以下、図面を参照して、本発明にかかる実施形態について説明する。
(方向の定義)
本明細書において、膨張弁1における弁体3から作動棒5に向かう方向を「上方向」と定義し、作動棒5から弁体3に向かう方向を「下方向」と定義する。よって、本明細書では、膨張弁1の姿勢に関わらず、弁体3から作動棒5に向かう方向を「上方向」と呼ぶ。
(第1実施形態)
図1を参照して、本実施形態における継手50と膨張弁1の概要について説明する。図1は、本実施形態における継手50と連結した膨張弁1を、冷媒循環システム100に適用した例を模式的に示す概略断面図である。本実施形態では、膨張弁1は、コンプレッサ101と、コンデンサ102に連結され、また継手50を介して、エバポレータ104とに流体接続されている。膨張弁1の軸線をLとする。
(膨張弁の構造)
まず、膨張弁1の構造について説明する。図1において、膨張弁1は、弁室VSを備える弁本体2と、弁体3と、付勢装置4と、作動棒5と、パワーエレメント8を具備する。
弁本体2は、弁室VSに加え、第1流路21と、第2流路22と、中間室221と、戻り流路23とを備える。第1流路21は供給側流路であり、弁室VSには、供給側流路を介して冷媒(流体ともいう)が供給される。第2流路22は排出側流路(出口側流路ともいう)であり、弁室VS内の流体は、弁通孔27、中間室221及び排出側流路を介して膨張弁外に排出される。第2流路22は、図示の配管を介してエバポレータ104の入口側に接続され、また、エバポレータ104の出口側は、不図示の配管を介して戻り流路23に接続されている。
第1流路21と弁室VSとの間は、第1流路21より小径の接続路21aにより連通している。弁室VSと中間室221との間は、弁座20及び弁通孔27を介して連通している。
中間室221の上方に形成された作動棒挿通孔28は、作動棒5をガイドする機能を有し、作動棒挿通孔28の上方に形成された環状凹部29は、リングばね6を収容する機能を有する。リングばね6は、作動棒5の外周に複数のばね片を当接させて、所定の付勢力を付与するものである。
弁体3は弁室VS内に配置される。弁体3が弁本体2の弁座20に着座しているとき、弁通孔27の冷媒の流れが制限される。この状態を非連通状態という。ただし、弁体3が弁座20に着座した場合でも、制限された量の冷媒を流すこともある。一方、弁体3が弁座20から離間しているとき、弁通孔27を通過する冷媒の流れが増大する。この状態を連通状態という。
作動棒5は、弁通孔27に所定の隙間を持って挿通されている。作動棒5の下端は、弁体3の上面に接触している。作動棒5の上端は、後述するストッパ部材84の下端の嵌合孔に嵌合している。
作動棒5は、付勢装置4による付勢力に抗して弁体3を開弁方向に押圧することができる。作動棒5が下方向に移動するとき、弁体3は、弁座20から離間し、膨張弁1が開状態となる。
図1において、付勢装置4は、断面円形の線材を螺旋状に巻いたコイルばね41と、弁体サポート42と、ばね受け部材43とを有する。
弁体サポート42は、コイルばね41の上端に取り付けられており、その上面には球状の弁体3が溶接され、両者は一体となっている。
コイルばね41の下端を支持するばね受け部材43は、弁本体2に対して螺合可能となっていて、弁室VSを密封する機能と、コイルばね41の付勢力を調整する機能とを有する。
パワーエレメント8は、栓81と、上蓋部材82と、ダイアフラム83と、受け部材86と、ストッパ部材84とを有する。
略円錐形状の上蓋部材82の頂部の開口は、栓81により封止可能となっている。
ダイアフラム83は、同心円の凹凸形状を複数個形成した薄い金属(たとえばSUS)製の板材からなり、上蓋部材82及び受け部材86の外径とほぼ同じ外径を有する。
受け部材86は、例えば金属製の板材をプレス成形することによって形成され、フランジ部と中空円筒部とを連結してなる。
ストッパ部材84は、上蓋部材82と受け部材86との間に配置され、その上面がダイアフラム83の下面中央と接している。
パワーエレメント8の組み立てにおいて、ダイアフラム83と受け部材86との間にストッパ部材84を配置しつつ、上蓋部材82と、ダイアフラム83と、受け部材86のそれぞれ外周部を重ね合わせ、当該外周部を例えばTIG溶接やレーザ溶接、プラズマ溶接等により周溶接して一体化する。
続いて、上蓋部材82に形成された開口から、上蓋部材82とダイアフラム83とで囲われる空間(圧力作動室POという)内に作動ガスを封入した後、開口を栓81で封止し、更にプロジェクション溶接等を用いて、栓81を上蓋部材82に固定する。
以上のようにアッセンブリ化したパワーエレメント8を、弁本体2に組み付けるときは、受け部材86の中空円筒部の下端外周の雄ねじを、弁本体2の戻り流路23に連通する凹部2aの内周に形成した雌ねじに螺合させる。受け部材86の雄ねじを雌ねじに対して螺進させてゆくと、受け部材86の下端が弁本体2の上端面に当接する。これによりパワーエレメント8を弁本体2に固定できる。
