JP7560089B2 - 生体結紮ワイヤ、及び、生体結紮デバイス - Google Patents

生体結紮ワイヤ、及び、生体結紮デバイス Download PDF

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Description

本発明は、生体結紮ワイヤ、及び、生体結紮デバイスに関する。
腫瘍、及び、ポリープ等の生体隆起部(以下、「腫瘍等」ともいう。)を結紮して血流を遮断したり、除去したりするのに用いられる生体結紮具が知られている。
このような生体結紮具として、特許文献1には、「形状記憶樹脂から略リング状に形成され、そのリング内径を高温側で拡張した後、低温側で冷却固定した第1の形状と、加熱手段によって転移温度以上に加熱することで、変形前の記憶形状にリング内径を縮小した第2の形状とを有することを特徴とする生体結紮具」が記載されている。
特開平3-41945号公報
特許文献1に記載の生体結紮具は閉じたリング状であるため、適用すべき腫瘍等の大きさ(径)に応じて適切な内径のものを予め準備しなければならず、実用的ではなかった。また、結紮部位の内径とリング内径とがより近似する場合には、加熱後の収縮によって腫瘍等にかかる締め付ける力はより大きくなり、結紮部位の内径よりリングの内径がより大きい場合には、締め付ける力はより小さくなる等、締め付ける力が不安定となりやすく、得られる効果にばらつきが生じやすいという問題があった。
そこで、本発明は、様々な大きさの腫瘍等に適用可能であり、かつ、安定した締め付け力をより簡便に得られる生体結紮ワイヤを提供することを課題とする。
また、本発明は、生体結紮デバイスを提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 後述する式1で表される重合性化合物を含有する組成物を硬化させてなる結晶性の重合体を含有する、生体結紮ワイヤ。
[2] 後述する式1中におけるL1のポリオキシアルキレンカルボニル基が後述する式2で表される基である、[1]に記載の生体結紮ワイヤ。
[3] 後述する式2中のnが50を超える数である、[2]に記載の生体結紮ワイヤ。
[4] 上記重合性化合物の分子量が35000以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の生体結紮ワイヤ。
[5] 上記重合性基を有する基が、後述する式3で表される基である、[1]~[4]のいずれかに記載の生体結紮ワイヤ。
[6] 上記重合性基が(メタ)アクリロイル基である、[1]~[5]のいずれかに記載の生体結紮ワイヤ。
[7] 後述する式1中のpがであり、qがである、[1]~[6]のいずれかに記載の生体結紮ワイヤ。
[8] 更に高分子化合物を含有する、[1]~[7]のいずれかに記載の生体結紮ワイヤ。
[9] 上記重合性化合物が、後述する式6で表される化合物である、[1]~[8]のいずれかに記載の生体結紮ワイヤ。
[10] [1]~[9]のいずれかに記載の生体結紮ワイヤを備える、生体結紮デバイス。
本発明によれば、様々な大きさの腫瘍、及び、生体隆起部等に適用可能であり、かつ、安定した締め付け力をより簡便に得られる生体結紮ワイヤが提供できる。
また、本発明によれば、生体結紮デバイスも提供できる。
仙尾部奇形腫を発生した胎児の模式図である。 本生体結紮ワイヤを仙尾部奇形腫の胎児に適用する様子を示す模式図である。 仙尾部奇形腫が、生体結紮ワイヤにより胎児の肛門部分で結紮された状態を示す模式図である。 生体結紮ワイヤが加温され収縮し、仙尾部奇形腫への血流が遮断された状態を示す模式図である。 各ワイヤについて温風による加熱を開始してから終了するまでに要した時間を表すグラフである。 実施例1のワイヤによる結紮状況を表す画像である。 実施例2のワイヤによる結紮状況を表す画像である。 実施例3のワイヤによる結紮状況を表す画像である。 ブタ頸動脈を通過したブタの血流量を表すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書における基(原子群)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、本発明の効果を損ねない範囲で、置換基を有さないものとともに置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。このことは、各化合物についても同義である。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表す。また、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル及びメタクロイルの双方、又は、いずれかを表す。
[生体結紮ワイヤ]
本発明の実施形態に係る生体結紮ワイヤは、後述する式1で表される重合性化合物を含有する組成物の硬化物からなる生体結紮ワイヤ(以下、「本生体結紮ワイヤ」ともいう。)である。以下では、図面を参照して本生体結紮ワイヤについて説明する。
図1は、仙尾部奇形腫を発生した胎児の模式図である。子宮12内の患児11は仙尾部奇形腫(体外部分)13を有しており、ここには、栄養血管14を介して血流15aがある。
仙尾部奇形腫は仙尾部に発生する胚細胞腫瘍で、胎児、及び、新生児に発生する腫瘍の中では、発生頻度の高い腫瘍として知られている。
