JP7515226B1 - 調理用ガス窯 - Google Patents

調理用ガス窯 Download PDF

Info

Publication number
JP7515226B1
JP7515226B1 JP2024037755A JP2024037755A JP7515226B1 JP 7515226 B1 JP7515226 B1 JP 7515226B1 JP 2024037755 A JP2024037755 A JP 2024037755A JP 2024037755 A JP2024037755 A JP 2024037755A JP 7515226 B1 JP7515226 B1 JP 7515226B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace chamber
hearth
chimney
food
convection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2024037755A
Other languages
English (en)
Inventor
三上征宏
Original Assignee
三上 征宏
三上 征宏
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三上 征宏, 三上 征宏 filed Critical 三上 征宏
Priority to JP2024037755A priority Critical patent/JP7515226B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7515226B1 publication Critical patent/JP7515226B1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Baking, Grill, Roasting (AREA)

Abstract

【課題】被調理物を熱効率良く、短時間に焼くのに好適な調理用ガス窯に関する。【解決手段】炉床81と、入口を有する炉室16を前記炉床上に形成する窯本体13と、前記炉室内に火炎85を発生させるバーナー83と、を備え、被調理物は前記炉室内の前記炉床の上面の被調理物領域に置かれる調理用ガス窯100であって、上端および下端が開口し、筒側面下部に下部開口部63を有する筒状の炉室内煙突筒本体62を更に備え、前記炉室内煙突筒本体は、前記バーナーが発生させる火炎を囲み、前記下端が前記炉床に接しまたは近接し、前記下部開口部が前記被調理物領域に面するように配置される調理用ガス窯。【選択図】図2

