JP7516166B2 - 電気化学センサおよび電気化学センサの製造方法 - Google Patents

電気化学センサおよび電気化学センサの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、液状の被験試料中の特定物質を電気化学的に検出する電気化学センサに関する。
液状の被験試料中の特定物質を電気化学的に検出する電気化学センサについては、容器に貯留された被験試料に浸漬して用いられるものの他に、被験試料を掛け流すことによって検出を行えるように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006-47125号公報
しかしながら、被験試料を掛け流して検出を行う場合には、被験試料に浸漬させて検出を行う場合と同等の検出精度が得られないおそれがある。
本開示は、被験試料を掛け流して検出を行う場合であっても良好な検出精度が得られる技術を提供する。
本開示の一態様によれば、
支持体に配されたセンサ電極に液状の被験試料を接触させて当該被験試料における特定物質を電気化学的に検出する電気化学センサであって、
前記センサ電極に面する非密閉の有限空間を構成し、前記有限空間にて前記センサ電極に接触させる前記被験試料を保持する保持構造部
を備える電気化学センサが提供される。
本開示によれば、センサ電極に対して被験試料を掛け流して検出を行う場合であっても、センサ電極を被験試料に浸漬させる場合と同等程度の良好な検出精度が得られる。
本開示の一態様に係る電気化学センサの要部構成例を示す斜視図である。 本開示の一態様に係る電気化学センサの要部構成例を示す側断面図であり、図1中のA-A断面を示す図である。 液体の表面張力によるメニスカス構造の例を模式的に示す説明図である。 本開示の一態様に係る電気化学センサのセンサ電極20による測定結果に相当するサイクリックボルタモグラムの具体例を示す説明図であり、同一の被験試料について、(a)は被験試料を掛け流した場合のサイクリックボルタモグラムを示す図、(b)は容器に貯留された被験試料に浸漬させた場合のサイクリックボルタモグラムを示す図、(c)は参考例として被験試料を保持しない場合のサイクリックボルタモグラムを示す図である。 本開示の一態様に係る電気化学センサのセンサ電極20による測定結果の再現性の具体例を示す説明図である。 本開示の一態様に係る電気化学センサのセンサ電極20による測定結果に相当するサイクリックボルタモグラムが、被験試料の保持量によって相違することの例を示す説明図である。 本開示の一態様に係る電気化学センサの要部構成の大きさおよび形状の一例を模式的に示す説明図である。 本開示の他の態様に係る電気化学センサの要部構成例を示す側断面図である。 本開示に係る電気化学センサの要部構成の変形例を示す説明図(その1)である。 本開示に係る電気化学センサの要部構成の変形例を示す説明図(その2)である。 本開示に係る電気化学センサの要部構成の変形例を示す説明図(その3)である。 本開示に係る電気化学センサの要部構成の変形例を示す説明図(その4)である。 本開示に係る電気化学センサの要部構成の変形例を示す説明図(その5)である。 本開示に係る電気化学センサの要部構成の変形例を示す説明図(その6)である。
<本開示の一態様>
まず、本開示の一態様に係る電気化学センサの構成例について説明する。
(1)電気化学センサの構成例
電気化学センサは、液状の被験試料中の特定物質を電気化学的に検出するものであるが、本開示の一態様では、被験者から採取する尿中に含まれる尿酸を検出する場合を例に挙げる。つまり、本開示の一態様においては、液状の被験試料として被験者から採取する尿を例示し、検出対象となる特定物質として尿中に含まれる尿酸を例示する。尿中における尿酸の濃度の検出は、例えば、尿中に含まれる物質を特定の条件下で電気分解させ、その際に生じる電気化学反応(例えば酸化還元反応)を利用して行うものとする。
また、本開示の一態様において、電気化学センサは、当該電気化学センサに対して被験試料である尿を掛け流すことによって、その尿中に含まれる尿酸の検出を行えるように構成されている。これにより非常に簡便な検査が可能となり、電気化学センサを利用する被験者にとっての優れた利便性が得られる。ただし、電気化学センサは、被験試料である尿の掛け流しのみならず、容器に貯留された尿に浸漬させることによっても、その尿中に含まれる尿酸の検出を行えるものとする。
以上のような利用態様に対応すべく、本開示の一態様に係る電気化学センサは、以下に述べるように構成されている。
図1は、本開示の一態様に係る電気化学センサの要部構成例を示す斜視図である。図2は、図1中のA-A断面を示す側断面図である。
図1および図2に示すように、本開示の一態様に係る電気化学センサは、支持体10と、センサ電極20と、を備えている。
(支持体)
支持体10は、センサ電極20を支持するもので、例えば平面視短冊状の板状部材からなる基片部11を有しており、その基片部11の長手方向の一端側の面上にセンサ電極20が配されるように構成されている。基片部11の長手方向の他端側は、センサ電極20に対して所定の電圧掃引操作を行うポテンショスタット等の測定器(ただし不図示)に接続可能に構成されている。
基片部11は、例えば、被験試料である尿を掛け流したときに変形や破損等が生じない程度の機械的強度を有する絶縁性材料によって形成されている。具体的には、基片部11は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料、セラミック、ガラス、プラスチック、可燃性材料、生分解性材料、不織布または紙等の絶縁性材料で形成することができる。基片部11としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エポキシ樹脂等で形成された基材を好適に用いることができる。また、基片部11としては、センサ電極20を支持する面が絶縁性を有するように構成された半導体基材や金属基材を用いることもできる。
基片部11におけるセンサ電極20の配置面には、配線41,42,43が設けられている。配線41,42,43は、センサ電極20における後述の作用電極21、対電極22および参照電極23のそれぞれに対応しており、これらを個別に測定器と導通させるように配されている。配線41,42,43は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、白金(Pt)等の導電性を有する金属材料を用いて形成することができる。配線41,42,43は、当該配線41,42,43への被験試料(尿)の付着を防止するレジスト等で覆われている。
支持体10の基片部11におけるセンサ電極20の配置側には、突出片部12が設けられている。つまり、支持体10は、基片部11に加えて、突出片部12を有して構成されている。突出片部12は、詳細を後述する保持構造部30を構成するものである。
(センサ電極)
センサ電極20は、作用電極21と、対電極(対向電極)22と、参照電極23と、を有して構成されている。対電極22および参照電極23は、作用電極21の近傍に設けられている。作用電極21には配線31が接続され、対電極22には配線42が接続され、参照電極23には配線43が接続されている。
作用電極21は、当該作用電極21と対電極22との間に被験試料である尿が存在する状態で所定電圧を印加した際に、当該作用電極21の表面で酸化還元反応を生じさせるように構成されている。さらに詳しくは、作用電極21は、被験試料(電解液)が付着した状態で作用電極21と対電極22との間に所定の電圧を印加した際に、表面で被験試料中の所定成分(所定の反応種、例えば尿酸)の酸化還元反応を生じさせるダイヤモンド膜(ただし不図示)と、そのダイヤモンド膜を支持する支持部材(ただし不図示)と、を有する積層体として構成することができる。その場合に、作用電極21は、支持部材が基片部11の側に位置するように配置される。このように、ダイヤモンド膜を有する作用電極21を備えた電気化学センサを「ダイヤモンドセンサ」とも称する。