仙尾部奇形腫の一般的な治療方法としては、帝王切開等により出産後、新生児の開腹手術、又は、腹腔鏡手術によって切除する方法が挙げられる。
一方、出生前診断によって発見された仙尾部奇形腫のうち、腫瘍への血流が豊富なものは、腫瘍内出血、及び/又は、腫瘍破裂を生じ、腫瘍が急速に増大することによって、高拍出性心不全、胎児水腫、母体ミラー症候群、及び、子宮内死亡等を呈する重症例となることがあり、その場合、子宮開放手術、及び、子宮鏡(胎児鏡)手術が考慮される場合がある。
仙尾部奇形腫の子宮開放手術では、腫瘍の全体(体内部分、及び、体外部分)のうち、体外部分だけを切除し、体内残存部は出生後に再手術して切除する方法がとられる。しかし、子宮の開放により羊水が失われて早産のリスクが高まる等手術によるリスクも大きい場合がある。このような観点から、子宮鏡(胎児鏡)によるよりリスクの低い治療法の開発が求められている。
しかし、より母体及び胎児への影響が少ない子宮鏡による手術が検討される場合であっても、腫瘍への血流が豊富である場合、術中の出血量が多くなることが推測され、患児の予後に与える影響が大きいと考えられる。
新生児での開腹手術、又は、腹腔鏡手術においては、腫瘍栄養血管として正中仙骨動脈等の先行処理(血流遮断)を行う例があるが、子宮鏡手術においても、腫瘍への血流を遮断、又は、抑制するために、腫瘍をより簡便に結紮する方法が求められている。
本生体結紮ワイヤは、対象となる結紮部位の径に関わらず、予め定めた方法により結紮すれば、加温(例えば、体温による加温)によってワイヤが収縮し、所望の締め付け力を安定して得ることが可能である。
そのため、本生体結紮ワイヤを用いれば、子宮鏡(胎児鏡)等を用いて行われる手術であっても、より簡便に、安定した処置が可能になる。
図2は本生体結紮ワイヤを仙尾部奇形腫の胎児に適用する様子を示す模式図である。
まず、子宮12内の患児11は仙尾部奇形腫(体外部分)13を有しており、ここには、栄養血管14を介して血流15aがある。
この仙尾部奇形腫13の体外部分を生体結紮ワイヤ10を用いて結紮し、仙尾部奇形腫13への血流を遮断、又は、抑制する。
図3は、仙尾部奇形腫13が、生体結紮ワイヤ10により胎児の肛門部分で結紮された状態を示す模式図である。このとき結び目の形成方法としては特に制限されず、従来公知の方法を用いればよい。
図4は、生体結紮ワイヤ10が加温され収縮し、仙尾部奇形腫13への血流が遮断された状態(血流15b)を示す模式図である。
生体結紮ワイヤ10は、後述するとおり結晶性の重合体を含み、上記重合体の結晶の融点以上の温度で引張り応力を加えて変形させ、その応力を保持したまま、結晶化温度以下に冷却されて準備されたものであり、結晶融点以上の温度に加熱されると、応力が緩和して、もとの形状(引張り変形前の形状、「記憶形状」ともいう。)に戻るという特性を有している。そのため、結紮後に加温されると収縮し、結果として結紮部位に一定の締め付け力を与えることができる。
生体結紮ワイヤの長さとしては、結紮対象部位の径に応じて自由に調整可能であり、特に制限されないが、一般に、10~200mmであることが好ましい。
また、生体結紮ワイヤの直径としては特に制限されないが、一般に、0.1~5mmであることが好ましい。
なお、生体結紮ワイヤ10は断面が略円形であるが、本発明の実施形態に係る生体結紮ワイヤとしては上記に制限されず、断面形状が略三角形、略四角形、及び、略多角形であってもよい。
上記は、本生体結紮ワイヤを仙尾部奇形腫の子宮内手術のための先行処理に用いる例を説明したが、本生体結紮ワイヤの用途としては上記に制限されず、他腫瘍等にも適用可能である。上記腫瘍等としては、例えば、各種ポリープ、及び、心耳等が挙げられる。
このように、本生体結紮ワイヤは様々な大きさの腫瘍等に適用可能であり、かつ、安定した締め付け力をより簡便に得られる。以下では、本生体結紮ワイヤの成分等について説明する。
〔重合体〕
本生体結紮ワイヤは、後述する式1で表される重合性化合物を含有する組成物を硬化させてなる結晶性の重合体を含有する。生体結紮ワイヤ中における重合体の含有量としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有する生体結紮ワイヤが得られる点で、一般に生体結紮ワイヤの全質量に対して、0.1~100質量%が好ましい。なお、生体結紮ワイヤは、重合体の1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有していてもよい。生体結紮ワイヤが、2種以上の重合体を含有する場合には、その合計含有量が上記数値範囲内であることが好ましい。
上記重合体は結晶性であり、その結晶化度としては特に制限されないが、十分な形状記憶性能を示す点で、30~70%が好ましい。なお、本明細書において、結晶化度とは、重合体のX線回折強度分布から求められる結晶化度を意味する。
また、重合体の結晶の融解温度(結晶融点、軟化温度)としては特に制限されないが、生体結紮ワイヤを生体に適用した際に、生体温度(例えば、37℃)で記憶形状が呼び出しやすい(生体結紮ワイヤが収縮しやすい)点で、35~60℃が好ましく、36~42℃がより好ましい。
上記重合体は、結晶性を有し、結晶の融解温度よりも高い温度でひずみを与えたまま、結晶化温度付近まで冷却すると、上記ひずみが固定され、再度、結晶融解温度よりも高い温度で保持すると、ひずみが元に戻るという特性(形状記憶能)を有する。
すなわち、本生体結紮ワイヤを結晶の融解温度、又は、それ以上に加熱してひずみ(引張ひずみ等)を与えたまま、結晶化温度付近まで冷却すると、加熱により収縮する機能が実現される。
