JP4217449B2 - ホットメルト型粘着組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホットメルト型粘着組成物に関し、特に紙おむつ及び生理用ナプキン等の衛生材料に使用されるホットメルト型粘着組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
衛生材料に利用される接着剤として、近年、長時間の溶融滞留に対し品質変化が少なく、粘着特性に優れたホットメルト型粘着組成物が利用されている。尚、「粘着」とは、流動性の粘着物質が被着体に付着することをいう。一方、「接着」とは、被着体に接着物質を接触させる際、溶解、加熱することによって接着物質に流動性を持たせるという特徴がある。従って、「粘着」とは、粘着物質そのものが最初から液体的性質を持っている点で、「接着」と異なる。
【0003】
従来のホットメルト型粘着組成物として、様々なスチレン系エラストマーをベースポリマーとするホットメルト型粘着組成物が知られている。そのような従来の組成物は、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(以下「SBS」ともいう)あるいはスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(以下「SIS」ともいう)をベースポリマーとするホットメルト型粘着組成物である(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかし、SBSは、粘着特性に優れているが、長時間の溶融滞留による熱劣化が激しいという問題が有る。また、SISは、粘着特性により優れるが、加熱による劣化が激しく、より熱安定性に乏しいという問題が有る。
【0004】
更に、従来の接着剤であって熱安定性に優れた接着剤として、SBSの、共役ジエン化合物に基づく重合体ブロック(以下「共役ジエン部分」ともいう)が水素添加されたスチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体をベースポリマーとする接着剤が知られている(例えば、特許文献3参照)。この接着剤は、共役ジエン部分が水素添加されることによって熱安定性が改良されているが、粘着特性が著しく低下するという問題が有る。更に、溶融粘度も高くなり、接着剤を塗布することが困難となるという問題も有る。
【0005】
そこで、水素添加されたブロック共重合体(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体)の熱安定性と、水素添加されていないブロック共重合体(SBSもしくはSIS)の粘着特性とを併せ持つブロック共重合体として、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の共役ジエン部分が部分的に水素添加された部分水素添加ブロック共重合体をベースポリマーとして含む粘接着剤組成物が有る(例えば、特許文献4及び5参照)。この部分水素添加ブロック共重合体をベースポリマーとすることで、ホットメルト型粘着組成物は共役ジエン部分が水素添加された部分(以下「水素添加部分」ともいう)と水素添加されていない部分(以下「未水素添加部分」ともいう)とを共に含有するブロック共重合体をベースポリマーとして含むことになる。
【0006】
通常、粘着剤は、上述のベースポリマーに加え、更に、種々の性質を付与し、制御するために、種々の添加材が添加される。添加材を上述の「部分水添ブロック共重合体」と併用するためには、添加材は上述のブロック共重合体の水素添加部分及び未水素添加部分の双方に高い溶解性を示さなければならない。添加材の一種として、粘着付与樹脂を例にとると、粘着付与樹脂が水素添加部分及び未水素添加部分のいずれか一方にしか溶けない場合、十分な粘着特性を有する粘着剤を得ることができない。しかし、そのような粘着付与樹脂を選定し、高性能のホットメルト型粘着組成物を製造することは容易ではない。
【0007】
このように、現在では、粘着特性及び熱安定性の両者を、共により高いレベルで満足させるホットメルト型粘着組成物は未だ見出されておらず、そのような粘着剤組成物の開発が急務とされている。
【0008】
【特許文献1】
特公昭44−17037号公報(第2頁〜第7頁)
【特許文献2】
特公昭47−21720号公報(第2頁〜第8頁)
【特許文献3】
特公昭55−7875号公報(第2頁〜第6頁)
【特許文献4】
特開平5−263056号公報(第2頁〜第5頁)
【特許文献5】
特開平7−157738号公報(第2頁〜第4頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のホットメルト型粘着組成物と比較して、粘着特性及び熱安定性から選択される少なくとも一種が改良されたホットメルト型粘着組成物を提供することを目的とする。好ましくは、粘着特性及び熱安定性の両者が、共により高いレベルで良好な、ホットメルト型粘着組成物を提供することを目的とする。更に、特に好ましくは、総合的な性質に優れるホットメルト型粘着組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の共役ジエン化合物に基づく重合体ブロックが部分的に水素添加された部分水素添加ブロック共重合体をベースポリマーとして用いる場合、アロマ含有率が特定の値に限定された特定の粘着付与樹脂は、部分水素添加ブロック共重合体の共役ジエン化合物に基づく重合体ブロックの水素添加された部分及び水素添加されていない部分の双方に溶解性を示し、その結果粘着特性及び熱安定性から選択される少なくとも一種が改良されたホットメルト型粘着組成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