Description

本発明は被調理物を熱効率良く、短時間に焼くのに好適な調理用ガス窯に関する。
美味しいピザを焼くために、様々な石窯と調理用ガス窯が考案されてきた。一例として、ピザを高温で素早く焼き、仕上がり状態を確認するために、炉室の上部を二重構造にして排気空間を形成し、排気空間の側部下端に炉室に開口する排気吸入口を形成し、排気空間は煙突に連通し、燃焼ガスは煙突から排気され、炉床の側部にバーナーが設置される調理用ガス窯がある(特許文献1)。他の例では、焼成窯の焼成部の温度が食品の焼成が可能な温度に達するまでは、火力が強いブラスト燃焼で加熱し、窯昇温後の温度の維持と食品の焼成を火力が弱い赤火燃焼で行うことで、焼成作業の効率及び燃費性能に優れ、ピザ等の焼き調理を行う食品の焼成用として好適な食品用焼成窯がある。その食品用焼成窯では、燃焼ガスは入口を出て前面上部のフードから煙突に吸い込まれて排気される(特許文献2)。
図11は従来の調理用ガス窯800の正面図であり、図12は調理用ガス窯800の側面図である。図13は図12のB-B断面図である。調理用ガス窯800は、炉床開口部82を有する炉床81と、入口11を有する炉室16を炉床81上に形成する窯本体13と、煙突12と、バーナー83と、バーナー83を制御するコントローラ21と、を備える。煙突12の排気通路14の下端が排気口18である。火炎85を発生させるバーナー83は炉床開口部82に配置される。バーナー83は、空気と燃料の混合ガスが噴出される複数の炎孔からなる炎孔84を有する。炎孔84は、火炎85の下部が炉床81の上面の位置になるように、炉床開口部82に配置される。温度センサー22の温度検出部は、炉室16内の所定の位置(炉床81の少し上の、入口11と炎孔84から離れた位置)に配置される。温度センサー22が検出した温度を炉室温度と呼ぶ。炉室温度はコントローラ21付近に表示される。
特許文献1と2から分かるように、従来の調理用ガス窯には様々な燃焼ガスの排気構造(排気口の位置、排気経路等)があるが、調理用ガス窯800では、排気口18は炉室16の中央に対して炎孔84の反対側に配置され、入口11は排気口18と炎孔84から略等距離の位置に配置される。また、特許文献1および2と調理用ガス窯800から分かるように、様々な排気構造が実用化されているが、いずれの排気構造においても、排気口と被調理物との垂直距離および水平距離が大きい。更に、調理時において、炉床から下方への放熱が大きく、炉床の上方の燃焼ガスの垂直方向の温度勾配が大きいので、排気構造は被調理物の上の燃焼ガスの温度と流れにあまり影響を及ぼさない。つまり、排気構造は被調理物の焼け具合にあまり影響を及ぼさない。一方、入口付近の、炉室内の燃焼ガスと外気との大きい温度差により生じる強い対流は、入口付近を冷やすので、入口付近の被調理物の焼け具合に影響を及ぼす。従って、炎孔と排気口と入口の位置は、入口付近の対流の影響を考慮して決められるのが好ましい。
調理用ガス窯800の予熱の後半以降、炉床81と被調理物は、主に、火炎85および窯本体13の炉壁からの赤外線の照射と、炉床81の上の燃焼ガスの対流との対流熱伝達によって加熱される。赤外線の照射の強さは熱源の温度と熱源との距離に非常に強く依存し、更に熱源の面積にも依存する。火炎85の温度は窯本体13の炉壁の温度より遥かに高く、被調理物と火炎85との距離は、被調理物と窯本体13の炉壁との距離より小さいので、火炎85の面積は窯本体13の炉壁の面積より小さいが、炉床81と被調理物は主に火炎85からの赤外線の照射で加熱される。また、赤外線の照射の方向に直交な被調理物の外縁は、赤外線の照射を多く受ける。従って、火炎85に近い被調理物の外縁は過剰な焼け過ぎが起こり易い。
図13の実線と破線の矢印は、予熱の後半以降の略定常状態(炉室16内の燃焼ガスの流れと温度の時間的変化が小さい状態)における、炉室16内の主な燃焼ガスの流れを示したものである。実線の矢印は燃焼により生成され、排気される燃焼ガスの流れを示す。外部の空気と燃料はバーナー83に取り込まれ、空気と燃料の混合ガスが炎孔84から噴出され、燃焼し、火炎85が発生する。燃焼により生成された高温の燃焼ガスは、上昇し、炉室16の上部に滞留し、窯本体13の炉壁で冷やされて下降する。排気口18付近に下降する燃焼ガスは、煙突効果により排気口18に引き込まれて排気される。なお、窯本体13から外気への放熱により、窯本体13の炉壁付近の燃焼ガスの直交方向の温度勾配が大きい。
破線の矢印は炉室16内を循環する燃焼ガスの対流を示す。燃焼により生成された高温の燃焼ガスの上昇に伴って、火炎85が発生している燃焼領域の周囲の燃焼ガスは、燃焼領域に引き込まれる。引き込まれた燃焼ガスは、燃焼により生成された高温の燃焼ガスに混合されて上昇し、炉室16の上部に滞留し、窯本体13の炉壁で冷やされて下降する。入口11付近に下降する燃焼ガスは、入口11に発生している対流に巻き込まれる。排気口18と入口11から離れた所を下降する燃焼ガスは、炉床81付近まで下降し、炉床81の表面温度の高い炉床開口部82の方向に流れ、そして燃焼領域に引き込まれる。この、火炎85により生成された、炉室16内を循環する燃焼ガスの対流を炉室内対流と呼ぶ。炉床81の表面温度は炉床開口部82に近いほど高いとした理由は、(1)炉床81は、火炎85と窯本体13の炉壁からの赤外線によって、概ね、炉床開口部82に近いほど強く照射される。つまり、炉床81の表面温度の上昇は、赤外線の照射によって、概ね、炉床開口部82に近いほど大きい。(2)炉床81上の炉室内対流の速度は炉床開口部82に近いほど大きいので、炉床81と炉室内対流との対流熱伝達による炉床81の表面温度の上昇は、炉床開口部82に近いほど大きい。(1)と(2)により、炉床81の表面温度は炉床開口部82に近いほど高い。
火炎85の垂直断面は図13に示すように縦長である。図13では、図式的な説明上、火炎85を3分割し、下から火炎A、火炎B、火炎Cとする。火炎A、火炎B、火炎Cの各々によって炉室内対流A、炉室内対流B、炉室内対流Cが生成されるとして、各々は炉床81上では層状に流れるとする。なお、炉室内対流が層状に流れるのは、炉床81の下方向への放熱により炉床81の上の燃焼ガスの垂直方向の温度勾配が大きく、炉室16内の中央下部には温度成層のような温度層が形成されるからである。炉室内対流Aは炉床81に接しているので、炉床81と炉室内対流Aとの対流熱伝達によって、炉室内対流Aは炉床81を加熱する。しかしながら、炉室内対流Bと炉室内対流Cは炉床81に接していないので、炉室内対流Aを介して炉床81を加熱する。一方、炉室内対流Bと炉室内対流Cは火炎Bと火炎Cで加熱され、上昇し、窯本体13の炉壁の上部を加熱する。つまり、炉室内対流Bと炉室内対流Cは、主に炉室16の上部の窯本体13の炉壁を加熱し、炉床81をあまり加熱しない。
図14は図11のA-A(炉床81の少し上の火炎Aの中央付近の断面を上から見た)断面図である。図14において、温度センサー22と排気口18は、その断面の上方に位置するので、破線で示されている。破線の矢印が示す炉室内対流Aは、炉床81の上を火炎Aの方向に、火炎Aに略等しい幅で、火炎Aに近いほど大きい速度で流れる。炉室内対流Aの速度が火炎A付近の炉床81の上で特に大きいので、火炎A付近の炉床81は、炉室内対流Aとの対流熱伝達によって過剰に加熱され易い。
図15は、被調理物26が調理用ガス窯800の炉床81の上面の被調理物領域27に配置された場合の図12のB-B断面図である。炉室温度が調理に適切な温度であり、被調理物26が被調理物領域27に配置された場合、被調理物26の直ぐ上の燃焼ガスは、被調理物26で冷やされ、その燃焼ガスの温度は低く略一定であるので、被調理物26の直ぐ上の燃焼ガスの流れ(炉室内対流Aの最下層)は一時的に静止するが、その直後に、燃焼ガスの粘性により炉室内対流Aの最下層も流れ始め、被調理物26と炉室内対流Aとの対流熱伝達が開始される。従って、被調理物26の表面は、対流熱伝達によって、火炎Aの幅で、火炎Aに近いほど強く焼かれ、火炎Aに近い被調理物の外縁は過剰に焼かれ易い。赤外線の照射によっても、火炎85に近い被調理物の外縁は過剰に焼かれ易い。被調理物26の裏面は、赤外線の照射および炉室内対流との対流熱伝達によって加熱された炉床81によって焼かれる。従って、調理用ガス窯800で被調理物26が焼かれると、赤外線と対流熱伝達により被調理物26の外縁が過剰に焼かれ易い。