なお、本生体結紮ワイヤが収縮する温度は、重合性化合物の分岐数を増加したり、分子量を減少させたり、硬化物の架橋密度を上げたりすることで、より低く調整することができる。この温度をより低く調整することで、体温付近で収縮する生体結紮ワイヤとすることもできる。
<組成物>
組成物は、後述する式1で表される重合性化合物を含有し、これを硬化させることで、上記重合体が得られる。以下では、組成物が含有する各成分について詳述する。
(重合性化合物)
組成物は後述する式1で表される重合性化合物を含有する。組成物中における重合性化合物の含有量としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有する生体結紮ワイヤが得られる点で、一般に組成物の全質量に対して、50~100質量%が好ましい。なお、組成物は、重合性化合物の1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有していてもよい。組成物が、2種以上の重合性化合物を含有する場合には、その合計含有量が上記数値範囲内であることが好ましい。
式1中、Lはポリオキシアルキレンカルボニル基を表し、Xは重合性基を有する基を表し、Rは水素原子、又は、上記重合性基を有さない1価の置換基を表し、pは0以上の整数を表し、qは2以上の整数を表し、Mはp+qが2のとき、単結合、又は、2価の連結基を表し、p+qが3以上のとき、p+q価の連結基を表し、複数あるL、R、及び、Xはそれぞれ同一でも異なってもよい。
のポリオキシアルキレンカルボニル基としては特に制限されないが、以下の式2で表される基が好ましい。
式2中、Lは分岐構造を有してもよいアルキレン基を表し、炭素数としては特に制限されないが、2~20個が好ましく、2~10個がより好ましい。なかでも、より優れた本発明の効果を有する部材が得られる点で、炭素数が2~10個の直鎖状のアルキレン基が更に好ましい。
特に、Lが炭素数3~8個のアルキレン基の場合、得られる重合体の結晶融解温度をより低い値に維持しやすく(例えば、炭素数が5個の場合、約60℃)、より生体温度に近い温度で収縮させやすい。
式2中、nは、2以上の数を表し、特に制限されないが、5以上が好ましく、20以上がより好ましく、50以上が更に好ましく、50を超えることが特に好ましい。
nが50を超えると、得られる生体結紮ワイヤはより優れた締め付け力を有する。
nの上限としては特に制限されないが、500以下が好ましく、300以下が好ましく、200以下がより好ましい。
nが200以下であると、得られる生体結紮ワイヤはより優れた伸び率と形状記憶特性とを有する。
の重合性基を有する基として特に制限されないが、以下の式3で表される基が好ましい。
式3中、Zは重合性基を表し、Lは単結合、又は、2価の連結基を表す。また、「*」は結合位置を表す。
の2価の連結基としては特に制限されないが、-C(O)-、-C(O)O-、-OC(O)-、-O-、-S-、-NR2-(R2は水素原子又は1価の有機基を表す)、アルキレン基(炭素数1~10個が好ましい)、シクロアルキレン基(炭素数3~10個が好ましい)、アルケニレン基(炭素数2~10個が好ましい)、及び、これらの組み合わせ等が挙げられる。なかでも、より優れた本発明の効果を有する生体結紮ワイヤが得られる点で、Lとしては、単結合、-C(O)-、又は、-NR2-が好ましい。
式1中、Zの重合性基とは、重合反応に関与する基をいう。重合性基としては、特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有する部材が得られる点で、ラジカル重合が可能な基が好ましく、エチレン性不飽和基がより好ましい。エチレン性不飽和基としては特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、及び、アリル基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
式1中、Mは、p+q価の連結基を表し、Mが2価の連結基である場合には、その形態としては特に制限されないが、式3のLの2価の連結基としてすでに説明した基が好ましい。
pは0以上の整数を表し、1以下が好ましく、0がより好ましい。qは2以上の整数を表し、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、6以下が好ましく、4が最も好ましい。
が3価以上の連結基である場合には、特に制限されないが、例えば、以下の式4a~4dで表される基が挙げられる。
式4a中、Lは3価の基を表す。Tは単結合又は2価の基を表し、3個のTは互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
としては、3価の炭化水素基(炭素数1~10個が好ましい。なお、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でもよく脂肪族炭化水素基でもよい。)、又は、3価の複素環基(5員環~7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、-O-)が含まれていてもよい。Lの具体例としては、グリセリン残基、トリメチロールプロパン残基、フロログルシノール残基、及びシクロヘキサントリオール残基等が挙げられる。
