JP2009109328A - マイクロウェル電気化学的検出装置および電気化学的検出方法 - Google Patents

マイクロウェル電気化学的検出装置および電気化学的検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】新たなマイクロウェル電気化学的検出装置と電気化学的検出方法を提供する。
【解決手段】基板、基板の主表面に、電極およびこの電極に導通する配線、電極と接触した状態で溶液を保持するためのウェルを有するウェルプレート並びにスペーサーを有するマイクロウェル電気化学的検出装置。ウェルプレートは、貫通孔を有するプレート部と、貫通孔の一方の開口から延在するスカート状部を有し、貫通孔とスカート状部の内壁とでウェルを形成し、隣接するウェル同士は距離を置いて配置され、スペーサーは、ウェルプレートと基板の間隔を保持するものであり、かつ、スカート状部の開放末端が、基板、電極および配線と非接触状態にあり、かつウェルに保持される溶液が、基板、電極および配線と前記スカート状部の開放末端から、溶液の表面張力で流出しないように、間隔を設定する。上記装置を用いる電気化学的検出方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロウェル電気化学的検出装置およびこの装置を用いた電気化学的検出方法に関する。
遺伝子工学、医薬品、食品、農業などの分野における分析、検査、測定などをおこなうために、ウェル内に電極を設けたマイクロウェルプレートが用いられている(特許文献1〜3参照)。例えば、DNAチップにおいては、ガラス基板上に金電極を形成しチップを作成し、その上に、ウェルプレートを設置する。
ウェル内に電極を設けたマイクロウェルプレートは、電極を設けた基板と、マイクロウェルを有するウェルプレートとを一体成型するのが難しい。このような場合、基板とウェルプレートを接着剤や粘着剤を用いて接合するか、加熱等により溶着する必要がある。図14《従来技術図》に示すように、電極を設けた基板と孔の空いたウェルプレートを何らかの方法で接合して、基板とウェルプレートとを接合する。例えば、シール材を挟み圧着する方法や、接着剤や粘着剤を用い貼り付ける方法、熱や溶剤で溶着する方法がとられている。
特表2002-522749号公報 特表2002-527747号公報 特開2006-98337号公報
しかし、接着剤や粘着材を用いる場合は溶剤や接着剤や粘着材の成分が溶出する恐れや、溶着を用いる場合は加熱が必要であり、基板に悪影響を及ぼす恐れがあった。このため、基板上に電極等の異種材料を形成してある場合、接合が困難であった。さらに、接着剤等の硬化収縮や溶着による接合部の収縮によりマイクロウェルプレートに残留応力が生じてしまう場合や、基板とウェルプレートの熱収縮率が大きく異なる場合、上記により接合した場合加熱により変形してしまう恐れがあった。
例えば、DNAチップにおいは、溶剤等が溶出や熱により測定結果に影響が出る恐れから、シリコン樹脂を圧着する方法をとってきた。シリコン樹脂等を用いシール材により密着させる方法もあるが、基板に応力がかかり損傷する恐れや、ウェルの数が多くなると均一に密着させるのが困難となる。さらに、毛細管現象による電極配線部の凹凸からの液漏れを防ぐことが出来ず、また再使用のためシリコンを剥離する際に電極配線部にダメージを与えるなど問題が多かった。
そこで本発明は、溶剤や接着剤や粘着材及び熱等によるマイクロウェルプレートの変性や変形の心配がなく、電極配線部の凹凸からの液漏れを防止でき、再使用のためシリコンを剥離する際に電極配線部にダメージを与えることもない、新たなマイクロウェル電気化学的検出装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は、上記マイクロウェル電気化学的検出装置を用いた、電気化学的検出方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明者らが検討した結果、マイクロウェルをスカート状とし、このスカート状部の開放末端と基板との間の隙間において、溶液が表面張力と、ウェルの貫通孔による毛細管現象とにより保持されること、これにより、電極配線部からの液漏れを防ぐことができること、さらには再使用の際に電極配線部にダメージを与えることもないことを見いだして本発明を完成させた。
