JP7578985B2 - 巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナー - Google Patents

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本発明は、引き出されたワイヤーに調整された張力を付与するための制動手段を有する巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナーに関する。
例えば、シールド工法によるトンネルの構築作業においては、シールドマシンで掘削されたトンネル内が換気されるが、この換気は、地上に設置された送風機(ブロワ)から吐出される外気を、風管又はダクトに接続された風管を経てトンネル内に供給することによってなされる。
ここで、上記風管は、伸縮可能な蛇腹状の管部材であって、トンネル内においては、トンネルの掘削の進行に合わせて風管がトンネルの天井に沿って順次継ぎ足されてゆき、トンネルの天井に沿って配置される。配置された複数の風管は、巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナーから引き出されて天井に架設されるワイヤーに、トンネルの天井に沿って略水平に吊下げ支持される。
ところで、巻取ドラムに関しては、今までに種々の提案がなされている(例えば、特許文献1~3参照)が、引き出されるワイヤーに所望の張力を付与できるようにしたテンショナー機能を持つ巻取ドラムは見当たらない。
実開昭57-082157号公報 実開昭63-128427号公報 特開平8-081186号公報
前述のように、トンネル工事などの現場で使用される巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナーであって、トンネル内の換気のために用いられる複数の風管をトンネルの天井に沿って略水平に吊下げ支持する用途に供されるワイヤーが巻装されたものにあっては、当該巻取ドラムから引き出されるワイヤーが所定の張力で張られた状態で保持される必要がある。因みに、巻取ドラムが自由回転可能である場合には、該巻取ドラムから引き出されるワイヤーに弛みが生じ、該ワイヤーによって吊下げ支持される風管が自重で垂れてしまうという不具合が発生する。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、引き出されるワイヤーを所定の張力で緊張させた状態で保持することができる巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナーを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、回転可能に支持されてワイヤーを巻き取る巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナーであって、前記巻取ドラムのワイヤー引き出し側の回転に制動を加えて引き出される前記ワイヤーに所定の張力を付与する制動手段を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制動手段は、ディスクブレーキであって、前記ディスクブレーキは、前記巻取ドラムの回転軸に結着されたブレーキディスクと、該ブレーキディスクに圧着されるブレーキパッドを備えるブレーキキャリパを含んで構成されることを特徴とする。前記ブレーキディスクに圧着されるブレーキパッドは、ブレーキディスクを挟持する一対のブレーキパッドが好ましい。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記ブレーキキャリパに調整ボルトを進退可能に螺合させ、該調整ボルトの回転によって前記ブレーキパッドの前記ブレーキディスクに対する押圧力(圧着力ともいう。)を調整することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナーに制動手段を設けたため、巻取ドラムのワイヤー引き出し側の回転に制動を加えて、巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナーから引き出されるワイヤーを所定の張力で緊張させた状態で保持することができる。
請求項2に記載の発明によれば、ディスクブレーキのブレーキパッドによってブレーキディスクを挟持することにより、ブレーキパッドとブレーキディスク間に発生する摩擦抵抗力によって巻取ドラムのワイヤー引き出し側の回転に制動が加えられるため、巻取ドラムから引き出されたワイヤーに余計な弛みが生じるのを防ぐことができる。
