JP7526386B2 - 車両用照明装置、および車両用灯具 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、車両用照明装置、および車両用灯具に関する。
省エネルギー化や長寿命化などの観点から、フィラメントを備えた車両用照明装置に代えて発光ダイオードを備えた車両用照明装置の普及が進んでいる。
また、近年においては、発光モジュールの小型化が望まれている。そのため、チップ状の発光ダイオードと、チップ状の発光ダイオードを囲む枠部と、枠部の内側に設けられ、チップ状の発光ダイオードを覆う封止部と、封止部の上に設けられた光学要素と、を有する発光モジュールが提案されている。
このような発光モジュールを製造する際には、枠部の内側に透光性を有する樹脂を充填し、樹脂の上に光学要素を載置し、樹脂を加熱することで硬化させて、封止部の形成、および光学要素の接合を行っている。
そのため、樹脂を加熱して硬化させる際に熱応力が発生する。また、発光ダイオードを点灯させると熱が発生するので、封止部が加熱されて熱応力が発生する。車両用照明装置の場合には、点灯と消灯が繰り返し行われるので、熱応力が繰り返し発生する。
ここで、封止部の、基板側とは反対側の端面の周縁近傍は、枠部の内側面と光学要素とが交差している部分に設けられる。そのため、封止部の、基板側とは反対側の端面の周縁は、尖った角となるため、応力集中が生じ易くなる。応力集中が生じると、発光モジュールを製造する際、あるいは、車両用照明装置の使用中に、枠部の、基板側とは反対側の開口の縁の近傍において、封止部にクラックや剥離などの損傷が発生する場合がある。封止部に損傷が発生すると、光学特性が変化するおそれがある。
そこで、封止部に損傷が発生するのを抑制することができる技術の開発が望まれていた。
特開2016-195099号公報
本発明が解決しようとする課題は、封止部に損傷が発生するのを抑制することができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
実施形態に係る車両用照明装置は、ソケットと;前記ソケットの一方の端部側に設けられた基板と;前記基板の上に設けられた少なくとも1つの発光素子と;筒状を呈し、前記基板の上に設けられ、前記発光素子を囲む枠部と;前記枠部の内側に設けられ、樹脂を含む封止部と;前記封止部の上に設けられた光学要素と;を具備している。前記枠部は、前記基板側とは反対側の開口の縁に設けられた傾斜面を有している。前記傾斜面は、前記枠部の、前記基板側とは反対側の端面と、前記枠部の内側面と、に交差している。前記基板の、前記枠部が設けられる面に垂直な方向において、前記基板と、前記傾斜面との間の距離は、前記枠部の外側になるに従い小さくなっている。
本発明の実施形態によれば、封止部に損傷が発生するのを抑制することができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することができる。
本実施の形態に係る車両用照明装置を例示するための模式斜視図である。 図1における車両用照明装置のA-A線断面図である。 比較例に係る枠部を例示するための模式断面図である。 本実施の形態に係る枠部を例示するための模式断面図である。 (a)~(c)は、他の実施形態に係る傾斜面を例示するための模式断面図である。 車両用灯具を例示するための模式部分断面図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(車両用照明装置)
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車や鉄道車両などに設けることができる。自動車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、フロントコンビネーションライト(例えば、デイライトランニングランプ(DRL;Daylight Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2は、図1における車両用照明装置1のA-A線断面図である。
図1および図2に示すように、車両用照明装置1には、例えば、ソケット10、発光モジュール20、給電部30、および伝熱部40を設けることができる。
ソケット10は、例えば、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15を有する。
装着部11は、フランジ13の、放熱フィン14が設けられる側とは反対側の面に設けられている。装着部11の外形形状は、柱状とすることができる。装着部11の外形形状は、例えば、円柱状である。装着部11は、フランジ13側とは反対側の端面に開口する凹部11aを有する。
