JP7517206B2 - 電界効果トランジスタ - Google Patents

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本明細書に開示の技術は、電界効果トランジスタに関する。
特許文献1には、トレンチゲート型の電界効果トランジスタが開示されている。この電界効果トランジスタは、ボディ層から下側に突出する複数のp型ディープ層を有している。各p型ディープ層は、上側から半導体基板を見たときにトレンチに対して交差するように伸びている。複数のp型ディープ層は、その幅方向に間隔部を開けて配置されている。各p型ディープ層は、ボディ層からトレンチの底面よりも下側まで伸びている。特許文献1に開示の電界効果トランジスタの一例では、各p型ディープ層は、ボディ層の下側に位置するトレンチの側面及びトレンチの底面でゲート絶縁膜に接している。また、電界効果トランジスタは、ボディ層及び各p型ディープ層に接するn型のドリフト層を有している。この電界効果トランジスタがオフすると、ボディ層からドリフト層内に空乏層が広がる。ドリフト層内に広がる空乏層によって、ソース-ドレイン間の電圧が保持される。また、この電界効果トランジスタがオフすると、各ディープp層からもドリフト層内に空乏層が広がる。各ディープp層がトレンチの底面でゲート絶縁膜に接しているので、各ディープp層から広がる空乏層によってトレンチの底面の周辺のドリフト層が空乏化される。このように、各ディープp層からトレンチの底面の周辺に広がる空乏層によって、トレンチの底面の周辺のゲート絶縁膜及びドリフト層で電界集中が生じることが抑制される。したがって、この電界効果トランジスタは、高い耐圧を有する。
特開2009-194065号公報
特許文献1の電界効果トランジスタがオンすると、ボディ層にチャネルが形成される。すると、ソース層から、チャネルへ電子が流れる。ボディ層の下側に複数のp型ディープ層が存在するので、チャネルを通過した電子は、p型ディープ層の間の間隔部内に配置されているドリフト層に流入する。間隔部を通過した電子は、間隔部の下側のドリフト層へ流れる。このように、電子が、ソース層から、チャネルと間隔部内のドリフト層を介して間隔部の下側のドリフト層へ流れる。間隔部内のドリフト層は、p型ディープ層によって挟まれている。電界効果トランジスタのオン状態において、各p型ディープ層から間隔部内のドリフト層へ空乏層が広がっている。このように広がる空乏層によって、間隔部内のドリフト層内の電子が流れる経路が狭められる。その結果、間隔部の抵抗が高くなる。このため、特許文献1の電界効果トランジスタは、オン抵抗が高い。本明細書では、複数のp型ディープ層を有する電界効果トランジスタにおいて、低いオン抵抗を実現する技術を提案する。
本明細書が開示する電界効果トランジスタは上面にトレンチが設けられた半導体基板と、前記トレンチの内面を覆うゲート絶縁膜と、前記トレンチ内に配置されており、前記ゲート絶縁膜によって前記半導体基板から絶縁されているゲート電極、を有する。前記半導体基板が、前記トレンチの側面で前記ゲート絶縁膜に接するn型のソース層と、前記ソース層の下側に位置する前記トレンチの前記側面で前記ゲート絶縁膜に接するp型のボディ層と、複数のp型ディープ層と、複数のn型ディープ層と、ドリフト層(38)を有する。前記各p型ディープ層が、前記ボディ層から下側に突出しており、前記ボディ層から前記トレンチの底面よりも下側まで伸びており、上側から前記半導体基板を見たときに前記トレンチに対して交差する第1方向に沿って伸びており、上側から前記半導体基板を見たときに前記第1方向に対して直交する第2方向に間隔部を開けて配置されており、前記ボディ層の下側に位置する前記トレンチの前記側面及び前記トレンチの前記底面で前記ゲート絶縁膜に接している。前記各n型ディープ層が、対応する前記間隔部内に配置されており、前記ボディ層の下側に位置する前記トレンチの前記側面で前記ゲート絶縁膜に接している。前記ドリフト層が、前記各n型ディープ層よりも低いn型不純物濃度を有するn型であり、前記複数のn型ディープ層の下面に接している。前記各p型ディープ層が、前記第2方向における寸法よりも前記半導体基板の厚み方向における寸法が大きい形状を有している。前記各n型ディープ層が、前記第2方向における寸法よりも前記半導体基板の前記厚み方向における寸法が大きい形状を有している。
