JP7531212B2 - 時間貸しスペースの管理方法および管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、所定広さのスペースをあらかじめ受け付けた予約に基づいて予約した人に利用させるためにコンピュータシステムにより実行される管理方法、および当該方法が適用された管理システムに関する。
会議室や作業用の小部屋などの時間貸しの業務に関して、従前より、利用希望者から利用期間を含む申し込みを受け付け、申し込まれた期間を超えない範囲でスペースの利用を許可する仕組みが導入された管理システムが知られている。
たとえば、会議用の部屋の管理に関して、特許文献1には、通信端末からの予約を受けた管理サーバに、部屋の予約を行った者の固有情報、予約する部屋を特定する部屋番号情報、予約する時間帯を示す予約日時情報、予約した部屋を使用する予約者以外の利用者の固有情報などを含む予約証明情報を登録し、予約対象の部屋の入り口付近に設けられたICカードリーダライタが予約者のICカードから固有情報を読み取った時刻が予約証明情報に含まれている予約日時情報の時間帯に入っているときに部屋の利用を許可(扉の施錠を開放)することが、記載されている(特許文献1の段落0027~0042等を参照。)。
さらに特許文献1には、利用中の部屋から管理サーバへの電子メールによる連絡やICカードリーダライタへのICカードのツータッチ(所定の間隔をあけて2回タッチする)等の方法によって利用時間の延長が申し込まれたとき、他の予約が入っていないことを条件に延長を許可することが記載されている(特許文献1の段落0055~0056,0060等を参照。)
また、作業用の防音室の管理に関して、特許文献2には、施錠された防音室の扉付近の操作部により利用時間の選択が行われ、同じく扉付近に設けられたカード読取部により利用料金の決済が完了したことに応じて扉を解錠すると共に、決済が完了してから使用予定時間が経過するまでの間、室内の電子機器への電力の供給を行う管理システムが開示されている。さらに特許文献2には、予約サイトから申し込まれた予約の内容を表すユーザ識別情報や利用時間を、予約サイトを提供する予約サーバから防音室の制御部に送信して制御部に記憶させることや、使用予定時間が経過した時点で電力の供給を停止させたり、扉を開放することによって、利用者に退出を促すことなどが記載されている(特許文献2の段落0025~0041等を参照。)。
特許第5194642号公報 特開2019-28995号公報
上記特許文献1,2に記載された発明をはじめとする従来の管理システムでは、予約により受け付けられた時間帯が到来するまで部屋への入室を許可しないことを原則としている。しかし、現実の利用のシーンでは、利用の開始予定時刻より早く現場に到着して予約の前倒し利用を希望する利用者や、予約期間の長さの変更を希望する利用者がかなりいるはずである。従来の管理システムでそれらの要望に対応するには、利用者に予約をキャンセルさせて予約を取り直しさせるしかないが、それでは利用者の手続が煩雑になり、利便性に欠ける。また直前の予約のキャンセルを不可とする管理システムもあるため、利用者の上記要望に対応できないケースも多々あると思われる。
また、特許文献1に記載された発明では、利用中に延長を申し込むことができるが、必ず延長できるという保証はなく、利用者が利用中の室内で延長が可能かどうかを確認できるようにする、という工夫も見られない。
本発明は上記の問題に着目してなされたもので、予約による利用予定期間が到来するまで待つことなく、スペースの前倒し利用をすることができるようにすることを、第1の課題とする。
さらに本発明は、一定の時間まで利用期間を確実に延長できるようにすることによって、時間不足に備えて予約の期間を長めに設定しなくとも、余裕をもって利用できるようにすることを第2の課題とする。
本発明による管理方法は、予約の申し込みを受けて利用させることとした所定広さのスペースについて受け付けた予約を特定するための識別コードと当該予約による利用予定期間を表す情報とを含み、当該予約にかかるスペースの利用状況を表すフラグデータが紐付けられた受付情報を保存する記憶手段と、予約を済ませている利用者による当該予約の識別コードの入力を受け付けるための受付手段と、音声出力および表示の少なくとも一方によって前記識別コードを入力した利用者への通知を行う通知手段とを用いた情報処理によって行われるものである。
本発明では、受付手段が前記スペースの利用前であることを示す値の前記フラグデータに紐付けられて記憶手段に保存されている識別コードの入力を受け付けたことに応じて、入力された識別コードにかかる受付情報中の利用予定期間と現在時刻とを照合し、この照合によって現在時刻が利用予定期間の開始前であると判明したとき、当該利用予定期間の開始までの時間長さがあらかじめ定めた上限値を超えていないという第1条件と、当該利用予定期間の開始までの間に利用予定期間が含まれる他の予約の受付情報が記憶手段に保存されていないという第2条件とが満たされるかどうかを判定する。そして、第1条件および第2条件の双方が満たされているという判定結果が得られたことを条件として、前記入力された識別コードにかかる予約の対象スペースの前倒し利用が可能であることを通知手段により利用者に通知すると共に前記フラグデータを前記スペースが利用中であることを示す値に変更する。
上記の方法によれば、本来の予約による利用予定期間が開始されるまでの期間の長さが上限値を超えておらず、その期間内に他の利用者による予約が入っていることがなければ、利用者は、識別コードを入力する操作(本来の利用予定期間の開始時に行うのと同じ操作)によって予約の前倒し利用をすることが認められる。
なお、第1条件中の上限値として、たとえば、1回の利用につき認められる最大の長さ時間を設定することができるが、それより長い時間または短い時間を上限値にしても差し支えはない。
上記の通知手段による通知としては、たとえば、入力された識別コードの予約の次に入っている予約に関して記憶手段に保存されている利用予定期間に重ならない範囲に所定長さの利用可能期間を設定することを前提に、その利用可能期間の長さまたは当該利用可能期間の終了時刻を含む情報による通知を実行することができる。この通知によって、利用者は、どの程度の時間の利用ができるか、またはいつまで利用できるかを、正しく認識することができる。
さらに本発明では、利用者が前倒し利用の条件を満たさないタイミングで現場に到着した場合でも、入力された識別コードにかかる予約の対象スペースを利用できる機会を提供する。
具体的には、上記の判定において第1条件は満たさないが第2条件は満たしているという判定結果が得られた場合に、現在時刻から利用予定期間までの間の所定長さの期間を対象にした即時利用を可能として、それを前記通知手段により利用者に通知する。そして、この通知から即時利用が可能な時間より短い所定時間以内に受付手段が当該即時利用の申し込みを受け付けたことに応じて、当該スペースが利用中であることを示す値のフラグデータに紐付けられた新たな識別コードを記憶手段に保存する
上記の判定において、第2条件を満たさないという判定結果が得られたが、当該第2条件にかかる他の予約の利用予定期間の開始予定時刻までにあらかじめ定めた最小単位以上の時間があるとき、当該他の予約の開始予定時刻より前の範囲を対象にした即時利用を可能として、そのことを通知手段により利用者に通知することもできる。この場合も通知から所定時間以内に受付手段が即時利用の申し込みを受け付けたことに応じて、当該スペースが利用中であることを示す値のフラグデータに紐付けられた新たな識別コードを記憶手段に保存する
さらに、本発明では、前記の照合によって現在時刻が照合対象の利用予定期間に含まれていることが判明したとき、上限値より短い一定長さの時間内に利用予定期間が開始される後続の予約の受付情報が記憶手段に保存されているか否かを判定し、該当する受付情報は保存されていないという判定結果が得られたことを条件として、上記一定長さ以上で上限値を超えない所定長さの利用可能期間を設定して、この利用可能期間内で前記入力された識別コードにかかる予約の対象スペースの利用が可能であることを前記通知手段により利用者に通知すると共に、前記フラグデータを前記スペースが利用中であることを示す値に変更することができる。このようにすれば、予約による利用開始時刻より遅く現場に到着した利用者に、後続の予約に影響を及ぼさない範囲で、予約した時間帯を越えてスペースを利用できる機会を提供することができる。
受付手段に識別コードの入力以外の操作を受け付ける機能を持たせれば、スペースの利用が可能である旨の通知の後に、受付手段が利用可能期間を超えない範囲で利用期間を設定する操作を受け付けたことに応じて、この操作による設定に基づく利用期間を開始することができる。さらに、設定された利用期間が利用可能期間より短かった場合には、利用期間中または利用期間から所定の許容時間が経過するまでの間に受付手段が利用期間の延長を申し込む操作を受け付けたことに応じて当該利用期間を延長することもできる。
ただし、無制限に延長を認めると、スペースが空くのを待っている人がいた場合にその人が不利益をこうむるおそれがあるので、延長を認めるのは利用可能期間までに留めるのが望ましい。
たとえば、利用可能期間の利用期間より後の範囲を識別コードの入力を行った利用者以外の人の利用を禁じる延長保証期間とし、この延長保証期間が終了するまで利用期間を延長可能とすることができる。または、延長保証期間の長さに一定の上限値を定め、利用可能期間と利用期間との差および上記の上限値のいずれか短い方の長さの延長保証期間を設けてもよい。
上記の延長保証期間を、他の人からの予約や利用の申し込みを受け付けられない期間として保護することによって、利用者に、ある程度までの利用期間の延長を保証して、安心感を与え、サービスを高めることができる。なお、延長保証期間より後の期間も、他の人の予約に重なるおそれがなければ、引き続き延長操作に応じて利用期間を延長してもよい。
さらに、スペースの利用にかかる料金を支払うための決済処理装置を受付手段に含めると共に、利用期間を設定する操作や利用期間の延長を申し込む操作に、それぞれ決済処理装置への料金の支払い操作を含めることもできる。
上記のとおり、本発明では、後続の予約の利用予定期間に重なることがなければ、上限値の範囲内で利用期間を自由に設定することができ、利用期間中の延長操作によって利用期間を延長することもできる。ただし設定操作や受付処理が煩雑になることを防ぐために、一定長さの時間単位ごとに利用期間や延長期間を設定してもよい。また料金の支払いによりスペースを利用させる場合には、基本料金を定める都合から利用期間の最小値を定めてもよい。
本発明では、壁部により仕切られた個室の利用を管理するために、前述の記憶手段、受付手段と共に、前述した管理方法を実行する利用管理手段を加えた構成の管理システムを提供することができる。なお、ここでいう個室には、一部分が開放された半個室タイプのものも含まれる。
ただし、本発明は、個室の管理に限らず、たとえば開放空間内で区分けされたスペースを予約に基づいて利用させる場合の管理にも適用することができる。
先に述べた利用期間の延長の仕組みは、上述した前倒し利用、当日利用、遅刻利用を可能とした管理システムに限らず、予約により定められたとおりの時刻にならないとスペースの利用を認めないシステムや、予約なしの当日利用の申し込みを受けてスペースを利用させるシステムにも、導入することが可能である。それらの事例を統合した管理方法として、たとえば、以下の(A)または(B)の方法を実施することができる。
(A)利用の申し込みを受けて利用させることとした所定広さのスペースについて、利用者から利用予定期間を示す情報の入力を受け付ける受付手段と、受付手段が受け付けた情報に基づき前記入力を行った利用者専用の利用期間を定めて、前記スペースの利用状況を表すフラグデータを前記利用期間の進行状況に応じて更新する設定手段と、前記フラグデータが利用中を示す値に設定されている間の前記スペースを利用に適した環境に保つための制御を行う制御手段とを用いた情報処理によって、前記スペースの利用を管理する方法であって、
前記受付手段に、前記スペースの利用期間の延長を申し込む操作を受け付ける機能を持たせ、
前記設定手段により設定された利用期間の長さがあらかじめ定めた上限値より短いことを条件として、当該利用期間が開始されてから前記上限値の時間が経過するまでの期間のうちの当該利用期間を除く期間を当該利用期間にかかる利用者以外の人の利用の申し込みを禁じる延長保証期間に設定し、前記利用期間中または利用期間が終了してから所定の許容時間が経過するまでの間に前記受付手段が前記延長を申し込む操作を受け付けたことに応じて、前記利用期間の終了後も前記フラグデータを前記利用中を示す値で維持する処理を、前記延長保証期間が終了するまで実行可能とする、
ことを特徴とする時間貸しスペースの管理方法。
