JP7551453B2 - ヒンジキャップ - Google Patents
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Description
しかしながら、このような2段階の開封操作は煩雑であると共に、キャップ本体から取り除かれた開口予定部はごみとして廃棄する必要がある。またキャップの径によってはプルリングの大きさが小さいことから指をかけにくいという問題や、プルリングの引き上げにより弱化部を破断する際に内容物が飛び散るおそれもある。
しかしながら、上記特許文献1においては、上蓋と開口予定部の溶着部と破断すべき弱化線が離間しているため、上蓋の開栓力を効率よく弱化線に作用させることができず、開栓力を十分に低減できないおそれがある。
また上記特許文献2においては、上蓋と開口予定部の溶着部が、開口予定部を区画する無端状の弱化部の全周にわたって形成されていることから溶着面が広く、上蓋の開栓動作を阻害する力が大きいため、初期開封操作における開封力のさらなる低減が望まれている。
1.前記突出部の先端が、前記開口予定部の注出方向側の端部から開口予定部の注出方向距離の半分以下の長さで開口予定部と固着されていること、
2.前記開口予定部の形状が、内容物の注出方向の距離に対して注出方向と垂直方向の距離が短く、少なくとも注出方向側の端部が注出方向に行くにしたがって垂直方向距離が減少する略紡錘形であること、
3.前記突出部の先端が、前記開口予定部と溶着されることにより開口予定部に固着されていること、
4.前記突出部の先端が、前記開口予定部のヒンジと反対側の外周縁に沿って固着されていること、
5.前記突出部の先端が、前記開口予定部の注出方向に対して垂直方向に延びる部分でも開口予定部と固着されていること、
6.前記環状突出部が開口予定部の外周縁と合致した環状突起から成ること、
が好適である。
すなわち、弱化部の破断は弱化部の破断が開始される際に最も大きな力が必要であり、前述したように、無端状の弱化部の全周にわたって固着部が形成されている場合には、上蓋の開栓力が固着部全体に分散されてしまい、効率よく破断開始点に作用させることができない。また、ヒンジ部側にも固着部がある場合には、内容物の注出方向側から弱化部が破断された後も、固着部による上蓋の開栓操作を阻害する力が作用して、開栓力を十分に低減させることができない。これに対して、固着部を注出方向側にのみ形成した場合には、上蓋の開栓操作開始時に弱化部の注出方向側端部に応力を集中させることができると共に、弱化部の破断が開始した後は、弱化部の破断点に上記のような阻害力を受けることがないので、効率よく弱化部の破断を行うことが可能となる。
また開口予定部の形状が、注出方向に近づくに従って垂直方向距離が減少する略雫形状や略紡錘形状であることにより、破断開始点となる注出方向側端部への応力集中を容易にし、開栓力を更に低減させることが可能となる。
図1~図4に示す本発明のヒンジキャップは、キャップ本体1と、キャップ本体1にヒンジ連結(ヒンジ連結部を2で示す)された上蓋3とから成っており、キャップ本体1は、概略的に言って、頂板部11と、頂板部11の周縁部から垂下している筒状側壁12とから成っている。
また頂板部11には、内容物取り出し用の開口となる開口予定部14が、無端状に形成されている弱化部15を介して頂板部11と一体に形成されている。弱化部15を引き裂いて、この開口予定部14を引き剥がすことにより、この開口予定部14が注出用開口(図4においてAで示す)となる。開口予定部14に関しては後述する。
また、キャップ本体1の筒状側壁12の一部は、上端から下方に延びている弧状スリット20により、内側壁12aと外側壁12bとに分断されており、内側壁12aと外側壁12bとが下端で周方向スコア21を介して連なった二重壁構造が形成されている。このような二重壁構造は、容器内容液注出後のキャップ本体1を容器口部から容易に除去するために形成されている。
尚、図示していないが、ヒンジ連結部2の近傍には、外側壁12bに、その上端から下端乃至その近傍に延びている軸方向スコアが形成されている。これにより、上蓋3を開栓した状態で下方に引き下ろすことにより、軸方向スコアが引裂かれ、外側壁12bが破断し、次に反時計方向(図1(A)の上面図から見て)に向かって強制することにより周方向スコア21が破断し、キャップ本体1を容器口部から容易に取り除くことができるようになっている。このようなヒンジキャップを容器口部から取り除く手段自体は公知であり、例えば特開2018-058622号公報に詳細が記載されている。
天板部31の内面には、シール用の周状突起33が形成されている。これにより、図2に示されているように、ヒンジ連結部2を軸として上蓋3を旋回して閉じたとき、シール用の周状突起33が前記注出用ノズル17の内面に密着し、この密着により、開口予定部14を引き剥がして注出用開口Aを形成した後のシール性が確保される。
また、上蓋3のスカート部32の内面下方部分には、凹部34が形成されており、前述した周状凸部18の上端が、この凹部34と係合することにより、閉じられた上蓋3が安定に保持されるようになっている。
さらに、上蓋3のスカート部下端の外面には、ヒンジ連結部2とは反対側部分に、開封用の鍔部35が設けられており、この鍔部35を指で引っ掛けて上蓋3を上方に持ち上げることにより上蓋3の開封を容易に行うことができる。
