JP2019178241A - 組成物、ホットメルト粘接着剤組成物および組成物の製造方法 - Google Patents

組成物、ホットメルト粘接着剤組成物および組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温での初期粘着力に優れるホットメルト粘接着剤組成物を与えることができ、成形性、加工性および耐ブロッキング性に優れた組成物を提供すること。【解決手段】少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックおよび少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックを有するブロック共重合体、および、石油樹脂を含有する組成物であって、軟化剤を含有しておらず、前記組成物中の前記ブロック共重合体の含有量が、30〜97質量%の範囲であり、前記組成物中の前記石油樹脂の含有量が、3〜70質量%の範囲であり、前記石油樹脂の軟化点が、90℃以下であり、動的粘弾性測定により測定される前記組成物のガラス転移温度が0℃未満である組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、低温での初期粘着力に優れるホットメルト粘接着剤組成物を与えることができ、成形性、加工性および耐ブロッキング性に優れた組成物に関するものである。
ホットメルト粘接着剤は、短時間で固化することから、種々の製品を効率的に接着させることが可能であり、しかも、溶剤を必要としないことから、人体への安全性が高い粘接着剤であり、そのため、様々な分野で用いられている。
ホットメルト粘接着剤としては、ベースポリマーとしてのスチレン系ブロック共重合体と、粘着付与樹脂とを含有するものが知られている。
特許文献1には、スチレン系ブロック共重合体をベースポリマーとする接着剤を製造する工程において、第1の混練において、該スチレン系ブロック共重合体と接着剤成分のひとつである粘着付与樹脂を予め別の装置で加熱混練し、これをいったん冷却固化して成型し、小さなブロックあるいはペレットとした後、さらに第2の混練において、第1の混練の混合物を残りの接着剤成分と共に配合機に仕込んで撹拌混合することを特徴とする接着剤の製造方法が開示されている。
この特許文献1によれば、接着剤の生産性に改善がみられるものの、粘着剤用途に用いた場合に重要となる低温での初期粘着力が十分ではなかった。
特許第3889341号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、低温での初期粘着力に優れるホットメルト粘接着剤組成物を与えることができ、成形性、加工性および耐ブロッキング性に優れた組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成すべく検討を行ったところ、粘着付与樹脂として、低軟化点を有する石油樹脂を含有し、ブロック共重合体および石油樹脂の含有量、ならびに、ガラス転移温度が適切に調整された組成物によって、上記課題が見事に解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックおよび少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックを有するブロック共重合体、および、石油樹脂を含有する組成物であって、軟化剤を含有しておらず、前記組成物中の前記ブロック共重合体の含有量が、30〜97質量%の範囲であり、前記組成物中の前記石油樹脂の含有量が、3〜70質量%の範囲であり、前記石油樹脂の軟化点が、90℃以下であり、動的粘弾性測定により測定される前記組成物のガラス転移温度が0℃未満である組成物が提供される。
本発明の組成物の形状が、ペレット状またはクラム状であることが好ましい。
本発明の組成物において、前記ブロック共重合体が、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体、芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体、および、これらの混合物から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の組成物において、前記組成物中の前記ブロック共重合体の含有量が、50〜90質量%の範囲であり、前記組成物中の前記石油樹脂の含有量が、10〜50質量%の範囲であることが好ましい。
本発明の組成物において、前記石油樹脂が、脂肪族系炭化水素樹脂、脂肪族−芳香族共重合系炭化水素樹脂、および、これらの水素化物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の組成物において、前記石油樹脂の軟化点が、80℃以下であることが好ましい。
また、本発明によれば、上記の組成物、および、可塑剤を含有するホットメルト粘接着剤組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記の組成物の製造方法であって、前記ブロック共重合体および前記石油樹脂を、いずれも溶融させた状態で混練する工程を含む製造方法が提供される。
本発明によれば、低温での初期粘着力に優れるホットメルト粘接着剤組成物を与えることができ、成形性、加工性および耐ブロッキング性に優れた組成物を提供することができる。
(組成物)
本発明の組成物は、ブロック共重合体および石油樹脂を含有する。
ブロック共重合体は、少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックおよび少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックを有する。芳香族ビニル重合体ブロックは、芳香族ビニル単量体により形成される芳香族ビニル単量体単位を含有し、共役ジエン重合体ブロックは、共役ジエン単量体から形成される共役ジエン単量体単位を含有する。
