JP7546280B2 - コンロ - Google Patents

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本発明は、コンロに関する。
従来、ガスコンロには、ガスバーナへの点火及び消火を行う機能の他に、複数の自動機能を備えた多機能コンロが知られている(例えば、特許文献1参照)。自動機能とは、加熱部を使用して自動加熱を行う機能であって、例えば、加熱調理の際に調理の種類(例えば、煮込み、高温炒め、ごはん等)に応じて加熱温度を自動制御する自動調理機能、内蔵するタイマによって所定時間が経過したと判断された時にガスバーナを自動消火するタイマ機能、加熱温度を一定温度にキープする温度キープ機能、湯沸かしを行う湯沸機能等である。
特開2015-55382号公報
上記のコンロにおいて、例えば、ユーザがごはんの自動調理を開始した後で、コンロから一旦離れることがある。その間、コンロの近くにいた他人が火のついたガスバーナを見て、自動調理中であることに気が付かず、ガスバーナを消火して電源をオフしてしまうことが想定される。その後、ユーザは電源がオフされた状態のコンロを見ても、自動調理が正常に完了したのか、それとも完了していないのかを見分けることができなかった。
本発明の目的は、電源がオフされた状態であっても、器具の状態を確認できるコンロを提供することである。
請求項1のコンロは、被調理物を加熱する複数の加熱部と、電源がオンされた状態で、動作態様を設定する設定部を備えた電池駆動式のコンロであって、表示内容を保持可能で且つ電気的に更新可能な電子ペーパーで構成され、各種情報を表示可能な表示部と、前記設定部により前記動作態様が設定された前記コンロの状態を前記表示部に表示する表示制御部とを備え、前記設定部は、前記複数の加熱部の中から何れかを選択し、選択した前記加熱部を使用して所定の自動加熱を行う自動機能の種類を設定する自動機能設定部を備え、前記コンロは、前記自動機能設定部により設定された前記自動機能の種類を記憶する種類記憶部と、前記自動機能設定部により設定された前記自動機能が実行中か判断する実行判断部と、前記実行判断部により前記自動機能が実行中と判断された場合、前記自動機能が実行中の前記加熱部が消火されたか判断する消火判断部と、前記消火判断部により前記自動機能が実行中の前記加熱部が消火されたと判断された場合、消火された前記加熱部の場所を特定する場所特定部と、前記場所特定部により場所が特定された前記加熱部の前記自動機能が正常に完了したか否か判断する完了判断部と、前記完了判断部により前記自動機能が途中で終了し、前記自動機能が正常に完了していないと判断された場合、前記自動機能が途中で終了した時点から完了するまでの推定残時間を含む残情報を記憶する残情報記憶部とを備え、前記表示制御部は、前記完了判断部により前記自動機能が途中で終了し、前記自動機能が正常に完了していないと判断された場合、前記自動機能が途中で終了したことを示す未完了情報を前記表示部に表示する未完了表示制御部を備え、前記未完了情報は、前記場所特定部により特定された加熱部の場所と、前記種類記憶部により記憶された前記自動機能の種類と、前記自動機能が未完了の状態で消火されたことを示す未完了メッセージと、前記残情報記憶部が記憶した前記残情報とを含むことを特徴とする。
請求項のコンロの前記表示制御部は、前記完了判断部により前記自動機能が正常に完了したと判断された場合、前記自動機能が正常に完了したことを示す完了情報を前記表示部に表示する完了表示制御部を備えてもよい。
請求項のコンロの前記設定部は、前記コンロの動作仕様を設定するカスタマイズ設定部を備え、前記表示制御部は、前記動作仕様を表示する仕様表示制御部を備えてもよい。
請求項1のコンロによれば、設定部により動作態様が設定された器具の状態を電子ペーパーである表示部に表示できるので、電源がオフした状態であっても器具の状態を電力消費無しで表示し続けることができる。これにより、ユーザは、電源をオンする前に、表示部に表示された器具の状態を確認できるので、電源をオンしてから調理に速やかに取り掛かることができる。また、加熱部において自動機能が正常に完了する前に、例えば鍋から吹きこぼれて加熱部が消火したり、他人が間違って加熱部を消火して立ち去ってしまうこと等が考えられる。その場合、電子ペーパーである表示部には未完了情報が表示され、電源がオフされてもその表示内容が保持される。これにより、ユーザは、表示部に未完了情報が表示されていれば、自動機能が正常に完了していないことを容易に認識できる。よって、ユーザは、自動機能が完了していない被調理物について、再加熱する等の適切な対応ができる。
