JP7249049B2 - 電気化学センサ - Google Patents

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Description

本発明は、被検液中の特定成分を電気化学的に検出する電気化学センサに関する。
電極に電圧を印加することにより生じる電気化学的な反応を利用して被検液中の特定成分を検出する電気化学センサについては、検出結果が電極面積の影響を受けることから、例えば、絶縁性を有するテープ材を用いて金属膜からなる電極の面積を規制することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000-146890号公報
電気化学センサとしては、金属膜からなる電極ではなく、チップ状電極を備えて構成されたものがある。具体的には、例えば、ダイヤモンド膜がシリコンまたはシリコン化合物等からなる支持部材に支持されてなるダイヤモンドチップを備え、そのダイヤモンドチップで生じる酸化還元反応を利用して被検液中の特定成分を検出するように構成されたものがある。このようなチップ状電極については、チップ化加工の高精度化が必ずしも容易でないことから、電極面積にばらつきが生じ、その影響が検出結果に及んでしまうおそれがある。
検出結果のばらつき防止のためには、特許文献1に開示されているように、電極表面をテープ材等のカバー部材で覆い、電極の露出面積を規制することが考えられる。しかしながら、電極がチップ状電極である場合には、金属膜(薄膜)による電極の場合とは異なり、チップ厚さがあるため、そのチップ厚さに起因して生じる段差等の影響によって、必ずしも電極表面をカバー部材で適切に覆うことが容易でない。
本開示は、チップ状のセンサ電極であっても、その電極表面をカバー部材で適切に覆うことができ、電極露出面積を確実に規制することを可能にする技術を提供する。
本開示の一態様によれば、
センサ搭載面を有する基材と、
前記センサ搭載面上に配されるチップ状のセンサ電極と、
前記センサ電極に付帯して設けられる台座部と、
前記センサ電極を覆うように配されるカバー部材と、
を備え、
前記センサ電極は、前記センサ搭載面に対向する面の反対側の面が被検液中の特定成分を検出するための検出面として機能するように構成されており、
前記台座部は、前記センサ搭載面からの高さ位置が前記検出面と揃うように配される当接面を有しており、
前記カバー部材は、前記検出面および前記当接面に接することで位置固定されるとともに、位置固定された状態で前記検出面の一部領域を露出させる開口部を有して構成されている
電気化学センサが提供される。
本開示によれば、チップ状のセンサ電極であっても、その電極表面をカバー部材で適切に覆うことができ、電極露出面積を確実に規制することが可能になる。
本開示の第一実施形態に係る電気化学センサにおける電極構成例を模式的に示す斜視図である。 本開示の第一実施形態に係る電気化学センサの要部構成例を模式的に示す側断面図である。 本開示の第二実施形態に係る電気化学センサの要部構成例を模式的に示す側断面図である。 本開示の第三実施形態に係る電気化学センサの要部構成例を模式的に示す側断面図である。 本開示の第四実施形態に係る電気化学センサの要部構成例を模式的に示す側断面図である。
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<第一実施形態>
まず、本開示の第一実施形態を説明する。
(電気化学センサの概要)
本実施形態に係る電気化学センサは、被検液中の特定成分を電気化学的に検出するものである。本実施形態では、被験者から採取する尿中に含まれる尿酸を検出する場合を例に挙げる。つまり、本実施形態においては、被検液として被験者から採取する尿を例示し、検出対象となる特定成分として尿中に含まれる尿酸を例示する。
尿中における尿酸の濃度の検出は、例えば、尿中に含まれる物質を特定の条件下で電気分解させ、その際に生じる電気化学反応(例えば酸化還元反応)を利用して行うものとする。本実施形態では、尿中の尿酸の濃度を、三電極法によって検出する場合を例に挙げる。三電極法とは、作用電極、対(カウンタ)電極、参照電極の三つの電極を組み合わせて電気化学測定を行う手法である。
(電極構成例)
ここで、三電極法による電気化学センサの電極構成例を説明する。
図1は、本開示の第一実施形態に係る電気化学センサにおける電極構成例を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電気化学センサは、基材11上に、チップ状のセンサ電極である作用電極12と、当該センサ電極とは別の第二センサ電極としての対電極13および参照電極14と、が配されて構成されている。
基材11は、作用電極12、対電極13および参照電極14を支持するもので、例えば平面視短冊状の板状部材によって形成されており、長手方向の一端側に少なくとも作用電極12が搭載されるセンサ搭載面11aを有している。長手方向の他端側は、作用電極12、対電極13および参照電極14に対して所定の電圧掃引操作を行うポテンショスタット等の測定器(ただし不図示)に接続可能に構成されている。
基材11は、絶縁性材料によって形成されている。具体的には、基材11は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料、セラミック、ガラス、プラスチック、可燃性材料、生分解性材料、不織布または紙等の絶縁性材料で形成することができる。また、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エポキシ樹脂等を好適に用いることができる。また、センサ搭載面11aが絶縁性を有するように構成された半導体基材や金属基材を用いることもできる。