芳香族ビニル単量体単位を形成する芳香族ビニル単量体は、芳香族ビニル化合物であれば特に限定されないが、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、4−ブロモスチレン、2−メチル−4,6−ジクロロスチレン、2,4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。これらのなかでも、スチレンを用いることが好ましい。これらの芳香族ビニル単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、ブロック共重合体が複数の芳香族ビニル重合体ブロックを有する場合において、各々の芳香族ビニル重合体ブロックは、同じ芳香族ビニル単量体単位により構成されていてもよいし、異なる芳香族ビニル単量体単位により構成されていてもよい。
また、芳香族ビニル重合体ブロックは、芳香族ビニル単量体単位が主たる繰り返し単位となる限りにおいて、それ以外の単量体単位を含んでいてもよい。芳香族ビニル重合体ブロックに含まれ得る芳香族ビニル単量体単位以外の単量体単位を構成する単量体としては、たとえば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)などの共役ジエン単量体、α,β−不飽和ニトリル単量体、不飽和カルボン酸または酸無水物単量体、不飽和カルボン酸エステル単量体、非共役ジエン単量体などが挙げられる。芳香族ビニル重合体ブロックにおける芳香族ビニル単量体単位以外の単量体単位の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、実質的に0質量%であることが特に好ましい。
共役ジエン単量体単位を形成する共役ジエン単量体は、共役ジエン化合物であれば特に限定されないが、たとえば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらのなかでも、1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレンを用いることが好ましく、イソプレンを用いることが特に好ましい。共役ジエン重合体ブロックをイソプレン単位で構成することにより、得られるホットメルト粘接着剤組成物を、低温での初期粘着力により優れたものとすることができる。これらの共役ジエン単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、ブロック共重合体が複数の共役ジエン重合体ブロックを有する場合において、各々の共役ジエン重合体ブロックは、同じ共役ジエン単量体単位により構成されていてもよいし、異なる共役ジエン単量体単位により構成されていてもよい。さらに、共役ジエン重合体ブロックの不飽和結合の一部に対し、水素添加反応が行われていてもよい。
また、共役ジエン重合体ブロックは、共役ジエン単量体単位が主たる繰り返し単位となる限りにおいて、それ以外の単量体単位を含んでいてもよい。共役ジエン重合体ブロックに含まれ得る共役ジエン単量体単位以外の単量体単位を構成する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体、α,β−不飽和ニトリル単量体、不飽和カルボン酸または酸無水物単量体、不飽和カルボン酸エステル単量体、非共役ジエン単量体が例示される。共役ジエン重合体ブロックにおける共役ジエン単量体単位以外の単量体単位の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、実質的に0質量%であることが特に好ましい。
共役ジエン重合体ブロックのビニル結合含有量(共役ジエン重合体ブロック中の全共役ジエン単量体単位において、1,2−ビニル結合単位と3,4−ビニル結合単位が占める割合)は、特に限定されないが、1〜20モル%の範囲であることが好ましく、2〜15モル%の範囲であることがより好ましく、3〜10モル%の範囲であることが特に好ましい。
本発明で用いられるブロック共重合体は、芳香族ビニル重合体ブロックおよび共役ジエン重合体ブロックをそれぞれ少なくとも1つ有してなるものであれば、それぞれの重合体ブロックの数やそれらの結合形態は特に限定されない。本発明で用いられるブロック共重合体の形態の具体例としては、Arが芳香族ビニル重合体ブロックを表し、Dが共役ジエン重合体ブロックを表し、Xがカップリング剤の残基を表し、nが2以上の整数を表すものとした場合において、Ar−Dとして表される芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体、Ar−D−Arまたは(Ar−D)n−Xとして表される芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体、D−Ar−Dまたは(D−Ar)n−Xとして表される共役ジエン−芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体、Ar−D−Ar−Dとして表される芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体、およびこれらの2種以上を任意の組み合わせで混合してなるブロック共重合体の混合物を挙げることができるがこれらに限定されない。本発明において、特に好ましく用いられるブロック共重合体としては、Ar−Dとして表される芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体、およびAr−D−Arまたは(Ar−D)n−Xとして表される芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体、ならびにこれらの混合物から選択されるブロック共重合体を挙げることできる。
また、Ar−D−Arまたは(Ar−D)n−Xとして表される芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体において、それぞれの芳香族ビニルブロック(Ar)の分子鎖長は同じであってもよいし、異なる分子鎖長のものが含まれていてもよい。
本発明で用いられるブロック共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常40,000〜500,000の範囲で選択され、好ましくは50,000〜400,000の範囲で選択される。