請求項のコンロによれば、加熱部において自動機能が正常に完了した場合、表示部には完了情報が表示されるので、電源がオフした状態であっても、ユーザは自動機能が正常に完了したことを容易に認識できる。
請求項のコンロによれば、電子ペーパーである表示部には、ユーザによってカスタマイズ可能な動作仕様が常時表示されるので、ユーザは、電源をオンする前に、器具に設定されている動作仕様を容易に把握できる。
コンロ1の斜視図である。 コンロ1の電気的構成を示すブロック図である。 不揮発性メモリ74の概念図である。 自動機能テーブル7431の概念図である。 カスタマイズテーブル7441の概念図である。 加熱制御処理のフローチャートである。 表示制御処理のフローチャートである。 図7の続きを示すフローチャートである。 動作仕様情報221が表示された表示部22の図である。 完了情報231が表示された表示部23の図である。 完了情報231,232が表示された表示部23の図である。 未完了情報233が表示された表示部23の図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。以下に記載される装置構成、制御上の処理などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明する為に用いられるものである。
図1を参照し、コンロ1の構造を説明する。コンロ1は、ビルトインコンロである。コンロ1の上面には、天板3が設置される。天板3において、右手前には右コンロバーナ4(以下、右コンロ4と呼ぶ)、左手前には左コンロバーナ5(以下、左コンロ5と呼ぶ)、中央奥側には奥コンロバーナ6(以下、奥コンロ6と呼ぶ)が設けられる。右コンロ4、左コンロ5、奥コンロ6(以下纏めて呼ぶ場合は、コンロ4~6と呼ぶ)の夫々の中央には、鍋底に当接して調理鍋の温度を検出するセンサ組立20が設けられる。センサ組立20は、上下方向に出退可能に設けられ、サーミスタ40(図2参照)を格納する。各コンロ4~6の近傍には、失火を検出する為の熱電対50(図2参照)、点火する為のイグナイタ60(図2参照)の点火電極(図示略)が設けられる。天板3の後方部には、コンロ1内に設置されたグリル庫(図示略)の排気口7が設けられる。
天板3の上面で、右コンロ4と左コンロ5に挟まれる間の中央前側には、平面視略矩形状の左右一対の表示部22,23が設けられる。表示部22,23は電子ペーパーであり、表示内容を保持可能で且つ電気的に更新可能である。本実施形態の電子ペーパーは、3色電子インクで表示する周知のマイクロカップ(登録商標)方式を採用するが、この方式以外でもよく、例えばカラー表示可能なAdvanced Color ePaper (登録商標)を採用してもよい。また、カラー以外に白と黒の2色のモノクロ表示可能な電子ペーパーでもよい。
左側の表示部22には、後述のカスタマイズ設定の情報等が表示される(図9参照)。右側の表示部23には、後述の自動機能の完了、未完了を示す情報が表示される(図10~図12参照)。これら表示部22,23に表示される各種情報は、基本的に黒と白の2色で表示されるが、後述のように、特定の部分を赤色で表示することで、その部分をユーザに注目させることができる。なお、表示部22,23の具体的な表示内容については後述する。
コンロ1の前面15の右上部で、且つ後述の操作つまみ11の直上には、電源ボタン25が設けられる。電源ボタン25を押下することで、コンロ1の電源をオン又はオフする。コンロ1の前面の略中央には、グリル扉8が設けられる。グリル扉8は手前側に移動可能に支持され、コンロ1内部に設けられるグリル庫(図示略)の前側の開口部を開閉する。グリル庫内には、グリルバーナ(図示略)が設けられる。グリルバーナの近傍にも、熱電対50とイグナイタ60の点火電極が設けられる。グリル扉8の右側の領域には、右側から左側に向かって順に、正面視円形状の操作つまみ11,12が横一列に並んで設けられる。グリル扉8の左側の領域にも、操作つまみ11,12と同一高さ位置に、同一円形状の操作つまみ13,14が設けられる。