なお、p型ディープ層の「前記第2方向における寸法」は、p型ディープ層の第2方向における両側面の間の距離を意味する。また、p型ディープ層の「前記半導体基板の厚み方向における寸法」は、ボディ層の下面(すなわち、p型ディープ層の上面)からp型ディープ層の下面までの半導体基板の厚み方向における距離を意味する。また、n型ディープ層の「前記第2方向における寸法」は、n型ディープ層の第2方向における両側面の間の距離を意味する。また、n型ディープ層の「前記半導体基板の厚み方向における寸法」は、ボディ層の下面(すなわち、n型ディープ層の上面)からn型ディープ層の下面までの半導体基板の厚み方向における距離を意味する。
この電界効果トランジスタは、複数のp型ディープ層を有しているので、電界効果トランジスタがオフするときにトレンチの底面の周辺の電界集中を抑制できる。したがって、この電界効果トランジスタは、高い耐圧を有する。また、この電界効果トランジスタでは、複数のp型ディープ層の間の間隔部に、ドリフト層よりもn型不純物濃度が高いn型ディープ層が設けられている。また、半導体基板の厚み方向におけるn型ディープ層の寸法が、第2方向におけるn型ディープ層の寸法よりも大きい。すなわち、n型ディープ層は、縦方向(すなわち、半導体基板の厚み方向)に長い形状を有している。したがって、間隔部のうちの広い範囲がn型ディープ層によって構成されている。この電界効果トランジスタがオンすると、ソース層からチャネルとn型ディープ層を介してドリフト層へ電子が流れる。n型ディープ層が間隔部内に配置されているので、n型ディープ層にはその両側のp型ディープ層から空乏層が広がっている。しかしながら、n型ディープ層のn型不純物濃度が高いので、p型ディープ層からn型ディープ層に広がる空乏層の幅は狭い。したがって、n型ディープ層内に電子の流通経路が広く確保される。このため、間隔部の抵抗を従来よりも低くすることができる。したがって、この電界効果トランジスタの構成によれば、低いオン抵抗を実現することができる。
MOSFET10の断面斜視図。(p型ディープ層36を含まないxz断面を示す図)。 ソース電極22と層間絶縁膜20を省略したMOSFET10の断面斜視図。 半導体基板12を上から見たときのトレンチ14とp型ディープ層36の配置を示す平面図。 p型ディープ層36とn型ディープ層37の拡大断面図。 MOSFET10の断面斜視図(p型ディープ層36を含むxz断面を示す図)。 MOSFET10の製造方法の説明図。 MOSFET10の製造方法の説明図。 MOSFET10の製造方法の説明図。 MOSFET10がオンしているときのn型ディープ層37内の空乏層の分布を示す図。 規格値Dn/DpとMOSFET10の特性の関係を示すグラフ。 第1変形例のMOSFETのp型ディープ層36とn型ディープ層37の拡大断面図。 第2変形例のMOSFETのp型ディープ層36とn型ディープ層37の拡大断面図。 第3変形例のMOSFETのp型ディープ層36とn型ディープ層37の拡大断面図。
本明細書が開示する一例の電界効果トランジスタでは、前記複数のn型ディープ層が、前記ボディ層の前記下面から前記複数のp型ディープ層の前記下面の深さまで伸びていてもよい。この場合、前記複数のn型ディープ層が、前記ボディ層の前記下面から前記複数のp型ディープ層の前記下面よりも下側まで伸びていてもよい。
これらの構成によれば、間隔部の全体をn型不純物濃度が高いn型ディープ層で構成することができる。したがって、電界効果トランジスタのオン抵抗をより低減することができる。
本明細書が開示する一例の電界効果トランジスタでは、前記複数のn型ディープ層が、前記複数のp型ディープ層の前記下面よりも下側の領域を介して互いに繋がっていてもよい。
本明細書が開示する一例の電界効果トランジスタでは、前記半導体基板の前記厚み方向における前記n型ディープ層の寸法が、前記半導体基板の厚み方向における前記p型ディープ層の寸法の1.07倍以下であってもよい。
この構成によれば、電界効果トランジスタにおいてより高い耐圧を実現することができる。
図1、2に示す実施形態のMOSFET10(metal-oxide-semiconductor field effect transistor)は、半導体基板12を有している。以下では、半導体基板12の厚み方向をz方向といい、半導体基板12の上面12aに平行な一方向(z方向に直交する一方向)をx方向といい、x方向及びz方向に直交する方向をy方向という。半導体基板12は、炭化シリコン(すなわち、SiC)により構成されている。なお、半導体基板12がシリコン、窒化ガリウム等の他の半導体材料により構成されていてもよい。半導体基板12の上面12aには、複数のトレンチ14が設けられている。図2に示すように、複数のトレンチ14は、上面12aにおいて、y方向に沿って長く伸びている。複数のトレンチ14は、x方向に間隔を開けて配置されている。
