JP7517127B2 - 光学装置、光書込装置、画像形成装置、及び光学装置の製造方法 - Google Patents

光学装置、光書込装置、画像形成装置、及び光学装置の製造方法 Download PDF

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本発明は、光学装置、光書込装置、画像形成装置、及び光学装置の製造方法に関する。
従来から、レーザ光源と、レーザ光源から射出されるレーザビームを主走査方向に偏向走査する偏向器と、偏向器で偏向走査されるレーザビームを所定の像面上に結像させる走査光学系とを備えた光書込装置、及び当該光書込装置と同等な光学性能を有する画像形成装置が知られている。具体的には、スキャナやMFP(Multifunction Peripheral)などが知られている。
ところで、上記の光学装置において、特許文献1の図2(A)、図2(B)、及び図3には、ミラー、レンズ等の長尺の光学素子の位置を座面上で調整して用いるものについて開示されている。また、特許文献2の図9から図11には、光走査方向と感光体ドラムの軸方向とが平行になるように、長尺の光学素子を座面に平行な面内で調整部材を用いて位置調整することについて開示されている。
例えば、レーザープリンタの光書込装置において、複写機内のギアや偏向器等の駆動部材が生み出した振動により、光学素子が振動すると、導光精度が劣化して静電潜像担持体への光の照射位置が変化する。光書込装置においては、静電潜像担持体に対する光の照射位置の変化によって、画像に濃度ムラが発生する。
図15Aは、ミラーである長尺の光学素子200pのたわみ振動を示す図である。図15Aに示すように、光学素子200pは、両端に位置する突起202に支えられている。そのため、駆動部材の振動が光学素子200pに伝達されると、たわみ振動が発生する。光学素子200pは、たわみ振動のピークの一方を実線で示し、ピークの他方を一点鎖線で示している。
また、図15Bに示すように、光学素子200pのたわみ振動により、入射光RDは、光学素子200pに照射される位置がズレてしまう。この図15Bには、光学素子200pの部分拡大図が示されている。光学素子200pは、たわみ振動のピークの一方を実線で示し、ピークの他方を一点鎖線で示している。その結果、たわみ振動により反射光RD1,RD2にズレが生じて、導光精度が劣化する。
特に、駆動部材から伝達される振動である入振の周波数と長尺の光学素子のたわみ振動の共振周波数とが重なってしまうと、共振現象により光学素子の振幅が極端に増加してしまい、振動を抑えることが困難になる。そのため、入振周波数と共振周波数とを重ならないように設計することが一般的に行われている。
例えば、特許文献3の段落0021には、「・・・、原稿からの反射光を折り返すための光折り返しミラー基板の長手方向に沿った側面の片側又は両側に補強部材を接着したため、ミラー剛性を高め、固有振動周波数を高くすることができる、ミラーの固有振動による振動の発生を防止することができると共に、」という旨が、開示されている。
特開2011-82767号公報 特開2010-8761号公報 特開平10-282399号公報
しかしながら、設計値において光学素子の共振周波数が入振の周波数とが重ならないようにしても、光学素子の共振周波数には加工誤差や取付誤差によるバラツキが存在する。
図16は、長尺ミラーを両端で保持した構成における周波数応答のバラツキを示したグラフである。グラフの縦軸は、伝達関数を示している。グラフの横軸は、周波数を示している。実線と破線は、この光学素子の構成の組立てと解体を繰り返した時の周波数応答を2つ抜き出したものを示している。破線の共振周波数が630[Hz]で、実線の共振周波数が650[Hz]であり、20[Hz]のバラツキが生じている。
さらに、長尺の光学素子の位置を座面上で調整して用いる構成でレンズを受ける座面の側に突起を持つ場合には、調整する光学装置自身および光学装置内の他の部材の加工誤差や取付誤差により調整するべき量が変わる。
図17Aは、長尺の光学素子200pが、その短尺方向の中央付近で、座面に形成された左側の突起202aと、座面に形成された右側の2個の突起202bとによって保持される場合を示している。
図17Bのように、光学素子200pの保持される位置が矢印方向に変化すると、突起202a,202bの位置と光学素子200pとの相対位置関係が変わる。そのため、光学素子202pの振動モード(振動の仕方)が変化し、光学素子200pの共振周波数や周波数応答のバラツキが生じる。また、座面と光学素子とが面同士で接触している場合にも、わずかな面の加工誤差により当接箇所が変化するため、同様に共振周波数や周波数応答のバラツキが生じる。
この光学素子の共振周波数のバラツキにより、光学素子に入振する周波数と、この光学素子の共振周波数とが重なると、画質の劣化が発生してしまう。共振周波数のバラツキは、再現性が低いため、開発初期の段階では把握が難しく、また、開発後期において発覚することで、開発工数の増加や振動対策部品費用の増加が発生しやすい。
そこで、本発明は、光学素子の振動の伝達関数及び共振周波数を安定化させることを課題とする。
すなわち、本発明の上記課題は、下記の構成により解決される。
(1)第1の方向に長尺形状を有する光学素子と、
座面に対して点接触するように前記光学素子の両端に設けられた3つ以上の突起と、
前記光学素子を前記座面の何れかの位置に調整する調整部材と、を備え、
前記光学素子は、前記第1の方向と垂直な第2の方向を法線方向とする前記座面に接触保持され、
前記突起は、前記光学素子と別部材であって、当該別部材は、球形部材である、
光学装置。
(2)前記座面に対し、前記光学素子を押圧保持する押圧部材を、さらに備える、
(1)に記載の光学装置。
(3)前記突起は
記別部材を前記光学素子に当接させて固定する固定部材により、前記別部材と前記光学素子とが一体となっている、
(1)又は(2)に記載の光学装置。
)前記固定部材は、弾性部材である、
)に記載の光学装置。
)前記弾性部材に設けられた穴から、前記球形部材の一部が飛び出して、前記座面に対して点接触する、