【0011】
即ち、本発明は、一つの要旨において、新たなホットメルト型粘着組成物を提供し、それは、
(I)成分:ブロック共重合体と(II)成分:粘着付与樹脂を含有するホットメルト型粘着組成物であって、
(I)成分は、共役ジエン化合物に基づく重合体ブロック(以下「共役ジエン部分」ともいう)が部分的に水素添加されている(A)部分水素添加ブロック共重合体を含み、
(A)部分水素添加ブロック共重合体は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の共役ジエン化合物に基づく重合体ブロックが部分的に水素添加されている部分水添ブロック共重合体を含んで成り、
(II)成分は、アロマ含有率が4〜10重量%である水素添加石油樹脂を含んで成る。
尚、本発明に係るホットメルト型粘着組成物は、特に、衛生材料に好適に使用することができる。
【0012】
本発明の一の態様において、(A)部分水素添加ブロック共重合体は、共役ジエン化合物に基づく重合体ブロックの脂肪族二重結合の水素添加率が20〜90%であるホットメルト型粘着組成物を提供する。
更に、本発明の他の態様において、(A)部分水素添加ブロック共重合体は、メルトフローインデックスが2〜6、もしくは15重量%トルエン溶液の25℃での粘度が20〜50mPa・sであるホットメルト型粘着組成物を提供する。
【0013】
また、本発明の好ましい態様において、(A)部分水素添加ブロック共重合体は、ビニル系芳香族炭化水素に基づく重合体ブロックの含有率が20〜45重量%、ダイブロック含有率が40〜80重量%であるホットメルト型粘着組成物を提供する。
【0014】
本発明の一の態様において、(I)成分は、更に、共役ジエン化合物に基づく重合体ブロックが実質的に全く水素添加されていない(B)未水素添加ブロック共重合体及び/又は共役ジエン化合物に基づく重合体ブロックが実質的に完全に水素添加されている(C)完全水素添加ブロック共重合体を含んで成り、
(B)未水素添加ブロック共重合体は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を含んで成り、
(C)完全水素添加ブロックは、スチレン−ブタジエンブロック共重合体のブタジエンに基づく重合体ブロックが実質的に完全に水素添加されたブロック共重合体を含んで成る
ホットメルト型粘着組成物を提供する。
【0015】
本発明の別の要旨において、上述のホットメルト型粘着組成物を用いて製造された衛生材料を提供する。
【0016】
本発明に係るホットメルト型粘着組成物において、ベースポリマーとなる成分(I)に含まれる(A)部分水素添加ブロック共重合体は、熱安定性に優れる、共役ジエン部分が実質的に水素添加されている部分(以下「水素添加部分」ともいう)と、粘着特性に優れる、共役ジエン部分が水素添加されていない部分(以下「未水素添加部分」ともいう)の双方を含む。粘着付与樹脂の少なくとも一部として、アロマ含有率が4〜10重量%である水素添加石油樹脂を用いることにより、粘着付与樹脂が(A)部分水素添加ブロック共重合体の水素添加部分及び未水素添加部分の双方に溶解性を示すようになり、粘着特性及び安定性から選択される少なくとも一種が改良されたホットメルト型粘着組成物を得ることができると考えられる。
【0017】
尚、本明細書において「ホットメルト型」とは、粘着剤組成物が実質的に媒体を含まない、熱可塑性を有する樹脂から構成されるホットメルト粘着剤のタイプの組成物であることを意味する。従って、本発明に係るホットメルト型粘着組成物は、エマルジョン形態の水系粘着剤とは、その形態が全く異なるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明において、「(I)成分:ブロック共重合体」とは、(A)部分水素添加ブロック共重合体をベースポリマーとして含有するブロック共重合体を意味する。「(A)部分水素添加ブロック共重合体」とは、少なくとも一つ(好ましくは二つ以上)のビニル系芳香族炭化水素に基づく重合体ブロック及び少なくとも一つの共役ジエン化合物に基づく重合体ブロックから成り、共役ジエン部分の脂肪族二重結合が部分的に水素添加されているブロック共重合体をいう。
【0019】
「ビニル系芳香族炭化水素」とは、ビニル基を有する芳香族炭化水素化合物をいい、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセン等を例示することができる。ビニル系芳香族炭化水素は、単独で又は組み合わせて使用することができる。ビニル系芳香族炭化水素として、特にスチレンが好ましい。
【0020】
「共役ジエン化合物」とは、少なくとも一対の共役二重結合を有するジオレフィン化合物をいい、「共役ジエン化合物」として、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンを例示できる。「共役ジエン化合物」は、単独で又は組み合わせて使用することができる。「共役ジエン化合物」として、1,3−ブタジエンが特に好ましい。