このとき、パワーエレメント8と弁本体2との間には、パッキンPKが介装され、弁本体2にパワーエレメント8を取り付けた際の凹部2aからの冷媒のリークを防止する。かかる状態で、パワーエレメント8の下部空間LSは戻り流路23と連通し、すなわち同じ内圧となる。
(継手の構造)
図2は、継手50の縦断面図である。継手50は、継手本体51と、整流部材(制限部材)52とを有する。継手本体51は略角柱状であって、図2で右側面から突出した第1円筒部51aと第2円筒部51bとを有する。
第1円筒部51aは、その軸線X4を共通とする第4通路51cを内部に有する。第4通路51cは、継手本体51を貫通している。第1円筒部51aの周囲に、O-リングOR1を収容する第1周溝51sが形成されている。
第2円筒部51bは、その軸線X2を共通とする第2通路51dを内部に有する。第2通路51dは、継手本体51内の中間通路51eに連結されている。第2通路51dと中間通路51eとは、軸線X2を共通とするが、第2通路51dの内径は、中間通路51eの内径より大きくなっている。第2円筒部51bの周囲に、O-リングOR2を収容する第2周溝51tが形成されている。
継手本体51の下端側から軸線X2に直交する軸線X3に沿って延在するように、第3通路51fが形成されている。第3通路51fは、中間通路51eと交差する大径縦路51gと、中径縦路51hと、小径縦路51iとを有する。大径縦路51gは、中径縦路51hより大径であり、中径縦路51hは、小径縦路51iより大径である。
継手本体51の図2で左方側から、軸線X4、X2に平行でかつ軸線X3に直交する軸線X1に沿って第1通路51jが形成されている。第1通路51jは、小径縦路51iと交差する小径横路51kと、小径横路51kに接続する大径横路51nとを有する。大径横路51nは、小径横路51kより大径である。
整流部材52は、円盤部52aと、円筒胴部52bと、円錐部52cと、円筒胴部52bより小径である円筒状の軸部52dとを連設してなる。円筒胴部52bと軸部52dとの境界に配設された円錐部(整流部ともいう)52cは、円筒胴部52bから軸部52dに向かうにしたがって小径となっており、組付けた状態で中間通路51eに対向する位置に配設される。
円盤部52aの外周に形成された雄ねじ52eを、第3通路51fの下端内周に形成された雌ねじ51pに螺合させることで、整流部材52は、第3通路51f内に取り付けられる。整流部材52と第3通路51fとの隙間は、O-リングOR3により密封される。
このとき、円筒胴部52bと、円錐部52cと、軸部52dの一部(根元側)は、大径縦路51gの径方向内側に位置し、軸部52dの残り(先端側)は、中径縦路51hと小径縦路51iの径方向内側に位置する。このため、第3通路51fにおいては、軸部52dと小径縦路51iとの隙間の通路断面積が最も小さくなっている。かかる通路断面積は中間通路51e及び第1通路51jの通路断面積よりも小さいと好ましい。軸部52dと小径縦路51iとで、気泡微細化構造を形成する。
なお、本実施形態では、軸部52dの先端が、小径縦路51iから小径横路51k内に突出しているが、小径縦路51i内で終端していてもよい。
継手50と膨張弁1とを組み付けるときは、継手50の第1円筒部51aを、膨張弁1の戻り流路23内に挿入し、また第2円筒部51bを、第1流路21に挿入する。このとき、O-リングOR1が第1円筒部51aと戻り流路23との隙間をシールし、またO-リングOR2が第2円筒部51bと第1流路21との隙間をシールして、それぞれ冷媒漏れを阻止している。
図1を参照して、第4通路51cの左端には、図で左方より第1配管61が挿入されて嵌合している。第1配管61は、O-リングOR4を収容するシール溝61aを有しており、O-リングOR4により第4通路51cと嵌合した際に冷媒漏れが生じることが抑制される。第1配管61は、コンプレッサ101の入口側に接続されている。
また、第1通路51jには、図で左方より第2配管62が挿入されて嵌合している。第2配管62は、O-リングOR5を収容するシール溝62aを有しており、O-リングOR5により第1通路51jと嵌合した際に冷媒漏れが生じることが抑制される。第2配管62は、コンデンサ102の出口側に接続されている。
第1配管61と第2配管62の軸線間隔(ピッチ)が、膨張弁1の戻り流路23と第1流路21の軸線間隔と異なっており、また配管径も異なるため、直接、第1配管61と第2配管62を、戻り流路23と第1流路21にそれぞれ連結することはできない。そこで、継手50を介して膨張弁1を第1配管61と第2配管62に接続している。
本実施形態の継手50によれば、第1円筒部51aと第2円筒部51bとの軸線間隔(ピッチ)が、膨張弁1の戻り流路23と第1流路21の軸線間隔と一致し、且つ第4通路51cと第1通路51jの軸線間隔が第1配管61と第2配管62の軸線間隔と一致しており、さらに嵌合径もそれぞれ一致するため、継手50を介して膨張弁1と第1配管61及び第2配管62との接続が可能となる。
(膨張弁の動作)