図1、2に示すように、各トレンチ14の内面(すなわち、側面と底面)は、ゲート絶縁膜16によって覆われている。各トレンチ14内に、ゲート電極18が配置されている。各ゲート電極18は、ゲート絶縁膜16によって半導体基板12から絶縁されている。図1に示すように、各ゲート電極18の上面は、層間絶縁膜20によって覆われている。半導体基板12の上部に、ソース電極22が設けられている。ソース電極22は、各層間絶縁膜20を覆っている。ソース電極22は、層間絶縁膜20によってゲート電極18から絶縁されている。ソース電極22は、層間絶縁膜20が存在しない位置で、半導体基板12の上面12aに接している。半導体基板12の下部には、ドレイン電極24が配置されている。ドレイン電極24は、半導体基板12の下面12bの全域に接している。
図1、2に示すように、半導体基板12は、複数のソース層30、複数のコンタクト層32、ボディ層34、複数のp型ディープ層36、複数のn型ディープ層37、ドリフト層38、及び、ドレイン層40を有している。
各ソース層30は、高いn型不純物濃度を有するn型層である。各ソース層30は、半導体基板12の上面12aを部分的に含む範囲に配置されている。各ソース層30は、ソース電極22にオーミック接触している。各ソース層30は、トレンチ14の側面の最上部において、ゲート絶縁膜16に接している。各ソース層30は、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極18に対向している。各ソース層30はトレンチ14の側面に沿ってy方向に長く伸びている。
各コンタクト層32は、高いp型不純物濃度を有するp型層である。各コンタクト層32は、半導体基板12の上面12aを部分的に含む範囲に配置されている。各コンタクト層32は、対応する2つのソース層30の間に配置されている。各コンタクト層32は、ソース電極22にオーミック接触している。各コンタクト層32は、y方向に長く伸びている。
ボディ層34は、コンタクト層32よりも低いp型不純物濃度を有するp型層である。ボディ層34は、複数のソース層30及び複数のコンタクト層32の下側に配置されている。ボディ層34は、複数のソース層30及び複数のコンタクト層32に対して下側から接している。ボディ層34は、ソース層30の下側に位置するトレンチ14の側面で、ゲート絶縁膜16に接している。ボディ層34は、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極18に対向している。
各p型ディープ層36は、ボディ層34の下面から下側に突出しているp型層である。各p型ディープ層36のp型不純物濃度は、ボディ層34のp型不純物濃度よりも高く、コンタクト層32のp型不純物濃度よりも低い。図3に示すように半導体基板12を上側から見たときに、各p型ディープ層36は、x方向に長く伸びており、トレンチ14に対して直交している。複数のp型ディープ層36は、y方向に間隔を開けて配置されている。以下では、複数のp型ディープ層36の間の部分を、間隔部39という。図4に示すように、p型ディープ層36は、yz断面において、z方向に長い形状を有している。すなわち、p型ディープ層36のz方向における寸法(以下、深さDpという)は、p型ディープ層36のy方向における寸法(以下、幅Wpという)よりも大きい。例えば、深さDpを、幅Wpの1~4倍とすることができる。図5に示すように、各p型ディープ層36は、ボディ層34の下面から各トレンチ14の底面よりも下側の深さまで伸びている。各p型ディープ層36は、ボディ層34の下側に位置するトレンチ14の側面でゲート絶縁膜16に接している。また、各p型ディープ層36は、トレンチ14の底面でゲート絶縁膜16に接している。各p型ディープ層36は、ゲート絶縁膜16を介してゲート電極18に対向している。