(B)利用の申し込みを受けて利用させることとした所定広さのスペースについて、利用者から利用予定期間を示す情報の入力を受け付ける受付手段と、受付手段が受け付けた情報に基づき前記入力を行った利用者専用の利用期間を定めて、前記スペースの利用状況を表すフラグデータを前記利用期間の進行状況に応じて更新する設定手段と、前記フラグデータが利用中を示す値に設定されている間の前記スペースを利用に適した環境に保つための制御を行う制御手段とを用いた情報処理によって、前記スペースの利用を管理する方法であって、
前記受付手段に、前記スペースの利用期間の延長を申し込む操作を受け付ける機能を持たせ、
前記設定手段により設定された利用期間の長さがあらかじめ定めた上限値より短いことを条件に、この上限値と前記利用期間の差の値および当該上限値より短い一定の時間のいずれか短い方の長さの期間を当該利用期間にかかる利用者以外の人の申し込みを禁じる延長保証期間として前記利用期間に連続させて設定し、前記利用期間中または利用期間が終了してから所定の許容時間が経過するまでの間に前記受付手段が利用期間の延長を申し込む操作を受け付けたことに応じて、前記利用期間の終了後も前記フラグデータを前記利用中を示す値で維持する処理を、前記延長保証期間が終了するまで実行可能とする、ことを特徴とする時間貸しスペースの管理方法。
本発明によれば、利用者が予定より早く現場に到着した場合でも、利用予定期間までの期間の長さがあらかじめ定めた上限値を超えておらず、その期間中に他の利用者の予約が入っていることがなければ、予約の識別コードを入力する操作によって、予約による利用予定期間が到来するまで待つことなく、スペースの前倒し利用をすることができる。
また、前倒し利用を許可する条件の成立に応じて後続の予約に影響を及ぼさない範囲で利用可能期間を設定することができるので、たとえば、予定より長い時間が必要になったが後続の予約が入ったために利用期間を延ばすことができない、といった事情がある場合でも、前倒し利用によって利用期間を長くすることができる。
さらに、利用予定期間までの期間の長さが上限値を上回っているために前倒し利用に必要な条件が成立しなかった場合でも、利用予定期間までに他の利用者の予約が入っていない場合には予約したスペースの即時利用が可能になり、利用予定期間が到来するまで利用者を待たせずにすむ。
本発明が適用された事務作業用のブースの管理システムの構成例を表すブロック図である。 上記管理システムで使用される受付情報の構成を表す説明図である。 管理対象のブースのレイアウトを表す説明図である。 上記ブースの電気的構成を表すブロック図である。 上記ブースを利用させる上での基本ルールを表す説明図である。 上記ブースを利用させる上での基本ルール(後続予約との関係)を表す説明図である。 前倒し利用に関する基本ルールを表す説明図である。 利用可能期間の短縮を前倒し利用によって解消・緩和した事例を表す説明図である。 遅刻利用に関する基本ルールを表す説明図である。 管理サーバにおける受付情報の管理の処理手順を表すフローチャート(その1)である。 管理サーバにおける受付情報の管理の処理手順を表すフローチャート(その2)である。 ブース内制御装置によるブース入室時受付処理のうちの初期対応部分の手順を表すフローチャートである。 ブース入室時受付処理のうちの予約利用受付の手順を表すフローチャート(その1)である。 ブース入室時受付処理のうちの予約利用受付の手順を表すフローチャート(その2)である。 ブース入室時受付処理のうちの予約利用受付の手順を表すフローチャート(その3)である。 ブース入室時受付処理のうちの当日利用の受付処理の手順を表すフローチャートである。 ブース入室時受付処理のうちの利用開始前管理の手順を表すフローチャートである。 ブースの利用期間中の管理の手順を表すフローチャート(その1)である。 ブースの利用期間中の管理の手順の手順を表すフローチャート(その2)である。 ブースの利用期間中の管理の手順を表すフローチャート(その3)である。 ブースの利用期間中の管理の手順を表すフローチャート(その4)である。 利用期間中管理の中でサブルーチンとして実行される延長処理の手順を表すフローチャートである。 ブース入室時受付処理における案内・操作画面の構成例および推移を表す説明図である。 利用期間中の案内・操作画面の構成例および推移を表す説明図である。 延長制限の発生を告知する画面をその前後の画面と共に表す説明図である。
図1は、本発明の一実施例にかかる管理システムSMの概要を表す説明図である。
この実施例の管理システムSMは、パソコン作業やテレビ会議などに利用するためのブース(一人で利用する個室タイプのもの)を、利用の申し込みおよび利用料金の支払いに応じて申込者に利用させるビジネスを運営するためのコンピュータネットワークシステムである。
本管理システムSMには、複数のブース1(図3,4参照。)を一元管理するための管理サーバ2と、各ブース1の中に設けられた制御装置10(以下、「ブース内制御装置10」という。)と、ブース1が設置されている現場の管理者が使用する端末装置11(以下、「現場端末装置11」という。)とが含まれる。ブース内制御装置10と現場端末装置11とは通信機能を備え、それぞれ独立したクライアントとして管理サーバ2との通信を行うほか、同じ現場のブース内制御装置10と現場端末装置11との間でも、管理サーバ2を介さない通信が行われる。ブース1は1つの現場に複数設けられる場合があるが、現場端末装置11は、原則として1つの現場に1台の割合で設けられる。管理サーバ2は利用者の通信端末装置3とも予約の受付のための通信を行う。利用者の通信端末装置3や現場端末装置11には、パーソナルコンピュータのほか、スマートフォンなどの汎用の通信機器を用いることができる。
管理サーバ2には、各ブース1に関する詳細情報(ブース1の識別コード、設置場所、ブース1の管理者の氏名または名称、連絡先など)が登録されたブース情報記憶部21や、予約や当日利用の受付情報が保存される受付情報記憶部22などの記憶手段のほか、それらの記憶部21,22の情報を管理する機能(情報管理部23)、インターネット上に開設されたウェブサイト(以下、「予約サイト」という。)を通じて利用希望者の通信端末装置3からブース1の利用予約を受け付けて、その予約の内容を表す受付情報を作成する機能(予約受付部24)、当日利用の申し込みを受けたブース1からその申し込みの内容を表す受付情報を受信する機能(当日利用受付部25)などが設けられる。これらの記憶手段や機能を含む管理サーバ2は、1台のコンピュータ(複数のCPUを備えるものを含む。)により構成される場合もあれば、複数のコンピュータによるネットワークシステムとして構成される場合もある。
ブース情報記憶部21には、ブース1毎に、そのブース1に固有の識別コード(以下「ブースID」という。)、ブース1の設置場所、管理者の氏名または名称、管理者の連絡先などの情報が登録される。受付情報記憶部22には、受付情報をブース1毎および日にち毎に保存するためのテーブル(以下、「受付情報テーブル」という。)が設けられる。受付情報テーブルは、ブースIDを介してブース情報記憶部21内の該当するブース1の登録情報に紐付けられており、ブースIDと日にちとを指定することで、特定のブース1の特定の日の受付情報テーブルにアクセスすることができる。
図2は、受付情報テーブルの1レコード(受付情報)の構成例を示す。
多くの管理システムに倣って、この実施例でも、各受付情報に固有のコードを含めるようにしている。以下、このコードを「受付コード」という。この実施例の受付コードは、種別コード(「RV」または「CU」)の後に、ブースID(図示例中のA001)および通し番号(20123456)を順に連ねた構成である。種別コードの「RV」は事前予約を意味し、「CU」は当日利用を意味する。
受付情報には、申し込みの日時や利用希望者から申請された利用日、開始予定時刻、終了予定時刻のほか、利用可能時間、延長保証時間、必須終了時刻(利用予定時刻から利用可能期間が経過した時点に相当する時刻)、ステータス情報などが含まれる。ステータス情報は、0(利用前)、1(利用中)、2(利用終了)の3種類の数値情報によってブース1の利用状況を表すもので、実際の利用の進行に応じて変動する。なお、事前予約のステータス情報の初期値は0に設定され、当日利用のステータス情報の初期値は1に設定される。
図3は、管理対象のブース1の構成例を表したものである。
この実施例のブース1の本体の一側部には、開閉可能な扉13を有する出入り口12が設けられ、その出入り口12から入って正面にあたる壁面にタッチパネル101,料金決済用装置102,電源コンセント103が設けられる。また、出入り口12から入って左手側の奥部に作業用のテーブル14が設けられ、その前に椅子15が配置される。さらにテーブル14の側の壁面の幅中央部の適所に照明用ランプ16が設けられ、左右のコーナー部にスピーカー17が設けられる。前述したブース内制御装置10は、テーブル14の天板の裏面の奥部(テーブルに向かって右手寄りの壁面に近い位置)に取り付けられる。
上記のレイアウトによれば、利用者は、テーブル14に向かって作業をしながら、適宜、右手側のタッチパネル101や料金決済用装置102に対する操作や、タッチパネル101の表示の確認を行うことができる。
ブース1の壁や天井には、吸音材や防音材が装着され、扉13には、電子錠装置104(図4参照。)が設けられる。
さらに、ブース1の扉13の隣の位置にあたる壁部分には、案内表示用の液晶パネル19が設けられる。この液晶パネル19には、ブース1の状態(空いているか、利用中かなど)や当日の予約の状況が表示される。また、ブース1が利用されている間は、終了予定時刻または利用期間の残り時間や後述する延長保証期間の有無などを表示することもできる。
図4は、上記のブース1における電気的構成を表したブロック図である。
この実施例のブース1には、図3に示した設備のほか、利用者の出入りを検出するための人感センサ111および光電センサ112、換気扇18、扉13を施錠するための電子錠装置104などが設けられる。
ブース内制御装置10は、コンピュータによる制御部100,通信回路105,電源回路106、入出力ポート107等を含む回路基板である。人感センサ111,光電センサ112,液晶パネル19、スピーカー17,タッチパネル101,料金決済用装置102には、電源回路107から常時電源が供給される。照明用ランプ16,換気扇18,電源コンセント103,および電子錠装置104は、それぞれ個別のスイッチ部swを介して電源回路106に接続されることによって、スイッチ部swが閉じられたときのみ電源が供給される。
スイッチ部swの開閉動作は制御部100によって制御される。照明用ランプ16および換気扇18のスイッチ部swは、ブース1へのヒトの入室が検出されたことに応じて閉じられ、ブース1からのヒトの退室が検出されたことに応じて開放される。電源コンセント103および電子錠装置104のスイッチ部swは、料金が支払われて利用期間が開始されたことに応じて閉じられ、利用期間が終了したことに応じて開放される。すなわち、照明用ランプ16や換気扇18は、利用期間中か否かに関わらず、ブース1内に利用者がいる間は常時作動するが、電源コンセント103への通電や電子錠装置104の施錠は、利用料金の支払いが済んでから支払われた料金に基づく利用期間が終了するまでとなる。
料金決済用装置102は、プリペイド方式またはポストペイ方式のICカードによる支払いを受け付けるタイプのもので、ICカードの情報を読み取るためのカードリーダや外部のカード管理システム(図示省略。)と通信するための通信回路を備える。料金決済用装置102は、ブース内制御装置10の制御部100とも有線または近距離無線により通信を行い、制御部100から徴収すべき料金の額の通知を受けてからあらかじめ定めた時間内にカードリーダによりICカードの情報が読み取られたことに応じて、読み取られた情報と制御部100から通知された料金とをカード管理システムに送信することによって、決済処理の申請を行う。この申請に対し、カード管理システムから決済完了の通知を受けると、この通知が制御部100にも転送され、この通知を受けたことをもって制御部100は料金の支払いが完了したと判断する。
なお、料金決済の方法は上記に限らず、決済情報を表す2次元コードとスマートフォンの専用アプリケーションとを用いたキャッシュレス決済方法を採用することもできる。また、上記2種類のキャッシュレス決済用の装置の双方を設置してもよいし、キャッシュレス決済用の装置に加えて現金支払機を設置してもよい。
ブース内制御装置10の制御部100は、毎日、起動と同時に、管理サーバ2の自装置用の記憶領域にアクセスして、その日の予約にかかる受付情報テーブルをダウンロードし、自装置のメモリに保存する。その後は、人感センサ111および光電センサ112からの信号によりブース1に利用者が入ったことを検出する都度、後述する図11~16に示す情報処理を実行する。この処理の中で当日利用の受付情報が作成された場合や、既存の予約の受付情報が変更された場合には、制御部100は管理サーバ2にアクセスして新規受付情報の登録や既存の受付情報の変更を要請し、管理サーバ2もその要請に応じた処理を実行する。また、管理サーバ2が当日の予約を受け付けた場合も、その予約の受付情報を速やかにブース内制御装置10に送信する。
