JP5978868B2 - 生体成分測定用の試験片、測定装置本体、およびそれらを含む生体成分測定装置 - Google Patents

生体成分測定用の試験片、測定装置本体、およびそれらを含む生体成分測定装置 Download PDF

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Description

この発明は、生体成分測定用の試験片に関し、より詳しくは、被験者の体液中の特定成分の濃度を測定するために体液が付着される試験片に関する。
また、この発明は、そのような試験片が装着され、被験者の体液中の特定成分の濃度を測定する測定装置本体に関する。
また、この発明は、そのような試験片と、その試験片が装着される測定装置本体とを備え、被験者の体液中の特定成分の濃度を測定する生体成分測定装置に関する。
従来、この種の生体成分測定用の試験片としては、例えば特許文献1(特許第4264478号公報)に開示されたものがある。同文献の試験片(バイオセンサ)は、長矩形状の基板と、上記基板の上面で、互いに離間して上記基板の長手方向に沿って延在する作用極および対極と、上記基板の一方の端部において上記作用極と上記対極との間を橋渡すようにして形成された試薬部と、上記基板の上記一方の端部から上記試薬部までの流路を形成するように上記基板上に設けられたスペーサおよびカバーを備えている。さらに、上記基板の上面で上記作用極と上記対極との間に、上記試験片の属性情報(例えば感度や測定項目に適合する検量線を選択するための情報)を出力する属性情報出力部が設けられている。上記基板の他方の端部では、上記作用極、上記対極が、それぞれ測定装置本体(濃度測定装置)の接点(端子部)に接触すべき電極端子を有するとともに、上記属性情報出力部が上記属性情報を出力するための複数のリード部が配置されている。
測定時には、被験者の体液が上記試験片(基板)の上記一方の端部に付着されるとともに、上記基板の上記他方の端部(上記作用極、上記対極のそれぞれの電極端子)が測定装置本体に設けられた接点に接触される。
上記基板の上記一方の端部に付着された体液は、毛細管現象により上記流路を通して上記試薬部に達して、電気化学反応により上記作用極と上記対極との間の電気抵抗を変化させる。測定装置本体は、上記基板上の上記作用極、上記対極を介して、電圧印加による上記試薬部の応答電流値を測定するとともに、上記複数のリード部を介して、上記属性情報出力部から上記属性情報を取得する。測定装置本体は、上記応答電流値と、上記属性情報に基づいて選択された検量線とに基づいて、上記体液中の特定成分の濃度の演算を行う。
これにより、試験片の感度にバラツキがあったとしても、不正確な濃度測定を防止するようにしている。
特許第4264478号公報
しかしながら、上記従来の試験片では、上記基板の上記他方の端部に、上記作用極、上記対極のそれぞれの電極端子に加えて、上記属性情報を出力するための複数のリード部が配置されている。つまり、上記試験片では、電極端子の数が多くなっている。これに応じて、測定装置本体の側でも、上記試験片の電極端子に接触すべき接点の数が多くなる。この結果、上記試験片、上記測定装置本体のそれぞれで、電極端子(または接点)の配列に高い寸法精度が要求され、製造が容易でないという問題がある。
そこで、この発明の課題は、被験者の体液中の特定成分の濃度を測定するために体液が付着される生体成分測定用の試験片であって、電極端子数を減らして電極端子の配列の寸法精度を緩和でき、したがって容易に製造可能なものを提供することにある。
また、この発明の課題は、そのような試験片が装着され、その試験片(特に、センサ部)の感度にバラツキがあったとしても、正確な濃度測定を行うことができる測定装置本体を提供することにある。
また、この発明の課題は、そのような試験片と、その試験片が装着される測定装置本体とを備え、被験者の体液中の特定成分の濃度を測定する生体成分測定装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の試験片は、
被験者の体液中の特定成分の濃度を測定するために、測定装置本体に装着されるとともに、上記体液が付着される生体成分測定用の試験片であって、
基板と、
上記基板上で、互いに離間して延在する作用極および対極を備え、これらの作用極および対極がそれぞれ測定装置本体に設けられた接点に接触すべき電極端子を有し、
上記基板上で、上記作用極と上記対極との間にまたがって形成され、被験者の体液によって電気化学反応を起こして電気特性の変化を生ずるセンサ部を備え、このセンサ部の電気抵抗は上記体液が接触していない状態では実質的に無限大であり、
上記基板上で、上記作用極と上記対極との間に、上記センサ部と電気的に並列に、この試験片の感度を含む属性情報を表す電気抵抗をもつ抵抗部が設けられていることを特徴とする。
本明細書で、被験者の体液中の特定成分とは、例えば血糖(グルコース)、コレステロール、乳酸などを指す。
また、測定装置本体の「接点」とは、「接点」、「端子」、「電極」、「電極端子」などの名称を問わず、上記作用極、上記対極の電極端子と接触して導通する部材を広く指す。
上記センサ部の「電気特性の変化」とは、起電流を生ずることや、電気抵抗が無限大から有限値になることなどを含む。
センサ部の電気抵抗が「実質的に無限大」であるとは、上記作用極と上記対極との間の電圧印加時に、そのセンサ部を通して流れる電流を無視できることを意味する。
また、試験片の「属性情報」とは、例えば、上記試験片のセンサ部の感度(例えば、上記体液中の特定成分の濃度と上記センサ部が生ずる起電流との対応関係)を表す情報や、測定すべき成分に適合する検量線を選択するための情報などを含むことができる。
この発明の試験片を用いて、被験者の体液中の特定成分の濃度は、次のようにして測定される。
