JP7521919B2 - 粘着剤組成物及びそれを用いた粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、自着用粘着テープの材料として好適な粘着剤組成物及びそれを用いた粘着テープに関する。
自着用粘着テープは、例えば、生野菜類、生花類、書類、新聞、雑誌等の各種物品を結束するための粘着テープである。この種のテープは、結束する物品(被結束物)に対する粘着力が小さく、粘着剤面同士の粘着力(以下、「自着力」という)が大きいという特性を有する。ところで、一般的なホットメルト型粘着剤が塗布された粘着テープは、粘着力が高いが、自着結束性(自着力及び自着保持力)が不十分である。そこで、ホットメルト法でも製造可能である自着結束性を有する粘着テープが提案されている(特許文献1)。
特許第6545466号公報
本発明は、特許文献1に係る粘着テープの性能をより高めることを課題とする。具体的には、本発明は、HM加工性を維持しつつ、より高い自着力とより高い自着保持力を有し、更には粘着面のにおいが解消された粘着テープを提供することを課題とする。
好適な本発明は、
少なくとも、エラストマー、粘着付与樹脂、充填剤、石油系可塑剤、酸化防止剤を含み、
前記エラストマーが、スチレン含量が16質量%以上40質量%以下のスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)であり、
前記粘着付与樹脂として、テルペン樹脂と、C5/C9系石油樹脂と、スチレン系モノマーの単独重合体及び/又はスチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体と、を含む
ことを特徴とする、ホットメルト型粘着剤組成物である。
ここで、前記スチレン系モノマーの単独重合体及び/又はスチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体の配合量は、前記全粘着付与樹脂の全質量を基準として、2.5質量%以上55質量%以下であってもよい。
また、前記石油系可塑剤の配合量は、前記ホットメルト型粘着剤組成物の全質量を基準として、2.5質量%以上9.0質量%以下であってもよい。
また、前記スチレン系モノマーの単独重合体及び/又はスチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体と前記石油系可塑剤との配合量比(前記スチレン系モノマーの単独重合体及び/又はスチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体の配合量:前記石油系可塑剤の配合量)は、1:0.20~1.20であってもよい。
また、前記スチレン系モノマーの単独重合体及び/又はスチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体は、スチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体であってもよい。
また、前記石油系可塑剤がナフテン系プロセスオイルであってもよい。
本発明は、前記ホットメルト型粘着剤組成物から得られた粘着層を有することを特徴とする粘着テープである。
ここで、野菜結束用であってもよい。
本発明によれば、HM加工性を維持しつつ、より高い自着力とより高い自着保持力を有し、更には粘着面のにおいが解消された粘着テープを提供することが可能となる。特に、より高い自着力とより高い自着保持力が求められる野菜結束用テープとして有用である。
図1は、自着保持力試験における試験方法の概略図である。
以下、本発明に係る粘着剤組成物及び粘着テープを説明する。尚、粘着剤組成物の説明は、粘着テープの説明欄にて詳述することにする。そこで、本発明に係る粘着テープの全体構成、当該粘着テープの製造方法、当該粘着テープの物性、当該粘着テープの用途について、順に説明する。
≪粘着テープの全体構成≫
本発明に係る粘着テープは、基材上に粘着剤層が形成されている。以下、これら各要素を詳述する。
<粘着剤層>
好適な本発明の粘着剤層を構成する粘着剤は、少なくともエラストマー、粘着付与樹脂、充填剤、石油系可塑剤、酸化防止剤を含む。以下、各構成成分及び配合を説明する。
{成分}
(エラストマー)
本発明に係るエラストマーは、スチレン含量が16質量%以上40質量%以下のスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)である。スチレン含量は、好適には20質量%以上25質量%以下である。ここで、スチレン含量の測定は、1,1,2,2-テトラクロロエタン-D2を溶媒に、400MHz、H-NMRスペクトル(日本電子(株)製 JNM GX400)測定により算出した。また、SISは、2種以上の混合物であってもよく、全体としてのスチレン含有量が16質量%以上40質量%以下であればよい。例えば、スチレン含量が20質量%以下である低スチレン含量SISとスチレン含量が20質量%超の高スチレン含量SISとを混合したSISの場合、当該混合SISのスチレン含量が16質量%以上40質量%以下であればよい。スチレン含量が当該範囲であると、高い自着力及び野菜類に対する高い結束性が実現できる。