図5~9は、この実施例のブース1における利用の基本ルールをタイムチャートとして表したものである。
この実施例では、1回の申し込みで利用できる時間の長さに下限値T0と上限値Tmaxとを設け、上限値Tmaxを超えない範囲でT0に一定の単位時間T1を所定単位数分加算する方法によって、利用期間の長さを定める。以下、下限値T0を「基本時間T0」と言い、T0により定められる期間を「基本利用期間」と言う。また利用が可能な期間を「利用可能期間」と言い、その期間の長さの上限値Tmaxを「最大利用可能時間Tmax」と言う。
また、以下の説明では、情報処理の対象となる予約のことを、「対象予約」といい、対象予約の1つ前に入っている予約を「先行予約」といい、対象予約の1つ後に入っている予約を「後続予約」という。
図5~9に示す具体例では、基本時間T0を30分、最大利用可能時間Tmaxを120分(2時間)、単位時間T1を10分とするが、いずれの値も一例にすぎず、適宜、変更可能である。
利用料金も、基本利用期間の利用についての基本料金に一単位分の加算料金を単位数分加算する方法により割り出される。たとえば、基本料金を700円とし、一単位分の加算料金を100円とすると、1時間(60分)の利用料金(税込み価格)は1100円となるが、この例に限らず、いかようにも設定可能である。
利用可能期間の長さは、他の予約の期間に重なることがない限り、最大値のTmax(120分)に設定され、その終点の時刻が必須終了時刻となる(図5を参照。)。利用予定時刻からTmaxが経過するまでの範囲に他の予約の利用予定時刻が入っている場合には、その利用予定時刻より後述する緩衝時間φTだけ前に必須終了時刻が到来するように利用可能期間が短縮される(図6を参照。)。
さらにこの実施例では、利用期間の長さが利用可能期間より短く設定された場合でも、それらの時間差を超えない範囲で延長保証期間を設けてその保証期間までは確実に利用期間を延長できるようにしている。
延長保証期間の長さにも上限値ETmax(具体例では20分)が設けられる(以下、この上限値を「最大延長保証時間ETmaxという。」)。利用可能期間と利用期間との差の値がETmax以上ある場合には、延長保証期間の長さは必ずETmaxに設定される。また延長保証期間の後の期間についても、後続の予約が入っていなければ、必須終了時刻になるまで利用期間を延長することができる。以下、この延長保証期間の終了時点から必須終了時刻までの期間を、「未保証の延長可能期間」という。
図5の例の場合、利用時間Tの長さが30分(T0)から90分(T0+T1×6)までの範囲であれば、その設定による利用期間を確実に20分(ETmax)まで延長することができ、さらにその後に、10~70分の未保証の延長可能期間が設けられる(図5(a)~(c))。利用時間Tが100分に設定された場合も20分の延長保証期間が設定されるが、未保証の延長可能期間は設定されない(図5(d))。利用時間Tが110分に設定された場合は、延長保証期間は10分間となり(図5(e))、利用時間Tが最大枠の120分に設定された場合は、延長保証期間は0(延長不可能)となる(図5(f))。
図6は、上記の利用可能期間が後続予約により変化する例を表したものである。
この実施例では、入室時の受付処理で受付情報が変更されることが多い(詳細は後述する。)という事情や、利用期間が終了しても利用者がすぐにブース1から退出しない可能性を考慮して、各々の利用者の利用期間の間に少なくとも一定長さφTの空き期間が生じるようにしている。したがって、たとえば、既に入っている予約の直後の未保証の利用可能期間中に予約を入れたい場合でも、図6に示すように、先の予約の利用期間および延長保証期間が経過し、さらに緩衝時間φTが経過した後でなければ、予約を入れることはできない。以下、このφTを「緩衝時間」と言い、φTに基づく期間を「緩衝期間」と言う。
この実施例では、利用日当日でも予約を受け付けるので、利用中に延長保証期間より後の時間帯に予約が入って必須終了時刻が早められる可能性がある。しかし、上記の緩衝時間φTと後述する許容時間NG1とをそれぞれ適度な長さに設定することによって、利用者に必須終了時刻まで落ち着いてブース1を利用してもらい、許容時間内にブース1から退出してもらうことができ、利用者間のトラブルを回避し、質の高いサービスを維持することができる。
既に入っている予約の直前の空き時間に対する予約や当日利用の申し込みについても、上記と同様のルールに基づき、基本時間T0と最大延長保証時間ETmaxと緩衝時間φTとを合計した長さ以上の空き時間がある場合のみ、申し込みを受け付けることにしている。以下、T0とETmaxとφTとの合計時間をSTと表し、STを「基本セット時間」という(図5(a)を参照。)。具体例では、φTをT1と同値の10分にすることによって、基本セット時間STを1時間(ST=30+20+10=60)としている。
さらにこの実施例では、開始予定時刻より前にブース1の利用を開始する「前倒し利用」や、開始予定時刻を過ぎてからブース1の利用を開始する「遅刻利用」を、一定の条件のもとで認めるようにしている。
図7は前倒し利用を認める事例(a)(b)(c)と利用を認めない事例(d)(e)を、その認定のためのパラメータと共に表したものである。
この実施例では、ブース1への入室から予約による利用開始時刻が到来するまでの期間の時間長さTfが最大利用可能時間Tmaxを超えないことと、入室から利用開始時刻までの間に他の予約が入っていないこととを前倒し利用の条件としている。
上記の条件を満たす場合には、予約に縛られることなく、利用期間,延長保証期間,利用可能期間を改めて設定することにより、利用者の予定の変更に柔軟に対応できるようにしている。したがって、利用者が本来の利用期間の開始予定時刻より早く現場に到着しても、他の人の予約が入っていることがなければ、開始予定時刻まで待たずに速やかにブース1の利用を開始することができる。また元の利用期間の少なくとも一部を含む範囲に予約時とは異なる長さの利用期間を設定して利用を開始することもできる。
予約の後に終了予定時刻を後ろにずらしたいと思ったが、未保証の延長可能期間に後続の予約が入ったために利用時間を自由に延長できなくなった場合にも、あらかじめそのことに気づけば、前倒し利用を行うことによって延長可能時間を延ばすことができる。
図8(a)は、後続予約が入ったために90分に短縮された利用可能期間を、その短縮分より長い40分の前倒しによって最大値の120分に延ばした事例を表し、図8(b)は、後続予約が入ったために消失した未保証の利用可能期間を前倒し利用によって復活させた事例を表している。これらの例のように、利用を開始する前に後続予約が入って利用可能期間が短縮された場合は、前倒し利用を行うことによって利用可能期間を延ばすことができる。
ブース1の利用が開始された後にも利用可能期間が短縮されて未保証の利用可能期間が短縮または消失することがある。以下では、この利用中の延長可能期間の短縮や消失を「延長制限」という。この実施例では、延長制限が生じた場合には、後述するような告知画面の表示や音声メッセージによって、利用者に延長制限が発生したことを告知するようにしている。
利用者が開始予定時刻より遅れてブース1に入室した場合も、入室から後続の予約までの間の時間長さTαが(T0+φT)を上回る、すなわち少なくとも基本時間分の利用が可能であれば、利用を許可することにしている。
図9は、開始予定時刻より後の時刻からの利用(遅刻利用)を認める事例(a)(b)(c)と認めない事例(d)とを、利用を認めるかどうかを判断するためのパラメータと共に表したものである。
入室から後続予約までの時間Tαが(Tmax+φT)以上になる場合には、後続予約に影響を及ぼさないため、最大値のTmax分の利用可能期間が設定される(図9(a))。Tαが(Tmax+φT)より小さい場合も、後続予約の利用開始時刻よりφTだけ前の時点までの期間が利用可能可能期間となる(図9(b)(c))。いずれの場合も、利用可能期間内で利用時間を再設定することができ、その利用時間が利用可能期間より短かった場合は、利用開始後に利用時間を延長することができる。
ただし、利用時間を再設定すると、終了予定時刻が当初の予約による時刻より後にずれる可能性が高くなる。その上に延長保証期間まで後にずれると、後続予約の利用者の前倒し利用ができる期間が短縮され、後続の利用者に不利益が生じる。この点をふまえてこの実施例では、遅刻利用で再設定された利用期間の終了時刻が元の予約による延長保証期間の終点を過ぎた場合には、延長保証期間が消尽したとみなして、さらなる延長保証を設定しないことにしている。図9(a)(b)(c)中のTe(入室から当初の終了予定時刻までの時間)は、この延長保証期間に関する処理のために使用される。
図9(d)に示すように、ブース1への入室から後続予約の開始予定時刻までの時間長さTαが基準時間T0と緩衝時間φTとの和以下になる場合には、基準時間T0分の利用を保証することができないので、遅刻利用は認められない。
つぎに、当日利用の条件について述べる。
この実施例では、予約が入っていない時間帯に基本セット時間ST(ST=T0+ETmax+φT)以上の空き時間があれば、当日利用の申し込みを受け付ける。この場合も前倒し利用のときと同様に、直近の予約の開始予定時刻までの時間の長さTαに応じて利用可能期間の長さを定め、その利用可能期間を超えない範囲で利用者に利用期間の長さを選択させる。またその選択により定められた利用期間が利用可能期間より短かった場合には、ETmaxまでの範囲で延長保証期間を設定する。
前述したように、当日利用の申し込みによる受付情報はブース内制御装置10の制御部100で作成され、その当日の受付情報テーブルに登録されると共に、ブース内制御装置10から管理サーバ2に送信され、管理サーバ2の該当するブース1用の受付情報テーブルに同内容の受付情報が登録される。
以下、上記の基本ルールに基づくブース1の時間貸しビジネスを実施するための情報処理を詳細に説明する。
まず、当該情報処理に用いられる主要なパラメータ(すでに説明したものも含む。)を列挙して、簡単に説明する。
<固定データ>
T0 基本利用時間 (利用期間の長さの最小値;具体例では30分)
T1 単位時間(基本利用時間に加算される一単位分の時間;具体例では10分)
Tmax 最大利用可能時間 (利用可能期間の長さの最大値;具体例では120分)
ETmax 延長保証期間の最大値 (具体例では20分)
φT 緩衝時間 (各利用の間に設けられる空き時間;具体例では10分)
ST 基本セット時間 (T0+ETmax+φT; 具体例では60分)
μT ブース1入室後の受付処理のための時間 (たとえば60秒)
LmT 操作待機の上限時間 (たとえば10秒)
NG1 妨害音の出力を開始するタイミングを表す許容時間
NG2 管理者モードに移行するタイミングを表す許容時間
NG1,NG2は、利用期間の残り時間で表されるため、負の値になる(たとえば、NG1=-60秒、NG2=-90秒)。
<変動データ>
LT 利用可能時間 (利用可能期間の長さ)
(T0+ETmax)~Tmaxの範囲で変動する。
ただし、この実施例ではT1の単位で変動するようにしている。
T 支払い料金に応じた利用時間 (上記と同様にT1の倍数になる。)
Trv 予約時間(開始予定時刻から終了予定時刻までの時間長さ)
N 延長可能な時間長さの単位数(以下、「延長可能単位数」という。)
RT 利用期間の終了予定時刻までの残り時間 (以下、単に「残り時間」という。)
ET 延長保証時間 (延長保証期間の長さ) 0~ETmaxの範囲で変動する。
Tf 対象予約の開始予定時刻までの時間
Te 対象予約の終了予定時刻までの時間
Tα 対象予約の次に入っている予約(後続予約)の開始予定時刻までの時間
Tβ 対象予約の終了予定時刻から必須終了時刻までの時間
Tγ 終了予定時刻から延長制限後の必須終了時刻までの時間
前述した受付情報中のステータス情報とは別に、ブース内制御装置10の制御部100の作業用の情報として、以下の2種類のフラグ情報が使用される。
<状態フラグ:stf>
ヒトが在室中のブース1の状態を以下の4つに分けて管理する。
0:利用前の受付中
1:利用中(延長可能)
2:利用中(延長不可)
3:退出勧告中
<延長制限フラグ:rtf>
延長制限がかかっているかどうかを以下の値により表す。
0:延長制限はかかっていない状態(オフ状態)
1:延長制限がかかっている状態(オン状態)
実際の利用のシーンにおいて利用者が予約どおりに利用するつもりで現場に出向いたとしても、ブース1への入室時刻を開始予定時刻にぴったりと合わせることは困難である。またこの実施例では、ブース1に入った後に設定操作や料金の支払いを行う必要があり、そのための時間を利用期間に含めると利用者に損失が生じる。そこでこの実施例では、予約による開始予定時刻は予約に基づく利用の形態(前倒し利用・遅刻利用のいずれであるか)を判別するための指標程度に位置づけ、設定操作や料金の支払いが完了した時点を起点に、支払われた料金に対応する長さTの利用期間を開始するようにしている。ただし、料金の支払い完了が入室から一定時間μTが経過した後に行われた場合には、その超過分だけ利用期間を短縮する。