図1を参照して、膨張弁1の動作例について説明する。コンプレッサ101で加圧された冷媒は、コンデンサ102で液化され、第2配管62から継手50を介して膨張弁1に送られる。また、膨張弁1で断熱膨張された冷媒はエバポレータ104に送り出され、エバポレータ104で、エバポレータの周囲を流れる空気と熱交換される。エバポレータ104から戻る冷媒は、膨張弁1(より具体的には、戻り流路23)及び継手50を通ってコンプレッサ101側へ戻される。このとき、エバポレータ104を通過することで、第2流路22内の流体圧は、戻り流路23の流体圧より大きくなる。
膨張弁1には、コンデンサ102から高圧冷媒が供給される。より具体的には、コンデンサ102からの高圧冷媒は、第1流路21を介して弁室VSに供給される。
弁体3が、弁座20に着座しているとき(非連通状態のとき)には、弁室VSから弁通孔27、中間室221及び第2流路22を通ってエバポレータ104へ送り出される冷媒の流量が制限される。他方、弁体3が、弁座20から離間しているとき(連通状態のとき)には、弁室VSから弁通孔27、中間室221及び第2流路22を通って、エバポレータ104へ送り出される冷媒の流量が増大する。膨張弁1の閉状態と開状態との間の切り換えは、ストッパ部材84を介してパワーエレメント8に接続された作動棒5によって行われる。
図1において、パワーエレメント8の内部には、ダイアフラム83により仕切られた圧力作動室POと下部空間LSとが設けられている。このため、圧力作動室PO内の作動ガスが液化されると、ダイアフラム83とストッパ部材84が上昇するため、コイルばね41の付勢力に応じて作動棒5は上方向に移動する。一方、液化された作動ガスが気化されると、ダイアフラム83とストッパ部材84が下方に押圧されるため、作動棒5は下方向に移動する。こうして、膨張弁1の開状態と閉状態との間の切り換えが行われる。
更に、パワーエレメント8の下部空間LSは、戻り流路23と連通している。このため、戻り流路23を流れる冷媒の温度・圧力に応じて、圧力作動室PO内の作動ガスの体積が変化し、作動棒5が駆動される。換言すれば、図1に記載の膨張弁1では、エバポレータ104から膨張弁1に戻る冷媒の温度・圧力に応じて、膨張弁1からエバポレータ104に向けて供給される冷媒の量が自動的に調整される。
本実施の形態によれば、第2配管62から第1通路51j内へと進入した冷媒は、小径横路51kより小径縦路51iへと向かう。小径縦路51i内には、軸部52dが挿入されているため、冷媒が小径縦路51iと軸部52dとの隙間を通過する間に、冷媒に内包される気泡がつぶれて微細化する。このため、小径縦路51iと軸部52dとの隙間を通過した冷媒中には、比較的大きな気泡が含まれておらず、したがって気泡が破裂しても騒音を低く抑えることができる。
さらに、小径縦路51iと軸部52dとの隙間を通過した冷媒は、中径縦路51hを経て大径縦路51gに至り、ここから方向を変えて中間通路51eに抜ける。このとき、軸部52dの軸線方向に向かって流れてきた冷媒に対して、整流部材52の円錐部52cによって、冷媒の流れ成分が中間通路51eに向かう方向に変換され、いわゆる整流作用を発揮する。この整流作用により、冷媒の流れ方向が徐々に変化するため、圧損による流量低下を抑制できる。円錐部52cと中間通路51eとの相対位置は、整流部材52のねじ込み量により調整できる。
(第1実施形態の変形例)
図3は、本実施形態の変形例にかかる継手50Aと膨張弁1とを連結した状態で示す縦断面図である。本変形例においては、上述した実施の形態に対して継手50Aの構成が異なる。膨張弁1と、第1配管61及び第2配管62については、上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付して重複説明を省略する。また、継手50Aも上述した実施の形態と共通する構成については、同じ符号を付して重複説明を省略する。
本変形例において、継手本体51Aの第3通路51Afの下端には、整流部材52の代わりに封止部材53が取り付けられている。また、第2通路51d及び中間通路51eと同軸に、第3通路51Afと継手本体51Aの外部とを連通する開口51Aqが形成されている。開口51Aqの左端内周には雌ねじ51Amが形成されている。
整流部材52は、円盤部52aの外周に形成された雄ねじ52eを雌ねじ51Amに螺合させることで、開口51Aqを塞ぐようにして取り付けられる。整流部材52と開口51Aqとの隙間は、O-リングOR3により密封される。
このとき、円筒胴部52bの一部と、円錐部52cと、軸部52dの一部(根元側)は、大径縦路51g内に位置し、軸部52dの残り(先端側)は、ここでは第2通路51dの一部を構成する中間通路51eの径方向内側に位置する。このため、第2通路51dにおいては、軸部52dと中間通路51eとの隙間の通路断面積が最も小さくなっている。かかる通路断面積は、第3通路51Af及び第1通路51jの通路断面積よりも小さいと好ましい。軸部52dと中間通路51eとで、気泡微細化構造を形成する。