作用電極21を構成するダイヤモンド膜は、多結晶膜である。ダイヤモンド膜は、ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)膜、グラッシー・カーボン(GC)膜等であってもよい。本明細書で「ダイヤモンド膜」という文言を用いる場合は、多結晶ダイヤモンド膜を意味する場合、DLC膜を意味する場合、GC膜を意味する場合、これらの組み合わせを意味する場合を含む。ダイヤモンド膜はp型であることが好ましい。p型のダイヤモンド膜とするために、ダイヤモンド膜は、ホウ素(B)等の元素を例えば1×1019cm-3以上1×1022cm-3以下の濃度で含むことが好ましい。ダイヤモンド膜中のB濃度は例えば二次イオン質量分析法(SIMS)で測定することができる。ダイヤモンド膜は、熱フィラメント(ホットフィラメント)CVD法、プラズマCVD法等の化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法、イオンビーム法やイオン化蒸着法等の物理蒸着(Phisical Vapor Deposition:PVD法)等を用いて成長させる(合成する)ことができる。熱フィラメントCVD法を用いてダイヤモンド膜を成長させる場合、フィラメントとして例えばタングステンフィラメントを用いることができる。ダイヤモンド膜の厚さは例えば0.5μm以上10μm以下、好ましくは2μm以上4μm以下とすることができる。
作用電極21を構成する支持部材は、ダイヤモンド以外の材料(異種材料)を用いて形成されている。支持部材は、導電性の材料からなることが好ましい。支持部材は、例えば、シリコン(Si)単体もしくはシリコンの化合物、または金属基板からなることが好ましい。すなわち、支持部材は、シリコン基板または金属基板からなることが好ましい。具体的には、支持部材は、単結晶Si基板、多結晶Si基板、炭化シリコン基板(SiC基板)、金属基板のいずれかからなることが好ましい。
対電極22は、作用電極21および参照電極23を取り囲むように設けられている。対電極22としては、白金(Pt)、金(Au)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)等の金属で形成された電極、ダイヤモンド電極、ボロンドープダイヤモンド(BDD)電極、カーボン電極等を用いることができる。対電極22は、セミアディティブ法、サブトラクティブ法等の公知の手法により形成することができる。作用電極21および対電極22に被験試料を付着させた状態で、これらの間に所定の電圧を印加することで、作用電極21および対電極22で、被験試料中の所定成分(所定の反応種、例えば尿酸)の酸化還元反応が起こり、これにより作用電極21と対電極22との間に電流が流れることとなる。つまり、対電極22は、電気化学反応により生じた電流を作用電極21に流すための電極である。
参照電極23は、作用電極21の電位を決定する際の基準となる電極である。参照電極23としては例えば銀/塩化銀(Ag/AgCl)電極等を用いることができる。また、参照電極23としては、標準水素電極、可逆水素電極、パラジウム・水素電極、飽和カロメル電極、カーボン電極、ダイヤモンド電極、BDD電極等を用いることもできる。また、参照電極23として、Pt、Au、Cu、Pd、Ni、Ag等の金属で形成された電極等を用いることもできる。参照電極23は、例えば、ディスペンス、スクリーン印刷等の公知の手法により形成することができる。
(保持構造部)
支持体10における突出片部12は、保持構造部30を構成する。つまり、本開示の一態様に係る電気化学センサは、保持構造部30を備えている。
保持構造部30は、基片部11の長手方向の一端側(すなわち、センサ電極20の配置側)に配されたもので、図2に示すように、電気化学センサに対して掛け流すことで供給された被験試料50がセンサ電極20に接触している状態を維持するように、そのセンサ電極20の周囲にて被験試料50の保持を行うものである。
保持構造部30において被験試料50の保持を行うために、基片部11の端縁には、その端縁から折り返すように延びる板状の突出片部12が配されている。そして、突出片部12は、基片部11の一端側から他端側に向けて基片部11との間隔を広げながら延びるように配されている。つまり、基片部11と突出片部12とは、それぞれが交差するように配され、交差する側で一体となるように構成されている。これにより、基片部11と突出片部12とは、側面視したときに略V字を描くような位置関係となる。
略V字状の位置関係にある基片部11と突出片部12とは、互いに対向して配置される2つの構成面11a,12aを有する。ここでいう対向には、互いに向き合っていれば、それぞれが平行ではない場合も含む。2つのうちの一方の構成面11aは、基片部11におけるセンサ電極20が装着された側の表面である。2つのうちの他方の構成面12aは、突出片部12における基片部11の側の表面である。これらの構成面11a,12aは、センサ電極20に面する非密閉の有限空間を構成する。つまり、センサ電極20の配置側に配された保持構造部30は、当該センサ電極20に面する非密閉の有限空間を構成することになる。具体的には、保持構造部30は、2つの構成面11a,12aに挟まれているが、突出片部12の突端側が開放されており、さらに2つの構成面11a,12aの側方側が開放された、非密閉の有限空間を構成する。
非密閉の有限空間は、被験試料50を保持するためのものである。かかる有限空間は、非密閉であっても、液状である被験試料50の表面張力を利用することで、当該被験試料50の保持を行うようになっている。つまり、保持構造部30は、液状の被験試料50の表面張力を利用して当該被験試料50の保持を行うように構成されている。保持構造部30による被験試料50の保持の具体的な態様については、詳細を後述する。
このような保持構造部30を構成するための突出片部12は、基片部11の一端側を折り曲げることによって形成することができる。その場合に、折り曲げは、電気化学センサの製造時点で行われていてもよいし、電気化学センサを利用する直前に被験者が行うようにしてもよい。ただし、突出片部12は、必ずしも基片部11と一体で形成されている必要はなく、基片部11とは別体で形成されて当該基片部11に装着可能なものであってもよい。基片部11とは別体の場合、突出片部12は、基片部11に対して着脱可能に構成されていてもよい。つまり、保持構造部30は、センサ電極20を支持する支持体10に対して、着脱可能に構成されていてもよい。
一体であるか別体であるかを問わず、突出片部12は、基片部11と同一の材料によって形成することができる。同一の材料であれば、電気化学センサを製造する際の工程簡素化や材料調達の容易化等が図れ、これに伴う低コスト化等が実現可能となる。ただし、必ずしも同一の材料である必要はなく、突出片部12は、基片部11とは異なる材料によって形成されていてもよい。異なる材料であれば、支持体10と保持構造部30とに異なる機能(役割)を担わせることが実現可能となる。
具体的には、突出片部12の形成材料としては、例えば、絶縁性を有する樹脂材料、セラミック、ガラス、プラスチック、可燃性材料、生分解性材料、不織布または紙等の絶縁性材料、のいずれか、またはこれらを適宜組み合わせたものを用いることができる。特に、例えばPE、PET、エポキシ樹脂等を好適に用いることができる。
(2)電気化学センサの処理動作例
次に、本開示の一態様に係る電気化学センサの処理動作例として、尿酸濃度を電気化学測定によって検出する場合の手順を説明する。ここでは、被験試料50が試験液である尿酸液であり、その尿酸液の濃度を検出する場合を例に挙げる。試験液としては、pH7のリン酸緩衝溶液100ccに尿酸50mgを投入して攪拌し、固体が見えなくなるまで溶解させたものを用いている。
電気化学センサを用いて行う尿酸濃度の検出手順は、電気化学センサの支持体10を図示せぬ測定器(ポテンショスタット等)に接続する手順(ステップ1)と、センサ電極20に対して被験試料50を供給する(接触させる)手順(ステップ2)と、被験試料50が接触した状態でセンサ電極20の作用電極21と対電極22との間に電圧を印加して、作用電極21が有するダイヤモンド膜の表面で尿酸の酸化還元反応を生じさせ、尿酸の酸化還元反応によって流れる電流値を測定する手順(ステップ3)と、被験試料50が接触した状態で作用電極21と参照電極23との間の電位差(電圧の差)を測定する手順(ステップ4)と、測定した電流値および電位差に基づいて尿酸濃度を定量する手順(ステップ5)と、を含む。
(ステップ1)