本発明は、以下のとおりである。
[1]基板、
この基板の主表面の少なくとも一部に、少なくとも1つの電極およびこの電極に導通する配線、
上記電極と接触した状態で溶液を保持するための少なくとも1つウェルを有するウェルプレート並びに
スペーサー
を有するマイクロウェル電気化学的検出装置であって、
前記ウェルプレートは、少なくとも1つの貫通孔を有するプレート部と、前記貫通孔の一方の開口から延在するスカート状部を有し、貫通孔とスカート状部の内壁とでウェルを形成し、
隣接するウェル同士は距離を置いて配置され、
前記スペーサーは、前記ウェルプレートと前記基板の間隔を保持するものであり、かつ、前記スカート状部の開放末端が、前記基板、電極および配線と非接触状態にあり、かつウェルに保持される溶液が、前記基板、電極および配線と前記スカート状部の開放末端から、溶液の表面張力で流出しないように、前記間隔を設定する、
前記装置。
[2]前記貫通孔と前記スカート状部の数が2〜1000の範囲である[1]に記載の装置。
[3]前記スカート状部の開放末端の端面と対向する基板との隙間は、0.1μm〜1mmの範囲である[1]または[2]に記載の装置。
[4]前記貫通孔と前記スカート状部とで形成されるウェルの内容積が0.1〜1000μlの範囲である[1]〜[3]のいずれかに記載の装置。
[5]隣接するウェルの間に隔離空間を設けることで、隣接するウェル同士は距離を置いて配置され、前記隔離空間は高さ0.1mm以上、幅0.2mm以上の範囲である[1]〜[4]のいずれかに記載の装置。
[6]前記ウェルプレートと基板は、脱着および/または交換が可能である[1]〜[5]のいずれかに記載の装置。
[7]DNAチップとして用いられる[1]〜[6]のいずれかに記載の装置。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の装置を用い、前記装置の電極表面にDNAプローブを固定化し、被検体を含む試料溶液を、前記ウェルに添加し、次いで前記プローブと前記試料溶液中に含まれる被検体との相互作用を電気化学的に検出する、電気化学的検出方法。
本発明によれば、溶剤や接着剤や粘着材及び熱等によるマイクロウェルプレートの変性や変形の心配がなく、電極配線部の凹凸からの液漏れを防止でき、再使用のためシリコンを剥離する際に電極配線部にダメージを与えることもない、新たなマイクロウェル電気化学的検出装置を提供することができる。
さらに、上記マイクロウェル電気化学的検出装置によれば、基板面とウェルプレートが密着することなく、溶液を保持出来るので、再利用の際に、基板上に形成した電極や配線に損傷を与えることなくマイクロウェルプレートを解体及び再組み立てができる。
本発明のマイクロウェル電気化学的検出装置を図1《代表図》に基づいて説明する。図1の上図は断面図、下図は平面図である。
本発明のマイクロウェル電気化学的検出装置は、試料溶液の表面張力と毛細管現象を利用して、試料溶液をウェル中に保持することを特徴とするマイクロウェルプレートと電極とを組み合わせた装置である。この装置では、接着剤や粘着剤、溶着など接合方法を用いず、基板1面とウェルプレート2との間に隙間16を設け、溶液の表面張力を利用して、ウェル中に溶液保持可能とするマイクロウェルプレートである。
本発明の装置は、基板1、基板1の主表面の少なくとも一部に、少なくとも1つの電極4およびこの電極4に導通する配線5、上記電極4と接触した状態で溶液3を保持するための少なくとも1つウェル13を有するウェルプレート2並びにスペーサー7を有する。
本発明の装置においては、基板1とウェルプレート2は、離間しており、密着していないことから、基板1上に形成された電極4や配線5があっても溶液保持可能であり、基板1とウェルプレート2の脱着および/または交換が容易である。
基板1は、例えば、硼けい酸ガラス、石英ガラス、シリコン、合成樹脂、金属等の材料から構成されることができる。電極4は、例えば、貴金属電極(例えば、金、白金、パラジウム、ロジウム等)、カーボン電極、酸化物電極(例えば、酸化チタン、酸化スズ、酸化マンガン、酸化鉛等)等の材料から構成されることができる。配線5は、例えば、電極4と同じ材料金属配線(銅、クロム、アルミ、チタン等)、導電性樹脂等の材料から構成されることができる。
