアルカリ金属Aは、カリウム、ルビジウム及びセシウムから選ばれる少なくとも1種である。
エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられ、好ましくは、酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。
リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸ジエチルメチル等が挙げられる。
エーテル類としては、上記の反応溶媒の例として挙げたアルキレングリコールジアルキルエーテル類等のほか、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル等が挙げられる。アミド化合物としては、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
アルコール類としては、上記の反応溶媒として用いるアルコール類として挙げたものが挙げられる。
アルカン類としては、ヘキサン、n-ヘプタン等が挙げられる。
<ジフルオロリン酸セシウムの合成>
反応容器として、500mL容量のパーフルオロアルコキシアルカン製容器を用いた。溶媒と、ジフルオロリン酸リチウム(LiPO2F2)38.25gと、フッ化セシウム(CsF)51.23gを反応容器に投入した。溶媒としては、水を152.47g用いた。ジフルオロリン酸リチウム(LiPO2F2)と、フッ化セシウム(CsF)のモル比は表1に示す通りであり、原料(LiPO2F2及びCsF)の溶媒中の濃度、つまり、溶媒と、LiPO2F2と、CsFの合計量中におけるLiPO2F2及びCsFの合計量の割合)は表1に示す濃度であった。
大気雰囲気下、撹拌しながら20℃で30分間反応させた。反応物を濾別して固液分離した後に、得られた濾液を絶対圧10hPaの減圧下40℃で濃縮乾燥させて乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末におけるアニオンの組成を31P-NMR及び19F-NMRにて調べたところ、PO2F2アニオンが99.0モル%、PO3F及び(PO2F)2Oアニオンが0.0モル%、PO4アニオンが0.0モル%、Fアニオンが1.0モル%であった。得られた乾燥粉末を水に0.01質量%濃度に溶解させた溶解液を得て、得られた溶解液について、以下条件のイオンクロマトグラフィーにてカチオン組成を調べたところ、M(Li):A(Cs)がピーク面積比で5.1:94.9%であった。
本製造方法では、反応系中に溶解度の低いLiFが析出し、それを固液分離することで除去するため濾液中に原料由来のCsはほぼすべて存在する。このため、濾液をそのまま乾燥させた乾燥体中のカチオン分析及びアニオン分析の結果より、原料であるCsF中のCs量に対する、得られたCsPO2F2中のCs量の割合が90%程度かそれ以上と推測される。
イオンクロマトグラフィーとしてはダイオネクス ICS-3000を用いた。 溶離液50mM MSA(メタンスルホン酸)、カラム:Cs-16、カラム温度30℃、注入量25μlとし、リテンションタイム(単位μS/min)は、Li:4.49、Na;5.67、K:9.30、Rb:12.2、Cs:16.1であった。
反応容器として、20mL容量のパーフルオロアルコキシアルカン製容器を用いた。ジフルオロリン酸リチウム(LiPO2F2)1.86gと、フッ化セシウム(CsF)2.62gを用い、原料モル比を表1記載の通りとした。反応温度を下記表1に記載の通りとした。それらの点以外は実施例1と同様にして乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末について実施例1と同様に分析した結果を表1に示す。
反応容器として、20mL容量のパーフルオロアルコキシアルカン製容器を用いた。ジフルオロリン酸リチウム(LiPO2F2)1.94gと、フッ化セシウム(CsF)2.72gを用い、原料モル比を表1記載の通りとした。反応温度を下記表1に記載の通りとした。それらの点以外は実施例1と同様にして乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末について実施例1と同様に分析した結果を表1に示す。
