JP7524080B2 - 延長カテーテル、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、延長カテーテル、及びその製造方法に関する。
狭心症や心筋梗塞等の虚血性心疾患に対して、ステントやバルーン等の血管内治療用器具を用いて心臓の冠動脈の狭窄部を拡張し、血流を増加させる経皮的冠動脈形成術(PCI)が行われている。この際、一般に筒状のガイディングカテーテルの先端を冠動脈の入口に挿入して留置した後、ガイディングカテーテル内を通じて血管内治療機器を送達することにより、血管内治療機器の冠動脈末梢側への挿入性を高めていた。しかしバックアップ力が小さく上記留置が不安定である場合には、ガイディングカテーテルの先端が冠動脈の入口から外れてしまうことがあった。その場合、ガイディングカテーテル内に径が小さい延長カテーテルを挿入して、ガイディングカテーテルの遠位側の開口から突出させることによりバックアップ力を向上させていた。
このような延長カテーテルは種々知られており、例えば特許文献1の延長部分を含む近位部材と、延長部分に取り付けられているカラー部材と、カラー部材に取り付けられている遠位シース部材とを有するガイド延長カテーテルが知られている。その他に、特許文献2の溝が形成されている第1の面とその反対側の第2の面を有する部分を含むプッシュ部材と、プッシュ部材に隣接して通路を有する遠位シャフトとを備えるガイド延長カテーテルが知られている。また特許文献3の先端側部分を構成するディスタルシャフトと、基端側部分を構成するプロキシマルシャフトとを備え、プロキシマルシャフトは、ディスタルシャフトの基端側部分に変性ポリオレフィン系接着剤によって接続されているサポートカテーテルが知られている。更に、特許文献4のガイドワイヤレールセグメントを利用することによってガイドカテーテル内を通じて送達することが可能な同軸ガイドカテーテルや、特許文献5の先端シースと、基端シャフトと、基端シャフトに先端シースを固定する結合部材と、を備えるガイドエクステンションカテーテルが知られている。
国際公開第2018/075700号 国際公開第2017/214209号 国際公開第2018/030075号 米国特許第8292850号 特表2015-523186号公報
従来、ステントやバルーン等の血管内治療用器具は、動脈内において、延長カテーテルの近位側の開口部から延長カテーテル内に挿入されていたが、血管内治療用器具を延長カテーテル内に挿入し難い場合があった。本発明は上記の様な問題に着目してなされたものであって、その目的は、血管内治療用器具を挿入し易い延長カテーテル、及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る延長カテーテル、及びその製造方法は、以下の通りである。
[1]筒状カテーテル内に挿入し、上記筒状カテーテルの遠位側の開口から突出可能な延長カテーテルであって、
筒状部と、上記筒状部よりも近位側に位置する第1テーパ部と、上記第1テーパ部よりも近位側に位置する第2テーパ部を備え、
上記第1テーパ部は外側面と第1テーパ面とを有し、
上記第2テーパ部は外側面と第2テーパ面とを有しており、
下記式(1)、(2)を満たすことを特徴とする延長カテーテル。
90°≦θ≦145° ・・・(1)
120°≦θ≦175° ・・・(2)
[式中、θは、上記第1テーパ面と、上記筒状部の軸方向とのなす角度を示す。θは、上記第2テーパ面と上記軸方向とのなす角度を示す。]
[2]下記式(3)を満たすものである[1]に記載の延長カテーテル。
θ<θ ・・・(3)
[式中、θ、θは、前と同じ意味である。]
[3]下記式(4)を満たすものである[1]または[2]に記載の延長カテーテル。
T≦H≦H・・・(4)
[式中、Tは、上記第1テーパ部の遠位端における上記筒状部の厚さ(mm)を示す。Hは、上記第1テーパ面の上記筒状部の中心軸に最も近い点と最も遠い点との径方向の長さ(mm)を示す。Hは、上記第2テーパ面の上記筒状部の中心軸に最も近い点と最も遠い点との径方向の長さ(mm)を示す。]
[4]下記式(5)を満たすものである[1]~[3]のいずれかに記載の延長カテーテル。
0.3D≦D ・・・(5)
[式中、Dは、上記第1テーパ部の遠位端における上記筒状部の外径(mm)を示す。Dは、上記第2テーパ部の近位端における径方向の長さを示す。]
[5]更に上記第2テーパ部よりも近位側に位置する第3テーパ部を備え、
上記第3テーパ部は外側面と第3テーパ面とを有し、
下記式(6)を満たすものである[1]~[4]のいずれかに記載の延長カテーテル。
-5°≦θ≦5°・・・(6)
[式中、θは、上記第3テーパ面と上記軸方向とのなす角度を示す。]
[6]上記筒状部には補強層が設けられており、
下記式(7)を満たすものである[1]~[5]のいずれかに記載の延長カテーテル。
D≦L≦3D・・・(7)
[式中、Dは、上記第1テーパ部の遠位端における上記筒状部の外径(mm)を示す。Lは、上記補強層の近位端から上記第1テーパ部の遠位端までの上記軸方向の長さ(mm)を示す。]
