JP7515802B1 - 主筋に連結される補強筋および補強筋の連結方法 - Google Patents

主筋に連結される補強筋および補強筋の連結方法 Download PDF

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Abstract

【課題】主筋に容易に接続可能で、工数およびコストを削減することができる補強筋および補強筋の連結方法を提供する。【解決手段】この補強筋10は、筋本体が閉鎖型形状で、自然状態では中途に第1の連結隙間20を有する。外力により筋本体12の両端部12a,12b同士が接近するように弾性変形させ、第1の連結隙間20よりも小さな第2の連結隙間21で対向した状態で、筋本体12の両端部12a,12bの雄ねじ12cを連結部材14の雌ねじ14cにねじ込むことで、筋本体12の各端部12a,12bに、筋本体の弾性復元力により、連結部材14から抜け出る方向に弾性力が作用する。【選択図】図2

Description

本発明は、鉄筋コンクリートにおける柱や梁の主筋に連結される補強筋とその連結方法に関する。
従来、コンクリート造りの梁や柱を造る場合、主筋の外周に補強筋を取り付けて強度の向上を図っている。その際、補強筋を主筋に巻き付けて補強筋の両端部を互いに溶接したり、主筋に掛止したりして主筋に取り付けている。しかし、溶接による方法では、品質が安定せず、また、溶接を行うために高い性能の継手が要求され、コスト増加の要因となっている。主筋に掛止する方法では、配筋構造が複雑になり、現場での作業性が悪い。
主筋を接続する方法として、ねじ式鉄筋継手を用いることで、配筋構造の簡素化や工期の短縮を図ることが提案されている(例えば、特許文献1)。この提案例では、ロックナットを設けることで、がた付きを無くすことについても提案されている。
国が定める鉄筋継手の性能判定基準は、SA級、A級、B級、C級の4つの段階に分けられる。主筋はSA級またはA級等の使用が認められているが、補強筋はB級およびC級の鉄筋継手の使用も認められている。SA級およびA級の鉄筋継手には、応力作用時の許容すべり量が定められているが、B級およびC級の鉄筋継手にはすべり量の規定はない。そのため、補強筋においては、基準の強度、剛性等が満たされている場合、B級およびC級の鉄筋継手を使用する方がコストおよび過度の要求品質等を避ける面でメリットがある。
特許第5869716号
前記ねじ式鉄筋継手を補強筋に用いることで、配筋の簡素化、工期の短縮を実現することが期待される。しかし、所定の性能を満たすためには、ロックナットを設けるか、または、SA級もしくはA級の鉄筋継手を使用する必要がある。そのため、ロックナットを設ける場合は、ロックナットを設けない場合と比較して、ロックナットを所定のトルクで締め付ける工数が余分にかかるという問題がある。ロックナットを設けない場合は、SA級もしくはA級といった高機能の鉄筋継手の実現が難しく、鉄筋継手のねじ精度を高める等コストが増加する。
本発明の目的は、閉鎖型形状の補強筋を主筋に容易に取付けることを可能とし、補強筋を連結部材に接続する際の工数、コストを削減することを目的とする。
本発明の補強筋は、
複数の主筋を外周から取り巻く補強筋であって、
筋本体が閉鎖型形状であり、自然状態では中途に第1の連結隙間を有し、
外力により両端部同士が接近するように弾性変形されて前記第1の連結隙間よりも小さな第2の連結隙間で対向した状態で、連結部材により前記筋本体の両端部がねじ連結されており、連結状態で前記筋本体の弾性復元力により、前記両端部の雄ねじのねじ山が前記連結部材の雌ねじのねじ山に、前記両端部が前記連結部材から抜け出る方向に接触している。
この構成によると、第1の連結隙間を有する筋本体の両端部に雄ねじを形成し、筋本体が閉じる方向に外力を与えて、連結部材の雌ねじにねじ込む。これにより、筋本体の各端部に、連結部材から抜け出す方向に弾性復元力が作用する。その結果、雄ねじと雌ねじが一定の力で接触した状態となることで、連結部材が筋本体の両端部に固定されるから、ロックナットを使用せずに、補強筋に必要な引張強度や剛性が確保できる。したがって、筋本体を連結部材に接続する際の工数を削減することができ、さらに、過度の性能は不必要であるため、B級やC級といった引張強度の低い安価な鉄筋継手を使用することが可能となる。なお、閉鎖型形状とは、矩形、円形、楕円形等であって、一つの閉じられた領域を形成している形状のことをいう。