基材11には、図示せぬ配線が設けられている。配線は、作用電極12、対電極13および参照電極14のそれぞれに対応しており、これらを個別に測定器と導通させるように配されている。配線は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、白金(Pt)等の導電性を有する金属材料を用いて形成することができる。
作用電極12は、チップ状のセンサ電極であり、当該作用電極12と対電極13との間に被検液である尿が存在する状態で所定電圧を印加した際に、当該作用電極12の表面で酸化還元反応を生じさせるように構成されたものである。具体的には、作用電極12は、例えば、尿が付着した状態で印加電圧に応じた酸化還元反応を生じさせるダイヤモンド膜12aと、そのダイヤモンド膜12aを支持する支持部材12bと、を有して構成されている。その場合に、作用電極12は、支持部材12bが基材11の側に位置するように配置される。そして、基材11のセンサ搭載面11aに対向する面の反対側の面(すなわち、ダイヤモンド膜12aの表面)が、尿中の尿酸を検出するための検出面として機能するようになっている。このようなダイヤモンド膜12aを有するチップ状のセンサ電極を「ダイヤモンドチップ」とも称する。
ダイヤモンドチップを構成するダイヤモンド膜12aは、多結晶膜である。ダイヤモンド膜12aは、ダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)膜、グラッシー・カーボン(GC)膜等であってもよい。本明細書で「ダイヤモンド膜」という文言を用いる場合は、多結晶ダイヤモンド膜を意味する場合、DLC膜を意味する場合、GC膜を意味する場合、これらの組み合わせを意味する場合を含む。ダイヤモンド膜12aは、p型であることが好ましい。p型とするために、ダイヤモンド膜12aは、ホウ素(B)等の元素を例えば1×1019cm-3以上1×1022cm-3以下の濃度で含むことが好ましい。ダイヤモンド膜12a中のB濃度は例えば二次イオン質量分析法(SIMS)で測定することができる。ダイヤモンド膜12aは、熱フィラメント(ホットフィラメント)CVD法、プラズマCVD法等の化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法、イオンビーム法やイオン化蒸着法等の物理蒸着(Phisical Vapor Deposition:PVD法)等を用いて成長させる(合成する)ことができる。熱フィラメントCVD法を用いてダイヤモンド膜12aを成長させる場合、フィラメントとして例えばタングステンフィラメントを用いることができる。ダイヤモンド膜12aの厚さは、例えば0.5μm以上10μm以下、好ましくは2μm以上4μm以下とすることができる。
また、ダイヤモンドチップを構成する支持部材12bは、ダイヤモンド以外の材料(異種材料)を用いて形成されている。支持部材12bは、導電性の材料からなることが好ましい。支持部材12bは、例えば、シリコン(Si)単体もしくはシリコンの化合物、または金属基板からなることが好ましい。すなわち、支持部材12bは、シリコン基板または金属基板からなることが好ましい。具体的には、支持部材12bは、単結晶Si基板、多結晶Si基板、炭化シリコン基板(SiC基板)、金属基板のいずれかからなることが好ましい。支持部材12bの厚さは、例えば0.3mm以上0.5mm以下、好ましくは0.4mm程度とすることができる。
対電極13は、作用電極12の近傍位置に設けられている。対電極13としては、白金(Pt)、金(Au)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)等の金属で形成された電極、ダイヤモンド電極、ボロンドープダイヤモンド(BDD)電極、カーボン電極等を用いることができる。対電極13は、セミアディティブ法、サブトラクティブ法等の公知の手法により形成することができる。作用電極12および対電極13に被検液を付着させた状態で、これらの間に所定の電圧を印加することで、作用電極12および対電極13で、被検液中の所定成分(所定の反応種、例えば尿酸)の酸化還元反応が起こり、これにより作用電極12と対電極13との間に電流が流れることとなる。つまり、対電極13は、電気化学反応により生じた電流を作用電極12に流すための電極である。
参照電極14は、作用電極12の電位を決定する際の基準となる電極である。参照電極14としては例えば銀/塩化銀(Ag/AgCl)電極等を用いることができる。また、参照電極14としては、標準水素電極、可逆水素電極、パラジウム・水素電極、飽和カロメル電極、カーボン電極、ダイヤモンド電極、BDD電極等を用いることもできる。また、参照電極14として、Pt、Au、Cu、Pd、Ni、Ag等の金属で形成された電極等を用いることもできる。参照電極14は、例えば、ディスペンス、スクリーン印刷等の公知の手法により形成することができる。
(電気化学センサの要部構成例)
上述のように、本実施形態に係る電気化学センサは、尿中の尿酸の濃度を三電極法によって検出すべく、作用電極12、対電極13および参照電極14を備えている。そして、作用電極12は、厚さが例えば0.4mm程度のダイヤモンドチップによって構成されている。
ダイヤモンドチップについては、ダイヤモンド膜12aの硬さに起因して、チップ化するための外形加工(スクライブ加工)の高精度化が必ずしも容易ではない。そのため、作用電極12の電極面積にばらつきが生じ、その影響が検出結果に及んでしまうおそれがある。