バヨネット12は、装着部11の外側面に設けられている。バヨネット12は、車両用照明装置1の外側に向けて突出している。バヨネット12は、フランジ13と対峙している。バヨネット12は、複数設けられている。バヨネット12は、車両用照明装置1を車両用灯具100の筐体101に装着する際に用いることができる。バヨネット12は、ツイストロックに用いることができる。
フランジ13は、板状を呈している。フランジ13は、例えば、円板状を呈している。フランジ13の外側面は、バヨネット12の外側面よりも車両用照明装置1の外方に位置している。
放熱フィン14は、フランジ13の、装着部11側とは反対側に設けられている。放熱フィン14は、少なくとも1つ設けることができる。図1および図2に例示をしたソケット10には複数の放熱フィンが設けられている。複数の放熱フィン14は、所定の方向に並べて設けることができる。放熱フィン14は、板状を呈したものとすることができる。
コネクタホルダ15は、フランジ13の、装着部11側とは反対側に設けられている。コネクタホルダ15は、放熱フィン14と並べて設けることができる。コネクタホルダ15は、フランジ13の周縁近傍に設けることができる。コネクタホルダ15は、筒状を呈し、内部にシール部材105aを有するコネクタ105を挿入することができる。
ソケット10は、発光モジュール20、および給電部30を保持する機能と、発光モジュール20において発生した熱を外部に伝える機能を有する。そのため、ソケット10は、熱伝導率の高い材料から形成するのが好ましい。例えば、ソケット10は、アルミニウム合金などの金属から形成することができる。
また、近年においては、ソケット10は、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができ、且つ、軽量であることが望まれている。そのため、ソケット10は、例えば、高熱伝導性樹脂から形成することが好ましい。高熱伝導性樹脂は、例えば、樹脂と。無機材料を用いたフィラーと、を含む。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、炭素や酸化アルミニウムなどを用いたフィラーを混合させたものである。
高熱伝導性樹脂を含み、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15が一体に成形されたソケット10とすれば、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができる。また、ソケット10の重量を軽くすることができる。この場合、装着部11、バヨネット12、フランジ13、放熱フィン14、およびコネクタホルダ15は、射出成形法などを用いて、一体成形することができる。また、インサート成形法などを用いて、ソケット10と給電部30を一体成形することもできる。
給電部30は、例えば、複数の給電端子31および保持部32を有する。
複数の給電端子31は、棒状体とすることができる。複数の給電端子31は、所定の方向に並べて設けることができる。複数の給電端子31の一方の端部は、凹部11aの底面11a1から突出している。複数の給電端子31の一方の端部は、基板21に設けられた配線パターン21aと半田付けされる。複数の給電端子31の他方の端部は、コネクタホルダ15の孔の内部に露出している。コネクタホルダ15の孔の内部に露出する複数の給電端子31には、コネクタ105が嵌め合わされる。複数の給電端子31は、例えば、銅合金などの金属から形成される。なお、複数の給電端子31の形状、配置、材料、数などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
前述したように、ソケット10は熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。ところが、熱伝導率の高い材料は導電性を有している場合がある。例えば、アルミニウム合金などの金属や、炭素からなるフィラーを含む高熱伝導性樹脂などは、導電性を有している。そのため、保持部32は、複数の給電端子31と、導電性を有するソケット10との間を絶縁するために設けられている。また、保持部32は、複数の給電端子31を保持する機能をも有する。なお、ソケット10が絶縁性を有する高熱伝導性樹脂(例えば、酸化アルミニウムからなるフィラーを含む高熱伝導性樹脂など)から形成される場合には、保持部32を省くことができる。この場合、ソケット10が複数の給電端子31を保持する。保持部32は、絶縁性を有する樹脂から形成することができる。保持部32は、例えば、ソケット10に設けられた孔10aに圧入したり、孔10aの内壁に接着したりすることができる。