[7]筒状部材に切り込みを入れて第1テーパ面を形成する工程、及び
上記第1テーパ面よりも近位側から遠位側に向かって切り込みを入れて第2テーパ面を形成する工程、
を含むことを特徴とする延長カテーテルの製造方法。
本発明は、上記構成により、血管内治療用器具を挿入し易い延長カテーテル、及びその製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る延長カテーテルの側面図である。 図2は、図1のR部分の軸方向断面図である。 図3Aは、延長カテーテルの側面図である。 図3Bは、延長カテーテルの一部を屈曲させたときの側面図である。 図3Cは、本発明の実施の形態に係る延長カテーテルの側面図である。 図3Dは、本発明の実施の形態に係る延長カテーテルの一部を屈曲させたときの側面図である。 図4は、図1のIV-IV断面図を示す。 図5は、図1のV-V断面図を示す。 図6は、図1のVI-VI断面図を示す。 図7は、図1のVII-VII断面図を示す。 図8は、本発明の実施の形態に係る延長カテーテルを筒状カテーテル内に挿入して筒状カテーテルの遠位側の開口から突出させたときの状態を示す図である。
以下では、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
まず図1~8を参照して、本発明の実施の形態に係る延長カテーテルについて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る延長カテーテルの側面図を示す。図2は、図1のR部分の軸方向断面図である。図3Aは、延長カテーテルの側面図である。図3Bは、延長カテーテルの一部を屈曲させたときの側面図である。図3Cは、本発明の実施の形態に係る延長カテーテルの側面図である。図3Dは、本発明の実施の形態に係る延長カテーテルの一部を屈曲させたときの側面図である。図4~7は、それぞれ図1のIV-IV断面図、V-V断面図、VI-VI断面図、VII-VII断面図を示す。図8は、本発明の実施の形態に係る延長カテーテルを筒状カテーテル内に挿入して筒状カテーテルの遠位側の開口から突出させたときの状態を示す図である。なお、図2では放射線不透過マーカーの記載は省略している。
図1に示す本発明の実施の形態に係る延長カテーテル30は、図8に示すような筒状カテーテル40内に挿入し、筒状カテーテル40の遠位側の開口a40から突出可能な延長カテーテルである。更に、図2に示す通り、延長カテーテル30は、筒状部4と、筒状部4よりも近位側に位置する第1テーパ部1と、第1テーパ部1よりも近位側に位置する第2テーパ部2を備えるものである。第1テーパ部1は外側面S10と第1テーパ面S1とを有しており、第2テーパ部2は外側面S10と第2テーパ面S2とを有している。更に、延長カテーテル30は、下記式(1)、(2)を満たすように形成されている。
90°≦θ≦145° ・・・(1)
120°≦θ≦175° ・・・(2)
[式中、θは、第1テーパ面S1と、筒状部4の軸方向Xとのなす角度を示す。式中、θは、第2テーパ面S2と筒状部4の軸方向Xとのなす角度を示す。]
本発明において、近位側とは、延長カテーテル30の延在方向に対して術者の手元側の方向を意味し、遠位側とは近位側の反対方向、すなわち処置対象側の方向を意味する。
本発明の実施の形態に係る延長カテーテル30は、上記式(1)、(2)を満たすように第1テーパ面S1と第2テーパ面S2とが形成されている点に最大の特徴がある。詳細には、従来の延長カテーテルの中には特許文献3のように、筒状部の軸方向に対して90°を超える角度でテーパ面を設けて開口面積の大きい開口部を形成することにより、ステントやバルーン等の血管内治療用器具を延長カテーテル内に挿入し易くしたものがあった。しかし、筒状部の軸方向に対するテーパ面の角度が大きくなり過ぎると、テーパ部の遠位端において筒状部に薄肉部分が生じてしまい、薄肉部分に血管内治療用器具が引っかかり易くなるという問題があった。これに対して本発明では、筒状部の軸方向に対する角度が小さいテーパ面、即ち上記式(1)を満たす第1テーパ面S1が形成されていることにより薄肉部分が低減されている。更に、薄肉部分が低減されていることにより、第2テーパ面S2と筒状部4の軸方向Xとのなす角度θを上記式(2)に規定する範囲にまで大きくすることができ、開口部の開口面積を大きくし易くすることができる。その結果、血管内治療用器具を延長カテーテル内に挿入し易くすることができる。
以下では、各式を中心に説明する。
90°≦θ≦145° ・・・(1)
[式中、θは、第1テーパ面S1と、筒状部4の軸方向Xとのなす角度を示す。]
第1テーパ面S1と、筒状部4の軸方向Xとのなす角度θを145°以下とすることより、薄肉部分を低減して血管内治療用器具を引っかかり難くすることができる。そのため、θは、好ましくは140°以下、より好ましくは130°以下、更に好ましくは120°以下である。一方、θを90°以上とすることにより、血管内治療用器具を挿入するための開口部の開口面積を大きくし易くすることができる。そのためθは、好ましくは95°以上、より好ましくは100°以上、更に好ましくは110°以上である。