本発明で用いられるブロック共重合体中の芳香族ビニル単量体単位の含有量は、特に限定されないが、好ましくは5〜60質量%の範囲であり、より好ましくは7〜55質量%の範囲、さらに好ましくは10〜50質量%の範囲である。芳香族ビニル単量体単位含有量を上記範囲とすることにより、組成物の成形性、加工性および耐ブロッキング性をより優れたものとすることができ、得られるホットメルト粘接着剤組成物を、低温での初期粘着力により優れたものとすることができる。なお、ブロック共重合体が、実質的に、芳香族ビニル単量体単位および共役ジエン単量体単位のみにより構成されている場合であれば、Rubber Chem. Technol.,45,1295(1972)に記載された方法に従って、ブロック共重合体をオゾン分解し、次いで水素化リチウムアルミニウムにより還元すれば、共役ジエン単量体単位部分が分解され、芳香族モノビニル単量体単位部分を取り出すことができるため、このような方法により、芳香族ビニル単量体単位含有量を測定することができる。
本発明で用いられるブロック共重合体のメルトインデックスは、特に限定されないが、ASTM D1238(G条件、200℃、5kg荷重)に準拠して測定される値として、好ましくは0.1〜1000g/10分の範囲であり、より好ましくは0.1〜100g/10分の範囲であり、さらに好ましくは0.5〜40g/10分の範囲であり、特に好ましくは0.5〜20g/10分の範囲である。メルトインデックスを上記範囲とすることにより、組成物の成形性、加工性をより優れたものとすることができ、得られるホットメルト粘接着剤組成物を、低温での初期粘着力、及び凝集力により優れたものとすることができる。また、特に、メルトインデックスが低いブロック共重合体を用いることにより、得られるホットメルト粘接着剤組成物の高温特性についても、より優れたものとすることができる。
以上述べたような、芳香族ビニル重合体ブロックおよび共役ジエン重合体ブロックを有してなるブロック共重合体は、常法にしたがって製造することが可能であり、最も一般的な製造法としては、アニオンリビング重合法により、芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体とをそれぞれ逐次的に重合して重合体ブロックを形成し、必要に応じて、カップリング剤を反応させてカップリングを行う方法を挙げることができる。また、芳香族ビニル単量体、共役ジエン単量体、次いで芳香族ビニル単量体の順に逐次的に重合して重合体ブロックを形成する方法を用いてもよい。
また、本発明では、市販のブロック共重合体を用いることも可能であり、例えば、「クインタック(登録商標)」(日本ゼオン社製)、「JSR−SIS(登録商標)」(JSR社製)、「Vector(登録商標)」(DEXCO polymers社製)、「アサプレン(登録商標)」・「タフプレン(登録商標)」・「タフテック(登録商標)」(旭化成ケミカルズ社製)、「セプトン(登録商標)」(クラレ社製)などを使用することができる。
本発明の組成物中のブロック共重合体の含有量は、30〜97質量%の範囲であり、好ましくは40〜93質量%の範囲であり、より好ましくは50〜90質量%の範囲である。本発明の組成物中のブロック共重合体の含有量を上記範囲とすることにより、組成物の成形性、加工性および耐ブロッキング性をより優れたものとすることができ、得られるホットメルト粘接着剤組成物を、低温での初期粘着力により優れたものとすることができる。
本発明の組成物は、石油樹脂を含有する。石油樹脂の種類は特に限定されないが、炭化水素樹脂が好ましく、その中でも粘着付与樹脂に分類されるものが特に好ましい。例えば、脂肪族系、芳香族系、脂環族系または脂肪族−芳香族共重合系の炭化水素樹脂またはこれらの水素化物が挙げられる。なかでも、脂肪族系炭化水素樹脂、脂肪族−芳香族共重合系炭化水素樹脂、および、これらの水素化物からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
石油樹脂の軟化点は、90℃以下であり、好ましくは85℃以下であり、より好ましくは80℃以下であり、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは60℃以上である。石油樹脂の軟化点は、JIS K2207にしたがって、環球法により測定する。本発明の組成物は、軟化点が低い石油樹脂を含有することから、たとえば、メルトインデックスが低いブロック共重合体を含有する場合であっても、成形性および加工性に優れており、得られるホットメルト粘接着剤組成物を、低温での初期粘着力により優れたものとすることができる。さらには、軟化点が低い石油樹脂は、耐ブロッキング性に劣る傾向があるが、本発明の組成物は、ブロック共重合体を含有するものであることから、耐ブロッキング性にも優れる。
石油樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常300〜6000の範囲であり、好ましくは500〜5000の範囲である。
本発明の組成物中の石油樹脂の含有量は、3〜70質量%の範囲であり、好ましくは7〜60質量%の範囲であり、より好ましくは10〜50質量%の範囲である。本発明の組成物中の石油樹脂の含有量を上記範囲とすることにより、組成物の成形性、加工性および耐ブロッキング性をより優れたものとすることができ、得られるホットメルト粘接着剤組成物を、低温での初期粘着力により優れたものとすることができる。
石油樹脂は、常法にしたがって製造することが可能である。たとえば、フリーデルクラフツ型のカチオン重合触媒を用いて、単量体混合物を付加重合することにより、製造することができる。単量体混合物の調製方法は特に限定されず、それぞれ純粋な化合物を混合して目的の単量体混合物を得てもよいし、例えばナフサ分解物の留分などに由来する、目的の単量体を含む混合物を用いて、目的の単量体混合物を得てもよい。例えば、単量体混合物に1,3−ペンタジエンなどを配合するためには、イソプレンおよびシクロペンタジエン(その多量体を含む)を抽出した後のC5留分を好適に用いることができる。