式4b中、Lは4価の基を表す。Tは単結合又は2価の基を表し、4個のTは互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
なお、Lの好適形態としては、4価の炭化水素基(炭素数1~10個が好ましい。なお、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でもよく脂肪族炭化水素基でもよい。)、4価の複素環基(5~7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、-O-)が含まれていてもよい。Lの具体例としては、ペンタエリスリトール残基、及びジトリメチロールプロパン残基等が挙げられる。
式4c中、Lは5価の基を表す。Tは単結合又は2価の基を表し、5個のTは互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
なお、Lの好適形態としては、5価の炭化水素基(炭素数2~10が好ましい。なお、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でもよく脂肪族炭化水素基でもよい。)、又は、5価の複素環基(5~7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、-O-)が含まれていてもよい。Lの具体例としては、アラビニトール残基、フロログルシドール残基、及びシクロヘキサンペンタオール残基等が挙げられる。
式4d中、Lは6価の基を表す。Tは単結合又は2価の基を表し、6個のTは互いに同一であってもよく異なっていてもよい。
なお、Lの好適形態としては、6価の炭化水素基(炭素数2~10が好ましい。なお、炭化水素基は、芳香族炭化水素基でもよく脂肪族炭化水素基でもよい。)、又は、6価の複素環基(6~7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、-O-)が含まれていてもよい。Lの具体例としては、マンニトール残基、ソルビトール残基、ジペンタエリスリトール残基、ヘキサヒドロキシベンゼン、及び、ヘキサヒドロキシシクロヘキサン残基等が挙げられる。
式4a~式4d中、T~Tで表される2価の基の具体例及び好適形態は、すでに説明したMの2価の基と同様であってよい。
また、Mが7価以上の基である場合には、式4a~式4dで表した基を組み合わせた基を用いることができる。
式1中、Rは水素原子、又は、上記重合性基を有さない1価の置換基を表す。
重合性基を有さない1価の置換基としては特に制限されないが、例えば、*-L-R′で表される基が挙げられる。
上記式中、Lは、単結合、又は、2価の連結基を表し、R′は、水素原子、炭化水素基(直鎖状、分岐鎖状、若しくは、環状のいずれであってもよい)、(ポリ)オキシアルキレン基を表し、*は結合位置を表す。
重合性化合物の分子量としては特に制限されないが、より優れた本発明の効果を有する生体結紮ワイヤが得られる点で、5000以上が好ましく、10000以上がより好ましく、15000を超えることが更に好ましく、35000以上が特に好ましく、100000以下が好ましく、50000以下がより好ましい。
重合性化合物の分子量が上記数値範囲であると、得られる生体結紮ワイヤは、より大きな締め付け力を発揮できる。
なかでも、より優れた本発明の効果を有する生体結紮ワイヤが得られる点で、重合性化合物は以下の式6で表される化合物が好ましい。
式6中、Rは、水素原子、又は、炭素数1~6個のアルキル基を表し、水素原子、又は、メチル基が好ましく、nは2~300の数を表し、50を超えてることが好ましく、200以下が好ましく、nは1~6の数を表し、1~3が好ましく、nは1~10の数を表し、3~8が好ましい。
・重合性化合物の製造方法
重合性化合物の製造方法としては特に制限されないが、より簡便に重合性化合物が得られる点で、環状化合物を開環重合して得られた前駆体化合物に、重合性基を有する基を導入して得る方法が好ましい。
環状化合物としては公知の環状化合物を使用することができ、特に制限されないが、加水分解によって開環し得るものが好ましく、例えば、β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、β-バレロラクトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-カプリロラクトン、δ-バレロラクトン、β-メチル-δ-バレロラクトン、δ-ステアロラクトン、ε-カプロラクトン、γ-オクタノイックラクトン、2-メチル-ε-カプロラクトン、4-メチル-ε-カプロラクトン、ε-カプリロラクトン、ε-パルミトラクトン、α-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン、及び、α-メチル-γ-ブチロラクトン等の環状エステル(ラクトン化合物);グリコリド、及び、ラクチド等の環状ジエステル;等が挙げられる。
なかでも、開環重合の反応性が良好である点で、環状化合物としては、ラクトン化合物またはラクチドが好ましく、反応性がより高く、原料の入手がより容易な点で、ラクトン化合物がより好ましく、β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、β-バレロラクトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-カプリロラクトン、δ-バレロラクトン、β-メチル-δ-バレロラクトン、δ-ステアロラクトン、ε-カプロラクトン、2-メチル-ε-カプロラクトン、4-メチル-ε-カプロラクトン、ε-カプリロラクトン、及び、ε-パルミトラクトンからなる群から選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。