【0021】
(A)部分水素添加ブロック共重合体は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の共役ジエン部分が部分的に水素添加されたブロック共重合体を含んで成り、スチレン−ブタジエン/ブチレン−スチレン共重合体を含んで成ることが好ましい。
【0022】
(A)部分水素添加ブロック共重合体の共役ジエン部分の脂肪族二重結合の水素添加率は20〜90%であることが好ましく、30〜80%であることがより好ましく、40〜70%であることが特に好ましい。水素添加率が20%未満の場合、ホットメルト型粘着組成物は高温時において熱安定性が劣ることもあり、水素添加率が90%を超える場合、ホットメルト型粘着組成物は粘着特性が劣ることもある。
【0023】
ここで、(A)部分水素添加ブロック共重合体中の共役ジエン部分の脂肪族二重結合の「水素添加率」とは、共役ジエン部分に含まれる全脂肪族二重結合を基準とし、その中で、水素添加されて飽和炭化水素結合に転換された二重結合の割合を意味する。「水素添加率」は、赤外分光光度計及び核磁器共鳴装置等によって測定される。
【0024】
(A)部分水素添加ブロック共重合体は、メルトフローインデックスが2〜6であることが好ましく、2.5〜5.5であることがより好ましく、3〜5であることが特に好ましい。メルトフローインデックスとは、熱可塑性高分子の溶融粘度を表わす指数をいい、(A)のメルトフローインデックスは、JIS K7210に記載の方法を用いて、試験温度190℃、試験荷重2.16kgfの条件で、押出形プラストメーターを用いて(A)の流出速度を求め、その流出速度から算出される。
【0025】
(A)部分水素添加ブロック共重合体の15重量%トルエン溶液の粘度は、25℃において、20〜50mPa・sであることが好ましく、25〜45mPa・sであることがより好ましく、30〜40mPa・sであることが特に好ましい。(A)の15重量%トルエン溶液の粘度は、ブルックフィールドB型粘度計(スピンドルNo.2)を用いて、25℃で測定される。
【0026】
(A)部分水素添加ブロック共重合体は、メルトフローインデックスが2〜6、もしくは(A)部分水素添加ブロック共重合体の15重量%トルエン溶液の25℃での粘度が20〜50mPa・sであることが好ましく、メルトフローインデックスが2.5〜5.5、もしくは15重量%トルエン溶液の25℃での粘度が25〜45mPa・sであることがより好ましく、メルトフローインデックスが3〜5、もしくは15重量%トルエン溶液の25℃での粘度が30〜40mPa・sであることが特に好ましい。
【0027】
本発明において、(A)部分水素添加ブロック共重合体は、ビニル系芳香族炭化水素に基づく重合体ブロックの含有率(以下「ビニル系芳香族炭化水素含有率」ともいう)が20〜45重量%であり、ダイブロック含有率が40〜80重量%であることが好ましく、ビニル系芳香族炭化水素含有率が25〜45重量%であり、ダイブロック含有率が50〜80重量%であることがより好ましく、ビニル系芳香族炭化水素含有率が30〜45重量%であり、ダイブロック含有率が60〜80重量%であることが特に好ましい。
【0028】
ビニル系芳香族炭化水素含有率が20重量%未満の場合、ホットメルト型粘着組成物の凝集力が減少し、40℃以上の温度雰囲気下での接着力が低下し得る。また、ビニル系芳香族炭化水素含有率が45重量%を超える場合、ホットメルト型粘接着組成物自体の粘着力が減少し、10℃以下の温度雰囲気下での接着力が低下し得る。
【0029】
本発明において「ダイブロック」とは、「ビニル系芳香族炭化水素−共役ジエン化合物ダイブロックコポリマー」、即ち、ビニル系芳香族炭化水素に基づく重合体ブロックと共役ジエン化合物に基づく重合体ブロックの合計二つの重合体ブロックから成るダイブロックコポリマーを意味する。ダイブロック含有率が40重量%未満の場合、ホットメルト型粘着組成物の粘着特性が不十分と成り得る。ダイブロック含有率が80重量%を超える場合、得られるホットメルト型粘着組成物の低温接着性が低くなり得る。
【0030】
本発明に係るホットメルト型粘着組成物に関し、(I)成分は、(A)部分水素添加ブロック共重合体に加え、更に、(B)未水素添加ブロック共重合体及び/又は(C)完全水素添加ブロック共重合体を含んでいてもよい。
【0031】
本発明において「(B)未水素添加ブロック共重合体」とは、ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物とのブロック共重合体であって、共役ジエン部分が、実質的に全く水素添加されていないブロック共重合体をいう。「(B)未水素添加ブロック共重合体」として、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を例示することができ、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体が好ましい。
【0032】
本発明において「(C)完全水素添加ブロック共重合体」とは、ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物とのブロック共重合体であって、共役ジエン部分が実質的に完全に水素添加されているブロック共重合体をいう。「(C)完全水添ブロック共重合体」として、例えば、スチレン−ブタジエン−ブロック共重合体のブタジエンに基づく重合体ブロックが実質的に完全に水素添加されたブロック共重合体を例示することができ、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合が好ましい。