必須終了時刻も利用期間が開始された時点を基準に再設定されるので、利用者に不利益が生じるおそれはない。この取り扱いによって延長保証期間が予約により定められた時間帯より若干遅れたとしても、各利用期間の間の緩衝期間の長さφTを十分な値に設定することによって、延長保証期間の終点の変更が後続の利用者に影響しないようにすることができる。
さらにこの実施例では、料金を支払わずにブース1を利用しようとする悪意者に対応するために、ブース1にヒトが入ったことが検出されてから一定時間(μTおよびNG1により定められる。)以内に受付処理を完了できなかった場合や、利用期間中に延長操作が行われなかった場合には、利用の妨げとなる妨害音(警告メッセージやビープ音など)を出力することによって退出を勧告すると共に、ブース内制御装置10から現場端末装置11にアラーム通知を送信するようにしている。電源コンセント103や電子錠装置104へのスイッチ部swを閉じる期間も、支払われた料金により定まる利用期間中のみに限定される。
図10は、管理サーバ2が受付情報の管理のために実施する一連の処理の手順を表したフローチャートである。図11~17は、ブース1への利用者の入室に応じてブース内制御装置10の制御部100が実行する手順を、モジュールごとに表したフローチャートである。
以下、これらのフローチャートを参照して、管理サーバ2、ブース内制御装置10の各々で実施される処理を、順を追って説明する。
(1)管理サーバ2における受付情報管理 (図10-1 図10-2)
この処理には、予約希望者の通信端末装置3からの新規予約の申し込みに対する処理(ステップS1~S26)、当日利用を受け付けたブース内制御装置10から新規受付情報を受けて、その情報を該当するブース1の受付情報テーブルに保存する処理(ステップS27~S29)、ブース内制御装置10からの受付情報の変更または削除の通知への対応(ステップS30~S32)が含まれる。これらのうち、ステップS27~S29およびS30~S31の処理については、後述するブース1側の処理に関連づけて説明することにし、新規予約の申し込みに対する処理について、以下に詳述する。
新規予約の申し込みの受け付けは先に述べた予約サイトを介して行われる。まず、利用希望者が自身の通信端末装置3を当該予約サイトのトップページにアクセスさせて予約申し込みの操作を行うと、ステップS1が「YES」となり、管理サーバ2は、通信端末装置3の接続先をブース1のリストを表すウェブページに切り替えて、予約対象のブース1の選択を受け付ける(ステップS2)。ブース1が選択されると、管理サーバ2は、通信端末装置3の接続先を選択されたブース1のスケジュール表を含むウェブページに切り替えて、利用日、開始予定時刻、終了予定時刻等の入力および送信を受け付ける(ステップS3)。
この実施例の予約受付処理では、予約ごとに、利用者により指定された開始予定時刻および終了予定時刻により定まる予約期間に延長保証期間と緩衝期間とを加えた期間を利用予定期間として確保する。ステップS3では、既に受け付けが完了している予約の利用予定期間を「予約済み」とし、その他の範囲のうち基本セット時間ST(ST=T0+ETmax+φT;先の具体例によれば60分)以上の時間をとれる範囲を「予約可能」として表したスケジュール表を提示して、予約可能範囲を対象に予約の申し込みを受け付ける。なお、この申し込みでは、時刻の設定が細かくなるのを防ぐため、開始予定時刻および終了予定時刻をT1の単位で選択(30分の基本時間に10分単位で加算)させる。
管理サーバ2は上記の申し込みを受け付けると、開始予定時刻から終了予定時刻までの時間長さ(予約時間)Trvを算出する(ステップS4)。つぎに、申し込み対象のブース1の予約日当日の受付情報テーブルを検索して、上記の開始予定時刻から(Tmax+φT)が経過するまでの間に開始される予定の後続予約があるか否かをチェックする(ステップS5)。これに該当する予約が見つからなかった場合(ステップS5が「NO」)には、管理サーバ2は利用可能時間LTを最大値のTmaxに設定する(ステップS6)。
開始予定時刻から(Tmax+φT)が経過するまでの期間中に開始予定時刻が含まれる後続予約がある場合(ステップS5が「YES」)には、予約した開始予定時刻から後続予約の開始予定時刻までの時間Tαを算出し(ステップS7)、そのTαから緩衝時間φTを差し引いた値(Tα-φT)を利用可能時間LTに設定する(ステップS8)。
なお、煩雑になるのでフローチャートでは省略したが、ステップS4で求めた予約時間Trvが、その予約開始時刻より後の空き時間の長さを超えたときは、予約希望者の通信端末装置3にエラーメッセージが送信され、ステップS3に戻る。
つぎに管理サーバ2は、利用可能時間LTと予約時間Trvとの差の値に基づいて延長保証時間ETの値を定める(ステップS9~S12)。
具体的には、(LT―Trv)の値が最大延長保証時間ETmax以上であれば、ETをETmaxとする(ステップS10)。LTとTrvとの差が0より大きくETmaxより小さい場合には、その差の値(LT-Trv)をETとする(ステップS12)。(LT-Trv)が0の場合(すなわち利用可能時間の全てが予約された場合)にはETの値を「延長不可」を表す0とする(ステップS11)。
LTおよびETの設定が終了すると、管理サーバ2は、開始予定時刻からLTが経過した時点の時刻を必須終了時刻に設定する(ステップS13)。ここまでの処理により受付情報に含めるべき主要な情報(図2参照。)が定まる。
管理サーバ2は、これらの情報を確認情報として表示するウェブページを作成して、これを予約希望者の通信端末装置3に送信する(ステップS14)。確認対象の情報を見た予約希望者が問題ないと判断して確認操作を行うと、予約希望者の通信端末装置3から管理サーバ2に確認通知が送信されてステップS15が「YES」となり、ステップS17以下の処理に進む。一方、予約希望者がキャンセル操作や管理サーバ2との通信を中止するなど、確認操作以外の対応をとった場合(ステップS15が「NO」)には、管理サーバ2は確認対象の情報を消去することによって(ステップS16)、予約の申し込みをキャンセルする。
確認通知を受信した場合の管理サーバ2では、確認された情報に基づく新規の受付情報を作成して、これを予約対象のブース1の予約日当日の受付情報テーブルに登録する(ステップS17,S18)。この新規の受付情報には、ステータス情報も含まれる。登録当初のステータスは、「利用前」を表す0に設定される。
さらに管理サーバ2は、上記の受付情報テーブルに、ステップS18で登録された新規受付情報に抵触する先行の予約がないかどうかチェックする(ステップS19)。具体的には、新規受付情報の開始予定時刻のφT前に相当する時刻より後に必須終了予定時刻が設定されている先行予約がないかどうかをチェックする。該当する先行予約が見つかった場合(ステップS19が「YES」)には、管理サーバ2は、当該先行予約の必須終了時刻を新規受付情報の開始予定時刻よりφT前の時刻に変更し(ステップS20)、当該先行予約の利用可能期間をその予約の開始予定時刻から変更後の必須終了時刻までの時間長さに変更する(ステップS21)。
先に述べたように、この実施例では、利用希望者が指定した利用期間に延長保証期間および緩衝期間を合わせた期間までが利用予定期間として保護されるが、多くの場合、その保護範囲を超える範囲に利用可能期間が設定される。予約を受け付けるステップS3では、既に確定している予約の利用期間および延長保証期間は予約不可の期間として申し込みの対象から除外されるので、上記のステップS19が「YES」となるのは、先行予約の利用可能期間のうち利用予定期間より後の範囲(未保証の利用可能期間)に新規予約の開始予定時刻が入った場合のみである。
上記の条件に該当する先行予約がない場合(ステップS19が「NO」)には、ステップS20,S21はスキップされる。
この後、管理サーバ2は、利用希望者の通信端末装置3に、予約の受付が完了した旨の通知を送信する(ステップS22)。新規予約の予約日が申し込みを受けた日の翌日以降であれば、上記の通知の直後のステップS23が「NO」となり、これをもって予約申し込みに対する処理は終了する。
新規受付情報の予約日が申し込みを受けた日の当日であった場合(ステップS23が「YES」)には、管理サーバ2は、ステップS18で登録した新規受付情報を、予約対象のブース1に送信する(ステップS24)。さらに、上記のステップS20,S21の処理により先行予約の受付情報を変更した場合には、ステップS25が「YES」となってステップS26に進み、ステップS18の送信対象と同じブース1に該当する先行予約の受付コードおよび必須終了時刻を含む情報を送信することによって、その先行予約の必須終了時刻の変更を要求する(ステップS26)。
以上をもって予約の申し込みに対応する処理は終了する。
なお、このフローチャートには表していないが、ステップS20,S21の処理により必須終了時刻や利用可能期間が変更された予約の当事者には、管理サーバ2からメール等でその変更が通知される。
(2) ブース入室時の受付処理(図11~15)
ブース内制御装置10の制御部100は、起動の直後に管理サーバ2にアクセスして、自装置の本日の受付情報テーブルをダウンロードし、以後、人感センサ11および光電センサ12からの検出信号によりブース1へのヒトの入室を検出する都度、このテーブル内の受付情報に基づき、以下に述べる受付処理を実行する。
なお、以下の説明において、「(ある時点までの)時間を算出する」という言い回しをする場合(たとえば、図12-1のステップS123、図12-2のステップS125,S127)の演算では、特に断らない限り、その演算を実行する時点から対象の時点までの範囲の時間長さを算出するものとする。
この実施例のブース内制御装置10の制御部100により実行されるブース入室時受付処理には、
(A)主としてブース1に入った利用者への初期対応に相当する処理(図11)と、
(B)予約利用の利用者に対応する処理(図12-1,図12-2,図12-3)と、
(C)当日利用の利用者に対応する処理(図13)と、
(D)上記の(A)(B)(C)に並列して実施される利用開始前管理(図14)と
が含まれる。
以下、上記の各図と共に、図17に示すタッチパネル101の表示画面の例を参照して、(A)-(D)の処理を、順を追って説明する。なお、各フローチャート中の画面の表示に関わるステップの近くにも対応する画面の符号を記している。
(A)初期対応
人感センサ111および光電センサ112からの検出信号によりブース1にヒトが入ったことが検出されると(ステップS101が「YES」)、制御部100は、音声および表示の双方により、「いらっしゃいませ」等の挨拶や利用案内のメッセージを出力する(ステップS102)。ついで、状態フラグstfに「受付中」を表す値0を設定すると共に、残り時間RTに受付処理のための時間μTを設定し(ステップS103)、(D)利用開始前管理(図14)をスタートさせる(ステップS104)
つぎに制御部100は、自装置に登録されている受付情報テーブルを現在時刻により検索する。この検索により、現在時刻が予約期間(開始予定時刻と終了予定時刻との間)に含まれる関係にある利用前の受付情報(ステータス情報が0のもの)が見つかると、制御部100は、この受付情報による予約の期間中であると判定し(ステップS105が「YES」)、ブース1に入った人が予約者であることを確認するための画面G1を表示する(ステップS106)。この画面内の「はい」の確認ボタンが操作されると(ステップS107が「YES」)、制御部100は画面G3に表示を切り替え、受付コードの入力に待機する(ステップS108)。
ステップS105において予約期間に入っていないと判定した場合には、制御部100は、現在時刻から基本セット時間ST以内に開始予定時刻が到来する受付情報があるか否かをチェックする(ステップS113)。この条件に適合する受付情報があれば(ステップS113が「YES」)、制御部100は、上記と同様の画面G1を表示して予約済みであることを確認し(ステップS106,S107)、確認がとれたことに応じて画面G3に表示を切り替え、受付コードの入力に待機する(ステップS108)。
上記のとおり、予約期間が開始されている場合または基本セット時間ST以内に予約期間が開始される場合には、予約利用のみを受け付けることとして、画面G3からの受付コードの入力を求める。受付コードが入力されると、制御部100は、予約期間が開始されている場合は当該期間に対応する受付コードであるかどうかを確認し、予約期間の開始前であれば最先の予約の受付コードであるかどうかを確認する。ここで入力されたコードが条件に該当することが確認できた場合は、ステップS109が「YES」となり、図12-1の予約利用受付に進む。