そこで、本実施形態に係る電気化学センサは、作用電極12におけるダイヤモンド膜12aの検出面側を覆うように配されるカバー部材15を備えている。そして、カバー部材15は、ダイヤモンド膜12aの検出面における一部領域12cを露出させる開口部15aを有している。これにより、作用電極12は、検出面の露出面積がカバー部材15の開口部15aによって規制されることになる。したがって、開口部15aが精度よく形成されていれば、ダイヤモンドチップの加工精度が低くても、その影響が検出結果に及んでしまうのを抑制することができる。
カバー部材15は、作用電極12を覆うための装着が容易であり、かつ、開口部15aの形成加工の高精度化が容易であることが好ましい。また、カバー部材15は、電気化学センサの量産性向上、低コスト化等に資するものであることが好ましい。
これらのことを踏まえ、カバー部材15は、例えば、粘着テープ材を用いて形成されている。さらに具体的には、カバー部材15は、絶縁性を有するシート材と、シート材の少なくとも一方の面に形成された粘着剤層と、を有して構成することができる。シート材としては、不織布、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等を用いることができるが、開口部15aを形成する際に刃物等により容易かつ精度良く切断することが可能な硬質プラスチック、特にポリエチレンテレフタレートを用いることが好ましい。粘着剤層は、アクリル系粘着材、ゴム系粘着材等を用いることができる。シート材および粘着剤層の厚さは、特に限定されるものではない。このようなシート状に構成されたカバー部材15であれば、作用電極12を覆うための装着が容易であり、開口部15aの形成加工の高精度化も容易であり、電気化学センサの量産性向上、低コスト化等に資するものとなる。なお、ここでは、カバー部材15が粘着テープ材によって形成されている場合を例に挙げるが、必ずしもこれに限定されることはなく、作用電極12を覆うように装着可能であれば、他の部材(例えば、接着剤、接着テープ材、これらに準ずるもの)によって形成されていてもよい。ただし、例えば、カバー部材15の位置固定に接着剤を用いると、検出面への接着剤の流出による感度低下の問題があるが、粘着テープ材であれば、そのような懸念を解消することができる。また、接着剤として熱硬化性のものを用いると、例えば90℃以上の加熱が必要となるが、粘着テープ材であれば、室温等での圧着ができ、常温プロセスが可能となる。さらには、粘着テープ材であれば、ロールtoロール実装も実現性が高くなる。したがって、粘着テープ材であれば、量産性向上、低コスト化等に寄与するものとなる。
カバー部材15が有する開口部15aは、安定して正確な形状および寸法で形成されていることが好ましい。具体的には、カバー部材15が粘着テープ材等のシート状のものであれば、打ち抜き金型を用いて開口部15aの形成加工をすることが可能となり、既存の技術を利用して加工精度を容易に制御し得るので、安定して正確な形状および寸法で形成し得るようになる。開口部15aは、安定して正確な形状および寸法で形成し得るものであれば特定の平面形状に限定されることはないが、非扁平な平面形状に形成されていることが好ましい。非扁平な平面形状とは、長方形や楕円形等のような扁平形状ではなく、正方形や円形等のように扁平の度合いが低い形状のことをいう。扁平形状では開口部15aが露出させる一部領域12cでの電界分布に不均一さが生じ得るところ、非扁平な平面形状であればそのような電界分布の不均一さを抑制し得るからである。電界分布の不均一さの抑制という観点では、特に、開口部15aの平面形状が円形状に形成されていることが好ましい。
このようなカバー部材15によって作用電極12を覆う場合、そのカバー部材15の開口部15aによって露出される一部領域12cを除き、作用電極12における当該一部領域12c以外の面は、被検液である尿に触れないようにすることが、尿中の尿酸濃度の検出精度向上を図るためには好ましい。また、カバー部材15は、ダイヤモンド膜12aの検出面に密着し得るものであることが好ましい。検出面に密着していないと、被検液が隙間に浸入し、被検液に接触する作用電極12の面積が変動してしまい、その影響が検出結果に及んでしまうおそれがあるからである。
ただし、作用電極12は、厚さが例えば0.4mm程度のチップ状に形成されている。そのため、シート状のカバー部材15によって覆う場合に、作用電極12のチップ厚さに起因して生じる段差等の影響によって、カバー部材15を作用電極12の検出面に密着させつつ、その作用電極12の電極表面(具体的には、一部領域12c以外の面。特に、作用電極12の側面。)を適切に覆うことが必ずしも容易ではない。
そこで、本実施形態に係る電気化学センサは、作用電極12に付帯して設けられる台座部16を備えて構成されている。
図2は、本開示の第一実施形態に係る電気化学センサの要部構成例を模式的に示す側断面図である。
図2に示すように、本実施形態に係る電気化学センサにおいて、台座部16は、基材11とは別部材で形成されており、作用電極12に付帯して基材11上に装着されるように構成されている。さらに詳しくは、台座部16は、作用電極12の配置スペースを取り囲むように、基材11におけるセンサ搭載面11a上に装着されている。
基材11と別部材の台座部16は、作用電極12のチップ厚さと同等の厚さを有するように形成されている。つまり、台座部16は、基材11のセンサ搭載面11aからの高さ位置が作用電極12の検出面12fと揃うように配される当接面16aを有して構成されている。これにより、作用電極12を覆うカバー部材15は、シート状に形成されている場合であっても、そのカバー部材15を構成する粘着剤層が、作用電極12の検出面12f(特に、一部領域12c以外の部分)および台座部16の当接面16aに接することで、位置固定がされることになる。