燃焼により生成されるエネルギーは、赤外線のエネルギーと炉室内対流に伝達される熱の合計に略等しい。火炎85は赤外線を全方向に放射する。その赤外線の大部分は炉室16の上部の窯本体13の炉壁を照射し、過剰に加熱する。その赤外線の一部は直接、炉床81と被調理物26を照射する。更に、燃焼により生成される熱は、炉室内対流Aと炉室内対流Bと炉室内対流Cに伝達されるが、炉室内対流Bと炉室内対流Cに伝達された熱は、主に炉室16の上部の窯本体13の炉壁を過剰に加熱するのに使われ、炉室内対流Aに伝達された熱のみが主に炉床81を加熱するまたは被調理物26を焼くのに使われる。従って、炉室16の上部の窯本体13の炉壁が過剰に加熱され、熱が無駄に外部に放出されるので、調理用ガス窯800の熱効率は低い。
薪を燃料とする石窯において、炉室内の温度が被調理物を焼くのに適切な温度である場合、薪の燃えさしである燠は、炉床上の被調理物領域の周りに広く存在し、薪は燠の上で燃える。炉室内を循環する燃焼ガスの対流は、燠により生成され、炉室内を循環する燃焼ガスの対流(燠炉室内対流と呼ぶ)と薪の火炎により生成され、炉室内を循環する燃焼ガスの対流(薪火炎炉室内対流と呼ぶ)からなる。燠は炉床上の被調理物領域の周りに広く存在し、燠の火力は炉床の少し上で強く、燠炉室内対流は炉床の少し上を流れるので、炉床と被調理物は広く平行状に加熱され、燠に近い炉床と被調理物の外縁は過剰に加熱され難い。薪の火炎は炉床の上方に存在し、その火力は比較的弱いので、薪火炎炉室内対流は比較的弱く、薪の火炎からの赤外線も弱く、炉室の上部の窯本体の炉壁は過剰に加熱され難い。従って、通常、石窯の熱効率は調理用ガス窯800の熱効率より高い。更に、石窯で焼いた被調理物は燠の幅で平行状に焼かれ、被調理物の外縁は過剰に焼かれ難いので、石窯で焼いた被調理物の焼け具合は調理用ガス窯800で焼いた被調理物の焼け具合よりかなり良い。
特開2003-235436号公報 特開2014-159940号公報
従来の調理用ガス窯はバーナーの火炎の形状が縦長であるので、燃焼の熱の多くが炉室内対流によって、調理用ガス窯の上部を加熱するのに使われ、燃焼の熱の一部分が、炉室内対流によって、炉床を加熱し、被調理物を焼くのに使われる。また、火炎から放射される赤外線のエネルギーの大部分は調理用ガス窯の上部を加熱するのに使われ、その一部分が炉床を加熱し、被調理物を焼くのに使われる。従って、従来の調理用ガス窯の熱効率は低い。更に、火炎に近い被調理物の外縁は、火炎からの赤外線の照射と炉室内対流との対流熱伝達により焼け過ぎが起こり易い。
そこで、本発明の目的は、熱効率が高く、被調理物を短時間で焼くことができ、それに加えて焼け具合も良好な調理用ガス窯を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明の調理用ガス窯は、炉床と、入口を有する炉室を炉床上に形成する窯本体と、炉室内に火炎を発生させるバーナーと、を備え、被調理物は炉室内の炉床の上面の被調理物領域に置かれる調理用ガス窯であって、上端および下端が開口し、筒側面下部に下部開口部を有する筒状の炉室内煙突筒本体を更に備え、炉室内煙突筒本体は、バーナーが発生させる火炎を囲み、下端が炉床に接しまたは近接し、下部開口部が被調理物領域に面するように配置される。
また、本発明の調理用ガス窯は、炉室内煙突筒本体が下部開口部の上方の筒側面に光が通過する光通過部を有するのが好ましい。
また、本発明の調理用ガス窯は、一端である延長通路入口が被調理物領域の方に略水平方向に開口し、他端が下部開口部に連通する延長通路を形成する延長通路形成体を更に備えるのが好ましい。また、前記延長通路入口は、炉床の上方に位置するのが好ましい。
また、本発明の調理用ガス窯は、前記延長通路に配置され、延長通路入口に引き込まれる燃焼ガスの速度を幅方向にわたって調整する流速調整体を更に備えるのが好ましい。
また、本発明の調理用ガス窯は、前記流速調整体が、延長通路の両側面に略平行に配置される一対の側面仕切板と、一方が延長通路入口の中央から下部開口部に向けて一対の側面仕切板の一方に近づくように配置され、他方が延長通路入口の中央から下部開口部に向けて一対の側面仕切板の他方に近づくように配置される一対の中央仕切板を備えるのが好ましい。
本発明に係る調理用ガス窯によれば、炉室内煙突筒本体が調理用ガス窯の炉室内に配置され、炉室内煙突筒本体が形成する炉室内煙突通路で燃焼が発生すると、燃焼で高温に加熱された燃焼ガスが炉室内煙突通路を上昇し、その燃焼ガスの上昇に伴って、燃焼ガスが下部開口部に引き込まれて、炉室内を循環する燃焼ガスの対流(煙突筒対流と呼ぶ)が生成される。煙突筒対流は炉床の上を流れるので、炉床が煙突筒対流との対流熱伝達によって強く加熱される。また、赤外線のエネルギーは、炉室内煙突筒本体で熱に変換され、上昇する燃焼ガスを加熱し、煙突筒対流の速度を大きくする。その速度の増加分は、炉床と煙突筒対流との対流熱伝達により炉床を更に加熱する。従って、調理用ガス窯において、燃焼の熱と赤外線のエネルギーが煙突筒対流を生成し、煙突筒対流は対流熱伝達によって炉床を加熱し、被調理物を焼く。従って、調理用ガス窯の熱効率は著しく高い。
また、炉室内煙突筒本体は通常不透明であるが、火炎の光は光通過部を通過して被調理物を照明するので被調理物の焼け具合を観察できる。燃焼ガスが引き込まれる延長通路入口を被調理物の近くに配置することによって、被調理物の上の煙突筒対流の速度を上げ、被調理物を煙突筒対流との対流熱伝達によって強く焼くことができる。延長通路入口を炉床の上方に配置することによって、被調理物の外縁の過剰な焼き過ぎを起こり難くできる。炉室内煙突筒本体と延長通路形成体と流速調整体とを備える炉室内煙突筒は、炉床の上の煙突筒対流の幅を被調理物の幅に合わせ、幅方向の速度を略一定にし、被調理物を平行状に焼くので、被調理物の焼け具合が良い。流速調整体は、一対の側面仕切板と一対の中央仕切板で容易に構築可能である。
本発明における炉室内煙突筒本体の一実施形態を示す斜視図である。 前記炉室内煙突筒本体が配置された本発明の調理用ガス窯の端面図である。 図2で示した調理用ガス窯の炉床の少し上の断面を上から見た断面図である。 炉室内煙突筒本体の他の実施形態を示す斜視図である。 他の実施形態に係る炉室内煙突筒本体が配置された本発明の調理用ガス窯の端面図である。 図5で示した調理用ガス窯の炉床の少し上の断面を上から見た断面図である。 炉室内煙突筒本体と延長通路形成体と流速調整体を備える炉室内煙突筒の一実施形態を示す斜視図である。 前記炉室内煙突筒が配置された本発明の調理用ガス窯の端面図である。 炉室内煙突筒が配置された調理用ガス窯の炉床の少し上の断面を上から見た断面図である。 炉室内煙突筒が配置された調理用ガス窯の他の例の炉床の少し上の断面を上から見た断面図である。 従来の調理用ガス窯の一例を示す正面図である。 図11の調理用ガス窯の側面図である。 図12のB-B端面図である。 図11のA-A断面図である。 被調理物が置かれた場合の図12のB-B端面図である。
以下、本発明の調理用ガス窯について、図面を参照しながら各実施形態に基づいて説明する。図1は、本発明の調理用ガス窯に配置される炉室内煙突筒本体の一実施形態を示す斜視図である。炉室内煙突筒本体62は筒状であり、炉室内煙突通路64を形成し、筒側面下部に下部開口部63を有する。炉室内煙突筒本体62の下端と上端開口部65は垂直方向に開口している。図2は、炉室内煙突筒本体62が、火炎85を囲み、炉室内煙突筒本体62の下端が炉床81に接し、下部開口部63が被調理物領域27(図3参照)に面するように配置された調理用ガス窯100の断面図である。火炎85を炉室内煙突通路64で発生させるために、炎孔84を炉室16の底部付近に配置する必要はあるが、炉床開口部82は必ずしも必要ではない。また、燃焼ガスは入口11から排気されることが可能であるので、煙突12は必ずしも必要ではない。