ウェルプレート2は、少なくとも1つの貫通孔10を有するプレート部11と、前記貫通孔10の一方の開口から延在するスカート状部12を有し、貫通孔10とスカート状部12の内壁とでウェル13を形成する。プレート部11とスカート状部12とは、一体成形されたものであることができ、一体成形品は、例えば、合成樹脂(例えばアクリル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂等)、金属等の材料で作成することができる。
貫通孔とスカート状部とで形成されるウェルの内容積は、装置を使用する用途に応じて適宜決定できるが、例えば、0.1〜1000μlの範囲であることができる。但し、これに限定されない。
本方法によればウェルの貫通孔の径と高さを変化させることで溶液保持容量を増減させることが可能であり、かつウェルの集積化も可能である。さらに、貫通孔の開口10から、溶液の追加や吸入ピペッティング等による混合操作を容易に行うことができる。さらに、基板1とウェルプレート2と溶液の接する接触角のいずれかが90°以内であれば隙間部分16へは毛細管現状により溶液が確実に充填されることから、通常のマイクロウェルプレートのように、溶液を凹部で保持する場合と比べ微量溶液で電極の必要な部分に溶液を容易に供給することが出来る。このような構造とすることにより、溶液が外気と接触する部分が少なくなることから、溶液の乾燥や汚染を防止することもできる。
貫通孔とスカート状部の数(ウェルの数)は、特に制限はないが、例えば、2〜1000個の範囲であることができ、好ましくは4〜100個の範囲、さらに好ましくは8〜50個の範囲である。
前記スペーサー7は、前記ウェルプレート2と前記基板1の間隔を保持するものであり、かつ、前記スカート状部12の開放末端14が、前記基板1、電極4および配線5と非接触状態にあり、かつウェル13に保持される溶液3が、前記基板1、電極4および配線5と前記スカート状12部の開放末端14との間の隙間16から、溶液3の表面張力で流出しないように、前記間隔16を設定する。スペーサー7は、一端がウェルプレート2と接着または一体構造(一体成形品)となっているか、あるいは基板1と接着または一体構造(一体成形品)となっていることができる。あるいは、スペーサー7は、ウェルプレート2及び基板1のいずれとも別の部材であることもできる。
基板1に対向して、スペーサー7により隙間16を設けてウェル13を形成したウェルプレート2を配置することにより、溶液3を注入しても隙間16に進入した溶液の表面張力と貫通孔の毛細管現象により溶液の保持が可能である。隣接するウェル同士は距離を置いて配置され、各ウェルに保持された溶液が接触しないようにする。具体的には、隣接するウェル13との間には隙間16に対し十分大きな高さと間隔を持った隔離空間15を設けることにより、各ウェルにおいて、独立したウェルを形成できる。隔離空間は、例えば、高さ0.1mm以上、幅0.2mm以上の範囲であることができる。
このとき図2A《液保持メカニズム図》に示すように、基板1及びウェルプレート2と溶液3の接触角θにより液滴保持の形態が変化するが、ガラス対アルコールのように接触角θ≒0°であるような場合においても溶液の表面張力によりスカート状部に溶液がまとわりつき、液滴保持可能である。図2Aには、基板1及びウェルプレート2と溶液3の接触角θが異なる5つの場合について、隙間16における溶液の保持の状態を模式的に示す。ここで接触角θは固体平面上に溶液を滴下したときに、平面と液滴の接線とのなす角度であり、ウェルプレート同じ材質の平面と溶液のなす接触角をθ、基板と同じ材質の平面と溶液のなす接触角をθとする。
(1) ウェルプレート:親水性 θ1≦90° 、基板:親水性 θ2≦90°
(2) ウェルプレート:親水性 θ1≒ 0° 、基板:親水性 θ2≒ 0°
(3) ウェルプレート:親水性 θ1≦90° 、基板:撥水性 90°<θ2
(4) ウェルプレート:撥水性 90°<θ1、基板:親水性 θ2≦90°
(5) ウェルプレート:撥水性 90°<θ1、基板:撥水性 90°<θ2
さらに、図2Bには、これらの場合について、ウェルに溶液を入れる前の写真を左側に示し、ウェルに溶液を入れた後の写真を右側に示す。前記図2Aに模式的に示した状態(1)〜(5)が、実際に得られることが、図2Bの(1)〜(5)《液保持メカニズム写真》の写真から分かる。