本実施の形態によれば、第2配管62から第1通路51j内へと進入した冷媒は、小径縦路51Aiと中径縦路51Ahを経て大径縦路51Agに至り、ここから方向を変えて中間通路51eに抜ける。このとき、第3通路51Afに沿って下降してきた冷媒は、整流部材52の円錐部52cによって、冷媒の流れ成分が中間通路51eに向かう方向に変換され、いわゆる整流作用を発揮する。この整流作用により、冷媒の流れ方向が徐々に変化するため、圧損による流量低下を抑制できる。
さらに、中間通路51eに進入した冷媒は、軸部52dと中間通路51eとの隙間を通過する際に冷媒に内包される気泡がつぶれて微細化する。このため、軸部52dと中間通路51eとの隙間を通過した冷媒中には、比較的大きな気泡が含まれておらず、したがって気泡が破裂しても騒音を低く抑えることができる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態にかかる継手70の縦断面図である。上述の実施形態は、膨張弁1に組み付けて使用されるものであるが、本実施形態の継手70は、配管同士を接続する際に用いられる。
継手70は、継手本体71と、整流部材52を有する。整流部材52については、上述した実施形態と同様であるため、同じ符号を付して重複説明を省略する。
継手本体71は、軸線X4に沿って継手本体71を貫通する第4通路71cと、軸線X4に平行な軸線X2に沿って形成された第2通路71dと、軸線X2に直交する軸線X3に沿って形成された第3通路71fと、軸線X4、X2に平行でかつ軸線X3に直交する軸線X1に沿って延在する第1通路71jとを有する。
第2通路71dと第3通路71fとは、第2通路71dより小径の中間通路71eを介して連通している。また、第3通路71fは、中間通路71eと交差する大径縦路71gと、中径縦路71hと、小径縦路71iとを有する。大径縦路71gは、中径縦路71hより大径であり、中径縦路71hは、小径縦路71iより大径である。整流部材52の軸部52dと小径縦路71iとで、気泡微細化構造を形成する。
第1通路71jは、小径縦路71iと交差する小径横路71kと、小径横路71kに接続する大径横路71nとを有する。大径横路71nは、小径横路71kより大径である。
整流部材52は、円盤部52aの外周に形成された雄ねじ52eを、第3通路71fの下端内周に形成された雌ねじ71pに螺合させることで、第3通路71f内に取り付けられる。整流部材52と第3通路71fとの隙間は、O-リングOR3により密封される。
このとき、円筒胴部52bと、円錐部52cと、軸部52dの一部(根元側)は、大径縦路71gの径方向内側に位置し、軸部52dの残り(先端側)は、中径縦路71hと小径縦路71iの径方向内側に位置する。このため、第3通路71fにおいては、軸部52dと小径縦路71iとの隙間の通路断面積が最も小さくなっている。かかる通路断面積は、中間通路71e及び第1通路71jの通路断面積よりも小さいと好ましい。軸部52dと小径縦路71iとで、気泡微細化構造を形成する。
第4通路71cの左端には、図4で左方より第1配管61が挿入されて嵌合している。第1配管61は、O-リングOR4を収容するシール溝61aを有しており、O-リングOR4により第4通路71cと嵌合した際に冷媒漏れが生じることが抑制される。本実施形態では、第1配管61は、不図示のエバポレータの出口側に接続されている。
一方、第4通路71cの右端には、図4で右方より第3配管63が挿入されて嵌合している。第3配管63は、O-リングOR6を収容するシール溝63aを有しており、O-リングOR6により第4通路71cと嵌合した際に冷媒漏れが生じることが抑制される。本実施形態では、第3配管63は、膨張弁1(図1)の戻り流路23に接続されている。
また、第1通路71jには、図4で左方より第2配管62が挿入されて嵌合している。第2配管62は、O-リングOR5を収容するシール溝62aを有しており、O-リングOR5により第1通路71jと嵌合した際に冷媒漏れが生じることが抑制される。本実施形態では、第2配管62は、不図示のエバポレータの入口側に接続されている。
さらに、第2通路71dには、図4で右方より第4配管64が挿入されて嵌合している。第4配管64は、O-リングOR7を収容するシール溝64aを有しており、O-リングOR7により第2通路71dと嵌合した際に冷媒漏れが生じることが抑制される。本実施形態では、第4配管64は、不図示の膨張弁の排出側流路に接続されている。
本実施の形態によれば、冷凍サイクルの動作中に、膨張弁の排出側流路から第4配管64を介して第2通路71d内へと進入した冷媒は、中間通路71eを介して大径縦路71gに至り、ここから方向を変えて小径縦路71i側に向かう。このとき、整流部材52の円錐部52cによって、冷媒の流れ成分が小径縦路71iに向かう方向に変換され、いわゆる整流作用を発揮する。この整流作用により、冷媒の流れ方向が徐々に変化するため、圧損による流量低下を抑制できる。
さらに、小径縦路71i内には、整流部材52の軸部52dが挿入されているため、冷媒が小径縦路71iと軸部52dとの隙間を通過する間に、冷媒に内包される気泡がつぶれて微細化する。このため、小径縦路71iと軸部52dとの隙間を通過した冷媒中には、比較的大きな気泡が含まれておらず、したがって気泡が破裂しても騒音を低く抑えることができる。