このような台座部16は、基材11と同様に、絶縁性材料によって形成されている。具体的には、台座部16は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料、セラミック、ガラス、プラスチック、可燃性材料、生分解性材料、不織布または紙等の絶縁性材料で形成することができる。また、例えば、PE、PET、エポキシ樹脂等を好適に用いることができる。また、絶縁性を有するように構成された半導体基材や金属基材を用いることもできる。なお、台座部16は、基材11とは別部材として形成されているが、基材11と同一材料によって形成されていてもよいし、基材11とが異なる材料によって形成されていてもよい。いずれの場合においても、台座部16は、接着や溶着等の公知技術を利用して、基材11のセンサ搭載面11a上に装着固定されているものとする。
ところで、本実施形態において、作用電極12は、基材11に形成された配線部12dと例えば導電性テープ12eを利用したワイヤボンディングによって電気的に接続されている。このような接続態様であれば、作用電極12を構成する支持部材12bの導電性が低い場合であっても、被検液との電気化学反応で生じた電流を良好に取り出すことができる。ただし、その場合、導電性テープ12eに被検液が接触すると、測定の信頼性に悪影響が及び得る。そのため、基材11におけるセンサ搭載面11a上では、作用電極12、配線部12dおよび導電性テープ12eを含む配置スペースを取り囲むように、台座部16が配置されている。そして、その配置スペースを覆うように(すなわち、その配置スペースに被検液が侵入しないように)、カバー部材15が位置固定されているのである。これにより、ワイヤボンディング接続の場合であっても、被検液が接触することを回避できるので、測定の信頼性向上が図れるようになる。
つまり、本実施形態においては、作用電極12に付帯して台座部16を設けつつ、その作用電極12の検出面12fと台座部16の当接面16aとの高さ位置が揃っていることを利用して、カバー部材15の位置固定を行う。そのため、作用電極12がチップ状であり、かつ、カバー部材15がシート状である場合でも、カバー部材15の位置固定を、密着性を担保しつつ適切かつ確実に行うことができ、その結果として、作用電極12における一部領域12c以外の面を被検液である尿に触れないようにすることができる。
なお、本実施形態において、基材11のセンサ搭載面11a上には、作用電極12、台座部16、カバー部材15等の他に、当該作用電極12とは別の第二センサ電極としての対電極13および参照電極14も配置されている。つまり、本実施形態に係る電気化学センサは、作用電極12とは別の対電極13および参照電極14が、作用電極12と並列配置されて構成されている。このような並列配置であれば、作用電極12と対電極13との間隔を十分に確保すること(すなわち、遠ざけること)が容易に実現可能となるので、作用電極12で進行させる電気化学反応(例えば酸化)に、対電極13で進行する電気化学反応(例えば還元)が影響を及ぼす可能性を抑制し得るようになる。
(電気化学センサの処理動作例)
次に、本実施形態に係る電気化学センサの処理動作例として、尿酸濃度を電気化学測定によって検出する場合の手順を説明する。
尿酸濃度の検出にあたっては、まず、電気化学センサを測定器(ポテンショスタット等)に接続する。具体的には、電気化学センサの基材11における各配線と測定器とを電気的に接続する。測定器は、所定の電圧掃引操作を行うことが可能なように構成されており、例えば、電圧印加部、電流測定部、電位差測定部、電位調整部を有している。電圧印加部は、配線の接続により所定の回路が形成されたら、作用電極12と対電極13との間に電圧を印加するように構成されている。電流測定部は、尿酸の酸化還元反応により生じた電流を測定するように構成されている。電位差測定部は、作用電極12と参照電極14との間の電位差を測定するように構成されている。電位調整部は、電位差測定部により測定した電位差に基づき、参照電極14の電位を基準として作用電極12の電位を一定に維持するように構成されている。
電気化学センサと測定器とを接続した後は、例えば、電気化学センサに対して被検液である尿を供給する。このとき、作用電極12は、カバー部材15によって覆われており、そのカバー部材15の開口部15aによって一部領域12cのみが露出した状態となっている。したがって、尿を供給すると、その尿は、作用電極12の一部領域12cのみに接触し、作用電極12の一部領域12c以外の面や導電性テープ12e等には接触することがない。
被検液である尿の供給後は、その尿が作用電極12の一部領域12cに接触した状態で、測定器の電圧印加部により作用電極12と対電極13との間に所定の電圧を印加する。これにより、作用電極12が有するダイヤモンド膜12aの表面上の一部領域12cで尿酸の酸化還元反応が生じ、作用電極12内を電流(反応電流)が流れる。この反応電流の値を、測定器の電流測定部を用いて例えばサイクリックボルタンメトリーにより測定する。サイクリックボルタンメトリー条件としては、電圧範囲:0V以上1V以下を含む範囲、掃引速度:0.1V/s以上1V/s以下が例示される。反応電流の値は、スクエアウェーブボルタンメトリー(矩形波ボルタンメトリー)、微分パルスボルタンメトリー、ノーマルパルスボルタンメトリー、交流ボルタンメトリー等の手法を用いて測定してもよい。
また、被検液である尿が接触している状態において、測定器の電位差測定部により作用電極12と参照電極14との間の電位差(電圧の差)を測定する。
その後は、測定器の電流測定部で測定した反応電流の値から、例えばサイクリックボルタモグラムを作成し、酸化ピークの電流値を取得する。取得した酸化ピーク電流値および測定器の電位差測定部で測定した電位差の値に基づいて、被検液中の尿酸濃度を算出する(定量する)。反応電流の値が被検液中の尿酸濃度と相関関係にあることは、公知文献(例えば、Anal.Methods,2018.10,991-996,図3,4参照)に開示されている。したがって、反応電流の値と尿酸濃度との関係を予め求めておけば、測定した反応電流の値に基づいて尿酸濃度を定量することができる。