予約期間中ではなく、基本セット時間ST以内に予約期間が開始されることもない場合(ステップS105,S113が「NO」)には、制御部100は「予約前倒し」および「当日利用」の各選択ボタンを含む画面G2を表示し、利用者の選択操作に待機する(ステップS114,S115)。この画面G2で「当日利用」が選択された場合には、図13の当日利用受付に進む。
画面G2で「予約前倒し」が選択された場合には、受付コードの入力画面G3を表示する(ステップS116)。この場合の受付の条件は緩やかになり、予約日が本日でステータス情報が「利用前」を表す0となっている受付情報の受付コードであれば(ステップS117,S118が「YES」)、図12-1の予約利用受付に進む。ただし、予約利用受付に入ってから前倒し利用は不可と判断される場合がある。
画面G1での予約確認がとれなかった場合(ステップS107が「NO」)や、画面G3に正しい受付コードが入力されなかった場合(ステップS109,S117,S118のいずれかが「NO」となる場合)には、制御部100は、利用を許可しない旨の通知を音声および表示の双方により出力し(ステップS110)、状態フラグstfを3に変更する(ステップS111)。この後、人感センサ111および光電センサ112の検出信号により退室が検出されると(ステップS112)、制御部100はRT,stf等の作業用データを解除して、受付処理を終了する。
なお、ステップS106,S108,S116での操作への待機時間には一定の上限値LmTが設けられ、この時間LmTを過ぎても操作が行われなかった場合に、その後のステップS107,S109,S117が「NO」となって利用不可の通知(ステップS110)に進む。利用不可通知を受けた者がすぐに退室しなかった場合の対応は、並列して実行されている(D)利用開始前管理(図14)により行われる。
(B)予約利用受付(図12-1 図12-2 図12-3)
上述した初期対応によれば、予約利用受付の対象者は、予約期間が開始されてから入室した遅刻利用の対象者と、予約期間前に入室した前倒し利用の対象者とに分かれると考えられる(予約期間の開始予定時刻ちょうどに入室した人はどちらに振り分けても良いが、実際の利用開始は入室より遅くなるので、この実施例では遅刻利用として取り扱う。)。
上記の方針に基づき、予約利用受付の最初のステップS121では、画面G3を介して受け付けた受付コードに対応する予約の開始予定時刻と現在時刻とを比較する。現在時刻が開始予定時刻より前であれば(ステップS121が「YES」)、「前倒し利用」の受付にかかる手順(図12-1のステップS122~S124、図12-2のステップS125~147)を実行し、現在時刻が開始予定時刻またはそれ以降であれば(ステップS121が「NO」)、「遅刻利用」の受付のための手順(図12-1のステップS148から図12-3のステップS149~S163を介して図12-2のステップS141~S147に至る手順)を実行する。
(B-1)前倒し利用の受付処理(ステップS122~S148)
制御部100は、まず対象予約の開始より前に他の人の予約(先行予約)が入っていないかチェックし(ステップS122)、先行予約がなければ、対象予約の開始予定時刻までの時間Tfを算出し(ステップS123)、その値を最大利用可能時間Tmaxと比較する(ステップS124)。TfがTmaxより小さい場合(ステップS124が「NO」)には前倒し可能と判定してステップS125(図12-2)に進み、対象予約の終了予定時刻までの時間Teを算出する。このTeが最大利用可能時間Tmaxより小さい場合(ステップS126が「NO」)には、制御部100は後続予約の開始予定時刻までの時間Tαを算出し(ステップS127)、そのTαの値を(Tmax+φT)と比較する(ステップS128)。
Te≧Tmaxとなる場合(ステップS126が「YES」)、またはTα>Tmax+φTとなる場合(ステップS128が「YES」)には、制御部100はステップS130に進んで利用可能時間LTに最大値のTmaxをセットする。なお、煩雑化を避けるため図示を省略したが、ステップS127の演算の対象の後続予約の受付情報が処理当日の受付情報テーブルに入っていなかった(後続予約がなかった)場合には、ステップS127をスキップしてステップS128の判定を「YES」とし、上記と同様にステップS130に進む。
一方、Tα≦Tmax+φTとなる場合(ステップS128が「NO」)には、制御部100は以下の演算により、利用可能時間LTを算出する(ステップS129)。
LT←floor((Tα-φT)/T1)×T1
floor(x)は、整数以外の数値xの小数点以下を切り捨てて整数値を導出する関数である。ステップS129は、サーバ2の受付情報管理のステップS8と同様に、後続の予約との間にφT分の緩衝期間を確保できるように利用可能期間を設定する目的の処理であるが、ブース1の場合、入室やその後の操作の影響でステップS127の演算のタイミングがばらつき、そのばらつきによりTαの値に端数が生じる可能性がある。そこでステップS129では、(Tα-φT)の値に生じた端数を切り捨てて単位時間T1の倍数となる値を導出し、これをLTに設定することにしている。以下も、適宜、同様の趣旨で、関数floor(x)を用いた演算を実行する。
ステップS129またはS130の実行により利用可能期間LTの値が定まると、制御部100は、そのLTの値を表した利用条件の告知画面(画面G4)を表示し(ステップS131)、「同意」のボタンが操作されたことに応じて利用時間の設定画面G5を表示して、利用者の選択を受け付ける(ステップS132)。
画面G5(図17参照。)には、対象予約の受付情報中の開始予定時刻から終了予定時刻までの時間長さがデフォルト値として表示されるので、予定どおりの長さで利用するつもりの利用者は「OK」のボタンを操作するだけで選択を終了することができる。一方、利用時間の長さの変更を希望する利用者は、時間または分の表示欄r1,r2をタップすると、選択可能な時間を表す選択肢が表示される。利用者はそれらのいずれかを選択することによって、利用可能時間LTまでの範囲で利用時間を変更することができる。
画面G5の「OK」ボタンが操作されると、制御部100は、設定された時間の長さを利用時間Tの初期値に設定する(ステップS133)。ついで制御部100は、利用時間Tと利用可能時間LTとに基づき延長保証時間ETと以後の状態フラグstfの値とを決定する。
具体的には、(LT-T)の値が0を上回る場合(ステップS134が「YES」)には、stfは「延長可能」を表す1に変更される(ステップS135)。さらに(LT-T)がETmax以上であれば(ステップS136が「YES」)、延長保証時間ETにはETmaxがセットされ(ステップS137)、(LT―T)がETmaxより小さい場合(ステップS136が「NO」)には、(LT-T)の値が延長保証時間ETにセットされる(ステップS138)。
ステップS137またはS138で延長保証時間ETを設定した後は、さらに(LT-T)をT1で除算する演算によって、延長可能な単位時間数Nを求める(ステップS139)。
一方、利用時間Tが最大の値であるLTに設定された結果、(LT-T)が0となる場合(ステップS134が「NO」)には、stfは「延長不可」を表す2に変更され、延長保証時間ETは0となる(ステップS140)。
つぎに制御部100は、画面G6を表示することによって、利用時間Tに対応する料金と共に上記LTおよびETの値を通知し、料金決済用装置と協働して上記の料金の支払いを受け付ける(ステップS141)。支払いが完了すると、制御部100は、その時点のRTの値と現在時刻とに基づきRTが0になる時刻を特定し、対象予約の受付情報の開始予定時刻をその時刻に変更する(ステップS142)。さらに制御部100は、当該開始予定時刻とTおよびLTの値とに基づき、対象予約の受付情報の終了予定時刻や必須終了時刻を変更し(ステップS143)、ステータス情報を初期値の0から「利用中」を表す1に変更し(ステップS144)。変更後の受付情報を含む変更通知を管理サーバ2に送信する(ステップS145)。
ここで、一時的に図10-1を参照する。
上記の送信を受けた管理サーバ2では、受信した受付情報に含まれる受付コードにより対象のブース1を特定し、そのブース1の受付情報テーブル中の受付コードに対応する受付情報を受信した情報に置き換える処理を実行する(ステップS30,S31)。そして、受付情報の送信元のブース内制御装置10に対し、受付情報の更新が完了した旨の通知を送信する(ステップS32)。なお、管理サーバ2では、事後対応のために、変更前の受付情報も削除されずに、初期情報として一定期間保存される。
ブース内制御装置10の制御部100では、管理サーバ2から上記の通知を受けたことによってステップS145を完了し、残り時間RTを現在値にTを加えた値に変更し(ステップS146)、タッチパネルへの画面G7の表示や音声案内によって、設定が完了したことを利用者に通知する(ステップS147)。この通知をもって予約の前倒し利用の受付処理が完了する。
図7の(d)に例示したように、予約に基づく開始予定時刻までの時間TfがTmaxを上回った場合には、前倒し対応の可否を判定するステップS124(図12-1)が「YES」となってステップS164に進み、前倒し利用ができないことを表示や音声により通知する。また、図7の(e)に例示したように、対象予約の利用予定期間の前に他人の先行予約が入っている場合(ステップS122が「YES」)にも、同様にステップS164に進む。
ステップS164の通知の画面(図示せず。)では、当日利用に変更するための操作ボタンが含まれており、そのボタンが操作された場合(ステップS165が「YES」)には、当日利用受付(図13)に移行する。その前に、制御部100は対象予約をキャンセルするかどうかを選択する画面を表示し、キャンセル操作が行われた場合(ステップS166が「YES」)には、対象の予約の受付情報を削除すると共に、管理サーバ2に当該受付情報の削除通知を送信する(ステップS167,S168)。この通知を受けた管理サーバ2では、受付情報の変更通知のときと同様の手順(図10-1のステップS30,S31,S32)により該当する受付情報の削除を実行する。
(B-2)遅刻利用受付(ステップS148~S163,S141~S147)
制御部100は、まず遅刻利用の受付が可能かどうかを判断するために、現時点から(T0+φT)以内に後続予約の開始予定時刻が入っていないかどうかをチェックする(図12-1のステップS148)。該当する後続予約が見つからなければ、制御部100は遅刻利用可能と判定して、図12-3に示す主要手順に進む。
この手順では、まず後続予約の開始までの時間Tαを算出し(ステップS149)、そのTαを(Tmax+φT)と比較する(ステップS150)。Tα≧Tmax+φTであれば(ステップS150が「YES」),最大値のTmaxを利用可能時間LTとし(ステップS151)、Tα<Tmax+φTとなる場合(ステップS150が「NO」)には、前述したfloor関数を用いた演算により(Tα-φT)の範囲で設定できる最大時間単位分の時間を求め、これを利用可能時間LTに設定する(ステップS152)。
なお、煩雑化を避けるために図示を省略したが、後続予約の受付情報が受付情報テーブルに保存されていない場合は、ステップS150の判定を「YES」としてステップS151に進むことによって、LTをTmaxに設定する。
その後、制御部100は、前倒し利用の場合と同様の画面G4により利用可能時間LTを含む利用条件を告知し(ステップS153)、画面G5を用いて利用時間の選択を受け付け(ステップS154)、選択された利用時間をTの初期値に設定する(ステップS155)。
つぎに制御部100は、対象予約の受付情報から延長保証時間を読み出し、その時間長さを変数ET0にセットする(ステップS156)。このET0が0より大きい場合(ステップS157が「YES」)、すなわち対象予約の受付時に延長保証期間が設定されていた場合には、制御部100は、対象予約の終了予定時刻までの時間Te(図9を参照。)を算出し(ステップS158)、TeにET0を加えた値と利用時間Tとを比較する(ステップS159)。
ここでT>Te+ET0、すなわち予約に基づく延長保証期間より後の時点までに利用期間が設定されている場合(ステップS159が「YES」)には、制御部100は延長保証時間ETを0に設定すると共に状態フラグstfの値を2に変更する(ステップS160)。
T≦Te+ET0の場合、すなわち対象予約の延長保証期間の終点を超えない範囲に利用期間が設定された場合(ステップS159が「NO」)には、制御部100は状態フラグstfの値を1に変更し(ステップS161)、延長保証期間の残りの時間長さ(Te+ET0-T)を単位時間に換算する演算を行い、その演算により得た値を延長保証時間ETに設定する(ステップS162)。さらに制御部100は、ETを含む延長可能な期間の長さ(LT-T)に対応する単位時間数Nを求める演算を実行する(ステップS163)。