また突出部40は、上述した環状突起41の内側に、注出方向と垂直方向に延びる板状突起42が形成され、この板状突起42の下端においても開口予定部と溶着されていることが好適である。これにより、突出部40と開口予定部14との溶着面積を増加することができ、弱化部の破断強度が溶着強度を上回った場合でも、溶着面が剥離するのを防止できる。またこの板状突起42は、環状突起41の溶着部の両端部41a,41bで環状突起41と連結されていることが好ましく、これにより溶着強度を向上させることができる。
また図に示す具体例においては、環状突起41の内側のヒンジ部側に、開口予定部14に当接しない緩衝用突起43が形成されている。この緩衝用突起43により、突出部40が開口予定部14に接触したときの衝撃を緩和して、意図外に弱化部が破断してしまうことを予防することができる。
また図に示した具体例では、突出部40の下端がフラットな開口予定部14の上面に固着されていたが、これに限定されない。例えば、開口予定部14の上面に、突出部40の形状と合致する弱化部15に沿った軸方向に延びる突起部(例えば、図に示す上蓋の突出部40に対しては環状突起部と注出方向と垂直方向の板状突起部)を形成し、上蓋3の突出部40の下端と、かかる突起部の上端とが溶着されてもよい。
また図に示すように、注出用ノズル17から開口予定部14に向かって頂板部11が下方に傾斜する傾斜面とすることによっても、上蓋を開く際に注出方向側の頂板部11が上方に引き上げられてから、弱化部の破断が開始することから、弱化部15の破断のタイミングが上蓋とキャップ本体の係合解除のタイミングよりも遅れるため、弱化部15の破断をスムーズに開始することができる。
開口予定部の形状は、通常、円形或いは楕円形であるが、内容物の注出方向の距離に対して注出方向と垂直方向の距離が短く、少なくとも注出方向側端部が注出方向に行くに従って垂直方向距離が減少する略雫形状や略紡錘形状とすることが好適である。このように、注出方向に行くにしたがって、垂直方向距離が減少する形状を有することにより、注出方向側端部に応力が集中するため、弱化部の破断をスムーズに開始することできる。また注出方向側端部の垂直方向距離が小さいことにより、内容物の注出量を容易に調整することができる。
また図に示す具体例のように、ヒンジ側端部においてもヒンジ側端部に行くに従って垂直方向距離が減少する略紡錘形状とすることが好適である。これにより、開口予定部14を頂板部11からスムーズに取り除くことが可能となり、内容物の飛び散り等が有効に防止できる。
開口予定部の形状は、注出方向側端部の垂直方向距離が短い限り、種々の形状を採用することができ、これに限定されないが、前述した略雫形状、略紡錘形状の他、略四葉、略三つ葉、菱形などであってもよい。
すなわち、スパウトの栓体部の内部通路先端面が閉塞された状態で、この先端面に弱化部で区画された開口予定部を形成すると共に、キャップの天面内面側に突出部を形成し、キャップが栓体部に被せられた状態で、突出部の下端が開口予定部に固着されている。これにより、キャップの初期開封と同時に弱化部が破断されて、開口予定部がキャップと一体となって栓体部から取り除かれて、注出用開口が形成される。
このような熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂を好適に使用することができる。
Claims (7)
- 本体と上蓋とをヒンジ連結して成るヒンジキャップにおいて、
前記本体は、頂板部と、該頂板部の周縁から垂下する側壁を有し、前記頂板部には、弱化部により区画された開口予定部、及び該開口予定部を取り囲むように注出用ノズルが形成されており、
前記上蓋は、天板部と該天板部の周縁から垂下するスカート部とから成り、
前記天板部の内面側にはキャップ軸方向に延びる突出部が形成されており、該突出部の先端が、上蓋の閉栓状態において前記開口予定部のヒンジと反対側の位置に固着されており、
前記突出部が環状突出部であり、該環状突出部のヒンジと反対側に位置する先端面が部分的に開口予定部と固着されていることを特徴とするヒンジキャップ。 - 前記突出部の先端が、前記開口予定部の注出方向側の端部から開口予定部の注出方向距離の半分以下の長さで開口予定部と固着されている請求項1記載のヒンジキャップ。
- 前記開口予定部の形状が、内容物の注出方向の距離に対して注出方向と垂直方向の距離が短く、少なくとも注出方向側の端部が注出方向に行くにしたがって垂直方向距離が減少する略紡錘形である請求項1又は2記載のヒンジキャップ。
- 前記突出部の先端が、前記開口予定部と溶着されることにより開口予定部に固着されている請求項1~3の何れかに記載のヒンジキャップ。
- 前記突出部の先端が、前記開口予定部のヒンジと反対側の外周縁に沿って固着されている請求項1~4の何れかに記載のヒンジキャップ。
- 前記突出部の先端が、前記開口予定部の注出方向に対して垂直方向に延びる部分でも開口予定部と固着されている請求項5記載のヒンジキャップ。
- 前記環状突出部が開口予定部の外周縁と合致した環状突出部である請求項1~6の何れかに記載のヒンジキャップ。
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