まず、被験者の体液が上記試験片(のセンサ部)に付着されていない体液未付着状態で、上記試験片が測定装置本体に装着される。これにより、上記基板上の上記作用極、上記対極のそれぞれの電極端子が、測定装置本体の対応する接点に接触する。この状態で、測定装置本体は、上記基板上の上記作用極、上記対極を介して、上記センサ部と上記抵抗部との並列接続の電気抵抗を取得する。体液未付着状態では、上記センサ部の電気抵抗は、実質的に無限大である。その場合、この取得された電気抵抗は、実質的に上記抵抗部の電気抵抗に相当する。したがって、測定装置本体は、上記試験片の属性情報(感度を含む。)を表す電気抵抗を取得することができる。
次に、被験者の体液が上記試験片に付着されて上記センサ部に接触する(これを「体液付着状態」と呼ぶ。)。これにより、上記センサ部は、上記体液と電気化学反応を起こして、電気特性の変化を生ずる。例えば起電流を生ずる。上記センサ部の電気特性の変化後に、測定装置本体は、体液付着状態での上記センサ部と上記抵抗部との並列接続の電気特性を検出するとともに、上記センサ部と上記抵抗部との並列接続の電気特性から上記抵抗部の電気抵抗による影響(上記抵抗部の電気抵抗を通して流れる電流に相当する影響)を除去して、上記センサ部の電気特性を求める。
この後、測定装置本体は、体液付着状態での上記センサ部の電気特性と、上記抵抗部の電気抵抗が表す上記試験片の属性情報とに基づいて(例えば、上記試験片の感度に基づいて選択された検量線を用いて)、上記体液中の特定成分の濃度を算出する。これにより、試験片(特に、センサ部)の感度にバラツキがあったとしても、正確な濃度測定を行うことができる。
しかも、上記試験片では、上記基板の他方の端部の側に、上記作用極、上記対極の電極端子、つまり一対の電極端子を配置すれば足りる。したがって、従来に比して、電極端子数を減らして、電極端子の配列の寸法精度を緩和できる。これにより、この試験片は、容易に製造可能となる。
一実施形態の試験片では、上記センサ部の上記電気特性の変化は起電流を生ずることであることを特徴とする。
この一実施形態の試験片では、上記センサ部の上記電気特性の変化は起電流を生ずることである。すなわち、体液未付着状態では、上記センサ部の起電流はゼロであるが、体液付着状態では、上記センサ部は起電流を生ずる。したがって、体液付着状態で、測定装置本体は、上記作用極、上記対極を介して、例えば上記センサ部と上記抵抗部とに対して並列に電圧印加を行い、上記センサ部と上記抵抗部との並列接続に流れる電流を電気特性として検出する。そして、検出された電流から、上記抵抗部の電気抵抗による影響を除去することによって、上記センサ部の起電流(またはその起電流を増幅して得られた電圧等)を検出することができる。これにより、さらに正確な濃度測定を行うことができる。
一実施形態の試験片では、
上記基板上で上記センサ部に接する体液の量を規定するように、上記基板上に、互いに対向する側壁を形成するスペーサと、上記スペーサの上記互いに対向する側壁の間にまたがって上記センサ部を覆う平坦なカバーとが設けられる一方、
上記基板上で上記抵抗部が露出していることを特徴とする。
この一実施形態の試験片では、上記スペーサと上記カバーとによって、上記基板上で上記センサ部に接する体液の量が規定される。したがって、さらに正確な濃度測定を行うことができる。一方、上記基板上で上記抵抗部が露出している。したがって、上記基板上に上記スペーサと上記カバーとが設けられて上記試験片の電気特性が定まった後に、上記センサ部の感度に応じて上記抵抗部の電気抵抗を調節して設定することが容易になる。したがって、上記抵抗部の電気抵抗は、この試験片の属性情報、特に上記センサ部の感度を正確に表すことが可能になる。
一実施形態の試験片では、上記抵抗部は、上記作用極と上記対極との間にまたがって配置された細長いパターンをもつ抵抗層と、この抵抗層の長手方向に関して一部の領域上に付着され、上記抵抗層に流れようとする電流をバイパスさせる導電物とからなることを特徴とする。
この一実施形態の試験片では、作製時に、例えば上記基板上に、上記作用極、上記対極、上記細長いパターンをもつ抵抗層、および上記センサ部を形成した後、さらに、上記スペーサ、上記カバーが設けられる。これにより、上記試験片の電気特性が定まる。その後、上記抵抗層の長手方向に関して一部の領域上に、上記導電物が付着される。これにより、上記試験片の電気特性が定まった後に、上記センサ部の感度に応じて上記抵抗部の電気抵抗を容易に調節して設定することができる。
一実施形態の試験片では、上記抵抗部の電気抵抗の値は、300MΩから600MΩまでの範囲内であることを特徴とする。
この一実施形態の試験片では、上記抵抗部の電気抵抗の値は、300MΩから600MΩまでの範囲内であるから、さらに正確な濃度測定を行うことができる。
この発明の測定装置本体は、
被験者の体液中の特定成分の濃度を測定するために、上記試験片が装着される測定装置本体であって、
上記作用極、上記対極の電極端子とそれぞれ接触すべき接点を有するコネクタ部と、
上記コネクタ部を介して上記試験片の出力を検出する出力検出部と、
上記体液中の特定成分の濃度に関する測定の制御を行う制御部と、
上記体液中の特定成分の濃度に関する測定結果を報知するための報知部とを搭載し、
上記制御部は、
被験者の体液が上記試験片に付着されていない体液未付着状態で、上記試験片の出力に基づいて上記抵抗部の電気抵抗を取得し、
被験者の体液が上記試験片に付着されて上記センサ部に接触した体液付着状態で、上記試験片の出力に基づいて上記センサ部と上記抵抗部との並列接続の電気特性を検出するとともに、上記センサ部と上記抵抗部との並列接続の電気特性から上記抵抗部の電気抵抗による影響を除去して、上記センサ部の電気特性を求め、
上記体液付着状態での上記センサ部の電気特性と、上記抵抗部の電気抵抗が表す上記試験片の属性情報とに基づいて、上記体液中の特定成分の濃度を算出する処理を実行することを特徴とする。