操作つまみ11は右コンロ4、操作つまみ12はグリルバーナ、操作つまみ13は奥コンロ6、操作つまみ14は左コンロ5を、点火又は消火する為に押下される。操作つまみ11~14は、対応するバーナの消火時、コンロ1の前面15とほぼ面一の状態である(図1参照)。点火の為に押下されると、後述の制御回路70によって、対応するバーナへの点火処理が実行され、公知のプッシュ・プッシュ機構(図示略)によって、操作つまみ11~14は、コンロ1前面から前方に向けて略円柱状に突出し、該突出した状態で回動操作が可能となる。操作つまみ11~14を回動操作すると、制御回路70によって、回動操作量に応じたガス量になるように、対応するバーナへのガス供給量が調整される。
コンロ1の内部には、4つのガス量調節機構30(図2参照)が設けられる。ガス量調節機構30は、対応するコンロ4~6、及びグリルバーナへのガス供給量を調整する。ガス量調節機構30は、弁機構部31とモータ32(図2参照)を備える。弁機構部31は、例えばガス流路を流れるガス量を調整するニードル弁や電磁弁等の各種弁を備える。モータ32は、弁機構部31の弁を駆動し、ガス流路を流れるガス流量が調整される。モータ32の駆動は、制御回路70によって制御される。
操作つまみ11~14を押し込んで手前に突出させると、制御回路70は、ガス量調節機構30のモータ32に通電する。これにより、弁機構部31が駆動され、ガス流路が開放されることで、対応するバーナにガスが供給される。そして、操作つまみ11~14の回転方向と回転角度に応じて、制御回路70は、モータ32を正逆方向に回転し、弁機構部31における弁の開度を調節する。これにより、ガス流路を流れるガス量が調節されることで、対応するバーナの火力が調節される。また、操作つまみ11~14をコンロ1内部に押し込んで収容させると、制御回路70は、モータ32を逆回転させる。これにより、弁機構部31の弁は逆向きに駆動され、ガス流路が閉じられることで、対応するバーナへのガスの供給が遮断される。
前面15において、右側の操作つまみ11,12の下方にはパネル16が設けられ、左側の操作つまみ13,14の下方にはパネル17が設けられる。パネル16を指で押し込むと、周知のプッシュオン・プッシュオフ機構(図示略)によって、パネル16の背面に固定された操作部24A(図2参照)が下部を基点に前方に回動して引き出される。パネル17を指で押し込むと、上記同機構によって、パネル17の背面に固定された操作部24B(図2参照)が下部を基点に前方に回動して引き出される。これらパネル16,17を筐体2側に再度押し込むことによって、操作部24A,24Bが筐体2内に収納され、パネル16,17が前面15に対して面一となる。
操作部24Aでは、右コンロ4とグリルの自動機能の設定が可能である。操作部24Bでは、左コンロ5と奥コンロ6の自動機能の設定が可能である。自動機能とは、加熱部を使用して自動加熱を行う機能であって、例えば、加熱調理の際に調理の種類に応じて加熱温度を自動制御する自動調理機能、内蔵するタイマによって所定時間が経過したと判断された時にガスバーナを自動消火するタイマ機能、加熱温度を一定温度にキープする温度キープ機能、湯沸かしを行う湯沸機能等である。自動機能は加熱部毎に異なる。加熱部毎に設定可能な自動機能の種類については後述する。なお、以下説明において、操作部24A,24Bを纏めて呼ぶ場合は「操作部24」と呼ぶ。
コンロ1の電源がオンの状態で、電源ボタン25を3秒以上長押しすると、チャイルドロックが設定される。チャイルドロックが設定されると、コンロ1の内部に設けられたチャイルドロック機構(図示略)が作動し、操作つまみ11~14の操作を不能とする。なお、チャイルドロック機構は周知なので、説明を省略する。チャイルドロックにより、各コンロ4~6、及びグリルバーナの点火操作が制限される。チャイルドロックが設定された状態で、電源ボタン25を3秒以上長押しすることで、チャイルドロックが解除される。
図2を参照し、コンロ1の電気的構成を説明する。コンロ1は、制御回路70を備える。制御回路70は、CPU71、ROM72、RAM73、不揮発性メモリ74等を備える。CPU71は、コンロ1の各種動作を統括制御する。ROM72は、加熱制御プログラム、表示制御プログラム等の各種プログラムを記憶する。加熱制御プログラムは、後述の加熱制御処理(図6参照)を実行するプログラムである。表示制御プログラムは、後述の表示制御処理(図7,図8参照)を実行するプログラムである。RAM73は、各種情報を一時的に記憶する。不揮発性メモリ74は、後述の各種データを記憶する。