本発明の組成物は、軟化剤を含有しない。本発明の組成物は、軟化点が低い石油樹脂を含有することから、軟化剤を含有しないにも関わらず、加工性に優れ、低温での初期粘着力に優れるホットメルト粘接着剤組成物を与えることができる。軟化剤としては、通常のホットメルト粘接着剤組成物に添加される、芳香族系、パラフィン系またはナフテン系のプロセスオイル;ポリブテン、ポリイソブチレンなどの液状重合体などが挙げられる。本明細書において、軟化剤を含有しないとは、組成物中の軟化剤の含有量が、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下、特に好ましくは0質量%であることを意味する。
本発明の組成物は、成形性、加工性および耐ブロッキング性により一層優れ、低温での初期粘着力により一層優れるホットメルト粘接着剤組成物を与えることができることから、実質的にブロック共重合体および石油樹脂のみからなることが好ましく、ブロック共重合体および石油樹脂のみからなることがより好ましい。
本発明の組成物は、一般的にブロック共重合体や石油樹脂の劣化を防ぐために添加される酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤としては、特に限定されず、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどのヒンダードフェノール系化合物;ジラウリルチオプロピオネートなどのチオジカルボキシレートエステル類;トリス(ノニルフェニル)ホスファイトなどの亜燐酸塩類;ヒンダードアミン系光安定剤(HALS);を使用することができる。酸化防止剤の配合量は、特に限定されないが、組成物100重量部当り、通常10重量部以下であり、好ましくは0.5〜5重量部である。なお、酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物は、一般的にブロック共重合体のブロッキングを防ぐために添加される互着防止剤を含有することができる。互着防止剤の種類は特に限定されないが、例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの無機化合物粉末、またはステアリン酸カルシウム、ポリエチレン、ポリスチレンなどの有機化合物粉末、またはシリコーン系剥離剤などの液状物質等が挙げられる。粘接着剤組成物の性能を悪化させずに高いブロッキング防止効果を得るためには、無機化合物粉末を用いることが好ましく、より好ましくはタルク、シリカなどを用いることができる。互着防止剤の添加量は特に限定されないが、十分なブロッキング防止効果の発揮と取扱い時の粉舞防止の観点から、組成物中、0.01〜2.0質量%であることが好ましく、0.05〜1.0質量%であることがより好ましい。
本発明の組成物のガラス転移温度は、0℃未満であり、好ましくは−2℃以下であり、より好ましくは−6℃以下であり、好ましくは−50℃以上であり、より好ましくは−30℃以上である。本発明の組成物のガラス転移温度を上記範囲とすることにより、組成物の耐ブロッキング性をより優れたものとすることができ、得られるホットメルト粘接着剤組成物を、低温での初期粘着力により優れたものとすることができる。ガラス転移温度は、動的粘弾性測定により測定することができ、複数のピークが観測される場合には、共役ジエン重合体ブロックに由来するピークを、本発明の組成物のガラス転移温度とする。共役ジエン重合体ブロックに由来するピークは、通常、芳香族ビニル重合体ブロックのピークよりも、低温側の領域に観測される。
本発明の組成物においては、ブロック共重合体中の共役ジエン重合体ブロックと石油樹脂が相溶していることが好ましい。共役ジエン重合体ブロックに由来するピークは、石油樹脂と相溶することによって、高温側の領域にシフトする。
本発明の組成物の形状は、特に限定されず、例えば、ペレット状、クラム状、ベール状、ピロー包装、ドラム詰めなどが挙げられる。その中でも、ペレット状またはクラム状であることが、取り扱い性に優れ、また、ホットメルト粘接着剤組成物を製造する際の混練容易性に優れることから好ましい。ペレット状またはクラム状の組成物は、ブロック共重合体および石油樹脂の混練物を、常法により成形することによって得られる。したがって、本発明の組成物は、ペレット状またはクラム状の成形品であってもよい。
本発明の組成物は、たとえば、ブロック共重合体および石油樹脂を、いずれも溶融させた状態で混練する工程を含む製造方法により、製造することができる。ブロック共重合体および石油樹脂を溶融した状態とするには、通常、石油樹脂はその軟化点以上の温度に、ブロック共重合体は芳香族ビニル重合体ブロックのガラス転移温度以上の温度に加熱すればよい。
上記の工程では、石油樹脂を混練機に投入して、その石油樹脂の温度が当該石油樹脂の軟化点以上の温度になるまで、石油樹脂を加熱して、次いで、この混練機にブロック共重合体を投入して、ブロック共重合体と石油樹脂とを混練して、混練物を得ることができる。また、ブロック共重合体を先に混練機に投入してから、次いで、この混練機に石油樹脂を投入して、ブロック共重合体と石油樹脂とを混練して、混練物を得ることもできる。連続式の混練機にブロック共重合体と石油樹脂とを連続的に供給して混練し、混練物を得ることもできる。投入されるブロック共重合体および石油樹脂の形態は、特に限定されないが、混練前の取扱い性や混練容易性の観点からは、ペレット状、クラム状、フレーク状などの形状のものが好適に用いられる。実質的には、ブロック共重合体、及び石油樹脂の製造工程において、それぞれを成形して製品とする前の段階で予め双方を混練して混練物を得ることが、本発明の組成物の特徴である加工性を最大に活かし、最終的に粘接着剤組成物とするまでの熱履歴を最小限に抑える観点で最も好ましい。
本発明の組成物は、また、
重合によりブロック共重合体を得る工程、
スチームストリッピングにより、得られたブロック共重合体から溶媒を除去した後、ブロック共重合体を、押出機またはエクスパンションドライヤーを用いて乾燥させる工程、
重合により、石油樹脂を得る工程、
得られた石油樹脂を、薄膜乾燥機を用いて乾燥させる工程、
乾燥させたブロック共重合体および乾燥させた石油樹脂を、いずれも溶融させた状態で混練することにより、ペレット状またはクラム状の組成物を得る工程