120°≦θ≦175° ・・・(2)
[式中、θは、第2テーパ面S2と筒状部4の軸方向Xとのなす角度を示す。]
第2テーパ面S2と筒状部4の軸方向Xとのなす角度θは、120°以上である。これにより、血管内治療用器具を挿入するための開口部の開口面積を大きくし易くすることができる。そのためθは、好ましくは130°以上、より好ましくは140°以上、更に好ましくは150°以上である。一方、θの上限は、例えば175°であってもよく、170°であってもよく、168°であってもよい。
更に、延長カテーテル30は、下記式(3)を満たすことが好ましい。
θ<θ ・・・(3)
[式中、θ、θは、前と同じ意味である。]
第2テーパ面S2と筒状部4の軸方向Xとのなす角度θを、第1テーパ面S1と筒状部4の軸方向Xとのなす角度θよりも大きくすることが好ましい。これにより薄肉部分を低減しつつ、血管内治療用器具を挿入するための開口部の開口面積を大きくし易くすることができる。θは、より好ましくはθの1.1倍以上、更に好ましくはθの1.2倍以上、更により好ましくはθの1.3倍以上である。一方、θの上限は、例えばθの1.5倍以下であってもよく、θの1.4倍以下であってもよい。
更に、延長カテーテル30は、下記式(4)を満たすことが好ましい。
T≦H≦H・・・(4)
[式中、Tは、第1テーパ部1の遠位端A1における筒状部4の厚さ(mm)を示す。Hは、第1テーパ面S1の筒状部4の中心軸Cに最も近い点N1と最も遠い点F1との径方向の長さ(mm)を示す。Hは、第2テーパ面S2の筒状部4の中心軸Cに最も近い点N2と最も遠い点F2との径方向の長さ(mm)を示す。]
第1テーパ面S1の筒状部4の中心軸Cに最も近い点N1と最も遠い点F1との径方向の長さHは、第1テーパ部1の遠位端A1における筒状部4の厚さT以上であることが好ましい。これにより薄肉部分を低減し易くすることができる。Hは、より好ましくはTの1.1倍以上、更に好ましくはTの1.2倍以上、更により好ましくはTの1.3倍以上である。一方、Hは、第2テーパ面S2の筒状部4の中心軸Cに最も近い点N2と最も遠い点F2との径方向の長さH以下であることが好ましい。これにより、第1テーパ面S1と血管内治療用器具との接触を回避し易くすることができる。そのため、Hは、より好ましくはHの0.5倍以下、更に好ましくはHの0.4倍以下である。
なおTは、好ましくは0.01mm以上、0.3mm以下、より好ましくは0.02mm以上、0.2mm以下、更に好ましくは0.05mm以上、0.1mm以下である。Hは、好ましくは0.02mm以上、0.4mm以下、より好ましくは0.05mm以上、0.3mm以下、更に好ましくは0.1mm以上、0.25mm以下である。Hは、好ましくは0.1mm以上、1.5mm以下、より好ましくは0.2mm以上、1mm以下、更に好ましくは0.4mm以上、0.7mm以下である。
更に、延長カテーテル30は、下記式(5)を満たすことが好ましい。
0.3D≦D ・・・(5)
[式中、Dは、第1テーパ部1の遠位端A1における筒状部4の外径(mm)を示す。Dは、第2テーパ部2の近位端B2における径方向の長さを示す。]
第2テーパ部2の近位端B2における径方向の長さDは、第1テーパ部1の遠位端A1における筒状部4の外径Dの0.3倍以上であることが好ましい。これにより第2テーパ部2の近位端B2近傍における局所的な屈曲を回避し易くすることができる。Dは、より好ましくはDの0.4倍以上である。一方、Dは、Dの0.8倍以下であることが好ましい。これにより血管内治療用器具を挿入するための開口部の開口面積を大きくし易くすることができる。そのため、Dは、Dの0.7倍以下であることがより好ましく、Dの0.6倍以下であることが更に好ましい。
なおDは、好ましくは0.5mm以上、4mm以下、より好ましくは1mm以上、2mm以下、更に好ましくは1.4mm以上、1.8mm以下である。Dは、好ましくは0.2mm以上、2mm以下、より好ましくは0.5mm以上、1.5mm以下、更に好ましくは0.8mm以上、1.2mm以下である。
更に、延長カテーテル30は、第2テーパ部2よりも近位側に位置する第3テーパ部3を備えることが好ましい。第3テーパ部3は、外側面S10と第3テーパ面S3とを有する。第3テーパ部3を備えることにより、第3テーパ部3に沿って血管内治療用器具を開口部に挿入し易くすることができる。
更に、延長カテーテル30は、下記式(6)を満たすものであることが好ましい。
-5°≦θ≦5°・・・(6)
[式中、θは、第3テーパ面S3と筒状部4の軸方向Xとのなす角度を示す。]