制御回路70には、電源回路81、サーミスタ入力回路82、熱電対入力回路83、イグナイタ回路84、操作部24、モータ制御回路85、チャイルドロック制御回路86、音声出力回路87、ブザー回路88、表示制御回路89、センサ19等が電気的に各々接続される。ユーザによって電源ボタン25が押下されると、電源回路81は、乾電池18から供給される電力を各種回路に供給するので、コンロ1の電源はオンする。ユーザによって電源ボタン25が再押下されると、電源回路81は、各種回路への電力供給を遮断するので、コンロ1の電源はオフする。
サーミスタ入力回路82は、各バーナに設けられたセンサ組立20に格納するサーミスタ40からの検出信号を、制御回路70に入力する。熱電対入力回路83は、熱電対50からの検出値(熱起電力に対応する信号)を、制御回路70に入力する。イグナイタ回路84は、CPU71からの制御信号に基づき、対応するバーナのイグナイタ60を駆動する。操作部24は、ユーザによる入力を受け付け、該入力信号を制御回路70に入力する。モータ制御回路85は、CPU71からの制御信号に基づき、4つのガス量調節機構30のモータ32の駆動を制御する。チャイルドロック制御回路86は、CPU71からの制御信号に基づき、チャイルドロック機構の駆動を制御する。
音声出力回路87は、CPU71からの制御信号に基づき、音声のデジタル信号をアナログ信号に変換し、スピーカ77に出力する。ブザー回路88は、CPU71の制御信号に基づき、圧電ブザー78を駆動する。表示制御回路89は、CPU71からの制御信号に基づき、表示部22,23に後述の各種情報を表示する。センサ19は、操作つまみ11~14の夫々に設けられ、操作つまみ11~14の回転方向と回転角度を検出し、該検出信号を制御回路70に入力する。CPU71は、センサ19からの検出信号に基づき、操作つまみ11~14の回転方向と回転角度に対応するように、モータ32の出力軸を回転させ、弁機構部31を駆動させる。これにより、ガス流路を流れるガス量が調節され、対応するバーナの火力が調節される。
ガス量調節機構30には、ポジションセンサ35が設けられる。ポジションセンサ35は、モータ32の出力軸の回転角度を検出し、該検出信号を制御回路70に入力する。CPU71は、ポジションセンサ35からの検出信号に基づき、モータ32の出力軸の回転角度を認識できるので、不揮発性メモリ74に記憶するバーナ火力情報を参照することで、対応するバーナ火力を特定できる。
図3を参照し、不揮発性メモリ74の各種記憶領域を説明する。不揮発性メモリ74は、パラメータ記憶領域741、火力情報記憶領域742、自動機能テーブル記憶領域743、カスタマイズテーブル記憶領域744等を備える。パラメータ記憶領域741は、温調制御等の各種パラメータを記憶する。火力情報記憶領域742は、バーナ火力情報等の各種データを記憶する。バーナ火力情報とは、モータ32の出力軸の回転角度とバーナ火力とを対応づけた情報である。本実施形態では、火力小から大までを1~10の10段階に分け、夫々の段階に対してモータ32の回転角度を割り当てている。これにより、CPU71は、モータ32の出力軸の回転角度に基づき、対応するバーナ火力を特定できる。自動機能テーブル記憶領域743は、後述の自動機能テーブル7431(図4参照)を記憶する。カスタマイズテーブル記憶領域744は、後述のカスタマイズテーブル7441(図5参照)を記憶する。
図4を参照し、自動機能テーブル7431を説明する。自動機能テーブル7431は、加熱部毎に設定可能な自動機能の種類と、夫々の自動機能について現在実行中か否かを示す自動フラグを記憶する。右コンロ4と左コンロ5で設定可能な自動機能は、煮込み、湯沸かし、温度キープ、高温炒め、タイマである。煮込みとは、沸騰すると火力を弱火にし、温度が下がると火力を調節して100℃前後の温度を持続する機能であり、設定時間が経過すると自動消火する。湯沸かしとは、湯が沸騰したらブザーで報知し、自動消火する機能である。なお、沸騰後、90分まで(1分刻み)保温するように設定することも可能である。温度キープとは、油の温度を7段階(140~200℃)の何れかに一定に維持する機能である。高温炒めとは、強火と弱火を繰り返しながら通常より高い温度で調理する機能である。なお、温度が高くなりすぎると安全のため自動消火する。タイマとは、設定した時間が経過するとブザーで報知して自動消火する機能である。
奥コンロ6で設定可能な自動機能は、炊き込み、おかゆ、ごはん、とろ火である。炊き込み、おかゆ、ごはんは炊飯機能であり、何れか一つを選択可能である。選択された炊飯の種類に応じて火力と加熱時間を自動制御する。とろ火は、最弱火(とろ火)を保持する機能である。