)に記載の光学装置。
)前記弾性部材は、前記光学素子の固定を兼ねている、
)又は()に記載の光学装置。
)前記球形部材と当接する前記弾性部材の当接部分は、曲面形状である、
)又は()に記載の光学装置。
)前記弾性部材には、前記球形部材を所定の位置に導くガイドが設けられている、
)又は()に記載の光学装置。
)前記押圧部材が前記光学素子を押圧する押圧箇所は、
前記突起と前記座面との接触点、又は前記突起と当該接触点とを結んだ直線上である、
(2)に記載の光学装置。
10)第1の方向に長尺形状を有する光学素子と、
座面に対して点接触するように前記光学素子の両端に設けられた3つ以上の突起と、を備え、
前記突起は、
前記光学素子と別部材であって、前記光学素子と一体となって前記座面に接触保持されており、
前記別部材は、球形部材であり、
前記光学素子は、
前記第1の方向と垂直な第2の方向を法線方向とする前記座面に接触保持され、
前記座面と平行な方向に、位置決め部材に突当てされずに保持されている、
光学装置。
11)前記座面に対し、前記光学素子を押圧保持する押圧部材を、さらに備える、
10)に記載の光学装置。
12)前記光学素子の前記突起と、前記座面との当接箇所は、3点である、
(1)から(11)のいずれか1項に記載の光学装置。
13)前記座面と、前記光学素子の前記球形部材との当接箇所は、前記座面に平行な平面である、
)または()に記載の光学装置。
14)前記光学素子の前記球形部材の保持部材上において、当該球形部材の位置決めを行う位置決め部材を、さらに備える、
)または()に記載の光学装置。
(15)(1)から(14)のいずれか1項に記載の光学装置の製造方法であって、
前記球形部材で形成された前記突起を前記座面に当接させた状態で、前記座面に平行な方向の位置を調整する工程と、
前記位置を調整後に前記光学素子を固定する工程と、
を含む、
光学装置の製造方法。
16)(1)から(14)のいずれか1項に記載の光学装置と、
光源と、
前記光源からの光線を偏向走査して前記光学素子に入射させる偏向器と、を備え、
前記第1の方向は、
前記偏向器による走査方向に対応する、
光書込装置。
17)(1)から(14)のいずれか1項に記載の光学装置と、
又は、(16)に記載の光書込装置を備える、
画像形成装置。
本発明によれば、光学素子の振動の伝達関数及び共振周波数を安定化させることができる。よって、開発工数及び振動対策部品費の低減を図ることができる。
本実施形態に係る画像形成装置の概略の構成を説明する説明図である。 本実施形態に係る画像形成装置の走査光学装置の概略平面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の機能を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る画像形成装置の光学装置の構成を示した説明図である(その1)。 第1の実施形態に係る画像形成装置の光学装置の構成を示した説明図である(その2)。 第1の実施形態に係る画像形成装置の光学装置の構成を示した説明図である(その3)。 第1の実施形態に係る画像形成装置の光学装置の変形例1を示した構成図である。 第2の実施形態に係る画像形成装置の光学装置の構成を示した説明図である(その1)。 第2の実施形態に係る画像形成装置の光学装置の構成を示した説明図である(その2)。 第2の実施形態に係る画像形成装置の光学装置の構成を示した説明図である(その3)。 板バネが突起を固定する状態を示した説明図である。 球形部材の突起と当接する板バネの当接部分が、曲面形状で形成されていることを示した説明図である。 第2の実施形態に係る画像形成装置の光学装置の変形例1を示した構成図である。 第2の実施形態に係る画像形成装置の光学装置の変形例2を示した構成図である。 第2の実施形態に係る画像形成装置の光学装置の変形例2を示した構成図である。 第2の実施形態に係る画像形成装置の光学装置の変形例3を示した構成図である(その1)。 第2の実施形態に係る画像形成装置の光学装置の変形例3を示した構成図である(その2)。 第2の実施形態に係る画像形成装置の光学装置の変形例4を示した構成図である。 押圧部材が、長尺折り返しミラーを押圧する押圧箇所を示した説明図である(その1)。 押圧部材が、長尺折り返しミラーを押圧する押圧箇所を示した説明図である(その2)。 光学素子の照射位置の変化により、生成される画像に濃度ムラが発生する概要を示した説明図である(その1)。 光学素子の照射位置の変化により、生成される画像に濃度ムラが発生する概要を示した説明図である(その2)。 長尺ミラーを両端で保持した構成における周波数応答のバラつきを示したグラフである。 光学素子の短尺方向の中央付近で、突起に保持される場合を示した説明図である。 光学素子の短尺方向の端同士で、突起に保持される場合を示した説明図である。 突起が光学素子と一体化して保持される状態を示した説明図である。 突起が光学素子と一体化したまま、光学素子の中心を基準に保持される状態を示した説明図である。
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、後述する各実施形態の一部を適宜組み合わせて構成してもよい。
(本実施形態の概要)
図18Aは、突起210a,210bが光学素子200qと一体化していることを示す正面図である。この光学素子200qは、突起210aと2個の突起210bとが、不図示の座面に接触保持されて固定される。また、図18Bは、突起210a,210bが一体化した光学素子200qの位置が矢印方向にずれたことを示す正面図である。
図18Aから図18Bのように光学素子200qの位置が変化しても、突起210a,210bの位置と光学素子200qとの相対位置関係が変わらないため、共振周波数及び周波数応答は変わらない。
そこで、本発明の実施形態では、光学素子200pの保持機構を改善することにより、光学素子200pの振動の伝達関数及び共振周波数を安定させている。これにより、開発工数及び振動対策部品費の低減を図ることができる。
<本実施形態>
[画像形成装置全体の構成]