(第2実施形態の変形例1)
図5は、本実施形態の変形例1にかかる継手70Aの縦断面図である。本変形例は、第2実施形態に対して、整流部材52Aの構成が異なる。第2実施形態と同様な構成については、同じ符号を付して重複説明を省略する。
整流部材52Aは、円盤部52Aaと、円筒胴部52Abと、球面部52Acと、円筒胴部52Abより小径の軸部52Adとを連設してなる。円筒胴部52Abと軸部52Adとの境界に配設された球面部(整流部ともいう)52Acは、円筒胴部52Abから軸部52Adに向かうにしたがって、軸線X3に直交する円形断面が小径となるような球面の一部を有する。
本変形例によれば、冷凍サイクルの動作中に、膨張弁の排出側流路から第4配管64を介して第2通路71d内へと進入した冷媒は、中間通路71eを介して大径縦路71gに至り、ここから方向を変えて小径縦路71i側に向かう。このとき、整流部材52Aの球面部52Acによって、冷媒の流れ成分が小径縦路71iに向かう方向に変換され、いわゆる整流作用を発揮する。この整流作用により、冷媒の流れ方向が徐々に変化するため、圧損による流量低下を抑制できる。
(第2実施形態の変形例2)
図6は、本実施形態の変形例2にかかる継手70Bの縦断面図である。本変形例も、第2実施形態に対して、整流部材52Bの構成が異なる。第2実施形態と同様な構成については、同じ符号を付して重複説明を省略する。
整流部材52Bは、円盤部52Baと、円筒胴部52Bbと、凹面部52Bcと、円筒胴部52Bbより小径の軸部52Bdとを連設してなる。円筒胴部52Bbと軸部52Bdとの境界に配設された凹面部(整流部ともいう)52Bcは、円筒胴部52Bbから軸部52Bdに向かうにしたがって、軸線X3に直交する円形断面が小径となるような軸線対称形の凹状非球面を有する。
本変形例によれば、冷凍サイクルの動作中に、膨張弁の排出側流路から第4配管64を介して第2通路71d内へと進入した冷媒は、中間通路71eを介して大径縦路71gに至り、ここから方向を変えて小径縦路71i側に向かう。このとき、整流部材52Bの凹面部52Bcによって、冷媒の流れ成分が小径縦路71iに向かう方向にスムーズに変換され、いわゆる整流作用を効率よく発揮する。この整流作用により、冷媒の流れ方向が徐々に変化するため、圧損による流量低下を抑制できる。
(第2実施形態の変形例3)
図7は、本実施形態の変形例3にかかる継手70Cの縦断面図である。本変形例も、第2実施形態に対して、整流部材52Cの構成が異なる。第2実施形態と同様な構成については、同じ符号を付して重複説明を省略する。
整流部材52Cは、円盤部52Caと、円筒胴部52Cbと、整流部52Ccと、円筒胴部52Cbより小径の軸部52Cdとを連設してなる。円筒胴部52Cbと軸部52Cdとの境界に配設された整流部52Ccは、中間通路71eに対向する側のみが部分球面で、その反対側は軸線X3に対して直交する平面となっている。すなわち、整流部52Ccは軸線X3に対して非対称である。
本変形例によれば、冷凍サイクルの動作中に、膨張弁の排出側流路から第4配管64を介して第2通路71d内へと進入した冷媒は、中間通路71eを介して大径縦路71gに至り、ここから方向を変えて小径縦路71i側に向かう。このとき、整流部材52Cの整流部52Ccの部分球面によって、冷媒の流れ成分が小径縦路71iに向かう方向に変換され、いわゆる整流作用を発揮する。この整流作用により、冷媒の流れ方向が徐々に変化するため、圧損による流量低下を抑制できる。
(第2実施形態の変形例4)
図8は、本実施形態の変形例4にかかる継手70Dの縦断面図である。本変形例も、第2実施形態に対して、整流部材52Dの構成が異なる。第2実施形態と同様な構成については、同じ符号を付して重複説明を省略する。
整流部材52Dは、円盤部52Daと、円筒胴部52Dbと、整流部52Dcと、円筒胴部52Dbより小径の軸部52Ddとを連設してなる。円筒胴部52Dbと軸部52Ddとの境界に配設された整流部52Dcは、中間通路71eに対向する側のみが部分凹状非球面で、その反対側は軸線X3に対して直交する平面となっている。すなわち、整流部52Dcは軸線X3に対して非対称である。
本変形例によれば、冷凍サイクルの動作中に、膨張弁の排出側流路から第4配管64を介して第2通路71d内へと進入した冷媒は、中間通路71eを介して大径縦路71gに至り、ここから方向を変えて小径縦路71i側に向かう。このとき、整流部材52Dの整流部52Dcの部分凹状非球面によって、冷媒の流れ成分が小径縦路71iに向かう方向にスムーズに変換され、いわゆる整流作用を効率よく発揮する。この整流作用により、冷媒の流れ方向が徐々に変化するため、圧損による流量低下を抑制できる。
(第2実施形態の変形例5)
図9は、本実施形態の変形例5にかかる継手70Eの縦断面図である。本変形例は、第2実施形態に対して、継手本体71E及び整流部材52Eの構成が異なる。第2実施形態と同様な構成については、同じ符号を付して重複説明を省略する。