【0033】
(A)部分水素添加ブロック共重合体、(B)未水素添加ブロック共重合体、(C)完全水素添加ブロック共重合体の重量平均分子量は、いずれも20000〜200000であることが好ましく、20000〜150000であることがより好ましく、30000〜120000であることが特に好ましい。重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定される、単分散分子量ポリスチレンで換算された重量平均分子量をいう。より具体的には、下記のGPC装置及び測定方法を用いて測定された値をいい、本発明者は後述する実施例及び比較例においても、下記の装置及び測定方法を用いた。
【0034】
GPC装置は、ウォーターズ(Waters)社製の600Eを用い、検出器として、RI(Waters410)及びUV(Waters486、220nm)を用いた。GPCカラムとして、ウォーターズ(Waters)社製のウルトラスタイロジェル100Å(分子量50〜1500用)1本及びウルトラスタイロジェル500Å(分子量1000〜10000用)1本の計2本を用いた。試料をテトラヒドロフランに溶解して、流速を0.5ml/min、カラム温度を40℃にて流し、標準物質としての単分散分子量のポリスチレン(分子量1300、3000及び10000)を使用した検量線を用いて分子量の換算を行い、Mwを求めた。
【0035】
(A)部分水素添加ブロック共重合体及び(C)完全水素添加ブロック共重合体は、(B)未水素添加ブロック共重合体の水素添加反応(共役ジエン化合物に基づく重合体ブロックの水素添加反応)によって得ることができる。水素添加反応で使用される触媒として、例えば(i)Ni、Pt、Pb、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持させた担持型不均一系触媒と、(ii)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩もしくはアセチルアトン塩と、有機アルミニウム等の還元剤とを併用するチーグラー型触媒、並びに(iii)Ru、Rh等の均一系触媒を例示できる。
【0036】
(A)部分水素添加ブロック共重合体中の共役ジエン部分の脂肪族二重結合の水素添加率を、好ましい水素添加率である20〜90%とするには、触媒量、反応時間、反応温度、水素供給量等の水素添加反応条件を調整することが必要である。(A)部分水素添加ブロック共重合体の製造方法は、特開平5−263056号公報及び特開平7−157738号公報等に記載の製造方法を参照することができる。
【0037】
(A)部分水素添加ブロック共重合体として、市販のブロック共重合体を使用することができる。そのようなブロック共重合体として、例えば、旭化成工業(株)製のアサプレンP1000(JT84P)(商品名)、旭化成工業(株)製のアサプレンP2000(JT90P)(商品名)を例示することができる。
【0038】
(B)未水素添加ブロック共重合体として、市販のブロック共重合体を使用することができる。そのようなブロック共重合体として、例えば、旭化成工業(株)製のT438(商品名)、JSR(株)製のTR2003(商品名)、ファイヤーストーン(FIRESTONE)社製のステレオン842A(商品名)を例示することができる。
【0039】
(C)完全水素添加ブロック共重合体として、市販のブロック共重合体を使用することができる。そのようなブロック共重合体として、例えば、クレイトンポリマー社製のクレイトン(Kraton)G1652(商品名)、クレイトンポリマー社製のクレイトン(Kraton)G1726(商品名)、旭化成工業(株)製のタフテックH1141(商品名)を例示することができる。
【0040】
本発明において「(II)成分:粘着付与樹脂」は、アロマ含有率が4〜10重量%である水素添加石油樹脂を含んで成る。「アロマ含有率が4〜10重量%である水素添加石油樹脂」は、本発明に係るホットメルト型粘着組成物の濡れ性を向上させ、初期接着力を付与するとともに粘着組成物の溶融粘度を低下させて、塗装工程の作業性を改善するために配合される。「水素添加石油樹脂」のアロマ含有率が4重量%未満の場合、(II)成分と(A)部分水添ブロック共重合体の未水素添加部分との相溶性が悪くなり、得られるホットメルト型粘着組成物の粘着力が低下し得る。「水素添加石油樹脂」のアロマ含有率が10重量%を超える場合、(II)成分と(A)部分水添ブロック共重合体の水素添加部分との相溶性が悪くなり、得られるホットメルト型粘着組成物の粘着力が低下し得る。
【0041】
「水素添加石油樹脂」として、例えば、いずれも部分的又は完全に水素添加された芳香族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂肪族−芳香族炭化水素樹脂、スチレン系石油樹脂、脂環族芳香族炭化水素石油樹脂及び脂環族炭化水素石油樹脂を例示できる。特に、アロマ含有率6〜9重量%の水素添加脂肪族‐芳香族炭化水素樹脂が好ましい。これらの粘着付与樹脂は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0042】