本ステップでは、電気化学センサを測定器に接続する。具体的には、電気化学センサの支持体10における各配線41,42,43と測定器(ポテンショスタット等)とを電気的に接続する。測定器は、センサ電極20に対して所定の電圧掃引操作を行うことが可能なように構成されており、例えば、電圧印加部、電流測定部、電位差測定部、電位調整部を有している。電圧印加部は、配線41,42,43の接続により所定の回路が形成されたら、作用電極21と対電極22との間に電圧を印加するように構成されている。電流測定部は、尿酸の酸化還元反応により生じた電流を測定するように構成されている。電位差測定部は、作用電極21と参照電極23との間の電位差を測定するように構成されている。電位調整部は、電位差測定部により測定した電位差に基づき、参照電極23の電位を基準として作用電極21の電位を一定に維持するように構成されている。
(ステップ2)
電気化学センサと測定器(ポテンショスタット等)とを接続したら、例えば、電気化学センサに対して被験試料50を掛け流す。これにより、被験試料50が保持構造部30によって保持されるとともに、その被験試料50がセンサ電極20の表面に到達して付着することになる。なお、このときの保持構造部30による被験試料50の保持の具体的な態様については、詳細を後述する。
(ステップ3)
センサ電極20の表面に被験試料50が付着した状態で、計測機構の電圧印加部により作用電極21と対電極22との間に所定の電圧を印加することで、作用電極21が有するダイヤモンド膜の表面上で尿酸の酸化還元反応が生じる。尿酸の酸化還元反応が生じることにより、作用電極21内を電流(反応電流)が流れる。この反応電流の値を、計測機構を用いて例えばサイクリックボルタンメトリーにより測定する。サイクリックボルタンメトリー条件としては、電圧範囲:0V以上1V以下を含む範囲、掃引速度:0.1V/s以上1V/s以下が例示される。反応電流の値は、スクエアウェーブボルタンメトリー(矩形波ボルタンメトリー)、微分パルスボルタンメトリー、ノーマルパルスボルタンメトリー、交流ボルタンメトリー等の手法を用いて測定してもよい。
(ステップ4)
センサ電極20の表面に被験試料が接触した状態で、計測機構の電位差測定部により作用電極21と参照電極23との間の電位差を測定する。
(ステップ5)
ステップ3で測定した反応電流の値から、例えばサイクリックボルタモグラムを作成し、酸化ピークの電流値を取得する。取得した酸化ピーク電流値およびステップ4で測定した電位差の値に基づいて、被験試料中の尿酸濃度を算出する(定量する)。反応電流の値が被験試料中の尿酸濃度と相関関係にあることは、公知文献(例えば、Anal.Methods,2018.10,991-996,図3,4参照)に開示されている。したがって、反応電流の値と尿酸濃度との関係を予め求めておけば、測定した反応電流の値に基づいて尿酸濃度を定量することができる。
(3)被験試料の保持態様
次に、上述した一連の処理動作において、保持構造部30が被験試料50を保持する際の具体的な態様について説明する。
(表面張力)
被験者が電気化学センサに対して被験試料50を掛け流すと、その被験試料50は、保持構造部30に供給される。被験試料50が供給される保持構造部30は、センサ電極20に面する非密閉の有限空間を構成している。さらに詳しくは、保持構造部30は、2つの構成面11a,12aを有しており、これら2つの構成面11a,12aが対向して配置されていることで、非密閉の有限空間を構成している。
その一方で、保持構造部30に供給される被験試料50は、液状であるが故に、図3に示すように、表面張力が働く。つまり、液状である被験試料50は、有限空間においては、その表面が平面ではなく、表面張力によって曲面となり得る。このことを、以下、メニスカス構造ともいう。
したがって、保持構造部30が非密閉の有限空間を構成するものであっても、その非密閉の部分で被験試料50が表面張力によってメニスカス構造となることで、その被験試料50は、保持構造部30によって一定量が保持された状態となる。つまり、電気化学センサに対して被験試料50を掛け流すと、保持構造部30は、非密閉の有限空間にてセンサ電極20に接触させる被験試料50を保持する。これにより、センサ電極20の周辺に位置する有限空間が被験試料50によって満たされ、その満たされた被験試料50へのセンサ電極20の浸漬状態が維持されることになる。
このように、保持構造部30は、被験試料50の表面張力を利用して、当該被験試料50の保持を行う。そのため、保持構造部30は、非常に簡素な構成で、必要十分な一定量の被験試料50を、確実に保持することができる。
(測定結果の検証)
保持構造部30が被験試料50を保持すると、センサ電極20の周辺は、保持構造部30が保持する被験試料50によって満たされる。これにより、センサ電極20は、支持体10による被支持面を除く露出面に、被験試料50のみが接触することになる。つまり、保持構造部30は、被験試料50のみがセンサ電極20の露出面に接触し、大気や他部材等がセンサ電極とは接触しないように、被験試料50の保持を行う。
センサ電極20の周辺が被験試料50によって満たされ、センサ電極20の露出面に被験試料50のみが接触した状態になると、そのセンサ電極20にとっては、容器に貯留された被験試料50への浸漬状態と略同等の状態が実現される。したがって、センサ電極20は、掛け流しによって被験試料50が供給される場合であっても、容器に貯留された被験試料50への浸漬状態と同等程度の良好な精度の測定結果が得られる。
図4は、センサ電極20による測定結果に相当するサイクリックボルタモグラムの具体例を示す説明図であり、被験試料50としての同一の試験液について、(a)は試験液を掛け流した場合のサイクリックボルタモグラムを示す図、(b)は容器に貯留された試験液に浸漬させた場合のサイクリックボルタモグラムを示す図、(c)は参考例として試験液を保持しない場合のサイクリックボルタモグラムを示す図である。なお、各サイクリックボルタモグラムは、試験液の供給態様を除き、同一条件下で得られたものである。
図4(a)に示すサイクリックボルタモグラムにおける酸化ピーク電流値は、図4(b)に示すサイクリックボルタモグラムにおける酸化ピーク電流値と略同等程度である。つまり、図4(a)および(b)に示す測定結果によれば、センサ電極20に対して被験試料50を掛け流す場合であっても、容器に貯留された被験試料50にセンサ電極20を浸漬させる場合と同等程度の良好な精度の測定結果が得られることがわかる。
具体的には、同一の試験液である被験試料50について、保持構造部30が当該被験試料50を保持した状態でセンサ電極20で得られる検出信号の強度Aに対する、容器に貯留された当該被験試料50にセンサ電極20を浸漬させて得られる検出信号の強度Bの差(A-BまたはB-A)が、強度Aの10%以下(すなわち(A-BまたはB-A)/A≦10%)である。このように、強度Aに対する強度Bの差が強度Aの10%以下であれば、強度Aと強度Bとは、同等程度の良好な精度の測定結果であるといえる。
したがって、このような測定結果を基にすることで、被験試料50中の尿酸濃度の検出結果について、被験試料50を掛け流して検出を行う場合であっても、良好な検出精度が得られるのである。
ちなみに、図4(c)に示すように、被験試料50を保持しない場合には、センサ電極20への被験試料50の接触状態が維持されないため、サイクリックボルタモグラムにおいて酸化ピーク電流値を取得することができない。このことは、被験試料50を掛け流して検出を行う場合でも浸漬状態と同等程度の良好な検出精度が得られるのは、保持構造部30が被験試料50を保持することに起因することを意味する。
なお、ここでは、センサ電極20による測定結果として、一つのサイクリックボルタモグラムを例示しているが、同一の試験液である被験試料50について複数回の測定を繰り返し行っても同等の測定結果が得られることを確認済みである。
図5は、センサ電極20による測定結果の再現性の具体例を示す説明図である。
図例は、同一の試験液である被験試料50について、例えば10回の測定を繰り返して得られたサイクリックボルタモグラムの酸化ピーク電流値を示している。図例によれば、センサ電極20に対して被験試料50を掛け流す場合のみならず、センサ電極20を被験試料50に浸漬させる場合についても、各回の測定結果に誤差成分以外の相違が生じることなく、それぞれのばらつきが1%~2%程度に抑えられていることがわかる。つまり、センサ電極20による測定結果については、複数回の測定を繰り返し行っても、それぞれの測定結果に再現性がある。
(被験試料の保持量)
以上のような測定結果を得るためには、必要十分な一定量の被験試料50、すなわちセンサ電極20の周辺を満たす量の被験試料50を、保持構造部30が保持している必要がある。ここで、保持構造部30による被験試料50の保持量について説明する。