上記式(6)に示されている通り、第3テーパ面S3と筒状部4の軸方向Xとのなす角度θ(図示せず)を-5°以上、5°以下とすること、即ち第3テーパ面S3と筒状部4の軸方向Xが略平行になることにより、第3テーパ部3に沿って血管内治療用器具を開口部に挿入し易くすることができる。より好ましくは-3°以上、3°以下、更に好ましくは-2°以上、2°以下であり、更により好ましくは-1°以上、1°以下である。
筒状部4が、後述する補強層13を備える場合、下記式(7)を満たすことが好ましい。
D≦L≦3D・・・(7)
[式中、Dは、第1テーパ部1の遠位端A1における筒状部4の外径(mm)を示す。Lは、補強層13の近位端B13から第1テーパ部1の遠位端A1までの軸方向Xの長さ(mm)を示す。]
補強層13の近位端B13から第1テーパ部1の遠位端A1までの筒状部4の軸方向Xの長さLが、第1テーパ部1の遠位端A1における筒状部4の外径D以上であることが好ましい。Lは、筒状部4のうち補強層13が設けられていない非補強部5の筒状部4の軸方向Xの長さに相当するものであり、これがD以上であることにより、血管内治療用器具を挿入するための開口部の変形を回避し易くすることができる。そのため、Lは、Dの1.5倍以上であることが好ましく、Dの2倍以上であることがより好ましい。一方、LがDの3倍以下であることにより、非補強部5の変形を回避し易くすることができる。Lは、より好ましくはDの2.8倍以下である。
なおLは、具体的には、好ましくは0.5mm以上、8mm以下、より好ましくは2mm以上、6mm以下、更に好ましくは3mm以上、5mm以下である。
更に、延長カテーテル30は、下記式(8)を満たすものであることが好ましい。
10D≦L≦200D・・・(8)
[式中、Dは、第1テーパ部1の遠位端A1における筒状部4の外径(mm)を示す。Lは、第3テーパ部3の遠位端から第3テーパ部3の近位端までの筒状部4の軸方向Xの長さ(mm)を示す。]
第3テーパ部3の遠位端(図示せず)から第3テーパ部3の近位端(図示せず)までの筒状部4の軸方向Xの長さLが、第1テーパ部1の遠位端A1における筒状部4の外径Dの10倍以上であることが好ましい。これにより第3テーパ部3と線状部材20との接触面積を大きくし易くすることができ、線状部材20が強固に固定され易くなる。Lは、より好ましくは外径Dの30倍以上、更に好ましくは外径Dの60倍以上である。一方、Lは、外径Dの200倍以下であることが好ましい。これにより線状部材20の柔軟性を向上することができる。Lは、より好ましくは外径Dの120倍以下、更に好ましくは外径Dの90倍以下である。
なおLは、具体的には、好ましくは5cm以上、20cm以下、より好ましくは10cm以上、18cm以下、更に好ましくは12cm以上、15cm以下である。
更に、延長カテーテル30は、下記式(9)を満たすものであることが好ましい。
120°≦θ≦175°・・・(9)
[式中、θは、第2テーパ面S2と第3テーパ面S3とのなす角度を示す。]
図3Aに示すように、第2テーパ面S2と第3テーパ面S3とのなす角度θが120°未満の延長カテーテルでは、動脈内の湾曲部等において、図3Bに示すように第2テーパ部の近位端B2で局所的な屈曲が起き易い。これに対して、図3Cに示すようにθを120°以上として、筒状部4の軸方向Xに対する第2テーパ面S2と第3テーパ面S3の角度を滑らかに変化させることにより、図3Dに示すように、第2テーパ部の近位端B2における局所的な屈曲を回避し易くすることができる。その結果、血管内治療用器具を挿入し易くすることができる。そのため、θは、好ましくは130°以上、より好ましくは140°以上、更に好ましくは150°以上である。一方、θの上限は、例えば175°であってもよく、168°であってもよい。
その他の各部の好ましい寸法は、以下の通りである。第1テーパ面S1の筒状部4の中心軸Cに最も遠い点F1から、第1テーパ面S1の筒状部4の中心軸Cに最も近い点N1までの軸方向Xの長さLは、好ましくは0mm以上、0.3mm以下、より好ましくは0.02mm以上、0.25mm以下、更に好ましくは0.05mm以上、0.2mm以下である。
第2テーパ面S2の筒状部4の中心軸Cに最も遠い点F2から、第2テーパ面S2の筒状部4の中心軸Cに最も近い点N2までの軸方向Xの長さLは、好ましくは0.5mm以上、6mm以下、より好ましくは1mm以上、4mm以下、更に好ましくは1.5mm以上、3mm以下である。
第1テーパ部1の近位端B1における径方向の長さDは、好ましくは0.5mm以上、2.5mm以下、より好ましくは1mm以上、2mm以下、更に好ましくは1.3mm以上、1.7mm以下である。
筒状部4の遠位端(図示せず)から近位端(図示せず)までの軸方向Xの長さは、好ましくは10cm以上、50cm以下、より好ましくは20cm以上、40cm以下、更に好ましくは25cm以上、35cm以下である。
次に、延長カテーテル30の各部材について詳述する。図1、2に示す通り、延長カテーテル30は、筒状部4と、筒状部4よりも近位側に位置する第1テーパ部1と、第1テーパ部1よりも近位側に位置する第2テーパ部2を備えるものである。