伝熱部40は、例えば、ソケット10と、発光モジュール20(基板21)との間に設けられる。伝熱部40は、例えば、板状を呈している。伝熱部40は、例えば、凹部11aの底面11a1に接着することができる。この場合、接着剤は、熱伝導率の高い接着剤とすることが好ましい。接着剤は、例えば、無機材料を用いたフィラーが混合された接着剤とすることができる。無機材料は、熱伝導率の高い材料(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス)とすることが好ましい。接着剤の熱伝導率は、例えば、0.5W/(m・K)以上、10W/(m・K)以下とすることができる。
また、伝熱部40は、熱伝導グリス(放熱グリス)からなる層を介して、凹部11aの底面11a1に取り付けることもできる。熱伝導グリスの種類には特に限定はないが、例えば、変性シリコーンに、熱伝導率の高い材料(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス)を用いたフィラーが混合されたものとすることができる。熱伝導グリスの熱伝導率は、例えば、1W/(m・K)以上、5W/(m・K)以下とすることができる。
また、伝熱部40は、インサート成形法により、凹部11aの底面11a1に埋め込むこともできる。また、伝熱部40は、凹部11aの底面11a1に開口する凹部の内部に、熱伝導率の高い接着剤を用いて接着したり、熱伝導グリスからなる層を介して取り付けたりすることもできる。
伝熱部40は、発光モジュール20において発生した熱が、ソケット10に伝わりやすくするために設けられる。そのため、伝熱部40は、熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。伝熱部40は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などの金属から形成することができる。
なお、ソケット10が金属から形成されたり、発光モジュール20において発生する熱が少ない場合などには、伝熱部40を省くこともできる。
図1および図2に示すように、発光モジュール20は、例えば、基板21、発光素子22、枠部23、封止部24、回路部品25、および光学要素26を有する。
基板21は、ソケット10の一方の端部側に設けられている。基板21は、例えば、伝熱部40の上に接着することができる。この場合、接着剤は、熱伝導率の高い接着剤とすることが好ましい。接着剤は、例えば、前述した、伝熱部40と凹部11aの底面11a1とを接着する接着剤と同じとすることができる。
基板21は、板状を呈している。基板21の平面形状は、例えば、四角形である。基板21は、例えば、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したメタルコア基板であってもよい。発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、メタルコア基板などを例示することができる。基板21は、単層構造を有するものであってもよいし、多層構造を有するものであってもよい。
また、基板21の表面には、配線パターン21aが設けられている。配線パターン21aは、例えば、銀を主成分とする材料や、銅を主成分とする材料などから形成することができる。
また、配線パターン21aや、後述する膜状の抵抗器などを覆う被覆部を設けることもできる。被覆部は、例えば、ガラス材料を含むことができる。
発光素子22は、基板21の上に設けられている。発光素子22は、基板21の、伝熱部40側とは反対側に設けられている。発光素子22は、配線パターン21aと電気的に接続される。発光素子22は、少なくとも1つ設けることができる。複数の発光素子22を設ける場合には、複数の発光素子22を直列接続することができる。
発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子22は、例えば、チップ状の発光素子とすることができる。チップ状の発光素子22は、例えば、上部電極型の発光素子、上下電極型(両面電極型)の発光素子、フリップチップ型(下部電極型)の発光素子などとすることができる。図1に例示をした発光素子22は、上下電極型の発光素子である。上部電極型の発光素子の電極、または上下電極型の発光素子の上部電極は、配線21bにより配線パターン21aと電気的に接続することができる。この場合、配線21bは、例えば、ワイヤーボンディング法により接続することができる。なお、電極は、線状電極であってもよいし、パッド電極であってもよい。フリップチップ型の発光素子22は、配線パターン21aに直接実装することができる。
なお、発光素子22の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