図6は、センサ電極20による測定結果に相当するサイクリックボルタモグラムが、被験試料50の保持量によって相違することの例を示す説明図である。図中において、(1)は、保持構造部30が突出片部12の突端に達する量の被験試料50を保持している状態(すなわち、全体液浸状態)で得られたサイクリックボルタモグラムである。(2)は、保持構造部30がセンサ電極20の上端近傍に達する量の被験試料50を保持している状態(すなわち、液量の少ない全体液浸状態)で得られたサイクリックボルタモグラムである。(3)は、センサ電極20の作用電極21と対電極22のみが液浸した状態で得られたサイクリックボルタモグラムである。(4)は、センサ電極20の液浸が略無い状態で得られたサイクリックボルタモグラムである。なお、各サイクリックボルタモグラムは、いずれも同一の試験液である被験試料50について、その保持量を除き、同一条件下で得られたものである。
図6中に示す(1)~(4)の各サイクリックボルタモグラムによれば、被験試料50の保持量が多いほど酸化ピーク電流値(すなわち、センサ電極20で得られる検出信号の強度)が大きいことがわかる。具体的には、突出片部12の突端まで被験試料50が達してセンサ電極20の全体が完全に液浸状態となっている場合に(図6中(1)参照)、最も良好な測定結果が得られている。ただし、少なくともセンサ電極20の作用電極21と対電極22が液浸した状態であれば、サイクリックボルタモグラムの酸化ピーク電流値が得られていることがわかる(図6中(3)参照)。つまり、被験試料50中の尿酸濃度の検出を行うために、保持構造部30は、少なくとも作用電極21の露出面の全面が被験試料50と接触する態様で当該被験試料50の保持を行えばよい。この態様での被験試料50の保持量が、保持構造部30による被験試料50の保持量の下限値に相当することになる。そして、より良好な測定結果を得るために、保持構造部30は、センサ電極20の全体が完全に液浸状態となる態様で当該被験試料50の保持を行うことが望ましい。この態様での被験試料50の保持量が、保持構造部30による被験試料50の保持量の好適値に相当することになる。
被験試料50の保持量が好適値である場合、少なくともセンサ電極20の作用電極21は、単に露出面が被験試料50と接触しているだけではなく、その露出面の周辺が十分な量の被験試料50によって満たされることになる。
換言すると、保持構造部30は、作用電極21を平面視したときの面積よりも広い面積の領域にて、被験試料50である被験試料50の保持を行う。作用電極21よりも広い面積の領域にて被験試料50を保持すれば、作用電極21の表面が完全に被験試料50と接触するようになり、良好な測定結果を得る上で非常に好適なものとなる。
また、保持構造部30は、作用電極21の露出面上に十分な厚さを維持した態様で、被験試料50である被験試料50の保持を行う。具体的には、作用電極21の露出面に対して被検知成分の拡散長以上の厚さを維持した態様で、被験試料50の保持を行う。被検知成分は、被験試料50中の所定成分(所定の反応種、例えば尿酸)であり、被検知成分の拡散長は、その所定成分の拡散が生じる電極露出面からの長さ(距離)である。このように、作用電極21に対して被検知成分の拡散長以上の厚みで被験試料50を保持すれば、作用電極21の露出面の全域にわたり必要十分な被験試料の保持量を確保できるので、良好な測定結果を得る上で非常に好適なものとなる。
以上のような被験試料50の保持量は、保持構造部30における非密閉の有限空間の容積と相関関係にある。つまり、保持構造部30における有限空間は、被験試料50の表面張力を利用して当該被験試料50の保持を行うとともに、センサ電極20の周辺を満たす量の被験試料50を保持することが可能なように、当該有限空間の大きさおよび形状が形成されている。
保持構造部30における有限空間の大きさおよび形状は、本開示の一態様においては、図7に示すように構成されている。
図7は、本開示の一態様に係る電気化学センサの要部構成である保持構造部30の大きさおよび形状の一例を模式的に示す説明図である。なお、図中において、センサ電極20については、作用電極21のみを示しており、他の電極については図示を省略している。
例えば、センサ電極20の作用電極21のセンサ幅Lが1.8mm、センサ厚さtが0.4mmである場合を考える。その場合に、保持構造部30における有限空間は、形成幅Wが6mm程度、突出片部12の立ち上がり高さhが5mm~10mm程度、突出片部12の突端側の開口長dが5mm~7mm程度であれば、上述した好適値となる保持量の被験試料50を保持することが可能である。このような大きさおよび形状で構成されている場合に、保持構造部30は、被験試料50の保持容量が例えば0.075ml以上0.30ml以下となる。つまり、被験試料50の保持容量が0.075ml以上0.30ml以下であれば、保持構造部30は、好適値となる保持量の被験試料50を保持することができ、これによりセンサ電極20の全体が完全に液浸状態となっている状態を再現できる。
ただし、保持構造部30による被験試料50の保持量は、好適値ではなく上述した下限値であっても、被験試料50中の尿酸濃度の検出を行うことができる。下限値の場合の保持構造部30における被験試料50の保持容量は、例えば0.01ml以上となる。被験試料50の保持容量が0.01ml以上0.30ml以下であれば、保持構造部30は、少なくとも作用電極21の露出面の全面を被験試料50と接触させることができる。
このように、保持構造部30は、被験試料50の保持容量が0.01ml以上0.30ml以下、好ましくは0.075ml以上0.30ml以下となるように、有限空間の大きさおよび形状が形成されている。かかる保持容量であれば、センサ電極20の被験試料50への浸漬状態が再現され、その被験試料50中の尿酸濃度の検出を確実に行うことができる。なお、上限値については、必要十分な量を超える量の保持は有用ではないため、0.30ml以下であればよい。
以上のような保持構造部30による被験試料50の保持量については、当該保持構造部30を構成する有限空間および被験試料50である被験試料50の表面張力を利用することから、非常に高い再現性が得られる。例えば、保持構造部30による被験試料50の保持量を複数回(例えば10回)にわたり繰り返し測定したところ、その測定値のばらつきが非常に小さい(例えば10%以下)ことを、本願発明者は確認済みである。また、保持構造部30に被験試料50を保持させた後、電気化学センサの姿勢を変えても(例えば傾けてみても)、保持構造部30による被験試料50の保持量に大きな変化が生じないことを、本願発明者は確認済みである。
さらに、保持構造部30による被験試料50の保持量については、外力が加わらない限り、少なくともセンサ電極20による測定に必要十分な時間が経過するまでの間、有意な変化が生じることはない。センサ電極20による測定に必要十分な時間は、例えば、1分間程度である。つまり、保持構造部30は、外力が加わらない場合に、被験試料50である被験試料50の保持状態を少なくとも1分間維持するように構成されている。被験試料50の保持状態を少なくとも1分間維持すれば、センサ電極20による測定に悪影響が及ぶのを抑制し得るので、被験試料50中の尿酸濃度の検出を適切に行うことができる。なお、センサ電極20による測定に必要十分な時間は、必ずしも1分程度に限定されることはなく、センサ電極20や測定器(ポテンショスタット等)の仕様等に応じて適宜特定されることになる。
より詳しくは、保持構造部30による被験試料50の保持量については、所定範囲内での支持体10の姿勢変化または環境条件変化があっても、被験試料50の保持量にばらつきが生じず、または生じた容量のばらつきが平均値±10%未満、好ましくは平均値±5%未満となるようになっている。ここで、所定範囲内での支持体10の姿勢変化とは、例えば、センサ電極20が水平の状態から垂直の状態になるまで離脱遠心力が生じない程度の速さで回転させることをいう。また、所定範囲内での環境条件変化とは、例えば、0℃から+30℃までの環境温度変化、960hPaから1060hPaまでの気圧変化等のことをいう。このような姿勢変化または環境条件変化があっても、少なくともセンサ電極20による測定に必要十分な時間が経過するまでの間、保持構造部30による被験試料50の保持量に変化がなく、または変化量が少なければ、被験試料50中の尿酸濃度の検出について良好な検査精度を担保することができる。
(被験試料の接触角)