以上のような手順を経ることで、被検液である尿中の尿酸濃度を電気化学測定によって検出することが可能となる。
(効果)
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
(a)本実施形態において、作用電極12は、開口部15aを有するカバー部材15によって覆われている。そのため、作用電極12の露出面積は、作用電極12の外形形状によらずに、カバー部材15における開口部15aによって規制されることになる。したがって、本実施形態によれば、作用電極12の外形形状にばらつきが生じても、その影響が被検液中である尿中の尿酸濃度についての検出結果に及ぶのを抑制でき、その結果として尿中の尿酸濃度の検出精度向上を図る上で非常に好ましいものとなる。
また、本実施形態において、作用電極12には、台座部16が付帯して設けられている。そのため、作用電極12がチップ状であり、そのチップ厚さに起因してセンサ搭載面11aとの段差等が生じてしまう場合であっても、カバー部材15との接触面積を十分に確保できる。したがって、本実施形態によれば、開口部15aを有するカバー部材15の位置固定を、密着性を担保しつつ適切かつ確実に行うことができ、その結果として、作用電極12における一部領域12c以外の面を被検液である尿に触れないようにすることができる。
さらに、台座部16については、当接面16aとの高さ位置を作用電極12の検出面と揃えるようにしている。そのため、カバー部材15について、段差形状等を設けたり必要以上の剛性を与えたりする必要が無く、シート状のものを用いることができる。したがって、本実施形態によれば、作用電極12をカバー部材15によって密着性を担保しつつ適切かつ確実に覆いつつ、そのカバー部材15の低コスト化の実現、開口部15aの形成の容易化および高精度化等を図る上で、非常に有効である。
(b)本実施形態において、台座部16は、基材11と別部材で形成されている。そのため、基材11および台座部16のそれぞれにつき、平板状に形成された部材を用いることができ、加工コスト削減による低コスト化を実現する上で非常に有用であり、また台座部16の配置の自由度等についても十分に担保し得るようになる。
(c)本実施形態において、作用電極12は、ダイヤモンドチップによって構成されている。つまり、作用電極12は、酸化還元反応を生じさせるダイヤモンド膜12aと、そのダイヤモンド膜12aを支持する支持部材12bとを有しており、ダイヤモンド膜12aによって検出面が構成されている。そのため、物理的、化学的に安定した特性を示すダイヤモンド膜12aを利用しつつ、酸化還元反応により被検液中の特定成分(例えば、尿中の尿酸)を高感度で検出することが可能となる。
(d)本実施形態において、カバー部材15は、粘着テープ材を用いて形成されており、絶縁性を有するシート材と、そのシート材の少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とを有して構成されている。そのため、作用電極12を覆うための装着が容易であり、かつ、例えば打ち抜き金型の精度を制御することで、開口部15aの形成加工の高精度化が容易である。そのため、本実施形態によれば、作用電極12における電極露出面積を確実に規制することが可能になる。また、作用電極12の検出面への接着剤の流出等がなく、作用電極12による感度低下の問題が生じることもない。さらには、常温プロセスが可能となり、ロールtoロール実装も実現性が高くなる。したがって、本実施形態によれば、電気化学センサの量産性向上、低コスト化等に資するものとなる。
(e)本実施形態において、カバー部材15が有する開口部15aは、平面形状が非扁平な形状に形成されている。そのため、開口部15aが露出させる作用電極12の一部領域12cでの電界分布に不均一さが生じてしまうのを抑制でき、作用電極12による検出結果の精度向上を図る上で好ましいものとなる。
特に、平面形状が円形状に形成されていれば、電界分布の不均一さを確実に抑制することができ、作用電極12による検出結果の精度向上を図る上で非常に好ましいものとなる。
(f)本実施形態において、作用電極12は、例えば導電性テープ12eを利用したワイヤボンディングによって、基材11に形成された配線部12dと電気的に接続されている。このような接続態様であれば、作用電極12を構成する支持部材12bの導電性が低い場合であっても、被検液との電気化学反応で生じた電流を良好に取り出すことができる。
(g)本実施形態において、作用電極12とは別の第二センサ電極としての対電極13および参照電極14は、センサ電極としての当該作用電極12と並列配置されている。このような並列配置であれば、作用電極12と対電極13との間隔を十分に確保すること(すなわち、遠ざけること)が容易に実現可能となるので、作用電極12で進行させる電気化学反応(例えば酸化)に、対電極13で進行する電気化学反応(例えば還元)が影響を及ぼす可能性を抑制し得るようになる。
<第二実施形態>
次に、本開示の第二実施形態を説明する。ここでは、第一実施形態との相違点を説明する。
図3は、本開示の第二実施形態に係る電気化学センサの要部構成例を模式的に示す側断面図である。
図3に示すように、本実施形態に係る電気化学センサにおいて、作用電極12は、基材11に形成された配線部12dとフリップチップボンディングによって電気的に接続されている。具体的には、作用電極12が導電性を有する支持部材12bによって構成されており、その支持部材12bに形成された接続端子(ただし不図示)と配線部12dとが、はんだ材、銀(Ag)ペースト、導電性粘着テープ等の接続材12gを介して接続固定されている。