グリルで設定可能な自動機能は、トースト、あたため、姿焼、干物、切身である。トーストは焼き加減を設定することで、パンを自動で焼き上げる機能である。あたためは、冷めてしまった食材を温める機能である。姿焼、干物、切身は魚の種類である。これらの中から何れか一つを選択し、焼き加減を設定することで、自動で焼き上げる機能である。
自動フラグは、後述の加熱制御処理(図6参照)で設定されるフラグであり、現在実行中である自動機能には1、現在実行していない自動機能には0が記憶される。
図5を参照し、カスタマイズテーブル7441を説明する。コンロ1では、動作仕様を所定の範囲でカスタマイズできる。カスタマイズテーブル7441は、カスタマイズ可能な適応機能と、それらの初期設定と現在設定を夫々記憶する。適応機能は、コンロ消し忘れ機能、レンジフード連動機能、炊飯機能、湯沸かし機能、オートメニュー機能、火力切り替えお知らせ機能等である。コンロ消し忘れ機能では、右コンロ4、左コンロ5、奥コンロ6において自動消火するまでの時間を変更できる。初期設定は「120分」である。レンジフード連動機能では、コンロ1側でキッチンのレンジフード(図示略)を連動しないように変更できる。初期設定は「連動する」である。炊飯機能では、炊き時間を好みの硬さ・焦げ具合で炊き上がるように変更できる。初期設定は標準の「3」であり、5段階で調節可能である。湯沸かし機能では、沸騰のお知らせブザーのタイミングを変更できる。初期設定は標準の「3」であり、5段階で調節可能である。オートメニュー機能では、グリルの自動機能の焼き加減をより細かく調節できるように変更できる。初期設定は3段階であり、5段階まで調節可能である。火力切り替えお知らせ機能は、火力が自動で大きくなるときにお知らせするブザー音を消すことができる。初期設定は「音あり」である。
図6を参照し、加熱制御処理を説明する。ユーザが電源ボタン25を押下し、コンロ1の電源がオンすると、CPU71はROM72から加熱制御プログラムを読み出し、本処理を実行する。CPU71は自動フラグを初期化して全て0にする(S1)。CPU71は点火操作を受け付けたか否か判断する(S2)。点火操作は、操作つまみ11~13において点火操作を受け付けなかった場合(S2:NO)、CPU71は電源がオフされたか否か判断する(S12)。電源がオフされていなければ(S12:NO)、CPU71はS2に戻り、操作つまみ11~14の点火操作を引き続き監視する。
点火操作を受け付けた場合(S2:YES)、CPU71は点火操作された加熱部のバーナに点火する(S3)。CPU71は点火された加熱部において自動機能が設定されているか否か判断する(S4)。自動機能が設定されていない場合(S4:NO)、CPU71はその加熱部におけるバーナの燃焼を保持すると共に、消火操作が有ったか否か判断する(S9)。消火操作が無かった場合(S9:NO)、CPU71はS4に戻り、上記処理を繰り返す。
自動機能が設定されている場合(S4:YES)、CPU71はその自動機能が実行中か否か判断する(S5)。実行されていない場合(S4:NO)、CPU71は設定された自動機能を開始する(S6)。CPU71は、自動機能テーブル7431(図4参照)において、実行を開始した加熱部の自動機能の自動フラグを1に設定する(S7)。CPU71は自動機能が完了したか否か判断する(S8)。自動機能が完了していない場合(S8:NO)、CPU71は消火操作が有ったか否か判断する(S13)。消火操作が無かった場合(S13:NO)、CPU71はS4に戻る。
自動機能が設定された状態で(S4:YES)、その自動機能が実行中であれば(S5:YES)、CPU71は自動機能が完了したか否かを再度判断する(S8)。自動機能が完了した場合(S8:YES)、CPU71はそのバーナを消火し(S10)、対応する自動フラグを0に戻す(S11)。なお、複数の自動機能の中には、自動機能完了後にバーナの燃焼を継続させるものがある。その場合、CPU71はバーナの燃焼を保持し、S9に処理を進めればよい。
ここで、自動機能実行中に、例えば鍋から吹きこぼれて加熱部が消火したり、他人が間違って加熱部を消火して立ち去ってしまうこと等が想定される。自動機能実行中に消火操作があった場合(S8:NO、S13:YES)、CPU71は自動機能を中断し、対応するバーナを消火する(S14)。CPU71は中断した自動機能の残情報をRAM73に記憶する(S15)。残情報とは、中断した自動機能の経過情報であって、例えば中断した時点の自動機能の状態、中断した時点から完了するまでの推定残時間等である。次いで、CPU71は対応する自動フラグを0に設定する(S11)。CPU71は電源がオフされたか否か判断し(S12)、電源がオフされた場合(S12:YES)、本処理を終了する。