この発明の測定装置本体によれば、上記試験片(特に、センサ部)の感度にバラツキがあったとしても、正確な濃度測定を行うことができる。
この発明の生体成分測定装置は、
被験者の体液中の特定成分の濃度を測定するために、上記試験片と、上記試験片が装着される測定装置本体とを備えた生体成分測定装置であって、
上記測定装置本体に設けられ、上記作用極および上記対極の電極端子とそれぞれ接触すべき接点を有するコネクタ部と、
上記コネクタ部を介して上記試験片の出力を検出する出力検出部と、
上記体液中の特定成分の濃度に関する測定の制御を行う制御部と、
上記体液中の特定成分の濃度に関する測定結果を報知するための報知部とを備え、
上記制御部は、
被験者の体液が上記試験片に付着されていない体液未付着状態で、上記試験片の出力に基づいて上記抵抗部の電気抵抗を取得し、
被験者の体液が上記試験片に付着されて上記センサ部に接触した体液付着状態で、上記試験片の出力に基づいて上記センサ部と上記抵抗部との並列接続の電気特性を検出するとともに、上記センサ部と上記抵抗部との並列接続の電気特性から上記抵抗部の電気抵抗による影響を除去して、上記センサ部の電気特性を求め、
上記体液付着状態での上記センサ部の電気特性と、上記抵抗部の電気抵抗が表す上記試験片の属性情報とに基づいて、上記体液中の特定成分の濃度を算出する処理を実行することを特徴とする。
この発明の生体成分測定装置によれば、上記試験片(特に、センサ部)の感度にバラツキがあったとしても、正確な濃度測定を行うことができる。
しかも、上記試験片では、上記基板の他方の端部の側に、上記作用極、上記対極の電極端子、つまり一対の電極端子を配置すれば足りる。したがって、従来に比して、上記試験片の電極端子数とともに、上記コネクタ部の接点数を減らすことができる。したがって、上記試験片の電極端子および上記コネクタ部の接点の配列の寸法精度を緩和できる。したがって、この生体成分測定装置は、容易に製造可能となる。
以上より明らかなように、この発明の試験片によれば、電極端子の数を減らして寸法精度を緩和でき、したがって容易に製造可能となる。
この発明の測定装置本体によれば、上記試験片(特に、センサ部)の感度にバラツキがあったとしても、正確な濃度測定を行うことができる。
また、この発明の生体成分測定装置によれば、そのような試験片と、その試験片が装着される測定装置本体とを備え、被験者の体液中の特定成分の濃度を測定することができる。
この発明の一実施形態の生体成分測定用の試験片とその試験片が装着される測定装置本体とを備えた生体成分測定装置を示す斜視図である。 上記試験片を分解状態で示す図である。 図3(A)は上記試験片を示す平面図、図3(B)は上記試験片の等価回路を示す図である。 上記生体成分測定装置の機能的なブロック構成を示す図である。 図5(A),(B),(C)は、典型的な形態の抵抗部を有する試験片を示す図である。 図6(A)〜(P)は、上記試験片の抵抗部の様々な形態を示す図である。 上記試験片からの出力を検出する回路の、体液未不着状態における出力を説明する図である。 上記試験片からの出力を検出する回路の、体液不着状態における出力を説明する図である。 図9(A)は参考例としての一般的な試験片を示す平面図、図9(B)はその試験片の等価回路を示す図である。 上記参考例の試験片からの出力を検出する回路の、体液未不着状態における出力を説明する図である。 上記参考例の試験片からの出力を検出する回路の、体液不着状態における出力を説明する図である。 上記生体成分測定装置による、血液中の特定成分の濃度を測定するための処理フローを示す図である。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態の生体成分測定装置(全体を符号1で示す。)を斜めから見たところを示している。この生体成分測定装置1は、大別して、被験者の体液中の特定成分の濃度を測定するために体液が付着される試験片10と、その試験片10が装着される測定装置本体(以下、単に「本体」という。)50とを備えている。体液中の特定成分としては、例えば血糖(グルコース)、コレステロール、乳酸などが挙げられる。
(試験片の構成)
試験片10は、図2(分解状態を示す。)によって良く分かるように、基板11と、スペーサ16と、カバーシート18とを含んでいる。なお、図2中には、XYZ直交座標を併せて示している。
基板11は、この例では絶縁性のプラスチック材料からなり、一方向(図2におけるX方向)に細長く延在する矩形の形状を有している。
基板11の上面11a(図2における+Z側の面)に、作用極12および対極13が、互いに離間して、X方向に沿って細長く帯状に延在して設けられている。これらの作用極12および対極13は、導電性カーボンペースト等をスクリーン印刷することにより形成されている。これらの作用極12、対極13は、X方向に関して基板11の一方の端部11eの側(−X側)の領域で、それぞれX方向に対して垂直な+Y方向、−Y方向に屈曲して、全体としてL字状の形態とされている。X方向に関して基板11の一方の端部11eと反対の他方の端部11fの側(+X側)の領域で、作用極12、対極13の端部12f,13fが電極端子として設定されている。これらの電極端子12f,13fは、この試験片10が本体50に装着されたとき、それぞれ本体50に設けられた後述する接点62,63に接触することが予定されている。
作用極12、対極13の端部(L字の短辺)12e,13eは、X方向に関して互いに離間している。それらの作用極12、対極13の端部12e,13eの間にまたがって、この例では円形の試薬層からなるセンサ部15が設けられている。