(粘着付与樹脂)
粘着付与樹脂として、テルペン樹脂と、C5/C9系石油樹脂と、スチレン系モノマーの単独重合体及び/又はスチレン系モノマー/脂肪族系モノマー共重合体と、を少なくとも含む。以下、各樹脂について詳述する。
テルペン樹脂としては、具体的には、ヤスハラケミカル(株)製のYSレジンPX1250(軟化点:120℃~130℃)、YSレジンPX1150(軟化点:110℃~120℃)、YSレジンPX1000(軟化点:95℃~105℃)、YSレジンPX800(軟化点:75℃~85℃)、YSレジンPX1150N(軟化点:110℃~120℃)、YSレジンPX300N(軟化点:25℃~35℃)、クレイトンポリマー社製(販売元:エア・ブラウン株式会社)のSylvares TRA25(軟化点:25℃)、Sylvares TRB115(軟化点:116℃)、Sylvares TR1115T(軟化点:116℃)、Sylvares TR7115(軟化点:115℃)、Sylvares TRM1115(軟化点:115℃)、Sylvares TR7125(軟化点:125℃)、Sylvares TRB125(軟化点:125℃)、Sylvares TR1135(軟化点:135℃)、Sylvares TR90(軟化点:90℃)、Sylvares TR105(軟化点:105℃)等が挙げられる。
C5/C9系石油樹脂としては、例えば、日本ゼオン社製の商品名クイントンN180(軟化点:80℃)、クイントンU185(軟化点:86℃)、クイントンU190(軟化点:90℃)、クイントンS195(軟化点:94℃)、クイントンDX395(軟化点:94℃)、クイントンDX390N(軟化点:93℃)、クイントンD100(軟化点:99℃)、クイントンE200SN(軟化点:102℃)、クイントンD200(軟化点:102℃)、クイントンD295(軟化点:94℃)、クイントンG100B(軟化点100℃)、クイントンG115(軟化点:115℃)等が挙げられる。
スチレン系モノマーの単独重合体としては、汎用のものを用いることができ、市販品の例としては、EASTMAN CHEMICAL社製のPiccolastic A5 (商品名、スチレン単独重合体、軟化点25℃)、Regalrez 10l8 (商品名、スチレン単独重合体の水素化物、軟化点20℃)、Piccolastic A75 (商品名、スチレン単独重合体、軟化点73℃)、ヤスハラケミカル(株)製のYSレジンSX100(商品名、スチレン単独重合体、軟化点100℃)、三井化学株式会社製FTR8100(商品名、スチレン系モノマー単独重合体、軟化点100℃)、同FTR8120(商品名、スチレン系モノマー単独重合体、軟化点120℃)を挙げることができる。ここで、スチレン系モノマーの単独重合体の軟化点は、10℃以上150℃以下が好適であり、20℃以上130℃以下がより好適である。
スチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体としては、スチレンモノマー/脂肪族系モノマー共重合体、α-メチルスチレン/脂肪族系モノマー共重合体、スチレン系モノマー/α-メチルスチレン/脂肪族系モノマー共重合体を挙げることができ、市販品の例としては、三井化学株式会社製FTR6080(軟化点80℃)、同FTR6100(軟化点95℃)、同FTR6110(軟化点110℃)、同FTR6125(軟化点125℃)、同FTR7100(軟化点100℃)、同FTR7125(軟化点125℃)等を挙げることができる。ここで、スチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体の軟化点は、50℃以上150℃以下が好適であり、70℃以上130℃以下がより好適である。
(充填剤)
充填剤は、特に限定されないが、炭酸カルシウムが好適である。ここで、好適な炭酸カルシウムは、比表面積が0.8m/g以上2.7m/g以下、より好ましくは比表面積が1.5m/g以上2.0m/g以下のものである。当該範囲であると、粘着剤を塗工する際のスジ発生や野菜への損傷を有効に防止できる。ここで、比表面積は、BET法で求められる比表面積を意味する。ここでBET法とは、試料表面に大きさの分かった分子やイオンを吸着させて、その吸着量から、試料の比表面積を測定する方法である。この際、試料に吸着させる気体として、窒素ガスを用いる。
(石油系可塑剤)
本発明に係る石油系可塑剤は、例えば、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等である。特に、他の成分との相溶性に優れるため設計がより容易になること、また、バランスのよい粘着特性が得られる他、高温時に粘度を低下させることができる点で、ナフテン系プロセスオイルが好適である。