図2で示した矢印は、調理用ガス窯100が予熱の後半以降の略定常状態の場合の燃焼ガスの流れを図示したものである。実線の矢印は燃焼により生成されて排気される燃焼ガスの流れを示す。外部の空気と燃料はバーナー83に取り込まれ、空気と燃料の混合ガスが炎孔84から噴出され、炉室内煙突通路64において火炎85が発生する。炉室内煙突通路64における燃焼により生成された高温の燃焼ガスは、炉室内煙突筒本体62の外側の燃焼ガスより遥かに高温であるので、その高温の燃焼ガスは、煙突効果により炉室内煙突通路64を上昇し、炉室16の上部に滞留し、窯本体13の炉壁で冷やされて下降する。排気口18付近に下降する燃焼ガスは、煙突効果により排気口18に引き込まれて排気される。なお、火炎85から放出される赤外線の多くは炉室内煙突筒本体62を照射し、熱に変換される。その熱は炉室内煙突通路64を上昇する燃焼ガスを加熱し、燃焼ガスの上昇速度を上げる。
破線の矢印は炉室16内を循環する燃焼ガスの対流を示す。炉室内煙突通路64の高温の燃焼ガスの上昇に伴って、炉床81の上の燃焼ガスが下部開口部63に引き込まれる。その引き込まれた燃焼ガスは燃焼により生成された高温の燃焼ガスに混合されて上昇し、炉室16の上部に滞留し、窯本体13の炉壁で冷やされて下降する。入口11付近に下降する燃焼ガスは入口11に発生している対流に巻き込まれる。排気口18と入口11から離れた所を下降する燃焼ガスは炉床81付近まで下降し、炉床81の表面温度の高い下部開口部63の方向に流れ、そして下部開口部63に引き込まれる。この、炉室16内を循環する燃焼ガスの対流を第一煙突筒対流と呼ぶ。なお、炉床81の表面温度は下部開口部63に近いほど高いとした理由は、(1)窯本体13の炉壁からの赤外線の照射による炉床81の表面温度の上昇は、概ね下部開口部63に近いほど大きい。なお、火炎85からの赤外線は炉室内煙突筒本体62に遮られるので、炉床85は照射されない。(2)炉床81の上の第一煙突筒対流の速度は下部開口部63に近いほど大きいので、炉床81の表面温度の上昇は、炉床81と第一煙突筒対流との対流熱伝達によって下部開口部63に近いほど大きい。(1)と(2)により、炉床15の表面温度は下部開口部63に近いほど高い。従って、第一煙突筒対流は、炉床81との対流熱伝達によって炉床81を加熱し、特に下部開口部63付近の炉床81を強く加熱する。炉室内煙突筒本体62の下端が炉床81に近接している場合は、炉室内煙突筒本体62の下端と炉床81との間隔が十分狭いのが好ましい。また、炉床開口部82の隙間は部材で塞がれているのが好ましい。
図3は、調理用ガス窯100の炉床81の少し上の断面を上から見た断面図である。破線の矢印は炉床81の少し上の第一煙突筒対流を示す。第一煙突筒対流は、炉床81の上を下部開口部63の方向に、下部開口部63に略等しい幅で、下部開口部63に近いほど大きい速度で流れる。従って、炉床81は、第一煙突筒対流との対流熱伝達によって広く平行状に加熱される。また、被調理物が被調理物領域27に置かれた場合、被調理物の表面は第一煙突筒対流との対流熱伝達によって広く平行状に焼かれる。従って、炉室内煙突筒本体62は、燃焼による熱と火炎85からの赤外線のエネルギーにより第一煙突筒対流を生成する。そして、被調理物の表面は第一煙突筒対流との対流熱伝達によって広く平行状に焼かれ、被調理物の裏面は、第一煙突筒対流との対流熱伝達によって広く平行状に加熱された炉床81によって焼かれる。
第一煙突筒対流の炉床81の上の流れは、調理用ガス窯800の炉室内対流Aの炉床81の上の流れに類似している。しかしながら、調理用ガス窯100には、窯本体13の炉壁を過剰に加熱して熱を無駄に放出する炉室内対流Bと炉室内対流Cに対応する燃焼ガスの対流は存在しない。また、調理用ガス窯800では、赤外線のエネルギーの大部分は窯本体13の炉壁を加熱するのに使われるが、調理用ガス窯100では、赤外線のエネルギーは炉床81と被調理物の加熱に使われる。従って、調理用ガス窯100の熱効率は調理用ガス窯800の熱効率より遥かに高い。更に、調理用ガス窯800では、火炎85に近い被調理物の外縁は過剰な焼け過ぎが起こり易いが、調理用ガス窯100では、赤外線による過剰な焼け過ぎは起きない。なお、第一煙突筒対流が炉床81の直ぐ上を流れるので、下部開口部63付近の炉床81は対流熱伝達により過剰に加熱され、被調理物の外縁の過剰な焼け過ぎが起こり易い。
第一煙突筒対流の炉床81の上の流れは石窯の燠炉室内対流の炉床の上の流れに類似している。しかしながら、調理用ガス窯100には、窯本体の上部を過剰に加熱して熱が無駄に放出される薪火炎炉室内対流に対応する燃焼ガスの対流は存在しない。従って、調理用ガス窯100は石窯より熱効率が高い。また、石窯では、被調理物は燠炉室内対流との対流熱伝達によって広く平行状に焼かれ、燠炉室内対流は炉床の少し上を流れるので、対流熱伝達による過剰な焼け過ぎは起こり難い。一方、調理用ガス窯100では、第一煙突筒対流との対流熱伝達によって広く平行状に焼かれるが、第一煙突筒対流が炉床81の直ぐ上を流れるので、対流熱伝達による過剰な焼け過ぎが起こり易い。なお、第一煙突筒対流の速度は、炉室内煙突筒本体62の周囲の燃焼ガスの温度と炉室内煙突通路64の燃焼ガスの平均温度との温度差が大きいほど大きいので、炉室内煙突筒本体62は断熱性の高い素材または層を含むのが好ましい。更に、炉室内煙突筒本体62は火炎85からの赤外線のエネルギーを効率よく燃焼ガスに伝達する材料または構造を有するのが好ましい。
図4は、炉室内煙突筒本体の他の実施形態を示す斜視図である。炉室内煙突筒本体32は筒状であり、炉室内煙突通路34を形成し、筒側面下部に下部開口部33を有する。炉室内煙突筒本体32の下端は垂直方向に開口し、上端開口部35は略水平方向に開口している。上端開口部35の形状は炉室内煙突通路34の垂直部分の断面の形状に等しい。図5は、前記炉室内煙突筒本体32を備える調理用ガス窯200の断面図である。調理用ガス窯200では、バーナー83に比べて火力が小さく、炎孔の数が少ないバーナー23が使用される。炉室内煙突筒本体32の断面積は、炉室内煙突筒本体62の断面積より小さい。炉室内煙突筒本体32は、火炎25を囲み、下端が炉床15に接し、下部開口部33が被調理物領域27に面するように配置される。火炎25は炉室内煙突通路34で発生する。炉床開口部17の隙間は部材で塞がれるのが好ましい。
図5で示した矢印は、調理用ガス窯200が予熱の後半以降の略定常状態の場合の燃焼ガスの流れを模式的に示したものである。実線の矢印は燃焼により生成されて排気される燃焼ガスの流れを示す。外部の空気と燃料はバーナー23に取り込まれ、炉室内煙突通路34において燃焼され、燃焼により生成された高温の燃焼ガスは、炉室内煙突通路34を上昇する。上端開口部35が略水平方向に開口しているので、上昇する高温の燃焼ガスは流れの方向をやや水平方向に変えて上端開口部35から炉室16の中央の方向に流れる。火炎25の先端付近を上昇する非常に高温の燃焼ガスは、流れの方向がやや水平方向に変わる過程で周囲の燃焼ガスと混合され、炉室内煙突通路34を上端開口部35から出た時に、周囲の燃焼ガスと更に混合され、その非常に高温の燃焼ガスの温度は大幅に低下する。上端開口部35から出た燃焼ガスの温度は、周囲の燃焼ガスの温度より高いので、上昇し、炉室16の上部に滞留し、窯本体13の炉壁で冷やされて下降する。排気口18付近に下降する燃焼ガスは排気口18に引き込まれて排気される。
破線の矢印は炉室16内を循環する燃焼ガスの対流を示す。炉室内煙突通路34の高温の燃焼ガスの上昇に伴って、炉床15の上の燃焼ガスが下部開口部33に引き込まれる。その引き込まれた燃焼ガスは、燃焼により生成された高温の燃焼ガスに混合されて炉室内煙突通路34を上昇する。その上昇する燃焼ガスは、流れの方向をやや水平方向に変えて上端開口部35から炉室16の中央の方向に出て、再び上昇し、炉室16の上部に滞留し、窯本体13の炉壁で冷やされて下降する。入口11付近に下降する燃焼ガスは入口11に発生している対流に巻き込まれる。排気口18と入口11から離れた所を下降する燃焼ガスは炉床15付近まで下降し、炉床15の表面温度の高い下部開口部33の方向に流れ、そして下部開口部33に引き込まれる。この、炉室16内を循環する燃焼ガスの対流を第二煙突筒対流と呼ぶ。