このセンサ部15は、メディエータ(電子伝達物質)に対して酸化還元酵素を分散させた固形のものとして形成されている。電子伝達物質としては、フェリシアン化カリウムなどの鉄錯体や、NH3を配位子とするRu錯体が用いられる。酸化還元酵素は、測定の対象となる特定成分の種類によって選択される。例えば、血糖(グルコース)を測定する場合は、酸化還元酵素としてグルコースデヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼなどが用いられる。コレステロールを測定する場合は、酸化還元酵素としてコレステロールデヒドロゲナーゼ、コレステロールオキシダーゼなどが用いられる。乳酸を測定する場合は、酸化還元酵素として乳酸デヒドロゲナーゼ、乳酸オキシダーゼなどが用いられる。
この例では、センサ部15は、血糖(グルコース)を測定するために、鉄錯体またはRu錯体に、グルコースデヒドロゲナーゼまたはグルコースオキシダーゼを分散させて構成されているものとする。
作用極12、対極13のX方向に関して略中央の領域で、作用極12と対極13との間にまたがって、センサ部15と電気的に並列に、抵抗部14が設けられている。抵抗部14は、この試験片10の感度を含む属性情報を表す電気抵抗Rcをもつ。ここで、「属性情報」とは、例えば、試験片10の感度を表す情報や、測定すべき成分に適合する検量線を選択するための情報などを含むことができる。この例では、抵抗部14の電気抵抗Rcは、300MΩから600MΩまでの範囲内で、16段階に設定されるものとする。
典型的には、抵抗部14は、図3(A)の平面図に示すように、作用極12と対極13との間にまたがって配置されたY方向に細長く延在するパターンをもつ抵抗層41と、この抵抗層41のY方向に関して一部の領域上に付着された導電物42とからなる。この導電物42は、抵抗層41に流れようとする電流をバイパスさせて、全体として抵抗部14の電気抵抗Rcを低下させるように働く。なお、抵抗部14がとり得る様々な形態については、後に詳述する。
図2中に示すように、基板11上には、さらに、略平板状のスペーサ16と、平坦なカバーとしてのカバーシート18とが、この順に接着して設けられている。
スペーサ16とカバーシート18は、それぞれ絶縁性のプラスチック材料からなり、概ね、X方向に細長く延在する矩形の形状を有している。スペーサ16とカバーシート18のY方向寸法は、基板11のY方向寸法と一致している。スペーサ16とカバーシート18のX方向寸法は、基板11のX方向寸法よりも短く設定されている。具体的には、X方向に関して基板11の一方の端部11eの側(−X側)の領域で、スペーサ16とカバーシート18の端部16e,18eが基板11の端部11eと同じ位置にあるが、X方向に関して基板11の一方の端部11eと反対の他方の端部11fの側(+X側)の領域で、スペーサ16とカバーシート18の端部16f,18fが基板11の端部11fよりも後退した位置にある。これにより、作用極12、対極13の端部12f,13fが電極端子として露出している。したがって、これらの電極端子12f,13fは、この試験片10が本体50に装着されたとき、それぞれ本体50の後述する接点62,63に接触することができる。
スペーサ16の−X側の端部16eは、基板11の端部11eからセンサ部15までの流路17を構成するように、略コの字状に窪んでいる。これにより、スペーサ16は、互いに対向する側壁16a,16bと、それらをつなぐ側壁16cとを有している。
カバーシート18の−X側の端部18e近傍の領域は、スペーサ16の互いに対向する側壁16a,16bにまたがってセンサ部15を覆う。
これにより、基板11の−X側の端部11eに付着された体液は、例えば毛細管現象により流路17を通してセンサ部15に達する。そして、センサ部15上に、体液の層が、スペーサ16の高さに応じた一定の層厚をもつ状態に形成される。したがって、基板11上でセンサ部15に接触して測定対象となる体液の量が定まって、正確な濃度測定を行うことができる。
なお、カバーシート18のうち、流路17に面する側壁16c近傍で、かつセンサ部15に直に対向しない部分に、空気抜き用の貫通孔を設けておいても良い。これにより、基板11の−X側の端部11eに付着された体液が毛細管現象により流路17に浸入するときに、流路17に存在していた空気がその貫通孔を通して逃げる。したがって、体液が流路17に容易に浸入することが可能になる。
スペーサ16とカバーシート18は、基板11上の抵抗部14に対応する領域に、それぞれ開口16w,18w(これらを併せて「開口W」と呼ぶ。)を有している。これにより、基板11上で、開口Wを通して抵抗部14が露出した状態になっている。したがって、基板11上にスペーサ16とカバーシート18とが設けられて試験片10の電気特性が定まった後に、センサ部15の感度に応じて抵抗部14の電気抵抗Rcを調節して設定することが容易になる。
完成状態では、試験片10は、図3(B)の等価回路のように、センサ部15と抵抗部14との並列接続として表される。
被験者の体液(血液)が試験片10のセンサ部15に付着されていない状態(これを「体液未付着状態」と呼ぶ。)では、センサ部15の電気抵抗は、実質的に無限大である。その場合、センサ部15と抵抗部14との並列接続の電気抵抗は、実質的に抵抗部14の電気抵抗Rcに相当する。
一方、被験者の血液が試験片10に付着されてセンサ部15に接触した状態(これを「体液付着状態」と呼ぶ。)では、図3(B)中に示すように、センサ部15は電流源として起電流を生ずる。血糖値とセンサ部15の起電流との対応関係は、一例として、次の表1のレベルである。
(表1)
Figure 0005978868
この表1は、例えば、血糖値が90mg/dLであれば、センサ部15は0.1nAの電流を発生することを表す。血糖値が180mg/dLであれば、センサ部15は1.3nAの電流を発生する。血糖値が600mg/dLであれば、センサ部15は7.0nAの電流を発生する。