請求項3に記載の発明によれば、調整ボルトを回してブレーキパッドのブレーキディスクに対する押圧力を調整することによって、巻取ドラムに加えられる制動力を、台車が前進するときは緩めてワイヤーの引き出しを許容し、台車が止まっているときは強めてワイヤーに緩みが生じないように調整して、ワイヤーに付与される張力を任意に制御することができる。
シールド工法によるトンネルの構築作業を示す部分側断面図である。 本発明に係る巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナーの破断正面図である。 本発明に係る巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナーの平面図である。 本発明に係る巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナーの左側面図である。 図2のA-A線拡大断面図である。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
[巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナーの使用例]
先ず、巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナーの使用例として、シールド工法によるトンネルの構築作業を図1に基づいて概説する。なお、図1においては、シールドマシンの進行方向前方を「前」、逆方向を「後」、図1の紙面垂直方向を「左右」、図1の上下を「上下」とする。
図1はシールド工法によるトンネルの構築作業を示す部分側断面図であり、トンネル100の構築作業においては、図1に示すように、地中が図示矢印方向に進行するシールドマシン50によって掘削され、地中には円孔状のトンネル100が形成される。ここで、シールドマシン50の後方には、複数(図示例では、2台)の台車51,52が連結されており、最後尾の台車52には巻取ドラム8を備えるワイヤーテンショナー1が搭載されている。なお、複数の台車51,52は、トンネル100内に敷設された架設レール101に沿って走行する。
ところで、工事中はトンネル100内が換気されるが、この換気は、地上に設置された送風機(ブロア)60から吐出される外気がダクト61とこのダクト61に連結された複数の風管62を経てトンネル100内に供給されることによってなされる。ここで、送風機60の吐出側から延びるダクト61は、立坑200を垂直下方に向かって延びた後、トンネル100の天井100aに沿って直角に折り曲げられており、その端部には、トンネル100の天井100aに沿って略水平に配置された複数(図示例では、2つ)の風管62が接続されている。
ここで、上記風管62は、伸縮可能な蛇腹状の管部材であって、トンネル100内においては、この風管62は、トンネル100の掘削の進行に合わせてトンネル100の天井100aに沿って順次継ぎ足されていく。そして、トンネル100の天井100aに沿って配置された複数の風管62は、ワイヤーテンショナー1の巻取ドラム8から引き出されるワイヤーWによってトンネル100の天井100aに沿って略水平に吊下げられる。より詳細には、ワイヤーテンショナー1の巻取ドラム8から引き出されたワイヤーWの端部(自由端)は、図1の点aにてトンネル100の天井100aに固定されており、各風管62は、そのフランジ部62aが図示の点b,cにおいてワイヤーWで支持されることによって、トンネル100の天井100aに沿って略水平に吊下げ支持されている。なお、複数の風管62を吊下げ支持するワイヤーWは、図1に示す風管62の長さ方向の中間点においてもクリップ等によって天井100aに支持されており、また天井100aの点dにおいて折り返されて前記巻取ドラム8に巻き取られている。
ところで、トンネル100の構築作業の進行に伴ってシールドマシン50は前方へと移動し、これに伴って該シールドマシン50の後部に連結された複数(図示例では、2台)の台車51,52も仮設レール101に沿って前方へと移動する。すると、最後尾の台車52に搭載されている巻取ドラム8を備えるワイヤーテンショナー1も台車52と共に前方へと移動し、当該巻取ドラム8からワイヤーWが引き出される。
また、上述のようにシールドマシン50と台車51,52の前方への進行に伴って、掘削されるトンネル100の長さが次第に長くなるため、トンネル100の奥まで十分に換気するためには、既設の風管62に別の風管62を新たに継ぎ足していく必要がある。