以上のような量の被験試料50を保持するために、保持構造部30は、既述のように、当該被験試料50の表面張力を利用する。被験試料50の表面張力を利用し得るか否かについては、以下のように考えることができる。
被験試料50の表面張力を利用して保持する場合、当該被験試料50が保持構造部30の有限空間から脱離しようとする力F(図7参照)は「0」となる。本開示の一態様において、力Fは、以下の式(1)によって表される。
F=2(d+W)×γLGcosθ-mg
=2(d+W)×γLGcosθ-(d+d)/2×Whρg
=0 ・・・(1)
式(1)において、Fは脱離しようとする力の大きさ、γLGは被験試料に働く表面張力、θは接触角、dは有限空間上部の開口長、dは有限空間下部の開口長(本開示の一態様ではd=0、Wは有限空間の形成幅、hは有限空間の形成高さ、mは被験試料の質量、gは重力加速度、ρは被験試料の密度である。
式(1)は、以下の式(2)のように置き換えることができる。
h=4(d+W)γLGcosθ/(d+d)Wρg ・・・(2)
式(2)において、h>0であれば、保持構造部30は、非密閉の有限空間によって構成されていても、何らかの量の被験試料50を保持することができる。h>0であるためには、少なくともcosθ>0である必要がある。換言すると、接触角θがcosθ>0となる範囲であれば、保持構造部30は、被験試料50を保持できると言える。cosθ>0となる範囲は、接触角θが0°(deg)以上90°(deg)未満の場合である。
つまり、保持構造部30は、被験試料50を接触させた際の当該被験試料50の接触角θが0°以上90°未満となるように、有限空間の各構成面11a,12aが構成されている。このように、接触角θが0°以上90°未満であれば、保持構造部30は、被験試料50の表面張力を確実に利用することができる。
(被験試料の脱離)
被験試料50を保持構造部30が保持した状態でセンサ電極20による測定結果が得られたら、その後は、保持構造部30を構成する有限空間の非密閉部分を利用して、保持状態の被験試料50を保持構造部30から脱離させるようにしてもよい。具体的には、被験試料50を保持した状態の保持構造部30に外力を加えることで、当該被験試料50を保持構造部30から脱離させることができる。その場合の外力としては、例えば、人手で支持体10を持って振ることにより生じる遠心力が挙げられる。ただし、外力は、遠心力に限られず、例えば吸水性を有する紙部材や布部材等による吸水力であってもよい。
つまり、保持構造部30は、外力を加えることで、保持状態の被験試料50が保持構造部30から(より詳しくは有限空間の非密閉部分から)脱離するように構成されている。これにより、本開示の一態様に係る電気化学センサは、保持構造部30が被験試料50を保持するように構成されていても、使用後に外力を加えるだけで当該被験試料50を脱離させることができるので、使用済みセンサを廃棄する際の利便性向上が図れる。
(4)保持構造部の他の機能
保持構造部30は、被験試料50を保持する機能の他に、以下に述べる機能を兼ね備えるものであってもよい。
(他の機能の具体例)
保持構造部30は、被験試料50以外のもののセンサ電極20への接触を防ぐ保護機能を兼ね備えているものであってもよい。具体的には、例えば、保持構造部30を構成する突出片部12の立ち上がり高さhが5mm~10mm程度、突出片部12の突端側の開口長dが5mm~7mm程度であれば、その突出片部12によってセンサ電極20が十分に覆われることになる。したがって、突出片部12によってセンサ電極20の保護機能が発揮されることになり、例えば利用者の手が誤ってセンサ電極20に接触してしまう等の事態を防ぐことができ、センサ電極20の破損防止や検査精度確保等に非常に有用なものとなる。
また、保持構造部30は、保持状態の被験試料50の蒸発を防止する蒸発防止機能を兼ね備えているものであってもよい。具体的には、保持構造部30を構成する有限空間について、その殆どを構成面11a,12aで覆い、非密閉部分を一部のみに限定することで、被験試料50の蒸発を防止することが実現可能となる。このように、被験試料50が外気に触れる面積を減らせば、被験試料50の蒸発を防止することが実現可能となるので、保持構造部30による被験試料50の保持量の変化を抑制する上で非常に有用なものとなる。
(保持構造部の形成材料)
ところで、保持構造部30における有限空間を構成することになる2つの構成面11a,12a、さらに詳しくは当該構成面11a,12aを有する基片部11および突出片部12については、既述のようにPE、PET、エポキシ樹脂等の形成材料によって形成されているが、保持構造部30の機能という観点においては、以下のような形成材料であることが好ましい。
基片部11および突出片部12は、絶縁性材料によって形成されていることが好ましい。絶縁性材料によって形成されてれば、保持構造部30は、被験試料50を保持し、その被験試料50中に含まれる特定物質である尿酸をセンサ電極20に検出させる場合であっても、そのセンサ電極20で得られる検出信号に電気的に悪影響を及ぼしてしまうことがない。
また、基片部11および突出片部12のうち、少なくとも突出片部12は、透光性を有する材料によって形成されていることが好ましい。透光性を有していれば、保持構造部30が被験試料50を保持した状態を外側から視認できるからである。
また、基片部11および突出片部12は、被験試料50を含侵しない材料によって形成されていることが好ましい。被験試料50を含侵しなければ、保持構造部30は、被験試料50の含侵による悪影響(例えば、被験試料50の保持量の変動)を受けてしまうことがないからである。
また、基片部11および突出片部12のうち、少なくとも突出片部12は、可撓性を有する材料によって形成されていることが好ましい。可撓性を有していれば、例えば、突出する突出片部12が何かに当たった場合でも、突出片部12が撓むように変形することで、保持構造部30の破損防止が図れ、利便性向上も図れるからである。
また、基片部11および突出片部12は、被験試料50に溶出する成分を含んでいない材料によって形成されていることが好ましい。被験試料50に溶出する成分を含んでいなければ、保持構造部30は、被験試料50を保持し、その被験試料50中に含まれる尿酸をセンサ電極20に検出させる場合であっても、そのセンサ電極20で得られる検出信号に悪影響(例えば、溶出成分の検出)を及ぼしてしまうことがないからである。
また、基片部11および突出片部12は、親水性を有する材料によって形成されていることが好ましい。親水性を有していれば、保持構造部30に被験試料50を充填しやすくなるからである。
また、基片部11および突出片部12は、例えば、被験試料50との接触箇所が平滑な表面を有する材料によって形成することができる。平滑な表面を有していれば、被験試料50の保持状態への移行(被験試料50の流入)の容易化が実現可能となる。平滑な表面とは、当該表面に凹凸加工や粗化処理等が施されていない面のことをいう。ただし、必ずしも平滑な表面を有したものである必要はなく、例えば、被験試料50との接触箇所が粗い表面を有する材料によって形成されていてもよい。粗い表面を有していれば、被験試料50が滞留しやすくなることが期待される。粗い表面とは、当該表面を構成する形成材料に何らかの粗化処理等が施されている面のことをいう。
(5)効果
本態様によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
(a)センサ電極20に面する非密閉の有限空間を構成する保持構造部30は、当該有限空間にてセンサ電極20に接触させる被験試料50を保持する。つまり、センサ電極20に対して被験試料50を供給すると、その被験試料50を保持構造部30が保持することで、センサ電極20の周辺が被験試料50によって満たされ、その満たされた被験試料50へのセンサ電極20の浸漬状態が維持される。したがって、センサ電極20に対して被験試料50を掛け流す場合であっても、被験試料50に浸漬させる場合と同等程度の良好な検出精度が得られる。
(b)保持構造部30は、被験試料50の表面張力を利用して当該被験試料50の保持を行う。このように、被験試料50の表面張力を利用することで、簡素な構成で必要十分な量の被験試料50を確実に保持することができる。
特に、保持構造部30が少なくとも2つの構成面11a,12aを有し、各構成面11a,12aの間にて被験試料50を保持するように構成されていれば、非常に簡素な構成で被験試料を保持することができる。