を含む製造方法によっても、製造することができる。
本発明の組成物は、また、
重合により、ブロック共重合体を得る工程、
スチームストリッピングにより、ブロック共重合体から溶媒を除去した後、ブロック共重合体を、押出機またはニーダーを用いて、溶融状態にして、乾燥させることにより、ペレット状またはクラム状の組成物を得る工程、
重合により、石油樹脂を得る工程、
得られた石油樹脂を、薄膜乾燥機を用いて乾燥させる工程、を含み、
溶融状態の前記ブロック共重合体を含む前記押出機または前記ニーダーに、乾燥させた前記石油樹脂を投入し、ブロック共重合体および石油樹脂を、いずれも溶融させた状態で混練する製造方法によっても、製造することができる。
前記石油樹脂は、予め溶融した状態で前記押出機または前記ニーダーに投入してもよいし、一度成形した後に投入し前記押出機または前記ニーダー内で溶融させて使用してもよい。
ブロック共重合体と石油樹脂とを混練するための混練温度は、ブロック共重合体のガラス転移温度、石油樹脂の軟化点、及びそれぞれの劣化温度を勘案して定めればよく、特に限定されないが、混練機の設定温度として、110〜250℃であることが好ましく、120〜230℃であることがより好ましい。
ブロック共重合体と石油樹脂との混練は、ブロック共重合体および石油樹脂の混練が十分に行われた時点で完了したものと判断することができる。具体的な判断手法は、常法に従えばよく、例えば、粒子状のブロック共重合体および石油樹脂を混練機に投入した場合では、混練物中に、そのブロック共重合体および石油樹脂の粒子の輪郭が視認できなくなった時点で、混練が完了したものと判断することができる。
本発明の組成物の用途は、特に限定されず、従来の芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体が用いられる用途に用いることができ、例えば、伸縮性フィルム、手袋、エラスティックバンド、コンドーム、OA機器、事務用などの各種ロール、電気電子機器用防振シート、防振ゴム、衝撃吸収シート、衝撃緩衝フィルム・シート、住宅用制振シート、制振ダンパー材などに用いられる成形材料用途、粘着テープ、粘着シート、粘着ラベル、ゴミ取りローラーなどに用いられる粘着剤用途、衛生用品や製本に用いられる接着剤用途、衣料、スポーツ用品などに用いられる弾性繊維用途などの用途に用いることができる。
本発明の組成物は、また、ブロック共重合体および石油樹脂を含有するプレコンパウンドとして利用することが可能である。特に、ホットメルト粘接着剤組成物を製造するためのマスターバッチとしての利用が好適である。
(ホットメルト粘接着剤組成物)
本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、上述した本発明の組成物(以下、「本発明の組成物(A)」ということがある)、および、可塑剤を含有する。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、ブロック共重合体100重量部、石油樹脂25〜400重量部、可塑剤1〜200重量部、を含有することが好ましい。ブロック共重合体および石油樹脂の含有量は、特に断らない限り、本発明の組成物(A)に含まれるブロック共重合体および石油樹脂の含有量と、所望により用いられる、希釈用のブロック共重合体および希釈用の石油樹脂の含有量の合計含有量である。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物中における、石油樹脂の配合量は、ブロック共重合体100重量部に対して、好ましくは25〜400重量部であり、より好ましくは50〜350重量部、さらに好ましくは60〜300重量部である。
可塑剤としては、特に限定されないが、室温(23℃)で液状の有機化合物が好適に用いられる。このような可塑剤としては、ブロック共重合体に対して相溶性を示すものであればよく、特に限定されず、通常のホットメルト粘接着剤組成物に添加される、芳香族系、パラフィン系またはナフテン系のプロセスオイル;ポリブテン、ポリイソブチレンなどの液状重合体;などが挙げられる。これらのなかでも、パラフィン系プロセスオイルまたはナフテン系プロセスオイルが特に好適である。可塑剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物中における、可塑剤の配合量は、ブロック共重合体100重量部に対して、好ましくは1〜200重量部、より好ましくは1〜150重量部、さらに好ましくは2〜100重量部である。可塑剤の配合量を上記範囲とすることにより、ブリードを抑えながら、粘度特性を良好とすることができる。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、上述した本発明の組成物(A)、および、可塑剤に加えて、希釈用のブロック共重合体および/または希釈用の石油樹脂をさらに含有することができる。このようなホットメルト粘接着剤組成物は、本発明の組成物(A)に、可塑剤、希釈用のブロック共重合体および/または希釈用の石油樹脂を添加することにより、製造することができる。
希釈用のブロック共重合体および希釈用の石油樹脂とは、本発明のホットメルト粘接着剤組成物を製造する際に、本発明の組成物(A)に添加されるブロック共重合体および石油樹脂であって、本発明の組成物(A)にすでに含有されているブロック共重合体および石油樹脂と同種または異種の、別個のブロック共重合体および石油樹脂である。同種とは、組成、メルトインデックス、軟化点等のいずれの特性も、同じであるものであり、異種とは、いずれかの特性が異なるものである。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、本発明の組成物(A)をマスターバッチとして用い、本発明の組成物(A)、可塑剤、所望によりブロック共重合体、および、所望により石油樹脂を混練することにより、製造することができる。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物を製造する際に、本発明の組成物(A)に添加し得るブロック共重合体および石油樹脂としては、本発明の組成物(A)が含有しているブロック共重合体および石油樹脂と、同種または異種のものを用い得る。