枠部23は、基板21の、伝熱部40側とは反対側に設けられている。枠部23は、基板21の上に接着されている。枠部23は、発光素子22を囲んでいる。枠部23は、樹脂から形成することができる。樹脂は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、PET、ナイロン(Nylon)、PP(polypropylene)、PE(polyethylene)、PS(polystyrene)などの熱可塑性樹脂とすることができる。
枠部23は、封止部24の形成範囲を規定する機能と、リフレクタの機能とを有することができる。そのため、枠部23は、反射率を向上させるために、酸化チタンの粒子などを含んでいたり、白色の樹脂を含んでいたりすることができる。
ここで、枠部23の内側面は傾斜面とすることもできる。例えば、枠部23の内側面は、基板21から離れるに従い枠部23の中心軸から離れる方向に傾斜させることができる。枠部23の内側面が傾斜していれば、発光素子22から出射し、枠部23の内側面に入射した光を、車両用照明装置1の正面側に反射させることができる。
しかしながら、枠部23の内側面の傾斜角度が大きくなれば、枠部23の外径寸法が大きくなるので、発光モジュール20の小型化、ひいては、車両用照明装置1の小型化を図るのが難しくなる。そのため、発光モジュール20の小型化を考慮すると、枠部23の内側面と、車両用照明装置1の中心軸1aとの間の角度を30°以下とすることが好ましい。
なお、枠部23の構成に関する詳細は後述する。
封止部24は、枠部23の内側に設けることができる。封止部24は、枠部23により囲まれた領域を覆うように設けることができる。封止部24は、発光素子22を覆うように設けることができる。封止部24は、透光性を有する樹脂を含むことができる。封止部24は、例えば、枠部23の内側に樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどを用いて行うことができる。充填する樹脂は、例えば、シリコーン樹脂などとすることができる。
また、封止部24には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)などとすることができる。ただし、蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所定の発光色が得られるように適宜変更することができる。
回路部品25は、例えば、枠部23の周辺に設けられ、配線パターン21aと電気的に接続される。
図1に示すように、回路部品25は、例えば、抵抗25a、および制御素子25bとすることができる。
抵抗25aは、基板21の、伝熱部40側とは反対側に設けることができる。抵抗25aは、配線パターン21aと電気的に接続される。抵抗25aは、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。なお、図1に例示をした抵抗25aは、膜状の抵抗器である。
膜状の抵抗器の材料は、例えば、酸化ルテニウム(RuO)である。膜状の抵抗器は、例えば、スクリーン印刷法および焼成法を用いて形成される。抵抗25aが膜状の抵抗器であれば、抵抗25aと基板21との接触面積を大きくすることができるので、放熱性を向上させることができる。また、複数の抵抗25aを一度に形成することができる。そのため、生産性を向上させることができる。また、複数の抵抗25aにおける抵抗値のばらつきを抑制することができる。
ここで、発光素子22の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子とグランド端子との間の印加電圧を一定にすると、発光素子22から照射される光の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22から照射される光の明るさが所定の範囲内に収まるように、発光素子22に直列接続された抵抗25aにより、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。この場合、抵抗25aの抵抗値を変化させることで、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。
抵抗25aが表面実装型の抵抗器やリード線を有する抵抗器などの場合には、発光素子22の順方向電圧特性に応じて適切な抵抗値を有する抵抗25aを選択する。抵抗25aが膜状の抵抗器の場合には、抵抗25aの一部を除去すれば、抵抗値を増加させることができる。例えば、膜状の抵抗器にレーザ光を照射すれば、膜状の抵抗器の一部を容易に除去することができる。なお、抵抗25aの数、大きさなどは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