他の箇所は、第一実施形態の場合と同様に構成されている。
以上のような本実施形態における構成によれば、第一実施形態で説明した1つまたは複数の効果に加えて、以下に示す効果を奏する。
(h)本実施形態において、作用電極12は、フリップチップボンディングによって、基材11に形成された配線部12dと電気的に接続されている。このような接続態様であれば、被検液との電気化学反応で生じた電流を、支持部材12bを通じて取り出すことができるので、導電性テープ12eの配置スペースを必要とせず、電気化学センサを小型化させる上で非常に有用である。また、導電性テープ12eを必要とせず、作用電極12が直接配線部12d上に接続されるので、接続の信頼性向上が図れるようになる。
<第三実施形態>
次に、本開示の第三実施形態を説明する。ここでも、第一実施形態または第二実施形態との相違点を説明する。
図4は、本開示の第三実施形態に係る電気化学センサの要部構成例を模式的に示す側断面図である。
図4(a)に示すように、本実施形態に係る電気化学センサにおいて、基材11と作用電極12を挟んで対向する側には、第二基材18が配されて構成されている。第二基材18は、スペーサ部材17の介在により、カバー部材15と所定の間隔を空けて対向するように配されている。
第二基材18およびスペーサ部材17は、基材11と同様に、絶縁性材料によって形成されている。具体的には、第二基材18およびスペーサ部材17は、例えば、絶縁性を有する樹脂材料、セラミック、ガラス、プラスチック、可燃性材料、生分解性材料、不織布または紙等の絶縁性材料で形成することができる。また、例えば、PE、PET、エポキシ樹脂等を好適に用いることができる。また、絶縁性を有するように構成された半導体基材や金属基材を用いることもできる。なお、第二基材18とスペーサ部材17とは、同一材料によって形成されていてもよいし、基材11とが異なる材料によって形成されていてもよい。いずれの場合においても、第二基材18およびスペーサ部材17は、接着や溶着等の公知技術を利用して装着固定されているものとする。
カバー部材15と対向する第二基材18には、作用電極12と対面するように、当該作用電極12とは別の第二センサ電極としての対電極13および参照電極14が配置されている。これにより、本実施形態に係る電気化学センサは、作用電極12とは別の対電極13および参照電極14が、作用電極12と対向配置されて構成されていることになる。つまり、3つの電極(作用、参照、対極)12,13,14は、1つの同一面上に配置されるのではなく、作用電極12と対電極13および参照電極14とがそれぞれ異なる面に配置されているのである。
作用電極12と対電極13および参照電極14とが対向配置されていれば、並列配置の場合に比べて作用電極12と対電極13を近づけることが容易に実現可能となる。作用電極12と対電極13との間隔が近いと、これらの間の等電位線が平行になり(電気力線が直線に近づき)、電極面内の全域にわたって電気化学反応を均一な電界条件下で行い得るようになる。
なお、ここでは、第一実施形態と同様に、作用電極12がワイヤボンディング接続されている場合の構成を例示したが、必ずしもこれに限定されることはない。つまり、作用電極12は、図4(b)に示すように、第二実施形態と同様、フリップチップボンディング接続されていても構わない。
いずれの接続態様においても、他の箇所は、第一実施形態または第二実施形態の場合と同様に構成されている。
このような構成において、尿酸濃度の検出を行う場合には、カバー部材15と第二基材18との間に、被検液である尿を供給する。このとき、第二基材18に排出口18aを設けておけば、カバー部材15と第二基材18に囲われた空間に尿を供給する場合であっても、その供給を円滑に行うことが可能となる。なお、図例では、第二基材18に排出口18aが設けられている場合を示しているが、必ずしもこれに限定されることはない。例えば、カバー部材15、台座部16および基材11を貫くように排出口が設けられていてもよいし、スペーサ部材17に排出口が設けられていてもよい。また、カバー部材15の一部に切り欠いた溝パターンを形成し、その溝パターンを排出口としてもよい。尿を供給した後の尿酸濃度の検出処理動作は、第一実施形態または第二実施形態と同様である。
以上のような本実施形態における構成によれば、第一実施形態または第二実施形態で説明した1つまたは複数の効果に加えて、以下に示す効果を奏する。
(i)本実施形態において、作用電極12とは別の第二センサ電極としての対電極13および参照電極14は、センサ電極としての当該作用電極12と対向配置されている。このような対向配置であれば、並列配置の場合に比べて作用電極12と対電極13を近づけることが容易に実現可能となるので、これらの間の等電位線が平行になり(電気力線が直線に近づき)、電極面内の全域にわたって電気化学反応を均一な電界条件下で行い得るようになる。
また、本実施形態では、カバー部材15が作用電極12や導電性テープ12e等の配置スペースを覆っているので、3つの電極(作用、参照、対極)12,13,14を同一面上ではなく異なる面に対向配置させることが容易に行えるようになる。
<第四実施形態>
次に、本開示の第四実施形態を説明する。ここでも、第一実施形態、第二実施形態または第三実施形態との相違点を説明する。
図5は、本開示の第四実施形態に係る電気化学センサの要部構成例を模式的に示す側断面図である。
図5(a)に示すように、本実施形態に係る電気化学センサにおいて、基材11には、その一部を除去する加工によって凹部11bが形成されている。凹部11bの底面は、作用電極12や配線部12d等が配置され、センサ搭載面11aとして機能するようになっている。つまり、本実施形態において、作用電極12が配置されるセンサ搭載面11aは、基材11の一部除去によって形成されている。