異種のものを用いる場合は、ホットメルト粘接着剤組成物の特性を適切に調整することができるという利点がある。たとえば、本発明の組成物(A)が含有するブロック共重合体とは、メルトインデックスが異なるブロック共重合体を用いることも可能である。たとえば、メルトインデックスが小さいブロック共重合体は、成形性に劣る傾向があるので、メルトインデックスが小さいブロック共重合体を予め石油樹脂と混練して、本発明の組成物(A)を得た後、得られた組成物(A)に、メルトインデックスがそれよりも大きいブロック共重合体をさらに配合すれば、ホットメルト粘接着剤組成物を容易に製造することができると同時に、ホットメルト粘接着剤組成物の溶融粘度を適切に調節でき、さらには、高温特性に優れたものとすることもできる。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物を製造する際に、本発明の組成物(A)に添加し得るブロック共重合体および石油樹脂の具体例としては、本発明の組成物(A)が含有するブロック共重合体および石油樹脂として、上述したものが挙げられる。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物中の希釈用のブロック共重合体の含有量は特に限定されず、目的とするホットメルト粘接着剤組成物の物性に応じて適宜調節することができる。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物中の希釈用の石油樹脂の含有量は特に限定されず、目的とするホットメルト粘接着剤組成物の物性に応じて適宜調節することができる。
ただし、本発明の組成物(A)の特徴である低温での良好な初期粘着力、及び優れた高温特性を発現させるという観点から、希釈用のブロック共重合体と希釈用の石油樹脂との合計含有量は、本発明の組成物(A)100重量部に対して、500重量部以下であることが好ましく、350重量部以下であることがより好ましく、200重量部以下であることがさらに好ましい。
また、本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、上述した成分以外の成分として、他の重合体を含有していてもよい。このような他の重合体としては、特に限定されないが、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン単独重合体、(スチレン−ブタジエン)ランダム共重合体、(スチレン−イソプレン)ランダム共重合体などの芳香族ビニル−共役ジエンランダム共重合体、ポリスチレンなどの芳香族ビニル単独重合体、イソブチレン系重合体、アクリル系重合体、エステル系重合体、エーテル系重合体、ウレタン系重合体、ポリ塩化ビニルなどの室温(23℃)で弾性を有する重合体が挙げられる。他の重合体は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明のホットメルト粘接着剤組成物中における、他の重合体の配合量は、特に限定されないが、ブロック共重合体100重量部に対して、好ましくは20重量部以下であり、より好ましくは10重量部以下である。
また、本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、任意に、架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、特に限定されないが、過酸化物架橋剤、硫黄系架橋剤、光重合開始剤などが挙げられる。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物中における、架橋剤の配合量は、ブロック共重合体100重量部に対して、好ましくは0.01〜50重量部の範囲であり、より好ましくは0.01〜20重量部の範囲であり、さらに好ましくは0.01〜10重量部の範囲である。
また、本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、任意に、酸化防止剤を含有していてもよい。酸化防止剤としては、特に限定されないが、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどのヒンダードフェノール系化合物;ジラウリルチオプロピオネートなどのチオジカルボキシレートエステル類;トリス(ノニルフェニル)ホスファイトなどの亜燐酸塩類;などが挙げられる。酸化防止剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明のホットメルト粘接着剤組成物中における、酸化防止剤の配合量は、特に限定されないが、ブロック共重合体100重量部に対して、好ましくは10重量部以下であり、より好ましくは0.01〜5重量部の範囲である。
また、本発明のホットメルト粘接着剤組成物には、さらに、ワックス、熱安定剤、紫外線吸収剤、充填剤など、その他の配合剤を添加することができる。なお、本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、溶剤を含まない、無溶剤の組成物であることが好ましい。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物の調製方法としては、特に限定されず、上述した本発明の組成物(A)と、上述した各成分とを混合することにより調製すればよいが、たとえば、各成分を溶剤に溶解させ、均一に混合した後、溶剤を加熱などにより除去する方法、各成分をニーダーなどで溶融混合する方法などが挙げられる。これらの方法のなかでも、混合をより効率的に行う観点より、溶融混合が好適である。なお、溶融混合を行う際の温度は、特に限定されないが、通常、100〜200℃の範囲である。