継手本体71Eは、第3通路71Efの構成のみが異なる。より具体的に、第3通路71Efは、中間通路71eと交差する大径縦路71Egと、中径縦路71Ehと、小径縦路71Eiとを有する。大径縦路71Egは、中径縦路71Ehより大径であって、両者は同軸である。小径縦路71Eiは、中径縦路71Ehより小径であって、中径縦路71Ehに対して、中間通路71eに対し離間する側に偏心している。
整流部材52Eは、円盤部52Eaと、円筒胴部52Ebと、整流部52Ecと、円筒胴部52Ebより小径の軸部52Edとを連設してなる。円盤部52Eaと円筒胴部52Ebとは同軸であるが、軸部52Edは円盤部52Eaと円筒胴部52Ebとに対し、中間通路71eに対し離間する側に偏心している。円筒胴部52Ebと軸部52Edとの境界に配設された整流部52Ecは、中間通路71eに向くように傾斜した斜面となっている。
本変形例においては、第3通路71Efに対して、整流部材52Eの円盤部52Eaが圧入や接着等により取り付けられており、それにより小径縦路71Ei内の適切な位置に、整流部材52Eの軸部52Edを配置することができる。整流部材52Eと第3通路51Hfとの隙間は、O-リングOR3により密封される。
本変形例によれば、冷凍サイクルの動作中に、膨張弁の排出側流路から第4配管64を介して第2通路71d内へと進入した冷媒は、中間通路71eを介して大径縦路71gに至り、ここから方向を変えて小径縦路71i側に向かう。このとき、整流部材52Eの整流部52Ecの大面積である斜面によって、冷媒の流れ成分が小径縦路71Eiに向かう方向に徐々に変換され、長い距離にわたって、いわゆる整流作用を効率よく発揮する。この整流作用により、冷媒の流れ方向が徐々に変化するため、圧損による流量低下を抑制できる。
さらに、小径縦路71Ei内には、整流部材52Eの軸部52Edが挿入されているため、冷媒が小径縦路71Eiと軸部52Edとの隙間を通過する間に、冷媒に内包される気泡がつぶれて微細化する。このため、小径縦路71Eiと軸部52Edとの隙間を通過した冷媒中には、比較的大きな気泡が含まれておらず、したがって気泡が破裂しても騒音を低く抑えることができる。整流部材52Eの軸部52Edと小径縦路71Eiとで、気泡微細化構造を形成する。
(第2実施形態の変形例6)
図10は、本実施形態の変形例6にかかる継手70Fの縦断面図である。本変形例は、第2実施形態に対して、整流部材52Fの構成が異なる。第2実施形態と同様な構成については、同じ符号を付して重複説明を省略する。
整流部材52Fは、円盤部52Faと、円筒胴部52Fbと、円錐部52Fcと、先端に向かって先細状の先細軸部52Fdとを連設してなる。先細軸部52Fdは、軸線X3に直交する断面が小径縦路71i側に向かうにしたがって、徐々に小さくなっている。
本変形例によれば、冷凍サイクルの動作中に、膨張弁の排出側流路から第4配管64を介して第2通路71d内へと進入した冷媒は、中間通路71eを介して大径縦路71gに至り、ここから方向を変えて小径縦路71i側に向かう。このとき、整流部材52Fの円錐部52Fcによって、冷媒の流れ成分が小径縦路71iに向かう方向に変換され、いわゆる整流作用を発揮する。この整流作用により、冷媒の流れ方向が徐々に変化するため、圧損による流量低下を抑制できる。
さらに、小径縦路71i内には、整流部材52Fの先細軸部52Fdが挿入されているため、冷媒が小径縦路71iと先細軸部52Edとの隙間を通過する間に、冷媒に内包される気泡がつぶれて微細化する。このため、小径縦路71Eiと軸部52Edとの隙間を通過した冷媒中には、比較的大きな気泡が含まれておらず、したがって気泡が破裂しても騒音を低く抑えることができる。整流部材52Eの軸部52Edと小径縦路71Eiとで、気泡微細化構造を形成する。
さらに本変形例によれば、第3通路71fに対する円盤部52Faのねじ込み量を調整することで、小径縦路71i内への先細軸部52Fdの進入量が変化し、それにより小径縦路71iと先細軸部52Fdとの間の隙間(通路断面積)を変化させることができる。これにより、気泡を微細化する最適な隙間に調整することができる。
(第2実施形態の変形例7)
図11(a)は、変形例7にかかる継手70Gの縦断面図である。図11(b)は、絞り部材73Gを平面視した図である。
継手70Gは、継手本体71と、整流部材52Gと、絞り部材73Gとを有する。継手本体71については、上述した実施形態と同様であるため、同じ符号を付して重複説明を省略する。
整流部材52Gは、円盤部52Gaと、円筒胴部52Gbと、円錐部52Gcと、円筒胴部52Gbより小径の軸部52Gdとを連設してなる。円筒胴部52Gbと軸部52Gdとの境界に配設された円錐部(整流部ともいう)52Gcは、円筒胴部52Gbから軸部52Gdに向かうにしたがって小径となっており、組付けた状態で中間通路51eに対向する位置に配設される。
円盤部52Gaの外周に形成された雄ねじ52Geを、第3通路71Gfの下端内周に形成された雌ねじ71pに螺合させることで、整流部材52Gは、第3通路71f内に取り付けられる。整流部材52Gと第3通路71Gfとの隙間は、O-リングOR3により密封される。