制御素子25bは、基板21の、伝熱部40側とは反対側に設けることができる。制御素子25bは、配線パターン21aと電気的に接続される。制御素子25bは、例えば、逆方向電圧が発光素子22に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22に印加されないようにするために設けることができる。制御素子25bは、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどである。図1に例示をした制御素子25bは、表面実装型のダイオードである。
なお、回路部品25は例示をしたものに限定されるわけではない。例えば、回路部品25は、発光素子22を有する発光回路を構成するために用いられる受動素子または能動素子とすることができる。例えば、回路部品25は、前述したものの他に、コンデンサ、プルダウン抵抗、正特性サーミスタ、負特性サーミスタ、インダクタ、サージアブソーバ、バリスタ、FETやバイポーラトランジスタなどのトランジスタ、ツェナーダイオード、集積回路、演算素子などであってもよい。集積回路は、例えば、点滅回路、定電流回路、点灯回路(駆動回路)の少なくともいずれかを備えたものとすることができる。
また、回路部品25は、例えば、車両用照明装置1の外部に設けられた制御装置や電源などに設けることもできる。そのため、回路部品25は、必要に応じて設けるようにすればよい。
図2に示すように、光学要素26は、封止部24の上に設けられる。光学要素26は、封止部24の上端面24a(封止部24の、基板21側とは反対側の端面)、および、枠部23の上端面23a(枠部23の、基板21側とは反対側の端面)、の少なくともいずれかに接合することができる。例えば、枠部23の内側に充填した樹脂を硬化させることで、光学要素26を、封止部24の上端面24a、および、枠部23の上端面23a、の少なくともいずれかに接合することができる。
なお、本明細書においては、基板21側となる端部を下端と呼び、基板21側とは反対側となる端部を上端と呼んでいる。
光学要素26は、例えば、発光素子22から出射した光の拡散、集光などを行う。図2に例示をした光学要素26は、凸レンズである。凸レンズである光学要素26は、光を集光して、所定の配光特性が得られるようにする。なお、光学要素26は、凸レンズに限定されるわけではなく、例えば、凹レンズなどであってもよい。
光学要素26は、透光性材料から形成することができる。光学要素26は、例えば、シリコーン樹脂などの透光性樹脂、ガラスなどから形成することができる。光学要素26は、例えば、モールド成形法などにより形成することができる。
ここで、発光モジュール20を製造する際には、枠部23の内側に透光性を有する樹脂を充填し、樹脂の上に光学要素26を載置し、樹脂を加熱することで硬化させて、封止部24の形成、および光学要素26の接合を行っている。枠部23の材料、光学要素26の材料、および封止部24の材料は異なるので、樹脂を加熱して硬化させる際に熱応力が発生する。また、発光素子22を点灯させると熱が発生するので、封止部24が加熱されて熱応力が発生する。車両用照明装置1の場合には、点灯と消灯が繰り返し行われるので、熱応力が繰り返し発生することになる。
図3は、比較例に係る枠部123を例示するための模式断面図である。
図3に示すように、枠部123は、筒状を呈している。枠部123の上端面123aと内側面123bは、直交している。また、枠部123の上端面123aには、光学要素26が接合されている。そのため、図3中のB部に示すように、封止部24の上端面24aの周縁は、尖った角になるので、熱応力が発生した際に応力集中が生じ易くなる。発光モジュールを製造する際、あるいは、車両用照明装置の使用中などに、封止部24の上端面24aの周縁近傍において応力集中が生じると、上端面24aの周縁近傍にクラックや剥離などの損傷が発生する場合がある。クラックや剥離などの損傷が発生すると、空気などの気体を含む層やボイド(気泡)などが発生する場合がある。気体を含む層やボイドなどがあると、発光素子22から出射した光が、気体を含む層やボイドなどの界面において反射され、光の取り出し効率などの光学特性が変化するおそれがある。
図4は、本実施の形態に係る枠部23を例示するための模式断面図である。
図4に示すように、枠部23の形状は、筒状とすることができる。なお、図1に例示をした枠部23の形状は、円筒状である。
枠部23は、上端面23a、上端面23aに対向する下端面23d、内側面23b、および、内側面23bに対向する外側面23cを有する。例えば、下端面23dは、上端面23aと略平行とすることができる。下端面23dは、例えば、基板21に接着することができる。
枠部23の内側面23bと外側面23cとの間の距離(肉厚)T(mm)は、0.6mm以下とすることが好ましい。Tが0.6mm以下であれば、発光モジュール20の小型化を図ることができる。また、枠部23の剛性が極端に小さくなることがないので、発光モジュールを製造する際、あるいは、車両用照明装置の使用中などに、枠部23が破損するのを抑制することができる。