(c)保持構造部30は、被験試料50の保持容量が0.01ml以上0.30ml以下、好ましくは0.075ml以上0.30ml以下となるように構成されている。かかる保持容量であれば、センサ電極20の被験試料50への浸漬状態が再現され、その被験試料50中の特定物質の検出を確実に行うことができる。
(d)保持構造部30は、所定範囲内での支持体10の姿勢変化または環境条件変化があっても、被験試料50の保持量にばらつきが生じず、または生じた容量のばらつきが平均値±10%未満となるように構成されている。したがって、このような姿勢変化または環境条件変化があっても、少なくともセンサ電極20による測定に必要十分な時間が経過するまでの間、保持構造部30による被験試料50の保持量に変化がなく、または変化量が少なければ、被験試料50中の特定物質の検出について良好な検査精度を担保することができる。
(e)保持構造部30は、外力を加えることで、保持状態の被験試料50が保持構造部30から脱離するように構成されている。したがって、保持構造部30が被験試料50を保持するように構成されていても、使用後に外力を加えるだけで当該被験試料50を脱離させることができるので、使用済みセンサを廃棄する際の利便性向上が図れる。
(f)保持構造部30が被験試料50以外のもののセンサ電極20への接触を防ぐ保護機能を兼ね備えていれば、例えば利用者の手が誤ってセンサ電極20に接触してしまう等の事態を防ぐことができ、センサ電極20の破損防止や検査精度確保等に非常に有用なものとなる。
(g)センサ電極20が作用電極21と対電極22とを有し、そのうちの作用電極21がダイヤモンド膜により構成されていていれば、ダイヤモンド膜が生じさせる酸化還元反応を利用して被験試料50における特定物質を電気化学的に検出することができる。したがって、被験試料50中の特定物質の検出を良好に行う上で非常に有用なものとなる。
(h)センサ電極20が作用電極21と対電極22とを有する場合に、保持構造部30は、少なくとも作用電極21の露出面の全面が被験試料50と接触する態様で当該被験試料50の保持を行えばよい。少なくとも作用電極21の露出面の全面が被験試料50と接触していれば、当該被験試料50中の特定物質の検出を確実に行うことができる。
(i)保持構造部30が透光性を有する材料によって形成されていれば、保持構造部30が被験試料50を保持した状態を外側から視認できるので、利用者にとっての利便性向上が図れる。
<本開示の他の態様>
次に、本開示の他の態様に係る電気化学センサについて説明する。ここでは、主として、上述した一態様との相違点について説明する。
図8は、本開示の他の態様に係る電気化学センサの要部構成例を示す側断面図である。
図8に示すように、本開示の他の態様に係る電気化学センサは、基片部11からなる支持体10におけるセンサ電極20の配置側に、キャップ部13が装着されて構成されている。
キャップ部13は、基片部11に対して傾斜した構成面13aを有する筒状に形成されている。構成面13aの傾斜により、キャップ部13は、筒状の一端側(図中上側)の開口部13bのほうが筒状の他端側(図中下側)の開口部13cよりも大きく(大面積に)なっている。そして、キャップ部13は、筒内に基片部11が挿入された状態で、その基片部11におけるセンサ電極20の配置箇所の近傍に装着される。
キャップ部13の装着は、例えば、基片部11への嵌合によって行われる。ただし、必ずしも嵌合によるものに限られず、例えば接着や粘着等によるものであってもよい。いずれの場合であっても、キャップ部13は、着脱可能に構成されていることが好ましい。
このようなキャップ部13は、上述した本開示の一態様における突出片部12と同様の形成材料によって形成されていればよい。
キャップ部13が装着されると、そのキャップ部13の筒内には、互いに対向して配置される2つの壁面11a,13aが配されることになる。2つのうちの一方の壁面11aは、基片部11におけるセンサ電極20が装着された側の表面である。2つのうちの他方の壁面13aは、キャップ部13における傾斜面13aである。さらに、これらの壁面11a,13aに加えて、キャップ部13の筒内には、各壁面11a,13aの側方側において各壁面11a,13aを連結する2つの壁面(ただし不図示)が配される。各壁面11a,13aを含む4つの壁面は、センサ電極20を囲うように配されており、そのセンサ電極20を囲繞する非密閉の有限空間を構成する。具体的には、キャップ部13の筒内には、各壁面11a,13aを含む4つの壁面に囲繞されているが、開口部13b,13cの部分が開放された、非密閉の有限空間が構成される。
非密閉の有限空間は、被験試料50を保持するためのものである。かかる有限空間は、非密閉であっても、液状である被験試料50の表面張力を利用することで、当該被験試料50の保持を行うようになっている。つまり、キャップ部13は、支持体10の基片部11に装着されることで、センサ電極20に面する非密閉の有限空間を構成し、その有限空間にて被験試料50の保持を行う保持構造部30として機能することになる。
このように構成された電気化学センサに対して、被験者が被験試料50としての尿を掛け流すと、その尿は、保持構造部30に供給される。具体的には、尿は、キャップ部13の一端側の開口部13aを供給口とし、他端側の開口部13cを排出口として、そのキャップ部13の筒内(すなわち、非密閉の有限空間内)に供給される。このとき、排出口としての開口部13cの存在により、有限空間内への尿の供給が円滑に行われる。そして、供給された尿には、液状であるが故に、表面張力が働く。したがって、保持構造部30を構成する非密閉の有限空間には、一定量の尿が保持された状態となる。
つまり、本開示の他の態様に係る電気化学センサにおいても、上述した本開示の一態様の場合と同様に、電気化学センサに対して尿を掛け流すと、保持構造部30がセンサ電極20に接触させる尿を保持する。これにより、センサ電極20の周辺に位置する有限空間が尿によって満たされ、その満たされた尿へのセンサ電極20の浸漬状態が維持されるので、上述した本開示の一態様の場合と同様の効果を奏することになる。
ところで、被験試料50が尿である場合、保持構造部30に供給される尿には、気泡が含まれていることがあり得る。本開示における保持構造部30は、非密閉の有限空間に被験試料50を保持する構造であるため、気泡が大気中に抜けやすいという特徴も有しているが、さらに、被験試料50である尿に含まれる気泡を除去し易くする目的で、保持構造部30を構成するキャップ部13には、気泡を抜くための穴または溝等が設けられていてもよい。つまり、保持構造部30には、被験試料50に含まれる気泡を除去する穴または溝等の気泡除去部が付設されていてもよい。気泡除去部が付設されていれば、被験試料50に含まれる気泡の排除により、被験試料50中の特定物質の検出について良好な検査精度を担保することができる。
また、保持構造部30に供給される尿には、異物が混入していることがあり得る。そのため、例えば、キャップ部13において供給口となる開口部13bには、異物の有限空間内への流入を防ぐフィルタまたはこれに準ずるものが設けられていてもよい。つまり、保持構造部には、被験試料50の混入異物の流入を防ぐフィルタ部が付設されていてもよい。フィルタ部が付設されていれば、被験試料50に含まれる異物の排除により、被験試料50中の特定物質の検出について良好な検査精度を担保することができる。
また、キャップ部13において供給口となる開口部13bの近傍には、被験試料50である尿を開口部13bに導くための溝や案内部材等が設けられていてもよい。つまり、保持構造部30には、当該保持構造部30が保持する被験試料50を当該保持構造部30に導く溝や案内部材等の導入構造部が付設されていてもよい。導入構造部が付設されていれば、被験試料50を有限空間内へ容易かつ確実に導くことができ、その被験試料50を保持構造部30に確実に保持させることが可能となる。特に、導入構造部が毛管現象を利用するように構成されていれば、電気化学センサ(特に支持体10)の使用状態における姿勢にかかわらず(どのような姿勢であっても)、被験試料50を導くことが可能となるので、利用者にとっての利便性向上も図れるようになる。
<変形例>
以上に、本開示の実施の態様を具体的に説明したが、本開示は上述の各態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の各態様では、液状の被験試料が被験者から採取した尿である例について説明したが、本開示はこのような態様に限定されない。例えば、液状の被験試料としては、尿の他、血液、唾液、鼻水、汗、涙等の体液であってもよい。また、液状の被験試料は人間由来のものに限定されず、例えば、犬や猫等の動物由来のものであってもよい。