図1は、本実施形態に係る画像形成装置100の概略の構成を説明する説明図である。画像形成装置100は、例えば、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能、ネットワーク機能、及びボックス機能といった複数の機能が搭載された複合機(MFP:Multi Function Peripheral)である。
図1に示すように、画像形成装置100は、操作表示部10、スキャナ20、通信部30、制御部50、画像形成部60、走査光学装置90(光書込装置)及び給紙トレイ71~73を備えて構成されている。
操作表示部10は、透明なタッチパネル12が積層された表示パネル11を備えて構成されている。制御部50は、操作表示部10の表示パネル11において、各種情報を表示させる。タッチパネル12に対する操作者の入力操作を電気信号に変換したものが、制御部50に送出される。
スキャナ20は、画像読取部21と、カバー部材22とを備えて構成されている。画像読取部21は、不図示のプラテンガラスと光学系と撮像系を備えて構成される。プラテンガラスには、印刷される用紙が載置される。光学系は、光源や反射鏡などで構成され、プラテンガラスに載置された用紙に光を照射する。撮像素子は、当該光学系から照射された用紙において反射された光を検出する。スキャナ20は、原稿を光学的に読みって、画像データを取得する。
カバー部材22は、画像読取部21の上側に設けられ、用紙に対して、画像読取部21の上から押圧する。カバー部材22は、手差し原稿を1枚ずつ搬送し、画像読取部21に読み取らせる。
通信部30は、ネットワークインターフェス部により構成される。通信部30は、例えば、LAN(Local Area Network)等のネットワークに画像形成装置100を接続する。通信部30がLANに接続されると、画像形成装置100の制御部50と、ネットワークに接続された外部機器とがデータを送受信する。
画像形成部60は、画像形成装置100において用紙に画像を形成する。制御部50は、例えば、スキャナ20によって読み取った画像データに基づいて、画像形成部60により用紙に画像を印刷する。制御部50は更に、外部機器から受信した印刷データに基づいて、画像形成部60により用紙に画像を印刷する。
具体的には、画像形成部60は、内部の略中央部にベルト部材として中間転写ベルト9を備えている。中間転写ベルト9の下部水平部の下には、イエロー(Y:Yellow)、マゼンタ(M:Magenta)、シアン(C:Cyan)、ブラック(K:blacK)の各色にそれぞれ対応する4つの作像ユニット7Y,7M,7C,7Kが、中間転写ベルト9に沿って並んで配置される。これらの作像ユニット7Y,7M,7C,7Kは、トナー像を担持可能に構成される感光体4Y,4M,4C,4Kと、帯電器2Y,2M,2C,2Kと、現像ローラ6Y,6M,6C,6Kと、クリーニングブレード3Y,3M,3C,3Kとをそれぞれ有している。
なお、感光体4Y,4M,4C,4Kのうちいずれかを特定する必要がない場合は、単に、感光体4と表示する。また、帯電器2Y,2M,2C,2Kのうちいずれかを特定する必要がない場合は、単に、帯電器2と表示する。
像担持体である各感光体4Y,4M,4C,4Kの周囲には、その回転方向に沿って順に、対応する感光体を帯電するための帯電器2Y,2M,2C,2Kと、現像ローラ6Y,6M,6C,6Kと、中間転写ベルト9を挟んで各感光体4Y,4M,4C,4Kと対向する1次転写ローラ5Y,5M,5C,5Kと、クリーニングブレード3Y,3M,3C,3Kとがそれぞれ配置される。
次に、本実施形態に係る画像形成装置100の走査光学装置90について、図面を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置100の走査光学装置90(光書込装置)の概略平面図である。走査光学装置90は、有底箱形に設けられる筐体91を備えて構成される。本明細書では、筐体91の底壁91aに直交する方向(図2の紙面と直交する方向)を上下方向とする。また、筐体91の上下でない面を側面とし、上下方向をZ方向とする。図2の左右方向をX方向とし、X方向とZ方向に直交する方向をY方向とする。
筐体91は、樹脂で形成されている。樹脂の種類は、特に限定されないが、例えば、筐体91は、繊維強化プラスチック(FRP)が使用される。筐体91には、光源部92と、偏向器93と、走査光学素子部94とが搭載される。なお、筐体91の上面には、不図示の蓋が取り付けられる。蓋には、光を通過させる開口が、適宜穿たれている。
光源部92は、4つの光源である露光装置1Y,1M,1C,1K(図1参照)を備えて構成されている。本実施形態では、例えば、光源は、半導体レーザで構成される。また、光源部92は、4つの露光装置1Y,1M,1C,1Kから出射された各レーザ光を、偏向器93へと導く複数の光学部品(不図示)を備えて構成されている。
偏向器93は、光源部92から出射された光を走査する。偏向器93は、回転多面鏡であるポリゴンミラー93aを備えている。また、偏向器93は、不図示のモータを備えて構成されている。ポリゴンミラー93aは、モータの駆動によって回転する。光源部92の4つの露光装置1Y,1M,1C,1Kから出射された各再現色用のレーザ光は、ポリゴンミラー93aの同一面に副走査方向(Z方向)に微小角度ずつずれた状態で導かれ、ポリゴンミラー93aの回転に基づいて、主走査方向(X方向)に等角速度で走査される。
走査光学素子部94は、偏向器93からの光を被走査体に結像させる。本実施形態では、走査光学素子部94は、偏向器93からの各再現色用のレーザ光を、感光体4Y,4M,4C,4K上(図1参照)に結像させる。感光体4Y,4M,4C,4Kは、被走査体の一例である。走査光学素子部94は、複数の光学素子を含む。複数の光学素子には、レンズ94a及び長尺折り返しミラー94bが含まれる。本実施形態では、長尺折り返しミラー94bは、筐体91に固定される。長尺折り返しミラー94bには、複数の突起102が設けられている。なお、突起102については、他の図面を用いて後述する。