本発明の補強筋の連結方法は、
複数の主筋を外周から補強筋で取り巻く際に、
筋本体を閉鎖型形状に曲げて、自然状態では中途に第1の連結隙間を与え、
外力により前記筋本体を、その両端部同士が接近するように弾性変形させて前記第1の連結隙間よりも小さな第2の連結隙間で対向した状態で、連結部材により筋本体の両端部をねじ連結し、この連結状態で筋本体の弾性復元力により、前記両端部の雄ねじのねじ山を前記連結部材の雌ねじのねじ山に、前記両端部が前記連結部材から抜け出る方向に接触させる。
この方法によると、第1の連結隙間を有する筋本体の両端部に雄ねじを形成し、筋本体が閉じる方向に外力を与えて、連結部材の雌ねじにねじ込む。これにより、筋本体の各端部に、連結部材から抜け出す方向に弾性復元力が作用する。その結果、雄ねじと雌ねじが一定の力で接触することで、連結部材が筋本体の両端部に固定されるから、ロックナットを使用せずに、補強筋に必要な性能が確保できる。したがって、筋本体を連結部材に接続する際の工数を削減することができ、さらに、過度の性能は不必要であるため、B級やC級といった安価な鉄筋継手を使用することが可能となる。
本発明の主筋は、
少なくとも一端部に雄ねじが形成された複数の筋本体と、
両端から前記雄ねじが挿入される挿入孔を有する連結部材とを備え、
前記連結部材の挿入孔に前記雄ねじのねじ山が挿入されており、
前記連結部材と前記ねじ山とが径方向へのかしめによって結合されている主筋。
この構成によると、重ね継手により連結された主筋と同等の性能を発揮することができるため、省資源化を図ることができる。また、連結部材に雌ねじ加工が不要であるから、コストを抑えることができる。
本発明の補強筋を用いた鉄筋構造体は、
平行に並んだ複数の主筋の外周を本発明の補強筋で取り巻き、前記主筋と補強筋の交差部を結束線によって結束しており、
前記結束線が、主筋に巻かれた第1部分と、
前記補強筋に巻かれた第2部分と、
第1部分と第2部分とをそれらの軸心が互いに直交する状態で継ぐ継ぎ部とを有し、
前記結束線の全体が、前記主筋と前記補強筋とが前記主筋の軸方向に離間可能に緩く巻かれている。
この構成によると、工場で事前に主筋を補強筋で取り巻いて組み立てた鉄筋籠を、主筋に対する補強筋の位置関係が変わることなく全体として折畳むことができる。これにより、運搬を容易化し、鉄筋の効率的な組立・作業が可能となる。
本発明の補強筋またはその連結方法によれば、筋本体の両端部のそれぞれに、連結部材から抜け出す方向に補強筋の弾性復元力が作用する。その結果、雄ねじと雌ねじが一定の力で接触した状態となることで、連結部材が筋本体の両端部に固定されるから、ロックナットを使用せずに、必要な引張強度や剛性が確保できる。したがって、筋本体を連結部材に接続する際の工数を削減することができ、さらに、B級やC級といった低位の性能でよく、安価な鉄筋継手を使用することが可能となる。
本発明の主筋によれば、重ね継手により連結された主筋と同等の性能を発揮することができるため、省資源化を図ることができる。また、連結部材に雌ねじ加工が不要であるから、コストを抑えることができる。
また、本発明の鉄筋構造体によれば、鉄筋の運搬が容易となる。
本発明の第1の実施形態に係る曲げられた補強筋を示す正面図である。 同実施形態に係る連結された補強筋を示す正面図である。 同実施形態に係る連結部材の縦断面図である。 同連結部材における補強筋との連結部分の拡大図である。 本発明の第2の実施形態に係る連結部材の縦断面図である。 本発明の鉄筋構造体の型枠内での支持方法を示す縦断面図である。 補強筋の筋本体の連結部材へのねじ込み手順の一例を示す縦断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る曲げられた補強筋を示す正面図である。 本発明の第4の実施形態に係る連結部材の縦断面図である。 同実施形態に係る筋本体の変形例を示す縦断面図である。 本発明の主筋と補強筋に巻き付けた結束線を示す正面図である。 本発明の主筋と補強筋に巻き付けた結束線を示す斜視図である。 本発明の鉄筋構造体の折畳む前の状態を示す斜視図である。 本発明の鉄筋構造体の折畳んだ後の状態を示す斜視図である。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態を図1~図4と共に説明する。