反応容器として、20mL容量のパーフルオロアルコキシアルカン製容器を用いた。ジフルオロリン酸リチウム(LiPO2F2)1.28gと、フッ化セシウム(CsF)1.76gを用い、原料モル比を表1記載の通りとした。反応温度と反応溶媒の種類、溶媒中の原料濃度を下記表1に記載の通りとした。それらの点以外は実施例1と同様にして乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末について実施例1と同様に分析した結果を表1に示す。
反応容器として、500mL容量のパーフルオロアルコキシアルカン製容器を用いた。ジフルオロリン酸リチウム(LiPO2F2)16.14gと、フッ化セシウム(CsF)22.86gを用い、原料モル比を表1記載の通りとした。反応溶媒として水の代わりに、1,2-ジメトキシエタン(DME)を用い、反応温度、溶媒中の原料濃度を下記表1に記載の通り変更し、反応時間を24時間とした。それらの点以外は実施例1と同様に反応させ、反応液を濾過した。濾別後、得られた残渣に水を120mL加えて、30℃にて60分間ふり交ぜた後濾別し、得られた濾液を絶対圧10hPaの減圧下80℃で濃縮乾燥させて乾燥粉末30.67gを得た。得られた乾燥粉末について実施例1と同様に分析した。結果を表1に示す。
本製造方法では、反応により生成したCsPO2F2のDMEへの溶解度が低いため、析出した固体を精製した。得られた乾燥粉末の量と、カチオン分析及びアニオン分析の結果より、原料であるCsF中のCs量に対する得られたCsPO2F2中のCs量の割合が80%と算出された。
反応容器として、500mL容量のパーフルオロアルコキシアルカン製容器を用いた。ジフルオロリン酸リチウム(LiPO2F2)21.57gと、フッ化ナトリウム(NaF)8.4gを用い、原料モル比を表1記載の通りとした。溶媒中の原料濃度を下記表1の記載の通り変更した。それらの点以外は実施例1と同様に反応させた後に濾液を得た。得られた濾液を絶対圧10hPaの減圧下、40℃で濃縮乾燥させて乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末について実施例1と同様に分析した結果を表1に示す。
反応容器として、20mL容量のパーフルオロアルコキシアルカン製容器を用いた。ジフルオロリン酸リチウム(LiPO2F2)2.12gと、フッ化ルビジウム(RbF)2.03gを用い、原料モル比を表1記載の通りとした。溶媒中の原料濃度を下記表1の記載の通り変更した。それらの点以外は実施例1と同様に反応させ、実施例1と同様に分析した。結果を表1に示す。
反応容器として、20mL容量のパーフルオロアルコキシアルカン製容器を用いた。ジフルオロリン酸ナトリウム(NaPO2F2)1.26gと、フッ化セシウム(CsF)1.55gを用い、原料モル比を表1記載の通りとした。溶媒の種類、溶媒中の原料濃度を下記表1の記載の通り変更した。それらの以外は実施例1と同様に反応させ、乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末に対し、50mLのメタノールを加えて、30℃で1時間ふり交ぜた後に濾別した。得られた濾液について、絶対圧10hPaの減圧下で、40℃で濃縮乾燥させて乾燥粉末1.40gを得た。得られた乾燥粉末について実施例1と同様に分析した。結果を表1に示す。
本製造方法では、ジフルオロリン酸ナトリウムと残存する原料や副生物等を分離するための精製工程を行った。得られた乾燥粉末の量と、カチオン分析及びアニオン分析の結果より、原料であるCsF中のCs量に対する得られたCsPO2F2中のCs量の割合が56%と算出された。
反応容器として、50mL容量のパーフルオロアルコキシアルカン製容器を用いた。ジフルオロリン酸リチウム(LiPO2F2)5.19gと、フッ化カリウム(KF)2.82gを用い、原料モル比を表1記載の通りとした。溶媒中の原料濃度を下記表1の記載の通り変更した。それらの点以外は実施例1と同様に反応させ、実施例1と同様に分析した。結果を表1に示す。