走査光学装置90は、略平板状の錘部材95を備える。錘部材95の厚みは、特に限定されず、例えば3~4mm程度でよい。図2に一点鎖線で概略形状を示す錘部材95は、筐体91の底壁91aに取り付けられる。錘部材95は、筐体91の底壁91aと、複数のレンズ94a、長尺折り返しミラー94bの少なくとも一つとの間に配置される。
底壁91aと直交する方向から見た場合に、錘部材95は、複数のレンズ94a、長尺折り返しミラー94bの少なくとも一つと重なる部分を有する。錘部材95は、複数のレンズ94a、長尺折り返しミラー94bの少なくとも二つに跨って広がる。本実施形態では、錘部材95は、底壁91aと、レンズ94a及び3つの長尺折り返しミラー94bとの間に配置される。底壁91aと直交する方向から見た場合に、錘部材95は、レンズ94a及び3つの長尺折り返しミラー94bと重なる部分を有する。錘部材95は、レンズ94a及び3つの長尺折り返しミラー94bに跨って広がっている。
図1に戻り、説明を続ける。中間転写ベルト9の中間転写ベルト駆動ローラ83で支持された部分には、2次転写ローラ82が圧接されており、当該領域で用紙への2次転写が行なわれる。2次転写領域後方の搬送路Wの下流位置には、定着ローラ85と加圧ローラ84とを含む定着加熱部86が配置されている。
画像形成装置100の下部には、給紙トレイ71,72,73が着脱可能に配置されている。給紙トレイ71~73には、画像を印刷するための用紙が、サイズ毎に格納されている。給紙トレイ71,72,73内に積載収容された用紙は、給紙ローラ74の回転によって最上部の用紙から1枚ずつ搬送路Wに送り出される。画像形成部60において形成された画像は、給紙トレイ71~73の何れかの所望の用紙に印刷される。
画像形成装置100は、上部に操作表示部10が配置されるとともに、排紙ローラ87と、通信部30、制御部50とを備えて構成されている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置100の制御部50について説明する。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置100の機能を示すブロック図である。画像形成装置100は、操作表示部10、スキャナ20、通信部30、制御部50、画像形成部60、及び走査光学装置90を備えて構成されている。なお、同一の構成については同一の符号を付し、説明を適宜、省略する。
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)51、RAM(Random Access Memory)52、ROM(Read Only Memory)53、及び記憶部54を備えて構成されている。
CPU51は、ROM53や記憶部54に格納されている各種プログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する。ROM53や記憶部54は、画像形成装置100を制御する制御プログラムを格納する。RAM52は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)により実現され、CPU51が制御プログラムを実行するために必要なデータを一時的に記憶するワーキングメモリとして機能する。
記憶部54は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)により構成される。記憶部54は、各種プログラムやデータなどを記憶する。
<第1の実施形態>
図4A~図4Cは、第1の実施形態に係る画像形成装置100の光学装置900の構成を示した説明図である。図4Aは、紙面に対して、右から左向きに光が入射された場合の光学装置900の右端の突起102bに係る断面図である。図4Bは、光学装置900の正面図である。図4Cは、図4Bの光学装置900を手前側の短尺方向から見たときの側面図であり、調整部材104を省略している。なお、同一の部材には同一の符号を付し、説明を適宜、省略する。
図4Aと図4Bに示すように、光学装置900は、光学素子である長尺折り返しミラー94b、及び突起102aと2個の突起102bとを、備えて構成されている。突起102aは、半球形部材で形成されており、長尺折り返しミラー94bの正面側の長尺方向の一端に形成されている。2個の突起102bは、半球形部材で形成されており、長尺折り返しミラー94bの正面側の長尺方向の他端に形成されている。これにより突起102aと突起102bは、座面103に対して点接触する。なお、突起は、3個に限定されるものではなく、3個以上であればよい。
長尺折り返しミラー94bの正面側の長尺方向の両端には、突起102aおよび2個の突起102bと点接触して、この長尺折り返しミラー94bを光軸方向に規制する座面103が位置している。座面103同士は、平行または同一平面に形成されており、座面103上で長尺折り返しミラー94bを位置調整した際に、長尺折り返しミラー94bの光軸方向の位置が変化しないようになっている。
押圧部材101は、板バネ等の押圧部材であり、長尺折り返しミラー94bの背面を座面103に向けて押圧してこれを保持する。長尺折り返しミラー94bは、押圧部材101により座面103に押し付けられ、位置決めされている。
長尺折り返しミラー94bは、第1の方向に長尺形状を有する光学素子であり、図4Aの右側から入射した光を反射する。長尺折り返しミラー94bは、図4Bに示すように、紙面に対して左右方向に長尺形状を有しており、図4Bでは、左右方向が、第1の方向である。
座面103は、長尺折り返しミラー94bを接触保持する。このとき、長尺折り返しミラー94bは、第1の方向と垂直な第2の方向を法線方向とする座面103に接触保持される。図4Aにおいて、第1の方向は、紙面の奥行方向であり、第2の方向は、紙面の左右方向である。図4Bにおいて、第1の方向は、紙面の左右方向であり、第2の方向は、紙面の奥行方向である。図4Cにおいて、第1の方向は、紙面の左右方向であり、第2の方向は、紙面の上下方向である。