したがって、ワイヤーWによってトンネル100の天井100aに沿って略水平に吊下げ支持される風管62の数は、シールドマシン50によるトンネル100の構築作業の進行に伴って増えていく。増設される風管62をトンネル100の天井100aに沿って略水平に吊下げ支持して設置するためには、ワイヤーWは、巻取ドラム8を備えるワイヤーテンショナー1が台車52と共に前方へと移動しているときも含めて常に所定の張力で引っ張られている必要がある。このため、本実施の形態では、ワイヤーWに所定の張力を付与するため、ワイヤーテンショナー1の巻取ドラム8に制動手段が設けられている。この制動手段については後述する。
次に、巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナー1の構成の詳細を図2~図5に基づいて以下に説明する。
[巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナー]
図2は巻取ドラム8を備えるワイヤーテンショナー1の一部を破断した正面図、図3は図2のワイヤーテンショナー1の平面図、図4は図2のワイヤーテンショナー1の左側面図、図5は図2の回転軸のA-A線拡大断面図であり、これらの図においては、図示のように各矢印方向をそれぞれ「前後」、「左右」、「上下」方向とする。
図示した巻取ドラム8を備えるワイヤーテンショナー1は、略矩形枠状に構成された基台2を底部に備えており、この基台2の左右には、略L字状に屈曲された支持フレーム3,4の各側壁3A,4Aがそれぞれ垂直に立設されている。そして、支持フレーム3,4の各側壁3A,4Aには、軸受ブロック5,6がそれぞれ同一高さ位置に取り付けられており、これらの軸受ブロック5,6には、左右方向に沿って水平に配された回転軸7が回転可能に挿通支持されている。すなわち、回転軸7は、その左右両端部が軸受ブロック5,6を介して左右の支持フレーム3,4の各側壁3A,4Aに回転可能に支持されている。
そして、回転軸7の左右方向中央部には、該回転軸7によって回転支持される巻取ドラム8が配置されている。この巻取ドラム8は、木製の市販品であって、円筒状の胴部8Aと、該胴部8Aの軸方向両端に取り付けられた円板状の左右の側板8Bによって構成されており、左右の側板8Bの各中心には、図2に示すように、円孔8aがそれぞれ形成されており、これらの円孔8aを後述する連結部材9を介して回転軸7が貫通している。したがって、巻取ドラム8は、回転軸7と同軸に配されており、回転軸7の軸心を中心として該回転軸7と共に一体に回転する。なお、回転軸7の左右の軸受ブロック5,6で挟まれた部分(中間部分)は、図5にその断面を示すように、スプライン軸とされている。なお、図示していないが、巻取ドラム8の胴部8Aの外周には、ワイヤーWが巻回されている。
ここで、巻取ドラム8と回転軸7との連結は、回転軸7に軸方向に沿って摺動可能にスプライン嵌合する左右一対の連結部材9によって行われている。
そして、本実施の形態に係る巻取ドラム8を備えるワイヤーテンショナー1には、巻取ドラム8の回転に制動を加えて当該巻取ドラム8から引き出されるワイヤーWに所定の張力(テンション)を付与するための制動手段の一例としてディスクブレーキ10が設けられている。
上記ディスクブレーキ10は、図2~図4に示すように、回転軸7の左端部に結着された円板状のブレーキディスク11と、このディスクブレーキ11を左右両側から挟み込むための左右一対のブレーキパッド12a,12bを備えるブレーキキャリパ12を含んで構成されている。ここで、ブレーキキャリパ22は、図2に示すように、左側の支持フレーム3の側壁3Aから左方に向かって水平に延びる支持ステー13を介して支持フレーム3に取り付けられており、このブレーキキャリパ12には、調整ボルト14が進退可能に螺合している。この調整ボルト14の先端部は、一方のブレーキパッド12aに当接しており、調整ボルト14は、ディスクブレーキ10の制動力を調整する調整機構を構成している。
巻取ドラム8の回転に制動を加えるディスクブレーキ10を備えるワイヤーテンショナー1が、図1に示すように工事中のトンネル100の内の最後尾の台車52に搭載された状態では、ディスクブレーキ10によって巻取ドラム8の回転に制動が加えられている。
すなわち、ディスクブレーキ10のブレーキパッド12a,12bによってブレーキディスク11が挟持されることにより、調整ボルト14の操作によってブレーキパッド12a,12bとブレーキディスク11との間に発生する調整された摩擦抵抗力が巻取ドラム8の回転に所望の制動を加えることができる。