図6は、調理用ガス窯200の炉床15の少し上の断面を上から見た断面図である。破線の矢印は炉床15の少し上の第二煙突筒対流を示す。炉床15の上の下部開口部33付近の第二煙突筒対流の速度は、下部開口部33に近いほど大きく、下部開口部33の中央で最も大きく、端にいくほど小さい放射状を示す。従って、炉床15は、炉床15と第二煙突筒対流との対流熱伝達によって、第二煙突筒対流の速度と同様な放射状に加熱される。また、第二煙突筒対流は炉床15の直ぐ上を流れるので、下部開口部33付近の炉床15は対流熱伝達により過剰に加熱され易い。
調理用ガス窯100は過剰な火力を有するバーナー83を備えるので、最適な調理用ガス窯を構築するのは困難である。そこで、適正な火力を有するバーナー23に対応した炉室内煙突筒本体32に基づいて、被調理物が最大の熱効率で焼かれ、被調理物の焼け具合が良く、調理時に被調理物の焼け具合が見える最適な調理用ガス窯を構築する。そのための、第一の要件は、最高の熱効率をもたらす炉室内煙突筒本体32の形状を具体化することであり、第二の要件は良い焼け具合を達成する手段を具体化することであり、第三の要件は被調理物を照明する手段を具体化することである。
第一の要件:炉室内煙突筒本体32の形状
調理用ガス窯200の熱効率は炉室内煙突筒本体32の形状に依存する。バーナー23の火力が一定の場合、炉室内煙突筒本体32の形状の変更に対応して、第二煙突筒対流の速度が大きくなると、炉室16の底部の低温の燃焼ガスがより多く引き込まれ、それに伴いより高温の燃焼ガスが炉室16の底部に流入するので、炉室16の底部の燃焼ガスの温度が上がる。それと共に、燃焼により生成された高温の燃焼ガスと、より多くの引き込まれた炉室16の底部の低温の燃焼ガスが混合されるので、炉室内煙突通路34を上昇する燃焼ガスの温度は下がると共に、炉室16の上部の燃焼ガスの温度が下がる。炉室温度は炉室16の底部の燃焼ガスの温度に連動して同様に変動するので、第二煙突筒対流の速度が大きくなると、炉室温度が上がり、炉室16の上部の燃焼ガスの温度が下がる。また、第二煙突筒対流の速度が小さくなると、炉室温度が下がり、炉室16の上部の燃焼ガスの温度が上がる。これは、第二煙突筒対流の速度が最大の場合に炉室温度が最高となることを意味する。一定の火力に対して炉室温度が最高の場合に熱効率が最高であるので、最高の炉室温度をもたらす炉室内煙突筒本体32の形状が炉室内煙突筒本体32の最適の形状である。
炉室内煙突筒本体32の断面を長方形とし、その長方形の短辺の長さを横幅とし、長辺の長さを縦幅とする。まず、火炎25の水平断面の最大の横幅と最大の縦幅を測定し、それらの測定値をそれぞれ火炎最大横幅と火炎最大縦幅とする。
(1)炉室内煙突筒本体32の最適本体長さ
炉室内煙突筒本体32は長いほど煙突効果が大きいので、炉室内煙突筒本体32と窯本体13の炉壁との間隔が所定の間隔となる炉室内煙突筒本体32の長さが最適本体長さである。ここで、所定の間隔とは、例えば約1cmであり、窯本体13や炉室内煙突筒本体32の製造誤差や設置誤差があっても、炉室内煙突筒本体32を設置できる間隔を意味する。
(2)炉室内煙突筒本体32の最適本体横幅と最適本体縦幅
炉室内煙突筒本体32の断面積(縦横比は適切であるとする)が小さ過ぎると、燃焼に支障をきたして、燃焼の発熱量が低下し、下部開口部33を通る第二煙突筒対流の速度は小さくなる。一方、炉室内煙突筒本体32の断面積が大き過ぎると、炉室内煙突通路34に燃焼ガスの対流が発生して、下部開口部33を通る第二煙突筒対流の速度は小さくなる。最適本体横幅と最適本体縦幅は、それらの中間にあり、実験により求められる。例えば、3~5種類の縦幅と横幅の炉室内煙突筒本体32を作製し、最高の炉内温度に対応する炉室内煙突筒本体の最適サイズを実験により求めるものである。すなわち、最適本体横幅と最適本体縦幅とは、炉室内煙突筒本体32内で火炎25が発生したと想定した場合に、煙突効果が最大となる炉室内煙突筒本体32の最適サイズを意味する。
まず、長さが最適本体長さであり、横幅が火炎最大横幅であり、縦幅が火炎最大縦幅であり、下部開口部の幅は火炎最大縦幅であり、下部開口部の高さは火炎最大横幅の半分であり、上端開口部の幅は火炎最大縦幅であり、上端開口部の高さは火炎最大横幅である炉室内煙突筒本体を作成する。更に、長さが最適本体長さであり、横幅が火炎最大横幅と異なる横幅であり、縦幅が火炎最大縦幅と異なる縦幅であり、下部開口部と上端開口部の幅は作成される炉室内煙突筒本体の縦幅であり、下部開口部の高さは作成される炉室内煙突筒本体の横幅の半分であり、上端開口部の高さは作成される炉室内煙突筒本体の横幅である複数の炉室内煙突筒本体を作成する。
炉室内煙突筒本体32が取り外された調理用ガス窯200を予熱し、噴射量を調整して炉室温度を所定の調理時の炉室温度より所定の温度(例えば50度)低い温度に調整する。炉室温度の時間的変化が非常に小さい状態(準定常状態)になった時の噴射量と炉室温度を、それぞれ第一噴射量と従来炉室温度として記録する。次に、作成した炉室内煙突筒本体の一つが配置された調理用ガス窯200を予熱し、第一噴射量での準定常状態の場合の炉室温度を記録する。作成した他の炉室内煙突筒本体に対して、同様に、第一噴射量での準定常状態の場合の炉室温度を記録する。記録された炉室温度の中の最大値に対応する炉室内煙突筒本体の横幅と縦幅が、それぞれ炉室内煙突筒本体32の最適本体横幅と最適本体縦幅である。なお、従来炉室温度からの炉室温度の上昇は、炉室内煙突筒本体32による調理用ガス窯200の熱効率の改善を意味する。
(3)下部開口部33の幅と高さ
下部開口部33の幅は最適本体縦幅であり、下部開口部33の高さは最適本体横幅である。
(4)上端開口部35の幅と高さ
上端開口部35の幅は最適本体縦幅であり、上端開口部35の高さは最適本体横幅である。
第二の要件:焼け具合
被調理物が良い焼け具合に焼かれるためには、被調理物が主に対流熱伝達で短時間に焼かれ、被調理物の外周の幅広い部分が略均一に焼かれ、被調理物の外縁の焼き過ぎが起こり難いようにする必要がある。そのためには、第二煙突筒対流の幅を被調理物の幅まで拡大し、被調理物の外周で第二煙突筒対流の速度を略一定にする必要がある。更に、被調理物の外縁の対流熱伝達による過剰な焼け過ぎを避けるために、第二煙突筒対流を炉床15の少し上に流す必要がある。なお、下部開口部33の幅が被調理物の幅に等しい場合は、第二煙突筒対流の幅を変える必要はない。更に、下部開口部33の幅が被調理物の幅より大きい場合は、第二煙突筒対流の幅を縮小するのが好ましい。
第三の要件:被調理物の照明
被調理物の焼け具合を観察するためには、火炎25の光で被調理物を照明する必要がある。
図7は、上記の要件を満たす炉室内煙突筒の一実施形態を示す斜視図である。炉室内煙突筒41は、炉室内煙突筒本体42と、延長通路形成体51と、流速調整体55を備える。炉室内煙突筒本体42の長さは最適本体長さであり、横幅は最適本体横幅であり、縦幅は最適本体縦幅である。下部開口部43の幅は最適本体縦幅であり、下部開口部43の高さは最適本体横幅である。上端開口部45の幅は最適本体縦幅であり、上端開口部45の高さは最適本体横幅である。炉室内煙突筒本体42の下部開口部43と上端開口部45の間の筒側面の中央部に被調理物の照明に必要な光通過部46が形成される。光通過部46は炉室内煙突筒本体42に形成された一個または複数個の孔であっても良いが、その孔は透明の耐熱ガラス等で覆われるのが好ましい。
延長通路形成体51は、一端である延長通路入口52が略水平方向に開口し、他端が下部開口部43に連通する延長通路53を形成する。延長通路入口52の幅は所定の入口の幅(例えば、被調理物の幅)であり、その高さは所定の入口の高さ(例えば、1cm)である。延長通路入口52は炉床15から所定の高さ(例えば、2cm)の位置である。延長通路形成体51の側面と下部開口部43の面との外角が所定の角度(例えば、40度)である。延長通路形成体51は、炉室内煙突通路44を延長し、延長通路入口52を被調理物の近くに配置することによって、被調理物の上の燃焼ガスの対流の速度を上げ、被調理物を対流熱伝達によって強く焼くためのものである。延長通路入口52を炉床の上方に配置することによって、被調理物の外縁の過剰な焼き過ぎが起こり難くなる。なお、下部開口部43の幅が被調理物の幅に等しい場合、延長通路入口52の幅は下部開口部43の幅と等しく、下部開口部43の幅が被調理物の幅より大きい場合、延長通路入口52の幅は下部開口部43の幅より小さいのが好ましい。