また、上述の各態様では、被験試料中に含まれる特定物質が尿酸である例について説明したが、本開示はこのような態様に限定されない。例えば、被験試料中に含まれる特定物質としては、尿酸の他、尿糖、アルギニン、アルブミン等であってもよい。
上述の各態様では、主として、被験者が尿を掛け流すことにより当該尿が供給される例を説明したが、これに限定されることはなく、例えば、被験試料が入った容器等に浸漬させる場合であっても、全く同様に被験試料中に含まれる特定物質の検出を行うことが可能である。
上述の各態様では、被験試料中の特定成分の濃度を三電極法により測定する例を説明したが、本開示はこのような態様に限定されない。例えば、被験試料中の特定物質の濃度を、二電極法により測定してもよい。この場合、センサ電極は、作用電極と対電極(または参照電極)と、の2つの電極を有していればよい。
上述した本開示の一態様では、保持構造部30が略V字状の位置関係にある2つの構成面11a,12aを有し、これらによって構成される非密閉の有限空間にて被験試料50を保持する例を説明したが、本開示はこのような態様に限定されない。例えば、図9(a)~(h)、図10(a)~(h)、または、図11(a)~(e)のいずれかに示すように、保持構造部30は、少なくとも2つ(3つ以上の場合を含む)の構成面14を有し、これらの構成面14の間に非密閉の有限空間を構成し、その有限空間にて被験試料50を保持することで、その被験試料50をセンサ電極20に接触させるように構成されたものであれば、各構成面14の配置が特に限定されるものではない。
上述した本開示の他の態様では、保持構造部30がセンサ電極20を囲うように形成された壁面を有し、その壁面内の有限空間にて被験試料50を保持する例を説明したが、本開示はこのような態様に限定されない。例えば、図12(a)~(e)、または、図13(a)~(d)のいずれかに示すように、保持構造部30は、センサ電極20を囲うように形成された壁面15を有し、その壁面15内の有限空間にて被験試料50を保持することで、その被験試料50をセンサ電極20に接触させるように構成されたものであれば、その壁面15の配置や当該壁面15を有するキャップ部13の形状等が特に限定されるものではない。
上述した本開示の各態様では、少なくとも2つの構成面またはセンサ電極を囲う壁面によって非密閉の有限空間が構成される例を説明したが、本開示はこのような態様に限定されない。例えば、図14(a)~(g)のいずれかに示すように、保持構造部30は、センサ電極20の近傍に配される網材、棒材、突起構造体、網状構造体等の付設部材16を有し、センサ電極20と付設部材16との間に構成される非密閉の有限空間にて被験試料50を保持するものであってもよい。その場合に、付設部材16の配置や形状等は、液状の被験試料50の表面張力を利用して当該被験試料50を保持可能であれば、特に限定されるものではない。
<本開示の好ましい態様>
以下、本開示の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本開示の一態様によれば、
支持体に配されたセンサ電極に液状の被験試料を接触させて当該被験試料における特定物質を電気化学的に検出する電気化学センサであって、
前記センサ電極に面する非密閉の有限空間を構成し、前記有限空間にて前記センサ電極に接触させる前記被験試料を保持する保持構造部
を備える電気化学センサが提供される。
(付記2)
本開示の他の一態様によれば、
支持体に配されたセンサ電極に液状の被験試料を接触させて当該被験試料における特定物質を電気化学的に検出する電気化学センサであって、
前記センサ電極の露出面に前記被験試料のみが接触するように前記センサ電極の周囲に前記被験試料を保持する保持構造部
を備える電気化学センサが提供される。
(付記3)
本開示のさらに他の一態様によれば、
支持体に配されたセンサ電極に液状の被験試料を接触させて当該被験試料における特定物質を電気化学的に検出する電気化学センサであって、
前記センサ電極に前記被験試料を接触させた状態で当該被験試料を保持する保持構造部が前記支持体に設けられており、
同一の前記被験試料について、前記保持構造部が当該被験試料を保持した状態で前記センサ電極で得られる検出信号の強度Aに対する、容器に貯留された当該被験試料に前記センサ電極を浸漬させて得られる検出信号の強度Bの差が、前記強度Aの10%以下である
電気化学センサが提供される。
(付記4)
好ましくは、
前記保持構造部は、前記被験試料の表面張力を利用して当該被験試料の保持を行うように構成されている
付記1から3のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記5)
好ましくは、
前記保持構造部における前記有限空間は、前記被験試料の表面張力を利用して当該被験試料を保持する大きさおよび形状に形成されている
付記1に記載の電気化学センサが提供される。
(付記6)
好ましくは、
前記保持構造部は、少なくとも2つの構成面を有し、前記2つの構成面の間にて前記被験試料を保持するように構成されている
付記1から5のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記7)
好ましくは、
前記2つの構成面が対向して配置されている
付記6に記載の電気化学センサが提供される。
(付記8)
好ましくは、
前記保持構造部は、前記センサ電極を囲うように形成された壁面を有し、前記壁面内の空間にて前記被験試料を保持するように構成されている
付記1から5のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記9)
好ましくは、
前記保持構造部は、前記センサ電極の近傍に配される付設部材を有し、前記センサ電極と前記付設部材との間にて前記被験試料を保持するように構成されている
付記1から5のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記10)
好ましくは、
前記保持構造部は、前記被験試料の保持容量が0.01ml以上0.30ml以下となるように構成されている
付記1から9のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記11)
好ましくは、
前記保持構造部は、前記被験試料を接触させた際の当該被験部材の接触角が0°以上90°未満となるように構成されている
付記1から10のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記12)
好ましくは、
前記保持構造部は、外力が加わらない場合に前記被験試料の保持状態を少なくとも1分間維持するように構成されている
付記1から11のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記13)
好ましくは、
前記保持構造部は、所定範囲内での前記支持体の姿勢変化または環境条件変化があっても、前記被験試料の保持量にばらつきが生じず、または生じた容量のばらつきが平均値±10%未満となるように構成されている
付記1から12のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記14)
好ましくは、
前記保持構造部は、外力を加えることで保持状態の前記被験試料が前記保持機構部から脱離するように構成されている
付記1から13のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記15)
好ましくは、
前記保持構造部は、前記支持体に対して着脱可能に構成されている
付記1から14のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記16)
好ましくは、
前記保持構造部には、当該保持構造部が保持する前記被験試料を当該保持構造部に導く導入構造部が付設されている
請求項1から15のいずれか1項に記載の電気化学センサが提供される。
(付記17)
好ましくは、
前記保持構造部には、前記被験試料の混入異物の流入を防ぐフィルタ部が付設されている
付記1から16のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記18)
好ましくは、