ただし、現状の量産技術では、この血糖値とセンサ部15の起電流との対応関係(この例では、これを検量線として表す。)は、例えば試験片の製造ロット毎にバラツキを有する。起電流から血糖値を精度良く算出するためには、センサ部15の感度に応じた検量線を用いるのが望ましい。抵抗部14の電気抵抗Rcを参照して、その電気抵抗Rcが表す感度に応じた検量線を用いるのが望ましい。
(本体の構成)
図1に示すように、本体50は、ユーザ(典型的には、被験者)が片手で持つことができるような略直方体状のケーシング50Mを備えている。ケーシング50Mの前面(図1における上面)に、報知部として働く表示部55と、ユーザが操作するための操作部56とが設けられている。
ケーシング50Mの端面には、矢印Aに示すように試験片10(基板11)の端部11fが挿入されるべきコネクタ部61が設けられている。試験片10の端部11fがコネクタ部61に挿入されると、試験片10の作用極12、対極13の電極端子12f,13fがそれぞれコネクタ部61に設けられた接点62,63と接触して導通する。これらの接点62,63は、弾性を有する略くの字状の金属板からなり、その金属板の屈曲箇所(くの字の頂点)が試験片10の電極端子12f,13fと接触するように下方へ向けられている。
また、本体50のケーシング50M内には、図4のブロック図に示すように、出力検出部51と、演算部52とが搭載されている。
出力検出部51は、コネクタ部61を介して試験片10の出力を検出する。
演算部52は、制御部としてのCPU(Central Processing Unit)53と、メモリ54とを含んでいる。
メモリ54は、この生体成分測定装置1を制御するためのプログラムのデータ、血糖値とセンサ部15の起電流との間の対応関係を表す検量線のデータ、および、測定結果のデータなどを記憶する。この例では、検量線のデータは、試験片10(センサ部15)の感度のバラツキ(つまり、血糖値とセンサ部15の起電流との間の対応関係のバラツキ)に対応できるように、16種類記憶されている。また、このメモリ54は、プログラムが実行されるときのワークメモリとしても用いられる。
CPU(Central Processing Unit)53は、メモリ54に記憶されたプログラムに従って、この生体成分測定装置1を制御する。なお、具体的な制御の仕方については、後述する。
表示部55は、この例では、液晶ディスプレイまたはEL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイからなっている。この表示部55は、演算部52によって制御されて、体液中の特定成分の濃度(この例では、血糖値)に関する測定結果や、その他の情報を表示する。
操作部56は、図1中に示すように、3つの押しボタンスイッチ57,58,59を含んでいる。中央の押しボタンスイッチ58は、この生体成分測定装置1の動作をオン、オフするためなどに用いられる。両側の押しボタンスイッチ57,59は、メモリ54に記録された過去の測定結果を繰り下げたり、繰り上げたりして表示部55上に表示させるために用いられる。
図7中に示すように、出力検出部51は、具体的には、電源電位VCCとその電源電位Vccよりも低い電位VEEとの間に接続された演算増幅器(以下「オペアンプ」と呼ぶ。)68と、このオペアンプ68の反転入力端子(−)と出力端子(出力電圧Voutを出力する端子)との間に接続された帰還抵抗(抵抗値をR2とする。)69と、試験片10の作用極12に所定の電圧Vinを印加する電源(図示せず)とを含んでいる。試験片10の対極13からの出力電流が、試験片10の出力として、オペアンプ68の反転入力端子(−)に入力される。オペアンプ68の非反転入力端子(+)は接地されている。この構成により、出力検出部51は、試験片10の出力(出力電流)に応じた出力電圧Voutを出力する。
ここで、試験片10の電気抵抗をR1とすると、オペアンプ68の出力電圧は、一般的に、
Vout=−(R2/R1)×Vin …(1)
として表される。
(測定方法)
次に、図12の処理フローを用いて、この生体成分測定装置1による血液中の血糖値の測定方法を説明する。
i) まず、図12中のステップS1に示すように、本体50のCPU53は、コネクタ部61に試験片10が装着されたか否かを判断する。
この例では、CPU53は、コネクタ部61に試験片10が装着されたか否かを、図7中に示した出力検出部51の出力電圧Voutの変化に基づいて判断する。すなわち、試験片10が未装着であれば、出力検出部51の出力電圧Voutは実質的にゼロであるが、体液未付着状態で試験片10が装着されると、上記式(1)において、R1=Rc(有限値)となることから、出力検出部51の出力電圧Voutは、
Vout=−(R2/Rc)×Vin …(2)
となり、実質的にゼロでない値を示す。CPU53は、この出力電圧Voutの変化に基づいて、コネクタ部61に試験片10が装着されたか否かを判断する(R2、Vinの値、Rcの値の範囲は、既知であるものとする。)。
具体的には、出力電圧Voutがとるべき値の範囲は、上記式(2)にしたがって、R2、Vinの値、Rcの値の範囲に応じて定まる。そこで、出力電圧Voutがとるべき値に対して予め下限値V、上限値Vを設定しておく。そして、この段階で出力電圧Voutが下限値Vと上限値Vとの間であれば、体液未付着状態で試験片10が装着されたと判断する。出力電圧Voutが下限値Vを下回っていれば、または、出力電圧Voutが上限値Vを超えていれば、例えば、使用済みの試験片10が装着されたなど、何らかの異常が発生したと判断する(この場合、表示部55に異常が発生した旨を表示させる。)。
なお、それに代えて、または、それに加えて、試験片10が装着されたことを、この段階で被験者が操作部56の押しボタンスイッチ58(図1参照)を押すことにより入力するようにしても良い。これにより、CPU53は、体液未付着状態で試験片10が装着されたことを確実に判断することができる。