本発明において「アロマ含有率」とは、ビニル芳香族炭化水素に基づく部分の割合を意味する。「アロマ含有率」とは、試料を二硫化炭素に溶解後、赤外吸収スペクトルを測定し、700cm−1での吸光度を求め、予め作成した検量線を用いて定量した値をいう。
【0043】
(II)成分は、他の粘着付与樹脂を含んで成ってもよい。そのような粘着付与樹脂として、例えば、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、変性テルペン系樹脂、変性ロジン系樹脂等を例示することができる。
【0044】
本発明に係るホットメルト型粘着組成物は、(I)成分100重量部当たり、(II)成分を100〜300重量部を含んで成ることが好ましく、150〜300重量部を含んで成ることがより好ましく、200〜250重量部含んで成ることが特に好ましい。(I)成分100重量部当たり、(II)成分が100重量部未満の場合、ホットメルト型粘着組成物の粘着特性が低下し得、(II)成分が300重量部を超える場合、ホットメルト型粘着組成物の低温接着性が悪くなり得る。
【0045】
本発明に係るホットメルト型粘着組成物は、(I)成分、(II)成分の他に、種々の添加剤を含有することができる。添加剤として、例えば、可塑化オイル、安定化剤、微粒子充填剤、ワックス等を例示できる。
【0046】
「可塑化オイル」は、ホットメルト型粘着組成物の溶融粘度を低下させ、ホットメルト型粘着組成物に柔軟性を付与することを目的として使用される。このような可塑化オイルとして、例えば、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイルを例示でき、無色であり、かつ、実質的に無臭であるパラフィン系オイルが好ましい。尚、ここでいう無臭とは、日本衛生材料工業会の自主規制において示されるように、臭気が殆どないことをいう。
【0047】
「安定化剤」は、ホットメルト型粘着組成物の熱による分子量低下、ゲル化、着色の発生、臭気の発生等を防止するために配合される。このような安定化剤として、例えば、酸化防止剤及び紫外線吸収剤を例示できる。「紫外線吸収剤」は、ホットメルト型粘着組成物の耐光性を改善するために使用される。「酸化防止剤」及び「紫外線吸収剤」は、一般的に衛生材料に使用されるものであれば、特に制限されることなく使用することができる。そのような酸化防止剤として、例えば、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤を例示できる。また紫外線吸収剤として、ベンゾトリアール系紫外線吸収剤及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤を例示できる。
【0048】
「微粒子充填剤」は、一般に使用されているものであれば特に限定されることなく、使用することができる。「微粒子充填剤」として、例えば、雲母、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、ケイソウ土、尿素系樹脂、スチレンビーズ、焼成クレー、澱粉等を例示できる。これらの形状は、好ましくは球状であり、その寸法(球状の場合は直径)は、特に限定されるものではない。
【0049】
本発明のホットメルト型粘着組成物は、(I)成分、(II)成分、更に必要に応じて種々の添加剤を所定の割合で配合し、溶融混合することによって製造することができる。具体的には、上記成分を攪拌機付きの溶融混合釜に投入し、加熱混合することによって製造される。
【0050】
本発明に係るホットメルト型粘着組成物は、軟化点が70〜110℃であることが好ましく、75〜105℃であることがより好ましく、80〜100℃であることが特に好ましい。ここで「軟化点」とは、プラスチック等の高分子材料を加熱し、材料が柔らかくなり変形をはじめる温度をいう。リング&ボール法(日本接着剤工業会規格JAI−7−1999に規定された方法)を用いて測定される。
【0051】
更に、本発明に係るホットメルト型粘着組成物は、160℃の溶融粘度が500〜5000mPa・sであることが好ましく、500〜4000mPa・sであることがより好ましく、500〜3000mPa・sであることが特に好ましい。「溶融粘度」とは、高分子物質の溶融体の粘度をいう。本発明に係るホットメルト型粘着組成物の溶融粘度は、例えば、ブルックフィールドB型粘度計(スピンドルN0.27)を用いて120℃、140℃、160℃及び180℃で測定される。
【0052】
本発明に係るホットメルト型粘着組成物は、実施例において記載するループタックの評価方法によるループタックが、10〜150オンス/inch(2.78〜41.70N/2.54cm)であることが好ましく、30〜120オンス/inch(8.34〜33.36N/2.54cm)であることがより好ましく、50〜120オンス/inch(13.90〜33.36N/2.54cm)であることが特に好ましい。
【0053】
また、本発明に係るホットメルト型粘着組成物は、実施例において記載する剥離強度(サーマルボンド不織布)の評価方法による剥離強度(サーマルボンド)が、50〜1000gf/inch(0.49〜9.81N/2.54cm)であることが好ましく、250〜1000gf/inch(2.45〜9.81N/2.54cm)であることがより好ましく、400〜1000gf/inch(3.92〜9.81N/2.54cm)であることが特に好ましい。