図2A及びBの(2)における場合のように、基板1またはウェルプレート2の溶液と接触する表面の溶液に対する接触角が0゜となるようなぬれ性の高い場合であっても溶液保持可能である。基板1またはウェルプレート2の表面の溶液と接触する表面のいずれかまたは両方の溶液に対する接触角は、隙間に溶液保持が可能であるという観点から90゜以内とすることが好ましい。好ましくは、溶液保持が容易であることからウェルプレートの表面の溶液と接触する溶液の接触角は90°以内となるような材質を用いることが好ましい。
スカート状部の開放末端の端面と対向する基板との間の隙間は、例えば、0.1μm〜1mmの範囲であることができる。スカート状部の開放末端の端面と基板との隙間(距離)は、基板上に滴下した溶液が形成する水滴の高さ、または基板とスカート状部の開放末端の端面により毛管架橋が可能である距離以下であれば液滴保持可能であるが、広すぎると溶液の表面張力による溶液の保持が難しくなる傾向がある。また広すぎると、液滴挿入時や、ピペッティング操作等による圧力変動により液滴が漏れ出しやすくなる傾向がある。そのため、隙間は狭い方がよく、0.1μm〜1mmの範囲、好ましくは1〜500μmの範囲、さらに好ましくは1〜100μmの範囲とする。
隔離空間の高さ及び幅は、ウェルプレートと溶液の接触角により適宜決定されるが、例えば、高さは0.1mm以上、幅は0.2mm以上であることができる。好ましくは、高さは0.5mm、幅は1.0mm以上である。但し、これに限定されない。また、ウェルプレート及び基板と溶液との接触角が90°以上の場合はこの限りではない。尚、高さの上限は、ウェルプレートの厚み(貫通孔の高さとプレート部の厚み)によって決定され、また、幅の上限は、ウェルの集積度(必要ないならばいくら離れていても良い)により決まる。
ウェルプレートは基板に密着していないことから、基板またはウェルプレートの表面の溶液と接触する表面のいずれかまたは両方の溶液に対する接触角は90゜以内であれば、溶液が隙間に充填されるため図3《細貫通孔図》の様に電極4にスカート状部12の開放末端の端面がかかってもよい。
溶液保持部の隙間16においては電極4の上部に、図4a左《段差液保持図》に示すように、スカート状部12の開放末端の端面に段差を設けるか、あるいは図4b左《曲面液保持図》に示すように、スカート状部12の開放末端の端面に曲面を設けて、狭ギャップ部6を形成して間隔16を変化させることができる。図4a及びbにおいては、左右のウェル中の液量が異なって表示されている。上記のように端面に段差や曲面を設けることにより、図4a及びbに示すように、溶液の充填量にばらつきがある場合や、乾燥等により溶液が少なくなった場合においても、電極部分に溶液を保持することが可能である。
スカート状部並びに貫通孔の形状は必ずしも円筒形である必要はなく、また断面の形状についても図5aの《異形断面図1》、bの《異形断面図2》の様に、液量や注入のしやすさに応じて種々の形状をとることができる。
隙間16の形成は、スペーサー7を図1《代表図》に示すように、ウェルプレートと基板1の間に立設することで行うが、図6《スペーサー隙間設置図》に示すように、スカート状部12の開放末端の端面と基板1の間であって、配線などにかからない場所にスペーサー7aを立設することもできる。
また、ウェルプレート2と基板1とはスペーサー7を介して離設されており、スペーサー7は、ウェルプレート2及び基板1の一方または両方と脱着可能な構造とすることができ、接着や接合の必要がないことから、ウェルプレート2の基板1からの脱着・交換を容易におこなうことができる。
ウェルプレート2と基板1とは接着や接合されておらず、溶液を保持した状態のまま基板上をウェルプレートが移動してもウェルプレートに溶液が保持されたまま移動可能であることから、図7aおよびb《ウェル移動図》の様に隣接するウェルに洗浄液3や測定液14を配置し、必要に応じてウェルプレートを移動させることにより、電極の洗浄や溶液の交換が可能である。
例えば図8a〜c《ウェル脱着図》に示すように、溶液3(例えば、DNA溶液)を添加し電極4に、例えば、DNAプローブを固定化した後、一旦ウェルプレート2を取り外し、基板1及び電極4を洗浄・乾燥した後、改めて別のウェルプレートを取り付け、測定液をウェルに充填し、測定を行うことが出来る。この際、容量やサイズの異なることなるウェルプレートへの交換も可能である。尚、図8の装置では、スペーサー7は、ウェルプレート2に固定されており、基板1の表面にスペーサー7の末端を挿入し固定できる凹みが設けられている。