ii) 次に、体液未付着状態で試験片10が本体50に装着されるものとする。これにより、基板11上の作用極12、対極13のそれぞれの電極端子12f,13fが、本体50の対応する接点62,63(図1参照)に接触する。この状態で、図12中のステップS2に示すように、CPU53は、試験片10の属性情報を表す電気抵抗Rcを取得する。
具体的には、体液未付着状態では、センサ部15の電気抵抗Rcは、実質的に無限大である。その場合、図7中に示すように、電圧Vinの印加により、基板11上の作用極12、抵抗部14、対極13、帰還抵抗69を介して、電流(これをiとする。)が流れる。この体液未付着状態で、CPU53は、出力検出部51の出力電圧Vout(これをVout1とする。)を検出する。これによって、CPU53は、次式(3)のように試験片10の属性情報(この例では、センサ部15の感度、つまり、表1に例示したような血糖値とセンサ部15の起電流との対応関係)を表す電気抵抗Rcを算出することができる。
Rc=−R2×(Vin/Vout1) …(3)
この電気抵抗Rcが表す、血糖値とセンサ部15の起電流との対応関係は、既述のメモリ54(図4参照)に検量線として記憶されている。
iii) 抵抗部14の電気抵抗Rcの取得が完了すると、図12中のステップS3に示すように、CPU53は、測定準備が完了した旨を表示部55に表示させて、ユーザに報知する。例えば、「測定準備が完了しました」と表示させる。それに代えて、または、それに加えて、被験者が試験片10に血液を付けるのを促すように、「試験片に血液を付けてください」と表示させても良い。
iv) 次に、図12中のステップS4に示すように、CPU53は、試験片10に血液が付けられたか否かを判断する。
この例では、CPU53は、試験片10に血液が付けられたか否かを、出力検出部51の出力電圧Voutの変化に基づいて判断する。すなわち、体液未付着状態では、出力検出部51の出力電圧Voutは既述のVout1であるが、体液付着状態では、図8中に示すように、センサ部15は、血液と電気化学反応を起こして、電気特性の変化として起電流(これをiとする。)を生ずる。その場合、電圧Vinの印加により、基板11上の作用極12、センサ部15と抵抗部14との並列接続、対極13、帰還抵抗69を介して、電流(これをI=i+iとする。)が流れる。この体液未付着状態で、CPU53は、この電流Iに応じた出力検出部51の出力電圧Vout(これをVout2とする。)を検出する。CPU53は、この出力電圧VoutのVout1からVout2への変化に基づいて、試験片10に血液が付けられたか否かを判断する。
具体的には、この段階で出力電圧Vout2が既述の上限値Vを超えたら、試験片10に血液が付けられたと判断する。
なお、それに代えて、または、それに加えて、試験片10に血液が付けられたことを、この段階で被験者が操作部56の押しボタンスイッチ58(図1参照)を押すことにより入力するようにしても良い。これにより、CPU53は、試験片10に血液が付けられたことを確実に判断することができる。
v) この体液付着状態で、図12中のステップS5に示すように、CPU53は、センサ部15と抵抗部14との並列接続の電気特性を検出するとともに、ステップS6に示すように、センサ部15と抵抗部14との並列接続の電気特性から抵抗部14の電気抵抗Rcによる影響を除去して、センサ部15の電気特性を求める。
具体的には、CPU53は、上記電流Iに応じた出力検出部51の出力電圧Vout2を検出する。この出力電圧Vout2から、抵抗部14の電気抵抗Rcによる影響としてVout1(すなわち、抵抗部14の電気抵抗Rcを通して流れる電流i分)を差し引いて除去する。そして、センサ部15の電気特性として起電流iを、次式(4)のように算出する。
=(Vout2−Vout1)/R2 …(4)
vi) 次に、図12中のステップS7に示すように、CPU53は、体液付着状態でのセンサ部15の起電流iと、抵抗部14の電気抵抗Rcが表す試験片10の検量線(メモリ54に記憶されている)とに基づいて、血液中の血糖値を算出する。
vii) この後、図12中のステップS8に示すように、CPU53は、算出された血糖値を表示部55に表示させて、ユーザに報知する。例えば、「血糖値 180mg/dL」のように表示させる。それとともに、CPU53は、その血糖値をメモリ54に記憶させる。メモリ54に記憶された血糖値は、ユーザ(例えば、被験者)が操作部56の押しボタンスイッチ57,59を押すことによって、表示部55上に表示させることができる。
このようにして、この生体成分測定装置1によれば、試験片10(特に、センサ部15)の感度にバラツキがあったとしても、被験者の血液中の血糖値を正確に測定することできる。
しかも、上述の試験片10では、基板11の他方の端部11fの側に、作用極12、対極13の電極端子12f,13f、つまり一対の電極端子12f,13fを配置すれば足りる。したがって、従来に比して、試験片10の電極端子数とともに、コネクタ部61の接点数を減らすことができる。したがって、試験片10の電極端子12f,13fおよびコネクタ部61の接点62,63の配列の寸法精度を緩和できる。したがって、この生体成分測定装置1は、試験片10とともに、容易に製造可能となる。
(参考例)
図9(A)は、参考例としての一般的な試験片100の平面図であり、図9(B)はその試験片100の等価回路を示している。この試験片100は、既述の試験片10に対して、抵抗部14を省略した点のみが異なっている。その他の構成は、既述の試験片10と同様である。