各n型ディープ層37は、ドリフト層38よりもn型不純物濃度が高いn型層である。各n型ディープ層37のn型不純物濃度は、各p型ディープ層36のp型不純物濃度よりも低い。図1、2に示すように、各n型ディープ層37は、対応する間隔部39内に配置されている。各n型ディープ層37は、ボディ層34の下面に接している。各n型ディープ層37は、その両側のp型ディープ層36の側面に接している。各n型ディープ層37は、ボディ層34の下面から各トレンチ14の底面及び各p型ディープ層36の下面よりも下側まで伸びている。図4に示すように、間隔部39内のn型ディープ層37は、yz断面において、z方向に長い形状を有している。すなわち、n型ディープ層37のz方向における寸法(以下、深さDnという)は、間隔部39内のn型ディープ層37のy方向における寸法(以下、幅Wnという)よりも大きい。例えば、深さDnを、幅Wnの1~4倍とすることができる。本実施形態では、n型ディープ層37の幅Wnは、p型ディープ層36の幅Wpと略等しい。各n型ディープ層37は、隣接するp型ディープ層36の下面の直下まで伸びる接続領域37aを有している。各接続領域37aは、対応するp型ディープ層36の下面に接している。各n型ディープ層37は、各接続領域37aを介して互いに繋がっている。n型ディープ層37がp型ディープ層36の下面よりも下側に突出する部分の厚みT1(すなわち、p型ディープ層36の下面からn型ディープ層37下面までのz方向における距離)は、約0.1μmであり、極めて薄い。図1、2に示すように、各n型ディープ層37は、各間隔部39内において、ゲート絶縁膜16に接している。すなわち、各n型ディープ層37は、ボディ層34の下側に位置するトレンチ14の側面とトレンチ14の底面でゲート絶縁膜16に接している。
ドリフト層38は、ソース層30よりも低いn型不純物濃度を有するn型層である。ドリフト層38は、n型ディープ層37の下側に配置されている。ドリフト層38は、n型ディープ層37に対して下側から接している。
ドレイン層40は、ドリフト層38及びn型ディープ層37よりも高いn型不純物濃度を有するn型層である。ドレイン層40は、ドリフト層38に対して下側から接している。ドレイン層40は、半導体基板12の下面12bを含む範囲に配置されている。ドレイン層40は、ドレイン電極24にオーミック接触している。
次に、MOSFET10の製造方法について説明する。MOSFET10は、全体がドレイン層40によって構成された半導体基板から製造される。まず、図6に示すように、ドレイン層40上にエピタキシャル成長によってドリフト層38を形成し、形成したドリフト層38の表層部にn型不純物をイオン注入することによってn型ディープ層37を形成する。次に、図7に示すように、n型ディープ層37に選択的にp型不純物をイオン注入することによって、n型ディープ層37中に複数のp型ディープ層36を形成する。次に、図8に示すように、n型ディープ層37及びp型ディープ層36上に、ボディ層34をエピタキシャル成長によって形成する。なお、p型ディープ層36の形成工程をボディ層34の形成工程の後に実施してもよい。次に、ボディ層34に選択的にn型不純物及びp型不純物をイオン注入することによって、ソース層30とコンタクト層32を形成する。その後、トレンチ14、ゲート絶縁膜16、ゲート電極18、層間絶縁膜20、ソース電極22、及び、ドレイン電極24を形成することで、MOSFET10が完成する。
MOSFET10は、ドレイン電極24にソース電極22よりも高い電位が印加された状態で使用される。各ゲート電極18にゲート閾値以上の電位が印加されると、ゲート絶縁膜16の近傍のボディ層34にチャネルが形成される。チャネルによって、ソース層30とn型ディープ層37が接続される。このため、図1の矢印100に示すように、ソース層30からチャネル、n型ディープ層37、及び、ドリフト層38を経由してドレイン層40へ電子が流れる。すなわち、MOSFET10がオンする。各ゲート電極18の電位をゲート閾値以上の値からゲート閾値未満の値へ引き下げると、チャネルが消失し、電子の流れが停止する。すなわち、MOSFET10がオフする。