図7,図8を参照し、表示制御処理を説明する。ユーザが電源ボタン25を押下し、コンロ1の電源がオンすると、CPU71はROM72から表示制御プログラムを読み出し、本処理を実行する。CPU71は表示部22,23の表示を初期化して消去する(S21)。CPU71はカスタマイズモードが設定されたか否か判断する(S22)。ユーザは、コンロ1の動作仕様を変更したい場合、操作部24でカスタマイズモードを設定する。カスタマイズモードに設定されない場合(S22:NO)、CPU71は処理を後述のS28(図8参照)に進める。
カスタマイズモードに設定された場合(S22:YES)、CPU71は、カスタマイズテーブル7441(図4参照)に基づき、図9に示すように、動作仕様情報221を表示部22に表示する(S23)。ユーザは、表示部22に表示された動作仕様情報221を見て、現在の設定を確認する。例えば、炊飯機能の仕様を変更したい場合、ユーザは操作部24で炊飯機能の項目にカーソル222を合わせることで、現在の仕様の設定を変更できる。
CPU71は動作仕様が変更されたか否か判断する(S24)。変更された場合(S24:YES)、CPU71は表示部22に表示された動作仕様情報221を更新する(S25)。CPU71はカスタマイズモードの設定が終了か否か判断する(S26)。設定が終了していない場合(S26:NO)、CPU71はS24に戻り上記処理を繰り返す。カスタマイズモードの設定が終了した場合(S26:YES)、図8に示すように、CPU71はコンロ1において、燃焼中の加熱部が有るか否か判断する(S28)。
燃焼中の加熱部が無い場合(S28:NO)、CPU71は電源がオフされたか否か判断する(S37)。電源がオフされない場合(S37:NO)、CPU71は図7のS22に戻り上記処理を繰り返す。燃焼中の加熱部が有る場合(S28:YES)、CPU71は自動機能テーブル7431(図4参照)を参照し、自動機能実行中の加熱部が有るか否か判断する(S29)。自動フラグが全て0で、自動機能実行中の加熱部が無い場合(S29:NO)、電源がオフされなければ(S37:NO)、CPU71は図7のS22に戻り上記処理を繰り返す。
自動機能テーブル7431を参照し、自動フラグが1の加熱部が有った場合、自動機能実行中の加熱部があるので(S29:YES)、CPU71はその加熱部のバーナが消火されたか否か判断する(S30)。消火されていない場合(S30:NO)、CPU71はS29に戻り上記処理を繰り返す、消火された場合(S30:YES)、CPU71は消火された加熱部の場所を特定する(S31)。CPU71は特定された加熱部の自動機能が正常に完了したか否か判断する(S32)。自動機能が正常に完了したか否かの判断は、例えばRAM73に対応する加熱部の残情報が記憶されているか否かで行ってもよい。
自動機能が正常に完了した場合(S32:YES)、図10に示すように、CPU71は表示部23に完了情報231を表示する(S35)。完了情報231は、加熱部の場所、自動機能の種類、完了メッセージ等を含む。完了メッセージの一例として、例えば「自動機能(湯沸かし)を完了しました。」としてもよい。また、完了メッセージの前に「〇」を付けることで直感的に自動機能が成功であることを認識できる。ユーザは、表示部23に表示された完了情報231を視認することで、自動機能が正常に完了したことを把握できる。また、これに追加で、奥コンロ6の自動機能(ごはん)が完了した場合、図11に示すように、CPU71は表示部23に完了情報232を追加して完了情報231の下方に表示する。
自動機能が何等かの理由で中断し、完了していない状態で消火されてしまった場合(S32:NO)、CPU71はRAM73に記憶された残情報を読み込み(S33)、表示部23に未完了情報233を赤色で表示する(S35)。例えば、右コンロ4の自動機能(湯沸かし)は正常に完了したが、奥コンロ6の自動機能(ごはん)は完了する前に消火されてしまった場合、図12に示すように、CPU71は、奥コンロ6の未完了情報233を表示部23に表示する。未完了情報233は、加熱部の場所、自動機能の種類、未完了メッセージ、完了までの残時間等を含む。未完了メッセージの一例として、例えば「自動機能(ごはん)が完了する前に消火されました。」としてもよい。また、未完了メッセージの前に「×」を付けることで直感的に自動機能が失敗であることを認識できる。残時間は、未完了メッセージの下方に表示され、完了までの推定残時間として表示してもよい。これらの未完了情報233は赤字で表示されるので、ユーザに対して、自動機能が未完了の状態であることを強く印象付けることができる。