また、図9《連結スリット図》や図10《連絡路図》に示す様にウェル同士を連結スリットや連結路で接続することもできる。図9の上図は連結スリット17を横切る位置での断面図である。下図は平面図である。図10の上図は連結路18を横切る位置での断面図である。下図は平面図である。このように複数のウェルの間に連結スリット17または連結路18を設けることにより、DNA溶液を一つのウェルに注入するだけで隣接するウェルまで液滴充填可能であり、また測定時において近接する電極間を連結することにより任意の電極間の計測が可能である。
同様に図11《異電極連結図》に示す様にパターンの異なるウェルプレートを複数用意することにより、一つの基板で複数の電極間の計測が可能となる。図11のaは、図1に示すと同様のウェルプレート2であり、bは、下図に平面図を示すように、2つのウェル13aを連結路18で連結した、平面形状が瓢箪状のウェルを有するウェルプレートである。図11bにおいては、隣り合う2つの電極対の各1つを測定対象としている。
本発明の装置は、例えば、DNAチップとして用いられる。DNAチップ以外には、例えば、タンパクチップ、酵素チップ、バイオチップ等として使用できる。その場合、電極4の表面には、DNA・タンパク質・酵素・抗体固定化部または吸着部を設けるか、あるいは固体触媒、金属触媒等を被覆することができる。
[電気化学的検出方法]
本発明は、上記本発明の装置を用い、前記装置の電極表面に被検体となる試料溶液を、前記ウェルに添加し、次いで前記プローブと前記試料溶液中に含まれる被検体との相互作用を電気化学的に検出する、電気化学的検出方法に関する。
本発明の方法では、被検体となるゲノムDNA3種類(Wild Homozygote、Heterozygote、Mutant Homozygote)を、このゲノムDNAの遺伝子型に応じて、増幅または増幅しないように設計した2種類のプライマーを用いてPCR増幅した。
このとき、プライマーにチオール基(−SH)を組み込み、増幅したDNAがAu−S結合により金電極に固定化されるようにした。
得られたPCR産物を精製後、リン酸バッファーを用い濃度を調整し測定用DNA溶液とした。
ウェルプレートは、図12《ウェルプレート形状》に平面図(上図)、正面図(下左図)及び側面図(下右図)を示すように、アクリル材を用い、外径をφ3.5mm高さ2.5mmのスカート状部に、内径φ2.7mm、高さ(深さ)3.5mmの貫通孔を有したウェルを作成し、ウェルの間隔が5.08mmとなるよう4つ並べこれを2列配置し8ウェルとした。このときウェルは1mmの厚みを持ったプレート部によって保持され、隔離空間の高さ(プレート部下面とスカート状部の開放末端の端面までの距離)は2.5mmであり、隣接するスカート状部同士の最短距離は1.58mmとなる。
8個のウェルの外側となる四隅にはウェルプレートと一体となるスペーサーを配置し、スカート状部の開放末端の端面に対して5μmだけ高く設けられている。
パイレックスガラス上にセンタ間隔が5.08mmとなる直径φ2.54mmの円内に収まるように、面積1.4mm2となる半円状の金電極を対にした対向電極を、上記ウェルプレートのウェルの位置に合わせ複数配置した電極をイオンプレーティング又はスパッタによりCr70nmの上にAu100nmパターニング成形し基板を準備した。このとき半円状の電極からは幅0.25mmの配線が同じ方法で成型されており、ウェルプレート外部まで配線が伸びている。図13《実施例図》に、平面図(上図)、正面図(中左図)及び側面図(中右図)を、電極及び配線を設けた基板と図12に示したと同様のウェルプレートを一緒に示す。下図は、電極及び配線を設けた基板の平面図である。
基板を硫酸化水にて5分洗浄後、基板の上にこの電極部に合わせてウェルプレートを固定した。ことの時ウェルプレートのスペーサーが基板となるパイレックスガラス上に接地するによりウェルは基板に対し5μmの間隔を持って保持されている。
ピペットによりウェルに測定用DNA溶液を10μl滴下し、5分間放置して電極にDNAを固定化した。この状態で、更にウェルにフェリフェロ溶液を2.5μl滴下した。