また、図4中のC部に示すように、枠部23は、傾斜面23eをさらに有している。例えば、枠部23は、基板21側とは反対側の開口の縁に設けられた傾斜面23eを有している。例えば、傾斜面23eは、上端面23aおよび内側面23bと交差している。例えば、傾斜面23eの一方の端部は、上端面23aと接続されている。例えば、傾斜面23eの他方の端部は、内側面23bと接続されている。
基板21の、枠部23が設けられる面に垂直な方向において、光学要素26と、傾斜面23eとの間の距離は、枠部23の外側になるに従い小さくなっている。封止部24の、上端面24a(基板21側とは反対側の端面)の周縁近傍は、傾斜面23eと、光学要素26と、の間に設けられている。そのため、傾斜面23eと光学要素26との間に設けられた封止部24の、基板21に垂直な方向における寸法が徐々に小さくなる。すなわち、封止部24の、上端面24aの周縁近傍における厚みが、急激に小さくなるの抑制することができる。
そのため、熱応力が発生した際に応力集中が生じるのを抑制することができるので、上端面24aの周縁近傍にクラックや剥離などの損傷が発生するのを抑制することができる。つまり、枠部23の、基板21側とは反対側の開口の縁の近傍において、封止部24に損傷が発生するのを抑制することができる。
本発明者の得た知見によれば、図4に示すように、基板21の、枠部23が設けられる面に平行な方向において、傾斜面23eの内側の端部と、傾斜面23eの外側の端部と、の間の距離L1(mm)を、0.2mm以上、0.5mm以下とすることが好ましい。基板21の、枠部23が設けられる面に垂直な方向において、傾斜面23eの、基板21に近い側の端部と、傾斜面23eの、基板21に遠い側の端部と、の間の距離L2(mm)を、0.2mm以上、0.5mm以下とすることが好ましい。この様にすれば、封止部24に損傷が発生するのを、さらに効果的に抑制することができる。
図5(a)~(c)は、他の実施形態に係る傾斜面を例示するための模式断面図である。
図4に例示をした、傾斜面23eは、平坦な面とすることができる。これに対して、図5(a)に例示をした傾斜面23e1は、凸状の曲面することができる。この場合、基板21の、枠部23が設けられる面に平行な方向において、傾斜面23e1の内側の端部と、傾斜面23e1の外側の端部と、の間の距離L3(mm)を、0.2mm以上、0.5mm以下とすることが好ましい。基板21の、枠部23が設けられる面に垂直な方向において、傾斜面23e1の、基板21に近い側の端部と、傾斜面23e1の、基板21に遠い側の端部と、の間の距離L4(mm)を、0.2mm以上、0.5mm以下とすることが好ましい。
また、図5(b)に例示をした傾斜面23e2は、凹状の曲面することができる。この場合、基板21の、枠部23が設けられる面に平行な方向において、傾斜面23e2の内側の端部と、傾斜面23e2の外側の端部と、の間の距離L5(mm)を、0.2mm以上、0.5mm以下とすることが好ましい。基板21の、枠部23が設けられる面に垂直な方向において、傾斜面23e2の、基板21に近い側の端部と、傾斜面23e2の、基板21に遠い側の端部と、の間の距離L6(mm)を、0.2mm以上、0.5mm以下とすることが好ましい。
また、図5(c)に示すように、上端面23aに代えて、傾斜面23e3を設けることもできる。この場合、傾斜面23e3の一方の端部は、外側面23cと接続されている。傾斜面23eの他方の端部は、内側面23bと接続されている。この場合、基板21の、枠部23が設けられる面に垂直な方向において、傾斜面23e3の、基板21に近い側の端部と、傾斜面23e3の、基板21に遠い側の端部と、の間の距離L7(mm)を、0.2mm以上、0.5mm以下とすることが好ましい。なお、図5(c)においては、傾斜面23e3を平坦な面としたが、傾斜面23e3は、凸状の曲面としたり、凹状の曲面としたりすることもできる。
また、以上に例示をした傾斜面の形態を組み合わせてもよい。
すなわち、傾斜面は、平坦な面、凸状の曲面、および凹状の曲面の少なくともいずれかを含んでいればよい。
以上に説明した傾斜面としても、封止部24の、上端面24aの周縁近傍における厚みが、急激に小さくなるの抑制することができる。そのため、前述した傾斜面23eと同様の効果を享受することができる。
(車両用灯具)
次に、車両用灯具100について例示する。
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
図6は、車両用灯具100を例示するための模式部分断面図である。
図6に示すように、車両用灯具100には、例えば、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素部103、シール部材104、およびコネクタ105が設けられている。