(他の添加剤)
本発明に係る粘着剤は、必要に応じて各種添加剤(例えば、酸化防止剤)を含有していてもよい。但し、溶剤が存在する場合、粘着剤中の残留溶剤は10ppm未満であることが好適である。尚、当該量はガスクロマトグラフィーで分析可能である。なお、ホットメルトとは、粘着剤を加熱溶融させて塗工可能なものをいう。従って、溶剤を10ppm未満と、ほとんど含むことなく塗工が可能である。
{配合}
(エラストマーの配合量)
エラストマーの配合量は、粘着剤組成物の全質量を基準として、30質量%以上45質量%以下であることが好適である。ここで、高スチレン含量SISと低スチレン含量SISは単独でも使用できるが、混合物が好適である。この場合、好ましくは、全SISの質量を基準として、低スチレン含量SISを10質量%以上90重量%以下とし、高スチレン含量SISを90質量%以下10質量%以上とし、より好ましくは低スチレン含量SISを30質量%以上70質量%以下とし、高スチレン含量SISを70質量%以下30質量%以上とする。また、低スチレン含量SISのスチレン含量は、好適には14質量%以上20質量%以下である。他方、高スチレン含量SISのスチレン含量は、より好適には20質量%超50質量%以下、より好ましくは25質量%以上50質量%以下である。
(粘着付与樹脂の配合量)
まず、粘着付与樹脂の配合量(テルペン樹脂と、C5/C9系石油樹脂と、スチレン系樹脂と、の合計)の配合量は、粘着剤組成物の全質量を基準として、20質量%以上60質量%以下であることが好適であり、25質量%以上55質量%以下であることがより好適である。以下、各成分の好適配合量を説明する。
まず、テルペン樹脂の配合量は、前記全粘着付与樹脂の全質量を基準として、1質量%以上20質量%以下であることが好適であり、5質量%以上15質量%以下であることがより好適である。
次に、C5/C9系石油樹脂の配合量は、前記全粘着付与樹脂の全質量を基準として、40質量%以上85質量%以下であることが好適であり、45質量%以上80質量%以下であることがより好適である。
次に、スチレン系モノマーの単独重合体及び/又はスチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体の配合量は、前記全粘着付与樹脂の全質量を基準として、2.5質量%以上55質量%以下であることが好適であり、15質量%以上50質量%以下であることがより好適である。
(充填剤の配合量)
充填剤の配合量は、粘着剤組成物の全質量を基準として、3.5質量%以上20質量%以下であることが好適であり、7.5質量%以上17.5質量%以下であることがより好適である。充填剤が当該範囲であると、野菜に対する損傷防止や高い自着保持力を実現することができる。
(石油系可塑剤の配合量)
石油系可塑剤の配合量は、粘着剤組成物の全質量を基準として、2.5質量%以上9.0質量%以下であることが好適であり、3質量%以上7.5質量%以下であることがより好適である。
(配合比)
スチレン系モノマーの単独重合体及び/又はスチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体と前記石油系可塑剤との配合量比(スチレン系モノマーの単独重合体及び/又はスチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体の配合量:石油系可塑剤の配合量)は、1:0.20~1.20であることが好適である。
<基材>
本発明に係る粘着テープの基材は、特に限定されず、例えば、クラフト紙、クレープ紙、和紙などの繊維状物質で形成された多孔性材料や、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂等で形成したプラスチックフイルムを挙げることができる。
ここで、上記多孔性材料を使用する場合、強度、耐候性、剛性等の特性を調整するために、含浸剤、背面処理剤等によって適宜処理を施したものを用いてもよい。この多孔性材料の坪量や厚みは、用途によって適宜に選択されるものであり特に限定されない。
また、プラスチックフイルムは、上記したものの他、生分解性や光分解性のプラスチックフイルムを使用すると環境面から好ましいものとすることができる。また、上記したものを複数組み合わせて使用することもでき、上記プラスチックフイルム同士を、又はプラスチックフイルムと多孔性材料等を積層して使用することもできる。また、必要に応じて、多孔性のプラスチックフイルムを用いることもできる。加えて、プラスチックフイルムに対して、粘着剤層を形成する粘着剤との密着性を向上させるために、片面又は両面にコロナ処理やプラズマ処理、プライマー処理等の表面処理を施してもよい。このプラスチックフイルムを使用した基材の坪量は、特に限定されることなく使用することができる。
≪粘着テープの製造方法≫