このとき、円筒胴部52Gbと、円錐部52Gcと、軸部52Gdの一部(根元側)は、大径縦路51gの径方向内側に位置し、軸部52Gdの残り(先端側)は、中径縦路71hと小径縦路71iの径方向内側に位置するが、軸部52Gdは小径縦路71iから突出しない。小径縦路71iの上端に、軸部52Gdから離間して、絞り部材73Gが圧入により固定されている。
絞り部材73Gは、図11(b)に示すようにリング状を有する。このため、第3通路71Gfにおいては、絞り部材73Gの内側の通路断面積が最も小さくなっている。かかる通路断面積は、中間通路71e及び第1通路71jの通路断面積よりも小さいと好ましい。絞り部材73Gも、気泡微細化構造を形成する。
本実施の形態によれば、冷凍サイクルの動作中に、膨張弁の排出側流路から第4配管64を介して第2通路71d内へと進入した冷媒は、中間通路71eを介して大径縦路71gに至り、ここから方向を変えて小径縦路71i側に向かう。このとき、整流部材52Gの円錐部52Gcによって、冷媒の流れ成分が小径縦路71iに向かう方向に変換され、いわゆる整流作用を発揮する。この整流作用により、冷媒の流れ方向が徐々に変化するため、圧損による流量低下を抑制できる。
さらに、小径縦路71iと軸部51Gdとの隙間で気泡が細分化することに加え、小径縦路71i内には絞り部材73Gが配置されているため、冷媒が絞り部材73Gを通過する間に、冷媒に内包される気泡がつぶれてさらに微細化する。このため、絞り部材73Gを通過した冷媒中には、比較的大きな気泡が含まれておらず、したがって気泡が破裂しても騒音を低く抑えることができる。
(第2実施形態の変形例8)
図12(a)は、変形例8にかかる継手70Hの縦断面図である。図12(b)は、絞り部材73Hを平面視した図である。
継手70Hは、継手本体71Hと、整流部材52Hと、絞り部材73Hとを有する。
継手本体71Hは、第3通路71Hfの構成のみが異なる。より具体的に、第3通路71Hfは、中間通路71eと交差する大径縦路71Hgと、中径縦路71Hhと、小径縦路71Hiとを有する。大径縦路71Hgは、中径縦路71Hhより大径であって、両者は同軸である。小径縦路71Hiは、中径縦路71Hhより小径であって、中径縦路71Hhに対して、中間通路71Heに対し離間する側に偏心している。
整流部材52Hは、円盤部52Haと、円筒胴部52Hbと、整流部52Hcと、円筒胴部52Hbより小径の軸部52Hdとを連設してなる。円盤部52Haと円筒胴部52Hbとは同軸であるが、軸部52Hdは円盤部52Haと円筒胴部52Hbとに対し、中間通路71eに対し離間する側に偏心している。円筒胴部52Hbと軸部52Hdとの境界に配設された整流部52Hcは、中間通路71eに向くように傾斜した斜面となっている。
本変形例においては、第3通路71Hfに対して、整流部材52Hの円盤部52Haが圧入や接着等により取り付けられており、それにより小径縦路71Hi内の適切な位置に、整流部材52Hの軸部52Hdを配置することができる。整流部材52Hと第3通路51Hfとの隙間は、O-リングOR3により密封される。
このとき、円筒胴部52Hbと、整流部52Hcと、軸部52Hdの一部(根元側)は、大径縦路51gの径方向内側に位置し、軸部52Hdの残り(先端側)は、中径縦路71Hhと小径縦路71Hiの径方向内側に位置するが、軸部52Hdは小径縦路71Hiから突出しない。小径縦路71Hiの上端に、軸部52Hdから離間して、絞り部材73Hがカシメやロウ付けによって固定されている。
絞り部材73Hは、図12(b)に示すように半円形状の板材である。このため、第3通路71Hfにおいては、絞り部材73Hにより制限される通路断面積が最も小さくなっている。かかる通路断面積は、中間通路71e及び第1通路71jの通路断面積よりも小さいと好ましい。絞り部材73Hも、気泡微細化構造を形成する。
本実施の形態によれば、冷凍サイクルの動作中に、膨張弁の排出側流路から第4配管64を介して第2通路71d内へと進入した冷媒は、中間通路71eを介して大径縦路71Hgに至り、ここから方向を変えて小径縦路71Hi側に向かう。このとき、整流部材52Hの整流部52Hcによって、冷媒の流れ成分が小径縦路71Hiに向かう方向に変換され、長い距離にわたって、いわゆる整流作用を発揮する。この整流作用により、冷媒の流れ方向が徐々に変化するため、圧損による流量低下を抑制できる。
さらに、小径縦路71iと軸部71Hdとの隙間で気泡が細分化することに加え、小径縦路71Hi内には絞り部材73Hが配置されているため、冷媒が絞り部材73Hを通過する間に、冷媒に内包される気泡がつぶれてさらに微細化する。このため、絞り部材73Hを通過した冷媒中には、比較的大きな気泡が含まれておらず、したがって気泡が破裂しても騒音を低く抑えることができる。
(第2実施形態の変形例9)
図13(a)は、変形例9にかかる継手70Iの縦断面図である。図13(b)は、絞り部材73Iを平面視した図である。