凹部11bとして除去されなかった基材11の部分は、台座部16として機能するようになっている。つまり、本実施形態において、台座部16は、基材11と一体で形成されており、その基材11の一部を構成するようになっている。
以上のように構成された場合であっても、作用電極12に付帯して台座部16が設けられているので、その作用電極12の検出面12fと台座部16の当接面16aとの高さ位置が揃っていれば、カバー部材15の位置固定を、密着性を担保しつつ適切かつ確実に行うことができる。
なお、ここでは、第一実施形態と同様に、作用電極12がワイヤボンディング接続されている場合の構成を例示したが、必ずしもこれに限定されることはない。つまり、作用電極12は、図5(b)に示すように、第二実施形態と同様、フリップチップボンディング接続されていても構わない。
また、作用電極12と対電極13および参照電極14との配置についても、第一実施形態または第二実施形態と同様に、これらが並列配置されている場合の構成を例示したが、必ずしもこれに限定されることはない。つまり、作用電極12と対電極13および参照電極14との配置は、図5(c)または(d)に示すように、第三実施形態と同様、対向配置であっても構わない。その場合に、排出口18aを設けておけば、尿の供給を円滑に行えるようになるが、第三実施形態と同様、排出口18aの位置が特に限定されることはない。
以上のような本実施形態における構成によれば、第一実施形態~第三実施形態のいずれかで説明した1つまたは複数の効果に加えて、以下に示す効果を奏する。
(j)本実施形態において、台座部16は、基材11と一体で形成されており、その基材11の一部を構成するものとなっている。そのため、台座部16として別部材を用意する必要がなく、別部材の場合に比べて部品点数を削減することが可能となり、部品点数削減による低コスト化を実現する上で非常に有用である。
<変形例>
以上に、本開示の実施形態を具体的に説明したが、本開示は上述の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の各実施形態では、被検液が尿である例について説明したが、本開示はこのような態様に限定されない。例えば、被検液としては、尿の他、血液、唾液、鼻水、汗、涙等の体液であってもよい。また、被検液は人間由来のものに限定されず、例えば、犬や猫等の動物由来のものであってもよい。
上述の各実施形態では、被検液中に含まれる特定物質が尿酸である例について説明したが、本開示はこのような態様に限定されない。例えば、被検液中に含まれる特定物質としては、尿酸の他、尿糖、アルギニン、アルブミン等であってもよい。
上述の各態様では、被検液中の特定成分の濃度を三電極法により測定する例を説明したが、本開示はこのような態様に限定されない。例えば、被検液中の特定物質の濃度を、二電極法により測定してもよい。この場合、センサ電極は、作用電極と対電極(または参照電極)と、の2つの電極を有していればよい。
上述の各態様では、カバー部材15がシート状の粘着テープ材によって形成されているを説明したが、本開示はこのような態様に限定されない。例えば、基材11がプリント基板によって構成されている場合に、そのプリント基板上のレジスト膜をカバー部材15として用いるようにしてもよい。
<本開示の好ましい態様>
以下、本開示の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本開示の一態様によれば、
センサ搭載面を有する基材と、
前記センサ搭載面上に配されるチップ状のセンサ電極と、
前記センサ電極に付帯して設けられる台座部と、
前記センサ電極を覆うように配されるカバー部材と、
を備え、
前記センサ電極は、前記センサ搭載面に対向する面の反対側の面が被検液中の特定成分を検出するための検出面として機能するように構成されており、
前記台座部は、前記センサ搭載面からの高さ位置が前記検出面と揃うように配される当接面を有しており、
前記カバー部材は、前記検出面および前記当接面に接することで位置固定されるとともに、位置固定された状態で前記検出面の一部領域を露出させる開口部を有して構成されている
電気化学センサが提供される。
(付記2)
好ましくは、
前記台座部は、前記基材と別部材で形成されており、前記センサ電極に付帯して前記基材に装着されるように構成されている
付記1に記載の電気化学センサが提供される。
(付記3)
好ましくは、
前記センサ搭載面は、前記基材の一部除去によって形成されており、
前記台座部は、前記基材と一体で前記基材の一部を構成するものである
付記1に記載の電気化学センサが提供される。
(付記4)
好ましくは、
前記センサ電極は、前記被検液が付着した状態で印加電圧に応じた酸化還元反応を生じさせるダイヤモンド膜と、前記ダイヤモンド膜を支持する支持部材と、を有し、
前記ダイヤモンド膜によって前記検出面が構成されている
付記1から3のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記5)
好ましくは、
前記カバー部材は、絶縁性を有するシート材と、前記シート材の少なくとも一方の面に形成された粘着剤層と、を有して構成されている
付記1から4のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記6)
好ましくは、
前記開口部は、平面形状が非扁平な形状に形成されている
付記1から5のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記7)
好ましくは、
前記開口部は、平面形状が円形状に形成されている