環状化合物を開環重合して前駆体化合物を得る方法としては特に制限されないが、金属触媒の存在下、アルコールを開始剤として開環重合する方法が挙げられる。
・・金属触媒
金属触媒としては特に制限されないが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類、遷移金属類、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、及び、アンチモン等の脂肪酸塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、及び、アルコラート等が挙げられる。
より具体的には、塩化第一スズ、臭化第一スズ、ヨウ化第一スズ、硫酸第一スズ、酸化第二スズ、ミリスチン酸スズ、オクチル酸スズ、ステアリン酸スズ、テトラフェニルスズ、スズメトキシド、スズエトキシド、スズブトキシド、酸化アルミニウム、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム-イミン錯体、四塩化チタン、チタン酸エチル、チタン酸ブチル、チタン酸グリコール、チタンテトラブトキシド、塩化亜鉛、酸化亜鉛、ジエチル亜鉛、三酸化アンチモン、三臭化アンチモン、酢酸アンチモン、酸化カルシウム、酸化ゲルマニウム、酸化マンガン、炭酸マンガン、酢酸マンガン、酸化マグネシウム、及び、イットリウムアルコキシド等の化合物が挙げられる。
金属触媒の使用量は金属触媒中の金属元素に換算して、環状化合物1kg当たり0.01×10-4~100×10-4モル程度が好ましい。
・・開始剤
開始剤としては特に制限されないが、1価又は2価以上のアルコールが挙げられる。
1価のアルコールとしては特に制限されないが、R21-OHで表されるアルコールが挙げられ、R21は、置換基を有していてもよい炭素数1~20個の脂肪族炭化水素基を表す。
脂肪族炭化水素基としては、特に制限されないが、炭素数1~20個のアルキル基等が挙げられる。
1価のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、ペンチルアルコール、n-ヘキシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、n-デシルアルコール、n-ドデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ラウリルアルコール、エチルラクテート、及び、ヘキシルラクテート等が挙げられる。
また、2価以上のアルコール(多価アルコール)としては、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、テトラメチレングリコール(1,4-ブタンジオール)、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、及び、トリメチロールメラミン等が挙げられる。
開始剤の使用量は、特に制限されないが、環状化合物1kg当たり、好ましくは0.0001~0.04モル程度が好ましい。
・・開環重合
開環重合は、環状化合物の揮散を防ぐため、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。重合温度は、特に制限されないが、100~250℃が好ましい。
重合時間としては特に制限されないが、0.1~48時間程度が好ましい。
・・重合性基の導入
前駆体化合物に重合性基を導入する方法としては特に制限されないが、例えば、前駆体化合物が有するヒドロキシ基に対して反応性を示す置換基、及び、重合性基を有する化合物(F1)を反応させる方法(イ)、及び、前駆体化合物が有するヒドロキシ基を他の官能基に置換し、この置換基に対して反応性を示す官能基、及び、重合性基を有する化合物を反応させる方法(ロ)等があげられる。なかでも、より簡便に重合性化合物が得られる点で、(イ)の方法が好ましい。
上記(イ)の方法で、前駆体化合物のヒドロキシ基と反応させる化合物(F1)としては、特に制限されないが、例えば、重合性基が(メタ)アクリロイル基である場合、塩化(メタ)アクリル酸、及び、臭化(メタ)アクリル酸等の不飽和酸ハロゲン化合物類等が挙げられる。
前駆体化合物のヒドロキシ基と反応させる化合物(F1)の使用量としては、特に制限されないが、ヒドロキシ基に対し、0.1~10モル当量程度が好ましい。
(その他の成分)
組成物は、本発明の効果を奏する範囲内において上記以外の成分を含有していてもよい。上記以外の成分としては特に制限されないが、例えば、重合開始剤、溶媒(水、有機溶媒、及び、これらの混合物等)、高分子化合物、及び、薬剤等が挙げられる。
・重合開始剤
重合開始剤は重合性化合物を重合させ重合体を得るための成分である。重合開始剤としては、特に制限されず、公知の熱重合開始剤、及び/又は、光重合開始剤が使用できる。