図1に示すように、この補強筋10は、複数の主筋1を外周から取り巻くせん断補強筋であって、その筋本体12は、弾性力を有する一般的な鉄筋材料(例えば、SD345、SD390、SD490、高強度せん断補強筋等)からなるD10~D13,D16mm径の棒材からなり、略矩形に曲げられ、自然状態では中途に大きな第1の連結隙間20を有する。図3に示すように、筋本体12の両端部12a,12bの雄ねじ12cが比較的長い場合、筋本体12の対向する両端部12a,12bのうちの一方の端部12aに連結部材(カプラー)14をねじ込み、外力により、筋本体12を、その両端部12a,12bが接近するように弾性変形させて、筋本体12の他方の端部12bを連結部材14にねじ込み、前記第1の連結隙間20よりも小さな第2の連結隙間21で対向させる。こうして、連結部材14により筋本体12の両端部12a,12bがねじ連結され、この連結状態で、筋本体12の弾性復元力F1,F2により、前記両端部12a,12bの雄ねじ12cのねじ山が連結部材14の雌ねじ14cのねじ山に、前記両端部12a,12bが連結部材14から抜け出る方向に一定の力で接触する。筋本体12は、図9A,9Bで示すような、鉄筋軸部の外面にリブ40と節41とを形成した異形鉄筋であってもよい。
連結部材14と補強筋10との上記連結状態をより確実にするため、連結部材14と筋本体12との接触部分の一部とを径方向外方からプレスすることで径方向へかしめることによって結合してもよい。これにより、連結部材14の雌ねじ14cと両端部12a,12bの雄ねじ12cとが接触した状態、かつ、引張力F1,F2が作用した状態を保つことができるので、補強筋10に必要な性能が担保できる。
これら一連の作業は一般的に工場で行われる。必要長さに切断された材料の両端にねじ加工をし、所定の矩形等に曲げ加工、カプラー装着、加工、かしめの工程により製造される。これら工程はライン化されている。
図4に筋本体12の一端部12aが連結部材14の雌ねじ14cに接触している状態を示す。同様に、筋本体12の他端部12bがF2(図3)によって、連結部材14の雌ねじ14cに、連結部材14から抜け出る方向に一定の力で接触している。その結果、ロックナットを使用せずに、補強筋10に必要な性能が確保できる。
[第2の実施形態]
図5に示すように、筋本体12の一方の端部12aの雄ねじ12cが短く、他方の端部12bの雄ねじ12cが長い場合は、筋本体12の他方の端部12bの雄ねじ12cにあらかじめ連結部材14を取り付けておき、この連結部材14を筋本体12の一方の端部12aにねじ込むことにより、両端部12a,12bを連結させる。その後、連結部材14の短ねじ部側である一端部14aを、筋本体12の一端部12aの不完全ねじ部12caに強くねじ込むことで係止する。このように係止させることで、不完全ねじ部12caを利用した係止ができない長ねじ側の他端部12bであっても、ロックナットを使用せずに、補強筋10に必要な性能が確保できる。
梁においては、上端筋1Aを支えることにより補強筋10の配筋作業を行う方法が一般的である。しかし、連結部材14によって連結された本発明の補強筋においては、図6に示すように、コンクリート打ちの際に、型枠30内の空間で、吊り線25によって中間筋1Cを支えることにより、下端筋1Bの重量を連結部材14が受ける形とすることが好ましい。吊り線25の両端部は例えばピン27によって型枠30に固定する。これにより、連結部材14の雌ねじ14cに、下端筋1Bの重量の分だけ、連結部材14から抜け出る方向にさらに力が加わり、補強筋10に必要な引張強度や剛性が確保できるという効果が向上する。
図3~図5に示す筋本体12の雄ねじ12cは、転造ねじであり、加工硬化(塑性硬化とも呼ばれる)によって、筋本体12の他の部分よりも少なくとも表層部の硬さが硬くなっている。