また、本発明の組成物(A)、可塑剤、所望により用いるブロック共重合体および石油樹脂を、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどに溶解して、溶液型の粘接着剤組成物としてもよい。すなわち、本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、溶液型の粘接着剤組成物であってよい。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物の用途(粘接着する対象)は、特に限定されず、ホットメルト接着を適用できる各種の接着に用いることができる。なかでも、フィルム状の基体に、粘接着剤組成物を溶融塗布した、いわゆるテープの粘接着剤として特に好適に使用されるものである。たとえば、本発明のホットメルト粘接着剤組成物を、加熱により溶融させた後、基体に溶融塗布して粘着テープとし、被着体を圧着して張り付けることができる。また、この際には、ホットメルト粘接着剤組成物を架橋させることにより、粘接着剤組成物の特性を調節することもできる。本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、ホットメルト性が良好であることからこのようなテープの製造における不良品率の削減および生産性の向上に寄与するものである。しかも、得られるテープは、低温での初期粘着力、および高温での耐熱安定性に優れたものとなる。このことから、本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、梱包用テープ、汎用ラベルに加えて、マスキングテープなどの耐熱テープ、耐熱ラベル、低温環境下で使用されるテープ、食品ラベル、冷凍ラベルなどにも好適に用いられる。また、本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、使い捨て紙おむつ、衛生ナプキンなどの衛生用品;冷凍食品、生鮮食品、菓子などの食品梱包;自動車部品、機械部品などの部材梱包;テレビ、オーディオ製品、冷蔵庫などの電気製品梱包;伝票、書籍、力タログなどの製本用途;クラフト製袋、ポリプロピレン製袋、ポリエチレン製袋などの製袋用途;コート類のスソ止め、皮革や生地の貼り合わせ、芯地の接着などの衣料用途;などにも好適に用いることができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。以下において、特記しない限り「部」は重量基準である。なお、試験、評価は以下によった。
<スチレン単位含有量>
ブロック共重合体のスチレン単位含有量を、プロトンNMRの測定に基づき求めた。
<メルトインデックス>
ブロック共重合体のメルトインデックスを、ASTM D1238(G条件、200℃、5kg荷重)に準拠して測定した。
<軟化点>
石油樹脂の軟化点をJIS K2207に準拠して、環球法により測定した。
<動的粘弾性測定>
組成物およびホットメルト粘接着剤組成物の動的粘弾性測定は、次の手順により行った。まず、組成物およびホットメルト粘接着剤組成物をプレス成形して、長さ50mm、幅10mm、厚さ1mmの試験片を作製した。この試験片を用いて、JIS K7244−4に基づき、粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、ARES)を使用して、−100℃から+150℃の範囲で、昇温速度5℃/分で粘弾性スペクトルを測定した。損失正接tanδの低温側のピークトップ温度から、組成物のガラス転移温度(Tg)およびホットメルト粘接着剤組成物のガラス転移温度(Tg)を求めた。
<ペレット成形性>
組成物を、押出機の先端部に水中ホットカット装置を備えた単軸押出機に供給し、ダイから押し出して、以下の基準で評価した。
◎:平均直径3mmで平均長さが4mm程度の円筒状のペレットが得られた。
○:平均直径3mmで平均長さが4mm程度の円筒状のペレットが得られたが、一部のペレットが互着していた。
×:成形できなかった。
<加工性>
組成物100重量部、石油樹脂C25重量部、ナフテンオイル25重量部を160℃に加熱した卓上ニーダー内に投入し、100rpmで混練を実施した。混練を開始してから、お互いが均一に混練されるまでの時間を測定して、以下の基準で評価した。
◎:30分以内に均一に混練できた。
○:30分超1時間以内に均一に混練できた。
△:1時間超2時間未満に均一に混練できた。
×:均一に混練するために2時間以上かかった。
<耐ブロッキング性>
組成物を、押出機の先端部に水中ホットカット装置を備えた単軸押出機に供給し、ダイから押し出して、ペレット化した。得られた組成物のペレットに対して、ペレット化直後に、組成物100重量部に対して0.5重量部のタルクを互着防止剤として添加し、均一に組成物の表面に付着させた。
10cm×10cmのポリエチレン製の袋に組成物のペレット50gを入れ、6kgの重しをのせ、60℃のオーブン中に70時間保持して、以下の基準で評価した。
◎:ブロッキングが全くなかった。
○:軽いブロッキングがあったが、触ると崩れた。
△:ブロッキングがあったが、力を加えると崩れた。
×:ブロッキングあり、力を加えても崩れなかった。
<初期粘着力>
FINAT−1991 FTM−9(Quick−stick tack measurement)に準じて、0℃でループタック試験を行った。被着体は鏡面ステンレス板を使用した。値が大きいものほど、初期粘着力に優れる。
<実施例1>
(組成物の調製)
スチレン−イソプレンブロック共重合体SIS−A(商品名「クインタック(登録商標)3530」、日本ゼオン社製)50部、および、石油樹脂A(商品名「クイントン(登録商標)B170」、日本ゼオン社製)50部を、撹拝翼型混練機に投入し、系内を窒素ガスで置換した後、160〜180℃で、ブロック共重合体および石油樹脂が均一に混練されるまで混練することにより、組成物を調製した。また、得られた組成物を用いて、動的粘弾性測定を行い、また、ペレット成形性および耐ブロッキング性を評価した。また、ホットメルト粘接着剤組成物に用いた際の加工性を評価した。結果を表1に示す。
<実施例6>
(ホットメルト粘接着剤組成物の調製)