熱重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、及び、過酸化ベンゾイル等の過酸化物等が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、キサントン、及び、チオキサントン等の芳香族ケトン化合物;2-エチルアントラキノン等のキノン化合物;アセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエーテル、2,2-ジエトキシアセトフェノン、及び、2,2-ジメトキシー2-フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン化合物;メチルベンゾイルホルメート等のジケトン化合物;1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-(O-ベンゾイル)オキシム等のアシルオキシムエステル化合物;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド化合物;テトラメチルチウラム、及び、ジチオカーバメート等のイオウ化合物;過酸化ベンゾイル等の有機化酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;有機スルフォニウム塩化合物;ヨードニウム塩化合物;フォスフォニウム化合物;等が挙げられる。
重合開始剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。組成物中における重合開始剤の含有量は、組成物の全質量に対して、0.001~10質量%が好ましい。
組成物を硬化させる方法としては特に制限されず、公知の硬化方法が使用できる。なかでも、より簡便に部材が得られる点で、上記組成物にエネルギーを付与(加熱、及び/又は、光照射)することが好ましい。
(溶媒)
組成物は溶媒を含有してもよい。組成物が溶媒を含有する場合、溶媒の含有量としては特に制限されず、例えば、組成物の固形分が10~50質量%に調整されるよう、含有してもよい。
溶媒としては特に制限されず、水、及び、有機溶媒等が挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、アミド系溶媒、及び、これらの混合物等が使用できる。
炭化水素系溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロへキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘプタン、及び、デカン等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロへキサノン、及び、イソホロン等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、コハク酸エチル、炭酸メチル、安息香酸エチル、及び、ジエチレングリコールジアセテート等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、及び、ジフェニルエーテル等が挙げられる。
ハロゲン系溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、1,1′,2,2′-テトラクロロエタン、クロロベンゼン、及び、ジクロロベンゼン等が挙げられる。
アミド系溶媒としては、ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンなどが挙げられる。
組成物中における溶媒の含有量としては特に制限されないが、組成物の固形分が、1~60質量%となるよう調整されることが好ましく、10~55質量
%となるよう調整されることがより好ましい。
(高分子化合物)
組成物は、高分子化合物を含有していてもよい。なお、本明細書において、高分子化合物は、重合性基を有しない化合物であり、すでに説明した特定重合体とは異なる重合体を意味する。
組成物が含有してもよい高分子化合物としては特に制限されないが、特定重合体との相溶性がより優れる点で、オキシアルキレンカルボニル基からなる繰り返し単位(以下「特定単位」ともいう。)を有する結晶性の高分子化合物が好ましい。
組成物が上記高分子化合物を含有する場合、得られる生体結紮ワイヤが有する結晶の融点が複数となるよう調整でき、結果として複数の形状を記憶させることができる。
組成物が高分子化合物を含有する場合、組成物中における高分子化合物の含有量としては特に制限されないが、一般に、組成物中の固形分の全質量に対して、1~50質量%が好ましい。なお、部材は、高分子化合物の1種を単独で含有してもよく、2種以上を含有していてもよい。部材が、2種以上の高分子化合物を含有する場合には、その合計含有量が上記数値範囲内であることが好ましい。
特定単位としては、以下の式5で表される単位が挙げられる。
式2中、Lは分岐構造を有してもよいアルキレン基を表し、炭素数としては特に制限されないが、2~20が好ましく、2~10がより好ましい。なかでも、より優れた本発明の効果を有する部材が得られる点で、炭素数が2~10の直鎖状のアルキレン基が更に好ましい。
高分子化合物の分子量としては特に制限されないが、一般に、2000~100000が好ましく、5000~80000がより好ましい。
なお、本明細書において、分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー法により測定したPEG(ポリエチレングリコール)スタンダード換算の数平均分子量を意味する。