上述のように、ディスクブレーキ10によって巻取ドラム8の回転に任意に調整した制動を加えることができるため、巻取ドラム8からのワイヤーWが過剰に引き出されることによる該ワイヤーWの弛みを防ぐことができる。このため、工事の進行に伴って走行台車52とこれに搭載された巻取ドラム8を備えるワイヤーテンショナー1が前進するとき、当該巻取ドラム8から引き出されるワイヤーWには所定の張力が付与される。すなわち、ワイヤーテンショナー1の巻取ドラム8から引き出されるワイヤーWは、所定の張力で引っ張られた状態で当該巻取ドラム8に保持される。
したがって、図1において前述したようにシールドマシン50によるトンネル100の構築作業の進行に伴って風管62を継ぎ足し、トンネル100の天井100aに沿って複数の風管62がワイヤーWによって略水平に吊下げられた状態において、前述のようにワイヤーWは、所定の張力によって常に緊張状態に保持できるため、このワイヤーWによって略水平に吊下げ支持された複数の風管62が自重によって垂れることがなく、これらの風管62は、ワイヤーWによってトンネル100の天井100aに沿って略水平に吊下げ支持される。
なお、ディスクブレーキ10(図2~図4参照)の調整できる制動力によってワイヤーWに付与される張力は、調整ボルト14を回転させることによって任意に調整される。具体的には、調整ボルト14を図4の矢印x方向(時計方向)に回せば、ブレーキキャリパ12の一方のブレーキパッド12aがブレーキディスク11を押圧する力が増大してディスクブレーキ10の制動力が高められるため、台車52の前進時、又は停止時にワイヤーWに付与される張力が大きくなる。逆に、調整ボルト14を図4の矢印y方向(反時計方向)に回せば、ブレーキキャリパ12の一方のブレーキパッド12aがブレーキディスク11を押圧する力が減少してディスクブレーキ10の制動力が小さくなるため、台車52が前進してワイヤーWが引き出される時、適切な張力を付与してワイヤーWの円滑で必要な長さの引き出しを実現できる。
以上の説明で明らかなように、本実施の形態によれば、ワイヤーテンショナー1の巻取ドラム8に制動手段としてのディスクブレーキ10を設けたため、巻取ドラム8の回転に調整した制動を加えることができ、巻取ドラム8からワイヤーWを所定の張力で緊張させた状態で引き出し、引き出したワイヤーWを所望の張力で保持することができるという効果が得られる。
以上は、本発明をシールド工法によるトンネルの構築作業において使用される巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナーに対して適用した例について説明したが、本発明は、他の任意の用途に供される巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナーに対しても同様に適用可能である。
また、以上の実施の形態では、制動手段としてディスクブレーキを用いた例について説明したが、制動手段としては、ディスクブレーキ以外の例えばドラムブレーキなどの他の任意の機械的ブレーキを用いることができる。
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
1 巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナー
3,4 支持フレーム
7 回転軸
8 巻取ドラム
9 連結部材
10 ディスクブレーキ(制動手段)
11 ブレーキディスク
12 ブレーキキャリパ
12a,12b ブレーキパッド
14 調整ボルト
W ワイヤー

Claims (3)

  1. スプラインを備える回転軸に連結部材を介して結合され回転可能に支持されて風管を支持するワイヤーを巻き取る巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナーであって、
    前記巻取ドラムの回転に制動を加え進行するシールドマシンによって引き出される前記ワイヤーに所定の張力を付与する制動手段を設けたことを特徴とする巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナー。
  2. 前記制動手段は、ディスクブレーキであって、
    前記ディスクブレーキは、前記巻取ドラムの回転軸に結着されたブレーキディスクと、該ブレーキディスクに圧着されるブレーキパッドを備えるブレーキキャリパを含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナー。
  3. 前記ブレーキキャリパに調整ボルトを進退可能に螺合させ、該調整ボルトの回転によって前記ブレーキパッドの前記ブレーキディスクに対する押圧力を調整することを特徴とする請求項2に記載の巻取ドラムを備えるワイヤーテンショナー。
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