【0054】
更に、本発明に係るホットメルト型粘着組成物は、実施例において記載する剥離強度(エアスルー不織布)の評価方法による剥離強度(エアスルー)が、50〜400gf/inch(0.49〜3.92N/2.54cm)であることが好ましく、100〜400gf/inch(0.98〜3.92N/2.54cm)であることがより好ましく、200〜400gf/inch(1.96〜3.92N/2.54cm)であることが特に好ましい。
【0055】
本発明に係るホットメルト型粘着組成物は、実施例において記載する熱安定性の評価方法による異物(例えば炭化物)が、無いことが好ましい。また、本発明に係るホットメルト型粘着組成物は、実施例において記載する熱安定性の評価方法による粘度維持率が、30〜100%であることが好ましく、40〜100%であることがより好ましく、50〜100%であることが特に好ましい。
【0056】
本発明に係るホットメルト型粘着組成物は、衛生材料に好ましく使用される。「衛生材料」とは、例えば、織布、不織布、ゴム、樹脂及び紙類からなる群から選択される少なくとも一つの部材と、例えば、ポリオレフィンフィルムとを接着することによって構成される材料をいう。「衛生材料」として、例えば紙おむつ、生理用ナプキン、病院用ガウン、手術用白衣等を例示できる。
【0057】
上述の接着は、本発明に係るホットメルト型粘着組成物を溶融状態とし、ホットメルト型粘着組成物を「部材」と「ポリオレフィンフィルム」の少なくとも一方に塗工した後、これら両者を圧接することによって行われる。塗工法として、例えば、Tダイ塗工法、ロール塗工法、マルチビード塗工法、スプレー塗工法を例示できる。
【0058】
「ポリオレフィンフィルム」として、例えば、通常ポリオレフィンフィルムとされるもの、即ち、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムを例示することができるが、耐久性及びコスト等の理由からポリエチレンフィルムが好ましい。
【0059】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
尚、実施例の記載において、特に記載がない限り、溶媒を考慮しない部分を、重量部及び重量%の基準としている。
【0060】
実施例において使用した、(I)成分:ブロック共重合体を以下に示す。
(A)部分水素添加ブロック共重合体として、(A1)旭化成工業(株)製のアサプレンP1000(JT84P)(商品名)(スチレン−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン含有率:30重量%、ダイブロック含有率:70重量%、重量平均分子量:80000、メルトフローインデックス:4g/10min、15重量%トルエン溶液の25℃での粘度:35mPa・s、共役ジエン部分の脂肪族二重結合の水素添加率:40%)を用いた。
【0061】
(B)未水素添加ブロック共重合体として、(B1)旭化成工業(株)製のT438(商品名)(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン含有率:35重量%、ダイブロック含有率:70重量%、重量平均分子量:100000)、及び(B2)JSR(株)製のTR2003(商品名)(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン含有率:43重量%、ダイブロック含有率:0重量%、重量平均分子量:100000)を用いた。
【0062】
(C)完全水素添加ブロック共重合体として、(C1)クレイトンポリマー(株)製のクレイトン(Kraton)G1652(商品名)(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン含有率:30重量%、ダイブロック含有率:0重量%、重量平均分子量:87000)、及び(C2)クレイトンポリマー(株)製のクレイトン(Kraton)G1726(商品名)(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン含有率:30重量%、ダイブロック含有率:70重量%、重量平均分子量:46000)を用いた。
【0063】
更に、実施例において使用した、(II)成分:粘着付与樹脂を以下に示す。
アロマ含有率が4〜10重量%である水素添加石油樹脂として、(T1)出光石油化学(株)製のアイマーブY100(商品名)(アロマ変性率:6〜9%、水素添加脂肪族芳香族炭化水素石油樹脂)を用いた。
【0064】
その他の粘着付与樹脂として、(t1)出光石油化学(株)製のアイマーブS100(商品名)(アロマ変性率:21〜23%、水素添加脂肪族芳香族炭化水素石油樹脂)、及び(t2)出光石油化学(株)製のアイマーブP100(商品名)(アロマ変性率:0%、水素添加脂肪族炭化水素石油樹脂)を用いた。
【0065】
更に、その他の粘着付与樹脂として、(t3)トーネックス(株)製のECR5600(商品名)(アロマ変性率:11%以上(推定)、水素添加脂環族芳香族炭化水素石油樹脂)、及び(t4)トーネックス(株)製のECR5400(商品名)(アロマ変性率:0%、水素添加脂環族炭化水素石油樹脂)を用いた。
【0066】