前記保持構造部には、前記被験試料に含まれる気泡を除去する気泡除去部が付設されている
付記1から17のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記19)
好ましくは、
前記保持構造部は、前記被験試料以外のものの前記センサ電極への接触を防ぐ保護機能を兼ね備えている
付記1から18のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記20)
好ましくは、
前記保持構造部は、保持状態の前記被験試料の蒸発を防止する蒸発防止機能を兼ね備えている
付記1から19いずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記21)
好ましくは、
前記センサ電極は、作用電極と対電極とを有し、
前記作用電極は、当該作用電極と前記対電極との間に前記被験試料が存在する状態で所定電圧を印加した際に表面で酸化還元反応を生じさせるダイヤモンド膜により構成されている
付記1から20のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記22)
好ましくは、
前記保持構造部は、少なくとも前記作用電極の露出面の全面が前記被験試料と接触する態様で当該被験試料の保持を行うように構成されている
付記21に記載の電気化学センサが提供される。
(付記23)
好ましくは、
前記保持構造部は、前記作用電極の面積よりも広い面積の領域にて前記被験試料の保持を行うように構成されている
付記21または22に記載の電気化学センサが提供される。
(付記24)
好ましくは、
前記保持構造部は、前記作用電極の露出面に対して被検知成分の拡散長以上の厚さを維持した態様で前記被験試料の保持を行うように構成されている
付記21から23のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記25)
好ましくは、
前記保持構造部は、透光性を有する材料によって形成されている
付記1から24のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記26)
好ましくは、
前記保持構造部は、前記被験試料を含侵しない材料によって形成されている
付記1から25のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記27)
好ましくは、
前記保持構造部は、絶縁性を有する材料によって形成されている
付記1から26のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記28)
好ましくは、
前記保持構造部は、可撓性を有する材料によって形成されている
付記1から27のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記29)
好ましくは、
前記保持構造部は、前記被験試料に溶出する成分を含んでいない材料によって形成されている
付記1から28のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記30)
好ましくは、
前記保持構造部は、親水性を有する材料によって形成されている
付記1から29のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記31)
好ましくは、
前記保持構造部は、前記支持体と同一の材料によって形成されている
付記1から30のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記32)
好ましくは、
前記保持構造部は、前記支持体と異なる材料によって形成されている
付記1から30のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記33)
好ましくは、
前記保持構造部は、前記被験試料との接触箇所が平滑な表面を有する材料によって形成されている
付記1から32のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記34)
好ましくは、
前記保持構造部は、前記被験試料との接触箇所が粗い表面を有する材料によって形成されている
付記1から32のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記35)
好ましくは、
前記保持構造部は、ポリエチレンまたはエポキシ樹脂によって形成されている
付記1から34のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記37)
好ましくは、
前記被験試料は、人間または動物の尿または血液である
付記1から35のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
10 支持体
11 基片部
11a 構成面
12 突出片部
12a 構成面
13 キャップ部
13a 構成面(壁面)
13b 開口部
13c 開口部
14 構成面
15 壁面
16 付設部材
20 センサ電極
21 作用電極
22 対電極
23 参照電極
30 保持構造部
50 被験試料

Claims (12)

  1. 支持体に配されたセンサ電極に液状の被験試料を接触させて当該被験試料における特定物質を電気化学的に検出する電気化学センサであって、
    前記センサ電極に面する非密閉の有限空間を構成し、前記有限空間にて前記センサ電極に接触させる前記被験試料を保持する保持構造部
    を備え
    前記保持構造部は、少なくとも2つの構成面を有し、前記2つの構成面が平行ではなく互いに対向して配置されており、前記2つの構成面の間にて前記被験試料の表面張力を利用して当該被験試料を保持するように構成されている
    電気化学センサ。
  2. 前記支持体は、長手方向の一端側の面上に前記センサ電極が配される基片部を有しており、
    前記保持構造部は、前記基片部の長手方向の一端側に配され、前記基片部と、前記基片部の一端側から他端側に向けて前記基片部との間隔を広げながら延びる突出片部とから構成され、
    前記基片部と前記突出片部とは、互いに対向して配置され、対向する前記基片部と前記突出片部との面により前記2つの構成面を構成する
    請求項1に記載の電気化学センサ。
  3. 前記保持構造部は、前記被験試料の保持容量が0.01ml以上0.30ml以下となるように構成されている
    請求項1または2に記載の電気化学センサ。
  4. 前記保持構造部は、所定範囲内での前記支持体の姿勢変化または環境条件変化があっても、前記被験試料の保持量にばらつきが生じず、または生じた容量のばらつきが平均値±10%未満となるように構成されている
    請求項1からのいずれか1項に記載の電気化学センサ。
  5. 前記保持構造部は、外力を加えることで保持状態の前記被験試料が前記保持構造部から脱離するように構成されている
    請求項1からのいずれか1項に記載の電気化学センサ。
  6. 前記保持構造部は、前記被験試料以外のものの前記センサ電極への接触を防ぐ保護機能を兼ね備えている
    請求項1からのいずれか1項に記載の電気化学センサ。
  7. 前記センサ電極は、作用電極と対電極とを有し、
    前記作用電極は、当該作用電極と前記対電極との間に前記被験試料が存在する状態で所定電圧を印加した際に表面で酸化還元反応を生じさせるダイヤモンド膜により構成されている
    請求項1からのいずれか1項に記載の電気化学センサ。
  8. 前記保持構造部は、少なくとも前記作用電極の露出面の全面が前記被験試料と接触する態様で当該被験試料の保持を行うように構成されている
    請求項に記載の電気化学センサ。
  9. 前記保持構造部は、透光性を有する材料によって形成されている
    請求項1からのいずれか1項に記載の電気化学センサ。
  10. 前記保持構造部は、絶縁性を有する材料によって形成されている
    請求項1からのいずれか1項に記載の電気化学センサ。
  11. 前記被験試料は、人間または動物の尿または体液である
    請求項1から10のいずれか1項に記載の電気化学センサ。
  12. 請求項2に記載の電気化学センサの製造方法であって、
    前記基片部の一端側を折り曲げることによって前記突出片部を形成する工程を有する、電気化学センサの製造方法。
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