延長通路53内の燃焼ガスの速度を調整する流速調整体55は、被調理物の外周を略均一に焼くために、延長通路53に配置される。流速調整体55は、一対の側面仕切板56と一対の中央仕切板57を備える。一対の側面仕切板56は、延長通路形成体51の両側面に略平行に配置される。一対の中央仕切板57の一方は、延長通路入口52の中央から下部開口部43に向けて一対の側面仕切板56の一方に近づくように配置され、一対の中央仕切板57の他方は、延長通路入口52の中央から下部開口部43に向けて一対の側面仕切板56の他方に近づくように配置される。一対の側面仕切板56と延長通路形成体51の側面との間隔を調整し、または一対の中央仕切板57の長さまたは内角を調整することによって、延長通路入口52の両端に引き込まれる燃焼ガスの速度を、延長通路入口52の中央に引き込まれる燃焼ガスの速度より大きくする。
延長通路形成体51と流速調整体55は自由度の高い構造物である。形の異なる複数の延長通路形成体と流速調整体を作成し、各々の延長通路形成体と流速調整体に対して被調理物を焼き、その焼け具合を評価し、最良の焼け具合に対応する延長通路形成体と流速調整体を最適の延長通路形成体と流速調整体とするのが好ましい。
図8は、炉室内煙突筒41を備えた調理用ガス窯300の断面図である。調理用ガス窯300は、調理用ガス窯200の炉室内煙突筒本体32が炉室内煙突筒41で代替されたものである。なお、図8では、分かり易くするために、流速調整体55が省かれている。実線の矢印は、調理用ガス窯300の予熱の後半以降の略定常状態の場合の、外部の空気と燃料の混合ガスの燃焼により生成され、排気される燃焼ガスの流れを示す。その燃焼ガスの流れは図5の実線の矢印と殆ど同じである。破線の矢印は、炉室内煙突筒41によって生成された、炉室16内を循環する第三煙突筒対流を示す。炉室内煙突通路44の高温の燃焼ガスの上昇に伴って、延長通路入口52付近の燃焼ガスが延長通路入口52に引き込まれる。その引き込まれた燃焼ガスは、延長通路53を通り、炉室内煙突通路44の高温の燃焼ガスに混合されて上昇し、流れの方向をやや水平方向に変えて上端開口部45から炉室16の中央の方向に流れ、その後再び上昇し、炉室16の上部に滞留し、窯本体13の炉壁で冷やされて下降する。排気口18と入口11から離れた所を下降する燃焼ガスは炉床15付近まで下降する。炉床15の表面温度は延長通路入口52に近いほど高いので、炉床15付近まで下降する燃焼ガスは延長通路入口52の方向に流れ、そして延長通路入口52に引き込まれる。延長通路入口52が炉床15の少し上にあるので、延長通路入口52に引き込まれる第三煙突筒対流は炉床15の少し上を流れる。
図9は調理用ガス窯300の、延長通路入口52の垂直中央付近の水平断面を上から見た断面図である。被調理物領域28は炉室内煙突筒41の配置のために被調理物領域27より小さい。破線の矢印は、予熱の後半以降の略定常状態の場合の、炉床15の少し上の第三煙突筒対流を示す。延長通路入口52に引き込まれる第三煙突筒対流の延長通路入口52の中央の速度は、流速調整体55により、延長通路入口52の両端の速度より小さい。また、第三煙突筒対流の速度は延長通路入口52から離れるほど小さい。そのために、延長通路入口52に面する被調理物の外周は比較的均一に焼かれる。また、第三煙突筒対流は炉床15の少し上を流れるので、被調理物の外縁の焼き過ぎが起こり難い。従って、調理用ガス窯300では、被調理物が主に対流熱伝達で熱効率良く短時間に焼かれ、被調理物の外周の幅広い部分が略均一に焼かれ、被調理物の外縁の焼き過ぎが起こり難い。つまり、調理用ガス窯300では、被調理物は、石窯で焼いたように、短時間に良い焼け具合で焼かれる。
従って、炉室内煙突筒本体32に基づいて、被調理物が、石窯で焼いたように、短時間に良い焼け具合で焼かれ、石窯より熱効率が高い調理用ガス窯300が構築される。また、炉室内煙突筒本体62に基づいて、まず、炉室内煙突筒本体62に光通過部を形成し、下部開口部63に連通する延長通路形成体とその延長通路形成体が形成する延長通路に合う流速調整体を作成し、炉室内煙突筒を構築する。そして、その炉室内煙突筒を調理用ガス窯800に配置することにより、被調理物が、石窯で焼いたように、短時間に良い焼け具合で焼かれ、石窯より熱効率が高い調理用ガス窯を構築できる。また、上端開口部65と窯本体13との間に、火炎85の先端付近を上昇する非常に高温の燃焼ガスが窯本体13の炉壁と接触するのを回避させる接触回避板を設ける。接触回避板は上昇する非常に高温の燃焼ガスを周囲の燃焼ガスと混合させ、その温度を大幅に低下させるので、調理用ガス窯の熱効率を更に上げる。
調理用ガス窯300では、図9に示すように、延長通路入口52の一端が入口11に近いので、入口11付近に起きる強い対流によって、特に炉室16の底部の入口11付近の燃焼ガスの温度が低下され、入口11付近の被調理物は弱く焼かれる。つまり、被調理物は、延長通路入口52付近で適度に焼かれ、その反対側で弱く焼かれ、入口11付近で最も弱く焼かれる。被調理物の焼け具合に対称性がないので、被調理物を再び焼いても被調理物を均一に焼くのは難しい。
図10は、他の実施形態に係る調理用ガス窯400の図9と同様の断面図である。この図では炉床71の上方に位置する温度センサー75と排気口76は波線で示されている。調理用ガス窯400は、調理用ガス窯300の入口11を固定し、炉床開口部17とバーナー23と炉室内煙突筒41と排気口76と煙突12を、炉室の中心を中心として反時計方向に90度回転したものである。従って、調理用ガス窯400において、外部の空気と燃料の混合ガスの燃焼により生成され、排気される燃焼ガスの流れは、調理用ガス窯300におけるその燃焼ガスの流れを、炉室の中心を中心として反時計方向に90度回転したものと殆ど同じである。また、調理用ガス窯400において、炉室内煙突筒41によって生成される、炉室内を循環する燃焼ガスの対流(第四煙突筒対流)も、第三煙突筒対流を炉室16の中心を中心として反時計方向に90度回転したものと殆ど同じである。但し、排気口76と入口72付近の第四煙突筒対流の流れは、第三煙突筒対流の流れとは異なる。
図10の破線の矢印は、予熱の後半以降、略定常状態の場合の、炉床71の少し上の第四煙突筒対流を示したものである。破線の矢印は、図9の破線の矢印を炉室の中心を中心として反時計方向に90度回転したものと殆ど同じである。調理用ガス窯400において、入口72付近に起きる強い対流による影響は、延長通路入口52に向かう第四煙突筒対流に対して正面から見て左右対称に起きる。調理用ガス窯400は左右対称であり、被調理物が薄い円盤形状であり、被調理物が正面から見て左右対称に炉床71上に配置される場合、被調理物の焼け具合は左右対称である。被調理物を180度回転して再び焼くことにより被調理物全体が略均一に焼かれる。
11 入口
12 煙突
13 窯本体
14 排気通路
15 炉床
16 炉室
17 炉床開口部
18 排気口
21 コントローラ
22 温度センサー
23 バーナー
24 炎孔
25 火炎
26 被調理物
27,28 被調理物領域
41 炉室内煙突筒
32,42,62 炉室内煙突筒本体
33,43,63 下部開口部
34,44,64 炉室内煙突通路
35,45,65 上端開口部
46 光通過部
51 延長通路形成体
52 延長通路入口
53 延長通路
55 流速調整体
56 一対の側面仕切板
57 一対の中央仕切板
71 炉床
72 入口
73 窯本体
74 被調理物領域
75 温度センサー
76 排気口
77 炉床開口部
81 炉床
82 炉床開口部
83 バーナー
84 炎孔
85 火炎
100,200,300,400,800 調理用ガス窯