また、その他の粘着付与樹脂として、(t5)安原ケミカル(株)製のクリアロンK100(商品名)(アロマ変性率:11%以上(推定)、水素添加芳香族変性テルペン系樹脂)、及び(t6)安原ケミカル(株)製のクリアロンM105(商品名)(アロマ変性率:6〜10%(推定)、水素添加芳香族変性テルペン系樹脂)を用いた。
【0067】
更にまた、実施例において「添加剤」として、(Ad1)出光興産社製のPS−32(軟化剤)、及び(Ad2)チバ・スペシャルティーケミカルズ(株)製のイルガノックス1010(酸化防止剤)を用いた。
【0068】
(A)部分水素添加ブロック共重合体の共役ジエン部分の脂肪族二重結合の水素添加率は、赤外分光光度計及び核磁器共鳴装置等によって測定した。メルトフローインデックスは、JIS K7210に記載の方法を用いて、試験温度190℃、試験荷重2.16kgfの条件で、押出形プラストメーターを用いて(A)の流出速度を求め、その流出速度から算出された。(A)の15重量%トルエン溶液の粘度は、ブルックフィールドB型粘度計(スピンドルNo.2)を用いて、25℃にて測定した。(A)、(B)及び(C)ブロック共重合体の重量平均分子量は、上述した通りのGPC装置及び測定方法を用いて測定された、ポリスチレン換算重量平均分子量である。
【0069】
更に、粘着付与樹脂のアロマ変性率は、粘着付与樹脂を二硫化炭素に溶解後、赤外吸収スペクトルを測定し、700cm−1での吸光度を求め、予め作成した検量線を用いて定量して得た。
【0070】
実施例1〜6及び比較例1〜8
表1及び3に記載した量(重量部)の、表1及び3に記載のブロック共重合体、粘着付与樹脂及び添加剤の各成分を、ニーダーにし込み、150℃に加熱しつつ混合して、実施例1〜6及び比較例1〜8のホットメルト型粘着組成物を製造した。得られたホットメルト型粘着組成物は、以下のように評価した。
【0071】
(i)軟化点
ホットメルト型粘着組成物の軟化点は、リング&ボール(R&B)法(日本接着剤工業会規格JAI−7−1999に規定された方法)を用いて評価した。尚、実施例1のホットメルト型粘着組成物の軟化点は、90℃であった。
【0072】
(ii)溶融粘度
ホットメルト型粘着組成物の溶融粘度は、ブルックフィールドB型粘度計(スピンドルNo.27)を用いて、120℃、140℃、160℃及び180℃で、測定した。尚、実施例1のホットメルト型粘着組成物の溶融粘度は、120℃で7500mPa・s、140℃で2200mPa・s、160℃で1000mPa・s、180℃で530mPa・sであった。
【0073】
(iii)ループタック
ホットメルト型粘着組成物のループタックの測定は、以下のように行った。ホットメルト型粘着組成物を厚さが50μmのPET板上に50μmの厚みで塗布した。これを、幅25mm、長さ125mmの大きさに切り取り、テープ状とした後、そのテープの両端を重ね合わせることでループ状とした。そのループを、LT−100型ループタックテスター(ケムインストルメント社製)に固定した後、PE(ポリエチレン)板に対して、25mm×25mmの接着面積で、接着時間2秒で接着した。20℃で、引き剥がし速度300mm/分でループ状のテープを引き剥がし、最大の力を測定した。尚、実施例1のホットメルト型粘着組成物のループタックは、88オンス/inch(24.5N/2.54cm)であった。
【0074】
(iv)剥離強度
ホットメルト型粘着組成物の剥離強度の測定は、以下のように行った。ホットメルト型粘着組成物を厚さが50μmのPETフィルム上に、20℃において30μmの厚みで塗布した。これを、幅25mm、長さ50mmの大きさに切り取り、測定試料とした。試料を不織布に貼り付け、その上から2kgのローラーを用いて1往復圧締した。30分後、引き剥がし速度100mm/分で、20℃で、90度剥離力を測定した。90度剥離力として、一般にサーマルボンドと称される不織布に、試料を貼り付けて引き剥がしたときに測定される剥離力(これを「剥離強度(サーマルボンド)」ともいう)と、一般にエアスルーと称される不織布に、試料を貼り付けて引き剥がしたときに測定される剥離力(これを「剥離強度(エアスルー)」ともいう)の二つの剥離力を測定した。尚、実施例1のホットメルト型粘着組成物の剥離強度(サーマルボンド)は、400gf/inch(3.92N/2.54cm)であり、剥離強度(エアスルー)は、250gf/inch(2.45N/2.54cm)であった。
【0075】
(v)熱安定性
ホットメルト型粘着組成物の熱安定性は、ホットメルト型粘着組成物を180℃の雰囲気中で72時間保管した後の、外観の変化及びホットメルト型粘着組成物の160℃での粘度を測定することによって評価した。
即ち、180℃で72時間保管した後、目視でホットメルト型粘着組成物を観察し、異物が有る場合、有り、異物が無い場合、無しとした。
【0076】
また、ホットメルト型粘着組成物を180℃で72時間保管する前後に、上述した溶融粘度を測定する方法で、粘度を測定し、下記数式(1)に基づいて、粘度維持率を算出した。
【数1】
数式(1):粘度維持率=(180℃で保管後の粘度/180℃で保管前の粘度)×100(%)
尚、実施例1のホットメルト型粘着組成物の異物(この場合は炭化物)は有り、粘度維持率は60%であった。
【0077】
実施例1〜6及び比較例1〜8のホットメルト型粘着組成物の組成及び評価結果を、表1〜4に示す。
【0078】
【表1】
Figure 0004217449
a)各成分の量の単位は、重量部である。
【0079】
【表2】