特に制限されないが、高分子化合物は、環状化合物を開環重合して得られたものであることが好ましい。
環状化合物としては公知の環状化合物を使用することができ、特に制限されないが、加水分解によって開環し得るものが好ましく、例えば、β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、β-バレロラクトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-カプリロラクトン、δ-バレロラクトン、β-メチル-δ-バレロラクトン、δ-ステアロラクトン、ε-カプロラクトン、γ-オクタノイックラクトン、2-メチル-ε-カプロラクトン、4-メチル-ε-カプロラクトン、ε-カプリロラクトン、ε-パルミトラクトン、α-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン、及び、α-メチル-γ-ブチロラクトン等の環状エステル(ラクトン化合物);グリコリド、及び、ラクチド等の環状ジエステル;等が挙げられる。
なお、高分子化合物は、環状化合物の1種を単独で開環重合したものであってもよく、2種以上を用いて共重合したものであってもよい。その場合、2種以上の環状化合物に基づく単位の高分子化合物中における配列は、ランダムであっても、ブロックであってもよい。
なかでも、高分子化合物は、β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、β-バレロラクトン、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γカプリロラクトン、δ-バレロラクトン、β-メチル-δ-バレロラクトン、δ-ステアロラクトン、ε-カプロラクトン、γ-オクタノイックラクトン、2-メチル-ε-カプロラクトン、4-メチル-ε-カプロラクトン、ε-カプリロラクトン、ε-パルミトラクトン、α-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン、及び、α-メチル-γ-ブチロラクトン等の環状エステル(ラクトン化合物);グリコリド、及び、ラクチド等の環状ジエステル;等を開環重合して得られたものであることが好ましい。
なかでも、高分子化合物としては、環状化合物を開環重合して得られた直鎖状の高分子であることが好ましい。高分子化合物は上記以外の繰り返し単位を含有していてもよい。
(ワイヤの製造方法)
上記組成物を用いてワイヤを製造する方法としては特に制限されず、公知の方法が使用できる。例えば、すでに説明した方法により得られた特定重合体を公知の条件により溶融紡糸する方法等が挙げられる。
[生体結紮デバイス]
本発明の実施形態に係る生体結紮デバイスとしては、上記生体結紮ワイヤを備えていれば特に制限されない。このようなデバイスとしては、例えば、特開2015-195837号公報の0023-0068段落に記載された心耳結紮用処置具の圧迫手段として本生体結紮ワイヤを用いるもの、並びに、特開2016-150044号公報の0022-0059段落に記載された内視鏡用処置具のループ状絞扼部、及び/又は、結紮ループ部として本生体結紮ワイヤを用いるもの等が挙げられ、上記内容は本明細書に組み込まれる。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[合成例1:4b50PCLの合成]
まず、ペンタエリスリトールを12時間減圧乾燥した。次に、三口フラスコに、ε-カプロラクトン(105.7ml、東京化成工業社製)、及び、ペンタエリスリトール(680.75mg、東京化成工業社製)を導入し、窒素を吹き込みながら、混合物を攪拌した。次に、混合物にオクタン酸錫(1ml)を加え、得られた混合物を120℃で24時間保持して、前駆体化合物1を得た。次に、前駆体化合物1と塩化アクリロイルとをトリエチルアミン(TEA)の存在下で、テトラヒドロフラン(THF)中で室温、24時間反応させて、重合性化合物の「4b50PCL」を得た。「4b50PCL」の分岐鎖の重合度は50であり、上記のスキームを以下の式に示した。
なお、このマクロモノマーの構造、及び、分子量はプロトン核磁気共鳴分光法、及び、ゲル浸透クロマトグラフィー法により測定、及び、推定した。
[合成例2:4b100PCLの合成]
ε-カプロラクトンを52mlg、ペンタエリスリトールを168.8mg、オクタン酸錫を1mlg用いたことを除いては、合成例1と同様にして、重合性化合物の「4b100PCL」を得た。「4b100PCL」の合成スキームを以下に示した。
[実施例1]
キシレン4.26mLに4b50PCLの2.5g、過酸化ベンゾイルの50mgを加えて、超音波攪拌して組成物を得た。その後、80℃、6時間の条件でセルキャスト重合して重合体シートを得た。得られたシートの厚みは0.3mmだった。このシートを幅5mmとなるように切断し、ワイヤ1を得た。
ワイヤ1は、引っ張り試験機(EZ-S 500N 島津製作所)を用いて、70℃の温風(ワイヤ自体の温度は50℃程度)で、300%の長さまで伸張した(引っ張り速度5mm/min)。
[実施例2]
4b50PCLに代えて、4b100PCLを用いたこと、及び、セルキャスト重合の際のセルの厚みを変更した以外は実施例1と同様にして、重合体シートを得た。得られたシートの厚みは1mmだった。このシートを幅5mmとなるように切断し、ワイヤ2を得た。なお、ワイヤ2は、実施例1と同様の条件で伸張した。