雄ねじ12cの長さは、カプラー14に対する必要ねじ込み長さだけあれば良いが、図7に示すように、カプラー14の全体をねじ込める長さLとしておく。これにより、筋本体12の両端部12a,12bの接続作業時に、他方の端部12bの雄ねじ12cにカプラー14の全体をねじ込んでおき、筋本体12の端面を合わせるか、または近接させた状態でカプラー14をねじ戻しながら図7の左側へ移動させて、一方の端部12aの雄ねじ12cに螺合させることで、図3~図5の連結状態にできる。そのため、筋本体12の両端部12a,12bを引っ張りながらねじ込むなどの必要がなく、現場接続の作業性が向上する。雄ねじ12cのねじ溝の断面形状は、三角形状であっても、台形であってもよい。
この構成の鉄筋継手によると、筋本体12の雄ねじ12c,12cをカプラー14にねじ込むことで補強筋10の接続が行え、一般の鉄筋継手と同様に、配筋の簡素化、工期の短縮が図れる。
[第3の実施形態]
本発明の第4の実施形態を図8と共に説明する。
図8に示すように、この補強筋10は、筋本体12が中途で別の連結部材(カプラー)15により連結されている点を除き、第1の実施形態と構成が同じである。これにより、筋本体12が長くなるような大きな柱や梁の主筋に巻き付ける場合であっても、大きな外力を要することなく、筋本体12の両端部12a,12bが接近するように筋本体12を容易に弾性変形させることができる。この中途に設ける別の連結部材(カプラー)15については、がた付きを無くすために、ロックナットを設けるのが好ましい。
[第4の実施形態]
図9Aに示すように、雌ねじ加工を施さない丸管の連結部材16に主筋1の筋本体2の両端部2a,2bの雄ねじ2cのねじ山を挿入し、連結部材16と雄ねじ2cのねじ山とを径方向へのかしめによって結合してもよい。これにより、連結部材16に雌ねじ加工を施すことなく、重ね継手により連結された主筋1と同等の性能を発揮することができる。また、連結部材16に雌ねじ加工が不要であるから、コストを抑えることができる。図9A,9Bでは、異形鉄筋の節が竹節の場合を示しているが、ねじ節であってもよい。主筋1は外周にリブ40と節41とが形成された異形鉄筋であるが、通常の鉄筋軸部からなる主筋を用いてもよい。この結合方法は、補強筋に用いてもよい。
住宅等の小規模な基礎等の主筋には、細径の鉄筋が大量に使用されており、その継手は重ね継手となっている。この重ね部の長さは全国レベルで見れば莫大な量となり、資源の無駄である。かしめ方式を用いた鉄筋の形状は閉鎖型である必要がないため、このかしめ方式を採用することにより、省資源化を図ることができる。
筋本体2が異形鉄筋である場合、不完全ねじ部2caは、転造ねじ加工のために事前に下削りを行う関係でリブが欠損している。そのため、非欠損部に比べて断面積が減少しており、引張強さが非欠損部に比べて低下する。そこで、連結部材16の長さを、不完全ねじ部2ca,2caが全て連結部材16の内側に入るようにすれば、引張強さは非欠損部と同等となる。連結部材16の長さを、不完全ねじ部2ca,2caが全て連結部材16の内側に入るようにするか、または、不完全ねじ部2ca,2caが連結部材16の外側に出るようにするかについては、継手部に必要な性能によって決定することが好ましい。
第1から第4の実施形態における筋本体12の雄ねじ12cは螺旋条であるが、第5の実施形態の雄ねじ2cにおいては、図9Bに示すように、環状の突起が軸方向に等間隔に設けられた、いわゆる平行ねじ2dであってもよい。平行ねじ方式では不完全ねじ部がなく、全て完全ねじである。そのため、螺旋条を用いた場合と比べて、長さが短い連結部材16を使用しても、主筋1に必要な補強性能が確保できる。
図9Bの場合、リブ断面欠損部42が全て連結部材16の内側に入るようにする。このように、連結部材16をリブ断面欠損部42にオーバーラップさせることにより、継手部に必要な性能だけでなく、筋本体12に必要な性能が確保できる。
ところで、建設現場での鉄筋の組み立ては、鉄筋を設置する場所まで鉄筋を配っておき、一部は事前に加工場で曲げ加工等施したものを配っておく必要がある。一方、事前にこの部品を組み立てておき、現場ではこれを設置するのみのものは、この途中の運搬で大きな容積のものを運ぶことになり、無駄が多い。そこで、主筋と補強筋を用いて工場で事前に組み立てた鉄筋籠を折畳む工法を採用すれば、効率的な運搬が可能となる。この方式をジャバラ工法と呼ぶ。このジャバラ工法として、特許第3839963号に開示されたものがあるが、各結束線に伸縮部材を設ける必要があるため、コストがかかるという欠点がある。