延長カテーテル30は、例えば図8に示す筒状カテーテル40の近位側の開口b40から、筒状カテーテル40内に挿入される。筒状カテーテル40は、遠位端A40と近位端B40を有し、遠位端A40と近位端B40のそれぞれに開口a40、b40を備える。筒状カテーテル40は、ガイディングカテーテルであってもよい。延長カテーテル30は、遠位端A30を有し、筒状カテーテル40の近位側の開口b40から延長カテーテル30の遠位端A30が挿入される。図8に示すように筒状カテーテル40の遠位側の開口a40から延長カテーテル30の遠位部を突出させることもできるし、引き戻すこともできる。延長カテーテル30は、先に体腔内に配置されている筒状カテーテル40内に挿入され、筒状カテーテル40および延長カテーテル30の中を通過するデバイスをより体腔内の遠位側へ到達させるために用いられる。筒状カテーテル40の内径は、延長カテーテル30を内腔に受け入れるために、延長カテーテル30の外径よりも大きい。また延長カテーテル30は、図1に示すように遠位側の筒状部4やテーパ部を含む遠位部材10と、棒状の線状部材20が結合された形状であることが好ましい。延長カテーテル30の線状部材20は、図8に示すように筒状カテーテル40の遠位側の開口a40から突出させずに用いることが好ましい。延長カテーテル30の長さは、例えば1500mmとすることができ、延長カテーテル30の遠位部材10の長さは、例えば350mmとすることができる。延長カテーテル30の遠位部材10の遠位端の直径は、例えば1.5mmとすることができる。延長カテーテル30を用いることにより、筒状カテーテル40、延長カテーテル30を経由して、処置用のデバイスを延長カテーテルの遠位端A30の開口a30から突出させて用いることができる。処置用のデバイスは、筒状カテーテル40の近位側の開口b40から筒状カテーテル40内に入り、延長カテーテル30の近位側の開口から延長カテーテル30内に入り、延長カテーテル30の遠位側の開口a30から突出することができる。
筒状部4の内径は、1.0mm以上、2.2mm以下であることが好ましい。筒状部4の内径が2.2mm以下であることにより、血管内治療用器具を挿入するための開口部の形状が変形し難くなる。より好ましくは2.0mm以下、更に好ましくは1.8mm以下である。一方、筒状部4の内径を1.0mm以上とすることにより、血管内治療用器具が筒状部4内を通過し易くなる。より好ましくは1.2mm以上、更に好ましくは1.4mm以上である。
筒状部4の外径は、1.2mm以上、3mm以下であることが好ましい。筒状部4の外径が3mm以下であることにより、筒状部4をガイディングカテーテル内や血管内へ挿入し易くすることができる。より好ましくは2mm以下、更に好ましくは1.8mm以下である。一方、筒状部4の外径を1.2mm以上とすることにより、筒状部4の強度を向上し易くすることができる。より好ましくは1.4mm以上、更に好ましくは1.6mm以上である。
図2に示すように筒状部4は、内層11を備えることが好ましい。内層11を構成する素材として樹脂が挙げられる。樹脂として、例えばポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、及び天然ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。このうちポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、及び天然ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。このうちフッ素系樹脂は、耐薬品性、非粘着性、低摩擦性に優れるため特に好ましい。
ポリアミド系樹脂として、ナイロン12、ナイロン12エラストマー、ナイロン6、芳香族ポリアミド等が挙げられる。ポリエステル系樹脂として、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。ポリウレタン系樹脂として、脂肪族イソシアネートをモノマー単位として含む脂肪族ポリウレタン、芳香族イソシアネートをモノマー単位として含む芳香族ポリウレタン等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。フッ素系樹脂として、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン等が挙げられる。塩化ビニル系樹脂として、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。シリコーン系樹脂として、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルビニルポリシロキサン、フロロアルキルメチルポリシロキサン等が挙げられる。天然ゴムとして、ラテックス等が挙げられる。
なお内層11の一部、または全部には、筒状部4の位置をX線透視下等で確認し易くするために後記する放射線不透過物質が含まれていてもよい。