また、長尺折り返しミラー94bの突起と、座面103との当接箇所は、この長尺折り返しミラー94bの両端に全部で3点設けられることが望ましい。当接箇所を3点にすることにより、長尺折り返しミラー94bを座面103に押圧した際、座面103に倣って長尺折り返しミラー94bを固定することができる。これにより、ひずみを抑制することができ、長尺折り返しミラー94bの光学性能変化を抑制する効果を得ることができる。
長尺折り返しミラー94bの両端近傍には更に、長尺折り返しミラー94bを座面103上かつ短尺方向(第3の方向)に位置調整する調整部材が設けられている。短尺方向(第3の方向)は、長尺方向(第1の方向)に対して垂直であり、かつ長尺折り返しミラー94bの法線方向に対して垂直である。調整部材104は、長尺折り返しミラー94bを座面103上かつ短尺方向の何れかの位置(図4B参照)に調整する。
図4Bでは、光学装置900の長尺折り返しミラー94bは、紙面に対して左側に1つの突起102aを有するとともに、右側に2つの突起102bを有している。長尺折り返しミラー94bは、紙面に対して突起102a及び突起102bの下側に、調整部材104が設けられる。なお、調整部材104は、長尺折り返しミラー94bの両端を、短尺方向に規制するように設けられる。
調整部材104は、位置決め部材104a,104bを有しており、長尺折り返しミラー94bを座面103上で、長尺折り返しミラー94bの短尺方向である第3の方向に位置のうち何れか調整する。第3の方向とは、例えば、図4Cでは、紙面に対する奥行方向であり、図4Bでは、紙面に対する上下方向に該当する。長尺折り返しミラー94bは、調整部材104に押し当てられている。調整ネジ(図示せず)の先端を形成する位置決め部材104a,10bを長尺折り返しミラー94bに突き当てて、調整ネジ(図示せず)を回すことにより長尺折り返しミラー94bの短尺方向の位置を座面103上で調整することができる。
図4Cは、光学装置900の短尺方向の側面図である。ここでは紙面の下側から光が入射するため、紙面の下側が光学装置900の正面である。
光学装置900は、長尺折り返しミラー94bの正面の一端に突起102aが形成され、正面の他端に2個の突起102bが形成されており、座面103a、103bに対して点接触している。また、押圧部材101aは、長尺折り返しミラー94bの一端の背面から押圧する。一方、押圧部材101bは、長尺折り返しミラー94bの他端の背面から押圧する。
以上説明したように、第1の実施形態に係る画像形成装置100の光学装置900は、長尺折り返しミラー94b、突起102、及び調整部材104を含んで構成されている。
これにより、第1の実施形態に係る画像形成装置100の光学装置900は、長尺折り返しミラー94bの振動の伝達関数及び共振周波数を安定化させることができる。したがって、第1の実施形態に係る光学装置900は、開発工数及び振動対策部品費の低減を図ることができる。
<第1の実施形態の変形例1>
図5は、第1の実施形態に係る画像形成装置100の光学装置900の変形例1を示した構成図である。
図5に示す変形例1の光学装置900aは、長尺折り返しミラー94bとホルダ105とが、一体化されている。長尺折り返しミラー94bは鋼板等で形成され、ホルダ105は、長尺折り返しミラー94bよりも剛性が高い素材で形成されている。
突起102cは、ホルダ105から板金絞りで形成された球形ダボである。光学装置900aは、長尺折り返しミラー94bを剛性の高いホルダ105と一体化することにより、長尺折り返しミラー94bの取付時のひずみを抑制し、ユーザの意図しない光学性能の変化を抑制できる。
<第1の実施形態の変形例2>
第1の実施形態の変形例2では、突起102は、長尺折り返しミラー94b(光学素子)と別部材であり、その別部材を長尺折り返しミラー94bに当接させて固定する固定部材により、別部材と長尺折り返しミラー94bとが一体となって構成される。
この場合、固定部材には、例えば、接着剤や粘着剤が該当し、接着剤や粘着剤により、別部材を長尺折り返しミラー94bに当接させて突起102を固定する。これにより、第1の実施形態の変形例2では、光学装置900は、別部材と長尺折り返しミラー94bとが一体となっている。
特に、長尺折り返しミラー94bが樹脂成形で作製される場合に、突起102を長尺折り返しミラー94bと別部材にすることにより、突起102を一体成形するときの厚みの不均一性によるヒケやひずみの発生を抑制することができ、光軸方向の加工精度を容易に高めることができる。
<第2の実施形態>
図6A~図6Cは、第2の実施形態に係る画像形成装置100の光学装置900bの構成を示した構成図である。図6Aは、紙面に対して、右から左向きに光が入射された場合の光学装置900bの右端の突起102dに係る断面図である。図6Bは、光学装置900bの正面図である。図6Cは、光学装置900bを手前側の短尺方向から見たときの側面図であり、調整部材104を省略している。なお、同一の部材には同一の符号を付し、説明を適宜、省略する。
図6Aと図6Bに示すように、光学装置900bは、光学素子である長尺折り返しミラー94b、2個の突起102dと突起102e、及び板バネ105aを、備えて構成されている。
別部材で構成される2個の突起102dは、球形部材で構成されており、長尺折り返しミラー94bの長尺方向の一端に設けられている。突起102eは、球形部材で形成されており、長尺折り返しミラー94bの長尺方向の他端に設けられている。これにより2個の突起102dと突起102eは、座面103に対して点接触して保持される。
長尺折り返しミラー94bの長尺方向の両端には、突起102eおよび2個の突起102dと点接触して、この長尺折り返しミラー94bを光軸方向に受ける座面103が設けられている。座面103同士は、平行または同一平面に形成されており、座面103上で長尺折り返しミラー94bを位置調整した際に、長尺折り返しミラー94bの光軸方向の位置が変化しないようになっている。
固定部材は、弾性部材である板バネ105aで構成されている。第2の実施形態の光学装置900bは、弾性部材である板バネ105aに設けられた2つの穴から、2個の突起102d(球形部材)の一部が飛び出して、座面103に対して点接触する。更に光学装置900bは、他端の不図示の板バネ105aに設けられた1つの穴から、突起102e(球形部材)の一部が飛び出して、座面103に対して点接触する。