ユーザは、表示部23に表示された未完了情報233を視認することで、自動機能が完了する前に消火されてしまったことを認識できる。さらに、残時間を確認することで、自動機能がどの段階まで進んでいたのかを把握できる。例えば、自動機能(ごはん)の場合、炊飯がどの段階まで進んでいたのかを把握できる。例えば、蒸らす工程で中断されていれば、そのまま蒸らせばよく、初期の工程で中断されていれば、再度炊飯を試みることができる。このように、自動機能がどの段階まで進んでいたのかを把握することで、その後の対応の目安にもなる。
CPU71は、自動機能実行中の加熱部が有るか否か判断する(S36)。自動機能実行中の加熱部が有る場合(S36:YES)、CPU71はS30に戻り、上記処理を繰り返す。自動機能実行中の加熱部が無い場合(S36:NO)、CPU71は電源がオフされたか否か判断する(S37)。電源がオフされた場合(S37:YES)、CPU71は本処理を終了する。
このように、本実施形態のコンロ1では、自動機能を設定して使用した場合、自動機能が完了した場合は完了情報231が表示部23に表示され、未完了の状態で消火されてしまった場合は未完了情報233が表示部23に表示される。表示部23は電子ペーパーなので、電源がオフされた後でも電力消費無しでその表示内容が保持される。これにより、ユーザは電源がオフの状態でも、表示部23に表示された完了情報231又は未完了情報233を確認することで、自動機能が正常に完了したか否かを把握できる。よって、ユーザは、自動機能が完了していない被調理物について、再加熱する等の適切な対応ができる。
また、本実施形態のコンロ1では、カスタマイズモードに設定することで、表示部22に動作仕様情報221が表示される。表示部22も電子ペーパーなので、電源がオフされた後でも電力消費無しでその表示内容が保持される。これにより、ユーザは電源がオフの状態でも、コンロ1に現在設定されている動作仕様を容易に把握できる。
以上説明したように、本実施形態のコンロ1は電池駆動式であり、電源がオンされた状態で、コンロ1の動作態様を設定する操作部24を備える。動作態様とは、例えば、加熱部において設定される自動機能や、コンロ1の動作仕様等である。コンロ1の天板3には、表示部22,23が設けられる。表示部22,23は電子ペーパーで構成され、表示内容を保持可能で且つ電気的に更新可能である。コンロ1のCPU71は、表示部22,23における各種情報の表示と更新を行う。CPU71は、操作部24で動作態様が設定されたコンロ1の状態を表示部22,23に表示する。よって、コンロ1は、電源がオフした状態であってもコンロ1の動作態様を電力消費無しで表示し続けることができる。これにより、ユーザは、電源をオンする前にコンロ1の状態を確認できるので、電源をオンしてから調理に速やかに取り掛かることができる。
上記説明において、操作部24(24A,24B)は本発明の「設定部」の一例である。図8のS29の処理を実行するCPU71は本発明の「実行判断部」の一例である。S32の処理を実行するCPU71は本発明の「完了判断部」の一例である。S34の処理を実行するCPU71は本発明の「未完了表示制御部」の一例である。S35の処理を実行するCPU71は本発明の「完了表示制御部」の一例である。図7のS23、S25の処理を実行するCPU71は本発明の「仕様表示制御部」の一例である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。本実施形態のコンロ1はガスコンロであるが、電磁調理式のコンロであってもよい。コンロ1が筐体内にグリル庫を備えるが、グリル庫は省略してもよい。コンロバーナの数も上記実施形態に限定しない。
上記実施形態では、電源ボタン25を押下することで、コンロ1の電源をオンオフするものであるが、例えば、操作つまみ11~13の点火操作と消火操作に連動して電源がオンオフするものであってもよい。