筒状部4は、外層12を備えることが好ましい。外層12を構成する素材として樹脂が挙げられる。樹脂としては、例えばポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、及び天然ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。このうちポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びポリオレフィン系樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、ポリアミド系樹脂、及びポリウレタン系樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種が更に好ましく、ポリウレタン系樹脂が更により好ましい。
なお外層12の一部、または全部には、筒状部4の位置をX線透視下等で確認し易くするために放射線不透過物質が含まれていてもよい。放射線不透過物質としては、例えば、鉛、バリウム、ヨウ素、タングステン、金、白金、イリジウム、白金イリジウム合金、ステンレス、チタン、コバルトクロム合金、パラジウム、タンタル等が挙げられる。
外層12の外側面は、親水性ポリマーがコーティングされていることが好ましい。これにより筒状部4のガイディングカテーテル内や血管内への挿入を容易にし易くすることができる。親水性ポリマーとして、例えば、ポリ2-ヒドロキシエチルメタアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体等の無水マレイン酸共重合体等の親水性ポリマーが挙げられる。
筒状部4は、補強層13を備えることが好ましい。補強層13により、筒状部4の剛性を向上することができる。図2や図4では、外層12内に補強層13を設けているが、内層11内に補強層13を設けてもよいし、内層11と外層12の間に補強層13を設けてもよい。このうち特に外層12内に補強層13を設けると強度が向上し易いため、外層12内に補強層13が設けられていることが好ましい。
補強層13を構成する素材として、金属線、繊維等が挙げられる。金属線を構成する素材として、例えばステンレス鋼、チタン、ニッケルチタン合金、コバルトクロム合金等、タングステン合金等が好ましい。このうちステンレス鋼がより好ましい。金属線は、単線であってもよいし、撚線であってもよい。繊維として、例えばポリアリレート繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、PBO繊維、炭素繊維等が挙げられる。繊維は、モノフィラメントであってもよいし、マルチフィラメントであってもよい。
補強層13の形状は、特に限定されないが、らせん状、網目状、編組状が好ましい。このうち編組状が剛性を向上し易いため、補強層13の形状は編組状であることがより好ましい。
補強層13には、筒状部4の位置をX線透視下等で確認し易くするため、上記放射線不透過物質が含まれていてもよい。
図1に示すように、筒状部4の先端部には、放射線不透過マーカー14が設けられていることが好ましい。具体的には、放射線不透過マーカー14は、筒状部4の軸方向Xの距離で、筒状部4の遠位端から50mm以内の部位に設けられていることが好ましく、20mm以内の部位に設けられていることがより好ましく、5mm以内の部位に設けられていることが更に好ましい。これにより動脈内における筒状部4の遠位端の位置を確認し易くすることができる。
図1に示すように、筒状部4の近位側には、放射線不透過マーカー14が設けられていることが好ましい。具体的には、放射線不透過マーカー14は、筒状部4の軸方向Xの距離で、補強層13の近位端B13から50mm以内の部位に設けることが好ましい。より好ましくは補強層13の近位端B13から20mm以内であり、更に好ましくは補強層13の近位端B13から5mm以内である。これにより動脈内における筒状部4の近位部の位置を確認し易くすることができる。
放射線不透過マーカー14の形状は、特に限定されないが、帯状、らせん状等が挙げられる。放射線不透過マーカー14を構成する素材として、上記放射線不透過物質が挙げられる。
筒状部4が、放射線不透過マーカー14を備える場合、下記式(10)を満たすことが好ましい。
D≦L5≦3D・・・(10)
[式中、Dは、第1テーパ部1の遠位端A1における筒状部4の外径(mm)を示す。L5は、放射線不透過マーカー14の近位端から第1テーパ部1の遠位端A1までの筒状部4の軸方向Xの長さ(mm)を示す。]
放射線不透過マーカー14の近位端(図示せず)から第1テーパ部1の遠位端A1までの筒状部4の軸方向Xの長さL(図示せず)が、第1テーパ部1の遠位端A1における筒状部4の外径D以上であることが好ましい。LがD以上であることにより、血管内治療用器具を挿入するための開口部の変形を回避し易くすることができる。そのため、Lは、Dの1.5倍以上であることが好ましく、Dの2倍以上であることがより好ましい。一方、LがDの3倍以下であることにより、非補強部5の変形を回避し易くすることができる。Lは、より好ましくはDの2.8倍以下である。