Figure 0004217449
a)軟化点の単位は、℃である。b)溶融粘度の単位は、mPa・sである。
c)ループタックの単位は、上段はオンス/inch、下段はN/2.54cmである。
d)剥離強度の単位は、サーマルボンド及びエアスルーのいずれも、上段はg/inch、下段はN/2.54cmである。
e)熱安定性の異物は、その有無を示す。粘度維持率の単位は、%である。
【0080】
【表3】
Figure 0004217449
a)各成分の量の単位は、重量部である。
【0081】
【表4】
Figure 0004217449
a)軟化点の単位は、℃である。b)溶融粘度の単位は、mPa・sである。
c)ループタックの単位は、上段はオンス/inch、下段はN/2.54cmである。
d)剥離強度の単位は、サーマルボンド及びエアスルーのいずれも、上段はg/inch、下段はN/2.54cmである。
e)熱安定性の異物は、その有無を示す。粘度維持率の単位は、%である。
【0082】
実施例1及び2のホットメルト型粘着組成物は、比較例1〜6のホットメルト型粘着組成物と比べて、タック、剥離強度、及び安定性の三者のバランスに優れる。実施例3及び4のホットメルト型粘着組成物は、(I)成分に(C)完全水素添加ブロック共重合体が含まれており、剥離強度及び安定性のバランスに優れ、安定性により優れる。実施例5及び6のホットメルト型粘着組成物は、(I)成分に(B)未水素添加ブロック共重合体が含まれるが、比較例7及び8のホットメルト型粘着組成物と比べると、タック及び剥離強度のバランスに優れ、安定性も良好である。
【0083】
【発明の効果】
このように、本発明に係るホットメルト型粘着組成物は、特定の(A)部分水素添加ブロック共重合体を含んで成る(I)成分と、アロマ含有率が特定の値を有する水素添加石油樹脂を含んで成る(II)成分を含んで成る、粘着力と凝集力とのバランスに優れたものとなる。更に、好ましくは接着力も高いものとなる。また、より好ましくは熱安定性も優れたものとなる。

Claims (9)

  1. (I)成分:ブロック共重合体と(II)成分:粘着付与樹脂を含有するホットメルト型粘着組成物であって、
    (I)成分は、共役ジエン化合物に基づく重合体ブロックが部分的に水素添加されている(A)部分水素添加ブロック共重合体を含み、
    (A)部分水素添加ブロック共重合体は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の共役ジエン化合物に基づく重合体ブロックが部分的に水素添加されて得られる部分水素添加ブロック共重合体を含んで成り、
    (II)成分は、アロマ含有率が4〜10重量%である水素添加石油樹脂を含んで成る
    ことを特徴とするホットメルト型粘着組成物。
  2. (A)部分水素添加ブロック共重合体は、共役ジエン化合物に基づく重合体ブロックの脂肪族二重結合の水素添加率が20〜90%であることを特徴とする請求項1に記載のホットメルト型粘着組成物。
  3. (A)部分水素添加ブロック共重合体は、メルトフローインデックスが2〜6、もしくは15重量%トルエン溶液の25℃での粘度が20〜50mPa・sであることを特徴とする請求項1又は2に記載のホットメルト型粘着組成物。
  4. (A)部分水素添加ブロック共重合体は、ビニル系芳香族炭化水素に基づく重合体ブロックの含有率が20〜45重量%、ダイブロック含有率が40〜80重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のホットメルト型粘着組成物。
  5. (I)成分は、更に、共役ジエン化合物に基づく重合体ブロックが実質的に全く水素添加されていない(B)未水素添加ブロック共重合体及び/又は共役ジエン化合物に基づく重合体ブロックが実質的に完全に水素添加されている(C)完全水素添加ブロック共重合体を含んで成り、
    (B)未水素添加ブロック共重合体は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体を含んで成り、
    (C)完全水素添加ブロックは、スチレン−ブタジエンブロック共重合体のブタジエンに基づく重合体ブロックが実質的に完全に水素添加されたブロック共重合体を含んで成る
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のホットメルト型粘着組成物。
  6. 水素添加石油樹脂は、アロマ含有率が6〜9重量%である水素添加脂肪族−芳香族炭化水素樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のホットメルト型粘着組成物。
  7. (I)成分100重量部当たり、(II)成分100〜300重量部を含んで成ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のホットメルト型粘着組成物。
  8. 衛生材料に用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のホットメルト型粘着組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のホットメルト型粘着組成物を用いて製造された衛生材料。
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