また、板バネ105aは、長尺折り返しミラー94bの固定を兼ねている。なお、球形部材は、例えば、ステンレス球が該当する。
図6Bでは、光学装置900bは、長尺折り返しミラー94bの突起102d,102eと、座面103との当接箇所は、3点である。長尺折り返しミラー94bは、紙面に対して左側に1つの突起102eを有し、紙面に対して右側に2つの突起102dを有している。図6Bでは、紙面に対して突起102d及び突起102eの下側に、それぞれ調整部材104が設けられる。他の基本的な構成については、図4Bと同様である。
図6Cは、光学装置900bの短尺方向の側面図である。ここでは、紙面の下側から光が入射するため、紙面の下側が光学装置900の正面である。
図6Cでは、光学装置900bは、長尺折り返しミラー94bの正面の両端に突起102d,102eを有しており、突起102d,102eが座面103a,103bに対して点接触している。図6Cでは、押圧部材101a,101bを記載していないが、図4Cと同様の構成である。
図6A~図6Cでは、座面103a,103bは、突起102d(球形部材)および突起102e(球形部材)と点接触し、長尺折り返しミラー94bを光軸方向(図6A参照)に保持している。
第2の実施形態では、突起102dを球形部材(例えば、ステンレス球)構成することにより、調整時の摺動性を向上させることができる。また、板バネ105a(弾性部材)に球形部材の固定部材を兼ねさせることができる。これにより、突起102dを固定の際、球形部材の形状に合わせた高度な加工が不要となり、低コスト化が可能になる。
図7は、板バネ105aが突起102dを固定する状態を示した説明図である。図7に示すように、例えば、板バネ105aに、突起102dの球状に合わせた円形の穴を開け、その穴から球形部材である突起102dの座面103との当接箇所が飛び出るようにすることで、球形部材である突起102dの位置決めを兼ねることができる。
光学装置900bは、板バネ105aが球形部材である突起102dの位置決めを行うことにより、長尺折り返しミラー94bと板バネ105aとの相対位置関係のバラツキが小さくなり、より振動を安定させることができる。また、板バネ105aは、突起102dの固定と、位置決めとを1つの部品で兼ねることができるので、低コスト化を図ることができる。
また、球形部材で形成された突起102dと当接する板バネ105aの当接部分は、図7の形状に限定されず、曲面形状であってもいい。
図8は、球形部材の突起102dと当接する板バネ105bの当接部分が、曲面形状で形成されていることを示した説明図である。
図8に示すように、板バネ105bの当接部分を曲面形状にすることにより、調整時に球形部材である突起102dが板バネ105bの端部や加工時のバリに接触する摩擦を減らし、調整時の摺動性を向上させることができる。
なお、第2の実施形態では、球形部材の突起102dと、長尺折り返しミラー94bとの接触部分は、平面であることが望ましい。
<第2の実施形態の変形例1>
図9は、第2の実施形態の変形例1に係る画像形成装置100の光学装置900dの側面図である。
図9に示す変形例1の光学装置900cは、図6A~図6Cで示した光学装置900bに対してホルダ105dを備えており、長尺折り返しミラー94bとホルダ105dとが、一体化されている。また、球体部材で構成される突起102dは、板バネ105cにより、ホルダ105dと一体化されている。
この場合、突起102dと接触するホルダ105dの接触部分を平面にすることが望ましい。突起102dと接触するホルダ105dの接触部分を平面とすることで、これら接触部分を曲面とする場合に比べ、加工や、加工精度の確保および加工精度の測定が容易となる。突起102dと接触する部分が長尺折り返しミラー94bである場合も、同様に平面とすることが望ましい。
<第2の実施形態の変形例2>
図10及び図11は、第2の実施形態に係る画像形成装置100の光学装置900eの変形例2を示した構成図である。図10は、第2の実施形態の変形例2に係る画像形成装置100の光学装置900eの正面図である。図11は、第2の実施形態の変形例2に係る画像形成装置100の光学装置900eの側面図である。
図10及び図11に示す変形例2の光学装置900eは、弾性部材である板バネ101cが、長尺折り返しミラー94bの固定を兼ねている。
図10及び図11に示すように、板バネ101cは、紙面に対し右側の構成において、球形部材である突起102eをホルダ105dに対して押圧固定している。また、板バネ101cは、紙面に対し左側の構成において、長尺折り返しミラー94bをホルダ105dに対して押圧固定している。
なお、ネジNJは、板バネ101cをホルダ105dに固定するためのネジである。また、位置決めダボDBは、板バネ101cをホルダ105dに位置決めをするための突起物である。板バネ101dは、図示しない他の長尺折り返しミラーを固定する板バネである。
このように、図10及び図11に示す板バネ101cは、ホルダ105dに対する長尺折り返しミラー94bの固定と突起102eの固定とを兼ねることにより、部品点数の増加を抑制し、低コスト化を図ることができる。
<第2の実施形態の変形例3>
図12A及び図12Bは、第2の実施形態に係る画像形成装置100の光学装置900fの変形例3を示した構成図である。図12Aは、第2の実施形態の変形例3に係る画像形成装置100の光学装置900fの正面図である。図12Bは、第2の実施形態の変形例3に係る画像形成装置100の光学装置900fの斜視図である。
図12A及び図12Bに示す変形例3の光学装置900fは、弾性部材で形成された板バネ101eに、球形部材である突起102fを所定の位置に導くガイド107が設けられている。この板バネ101eは、球形部材である突起102fを固定する固定部材である。
図12A及び図12Bに示すように、板バネ101eには、開口された穴(または端部)から球形部材である突起102fを入れ込むためのガイド107が形成されている。