上記ステップS149~163の手順によれば、開始予定時刻より遅れて入室しても、後続の予約との間に余裕があれば利用期間を後ろにずらすことが認められる一方で、当初の予約に基づく延長保証期間を超える範囲に利用期間が設定された場合は、stfが2に設定されることによって延長保証時間が消尽されたという取り扱いにする。これにより後続の利用者の前倒し利用の機会が損なわれないようにしながら、遅刻した利用者に便宜をはかることができる。
ステップS160またはステップS163を実行した後は、前倒し対応の場合と同じく、図12-2のステップS141~147を実行することにより料金の支払いを受け付けて利用に関わる各種パラメータを確定し、利用開始を通知する。
図12-1に参照を戻す。
ステップS148において、T0+φT以内に後続予約の利用開始時刻が含まれると判定した場合の制御部100はステップS169に進み、「利用不可」を通知する画面を表示する。さらにその通知から所定時間後に、退出を勧告する通知を表示および音声の双方で行い(ステップS170)、状態フラグstfの値を3に変更する(ステップS171)。その後は後述する利用中管理の処理下で退出が検出されるまで待機し、退出が検出されたこと(ステップS172が「YES」)に応じて受付処理を終了する。
(C)当日利用受付(図13 ステップS181~S200)
この受付処理は、図11のステップS105およびS113の判定によって、利用者が入室してから少なくとも基本セット時間ST分の空き時間があることが確認され、その確認に応じて表示された画面G2内の「当日利用」が選択されたことに応じて実行される。この手順は前倒し利用の受付処理に共通するところが多いので、以下、簡単に説明する。
制御部100は、まず後続予約まで時間Tαの長さに応じて利用可能時間LTを設定し(ステップS181~S184)、その利用可能時間LTの範囲で利用時間Tを設定し(ステップS185~187)、LTおよびTの値に基づき、延長保証時間ETや状態フラグstfを設定する(ステップS188~S193)。また延長が可能なときは、延長可能な時間単位数Nを算出する(ステップS194)。
その後は利用可能時間Tの値に応じた料金の支払いを受け付け(ステップS195)、現在時刻およびRTの現在値に基づき開始予定時刻を導出し(ステップS196)、さらに開始予定時刻やTおよびLTの値に基づき、終了予定時刻や必須終了時刻を導出する(ステップS197)。そしてこれらの情報を含む新規の受付情報を作成して自装置のメモリに保存すると共に、同じ受付情報を管理サーバ2に送信する(ステップS198)。
上記受付情報の先頭の種別コードは「CA」となり、ステータス情報の初期値は、「利用中」を表す1に設定される。
ここで再び、図10-1を一時的に参照する。
上記新規受付情報の送信を受けた管理サーバ2では、ステップS27が「YES」となってステップS28に進み、受信した受付情報に含まれる受付コード中のブースコードから対象のブース1を割り出し、当該ブース1用の受付情報テーブルに受信した受付情報を保存する。この保存によって、予約サイトのスケジュール情報にも、当日利用による利用期間や延長保証期間が予約済みの期間として反映される。
さらに管理サーバ2は、受付情報の送信元のブース内制御装置10に登録完了を通知する(ステップS29)。
上記の通知を受けたブース内制御装置10の制御部100は、図13のステップS199に進んで残り時間RTを現在値にTを加えた値に更新する。そして画面G7による表示と音声との双方によって利用者に利用期間の開始を通知する(ステップS200)。
当日利用は、予約をしていなかった利用者のほか、予約の前倒し利用を希望したが、開始予定時刻までの時間Tfが最大利用可能時間Tmaxを上回った、または自身の予約の前に他の人の予約があったために前倒し不可を通知された利用者も、当日利用に乗り換えて利用することができる(図12-1のステップS122~S124からステップS164~S168を経て図13のステップS181へ)。この流れによると、利用者が当初の予約の受付コードを入力することによって、当日利用への乗り換えや当初の予約のキャンセルに誘導する操作画面が提示されるので、利用者の負荷を軽減できると共にキャンセル漏れを防ぐことができる。キャンセルされた予約の時間帯は利用可能な時間帯として別の人に利用してもらうことができる。
なお、煩雑化を防ぐために図示を省略したが、開始予定時刻までの時間Tfが最大利用可能時間Tmaxを上回ったことが前倒し不可の理由で、当日利用に乗り換えた場合には、ステップS123で算出した時間TfがステップS181の時間Tαに置き換えられる。また、前倒し不可の通知(ステップS164)から操作待ちの許容時間LmT以内に当日利用への変更操作が行われなかった場合は、ステップS165が「NO」となって、退出勧告(ステップS170)や状態フラグstfを「3」に変更する処理(ステップS171)が行われる。
(D)利用開始前管理(図14)
この処理は、図11~13の処理が何らかの原因でスムーズに進まなかった場合や、退室勧告に応じて利用者が速やかに退室しなかった場合に対処することを主目的とするもので、図11のステップS104より後の一連の手順に並列して実行される。
問題が発生していない間は残り時間RTの変化を監視しつつ、状態フラグstfの値が0から他の値に変化するか否かの判別を繰り返す(ステップS201~203)だけである。残り時間RTは受付処理(図11)のステップS103で初期値μTに設定された後、時間の経過に従って減少するが、RTが許容時間NG1に達するより前にstfが1または2に変化した場合(すなわちブース1の利用が開始された場合)には、ステップS202が「YES」となり、その判定をもって利用期間中管理(図15)に移行する。
受付処理で利用不可と判定されてstfが3に変更された場合(図11のステップS111、図12-1のステップS171)には、ステップS201が「YES」となってステップS204に進み、RTがゼロリセットされる。その後のRTが第1の許容時間NG1に達するまでに利用者の退室が検出されなかった場合(ステップS206が「NO」となった後にステップS205が「YES」)には、制御部100はステップS207に進んで、妨害音の出力および現場用端末装置へのアラーム通知を開始する。stfが0の状態のままRTがNG1に達した場合(ステップS203が「YES」)も、同様にステップS207を実行する。
妨害音は、利用料金を支払うことなくブース1を利用しようとする悪意者を早期にブース1から退出させることを主目的とする。この実施例では、妨害音を段階的に大きくしたり、低音域から高音域の音に変更するなどの方法によって、ブース1内の環境を悪化させる。アラーム通知は、現場の管理者への注意喚起を目的とするもので、現場用端末装置11に対する通知として適当な時間間隔ごとに繰り返し行われる。この通知を受けた現場用端末装置11でも、音による通知や警告画面の表示など、管理者に注意を促すための処理を実行する。
妨害音やアラーム通知の出力後に退室が検出されると(ステップS209が「YES」)、制御部100は速やかにそれらを停止し、そのときのstfの値に応じた音声メッセージを出力して管理を終了する(ステップS211,S212)。
妨害音が出力されても利用者が退室せず、残り時間RTが第2の許容時間NG2に達した場合(ステップS210が「YES」)には、管理者による対応(図示せず。)に移行する。
stfが0の状態下で妨害音が出力された場合には、退室が検出されたときのほか、RTが第2の許容時間NG2に達するまでの間に料金の支払いが行われたときにも妨害音やアラーム通知を停止する(ステップS208,ステップS213)。この場合には、stfが1または2に変化したこと(ステップS214が「YES」)に応じて利用期間中管理(図15)に移行するが、料金決済用装置の不具合など何らかのトラブルによりstfが変化しないままRTがNG2に達した場合(ステップS214が「NO」の後のステップS215が「YES」)には、管理者対応モードに移行する。
(3)ブース1の利用期間中管理(図15~図16)
ここまでに説明した手順によりブース1の利用が許可されて状態フラグstfが1または2に変化すると、図15(15-1~15-4の4図に分割している。)に示す利用期間中管理に移行する。また図15-1のステップS320および図15-3のステップS336では、図16に示す延長処理をサブルーチンとして実行する。
利用期間中管理には、料金の支払いをしない悪意者に対する退室誘導処理の手順(図15-3,15-4)のほか、ブース1内の利用者に利用期間の残り時間RTを知らせるための手順や、延長操作に応じて延長可能な時間の選択肢を提示し、選択操作や料金の支払いに応じて残り時間RTを更新する手順など、ブース1の利用をサポートするための様々な手順が含まれる。なお、以下の説明では、進行中の利用期間に対応する受付情報のことを「利用中受付情報」という。
図18および図19は、利用期間中管理に表示される画面の推移を表すものである。図15および図16でも、画面表示に関するステップの付近に図18中の該当する画面の符号を表している。以下、適宜、各画面を表す符号をあげながら、図15および図16のフローチャートの流れに沿って、利用期間中管理の手順を説明する。
利用開始前管理から利用期間中管理に移行すると、まず制御部100は、タッチパネル101に利用期間用の画面(図18の画面G8-1またはG8-2)を立ち上げるための処理を実行する。この画面には残り時間RTを利用者に知らせる表示領域と共に、延長操作用のボタン(以下「延長ボタン」という。)や利用の終了を告げるためのボタン(以下「終了ボタン」という。)が含まれる。
制御部100は、延長ボタンを有効にするか否かを決めるために、着目中の受付情報の状態フラグstfの値をチェックし(ステップS301)、stfが1であれば延長ボタンが有効になった画面G8-1を表示し(ステップS302)、stfが2であれば延長ボタンが無効になった画面G8-2を表示する(ステップS303)。
さらに制御部100は、電源コンセント103および電子錠装置104へのスイッチ部swを閉じることによって、電源コンセント103を通電状態にすると共にブース1の扉13を施錠し(ステップS304)、残り時間の更新表示を開始する(ステップS305)。この段階の画面のレイアウトも画面G8-1,8-2と変わらないので、図18では、G8に枝番3,4,5を付した符号により表している。
ここまでは、案内画面の表示と共に、スピーカー17からも、適宜、表示に対応する案内音声を出力しても良いが、残り時間の更新表示が開始された後は、残り時間RTが許容時間NG1に達するか、管理サーバ2から必須終了時刻の変更要求(図10-2のステップS26)を受けるなどの重要ごとが発生しない限り、音を出さない状態となり、ブース1内は静寂な状態で維持される。制御部100はこの状態下でステップS306→S307→S308→S309→S306の判定ループ(いずれも「NO」の判定)を繰り返しながら待機する。この間、タッチパネル101の画面では、図19のG8-3,8-4に示すような、残り時間RTの更新表示が続けられる。
以下、上記の判定ループ内で「YES」の判定が発生した場合の処理について順に説明する。
<終了操作が行われた場合(ステップS306の「YES」判定>
画面G8に設けられた終了ボタンは、ブース1内での作業を終えた利用者が退出の目的で扉を解錠するために操作するボタンであるが、延長ボタンと間違えるなど、誤って終了ボタンに触れてしまう可能性もある。そこでこの実施例では、終了ボタンの操作に応じて確認画面G9を表示し(ステップS311)、確認画面G9で「いいえ」のボタンが操作された場合(ステップS312が「NO」)は、終了操作をキャンセルして判定ループに戻る。
確認画面で「はい」のボタンが操作された場合(ステップS312が「YES」)には、制御部100は、電子錠装置104へのスイッチ部swをオフにすることによって扉13を解錠する(ステップS313)。この後は、光電センサ111および人感センサ112の信号により利用者の退出が検出されるまで待機し、退出が検出されると(ステップS314が「YES」)、御礼の音声メッセージを出力し(ステップS315)、利用者用電源(電源コンセント103)をオフに切り替える(ステップS316)。さらに制御部100は、ここまでの利用にかかる受付情報のステータスフラグを「利用終了」を表す「2」に変更し(ステップS317)、その変更が反映された受付情報を管理サーバ2に送信する(ステップS318)。これを受けて図10-1のステップS30~S32の処理を実行した管理サーバ2からの処理完了の通知を受けると、制御部100は、次の利用者のために、状態フラグstfを含む変動パラメータをリセットし(ステップS319)、処理を終了する。
<延長操作が行われた場合:ステップ307の「YES」判定>