上記実施形態では、天板3の上面前側の中央部に表示部22,23が設けられるが、表示部22,23を設ける場所は、天板3以外でもよく、例えば筐体2の前面に設けてもよい。また、表示部22,23の形状についても矩形状に限定されない。表示部22,23は、赤、黒、白の3色表示が可能な電子ペーパーであるが、2色表示の電子ペーパーであってもよい。表示する色についても赤、黒、白以外の組み合わせであってもよい。また、表示部の数は2つに限られず、一つでもよく、3つ以上であってもよい。
自動機能テーブル7431(図4参照)において、加熱部毎に設定されている自動機能の種類は一例であって、上記実施形態に限らず、追加、変更が可能である。また、カスタマイズテーブル7441(図5参照)において、カスタマイズが適用される機能についても一例であって、上記実施形態に限らず、追加、変更が可能である。
表示部22に表示される動作仕様情報221(図9参照)の表示態様、表示部23に表示される完了情報231、未完了情報233(図10~図12参照)の表示態様についても、上記実施形態に限定されず、種々変更可能である。
図7の表示制御処理のS21において、表示部22,23のこれまでの表示を初期化して消去するが、消去せずに次の更新時までそのまま表示させてもよい。
表示部23に表示される未完了情報233(図12参照)において、自動機能完了までの推定の残時間を表示するが、これに代えて又は追加して、自動機能がどこで中断したのか分かる情報を表示してもよい。例えば、自動機能(ごはん)の場合、炊飯制御を構成する各工程のうち中断した工程を表示してもよい。
1 コンロ
4 右コンロ
5 左コンロ
6 奥コンロ
18 乾電池
22,23 表示部
24 操作部
25 電源ボタン
71 CPU
221 動作仕様情報
231,232 完了情報
233 未完了情報

Claims (3)

  1. 被調理物を加熱する複数の加熱部と、電源がオンされた状態で、動作態様を設定する設定部を備えた電池駆動式のコンロであって、
    表示内容を保持可能で且つ電気的に更新可能な電子ペーパーで構成され、各種情報を表示可能な表示部と、
    前記設定部により前記動作態様が設定された前記コンロの状態を前記表示部に表示する表示制御部と
    を備え
    前記設定部は、前記複数の加熱部の中から何れかを選択し、選択した前記加熱部を使用して所定の自動加熱を行う自動機能の種類を設定する自動機能設定部を備え、
    前記コンロは、
    前記自動機能設定部により設定された前記自動機能の種類を記憶する種類記憶部と、
    前記自動機能設定部により設定された前記自動機能が実行中か判断する実行判断部と、
    前記実行判断部により前記自動機能が実行中と判断された場合、前記自動機能が実行中の前記加熱部が消火されたか判断する消火判断部と、
    前記消火判断部により前記自動機能が実行中の前記加熱部が消火されたと判断された場合、消火された前記加熱部の場所を特定する場所特定部と、
    前記場所特定部により場所が特定された前記加熱部の前記自動機能が正常に完了したか否か判断する完了判断部と、
    前記完了判断部により前記自動機能が途中で終了し、前記自動機能が正常に完了していないと判断された場合、前記自動機能が途中で終了した時点から完了するまでの推定残時間を含む残情報を記憶する残情報記憶部と
    を備え、
    前記表示制御部は、
    前記完了判断部により前記自動機能が途中で終了し、前記自動機能が正常に完了していないと判断された場合、前記自動機能が途中で終了したことを示す未完了情報を前記表示部に表示する未完了表示制御部を備え、
    前記未完了情報は、
    前記場所特定部により特定された加熱部の場所と、
    前記種類記憶部により記憶された前記自動機能の種類と、
    前記自動機能が未完了の状態で消火されたことを示す未完了メッセージと、
    前記残情報記憶部が記憶した前記残情報と
    を含むこと
    を特徴とするコンロ。
  2. 前記表示制御部は、
    前記完了判断部により前記自動機能が正常に完了したと判断された場合、前記自動機能が正常に完了したことを示す完了情報を前記表示部に表示する完了表示制御部を備えたこと
    を特徴とする請求項に記載のコンロ。
  3. 前記設定部は、前記コンロの動作仕様を設定するカスタマイズ設定部を備え、
    前記表示制御部は、
    前記動作仕様を表示する仕様表示制御部を備えたこと
    を特徴とする請求項1又は2に記載のコンロ。
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