上述の(A)エラストマー成分、(B)粘着付与樹脂成分、(C)充填剤成分、及び(D)石油系可塑剤成分を含有するホットメルト型粘着剤は、各成分を含む原料を通常の方法で混練して得ることができる。例えば一般の槽式混合機、密閉式ニーダー、押し出し機などで、必要な場合には窒素ガス雰囲気中で、通常、80℃~200℃の温度範囲で原料を溶融混練してホットメルト型粘着剤を得ることができる。
このようにして得られた粘着剤を、上述した基材上に塗工することにより、粘着テープを得ることができる。塗工方法としては、例えば、アプリケーターや、コーター等により加熱溶融したホットメルト型粘着剤を基材上に塗布する方法、溶剤にホットメルト型粘着剤を溶かしたものを基材上に塗布するキャスト成形法、溶融したホットメルト型粘着剤中に被着体を浸漬する方法、溶融したホットメルト型粘着剤を基材に吹付ける方法、ホットメルト型粘着剤をテープ状に成形しつつ基材にラミネートするラミネート成形法、ホットメルト型粘着剤と基材組成物とを同時にフィルム状に成形し積層体を形成する多層成形法、等が挙げられる。
この際、粘着剤層の厚みは、10μm以上40μm以下であることが好適である。
≪粘着テープの物性≫
(自着力)
本発明に係る粘着テープの自着力は、12N/20mm以上であることが好適である。自着力試験法は下記の通りである。
〔自着力試験〕
23℃、50%RHの条件下、テープ(幅20mm)を試験片とし、試験片の粘着面を内側として、貼り合わせ長さが100mm以上になるように重ね、幅50mmの2kgのローラーにより、300mm/minの速度で1往復圧着し、20~40分間放置した。その後、上記試験片をインストロン型引張り試験機に固定し、剥離速度300mm/minでT型剥離し、そのとき得られた剥離力(N/20mm)を測定した。
(自着保持力)
本発明に係る粘着テープの500g、1時間後の自着保持力は、30mm未満であることが好適であり、20mm未満であることが特に好適である。自着力試験法は下記の通りである(図1参照)。
〔自着保持力の試験〕
23℃、50%RH条件下、テープ(幅20mm)を試験片とし、試験片の粘着面を内側として、貼り合わせ長さが100mm以上になるように重ね、幅50mmの2kgのローラーを用い、300mm/minの速度で1往復圧着し、20~40分間放置する。その後、図1のように、試験片の一端を固定し、他方の一端に500gの分銅を掛ける。分銅を掛ける前には、貼り合わせ部分を約5mm引き剥がし、境界部分を油性インクで印を付ける。1時間後に分銅を掛けた状態で、ズレ距離(油性インクの印間)をノギスにより読み取る。
≪粘着テープの用途≫
本発明に係る粘着テープの用途は特に限定されないが、自着結束用粘着テープとして有用である。特に、野菜結束用の自着結束用粘着テープとして有用である。
以下、本発明を、実施例を参照しながら具体的に説明するが、本発明は当該実施例に限定されるものではない。
≪原料≫
<エラストマー>
{低スチレン含量SIS}
(A1)クインタック3433N 日本ゼオン(株) スチレン含量16質量%
{高スチレン含量SIS}
(A2)クインタック3190 日本ゼオン(株) スチレン含量30質量%
<粘着付与樹脂>
{テルペン樹脂}
(B1)YSレジンPX1150N 軟化点115℃ ヤスハラケミカル(株)
{C5/C9系石油樹脂}
(B2)クイントンS195 軟化点94℃ 日本ゼオン(株)
{芳香族系樹脂}
(B3)ペトコール130(スチレン/ビニルトルエン/インデンの共重合体、軟化点125℃) 東ソー(株)製
{スチレン単独重合体}
(B4)YSレジンSX100(スチレン単独重合体、重量平均分子量:2500、軟化点100℃)ヤスハラケミカル(株)製
{スチレン系モノマー/脂肪族系モノマー共重合体}
(B5)FTR6125(軟化点125℃) 三井石油化学株式会社製
<充填剤>
(C1)スーパー#1500(炭酸カルシウム、平均粒子径1.5μm) 白石カルシウム(株)
(C2)ニップジェルBY600(シリカ、平均粒子径5μm) 日本シリカ工業(株)製
(C3)ニップジェルBY001(シリカ、平均粒子径14μm) 日本シリカ工業(株)製
<石油系可塑剤>
(D1)SNH100 ナフテン系プロセスオイル 流動点-27.5℃ 三共油化工業(株)製
<その他>
(E1)酸化防止剤:アンテージAW-500 川口化学株式会社製
≪製造方法≫
(実施例1)
エラストマーとして(A1)40質量部と(A2)60質量部に、充填剤として(C1)20質量部と(C2)10質量部と(C3)2質量部、粘着付与樹脂として(B1)10質量部と(B2)60質量部と(B4)30質量部、可塑剤(D1)12質量部、酸化防止剤として(E1)を180℃で溶融混合し、ホットメルト型粘着剤を得た。その後、厚さ43μmのポリプロピレンフィルムにコロナ処理後、プライマー効果を有する印刷処理を行い、その上に粘着剤層の厚みが24μmになるよう塗布して、幅20mmの粘着テープを調製した。
(実施例2~11、比較例1)