ステップS307は、stfが1の状態下で有効化された延長ボタンが操作されたときのみ「YES」となる。この「YES」判定が出るとステップS320に進んで、図16に示す延長処理がサブルーチンとして実行される。以下、この図16と図18の画面の事例を参照して、説明する。
制御部100は、まず、利用受付処理において設定された延長可能単位数Nと単位時間T1とに基づき延長時間の選択肢ボタンを含む画面G10を表示する(ステップS401)。この画面10に表示される選択肢の数および種類は、延長可能単位数Nに基づき決まる。この場合も、誤って延長ボタンが操作された場合のために、キャンセルボタンが操作されるか、操作待ちの許容時間LmTが経過しても選択肢ボタンの操作が行われなかったとき(ステップS402が「NO」)は、延長操作をキャンセルし(ステップS416)、メインルーチンに戻る。このとき画面も、元の残り時間の更新表示画面G8に戻る。
画面G10に表示された選択肢ボタンのいずれかが操作された場合(ステップ402が「YES」)には、制御部100はタッチパネル101の表示を、延長料金等を知らせる画面G11に切替え、受付時と同様に料金決済用装置102と協働して、選択された選択肢の時間ΔTに対応する額の料金の支払いを受け付ける(ステップS403)。
料金の支払いが完了すると、制御部100は、残り時間RTおよび利用時間Tを、それぞれ現在値にΔTを加えた値に更新する(ステップS404)。さらに、終了予定時刻も現在の設定時刻からΔTだけ後の時点の時刻に更新する(ステップS405)。
つぎに制御部100は、延長保証時間ETの値をチェックする。延長保証時間ETの現在値が0より大きい場合(ステップS406が「YES」)には、制御部100は、(ET-ΔT)の値をチェックし、その差の値が0より大きい場合、すなわち延長保証時間の一部分だけを延長するような選択が行われた場合(ステップS407が「YES」)には、ETの値を(ET-ΔT)に変更する(ステップS408)。
一方、(ET-ΔT)が0以下となった場合、すなわち延長保証時間を全て使用して延長が行われた場合(ステップS407が「NO」)には、ETの値を0に変更する(ステップS409)。
さらに、制御部100は、(LT-T)の値もチェックし、その値が0であれば(ステップS410が「NO」)、状態フラグstfを2に変更する(ステップS411)。この変更により、以後は利用期間の延長はできなくなるが、用心のために延長可能単位数Nも0に変更される。
LT―T>0となった場合(ステップS410が「YES」)には、制御部100は、その差の値に対応する単位時間数を算出し、その算出値により延長可能単位数Nを更新する(ステップS412)。通常は、ステップS412からステップS413を介してステップS414に進むことにより、状態フラグstfは1のまま維持される。ただし、管理サーバ2からの必須終了時刻の変更要求を受けて利用可能期間LTを変更した場合(後述する図15-2のステップS326)にはLT-T<T1となる可能性があるので、その影響によってステップS412の演算で求めたNが0となった場合(ステップS413が「YES」)にはステップS411に進むことにより、状態フラグstfが2に変更される。
制御部100は、上記の更新が反映された受付情報を管理サーバ2に送信し(ステップS414)、表示を画面G8(図18ではG8-5)に戻して延長された値に更新された残り時間RTを表示し(ステップS415)、メインルーチン(図15-1)に戻る。メインルーチンに戻ると、再びステップS306→S307→S308→S309の判定ループが繰り返される。
図18の画面G8-5に示すように、延長処理の終了後は、終了予定時刻や延長保証の情報が延長処理の結果を反映した内容に更新される。また延長後もstfが1であれば延長ボタンが表示されるが、延長処理のステップS411でstfが2に変更された場合には、延長ボタンは無効化される。
また、この実施例では、延長処理完了直後の画面G8-5に重ねて、一定時間、延長の内容を表すメッセージが表示されるが、このメッセージは音声で出力してもよい。
<必須終了時刻の変更要求を受けた場合:ステップS308の「YES」判定>
この変更要求を受けるのは、延長保証期間より後に未保証の利用可能期間があり、後者の期間内に他の予約が入ったために必須終了時刻の変更が必要になったケースに相当する。したがって、当該通知が通知されるのも、状態フラグstfが1の場合のみである。
制御部100は、上記の要求を受けると、利用中受付情報の必須終了時刻を要求された時刻に変更する(図15-2のステップS321)。さらに制御部100は、利用中受付情報の終了予定時刻から変更後の必須終了時刻までの時間Tβを算出し(ステップS322)、その時間Tβを単位時間数に換算し、その演算結果により延長可能単位数Nを更新する(ステップS323)。
更新後のNは0になる可能性がある(Tβ<T1の場合)ので、制御部100はNの値をチェックし、N=0であれば(ステップS324が「YES」)、状態フラグstfを2に変更する(ステップS325)。N>0の場合(ステップS324が「NO」)には、ステップS325をスキップすることによって、状態フラグstfを1のまま維持する。
さらに制御部100は、利用可能時間LTを、利用期間Tの現在値にTβを加算した値に変更し(ステップS326)、利用制限フラグrtfをオン状態(制限中)を表す「1」に設定する(ステップS327)。そして、画面G12(図19参照。)の表示と音声メッセージの出力とによって、延長制限が発生したことを利用者に通知する(ステップS328)。
図19では、延長制限が発生したことを知らせる画面G12と共に、その前後の残り時間の更新表示画面画面G8-6,8-7を表している。画面G12の表示後の画面G8-7では、ステップS321の処理が反映されたことにより必須終了時刻が変更されている。
上記の処理によれば、ステップS323により変更された後のNに基づく延長可能範囲は必須終了時刻より前に終了する可能性がある。しかし、利用時間の終了間際に後続予約により延長可能な時間が消失すると、利用者に気の毒であるし、片付けなどに差し支えが生じるおそれもある。そこでこの実施例では、延長制限が発生した場合に限り、利用時間の満了後に許容値NG1を過ぎても所定の条件を満たせば、必須終了時刻が到来するまでブース1への滞在を認めることとしている。利用制限フラグrtfのオン設定はその状況を判断する目的で実施される(詳細は、後で図15-4を参照して説明する。)。
<残り時間RTが許容値NG1以下となった場合:ステップS309の「YES」判定>
利用者の退室が検出されることがないまま残り時間RTが許容値NG1に達した場合には、制御部100は、上記の延長制限フラグrtfがオンになっていないことを条件に(図15-1のステップS310が「NO」)、図15-3の退室誘導処理に進んで電源コンセント103をオフにすると共に扉12のロックを解除し(ステップS329)、妨害音の出力やアラーム通知を開始する(ステップS330)。
なお、図15-3の退出誘導処理への移行はこのケースに限らず、前述した終了操作やその後の確認操作が行われた後に、退室が検出されないままRTがNG1に達した場合(図15-1のステップS314が「NO」、ステップS320が「YES」)にも、図15-3の退室誘導処理に移行する。
ステップS330での妨害音の出力やアラーム通知は利用期間前管理のときと同様の方法により行われる。このとき状態フラグがstf=2、すなわち延長ができない状態の場合には、退室しか認められず(ステップS331からステップS332に移行)、残り時間RTが第2の許容値NG2に達しても退室が検出されなかった場合(ステップS332が「NO」の後にステップS333が「YES」)には、管理者による対応モードに移行する。
一方、stf=1、すなわち延長が可能な状態下であれば、制御部100は、延長ボタンの操作が行われたことに応じて妨害音やアラーム通知を中止し(ステップS334,S335)、延長処理、すなわち先に述べた図16のサブルーチンを実行する(ステップS336)。
延長処理が完了すると、制御部100は、再びRTをNG1と比較する(ステップS337)。延長処理が順調に進んでRTに延長時間ΔTが加算された場合には、ステップS337が「NO」となり、制御部100は、電源コンセント103や電子錠装置104のスイッチ部swを再びオン状態にして(ステップS341)、ステップS306以下の判定ループ(図15-1)に戻る。これにより、電源コンセント103が再び通電して扉12も施錠され、ブース1内は利用可能な環境に復帰する。
ただし、退室誘導処理下での延長処理では、図16のステップ404においてNG1より小さい負の値となったRTにΔTが加算されることにより、更新後のRTが元の利用時間を徒過した後の経過時間が差し引かれた値となる。
一方、延長処理に移行したが、延長料金の選択が行われずに延長操作がキャンセルされた場合(図16のステップS416)や、何らかのトラブルにより料金決済用装置102による決済処理が完了せずに延長処理が中止された場合には、延長処理から戻った直後のステップS337が「YES」となり、妨害音の出力が再開されると共に現場用端末装置11にも再びアラーム通知が出力される(ステップS338)。この後、退室が検出されずに残り時間RTが第2の許容値NG2に達した場合(ステップS339が「NO」、S340が「YES」)には、管理者対応モードに進む。
上記のとおり、残り時間RTが第2の許容値NG2に達しても退室が検出されない場合には現場の管理者による対応を求めるが、たいていのケースでは、妨害音の出力を受けて利用者は退室すると考えられるから、管理者に大きな負荷がかかるおそれはない。
ステップS332またはS339で利用者の退室が検出されると、制御部100は図15-4のステップS356に進んで妨害音やアラーム通知を停止し、そのときの状態フラグの値に応じた音声メッセージを出力する(ステップS357)ことによって、立ち去りかけている利用者に注意を促す。たとえばstfが1のときは、「延長料金をお支払いいただければ延長可能です。次回はよろしくお願いします。」という音声を出力し、stfが2のときは、「タイムアップ後は、つぎのお客様のために速やかにご退出いただきますようご協力をお願いします。」という音声を出力することができる。
その後は、着目中の受付情報のステータス情報を、「利用終了」を表す2に変更し(ステップS351)、その変更が反映された受付情報を管理サーバ2に送信し(ステップS352)、変動パラメータをリセットし(ステップS353)、処理を終了する。
延長制限が発生している状態下でRTがNG1に達した場合(図15-1のステップS309およびS310が共に「YES」の場合)には、制御部100は図15-4のステップS342に進んで延長可能単位数Nの値をチェックする。ここでN>0、すなわち、まだ延長が可能な状態下であれば図15-3のステップS329に進み、以下、延長制限が生じていない場合と同様の手順を実行する。
N≦0、すなわち延長が不可能な状態下でRTがNG1に達した場合(ステップS342が「NO」)には、制御部100は、利用期間の終点(RTが0になった時点)から必須終了時刻までの時間Tγを算出し(ステップS343)、TγがNG1の絶対値より大きいこと(ステップS344が「YES」)を条件に、残り時間RTが-Tγに達するまで終了操作に待機する(ステップS345~S346)。終了操作が行われると(ステップS346が「YES」)、制御部100は扉を解錠し(ステップS347)、人感センサ111および光電センサ112により退室が検出されたことに応じて御礼の音声メッセージを出力する(ステップS348,349)。そしてこの段階で利用者電源(電源コンセント103)をオフにし(ステップS350)、ステータス情報の変更やその変更が反映された受付情報を管理サーバ2に送信する処理を実行し(ステップS351,S352)、変動パラメータをリセットし(ステップS353)、しかる後に管理を終了する。
ステップS344においてTγ≦|NG1|と判定された場合は、延長制限が生じていない場合と同様の手順による退出誘導処理を実行する。また、Tγ>|NG1|であったが、その後、RTが-Trに達しても終了操作が行われなかった場合(ステップS346が「NO」の後にステップS345が「YES」)や、終了操作に応じて扉を解錠したが、退出が検出されずにRTが-Tγに達してしまった場合(ステップS348が「NO」の後にステップS354が「YES」)には、制御部100はRTをNG1に変更(ステップS355)してからステップS329(図15-3)に進むことによって、妨害音の出力およびアラーム通知を開始する。以後は延長制限がかかっていない場合と同様の手順による退出誘導処理を実行する。
図15-4の手順によれば、延長制限下において利用可能期間LTの全ての料金を支払って利用した利用者に対しては、後続の利用に影響を与えない範囲で利用可能期間が満了した後もブース1への滞在を認めることができる。一方、利用可能期間が残っていて延長ができる状態下で残り時間RTが許容時間NG1を超えた場合には、通常どおりの退室誘導処理が実行される。