反応容器として、250mL容量のパーフルオロアルコキシアルカン製容器を用いた。ジフルオロリン酸セシウム(CsPO2F2)11.10gと、フッ化ナトリウム(NaF)2.02gを用いた。溶媒中の原料濃度、反応温度を下記表1の記載の通り変更した。これらの点以外は実施例1と同様に反応させて乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末に対し230gのメタノールを加えて、30℃で60分間ふり交ぜた後に濾別した。得られた濾液について、絶対圧10hPaの減圧下、30℃で濃縮乾燥させて乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末9.90gについて実施例1と同様に分析した。結果を表1に示す。本製造方法では、精製を行ったにも拘らず、表1に示す通り、乾燥粉末中のNaPO2F2の量はごく僅かであった。得られた乾燥粉末の量と、カチオン分析及びアニオン分析の結果より、原料であるNaF中のNa量に対する得られたNaPO2F2中のNa量の割合が16%と算出された。
反応容器として、50mL容量のパーフルオロアルコキシアルカン製容器を用いた。ジフルオロリン酸リチウム(LiPO2F2)1.65gと、塩化セシウム(CsCl)2.54gを用い原料濃度を下記表1の記載の通り変更し、反応時間を12時間とした。それらの点以外は実施例1と同様に反応させて乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末は、60mLアセトンにて30℃で洗浄した後、絶対圧10hPaの減圧下で、30℃で再度乾燥させて乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末を、実施例1と同様に分析した。結果を表1に示す。
反応容器として、50mL容量のパーフルオロアルコキシアルカン製容器を用いた。ジフルオロリン酸リチウム(LiPO2F2)2.09gと、炭酸セシウム(Cs2CO3)2.64gを用い、原料モル比を表1記載の通りとした。溶媒中の原料濃度、溶媒種類を下記表1の記載の通り変更した。それらの点以外は実施例1と同様に反応させて乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末を、実施例1と同様に分析した。結果を表1に示す。
一方、原料ジフルオロリン酸塩のアルカリ金属に比して原料フッ化物のアルカリ金属のイオン半径が小さい比較例1では、カチオン交換が進んでいないことが示された。
また比較例2、3は、カチオン交換原料としてアルカリ金属のフッ化物ではなく塩化物又は炭酸塩を用いた場合を示す。このような場合、この点以外は略同条件で行った実施例1、4とそれぞれ比較して、カチオン交換反応に劣ることが示された。特にカチオン交換原料としてアルカリ金属のフッ化物ではなく塩化物を用いた場合には、反応時の発熱が生じ、ジフルオロリン酸イオンの分解の割合が大きいことを本発明者は確認している。
Claims (7)
- 第1のアルカリ金属のジフルオロリン酸塩と、当該第1のアルカリ金属に比してイオン半径の大きな第2のアルカリ金属のフッ化物とを、該ジフルオロリン酸塩及び該フッ化物の溶解が可能な溶媒中で反応させて、第2のアルカリ金属のジフルオロリン酸塩を得る、ジフルオロリン酸塩の製造方法。
- 第1のアルカリ金属がリチウム及びナトリウムから選ばれる少なくとも1種であり、
第2のアルカリ金属がナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の製造方法。 - 前記溶媒として、第1のアルカリ金属のフッ化物の溶解度が反応温度において5g/溶媒100g以下である極性溶媒を用いる、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記溶媒として、第1のアルカリ金属のジフルオロリン酸塩の溶解度が反応温度において1g/溶媒100g以上であり、且つ、第2のアルカリ金属のフッ化物の溶解度が、反応温度において0.1g/溶媒100g以上である極性溶媒を用いる、請求項1~3の何れか1項に記載の製造方法。
- 前記溶媒が水、アルコール類、及びアルキレングリコールジアルキルエーテル類から選ばれる少なくとも一種である、請求項1~4の何れか1項に記載の製造方法。
- 反応によって前記溶媒中に析出した第1のアルカリ金属のフッ化物を濾別して除去する、請求項1~5の何れか1項に記載の製造方法。
- 反応温度が5℃以上80℃以下である、請求項1~6の何れか1項に記載の製造方法。
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