また図2では、延長カテーテル30は、第2テーパ部2よりも近位側に位置する第3テーパ部3を備えている。詳細には、延長カテーテル30は、筒状部4、第1テーパ部1、第2テーパ部2、及び第3テーパ部3を含む遠位部材10を備えている。更に、遠位部材10には線状部材20が固定されており、線状部材20の近位側には把持部材21が設けられている。
第1テーパ部1、第2テーパ部2、第3テーパ部3は、それぞれ外側面S10を有する。これらのテーパ部における外側面S10の径方向の断面形状は、第1テーパ部1から第3テーパ部3に向かって、図5に示す様な円形から図6に示す様な円孤状に段階的に変化するようになっていることが好ましい。
図2に示すように、第1テーパ面S1と第2テーパ面S2は隣接していることが好ましい。但し、第1テーパ面S1と第2テーパ面S2の間に他のテーパ面を有していてもよい。
図2に示すように、第2テーパ面S2と第3テーパ面S3は隣接していることが好ましい。但し、第2テーパ面S2と第3テーパ面S3の間に他のテーパ面を有していてもよい。
第1テーパ部1、第2テーパ部2、第3テーパ部3は、樹脂を含むことが好ましく、樹脂からなることがより好ましい。
第1テーパ部1、第2テーパ部2、第3テーパ部3は、それぞれ内層11を備えることが好ましい。これらを構成する素材としては、上記筒状部4の内層11の素材を参照することができる。第1テーパ部1、第2テーパ部2、第3テーパ部3の内層11の素材は、それぞれ、筒状部4の内層11の素材と同じであることが好ましい。
第1テーパ部1、第2テーパ部2、第3テーパ部3は、それぞれ外層12を備えることが好ましい。これらを構成する素材としては、上記筒状部4の外層12の素材を参照することができる。第1テーパ部1、第2テーパ部2、第3テーパ部3の外層12の素材は、それぞれ、筒状部4の外層12の素材と同じであってもよいし、異なっていてもよいが、第1テーパ部1、第2テーパ部2、第3テーパ部3の外層12は、それぞれ同じ樹脂を含むことが好ましい。これによりテーパ部の局所的な屈曲を回避し易くすることができる。
第1テーパ部1の外層12、第2テーパ部2の外層12、第3テーパ部3の外層12は、それぞれ筒状部4の外層12のうち補強層13が存在する部分に含まれている樹脂よりも、ショア硬度が高い樹脂が含まれていることが好ましい。これにより筒状部4の柔軟性を確保しつつ、血管内治療用器具を挿入するための開口部の変形を防止し易くすることができる。
上記ショア硬度は、タイプDデュロメータを用いたISO868:2003 プラスチック・デュロメータ硬さ試験方法に基づき計測することができる。
線状部材20は、長尺の線材である。線状部材20は、筒状部4をプッシュして、筒状カテーテル(図示せず)の開口から筒状部4を突出させるものである。線状部材20を構成する素材として、例えばステンレス鋼、チタン、ニッケルチタン合金、コバルトクロム合金等、タングステン合金等が好ましい。このうちステンレス鋼がより好ましい。線状部材20は、厚さ方向の断面形状が図4~7に示す形状に限定されず、例えば、正方形、長方形、台形、円形等の形状が挙げられる。このうち長方形が好ましい。
図1に示すように把持部材21は、線状部材20の近位端に取り付けられており、施術者が指で把持できるような形状になっている。把持部材21を構成する素材として樹脂が挙げられ、樹脂としてポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
次に、実施の形態に係る延長カテーテル30の製造方法について説明する。延長カテーテル30の製造方法として、筒状部材に切り込みを入れて第1テーパ面S1を形成する工程、及び第1テーパ面S1よりも近位側から遠位側に向かって切り込みを入れて第2テーパ面S2を形成する工程、を含む製造方法が挙げられる。
第1テーパ面S1を形成する工程において、上記式(1)を満たす角度で切り込みを入れることが好ましい。これにより、上記式(2)を満たすように第2テーパ面S2を形成し易くすることができる。
第2テーパ面S2を形成する工程において、上記式(2)を満たす角度で切り込みを入れることが好ましい。第2テーパ面S2を形成する工程において、第1テーパ面S1よりも近位側から遠位側に向かって切り込みを入れて第2テーパ面S2を形成することにより、平面状に第2テーパ面S2を形成し易くすることができる。但し、第1テーパ面S1の遠位端から近位側に向かって切り込みを入れてもよい。この場合、連続的に切り込みを入れて第1テーパ面S1と第2テーパ面S2を形成することができる。また、第2テーパ面S2を形成する工程において、上記式(3)を満たす角度で切り込みを入れることがより好ましい。