Claims (6)

  1. 炉床と、
    入口を有する炉室を前記炉床上に形成する窯本体と、
    前記炉室内に火炎を発生させるバーナーと、を備え、
    被調理物は前記炉室内の前記炉床の上面の被調理物領域に置かれる調理用ガス窯であって、
    上端および下端が開口し、筒側面下部に下部開口部を有する筒状の炉室内煙突筒本体を更に備え、
    前記炉室内煙突筒本体は、前記バーナーが発生させる火炎を囲み、前記下端が前記炉床に接しまたは近接し、前記下部開口部が前記被調理物領域に面するように配置されることを特徴とする調理用ガス窯。
  2. 前記炉室内煙突筒本体は、前記下部開口部の上方の筒側面に光が通過する光通過部を有することを特徴とする請求項1に記載の調理用ガス窯。
  3. 一端である延長通路入口が前記被調理物領域の方に略水平方向に開口し、他端が前記下部開口部に連通する延長通路を形成する延長通路形成体を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の調理用ガス窯。
  4. 前記延長通路入口は前記炉床の上方に位置することを特徴とする請求項3に記載の調理用ガス窯。
  5. 前記延長通路に配置され、前記延長通路入口に引き込まれる燃焼ガスの速度を幅方向にわたって調整する流速調整体を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の調理用ガス窯。
  6. 前記流速調整体は、前記延長通路の両側面に略平行に配置される一対の側面仕切板と、一方が前記延長通路入口の中央から前記下部開口部に向けて前記一対の側面仕切板の一方に近づくように配置され、他方が前記延長通路入口の中央から前記下部開口部に向けて前記一対の側面仕切板の他方に近づくように配置される一対の中央仕切板を備えることを特徴とする請求項5に記載の調理用ガス窯。
JP2024037755A 2024-03-12 2024-03-12 調理用ガス窯 Active JP7515226B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2024037755A JP7515226B1 (ja) 2024-03-12 2024-03-12 調理用ガス窯