付記6に記載の電気化学センサが提供される。
(付記8)
好ましくは、
前記センサ電極は、ワイヤボンディングによって前記基材に形成された配線部と電気的に接続される
付記1から7のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記9)
好ましくは、
前記センサ電極は、フリップチップボンディングによって前記基材に形成された配線部と電気的に接続される
付記1から7のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記10)
好ましくは、
前記センサ電極とは別の第二センサ電極が前記センサ電極と並列配置されて構成されている
付記1から9のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記11)
好ましくは、
前記センサ電極とは別の第二センサ電極が前記センサ電極と対向配置されて構成されている
付記1から9のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記12)
本開示の他の一態様によれば、
センサ搭載面を有する基材と、
前記センサ搭載面上に配されるチップ状のセンサ電極と、
前記センサ電極とは別の第二センサ電極と、
を備え、
前記センサ電極と前記第二センサ電極とが対向配置されて構成されている
電気化学センサが提供される。
(付記13)
好ましくは、
前記センサ電極を覆うように配されるカバー部材を備えており、
前記カバー部材には、前記センサ電極を覆うように位置固定された状態で、前記センサ電極における検出面の一部領域を露出させる開口部が設けられている
付記12に記載の電気化学センサが提供される。
(付記14)
好ましくは、
前記センサ電極に付帯して設けられる台座部を備えており、
前記センサ電極は、前記センサ搭載面に対向する面の反対側の面が被検液中の特定成分を検出するための検出面として機能するように構成されており、
前記台座部は、前記センサ搭載面からの高さ位置が前記検出面と揃うように配される当接面を有しており、
前記カバー部材は、前記検出面および前記当接面に接することで位置固定されるように構成されている
付記12または13に記載の電気化学センサが提供される。
11 基材
11a センサ搭載面
11b 凹部
12 作用電極
12a ダイヤモンド膜
12b 支持部材
12c 一部領域
12d 配線部
12e 導電性テープ
12f 検出面
12g 接続材
13 対電極
14 参照電極
15 カバー部材
15a 開口部
16 台座部
16a 当接面
17 スペーサ部材
18 第二基材
18a 排出口

Claims (11)

  1. センサ搭載面を有する基材と、
    前記センサ搭載面上に配されるチップ状のセンサ電極と、
    前記基材に形成される配線部の一部であって、前記センサ電極に電気的に接続される接続部と、
    前記センサ電極に付帯して設けられる台座部と、
    前記センサ電極を覆うように配されるカバー部材と、
    を備え、
    前記センサ電極は、前記センサ搭載面に対向する面の反対側の面が被検液中の特定成分を検出するための検出面として機能するように構成されており、
    前記台座部は、前記センサ電極および前記接続部を含む配置スペースを取り囲むように設けられるとともに、前記センサ搭載面からの高さ位置が前記検出面と揃うように配される当接面を有しており、
    前記カバー部材は、前記検出面および前記当接面に接することで位置固定されるとともに、位置固定された状態で、前記センサ電極および前記接続部を含む配置スペースを覆いつつ、前記検出面の一部領域を露出させる開口部を有して構成されている
    電気化学センサ。
  2. 前記台座部は、前記基材と別部材で形成されており、前記センサ電極に付帯して前記基材に装着されるように構成されている
    請求項1に記載の電気化学センサ。
  3. 前記センサ搭載面は、前記基材の一部除去によって形成されており、
    前記台座部は、前記基材と一体で前記基材の一部を構成するものである
    請求項1に記載の電気化学センサ。
  4. 前記センサ電極は、前記被検液が付着した状態で印加電圧に応じた酸化還元反応を生じさせるダイヤモンド膜と、前記ダイヤモンド膜を支持する支持部材と、を有し、
    前記ダイヤモンド膜によって前記検出面が構成されている
    請求項1から3のいずれか1項に記載の電気化学センサ。
  5. 前記カバー部材は、絶縁性を有するシート材と、前記シート材の少なくとも一方の面に形成された粘着剤層と、を有して構成されている
    請求項1から4のいずれか1項に記載の電気化学センサ。
  6. 前記開口部は、平面形状が非扁平な形状に形成されている
    請求項1から5のいずれか1項に記載の電気化学センサ。
  7. 前記開口部は、平面形状が円形状に形成されている
    請求項6に記載の電気化学センサ。
  8. 前記センサ電極は、ワイヤボンディングによって前記接続部と電気的に接続される
    請求項1から7のいずれか1項に記載の電気化学センサ。
  9. 前記センサ電極は、フリップチップボンディングによって前記接続部と電気的に接続される
    請求項1から7のいずれか1項に記載の電気化学センサ。
  10. 前記センサ電極とは別の第二センサ電極が前記センサ電極と並列配置されて構成されている
    請求項1から9のいずれか1項に記載の電気化学センサ。
  11. 前記センサ電極とは別の第二センサ電極が前記センサ電極と対向配置されて構成されている
    請求項1から9のいずれか1項に記載の電気化学センサ。
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