以上をもって、本発明の一実施例にかかる詳細な説明を終了し、以下、いくつかの変形例について簡単に説明する。
(1)延長保証期間について
上記実施例の設定では、利用者が選択した利用時間と延長保証期間とを合わせた時間より利用可能期間が長くなる場合、延長保証期間より後の時間帯に延長制限がかかる可能性があるが、利用可能期間の利用期間より後の範囲全体を延長保証期間にしてもよい。すなわち、利用時間の長さにかかわらず、利用可能期間が一定の長さに維持されることになる。こうすれば、利用者は延長制限を受ける心配なく、延長料金を支払うことを前提に、利用可能期間が終了するまで安心してブース1を利用することができる。
ただし、利用可能期間が終了するまで他の利用希望者を待たせることになるので、利用可能期間があまり長くならないようにする(1時間半~2時間程度)のが望ましい。また利用者が早期に退出した場合には、受付情報を利用終了(ステータス情報:2)とすることによって、残りの時間帯を空き状態として他の利用者が利用できるようにするのが望ましい。
(2)設定操作・料金支払いについて
図4に示したブース1の構成例では、ブース1の利用状況や予約状況などの情報を表示する目的でブース1の外部に液晶パネル19を設けたが、この液晶パネル19をタッチパネルに変更し、案内表示機能のほかに操作部としての機能も持たせても良い。または出入り口12の付近だがブース1から離れた場所に、受付専用の機器を配備してもよい。
たとえば、ブース1が利用されているとき、その利用にかかる必須終了時刻の終了後に基本セット時間ST以上の空き時間がある場合には、外部のタッチパネルや受付用の機器への操作によって、その空き時間に予約を入れられるようにすることができる。その場合には、管理サーバ2を介さずに、ブース内制御装置10が当日予約として上記の予約を受け付けることもできる。
利用の形態の選択や受付コードの入力など、図11の処理で受け付ける操作も、ブース1の外で行うようにしてもよい。特に 防犯のために未利用時のブース1を施錠する場合には、ブース1の利用が許可されるまでの操作はブース1の外部で受け付けるのが望ましい。一方、利用期間の設定の操作や料金の支払い操作は、延長のときの利用者の便宜を考えると、ブース1の内部で行えるようにするのが望ましい。
たとえば、ブース1の外で利用の形態の選択や受付コードの入力を受け付けて、利用可能と判定されたときに扉13を解錠して利用者を入室させ、利用時間の選択や料金の支払いをブース1内で行う、というスタイルが考えられる。
しかし、利用期間の設定の操作や料金の支払いを受け付けるための機器(タッチパネル、料金決済用装置など)をブース1の内部に設けることが必須の要件である、とまでは言えず、たとえば、これらをブース1の外部の扉の近傍に設けてもよい。
一方、コスト高になることをいとわないのであれば、ブース1の外とブース1内の双方に料金決済用装置を設け、利用開始前の操作や料金の支払いはブース1の外で行い、利用中の延長操作や料金の支払いはブース1の内部で受け付けるようにしてもよい。また、ブース1の利用者との整合性を確認できる仕組みが構築できるのであれば、利用者の手持ちの通信端末装置(スマートフォンなど)で設定操作や料金の支払いを行うことも可能である。
(3)遅刻利用を認める条件について
上記実施例では、後続の予約の利用予定期間と重ならずに基本時間T0以上の利用が可能であれば、遅刻利用を認めたが、遅刻利用の条件をより厳しくして、たとえば予定開始時刻から基本時間T0が経過した後は利用不可としてもよい。その場合でも、利用不可とした予約を強制キャンセルして、当日利用ができるようにすれば、基本利用時間T0を上回る大幅な遅刻をした予約者にも当日利用枠で対応することができる。また、予約者が現場に来ることがなかった場合には、他の人が当日利用枠で利用することもできる。
(4)その他の変形例
上記実施例では、ブース内制御装置10にも自装置の受付情報テーブルを保存し、受付情報を照合した処理を行う場合はこの受付情報テーブルを参照するようにしたが、これに代えて、受付情報は管理サーバ2のみに登録し、ブース内制御装置10が適宜管理サーバ2にアクセスして、受付情報を照合するようにしてもよい。
上記の実施例のブース1では、入退出時と妨害音を出力する場合を除き、殆ど音を出さないようにしたが、入室時の受付処理では、タッチパネル101での案内表示に合わせて、その表示に対応する音声案内を出力してもよい。また、受け付けのための情報入力手段はタッチパネル101に限らず、たとえば、受付コードの入力をキーボードにより行ってもよい。また音声入力を採用することもできる。
利用者にあらかじめユーザ登録をしてもらう必要はあるが、受付時の利用者が所持するスマートフォンなどの携帯通信端末を近距離無線によりブース内制御装置10に接続し、この携帯通信端末から受付処理に必要な情報を送信するようにしてもよい。
本発明による管理システムは、上記実施例のような事務作業用のブース1に限らず、会議室、自習室、楽器演奏などに用いる防音室、カラオケルーム、トレーニングルームなど、さまざまな目的に利用されるスペースの管理用システムに適用することができる。また管理対象のスペースは、完全な個室に限らず、半個室タイプあるいはオープンスペースの一画(たとえば机と椅子を含む空間)であってもよい。また有料の時間貸しシステムに限らず、一定の時間まで無料で利用させるスペースの利用を管理するためのシステムにも、同様の仕組みを導入することができる。
なお、管理システムが導入されるスペースの種類によっては、受付処理時の情報の案内は音声のみで行うようにしてもよい。
上記の実施例では、1回の利用期間に上限値Tmaxを設け、前倒し利用の場合も、Tmaxを超える長さの利用期間を設定することを禁じたが、管理対象のスペースの種類や利用目的によっては、Tmaxを超えるとしても、当初の予約による利用予定期間まで含む範囲まで前倒し利用を認めるようにしてもよい。
予約により定められたスケジュールどおりにスペースを利用させる従来型の管理システムにおいても、予約に基づく利用期間の後に一定の長さまたは一定の上限値までの延長保証期間を設けて、その延長保証期間まで利用期間を延長できるようにすれば、利用者は、時間不足に備えて予約の期間を長めに設定しなくとも、実際に時間が不足した場合に容易にその不足を解消することができ、利便性が大幅に高められる。延長保証期間が設けられない管理システムでも、本発明による前倒し利用を導入すれば、利用者は利用開始予定時刻まで待たずに予約に基づくスペースの利用を開始することができ、これも利便性が大幅に高められる。
SM 管理システム
1 ブース
2 管理サーバ
3 利用者の通信端末装置
10 ブース内制御装置
12 出入り口
100 制御部
101 タッチパネル
102 料金決済用装置
105 通信回路
106 電源回路

Claims (4)

  1. 予約の申し込みを受けて利用させることとした所定広さのスペースについて受け付けた予約毎に、その予約に固有の識別コードと当該予約による利用予定期間を表す情報とを含み、当該予約にかかるスペースの利用状況を表すフラグデータが紐付けられた受付情報を保存する記憶手段と、予約を済ませている利用者による当該予約の識別コードの入力を受け付けるための受付手段と、音声出力および表示の少なくとも一方によって前記識別コードを入力した利用者への通知を行う通知手段とを用いた情報処理によって、前記スペースの利用を管理する方法であって、
    前記受付手段が、前記スペースの利用前であることを示す値の前記フラグデータに紐付けられて前記記憶手段に保存されている識別コードの入力を受け付けたことに応じて、入力された識別コードにかかる受付情報中の利用予定期間と現在時刻とを照合し、
    前記の照合によって現在時刻が前記利用予定期間の開始前であると判明したとき、当該利用予定期間の開始までの時間長さがあらかじめ定めた上限値を超えていないという第1条件と、当該利用予定期間の開始までの間に利用予定期間が含まれる他の予約の受付情報が前記記憶手段に保存されていないという第2条件とが満たされるかどうかを判定し、
    前記の判定において第1条件および第2条件の双方が満たされているという判定結果が得られたことを条件として、前記入力された識別コードにかかる予約の対象スペースの前倒し利用が可能であることを前記通知手段により利用者に通知すると共に前記フラグデータを前記スペースが利用中であることを示す値に変更し、
    前記の判定において第1条件は満たさないが第2条件は満たしているという判定結果が得られた場合に、前記入力された識別コードにかかる予約の対象スペースについて現在時刻から利用予定期間までの間に入る所定長さの期間を対象にした即時利用が可能であることを前記通知手段により利用者に通知し、この通知から即時利用が可能な時間より短い所定時間以内に前記受付手段が当該即時利用の申し込みを受け付けたことに応じて、当該スペースが利用中であることを示す値のフラグデータに紐付けられた新たな識別コードを前記記憶手段に保存する、
    ことを特徴とする時間貸しスペースの管理方法。
  2. 前記受付手段が前記即時利用の申し込みを受け付けたことに応じて、前記通知手段により前記入力された識別コードにかかる予約をキャンセルするかどうかを確認する通知を行うと共に、前記受付手段により当該予約をキャンセルするかどうかの利用者による選択を受け付ける、請求項1に記載された時間貸しスペースの管理方法。
  3. 前記の照合によって現在時刻が照合対象の利用予定期間に含まれていることが判明したとき、前記上限値より短い一定長さの時間内に利用予定期間が開始される後続の予約の受付情報が前記記憶手段に保存されているか否かを判定し、該当する受付情報は保存されていないという判定結果が得られたことを条件として、前記一定長さ以上で前記上限値を超えない所定長さの利用可能期間を設定して、この利用可能期間内で前記入力された識別コードにかかる予約の対象スペースの利用が可能であることを前記通知手段により利用者に通知すると共に、前記フラグデータを前記スペースが利用中であることを示す値に変更する、請求項1に記載された時間貸しブースの管理方法。
  4. 所定広さのスペースを予約の申し込みを受けて利用させることとして、その利用を管理するためのシステムであって、
    受け付けた予約に固有の識別コードと当該予約による利用予定期間を表す情報とを含み、当該予約にかかるスペースの利用状況を表すフラグデータが紐付けられた受付情報を予約毎に保存する記憶手段と、
    予約を済ませている利用者による当該予約の識別コードの入力を受け付けるための受付手段と、
    前記受付手段が受け付けた識別コードにより前記記憶手段を検索して、当該識別コードにかかる予約の対象スペースの利用を許可するか否かを決定する利用管理手段と、
    前記識別コードを入力した利用者に前記利用管理手段による決定の内容を音声出力および表示の少なくとも一方によって通知する通知手段とを備え、
    前記利用管理手段は、
    前記受付手段が、前記スペースの利用前であることを示す値の前記フラグデータに紐付けられて前記記憶手段に保存されている識別コードの入力を受け付けたことに応じて、当該識別コードにかかる受付情報中の利用予定期間と現在時刻とを照合する照合手段と、
    前記照合手段の照合によって現在時刻が利用予定期間の開始前であることが判明したとき、当該利用予定期間の開始までの時間長さがあらかじめ定めた上限値を超えていないという第1条件と、当該利用予定期間の開始までの間に利用予定期間が含まれる他の予約の受付情報が前記記憶手段に保存されていないという第2条件とが満たされるかどうかを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記第1条件および第2条件の双方が満たされるという判定結果が得られたことを条件として、前記入力された識別コードにかかる予約の対象スペースの前倒し利用が可能であることを前記通知手段に通知させると共に、前記フラグデータを前記スペースが利用中であることを示す値に変更する前倒し利用設定手段と、
    前記判定手段により第1条件は満たさないが第2条件は満たしているという判定結果が得られたことに応じて、前記入力された識別コードにかかる予約の対象スペースについて現在時刻から利用予定期間までの間に入る所定長さの期間を対象にした即時利用が可能であることを前記通知手段に通知させ、この通知から即時利用が可能な時間より短い所定時間以内に前記受付手段が当該即時利用の申し込みを受け付けたことに応じて、当該スペースが利用中であることを示す値のフラグデータに紐付けられた新たな識別コードを前記記憶手段に保存する即時利用設定手段とを具備する、
    ことを特徴とする時間貸しスペースの管理システム。
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