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2024037755A JP7515226B1 (ja) 2024-03-12 2024-03-12 調理用ガス窯

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP7515226B1 true JP7515226B1 (ja) 2024-07-12

Family

ID=91810455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2024037755A Active JP7515226B1 (ja) 2024-03-12 2024-03-12 調理用ガス窯

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7515226B1 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001314329A (ja) 2000-05-08 2001-11-13 Paloma Ind Ltd グリル庫の排気構造
JP2003235436A (ja) 2002-02-22 2003-08-26 Nagaoka Seisakusho:Kk ピザ用窯
JP2014159940A (ja) 2013-01-23 2014-09-04 World Seiki:Kk ガスバーナ装置、それを備えた食品用焼成窯、食品の焼成方法及び食品用焼成窯の焼成温度制御方法
JP2016174567A (ja) 2015-03-19 2016-10-06 有限会社藤村製作所 ピザ用窯
US20190195502A1 (en) 2017-12-27 2019-06-27 National Chung-Shan Institute Of Science & Technology Kiln and heating method thereof
KR102118564B1 (ko) 2019-01-09 2020-06-03 김민규 이동식 소형 화덕
CN214230963U (zh) 2020-07-06 2021-09-21 广东奥笙电气实业有限公司 一种带红外线炉头的披萨炉
US20210392904A1 (en) 2020-06-23 2021-12-23 Stearns Product Development Corporation Gas powered pizza oven
WO2022165138A1 (en) 2021-01-29 2022-08-04 Costa Marques Estevam Luiz Del Nero Planetary oven system
US20230270287A1 (en) 2019-05-03 2023-08-31 Napoli Llc Oven including gas burner and wood tray

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001314329A (ja) 2000-05-08 2001-11-13 Paloma Ind Ltd グリル庫の排気構造
JP2003235436A (ja) 2002-02-22 2003-08-26 Nagaoka Seisakusho:Kk ピザ用窯
JP2014159940A (ja) 2013-01-23 2014-09-04 World Seiki:Kk ガスバーナ装置、それを備えた食品用焼成窯、食品の焼成方法及び食品用焼成窯の焼成温度制御方法
JP2016174567A (ja) 2015-03-19 2016-10-06 有限会社藤村製作所 ピザ用窯
US20190195502A1 (en) 2017-12-27 2019-06-27 National Chung-Shan Institute Of Science & Technology Kiln and heating method thereof
KR102118564B1 (ko) 2019-01-09 2020-06-03 김민규 이동식 소형 화덕
US20230270287A1 (en) 2019-05-03 2023-08-31 Napoli Llc Oven including gas burner and wood tray
US20210392904A1 (en) 2020-06-23 2021-12-23 Stearns Product Development Corporation Gas powered pizza oven
CN214230963U (zh) 2020-07-06 2021-09-21 广东奥笙电气实业有限公司 一种带红外线炉头的披萨炉
WO2022165138A1 (en) 2021-01-29 2022-08-04 Costa Marques Estevam Luiz Del Nero Planetary oven system

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW201927152A (zh) 窯烤爐
TW201927151A (zh) 窯烤爐及其加熱方法
GB2489421A (en) Oven with low-level outlet
TW201927153A (zh) 窯烤爐
JP5753358B2 (ja) 連続炊飯装置
JP5753360B2 (ja) 連続炊飯装置
JP5859188B2 (ja) 連続炊飯装置
JP7515226B1 (ja) 調理用ガス窯
JP4312756B2 (ja) 無煙焼き物器
JP6412224B2 (ja) 連続炊飯装置
TWM505813U (zh) 窯烤爐之結構改良
JP7219963B2 (ja) 電気式ピザ窯
JP6196023B2 (ja) 連続炊飯装置
JP3558380B2 (ja) ガス調理器
JP2024025125A (ja) ドーム窯
JP6404967B2 (ja) 連続炊飯装置
JP4761960B2 (ja) ガスホットプレート
JP6106255B2 (ja) 連続炊飯装置
JP2005143570A (ja) 上火式焼物器
JP2928230B1 (ja) 無煙焼き器
KR910009225B1 (ko) 구이기
JP3111522U (ja) 焼物装置における側壁冷却機構
JP5753359B2 (ja) 連続炊飯装置
JP2016217558A (ja) たこ焼き器
JP2019013775A (ja) 連続炊飯装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240312

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20240312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240619

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240625

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7515226

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150