次に、MOSFET10をオフするときの動作について、より詳細に説明する。チャネルが消失すると、ボディ層34と各n型ディープ層37の界面のpn接合に逆電圧が印加される。したがって、ボディ層34から各n型ディープ層37へ空乏層が広がる。また、各p型ディープ層36は、ボディ層34と繋がっており、ボディ層34と略同じ電位を有する。したがって、チャネルが消失すると、各p型ディープ層36と各n型ディープ層37の界面のpn接合にも逆電圧が印加される。したがって、各p型ディープ層36から各n型ディープ層37へも空乏層が広がる。図5に示すように、各p型ディープ層36とトレンチ14の交差部では、トレンチ14の直下にp型ディープ層36が存在している。したがって、トレンチ14の直下のp型ディープ層36からトレンチ14の底面の周辺のn型ディープ層37に空乏層が広がる。このように、p型ディープ層36から広がる空乏層によって、トレンチ14の底面の周辺のn型ディープ層37が素早く空乏化される。これによって、トレンチ14の底面近傍における電界集中が抑制される。また、ボディ層34と各p型ディープ層36から広がる空乏層によって、各n型ディープ層37の全体が空乏化される。なお、各n型ディープ層37はドリフト層38よりもn型不純物濃度が低いため、各n型ディープ層37内にはドリフト層38内よりも空乏層が広がり難い。しかしながら、各n型ディープ層37はp型ディープ層36によって挟まれており、かつ、各n型ディープ層37の幅Wnが狭いので、各n型ディープ層37の全体が空乏化する。また、空乏層は、各n型ディープ層37を介してドリフト層38へ広がる。ドリフト層38のn型不純物濃度が低いので、ドリフト層38のほぼ全体が空乏化される。空乏化されたドリフト層38及び各n型ディープ層37によって、ドレイン電極24とソース電極22の間に印加される高電圧が保持される。したがって、MOSFET10は高い耐圧を有する。
次に、MOSFET10をオンするときの動作について、より詳細に説明する。上述したように、MOSFET10がオンすると、図1の矢印100に示すようにソース層30からチャネルとn型ディープ層37を介してドリフト層38へ電子が流れる。図9は、MOSFET10がオンしているときのn型ディープ層37内の空乏層90の分布を示している。図9において、斜線でハッチングされている領域が、空乏層90である。MOSFET10がオンしている状態では、n型ディープ層37とp型ディープ層36の界面のpn接合(以下、pn接合70という)に逆電圧は印加されていない。しかしながら、この状態でも、ビルトインポテンシャルによってpn接合70に空乏層90が存在している。本実施形態では、n型ディープ層37のn型不純物濃度が高いので、pn接合70からn型ディープ層37内に伸びる空乏層90の幅Wdが狭い。このため、間隔部39内の電子の流通経路(すなわち、空乏化していないn型ディープ層37)の幅Weが広い。したがって、MOSFET10がオンしているときに、n型ディープ層37の抵抗が低い。したがって、MOSFET10は、低いオン抵抗を有している。
以上に説明したように、実施形態のMOSFET10の構造によれば、高い耐圧を実現できるとともに、低いオン抵抗を実現できる。図10は、n型ディープ層37の深さDnを変化させたときのMOSFETのオン抵抗と耐圧をシミュレーションした結果を示している。横軸は、n型ディープ層37の深さDnをp型ディープ層36の深さDpで除算した規格値Dn/Dpを示している。Dn/Dp>1.00の場合は、図4のように、n型ディープ層37がp型ディープ層36よりも下側まで伸びている。Dn/Dp=1.00の場合は、図11に示すように、n型ディープ層37の下端とp型ディープ層36の下端が一致している。Dn/Dp<1.00の場合は、図12に示すように、n型ディープ層37の下端がp型ディープ層36の下端よりも上側に位置しており、n型ディープ層37の下側の間隔部39(すなわち、図12の領域39a)内までドリフト層38が伸びている。図10に示すように、規格値Dn/Dpが大きくなるほど、オン抵抗が低くなる。規格値Dn/Dpが小さいときにオン抵抗が高い理由は、図12の領域39a(すなわち、間隔部39内のドリフト層38)のn型不純物濃度が低いため、MOSFETのオン状態においてp型ディープ層36から領域39aに伸びる空乏層の幅が広く、領域39aにおいて電子の流通経路が狭くなるためと考えられる。図10に示すように、規格値Dn/Dpが0.67以上である場合にオン抵抗を比較的低減することができ、規格値Dn/Dpが1.0以上である場合にオン抵抗をより効果的に低減することができる。また、規格値Dn/Dpが大きいと、MOSFETの耐圧が低くなる。これは、n型ディープ層37がp型ディープ層36の下面よりも下側に突出する部分の厚みT1が厚くなると、ドリフト層38内で電界が集中し易くなるためと考えられる。規格値Dn/Dpが1.07以下では高い耐圧が得られ、規格値Dn/Dpが1.03以下でより耐圧が安定する。