図10に示すように、この試験片100が本体50に装着されたとしても、体液未付着状態では、センサ部15の電気抵抗R1は実質的に無限大であるから、試験片100(したがって、帰還抵抗69)を通して電流が流れることがない。したがって、出力検出部51の出力電圧Voutは実質的にゼロである。
図11に示すように、体液付着状態では、センサ部15が起電流(これをiとする。)が生ずることから、電圧Vinの印加により、試験片100の基板上の作用極12、センサ部15、対極13、帰還抵抗69を介して、電流iが流れる。この体液付着状態で、CPU53は、電流iに応じた出力検出部51の出力電圧Voutを検出することができる。
しかし、この試験片100では抵抗部14が省略されているため、この試験片100自体から、感度を含む属性情報を取得することができない。このため、試験片100の感度にバラツキを補正することが容易ではない。
(試験片の抵抗部がとり得る形態)
図5(A),(B),(C)は、試験片10として、典型的な3つの形態の抵抗部14A,14N,14Pを備えたものを示している。
図5(A)の試験片では、抵抗部14Aは、作用極12と対極13との間にまたがって配置された細長く延在するパターンをもつ抵抗層41と、この抵抗層41の中央の領域上に付着された円形の1個の導電物42Aとからなっている。同様に、図5(B)の試験片では、抵抗部14Nは、作用極12と対極13との間にまたがって配置された細長く延在するパターンをもつ抵抗層41(図5(A)中の抵抗層41と同じもの)と、この抵抗層41の中央の領域上に付着された円形の1個の導電物42Nとからなっている。導電物42Aのサイズは比較的小さいが、導電物42Nのサイズは比較的大きく設定されている。図5(C)の試験片では、抵抗部14Pは、作用極12と対極13との間にまたがって配置された細長く延在するパターンをもつ抵抗層41(図5(A)中の抵抗層41と同じもの)と、この抵抗層41の中央の領域上に付着された円形の2個の導電物42P−1,42P−2とからなっている。
上述の導電物42A,42N,42P−1,42P−2は、いずれも、抵抗層41に流れようとする電流をバイパスさせて、全体として抵抗部14の電気抵抗Rcを低下させるように働く。したがって、例えば抵抗層41の電気抵抗を600MΩ超に設定しておき、導電物42のサイズを可変して設定することで、抵抗部14の電気抵抗Rcの範囲を、300MΩから600MΩまでの範囲内に設定することができる。
図6(A),(B),…,(P)は、その方式で、抵抗部14の電気抵抗Rcの値を、300MΩから600MΩまでの範囲内で16段階に設定した例を示している(各抵抗部を符号14A,14B,…,14Pで区別して表している。)。これらの抵抗部14A,14B,…,14Pでは、抵抗層41は同じものであり、作用極12と対極13との間にまたがって配置された細長く延在するパターンをもっている。抵抗部14A,14B,…,14Nでは、各1個の導電物42A,42B,…,42Nのサイズが段階的に大きくなるように設定されている。抵抗部14A,14Bでは、各2個の導電物42O−1,42O−2;42P−1,42P−2のサイズが段階的に大きくなるように設定されている。
このようにして、抵抗部14の電気抵抗Rcの値を、300MΩから600MΩまでの範囲内で16段階に設定することができる。この例では、抵抗部14A,14B,14C,…,14Pの電気抵抗は、それぞれ600MΩ,580MΩ,560MΩ,…,300MΩというように、20MΩずつ段階的に低くなるように設定されている。
このような試験片10では、作製時に、例えば基板11上に、作用極12、対極13、抵抗層41、およびセンサ部15を形成した後、さらに、開口16w,18wを有するスペーサ16、カバーシート18が設けられる。これにより、試験片10の電気特性が定まる。その後、抵抗層41の長手方向に関して一部の領域上に、開口Wを通して、導電物42A,42B,…,42N,42O−1,42O−2,42P−1,42P−2が付着される。これにより、試験片10の電気特性が定まった後に、センサ部15の感度に応じて抵抗部14の電気抵抗Rcを容易に調節して設定することができる。したがって、抵抗部14A,14B,…,14Pの電気抵抗Rcは、この試験片10の属性情報、特にセンサ部15の感度を正確に表すことが可能になる。
抵抗層41は、例えばカーボンを含む導電性プラスチックを、スクリーン印刷により厚さ数μm程度に印刷し、硬化させて形成されている。
導電物42A,42B,…,42N,42O−1,42O−2,42P−1,42P−2は、例えば上記抵抗層41をなす導電性プラスチックよりも高濃度でカーボンを含む導電性プラスチックを、ポッティング法により40μm〜80μmの厚さに付着し、硬化させて形成されている。
上記抵抗部14の形成の仕方は、これに限られるものではなく、他の様々な形成の仕方が可能である。
例えば、上記抵抗部14を、基板11上で、作用極12と対極13との間にまたがって抵抗シートを接着することによって形成しても良い。作製時に、例えば基板11上に、抵抗層41無しで、作用極12、対極13、およびセンサ部15を形成した後、さらに、開口Wを有するスペーサ16とカバーシート18を設ける(開口Wのサイズは、作用極12、対極13の一部を露出させるサイズとしておく。)。これにより、試験片10の電気特性が定まる。その後、開口Wを通して、作用極12と対極13との間にまたがって抵抗シートを接着する。これにより、試験片10の電気特性が定まった後に、センサ部15の感度に応じて上記抵抗部14を構成することができる。なお、抵抗シートの抵抗値は、試験片10の感度を含む属性情報を表すように、可変して段階的(上の例では16段階)に設定するものとする。
上の例では、体液中の特定成分として例えば血液中の血糖(グルコース)を測定する場合に着目して説明したが、これに限られるものではない。センサ部15の試薬層を公知材料から適切に選択することによって、血液中のコレステロール、乳酸の濃度を測定することもできる。