ガイド107は、板バネ101eにおける突起102fを取り付ける取付用の穴から、突起102fの位置決め用の穴まで、ホルダ105dに対して反対方向に絞り加工で盛り上げた形状をしている。球形部材取付用の穴からガイド107に向かって球形部材である突起102fを押し込むと、板バネ101eが押し上げられ、さらに突起102fを押し込むと、球形部材である突起102fがガイド107に沿って移動して、突起102の位置決め用の穴に嵌る。
変形例3の光学装置900fは、板バネ101eを長尺折り返しミラー94bに固定してから球形部材である突起102fをホルダ105dに取り付けることができるため、例えば、球形部材である突起102fの位置決めが無い状態で、突起102fとなる球形部材を板バネ101cで押さえ込む構成に比べて、突起102fとなる球形部材の取付が容易である。
<第2の実施形態の変形例4>
図13は、第2の実施形態に係る画像形成装置100の光学装置900gの変形例4を示した構成図である。
図13に示す変形例4の光学装置900gは、長尺折り返しミラー94bの突起102dの保持部材上において、突起102dの位置決めを行う位置決め部材108を、さらに備えて構成されている。
位置決め部材108は、球形部材で形成された突起102dの半径よりも厚く、直径よりも薄い板金で形成され、突起102dと嵌合する穴を開けたものである。位置決め部材108は、長尺折り返しミラー94bに固定され、突起102dと嵌合することで、突起102dの位置決めおよび固定を同時に行うことができる。
光学装置900gは、位置決め部材108を固定してから球形部材である突起102dを穴に嵌合させるので、突起102dの位置決めが無い状態で、突起102dを板バネで押さえ込む構成に比べ、球形部材の取付が容易である。
<第3の実施形態>
第3の実施形態は、光学装置の製造方法である。上述した第1の実施形態及び第2の実施形態に係る光学装置900~900gの製造方法は、突起102、又は球体部材で形成された突起102を座面103に当接させた状態で、座面103に平行な方向の位置を調整する工程と、位置を調整後に長尺折り返しミラー94bを固定する工程と、を含む光学装置の製造方法である。
光学装置900の製造方法を一例として、図4Aから図4Cを用いて説明する。
図4Aの状態から図4Cに示すように、まず、光学装置900は、最初の工程として、突起102又は球体部材で形成された突起102を座面103に当接させた状態で、座面103に平行な方向(例えば、図4Bの紙面に対して上下方向)の位置を調整する。
そして、光学装置900は、次の工程として、座面103に平行な方向に調整後に、光学素子で構成された長尺折り返しミラー94bを固定する。図4Bに示すように、調整部材104には、位置決め部材104a,104bが設けられており、調整ネジ(図示せず)を回すことで長尺折り返しミラー94bの第3の方向の位置を座面103上で調整する。
このように、第1の実施形態に示す光学装置900を製造することができるので、同様に、光学装置900以外の光学装置900a~900gも製造できる。
また、光学装置900~900gが組み立てられた後は、調整部材104、及び/又は位置決め部材104a,104bを除去してもよい。例えば、UV(UltraViolet)接着剤を使用して、UV(紫外線)を照射することにより長尺折り返しミラー94bを固定したのち、調整部材104を除去する。
これにより、長尺折り返しミラー94bは、座面103に平行な方向に、位置決め部材104a,104bに突き当てされずに保持されていることにより、調整部材104、及び/又は位置決め部材104a,104bの除去が可能となる。
その結果、光学装置900は、第1の方向に長尺形状を有する長尺折り返しミラー94bと、座面103に対して点接触するように長尺折り返しミラー94bの両端に設けられた3つ以上の突起102と、を備える。突起102は、長尺折り返しミラー94bと一体となって座面103に接触保持されており、長尺折り返しミラー94bは、座面103と平行な方向に、位置決め部材104a,104bに突当てされずに保持される。
なお、光学装置900は、長尺折り返しミラー94bの背面を座面103に押圧して、これを保持する押圧部材101を、さらに備えてもいい。
このように、光学装置900から、調整部材104、及び/又は、位置決め部材104a,104bを除去することにより、光学装置900上の部材を削減して、低コスト化を図ることができる。なお、調整部材104及び/又は位置決め部材104a,104bは、いずれも任意の構成要素である。
<その他の実施形態>
上述した第1の実施形態及び第2の実施形態の光学装置900~900gにおいて、押圧部材101が長尺折り返しミラー94bを押圧する押圧箇所は、突起102と座面103との接触点、又は突起102と当該接触点とを結んだ直線上である。
図14A及び図14Bは、光学装置900hにおいて、押圧部材101が長尺折り返しミラー94bを押圧する押圧箇所を示した説明図である。
図14A及び図14Bに示すように、光学装置900hにおいて、押圧部材101aが長尺折り返しミラー94bを押圧する押圧箇所は、突起102eと座面103aとの接触点PP1を示している。また、押圧部材101bが長尺折り返しミラー94bを押圧する押圧箇所は、突起102dと当該接触点PP3,PP4とを結んだ直線上にある点PP2を示している。
本実施形態では、押圧部材101の押圧箇所と座面103との接触箇所とずれてしまうと、長尺折り返しミラー94bに曲げモーメントが発生し、長尺折り返しミラー94bがひずみ、振動モードの変化につながる。
そこで、図14A又は図14Bに示すように、光学装置900hは、押圧部材101の押圧箇所を、突起102と座面103との接触点PP1または接触点PP3,PP4を結んだ直線上にある点PP2とすることにより、長尺折り返しミラー94bのひずみを抑制し、振動安定性を向上させることができる。
また、第1の実施形態から第3の実施形態において、調整部材104の調整する方向は、長尺折り返しミラー94bの短尺方向に限定されるものではなく、例えば、長尺方向に調整してもよい。また、調整部材104は、例えば、一端を回転自由に固定して、他端を調整することにより、傾きを調整する部材であってもよい。