また、上述したように、実施形態のMOSFET10では、各n型ディープ層37と各p型ディープ層36が縦に長い形状を有している。このように各n型ディープ層37と各p型ディープ層36が構成されていると、ゲート電極18とドレイン電極24の間の静電容量(すなわち、帰還容量)が小さくなる。これによって、MOSFET10のスイッチング速度を向上させることができる。
なお、図1~5の実施形態のMOSFET10では、n型ディープ層37の深さがp型ディープ層36の深さよりも深かった。しかしながら、上述した図11のようにn型ディープ層37の深さがp型ディープ層36の深さと等しくてもよい。また、上述した図12のようにp型ディープ層36の深さがn型ディープ層37の深さよりも深くてもよい。
また、図1~5に示す実施形態のMOSFET10では、各n型ディープ層37がp型ディープ層36の直下まで伸びる接続領域37aを有していた。しかしながら、図13のように、n型ディープ層37が接続領域37aを有さなくてもよい。
また、上述した実施形態では、各p型ディープ層36が各トレンチ14に対して直交していたが、各p型ディープ層36が各トレンチ14に対して斜めに交差していてもよい。
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
10:MOSFET、12:半導体基板、14:トレンチ、16:ゲート絶縁膜、18:ゲート電極、20:層間絶縁膜、22:ソース電極、24:ドレイン電極、30:ソース層、32:コンタクト層、34:ボディ層、36:p型ディープ層、37:n型ディープ層、38:ドリフト層、40:ドレイン層

Claims (3)

  1. 電界効果トランジスタ(10)であって、
    上面にトレンチ(14)が設けられた半導体基板(12)と、
    前記トレンチの内面を覆うゲート絶縁膜(16)と、
    前記トレンチ内に配置されており、前記ゲート絶縁膜によって前記半導体基板から絶縁されているゲート電極(18)、
    を有し、
    前記半導体基板が、
    前記トレンチの側面で前記ゲート絶縁膜に接するn型のソース層(30)と、
    前記ソース層の下側に位置する前記トレンチの前記側面で前記ゲート絶縁膜に接するp型のボディ層(34)と、
    複数のp型ディープ層(36)と、
    複数のn型ディープ層(37)と、
    ドリフト層(38)、
    を有し、
    前記各p型ディープ層が、前記ボディ層から下側に突出しており、前記ボディ層から前記トレンチの底面よりも下側まで伸びており、上側から前記半導体基板を見たときに前記トレンチに対して交差する第1方向に沿って伸びており、上側から前記半導体基板を見たときに前記第1方向に対して直交する第2方向に間隔部を開けて配置されており、前記ボディ層の下側に位置する前記トレンチの前記側面及び前記トレンチの前記底面で前記ゲート絶縁膜に接しており、
    前記各n型ディープ層が、対応する前記間隔部内に配置されており、前記ボディ層の下側に位置する前記トレンチの前記側面で前記ゲート絶縁膜に接しており、
    前記ドリフト層が、前記各n型ディープ層よりも低いn型不純物濃度を有するn型であり、前記複数のn型ディープ層の下面に接しており、
    前記各p型ディープ層が、前記第2方向における寸法よりも前記半導体基板の厚み方向における寸法が大きい形状を有しており、
    前記各n型ディープ層が、前記第2方向における寸法よりも前記半導体基板の前記厚み方向における寸法が大きい形状を有しており、
    前記複数のn型ディープ層が、前記ボディ層の前記下面から前記複数のp型ディープ層の前記下面よりも下側まで伸びている、
    電界効果トランジスタ。
  2. 前記複数のn型ディープ層が、前記複数のp型ディープ層の前記下面の下側の領域を介して互いに繋がっている、請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
  3. 前記半導体基板の前記厚み方向における前記n型ディープ層の寸法が、前記半導体基板の厚み方向における前記p型ディープ層の寸法の1.07倍以下である、請求項1または2に記載の電界効果トランジスタ。
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