更に、第2テーパ面S2よりも近位側から遠位側に向かって切り込みを入れて第3テーパ面S3を形成する工程を含むことが好ましい。第2テーパ面S2よりも近位側から遠位側に向かって切り込みを入れることにより、平面状に第3テーパ面S3を形成し易くすることができる。但し、第2テーパ面S2の遠位端から近位側に向かって切り込みを入れてもよい。この場合、連続的に切り込みを入れて第2テーパ面S2と第3テーパ面S3を形成することができる。
これらの切り込みを入れるに当たっては、カッター等の切込器具を用いればよい。
上記のようにテーパ面を形成することにより遠位部材10が得られる。なお線状部材20を筒状部材に固定してから、各テーパ面を形成することが好ましい。線状部材20を筒状部材に固定する方法は特に限定されないが、接着接合、熱接合、ろう付け等が挙げられる。接着接合、熱接合を行うに当たっては、熱収縮フィルムを用いて行うことが好ましい。熱収縮フィルムを用いる場合、遠位部材10内に金属製の芯材を挿入した後に熱収縮フィルムを加熱して収縮させることが好ましい。
本願は、2019年2月6日に出願された日本国特許出願第2019-019997号に基づく優先権の利益を主張するものである。2019年2月6日に出願された日本国特許出願第2019-019997号の明細書の全内容が、本願に参考のため援用される。
1 第1テーパ部
2 第2テーパ部
3 第3テーパ部
4 筒状部
5 非補強部
10 遠位部材
11 内層
12 外層
13 補強層
14 放射線不透過マーカー
20 線状部材
21 把持部材
30 延長カテーテル
40 筒状カテーテル
S1 第1テーパ面
S2 第2テーパ面
S3 第3テーパ面
S10 外側面
A1 第1テーパ部の遠位端
B1 第1テーパ部の近位端
B2 第2テーパ部の近位端
B13 補強層の近位端
C 筒状部の中心軸
F1 第1テーパ面の筒状部の中心軸に最も遠い点
N1 第1テーパ面の筒状部の中心軸に最も近い点
F2 第2テーパ面の筒状部の中心軸に最も遠い点
N2 第2テーパ面の筒状部の中心軸に最も近い点
X 筒状部の軸方向
A30 延長カテーテルの遠位端
A40 筒状カテーテルの遠位端
B40 筒状カテーテルの近位端
a30 延長カテーテルの遠位側の開口
a40 筒状カテーテルの遠位側の開口
b40 筒状カテーテルの近位側の開口

Claims (5)

  1. 筒状カテーテル内に挿入し、前記筒状カテーテルの遠位側の開口から突出可能な延長カテーテルであって、
    筒状部と、前記筒状部よりも近位側に位置する第1テーパ部と、前記第1テーパ部よりも近位側に位置する第2テーパ部と、前記筒状部に固定された線状部材とを備え、
    前記第1テーパ部は外側面と第1テーパ面とを有し、
    前記第2テーパ部は外側面と第2テーパ面とを有しており、
    前記第1テーパ面と前記第2テーパ面は隣接しており、
    下記式(1)、(2)、(4A)を満たすことを特徴とする延長カテーテル。
    90°≦θ140° ・・・(1)
    140°<θ≦175° ・・・(2)
    <H ・・・(4A)
    [式中、θは、前記第1テーパ面と、前記筒状部の軸方向とのなす角度を示す。θは、前記第2テーパ面と前記軸方向とのなす角度を示す。 は、前記第1テーパ面の前記筒状部の中心軸に最も近い点と最も遠い点との径方向の長さ(mm)を示す。H は、前記第2テーパ面の前記筒状部の中心軸に最も近い点と最も遠い点との径方向の長さ(mm)を示す。
  2. 下記式(4)を満たすものである請求項1に記載の延長カテーテル。
    T≦H ・・・(4)
    [式中、Tは、前記第1テーパ部の遠位端における前記筒状部の厚さ(mm)を示す。Hは、前記第1テーパ面の前記筒状部の中心軸に最も近い点と最も遠い点との径方向の長さ(mm)を示す。Hは、前記第2テーパ面の前記筒状部の中心軸に最も近い点と最も遠い点との径方向の長さ(mm)を示す。]
  3. 下記式(5)を満たすものである請求項1または2に記載の延長カテーテル。
    0.3D≦D ・・・(5)
    [式中、Dは、前記第1テーパ部の遠位端における前記筒状部の外径(mm)を示す。Dは、前記第2テーパ部の近位端における径方向の長さを示す。]
  4. 更に前記第2テーパ部よりも近位側に位置する第3テーパ部を備え、
    前記第3テーパ部は外側面と第3テーパ面とを有し、
    下記式(6)を満たすものである請求項1~のいずれかに記載の延長カテーテル。
    -5°≦θ≦5°・・・(6)
    [式中、θは、前記第3テーパ面と前記軸方向とのなす角度を示す。]
  5. 前記筒状部には補強層が設けられており、
    下記式(7)を満たすものである請求項1~のいずれかに記載の延長カテーテル。
    D≦L≦3D・・・(7)
    [式中、Dは、前記第1テーパ部の遠位端における前記筒状部の外径(mm)を示す。Lは、前記補強層の近位端から前記第1テーパ部の遠位端までの前記軸方向の長さ(mm)を示す。]
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