継手70Iは、継手本体71Iと、整流部材52Iと、絞り部材73Iとを有する。第2実施形態と同様な構成については、同じ符号を付して重複説明を省略する。
継手本体71Iは、第3通路71Ifの構成のみが異なる。より具体的に、第3通路71Ifは、冷媒が通過する部位は内径が一定である。
整流部材52Iは、円盤部52Iaと、円筒胴部52Ibと、円筒胴部52Ibより小径の軸部52Idとを連設してなる。軸部52Idは、組付けた状態で中間通路51eに対向する位置に配設される。
円盤部52Iaの外周に形成された雄ねじ52Ieを、第3通路71Ifの下端内周に形成された雌ねじ71pに螺合させることで、整流部材52Iは、第3通路71If内に取り付けられる。整流部材52Iと第3通路71Ifとの隙間は、O-リングOR3により密封される。
このとき、円筒胴部52Ibと軸部52Idは、第3通路71Ifの径方向内側に位置するが、第3通路71Ifから突出しない。第3通路71Ifの上端に、軸部52Idから離間して、絞り部材73Iが圧入により固定されている。
絞り部材73Iは、図13(b)に示すようにリング状を有する。このため、第3通路71Ifにおいては、絞り部材73Iの内側の通路断面積が最も小さくなっている。かかる通路断面積は、中間通路71e及び第1通路71jの通路断面積よりも小さいと好ましい。絞り部材73Iにより、気泡微細化構造を形成する。
本実施の形態によれば、冷凍サイクルの動作中に、膨張弁の排出側流路から第4配管64を介して第2通路71d内へと進入した冷媒は、中間通路71eを介して第3通路71Ifに至り、ここから方向を変えて上方に向かう。
第3通路71Ifに絞り部材73Iが配置されているため、冷媒が絞り部材73Iを通過する間に、冷媒に内包される気泡がつぶれて微細化する。このため、絞り部材73Iを通過した冷媒中には、比較的大きな気泡が含まれておらず、したがって気泡が破裂しても騒音を低く抑えることができる。
(第2実施形態の変形例10)
図14(a)は、変形例10にかかる継手70Jの縦断面図である。図14(b)は、絞り部材73Jを平面視した図である。
継手70Jは、継手本体71Iと、整流部材52Iと、絞り部材73Jとを有する。継手本体71Iと整流部材52Iについては、変形例9と同様な構成を有するため、同じ符号を付して重複説明を省略する。
絞り部材73Jは、図14(b)に示すように、複数の貫通孔73Jaを形成した円形板からなり、圧入等により第3通路71Ifの上端に固定されている。貫通孔73Jaのみを冷媒が通過する。第3通路71Jfにおいては、貫通孔73Jaを合計した通路断面積が最も小さくなっている。かかる通路断面積は、中間通路71e及び第1通路71jの通路断面積よりも小さいと好ましい。絞り部材73Jにより、気泡微細化構造を形成する。
本実施の形態によれば、冷凍サイクルの動作中に、膨張弁の排出側流路から第4配管64を介して第2通路71d内へと進入した冷媒は、中間通路71eを介して第3通路71Ifに至り、ここから方向を変えて上方に向かう。
第3通路71Ifに絞り部材73Jが配置されているため、冷媒が絞り部材73Jを通過する間に、冷媒に内包される気泡がつぶれて微細化する。このため、絞り部材73Jを通過した冷媒中には、比較的大きな気泡が含まれておらず、したがって気泡が破裂しても騒音を低く抑えることができる。
(第2実施形態の変形例11)
図15(a)は、変形例11にかかる継手70Kの縦断面図である。図15(b)は、絞り部材73Kを平面視した図である。
継手70Kは、継手本体71Iと、整流部材52Iと、絞り部材73Kとを有する。継手本体71Iと整流部材52Iについては、変形例9と同様な構成を有するため、同じ符号を付して重複説明を省略する。
絞り部材73Kは、図15(b)に示すように、円形板の一部であって平面視でD字形状の板からなり、圧入等により第3通路71Ifの上端に固定されている。このため、第3通路71Ifにおいては、絞り部材73Kにより制限される通路断面積が最も小さくなっている。かかる通路断面積は、中間通路71e及び第1通路71jの通路断面積よりも小さいと好ましい。絞り部材73Kにより、気泡微細化構造を形成する。
本実施の形態によれば、冷凍サイクルの動作中に、膨張弁の排出側流路から第4配管64を介して第2通路71d内へと進入した冷媒は、中間通路71eを介して第3通路71Ifに至り、ここから方向を変えて上方に向かう。
第3通路71Ifに絞り部材73Kが配置されているため、冷媒が絞り部材73Kを通過する間に、冷媒に内包される気泡がつぶれて微細化する。このため、絞り部材73Kを通過した冷媒中には、比較的大きな気泡が含まれておらず、したがって気泡が破裂しても騒音を低く抑えることができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されない。本発明の範囲内において、上述の実施形態の任意の構成要素の変形が可能である。また、上述の実施形態において任意の構成要素の追加または省略が可能である。例えば、絞り部材は、第3通路内に限らず第4通路内に配置されても良い。