筐体101には車両用照明装置1が取り付けられる。筐体101は、装着部11を保持する。筐体101は、一方の端部側が開口した箱状を呈している。筐体101は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成することができる。筐体101の底面には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分が挿入される取付孔101aが設けられている。取付孔101aの周縁には、装着部11に設けられたバヨネット12が挿入される凹部が設けられている。なお、筐体101に取付孔101aが直接設けられる場合を例示したが、取付孔101aを有する取付部材が筐体101に設けられていてもよい。
車両用照明装置1を車両用灯具100に取り付ける際には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分を取付孔101aに挿入し、車両用照明装置1を回転させる。すると、取付孔101aの周縁に設けられた嵌合部にバヨネット12が保持される。この様な取り付け方法は、ツイストロックと呼ばれている。
カバー102は、筐体101の開口を塞ぐように設けられている。カバー102は、透光性を有する樹脂などから形成することができる。カバー102は、レンズなどの機能を有することもできる。
光学要素部103には、車両用照明装置1から出射した光が入射する。光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光の反射、拡散、導光、集光、所定の配光パターンの形成などを行う。例えば、図6に例示をした光学要素部103はリフレクタである。この場合、光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンが形成されるようにする。
シール部材104は、フランジ13と筐体101の間に設けられている。シール部材104は、環状を呈するものとすることができる。シール部材104は、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。
コネクタ105は、コネクタホルダ15の内部に露出している複数の給電端子31の端部に嵌め合わされる。コネクタ105は、電源などと電気的に接続されている。また、コネクタ105には、環状を呈するシール部材105aが設けられている。コネクタ105がコネクタホルダ15の内部に挿入された際に、シール部材105aによりコネクタホルダ15の内部が、水密となるように密閉される。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 車両用照明装置、10 ソケット、20 発光モジュール、21 基板、22 発光素子、23 枠部、23a 上端面、23b 内側面、23c 外側面、23d 下端面、23e 傾斜面、23e1~23e3 傾斜面、24 封止部、24a 上端面、26 光学要素、100 車両用灯具、101 筐体

Claims (5)

  1. ソケットと;
    前記ソケットの一方の端部側に設けられた基板と;
    前記基板の上に設けられた少なくとも1つの発光素子と;
    筒状を呈し、前記基板の上に設けられ、前記発光素子を囲む枠部と;
    前記枠部の内側に設けられ、樹脂を含む封止部と;
    前記封止部の上に設けられた光学要素と;
    を具備し、
    前記枠部は、前記基板側とは反対側の開口の縁に設けられた傾斜面を有し、
    前記傾斜面は、前記枠部の、前記基板側とは反対側の端面と、前記枠部の内側面と、に交差し、
    前記基板の、前記枠部が設けられる面に垂直な方向において、前記光学要素と、前記傾斜面との間の距離は、前記枠部の外側になるに従い小さくなっている車両用照明装置。
  2. 前記傾斜面は、平坦な面、凸状の曲面、および凹状の曲面の少なくともいずれかを含む請求項1記載の車両用照明装置。
  3. 前記封止部の、前記基板側とは反対側の端面の周縁近傍は、前記傾斜面と、前記光学要素と、の間に設けられている請求項1または2に記載の車両用照明装置。
  4. 前記基板の、前記枠部が設けられる面に垂直な方向において、
    前記傾斜面の、前記基板に近い側の端部と、前記傾斜面の、前記基板に遠い側の端部と、の間の距離は、0.2mm以上、0.5mm以下である請求項1~3のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
    前記車両用照明装置が取り付けられる筐体と;
    を具備した車両用灯具。
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