[実施例3]
実施例2と同様の条件で調製した組成物を、直径4mm、長さ10cmのガラス管の中に入れ、80℃、6時間の条件で重合して4b100PCLチューブ(ワイヤ3)を得た。なお、ワイヤ3は、実施例1と同様の条件で伸張した。
[評価]
各実施例のワイヤを用いて、血管の結紮試験を行った。まず、ブタ頸動脈(東京芝浦臓器株式会社から購入)を、リン酸緩衝溶液中で洗浄し、長さ約10cmとなるように切断した。次に、上記ブタ頸動脈に実施例1~3の形状記憶ワイヤを一周させ二重結びにて結びつけられた。次に、70℃の温風により、ワイヤの温度が50℃程度になるよう加熱した。次に、各ワイヤが収縮した後、ブタ頸動脈を垂直方向に吊るし、ブタの血液(東京芝浦臓器株式会社から購入、室温)を、60mL、洗瓶を用いてブタ頸動脈中に流した(流速約6mL/sec)。
この時、各ワイヤについて温風による加熱を開始してから終了するまでに要した時間を図5に示した。図5において、縦軸はワイヤが加熱してから収縮が終了するまでに要した時間であり、横軸は左から、「SMP(low-Mw)string」が実施例1のワイヤ、「SMP(high-Mw)string」が実施例2のワイヤ、「SMP(high-Mw)Tube」が実施例3のワイヤを示している。
図5に示した結果から、分子量が低い重合性化合物(4b50PCL)から作製されたワイヤと分子量が大きい重合性化合物(4b100PCL)から作製されたワイヤでは、分子量が大きい重合性化合物から作製された(実施例2、及び、実施例3)ワイヤの方が、実施例1のワイヤと比較して、加熱してから収縮するのに要する時間は長いことがわかった。
これは、分子量が大きい重合性化合物から作製されたワイヤの方が収縮の反応時間が長いことを表している。ワイヤの形状がstring(実施例2)とTube(実施例3)では、Tubeの形状のワイヤ(実施例3)の方が加熱してから収縮するのに要する時間は長かった。これは、String形状のデバイスに対し、Tube形状のデバイスの方が厚さが厚いため、デバイス内部まで熱が一様に加わるまでに時間がかかるため、加熱してから収縮するのに要する時間は長くなったと考えられた。
図6~8には、ブタの血液を流した際の実施例1~3のワイヤの結紮状況を表す画像である。中央上に白く筒状に見えるのが洗瓶の先端で、その先端がブタ頸動脈に挿入されている。各ブタ頸動脈は、実施例1~3のワイヤでそれぞれ結紮されいる。
また、図9には、縦軸はブタ頸動脈を通過したブタの血液量を示した。縦軸は10秒間ブタ血液を流したときの各試料からのブタ血液の流出量を表している。
図9に示した結果から、分子量の(4b50PCL)から作製されたワイヤと分子量が大きい(4b100PCL)から作製されたワイヤとでは、分子量が大きい重合性化合物から作製されたワイヤの方(実施例2、及び、実施例3)が、ブタの頸動脈を流れる血液量が少なかった。またTube形状のデバイスでは流れた血液はなかった。これは、Tube形状のデバイスが収縮によりブタ頸動脈を完全に遮断したことが示唆された。
10 :生体結紮ワイヤ
11 :患児
12 :子宮
13 :仙尾部奇形腫
14 :栄養血管
15a、15b :血流

Claims (9)

  1. 下記式1で表される重合性化合物を重合させてなる、結晶性の重合体を含有する、生体結紮ワイヤ。
    (式1中、Lはポリオキシアルキレンカルボニル基を表し、Xは下記式3で表される、重合性基を有する基を表し、Rは水素原子、又は、前記重合性基を有さない1価の置換基を表し、pは0以上の整数を表し、qは2以上の整数を表し、Mはp+qが2のとき、単結合、又は、2価の連結基を表し、p+qが3以上のとき、p+q価の連結基を表し、複数あるL、R、及び、Xはそれぞれ同一でも異なってもよい。)

    (式3中、Zはエチレン性不飽和基を表し、Lは単結合、又は、2価の連結基を表わす。また、「*」は結合位置を表す。)
  2. 前記Lのポリオキシアルキレンカルボニル基が下記式2で表される基である、請求項1に記載の生体結紮ワイヤ。
    (式2中、Lは分岐構造を有していもよいアルキレン基を表し、nは2以上の数を表す。)
  3. 前記式2中のnが50を超える数である、請求項2に記載の生体結紮ワイヤ。
  4. 前記重合性化合物の分子量が35000以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の生体結紮ワイヤ。
  5. 前記式1中のpが0であり、qが4である、請求項1~4のいずれか1項に記載の生体結紮ワイヤ。
  6. 更に高分子化合物を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の生体結紮ワイヤ。
  7. 前記重合性化合物が、以下の式6で表される化合物である、請求項1~6のいずれか1項に記載の生体結紮ワイヤ。
    (式6中、Rは、水素原子、又は、炭素数1~6個のアルキル基を表し、nは2~300の数を表し、nは1~6の数を表し、nは1~10の数を表す。)
  8. 前記エチレン性不飽和基が(メタ)アクリロイル基である、請求項1~7のいずれか1項に記載の生体結紮ワイヤ。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の生体結紮ワイヤを備える、生体結紮デバイス。
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