また、メモリ54に記憶されている生体成分測定プログラムを、メモリその他の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体(メモリ、ハードデイスクドライブ、光ディスクなど)にエンコードしておき、汎用コンピュータに上述の測定方法を実行させても良い。
また、上の例では、生体成分測定装置1をスタンドアローンの装置として構成したが、これに限られるものではない。本体50は、通信部を有していても良い。この通信部は、CPU53による測定結果(血液中の血糖値など)を表す情報を、ネットワークを介して外部の装置に送信したり、外部の装置からの情報を、ネットワークを介して受信して制御部に受け渡したりする。これにより、例えば被験者がネットワークを介して医師のアドバイス等を受けることが可能になる。このネットワークを介した通信は、無線、有線のいずれでも良い。
以上の実施形態は例示であり、この発明の範囲から離れることなく様々な変形が可能である。
1 生体成分測定装置
10 試験片
11 基板
12 作用極
13 対極
12f,13f 電極端子
14 抵抗部
50 本体
55 表示部
61 コネクタ部
62,63 接点

Claims (7)

  1. 被験者の体液中の特定成分の濃度を測定するために、測定装置本体に装着されるとともに、上記体液が付着される生体成分測定用の試験片であって、
    基板と、
    上記基板上で、互いに離間して延在する作用極および対極を備え、これらの作用極および対極がそれぞれ測定装置本体に設けられた接点に接触すべき電極端子を有し、
    上記基板上で、上記作用極と上記対極との間にまたがって形成され、被験者の体液によって電気化学反応を起こして電気特性の変化を生ずるセンサ部を備え、このセンサ部の電気抵抗は上記体液が接触していない状態では実質的に無限大であり、
    上記基板上で、上記作用極と上記対極との間に、上記センサ部と電気的に並列に、この試験片の感度を含む属性情報を表す電気抵抗をもつ抵抗部が設けられていることを特徴とする試験片。
  2. 請求項1に記載の試験片において、
    上記センサ部の上記電気特性の変化は起電流を生ずることであることを特徴とする試験片。
  3. 請求項1または2に記載の試験片において、
    上記基板上で上記センサ部に接する体液の量を規定するように、上記基板上に、互いに対向する側壁を形成するスペーサと、上記スペーサの上記互いに対向する側壁の間にまたがって上記センサ部を覆う平坦なカバーとが設けられる一方、
    上記基板上で上記抵抗部が露出していることを特徴とする試験片。
  4. 請求項3に記載の試験片において、
    上記抵抗部は、上記作用極と上記対極との間にまたがって配置された細長いパターンをもつ抵抗層と、この抵抗層の長手方向に関して一部の領域上に付着され、上記抵抗層に流れようとする電流をバイパスさせる導電物とからなることを特徴とする試験片。
  5. 請求項1から4までのいずれか一つに記載の試験片において、
    上記抵抗部の電気抵抗の値は、300MΩから600MΩまでの範囲内であることを特徴とする試験片。
  6. 被験者の体液中の特定成分の濃度を測定するために、請求項1に記載の試験片が装着される測定装置本体であって、
    上記作用極、上記対極の電極端子とそれぞれ接触すべき接点を有するコネクタ部と、
    上記コネクタ部を介して上記試験片の出力を検出する出力検出部と、
    上記体液中の特定成分の濃度に関する測定の制御を行う制御部と、
    上記体液中の特定成分の濃度に関する測定結果を報知するための報知部とを搭載し、
    上記制御部は、
    被験者の体液が上記試験片に付着されていない体液未付着状態で、上記試験片の出力に基づいて上記抵抗部の電気抵抗を取得し、
    被験者の体液が上記試験片に付着されて上記センサ部に接触した体液付着状態で、上記試験片の出力に基づいて上記センサ部と上記抵抗部との並列接続の電気特性を検出するとともに、上記センサ部と上記抵抗部との並列接続の電気特性から上記抵抗部の電気抵抗による影響を除去して、上記センサ部の電気特性を求め、
    上記体液付着状態での上記センサ部の電気特性と、上記抵抗部の電気抵抗が表す上記試験片の属性情報とに基づいて、上記体液中の特定成分の濃度を算出する処理を実行することを特徴とする測定装置本体。
  7. 被験者の体液中の特定成分の濃度を測定するために、請求項1に記載の試験片と、上記試験片が装着される測定装置本体とを備えた生体成分測定装置であって、
    上記測定装置本体に設けられ、上記作用極、上記対極の電極端子とそれぞれ接触すべき接点を有するコネクタ部と、
    上記コネクタ部を介して上記試験片の出力を検出する出力検出部と、
    上記体液中の特定成分の濃度に関する測定の制御を行う制御部と、
    上記体液中の特定成分の濃度に関する測定結果を報知するための報知部とを備え、
    上記制御部は、
    被験者の体液が上記試験片に付着されていない体液未付着状態で、上記試験片の出力に基づいて上記抵抗部の電気抵抗を取得し、
    被験者の体液が上記試験片に付着されて上記センサ部に接触した体液付着状態で、上記試験片の出力に基づいて上記センサ部と上記抵抗部との並列接続の電気特性を検出するとともに、上記センサ部と上記抵抗部との並列接続の電気特性から上記抵抗部の電気抵抗による影響を除去して、上記センサ部の電気特性を求め、
    上記体液付着状態での上記センサ部の電気特性と、上記抵抗部の電気抵抗が表す上記試験片の属性情報とに基づいて、上記体液中の特定成分の濃度を算出する処理を実行することを特徴とする生体成分測定装置。
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