対向電極を構成する2つの電極に配線を介して、交流インピーダンス測定装置に接続し、電極の交流インピーダンスを測定する。交流インピーダンスの測定方法およびハイブリダイズの有無の解析方法等は、特開2004−177399に記載の方法を利用できる。
プライマーによりDNAが増幅している場合、金電極上にDNAが固定されているが、増幅されないDNAの場合は当然DNAが絶対量が存在しないことから、金電極表面のインピーダンス変化でPCR増幅の有無を判定できる。
これにより、未知のDNA被検体が与えられた場合、DNAの型の判定が可能となる。
本発明は、DNAチップ等のマイクロウェル電気化学的検出の分野に利用可能である。
本発明の装置の一例の断面説明図《代表図》。 本発明の装置の液滴保持状態《液保持メカニズム図》。 本発明の装置の液滴保持状態《液保持メカニズム写真》。 本発明の装置の一例の断面説明図《細貫通孔図》。 本発明の装置の一例の断面説明図。a《段差液保持図》、b《曲面液保持図》 本発明の装置の一例の断面説明図。a《異形断面図1》、b《異形断面図2》 本発明の装置の一例の断面説明図《スペーサー隙間設置図》。 本発明の装置の一例の断面説明図《ウェル移動図》。 本発明の装置の一例の断面説明図《ウェル脱着図》。 本発明の装置の一例の断面説明図《連結スリット図》。 本発明の装置の一例の断面説明図《連絡路図》。 本発明の装置の一例の断面説明図《異電極連結図》。 ウェルプレートの例《ウェルプレート形状》。 ウェルプレートの使用状態《実施例図》。 従来技術の一例の断面説明図《従来技術図》。
符号の説明
1:基板
2:ウェルプレート
3:溶液
4:電極
5:配線
6:狭ギャップ部
7:スペーサー
10:貫通孔
11:プレート部
12:スカート状部
13:ウェル
14:開放末端
15:隔離空間
16:隙間
17:連結スリット
18:連結路
19:接着剤・シール剤等

Claims (8)

  1. 基板、
    この基板の主表面の少なくとも一部に、少なくとも1つの電極およびこの電極に導通する配線、
    上記電極と接触した状態で溶液を保持するための少なくとも1つウェルを有するウェルプレート並びに
    スペーサー
    を有するマイクロウェル電気化学的検出装置であって、
    前記ウェルプレートは、少なくとも1つの貫通孔を有するプレート部と、前記貫通孔の一方の開口から延在するスカート状部を有し、貫通孔とスカート状部の内壁とでウェルを形成し、
    隣接するウェル同士は距離を置いて配置され、
    前記スペーサーは、前記ウェルプレートと前記基板の間隔を保持するものであり、かつ、前記スカート状部の開放末端が、前記基板、電極および配線と非接触状態にあり、かつウェルに保持される溶液が、前記基板、電極および配線と前記スカート状部の開放末端から、溶液の表面張力で流出しないように、前記間隔を設定する、
    前記装置。
  2. 前記貫通孔と前記スカート状部の数が2〜1000の範囲である請求項1に記載の装置。
  3. 前記スカート状部の開放末端の端面と対向する基板との隙間は、0.1μm〜1mmの範囲である請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記貫通孔と前記スカート状部とで形成されるウェルの内容積が0.1〜1000μlの範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
  5. 隣接するウェルの間に隔離空間を設けることで、隣接するウェル同士は距離を置いて配置され、前記隔離空間は高さ0.1mm以上、幅0.2mm以上の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の装置。
  6. 前記ウェルプレートと基板は、脱着および/または交換が可能である請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
  7. DNAチップとして用いられる請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の装置を用い、前記装置の電極表面にDNAプローブを固定化し、被検体を含む試料溶液を、前記ウェルに添加し、次いで前記プローブと前記試料溶液中に含まれる被検体との相互作用を電気化学的に検出する、電気化学的検出方法。
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