ジャバラ工法では、主筋側の結束線28Aは緊締した1周巻きとし、せん断補強筋側の結束線28Bは、緩みを持たせた1周巻きで結束する。図11に示すように、折畳む時は梁を水平に置いて、例えば、上端筋1Aを長手方向へ押して移動させることで畳む(図12)。図10A,10Bに示すように、継ぎ部29において、主筋1側に巻き付けた結束線28Aと、補強筋10側に巻き付けた結束線28Bとが直交した状態であると、組み立てた鉄筋籠を折畳むときに、主筋1と結束線28Aとの位置関係、および補強筋10と結束線28Bとの位置関係がそれぞれ変わることなく全体として折り畳むことができる。しかし、施工誤差等により、全てのせん断補強筋が主筋に対して直角に配置されていない場合があるため、このように折り畳むと、回転軸(図11では、上端の補強筋10の軸心)が上端筋全体で一致していないことがある。そのため、結束線28A,28Bを緩く留めることで、筋本体12が、結束線28Aとのクリアランス間で動くことにより、この回転軸の芯ずれも一定程度許容することができる。結束線28A,28Bは、主筋1と補強筋10との交差部で、ハッカー等の工具を用いて90°ねじることにより直交させる。
こうして主筋1と補強筋10とを有する筋構造体の嵩を低くしたうえで現場に搬入し、設置する。設置完了後に、主筋とせん断補強筋の結束を確実に行い組付完了とする。このように、本発明の結束方法によると、伸縮部材等の、結束線以外の部材を用いる必要がないので、コストを抑えることができる。
なお、図11および図12においては、簡略化のために、上端筋1Aと下端筋1Bのみが記載されている。
以上、実施形態に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示的であって制限的なものではない。例えば、筋本体12は矩形、円形または楕円形に曲げられていてもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…鉄筋(主筋)
1A…上端筋
1B…下端筋
1C…中間筋
2…筋本体
2a,2b…端部
2c…雄ねじ
2d…平行ねじ
10…補強筋
12…筋本体
12a,12b…端部
12c…雄ねじ
14,15,16…連結部材(カプラー)
20…第1の連結隙間
21…第2の連結隙間
25…吊り線
27…ピン
28A,28B…結束線
29…継ぎ部
30…型枠
40…リブ
41…節
42…リブ断面欠損部

Claims (3)

  1. 複数の主筋を外周から取り巻く補強筋であって、
    筋本体が閉鎖型形状であり、自然状態では中途に第1の連結隙間を有し、
    外力により両端部同士が接近するように弾性変形されて前記第1の連結隙間よりも小さな第2の連結隙間で対向した状態で、連結部材により前記筋本体の両端部がねじ連結されており、連結状態で前記筋本体の弾性復元力により、前記両端部の雄ねじのねじ山が前記連結部材の雌ねじのねじ山に、前記両端部が前記連結部材から抜け出る方向に接触している補強筋。
  2. 複数の主筋を外周から補強筋で取り巻く際に、
    筋本体を閉鎖型形状に曲げて、自然状態では中途に第1の連結隙間を与え、
    外力により前記筋本体を、その両端部同士が接近するように弾性変形させて前記第1の連結隙間よりも小さな第2の連結隙間で対向した状態で、連結部材により前記筋本体の両端部をねじ連結し、この連結状態で前記筋本体の弾性復元力により、前記両端部の雄ねじのねじ山を前記連結部材の雌ねじのねじ山に、前記両端部が前記連結部材から抜け出る方向に接触させる補強筋の連結方法。
  3. 平行に並んだ複数の主筋の外周を請求項1に記載の補強筋で取り巻き、前記主筋と補強筋の交差部を結束線によって結束した鉄筋構造体であって、
    前記結束線が、前記主筋に巻かれた第1部分と、
    前記補強筋に巻かれた第2部分と、
    前記第1部分と前記第2部分とをそれらの軸心が互いに直交する状態で継ぐ継ぎ部とを有し、
    前記結束線の全体が、前記主筋と前記補強筋とが前記主筋の軸方向に離間可能に緩く巻かれている鉄筋構造体。
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