表1に示した成分及び配合に基づき、実施例1と同様の手法にて、実施例2~11に係る粘着テープ及び比較例1に係る粘着テープを製造した。
≪評価結果≫
表1に、実施例及び比較例に係る粘着テープのHM加工性、におい、自着力、自着保持力の評価結果を示した。尚、表中の〇」、「△」、「×」の基準は下記の通りである。
(HM加工性)
160℃で粘着剤を溶融させ、OPP等の基材に30m/min以上の速度で塗工した。
そのとき、
○:目視にてOPPフィルムの塗工面一面に粘着剤が途切れることなく塗布できる。
×:目視にてOPPフィルムの塗工面の一部において、粘着剤が途切れている部分が確認される。
の2段階で評価した。
(におい)
被験者15名に、サンプルのにおいを直接嗅いでもらい評価した。
1:不快なにおいがする
0:においを感じない、または、においを感じるが気にならない
の2段階で評価してもらい、その平均値を求めた。その平均値をもとに、以下のとおり判定した。
○:アンケートの平均値が0.5点未満⇒問題なく使用可能
×:アンケートの平均値が0.5点以上⇒実用上使用不可
(自着力)
〇:12N/20mm以上
×:12N/20mm未満
(自着保持力
〇:20mm未満
△:20mm以上30mm未満
×:30mm以上
(タック官能試験)
被験者15名に、実施例及び比較例の粘着テープを人差し指と親指で挟んで離す動作を繰り返した際に感じるべたつき度合いをタック感とし、比較例1を基準として、
3:強い
2:同等
1:弱い
の3段階で評価してもらい、その平均値から以下のとおり判定した
〇:アンケートの平均値が2.0以上であるサンプル
△:同平均値が1.5以上2.0未満であるサンプル
×:同評価が1.5未満であるサンプル
繰り返し数は任意であるが、4~5回を目安とし、親指の粘着面への接触時間は1秒未満の可及的短時間とした。
なお、タック官能試験の評価が良いと被着体への初期接着性が充分であり、ユーザーの使用感の点で好ましく、同評価が悪いと初期接着性が不充分であり好ましくない。
Figure 0007521919000001
Figure 0007521919000002

Claims (8)

  1. 少なくとも、エラストマー、粘着付与樹脂、充填剤、石油系可塑剤を含む粘着剤組成物であって、
    前記エラストマーが、スチレン含量が16質量%以上40質量%以下のスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)であり、
    前記粘着付与樹脂が、テルペン樹脂と、C5/C9系石油樹脂と、スチレン系モノマーの単独重合体及び/又はスチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体とのみからなり、
    前記エラストマーの配合量は、前記粘着剤組成物の全質量を基準として、30質量%以上45質量%以下であり、前記粘着付与樹脂の配合量は、前記粘着剤組成物の全質量を基準として、20質量%以上60質量%以下である
    ことを特徴とする、ホットメルト型粘着剤組成物。
  2. 前記スチレン系モノマーの単独重合体及び/又はスチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体の配合量は、前記粘着付与樹脂の全質量を基準として、2.5質量%以上55質量%以下である、請求項1記載のホットメルト型粘着剤組成物。
  3. 前記石油系可塑剤の配合量は、前記ホットメルト型粘着剤組成物の全質量を基準として、2.5質量%以上9.0質量%以下である、請求項1又は2記載のホットメルト型粘着剤組成物。
  4. 前記スチレン系モノマーの単独重合体及び/又はスチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体と前記石油系可塑剤との配合量比(前記スチレン系モノマーの単独重合体及び/又はスチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体の配合量:前記石油系可塑剤の配合量)は、1:0.20~1:1.20である、請求項1~3のいずれか一項記載のホットメルト型粘着剤組成物。
  5. 前記スチレン系モノマーの単独重合体及び/又はスチレン系モノマー/脂肪族系モノマーの共重合体は、スチレン系モノマー/脂肪族系モノマー共重合体である、請求項1~4のいずれか一項記載のホットメルト型粘着剤組成物。
  6. 前記石油系可塑剤がナフテン系プロセスオイルである、請求項1~5のいずれか一項記載のホットメルト型粘着剤組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか一項記載のホットメルト型粘着剤組成物から得られた粘着層を有することを特徴とする粘着テープ。
  8. 野菜結束用である、請求項7記載の粘着テープ。
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