また、調整部材104は、長尺折り返しミラー94bに取り付けられ、先端が長尺折り返しミラー94bの突き当て面に当接してもよい。また、調整部材104は、調整ネジではなく、偏心ピンにより調整するものであってもよい。また、調整部材104は、外部の電源と制御信号を用いてモータで駆動するものとしてもよい。
また、調整部材104の調整対象は、長尺折り返しミラー94bに限定されず、レンズ94aを調整してもよい。
また、上述した光学装置900~900hは、図2に示した偏向器93を有する走査光学装置90(光書込装置)に設けられ、走査光学装置90は、露光装置1Y,1M,1C,1Kを有する光源部92と、露光装置1Y,1M,1C,1Kの光線を偏向走査して、光学装置900~900hに入射させる偏向器93と、を備えてもよい。この場合、長尺折り返しミラー94bの長尺方向は、偏向器93による走査方向に対応させることができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置100は、上述した光学装置900~900hを備えてもよい。さらに、本実施形態に係る画像形成装置100は、上述した光学装置900~900hが設けられた走査光学装置90(光書込装置)を備えてもよい。
1Y,1M,1C,1K 露光装置
90 走査光学装置
91 筐体
92 光源部
93 偏向器
94 走査光学素子部
93a ポリゴンミラー
94a レンズ
94b 長尺折り返しミラー
95 錘部材
83 中間転写ベルト駆動ローラ
82 2次転写ローラ
100 画像形成装置
101,101a,101b 押圧部材
101c,101d,101e 板バネ(押圧部材)
102,102a,102b,102c,102d、102e、102f 突起
103,103a,103b,103c,103d 座面
104 調整部材
104a,104b 位置決め部材
105,105d ホルダ
105a,105b,105c,105d 板バネ(固定部材)
107 ガイド
108 位置決め部材
900,900a,900b,900c,900d 光学装置
900e,900f,900g 光学装置

Claims (17)

  1. 第1の方向に長尺形状を有する光学素子と、
    座面に対して点接触するように前記光学素子の両端に設けられた3つ以上の突起と、
    前記光学素子を前記座面の何れかの位置に調整する調整部材と、を備え、
    前記光学素子は、前記第1の方向と垂直な第2の方向を法線方向とする前記座面に接触保持され、
    前記突起は、前記光学素子と別部材であって、当該別部材は、球形部材である、
    光学装置。
  2. 前記座面に対し、前記光学素子を押圧保持する押圧部材を、さらに備える、
    請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記突起は、
    前記別部材を前記光学素子に当接させて固定する固定部材により、前記別部材と前記光学素子とが一体となっている、
    請求項1又は2に記載の光学装置。
  4. 前記固定部材は、弾性部材である、
    請求項3に記載の光学装置。
  5. 前記弾性部材に設けられた穴から、前記球形部材の一部が飛び出して、前記座面に対して点接触する、
    請求項4記載の光学装置。
  6. 前記弾性部材は、前記光学素子の固定を兼ねている、
    請求項4又は5に記載の光学装置。
  7. 前記球形部材と当接する前記弾性部材の当接部分は、曲面形状である、
    請求項4又は5に記載の光学装置。
  8. 前記弾性部材には、前記球形部材を所定の位置に導くガイドが設けられている、
    請求項4又は5に記載の光学装置。
  9. 前記押圧部材が前記光学素子を押圧する押圧箇所は、
    前記突起と前記座面との接触点、又は前記突起と当該接触点とを結んだ直線上である、
    請求項2に記載の光学装置。
  10. 第1の方向に長尺形状を有する光学素子と、
    座面に対して点接触するように前記光学素子の両端に設けられた3つ以上の突起と、を備え、
    前記突起は、
    前記光学素子と別部材であって、前記光学素子と一体となって前記座面に接触保持されており、
    前記別部材は、球形部材であり、
    前記光学素子は、
    前記第1の方向と垂直な第2の方向を法線方向とする前記座面に接触保持され、
    前記座面と平行な方向に、位置決め部材に突当てされずに保持されている、
    光学装置。
  11. 前記座面に対し、前記光学素子を押圧保持する押圧部材を、さらに備える、
    請求項10に記載の光学装置。
  12. 前記光学素子の前記突起と、前記座面との当接箇所は、3点である、
    請求項1から11のいずれか1項に記載の光学装置。
  13. 前記座面と、前記光学素子の前記球形部材との当接箇所は、前記座面に平行な平面である、
    請求項1または7に記載の光学装置。
  14. 前記光学素子の前記球形部材の保持部材上において、当該球形部材の位置決めを行う位置決め部材を、さらに備える、
    請求項1または7に記載の光学装置。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の光学装置の製造方法であって、
    前記球形部材で形成された前記突起を前記座面に当接させた状態で、前記座面に平行な方向の位置を調整する工程と、
    前記位置を調整後に前記光学素子を固定する工程と、
    を含む、
    光学装置の製造方法。
  16. 請求項1から14のいずれか1項に記載の光学装置と、
    光源と、
    前記光源からの光線を偏向走査して前記光学素子に入射させる偏向器と、を備え、
    前記第1の方向は、
    前記偏向器による走査方向に対応する、
    光書込装置。
  17. 請求項1から14のいずれか1項に記載の光学装置、
    又は、請求項16に記載の光書込装置を備える、
    画像形成装置。
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