実施例1にて得られた組成物100部を、撹拝翼型混練機に投入し、スチレン−イソプレンブロック共重合体SIS−B(商品名「クインタック(登録商標)3620」、日本ゼオン社製)50部、石油樹脂C(商品名「クイントン(登録商標)R100」、日本ゼオン社製)50部、パラフィン系プロセスオイル(商品名「ダイアナプロセスオイルPW−90」、出光興産社製)20部、酸化防止剤(イルガノックス1010、BASF社製)1部を添加して、系内を窒素ガスで置換した後、160〜180℃で2時間混練することにより、ホットメルト粘接着剤組成物を調製した。得られたホットメルト粘接着剤組成物を用いて、動的粘弾性測定を行い、また、初期粘着力を評価した。結果を表2に示す。
<実施例2〜5、比較例1〜2および比較例5>
ブロック共重合体の種類および量、ならびに、石油樹脂の種類および量を、表1に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして、組成物を調製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
<実施例7〜10、比較例6〜8>
組成物の種類および各成分の量を、表2に記載のとおりに変更した以外は、実施例6と同様にして、ホットメルト粘接着剤組成物を調製し、同様に評価した。結果を表2に示す。
<比較例3〜4>
ブロック共重合体の種類および量、ならびに、石油樹脂の種類および量を、表1に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして、組成物を調製した。得られた組成物を用いて、ペレット成形性を評価したが、粘着力が高すぎて、ペレットに成形することができなかった。また、比較例3〜4にて得られた組成物を用いては、ホットメルト粘接着剤組成物を調製しなかった。
Figure 2019178241
Figure 2019178241
表1および表2に示すスチレン−イソプレンブロック共重合体および石油樹脂は、それぞれ以下のものを表す。
SIS−A:商品名「クインタック(登録商標)3530」、日本ゼオン社製、スチレン単位含有量16.5質量%、メルトインデックス1g/10分
SIS−B:商品名「クインタック(登録商標)3620」、日本ゼオン社製、スチレン単位含有量14質量%、メルトインデックス9g/10分
SIS−C:商品名「クインタック(登録商標)3280」、日本ゼオン社製、スチレン単位含有量25質量%、メルトインデックス11g/10分
石油樹脂A:商品名「クイントン(登録商標)B170」、日本ゼオン社製、脂肪族系炭化水素樹脂、軟化点70℃
石油樹脂B:商品名「クイントン(登録商標)N180」、日本ゼオン社製、脂肪族−芳香族共重合系炭化水素樹脂、軟化点80℃
石油樹脂C:商品名「クイントン(登録商標)R100」、日本ゼオン社製、脂肪族系炭化水素樹脂、軟化点96℃
表1の実施例1〜5の結果が示すように、ブロック共重合体および石油樹脂の含有量が適切に調整され、軟化剤を含有しておらず、90℃以下の軟化点を有する石油樹脂を含有し、ガラス転移温度が適切に調整された組成物は、成形性、加工性および耐ブロッキング性に優れるものであった。また、表2の実施例6〜10の結果が示すように、ブロック共重合体および石油樹脂の含有量が適切に調整され、軟化剤を含有しておらず、90℃以下の軟化点を有する石油樹脂を含有し、ガラス転移温度が適切に調整された組成物は、低温での初期粘着力に優れるホットメルト粘接着剤組成物を与えることができるものであった。
一方、表2の比較例6〜7の結果が示すように、90℃を超える軟化点を有する石油樹脂を含有する組成物は、低温での初期粘着力に優れるホットメルト粘接着剤組成物を与えることができなかった。
また、表1の比較例3〜4の結果が示すように、ブロック共重合体が少なすぎる場合には、粘着力が高すぎて、ペレットに成形することができず、表1の比較例5の結果が示すように、ブロック共重合体が多すぎる場合には、加工性に劣るものであった。さらに、表2の比較例8の結果が示すように、ブロック共重合体が多すぎる場合には、低温での初期粘着力に優れるホットメルト粘接着剤組成物を与えることができなかった。

Claims (8)

  1. 少なくとも1つの芳香族ビニル重合体ブロックおよび少なくとも1つの共役ジエン重合体ブロックを有するブロック共重合体、および、石油樹脂を含有する組成物であって、
    軟化剤を含有しておらず、
    前記組成物中の前記ブロック共重合体の含有量が、30〜97質量%の範囲であり、前記組成物中の前記石油樹脂の含有量が、3〜70質量%の範囲であり、
    前記石油樹脂の軟化点が、90℃以下であり、
    動的粘弾性測定により測定される前記組成物のガラス転移温度が0℃未満である組成物。
  2. 前記組成物の形状が、ペレット状またはクラム状である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ブロック共重合体が、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体、芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニルブロック共重合体、および、これらの混合物から選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記組成物中の前記ブロック共重合体の含有量が、50〜90質量%の範囲であり、前記組成物中の前記石油樹脂の含有量が、10〜50質量%の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記石油樹脂が、脂肪族系炭化水素樹脂、脂肪族−芳香族共重合系炭化水素樹脂、および、これらの水素化物からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 前記石油樹脂の軟化点が、80℃以下である請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の組成物、および、可塑剤を含有するホットメルト粘接着剤組成物。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の組成物の製造方法であって、前記ブロック共重合体および前記石油樹脂を、いずれも溶融させた状態で混練する工程を含む製造方法。
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